JP2009075050A - 電界強度分布測定装置、及び電界強度分布測定方法 - Google Patents

電界強度分布測定装置、及び電界強度分布測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被着体にICタグを添付した状態で、測定空間内における電界強度分布を適切に測定することが可能な電界強度分布測定装置を提供する。
【解決手段】電界強度分布測定装置は、測定空間における電界強度分布を測定するために用いられる。具体的には、送受信装置は、アンテナより受信された電波に基づいて電波を送信し、移動手段は、送受信装置が添付された状態にある被着体を複数の測定位置に移動させる。そして、電界強度分布測定手段は、被着体に添付された送受信装置と通信を行うことによって複数の測定位置ごとに電界強度を得て、複数の測定位置に対応付けて電界強度を記憶する。上記の電界強度分布測定装置によれば、被着体に添付された状態にある送受信装置が測定空間内で経験する電界強度分布を適切に測定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空間内における電界強度分布を測定する技術に関する。
この種の技術が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、料金所ゲートの車線に設置された路側アンテナから無線電波を受信する測定アンテナを3次元方向へ移動させ、測定ポイントにて測定アンテナが路側アンテナから受信した無線電波の電界強度を測定する電界強度測定装置が記載されている。
特開2005−45320号公報
ところで、例えばICタグの運用場などにおいて、空間内における電界強度分布などの測定が行われている。このような測定を行うのは、ICタグを利用する場合には、リーダーなどによる読み取り作業を確実に行えるようにすることが重要であるからである。一般的には、測定すべき空間内にICタグを配置して、ICタグが経験する電界強度分布の測定が行われていた。つまり、ICタグを添付すべき被着体(例えば製品の入った段ボール箱など)を用いずに、空間内にICタグのみを配置して、電界強度分布の測定が行われていた。
しかしながら、上記した測定により得られる電界強度分布は、被着体にICタグを添付した状態で得られる電界強度分布とは異なるものであると考えられる。これは、ICタグの読みとり率が、被着体の有無によって変化する傾向にあるからである。例えば、被着体を用いていない状態では、リーダーからの電波がICタグに直接届くのに、被着体にICタグが添付された状態では、被着体により電波が遮蔽されることによって電波が届きにくかったりする場合があるからである。また、被着体を用いていない状態では、リーダーからの電波が相殺したことが原因でICタグに電波が届きにくかった場合でも、被着体にICタグが添付された状態では、一方の電波が被着体に遮蔽されることによって電波が届いたりする場合があるからである。
以上より、ICタグの読み取り作業などに有用なデータを得るためには、被着体にICタグを添付した状態で電界強度分布を測定することが望ましいと考えられる。なお、上記した特許文献1には、被着体にICタグを添付した状態で、電界強度を測定することについては記載されていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、被着体にICタグを添付した状態で、測定空間内における電界強度分布を適切に測定することが可能な電界強度分布測定装置、及び電界強度分布測定方法を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、電界強度分布測定装置は、少なくともアンテナを備えて構成され、前記アンテナより受信された電波に基づいて電波を送信する送受信装置と、前記送受信装置が添付された状態にある被着体を、空間内における複数の測定位置に移動させる移動手段と、前記被着体に添付された前記送受信装置と通信を行うことにより、前記移動手段によって移動された前記複数の測定位置ごとに、前記送受信装置が受信した電波における電界強度を得ると共に、前記複数の測定位置に対応付けて前記電界強度を記憶する電界強度分布測定手段と、を備えることを特徴とする。
上記の電界強度分布測定装置は、測定対象となっている3次元空間(測定空間)における電界強度分布を測定するために好適に用いられる。具体的には、送受信装置は、アンテナより受信された電波に基づいて電波を送信し、移動手段は、送受信装置が添付された状態にある被着体を複数の測定位置に移動させる。また、電界強度分布測定手段は、被着体に添付された送受信装置と通信を行うことによって、複数の測定位置ごとに電界強度を得る。具体的には、電界強度分布測定手段は、送受信装置がアンテナより受信した電波の電界強度(言い換えると、被着体に添付された状態にある送受信装置が経験する電界強度)を得る。そして、電界強度分布測定手段は、複数の測定位置に対応付けて電界強度を記憶することによって電界強度分布を得る。上記の電界強度分布測定装置によれば、被着体に添付された状態にある送受信装置が測定空間内で経験する電界強度分布を適切に測定することができる。
上記の電界強度分布測定装置の一態様では、前記送受信装置は、ICタグによって構成され、前記電界強度分布測定手段は、前記送受信装置に送信する電波の出力電力を変化させた際における応答の有無に基づいて、当該送受信装置から応答が得られる最低の出力電力を求めることによって、前記電界強度を得る。
この態様では、電界強度分布測定手段は、ICタグに対して送信する電波の出力電力を変化させることで、ICタグから応答が得られる最低の出力電力を求める。そして、求められた最低の出力電力に基づいて、ICタグが経験する電界強度を得る。これにより、被着体に添付された状態にあるICタグが経験する電界強度分布を適切に測定することができる。よって、ICタグの読み取り作業などが実際に行われる状況でICタグが経験する電界強度分布を得ることが可能となる。
上記の電界強度分布測定装置の他の一態様では、前記送受信装置は、ICタグの電波特性を再現するように構成されると共に、前記アンテナより受信された電波における電界強度を測定して、測定された前記電界強度を示す信号を送信し、前記電界強度分布測定手段は、前記送受信装置から受信された前記電界強度を示す信号より、前記電界強度を得る。
この態様では、ICタグの代わりに、ICタグの電波特性(指向性)を再現させた送受信装置を用いて電界強度を測定する。これによれば、被着体にICタグを添付した状態で測定される電界強度分布と概ね同様の電界強度分布を測定することが可能となる。つまり、被着体に添付された状態にあるICタグが経験する電界強度分布と概ね同様の電界強度分布を測定することが可能となる。また、この態様では、送受信装置自体が電界強度を測定する機能を有して構成されているため、比較的短時間で電界強度分布の測定を完了させることが可能となる。
上記の電界強度分布測定装置において好適には、前記電界強度分布測定手段は、前記複数の測定位置だけでなく、前記送受信装置における前記アンテナの種類、前記被着体において前記送受信装置を添付する位置、及び前記空間内における前記被着体の向きのうちのいずれか1つ以上に対応付けて、前記電界強度を記憶する。
本発明の他の観点では、電界強度分布測定方法は、少なくともアンテナを備えて構成され、前記アンテナより受信された電波に基づいて電波を送信する送受信装置が添付された状態にある被着体を、空間内における複数の測定位置に移動させる移動工程と、前記被着体に添付された前記送受信装置と通信を行うことにより、前記移動工程によって移動された前記複数の測定位置ごとに、前記送受信装置が受信した電波における電界強度を得ると共に、前記複数の測定位置に対応付けて前記電界強度を記憶する電界強度分布測定工程と、を備える。上記の電界強度分布測定方法によっても、被着体に添付された状態にある送受信装置が測定空間内で経験する電界強度分布を適切に測定することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る電界強度分布測定システム10の概略構成を示している。電界強度分布測定システム10は、主に、制御装置1と、アンテナ2と、ロボット3と、信号線4と、被着体5と、ICタグ6と、から構成される。
電界強度分布測定システム10は、基本的には、測定対象となっている3次元空間(以下では、「測定空間」とも呼ぶ。)において、アンテナ2を介して制御装置1から送信された電波による電界強度分布(電力密度分布)を測定するために用いられる。言い換えると、アンテナ2から送信された電波の電界強度を、測定空間においてマッピングするために用いられる。より詳しくは、電界強度分布測定システム10は、被着体5にICタグ6を添付した状態で、つまり被着体5を含めてICタグ6を測定空間に配置した際の、ICタグ6が経験する電界強度分布を測定する。なお、電界強度分布測定システム10による測定は、例えばICタグ6を読み取るためのゲート(アンテナ)が設置された環境などにおいて行われる。
具体的に、電界強度分布測定システム10の各構成要素について説明する。被着体5にはICタグ6が添付されており、この被着体5はロボット3に保持されている。ここで、図2を参照して、被着体5及びICタグ6を具体的に説明する。
図2(a)は、ICタグ6が添付された状態にある被着体5の斜視図を示している。被着体5は、ICタグ6が添付されるべき物体であり、例えば製品の入った段ボール箱などに相当する。なお、被着体5においてICタグ6を添付する位置は、図2(a)に示したものに限定はされない。図2(b)は、ICタグ6の概略構成図を示している。ICタグ6は、主に、アンテナ6aと、メモリ機能を有するICチップ6bとを備える。ICタグ6は、基本的には、リーダーなどが送信した電波によって微量な電力を回路内に発生させ、その電力で情報を処理して、リーダーに対して電波を送信する装置である。このようなICタグ6は、例えば、被着体5が製品の入った段ボール箱に相当する場合には、段ボール箱内の製品を識別するために用いられる。
図1に戻って説明を行う。電界強度分布測定システム10においては、ICタグ6は、制御装置1に設置されたアンテナ2を介して、制御装置1と通信を行う。具体的には、ICタグ6は、制御装置1からアンテナ2を介して送信された電波を受信し、この受信された電波に基づいて制御装置1に対して電波を送信する。
ロボット3は、被着体5を測位しつつ移動可能に構成されている。ロボット3は、例えば図1中の白抜き矢印A1、A2で示すように、測定空間内で被着体5を移動可能に構成されている。この場合、ロボット3は、信号線4を介して制御装置1から供給される制御信号によって位置制御される。具体的には、ロボット3は、被着体5が複数の測定位置に順次移動するように、制御装置1によって位置制御される。なお、複数の測定位置は、例えば測定空間において30〜50cm間隔で並んだ格子点などに設定される。更に、ロボット3は、被着体5を複数の測定位置に移動するごとに、位置を測定して、この位置データを信号線4を介して制御装置1に供給する。
制御装置1は、図1中の符号D1で示すように、アンテナ2を介してICタグ6と通信を行う。つまり、制御装置1は、アンテナ2を介して、ICタグ6に電波を送信すると共にICタグ6から電波を受信する。制御装置1は、例えば、ICタグ6を読み取るためのリーダーなどに相当する。更に、制御装置1は、上記のようにしてICタグ6と通信を行うことによって、ロボット3によって順次移動された複数の測定位置ごとに電界強度の測定を行う。そして、制御装置1は、測定位置に対応付けて、詳しくはロボット3から取得された位置データに対応付けて、測定された電界強度を記憶する。以上のように、ICタグ6は本発明における送受信装置として機能し、制御装置1及びロボット3は本発明における移動手段として機能し、制御装置1は本発明における電界強度分布測定手段として機能する。
ここで、第1実施形態に係る電界強度分布測定システム10による測定方法について、具体的に説明を行う。第1実施形態では、被着体5に添付された状態にあるICタグ6が測定空間内で経験する電界強度分布(言い換えるとICタグ6が制御装置1より受信する電波の電界強度分布)を測定する。具体的には、ICタグ6を添付した被着体5を複数の測定位置にロボット3によって順次移動させて、制御装置1がICタグ6と通信を行うことによって、複数の測定位置ごとに電界強度の測定を行う。この場合、制御装置1は、ICタグ6へ送信する電波の出力電力を徐々に変化させ、このような電波をICタグ6へ送信したときにおけるICタグ6の応答の有無に基づいて電界強度の測定を行う。より詳しくは、制御装置1は、このように送信する電波の出力電力を変化させることによって、ICタグ6から応答が得られる最低の出力電力(以下、「最低返答電力」と呼ぶ。)を得る。例えば、制御装置1は、ICタグ6へ送信する電波の出力電力を徐々に増加させる制御を行った場合において、ICタグ6から初めて応答が得られた際の出力電力を最低返答電力とする。
制御装置1は、このような最低返答電力を、前述したような複数の測定位置ごとに得る。つまり、ロボット3によって順次移動された複数の測定位置ごとに、最低返答電力を得る。これにより、測定空間における座標(ロボット3から取得された位置データに対応する)に、最低返答電力(例えば「dBm」で表されたデータ)が対応付けられたデータが得られることとなる。つまり、測定空間における電界強度分布に相当するようなデータが得られる。制御装置1は、このようなデータをメモリなどに記憶する。なお、上記した最低返答電力は電界強度そのものには対応しないが、最低返答電力を変換等することによって測定空間の電界強度を得ることができる。また、このような変換を行わなくても、複数の測定位置に対応付けられた最低返答電力のデータより、各測定位置ごとの最低返答電力の大小などが相対的にわかるため、測定空間における電界強度分布を把握することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る電界強度分布測定システム10によれば、被着体5に添付された状態にあるICタグ6が測定空間内で経験する電界強度分布を適切に測定することができる。よって、ICタグ6の読み取り作業などが実際に行われる状況でICタグ6が経験する電界強度分布を得ることが可能となる。これにより、測定された電界強度分布を用いることによって、例えばゲートなどにおいてICタグ6が添付された被着体5を通すべき位置や、ICタグ6が添付された被着体5を通す際に設定すべき速度などを、効率的に決定することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、前述したようなICタグ6を用いる代わりに、ICタグ6の電波特性を模した装置(以下、「ICタグ模擬装置」と呼ぶ。)を用いて電界強度分布の測定を行う点で、第1実施形態と異なる。つまり、第2実施形態では、被着体5にICタグ模擬装置を添付した状態で、言い換えると被着体5を含めてICタグ模擬装置を測定空間に配置した際の、測定空間内における電界強度分布を測定する。この場合、ICタグ模擬装置がICタグ6の特性を再現しているため、被着体5に添付された状態にあるICタグ6が経験する電界強度分布と概ね同様の電界強度分布を測定することが可能となる。
図3は、第2実施形態に係る電界強度分布測定システム10aの概略構成を示している。電界強度分布測定システム10aは、主に、制御装置1aと、アンテナ2と、ロボット3と、信号線4と、被着体5と、ICタグ模擬装置7と、から構成される。基本的には、電界強度分布測定システム10aも、アンテナ2から送信された電波による測定空間内の電界強度分布を測定するために用いられる。なお、以下では、図1と同一の符号を付した構成要素については同一の意味を示すものとして、その説明を省略する。
ICタグ模擬装置7は、比較的小型に構成され、測定を行う際に被着体5に添付される。具体的には、ICタグ模擬装置7は、測定対象となっているICタグ6の電波特性を再現するように構成される。より詳しくは、ICタグ模擬装置7は、アンテナ(不図示)を有して構成され、このアンテナはICタグ6のアンテナ6aの指向性(電波特性)を再現するように構成されている。また、ICタグ模擬装置7は、図3中の符号D2で示すように、制御装置1aに設置されたアンテナ2を介して、制御装置1aと通信を行う。具体的には、ICタグ模擬装置7は、制御装置1aからアンテナ2を介して送信された電波を受信し、この受信された電波に基づいて制御装置1aに対して電波を送信する。より詳しくは、ICタグ模擬装置7は、制御装置1aから受信された電波の電界強度を測定し、測定された電界強度を示す信号(以下、「測定電界強度信号」と呼ぶ。)を制御装置1aへ送信する。つまり、ICタグ模擬装置7は、制御装置1aからアンテナ2を介して送信された電波によって、自身が経験する電界強度を測定する。なお、被着体5においてICタグ模擬装置7を添付する位置は、図3に示したものに限定はされない。
制御装置1aは、ロボット3によって保持された被着体5が複数の測定位置に順次移動するようにロボット3に対する制御を行うと共に、ロボット3から位置データを取得する。また、制御装置1aは、図3中の符号D2で示すように、アンテナ2を介してICタグ模擬装置7と通信を行う。具体的には、制御装置1aは、ICタグ模擬装置7から、前述した測定電界強度信号を受信する。これによって、制御装置1aは、ロボット3によって順次移動された複数の測定位置ごとに電界強度を得る。そして、制御装置1aは、測定位置に対応付けて、詳しくはロボット3から取得された位置データに対応付けて、測定された電界強度を記憶する。以上のように、ICタグ模擬装置7は本発明における送受信装置として機能し、制御装置1a及びロボット3は本発明における移動手段として機能し、制御装置1aは本発明における電界強度分布測定手段として機能する。
次に、図4を参照して、前述したICタグ模擬装置7について詳細に説明する。図4は、ICタグ模擬装置7の主な処理部を示すブロック図である。
ICタグ模擬装置7は、主に、アンテナ7aと、電力測定部7bと、エンコード部7cと、応答回路7dと、制御回路7eとを備える。アンテナ7aは、測定対象となっているICタグ6のアンテナ6aの指向性(電波特性)を再現するように構成されており、アンテナ2を介して制御装置1aと通信を行う。電力測定部7bは、アンテナ7aより受信された制御装置1aからの電波が入力され、この電波における電力を測定する。エンコード部7cは、電力測定部7bによって測定された電力を変換する処理を行う。例えば、エンコード部7cは、測定された電力に対応するデータを、電界強度を示すようなデータへ変換する処理を行う。応答回路7dは、エンコード部7cで変換後のデータを取得し、このデータをアンテナ7aを介して制御装置1aに送信させる処理を行う。
制御回路7eは、上記した電力測定部7b、エンコード部7c、及び応答回路7dに対する制御を行う。制御回路7eは、主に、所定のタイミングでICタグ模擬装置7から制御装置1aへデータが送信されるように、応答回路7dに対する制御を行う。具体的には、上述したようなICタグ6へ電波を送信した場合におけるICタグ6の応答タイミングと同様のタイミングにて、ICタグ模擬装置7から制御装置1aへデータが送信されるように、応答回路7dを制御する。なお、図4では図示を省略しているが、ICタグ模擬装置7は、応答回路7dなどに電力を供給する電源(例えば電池)なども有する。
ここで、第2実施形態に係る電界強度分布測定システム10aによる測定方法について、具体的に説明を行う。第2実施形態では、ICタグ模擬装置7が電界強度の測定を行う。つまり、ICタグ模擬装置7は、アンテナ2を介して制御装置1aから送信された電波により、自身が経験する電界強度を測定する。具体的には、ICタグ模擬装置7は、制御装置1aから送信された電波が受信されるごとに、この受信された電波の電界強度を測定する。そして、ICタグ模擬装置7は、測定された電界強度を示す信号(測定電界強度信号)を制御装置1aへ送信する。制御装置1aは、このような測定電界強度信号を、ロボット3によって順次移動された複数の測定位置ごとに得る。これにより、測定空間における座標(ロボット3から取得された位置データに対応する)に、電界強度が対応付けられたデータが得られることとなる。つまり、測定空間における電界強度分布が得られる。制御装置1aは、このようなデータをメモリなどに記憶する。
以上説明したように、第2実施形態に係る電界強度分布測定システム10aでは、ICタグ6の特性を再現させたICタグ模擬装置7を用いて電界強度分布を測定する。これにより、被着体5に添付された状態にあるICタグ6が経験する電界強度分布と概ね同様の電界強度分布を測定することが可能となる。また、第2実施形態によれば、ICタグ模擬装置7自体が電界強度を測定する機能を有しているため、前述した第1実施形態で示したように、ICタグ6の最低返答電力を得るために電波の出力電力を変化させる制御などを行う必要がないため、第1実施形態に比して、電界強度分布の測定を短時間で完了させることが可能となる。
[変形例]
上記では、測定空間内の複数の測定位置ごとに電界強度の測定を行い、複数の測定位置(具体的にはロボット3から取得された位置データ)に対応付けて電界強度を記憶する実施形態を示したが、これに限定はされない。つまり、パラメータとして測定空間内における測定位置のみを用いて、電界強度の測定を行うことに限定はされない。他の例では、このような測定位置だけでなく、ICタグの種類(ICタグにおけるアンテナの種類)、被着体の種類、及び被着体においてICタグ又はICタグ模擬装置を添付する位置、並びに測定空間内における被着体の向き(方向)、のうちのいずれか1つ以上をパラメータとして用いて、電界強度の測定を行うことができる。そして、これらのパラメータに対応付けて、測定された電界強度を記憶することができる。これにより、種々のパラメータに対応付けられた電界強度分布を得ることが可能となる。
第1実施形態に係る電界強度分布測定システムの概略構成を示す図である。 被着体及びICタグの構成を示す図である。 第2実施形態に係る電界強度分布測定システムの概略構成を示す図である。 ICタグ模擬装置の主な処理部を示すブロック図である。
符号の説明
1、1a 制御装置、 2 アンテナ、 3 ロボット、 5 被着体、 6 ICタグ、 6a アンテナ、 7 ICタグ模擬装置、 10、10a 電界強度分布測定システム

Claims (5)

  1. 少なくともアンテナを備えて構成され、前記アンテナより受信された電波に基づいて電波を送信する送受信装置と、
    前記送受信装置が添付された状態にある被着体を、空間内における複数の測定位置に移動させる移動手段と、
    前記被着体に添付された前記送受信装置と通信を行うことにより、前記移動手段によって移動された前記複数の測定位置ごとに、前記送受信装置が受信した電波における電界強度を得ると共に、前記複数の測定位置に対応付けて前記電界強度を記憶する電界強度分布測定手段と、を備えることを特徴とする電界強度分布測定装置。
  2. 前記送受信装置は、ICタグによって構成され、
    前記電界強度分布測定手段は、前記送受信装置に送信する電波の出力電力を変化させた際における応答の有無に基づいて、当該送受信装置から応答が得られる最低の出力電力を求めることによって、前記電界強度を得ることを特徴とする請求項1に記載の電界強度分布測定装置。
  3. 前記送受信装置は、ICタグの電波特性を再現するように構成されると共に、前記アンテナより受信された電波の電界強度を測定して、測定された前記電界強度を示す信号を送信し、
    前記電界強度分布測定手段は、前記送受信装置から受信された前記電界強度を示す信号より、前記電界強度を得ることを特徴とする請求項1に記載の電界強度分布測定装置。
  4. 前記電界強度分布測定手段は、前記複数の測定位置だけでなく、前記送受信装置における前記アンテナの種類、前記被着体において前記送受信装置を添付する位置、及び前記空間内における前記被着体の向きのうちのいずれか1つ以上に対応付けて、前記電界強度を記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電界強度分布測定装置。
  5. 少なくともアンテナを備えて構成され、前記アンテナより受信された電波に基づいて電波を送信する送受信装置が添付された状態にある被着体を、空間内における複数の測定位置に移動させる移動工程と、
    前記被着体に添付された前記送受信装置と通信を行うことにより、前記移動工程によって移動された前記複数の測定位置ごとに、前記送受信装置が受信した電波における電界強度を得ると共に、前記複数の測定位置に対応付けて前記電界強度を記憶する電界強度分布測定工程と、を備えることを特徴とする電界強度分布測定方法。
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CN110514910A (zh) * 2019-09-04 2019-11-29 中山香山微波科技有限公司 一种射频测试机器人系统

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