JP2009074871A - プローブ洗浄保持具、プローブ洗浄具およびプローブ洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動分析装置から取り外したプローブを安全かつ確実に洗浄すること。
【解決手段】自動分析装置から取り外したプローブ1の内部に洗浄液を吸引および吐出させることによって行うプローブ1の洗浄に際して使用されるプローブ洗浄保持具10であって、プローブ1のサンプルノズル3の外径よりも大きくかつプローブ1のフランジ5の最大長さよりも小さい内径をもつパイプ11と、このパイプ11の端部近傍を洗浄液入り容器の開口部に係止する係止栓13,15とを有する。そして、係止栓13,15は、この係止栓13,15を容器50の開口部に係止した際に、容器50の底部からパイプ11の上端部までの距離よりもサンプルノズル3の先端からフランジ5までの長さが短くなるように、パイプ11上に配置される。
【選択図】 図3
【解決手段】自動分析装置から取り外したプローブ1の内部に洗浄液を吸引および吐出させることによって行うプローブ1の洗浄に際して使用されるプローブ洗浄保持具10であって、プローブ1のサンプルノズル3の外径よりも大きくかつプローブ1のフランジ5の最大長さよりも小さい内径をもつパイプ11と、このパイプ11の端部近傍を洗浄液入り容器の開口部に係止する係止栓13,15とを有する。そして、係止栓13,15は、この係止栓13,15を容器50の開口部に係止した際に、容器50の底部からパイプ11の上端部までの距離よりもサンプルノズル3の先端からフランジ5までの長さが短くなるように、パイプ11上に配置される。
【選択図】 図3
Description
この発明は、反応容器に試薬と検体とを分注し、試薬と検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置から取り外したプローブを洗浄するプローブ洗浄保持具、プローブ洗浄具およびプローブ洗浄方法に関するものである。
従来から、血液や体液等の検体を分析する自動分析装置が知られている。この自動分析装置は、検体や試薬を分注するためのプローブを備えており、検体または試薬を吸引し吐出することによって分注を行う。分注を行ったプローブは、検体間や試薬間のコンタミネーションを防止するため、その都度自動洗浄される。また、自動洗浄によって除去しきれなかった汚れを確実に除去するため、場合によっては、プローブを自動分析装置から取り外して手動により洗浄する。
なお、自動分析装置の各部を手動で洗浄するものとして、反応容器の洗浄機構に関する技術が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1の技術は、メンテナンス時において、反応容器を洗浄する際の廃液や洗浄水の流路と逆方向に洗浄水を流すようにしたものであり、この切り替えを手動によって行うものである。
ところで、自動洗浄によってプローブに沈着した汚れを確実に洗浄するためには、多大な時間を要する。この結果、自動分析装置本来の検体分析処理時間が奪われ、自動分析装置の稼動効率を低下させるという問題があった。
一方、プローブは、そのノズルの先端部が非常に細くかつ精密に形成されており、損傷しやすく、この先端部がわずかに変形しただけでも使用不能になる。このため、自動分析装置からプローブを取り外して手動洗浄する場合、その取り扱いに十分注意する必要があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自動分析装置から取り外したプローブを安全かつ確実に洗浄することができるプローブ洗浄保持具、プローブ洗浄具およびプローブ洗浄方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるプローブ洗浄保持具は、反応容器に試薬と検体とを分注し、試薬と検体とからなる検液を測定することによって検体を分析する自動分析装置に用いられるプローブを前記自動分析装置から取り外し、この取り外したプローブを洗浄液に浸漬し、前記プローブの内部に洗浄液を吸引および吐出させることによって行うプローブの洗浄に際して使用されるプローブ洗浄保持具であって、前記プローブのノズル部分の外径よりも大きくかつ前記プローブ基部に設けられたフランジの最大長さよりも小さい内径をもつパイプと、該パイプの少なくとも一方の端部近傍を洗浄液入り容器の開口部に係止する係止栓とを有し、前記係止栓を前記容器の開口部に係止した際に、前記容器の底部から前記パイプの他方の端部までの距離に比して前記プローブのノズル先端から前記プローブ基部の前記フランジまでの長さが短くなるように、前記パイプ上に前記係止栓が配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄保持具は、上記の発明において、前記係止栓は、前記プローブのノズル先端が前記容器の底部近傍となるように、前記パイプの端部近傍の所定位置に配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄保持具は、上記の発明において、前記係止栓は、前記パイプの両端部近傍にそれぞれ配置され、いずれか一方を前記容器の開口部に係止することを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄保持具は、上記の発明において、前記パイプの両端部近傍にそれぞれ配置される前記係止栓は、前記容器の開口部に係止される部分の断面積がそれぞれ異なることを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄保持具は、上記の発明において、前記係止栓は、前記パイプの近傍する端部側に向かって径が小さくなるように側面がテーパー状に形成されていることを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄保持具は、上記の発明において、前記係止栓は、弾性体で形成されることを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄保持具は、上記の発明において、前記係止栓は、ゴムで形成されることを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄具は、自動分析装置から取り外したプローブを洗浄液に浸漬し、前記プローブの内部に洗浄液を吸引および吐出させることによって行うプローブの洗浄に際して使用されるプローブ洗浄具であって、前記プローブのノズル部分の外径よりも大きくかつ前記プローブ基部に設けられたフランジの最大長さよりも小さい内径をもつパイプと、該パイプの少なくとも一方の端部近傍を洗浄液入り容器の開口部に係止する係止栓とを有し、前記係止栓を前記容器の開口部に係止した際に、前記容器の底部から前記パイプの他方の端部までの距離に比して前記プローブのノズル先端から前記プローブ基部の前記フランジまでの長さが短くなるように、前記パイプ上に前記係止栓が配置されるプローブ洗浄保持具を備え、該プローブ洗浄保持具の前記係止栓を前記容器の開口部に係止し、前記パイプの他方の端部から挿入された前記プローブ基部に吸引吐出具を接続したことを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄具は、上記の発明において、前記吸引吐出具および前記プローブは、前記吸引吐出具側を前記プローブ側に複数に分岐する分岐具によって分岐接続されることを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄具は、上記の発明において、少なくとも前記プローブ洗浄保持具と前記容器と前記吸引吐出具とを収納する収納容器を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄具は、上記の発明において、前記吸引吐出具は、ディスポシリンジであることを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄具は、上記の発明において、前記容器の転倒を防止する転倒防止台を備えることを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブ洗浄具は、上記の発明において、前記吸引吐出具によって前記プローブの内部に洗浄液を吸引した状態を所定時間保持し、前記吸引吐出具を台上に載置して漬け置き洗浄することを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブの洗浄方法は、自動分析装置から取り外したプローブを洗浄液に浸漬し、吸引吐出具によって前記プローブの内部に洗浄液を吸引および吐出させるプローブ洗浄具を用いたプローブの洗浄方法であって、前記プローブ洗浄具は、前記プローブのノズル部分の外径よりも大きくかつ前記プローブ基部に設けられたフランジの最大長さよりも小さい内径をもつパイプと、該パイプの少なくとも一方の端部近傍を洗浄液入り容器の開口部に係止する係止栓とを有するプローブ洗浄保持具であって、前記係止栓を前記容器の開口部に係止した際に、前記容器の底部から前記パイプの他方の端部までの距離に比して前記プローブのノズル先端から前記プローブ基部の前記フランジまでの長さが短くなるように、前記パイプ上に前記係止栓が配置されるプローブ洗浄保持具を有し、該プローブ洗浄保持具の前記係止栓を前記容器の開口部に係止するとともに、前記プローブのノズル先端を前記パイプの他方の端部から挿入して前記プローブ基部の前記フランジを前記パイプの他方の端部に係止させ、前記プローブ基部に前記吸引吐出具を接続し、前記吸引吐出具によって前記容器内の洗浄液を吸引および吐出することによって、前記プローブの内部を洗浄することを特徴とする。
また、この発明にかかるプローブの洗浄方法は、上記の発明において、前記吸引吐出具によって前記プローブの内部に洗浄液を吸引した状態を所定時間保持し、前記吸引吐出具を台上に載置して漬け置き洗浄することを特徴とする。
この発明によれば、係止栓によってパイプの一方の端部近傍を洗浄液入り容器の開口部に係止し、自動分析装置から取り外したプローブ基部のフランジをパイプの他方の端部に係止させることによって、プローブのノズル先端を容器内に挿入させた状態を保持することができる。そして、係止栓を容器の開口部に係止した際に、容器内の底部からパイプの他方の端部までの距離に比してプローブのノズル先端からプローブ基部のフランジまでの長さが短くなるように、パイプ上に係止栓が配置されるので、プローブのノズル先端を洗浄液入り容器の底部に接触させることなく洗浄液に浸漬させることができ、洗浄に際してプローブを損傷しない。これにより、自動分析装置から取り外したプローブを、その取り扱いに注意を要さず安全に、かつ確実に洗浄できるという効果を奏する。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。本実施の形態にかかるプローブ洗浄具は、反応容器に試薬と検体とを分注し、試薬と検体とを反応させた検液を測定することによって検体を分析する自動分析装置に用いられるプローブを洗浄するプローブ洗浄具であって、自動分析装置から取り外したプローブを洗浄液に浸漬し、このプローブの内部に洗浄液を吸引および吐出させることによってプローブの洗浄を行う。
図1は、本実施の形態にかかるプローブ洗浄具によって洗浄されるプローブ1を模式的に示す図である。図1に示すように、プローブ1は、ステンレス製のサンプルノズル3と、サンプルノズル3の基部に接着されたフランジ5と、樹脂製の接続チューブ7と、接続用ネジ9とを備える。接続用ネジの外周には、例えば雄ネジが形成されている。プローブ1は、接続用ネジ9によって自動分析装置に取り付けられ、検体や試薬の吸引・吐出による分注に用いられる。
図2は、本実施の形態にかかるプローブ洗浄具の概要構成を説明する正面図であり、図3は、プローブ洗浄具の概要構成を説明する側面図であり、図4は、プローブ洗浄具の概要構成を説明する平面図である。各図2〜図4において、プローブ洗浄具にプローブ1がセットされた状態を示している。なお、図3では、容器50の側面の一部を切り欠いて容器50内の様子を示している。
図2〜図4に示すように、プローブ洗浄具は、プローブ1を保持するプローブ洗浄保持具10と、プローブ1の接続用ネジ9が接続される分岐具20と、この分岐具20とゴム管30を介して接続される吸引吐出具40と、洗浄液が充填される円筒状の容器50と、容器50を複数収納する収納ラック60と、収納ラック60を保持する転倒防止台としてのラックホルダ70とを備える。
プローブ洗浄保持具10は、プローブ1のサンプルノズル3が挿入されるパイプ11を備える。このパイプ11は、サンプルノズル3の外径よりも大きく、かつプローブ1のフランジ5の最大長さよりも小さい内径を有し、プローブ1のフランジ5をパイプ11の上端で係止してプローブ1を支持する。また、パイプ11は、その下端が容器50に充填される洗浄液の液面より上方に位置し、サンプルノズル3の先端部分が十分に露出する長さに形成されている。
パイプ11の外壁には、ゴム等の弾性体で形成された断面が円形状の係止栓13,15が装着されており、パイプ11を容器50の開口部に係止する。係止栓13,15は、それぞれパイプ11の基端側に向かって外径が漸次大きくなるようなテーパー形状を有し、各係止栓13,15の最小外径が容器50の開口の内径より小さく、最大外径が容器50の内径より大きくなるように形成されている。これによれば、係止栓13,15によって容器50の開口部が密封状態で封止されるので、洗浄液の揮発を防止することができる。各係止栓13,15のサイズは、容器50の開口部の大きさに応じて適宜選択することができる。図示の例では、例えば図2に示すように、内径の異なる2種類の容器50a,50bの開口部に合わせてサイズの異なる2種類の係止栓13,15がパイプ11に装着されている。そして、内径の大きい容器50aに対しては、パイプ11の係止栓13側の端部が下にされ、係止栓13は、パイプ11を容器50aの開口部に係止する。一方、内径の小さい容器50bに対しては、パイプ11の係止栓15側の端部が下にされ、係止栓15は、パイプ11を容器50bの開口部に係止する。
また、係止栓13,15は、この係止栓13,15を容器50の開口部に係止した際に、容器50の底部からパイプ11の上端までの距離よりもサンプルノズル3の先端からフランジ5までの長さが短くなるように、パイプ11上に配置される。換言すれば、係止栓13,15は、プローブ1のフランジ5をパイプ11の上端で係止させたときに、サンプルノズル3の先端が容器50の底部近傍となるようにパイプ1の外壁に装着される。これにより、プローブ洗浄具は、サンプルノズル3の先端と容器50の底部との間にこれらが接触しない程度の間隙を設けてプローブ1を保持することができる。したがって、サンプルプローブ1の先端を損傷することなく、安全である。
分岐具20は、図2に示すように、例えばプローブ1の接続用ネジ9を2つ接続する。この分岐具20によって、1つの吸引吐出具40に2本のプローブ1を連結させることができる。これは、プローブ1が用いられる自動分析装置として、2本のプローブをセットで扱う装置を想定しているためであり、洗浄も2本セットで行えるように分岐具20を設けている。
図5は、分岐具20の断面図である。図5に示すように、分岐具20は、プローブ1の接続用ネジ9と嵌合する2つの接続用ネジ穴21,21を備える。この接続用ネジ穴21,21の内周には、それぞれプローブ1の接続用ネジ9と螺合する雌ネジが形成されており、それぞれ接続用ネジ9がねじ込まれる。また、分岐具20の接続用ネジ穴21,21と対向する面には吸引吐出具40と接続される吸排口23が形成されており、分岐具20の内部に接続用ネジ穴21,21と吸排口23とを連通する流路が形成される。
吸引吐出具40は、プローブ1の内部および容器50内に洗剤等の洗浄液を導入するためのものである。この吸引吐出具40は、例えば市販のディスポシリンジを使用することができるが、2本のプローブ1の内部を洗浄液で満たし、且つこの2本の各プローブ1のサンプルノズル3の先端がそれぞれ挿入される各容器50内に所定量の洗浄液を充填するために必要な量の洗浄液を吸引および吐出し得るものが用いられる。
容器50には、吸引吐出具40から吐出された洗浄液が充填される。自動分析装置での分注工程において、サンプルノズル3の外壁には、先端から10〜15mmの範囲に特に汚れが沈着しやすい。このため、容器50の底部より60mm程度の深さで洗浄液を満たすことが望ましい。なお、容器50は、実際に分析作業において使用している採血管を流用することができるが、別途洗浄用に専用のものを用意してもよい。
この容器50は、図2〜図4に示すように、収納ラック60に収められ、収納ラック60は、ラックホルダ70によって支持される。ラックホルダ70は、作業台上に収納ラック60を固定し、容器50を収納した収納ラック60の転倒を防止する。なお、容器50を保持する収納ラック60は、実際に分析作業において使用しているものを流用してもよいし、別途洗浄用に専用のものを用意してもよい。
上記した構成のプローブ洗浄具において、プローブ1を洗浄する場合には、先ず、係止栓13,15によってパイプ11の一方の端部近傍を容器50の開口部に係止するとともに、自動分析装置から取り外したプローブ1のサンプルノズル3の先端をパイプ11の上端から挿入してこのパイプ11の上端にプローブ1のフランジ5を係止させる。これにより、サンプルノズル3の先端を容器50内に挿入させた状態を保持する。そして、プローブ1の接続用ネジ9を分岐具20の接続用ネジ穴21にねじ込み、この分岐具20を介してプローブ1に吸引吐出具40を接続する。このように、ユーザは、プローブ1の接続用ネジ9を自動分析装置に対して取り付ける/取り外す場合と同様の要領で、プローブ1を分岐具20に対して取り付ける/取り外すことができ、操作性が高い。
このようにしてプローブ洗浄具にプローブ1をセットしたならば、図3に矢印で示すように、吸引吐出具40のピストン41を押す。ピストン41を押すことにより、プローブ1の内部および容器50内に洗剤等の洗浄液を導入する。この結果、サンプルノズル3の先端部分が容器50に充填された洗浄液に浸漬し、サンプルノズル3の外壁が洗浄液によって洗浄される。そして、この状態でピストン41を引くことによりプローブ1の内部に洗浄液が吸引され、ピストン41を押し戻せばプローブ1の内部の洗浄液が吐出される。この吸引吐出具40による洗浄液の吸引および吐出によって、プローブ1(特に、サンプルノズル3の先端部分)の内壁が洗浄される。
さらに、吸引吐出具40のピストン41を引いた状態を所定時間保持しておくことで、洗浄液がプローブ1の内部に吸引されたままとなり、プローブ1の漬け置き洗浄が可能である。洗浄液がプローブ1の内部に吸引された状態を、例えば一昼夜程度持続することにより、プローブ1の外壁または内壁に沈着した汚れを確実に除去できる。吸引吐出具40のピストン41は動作にある程度の摺動抵抗を有するので、吸引吐出具40を作業台上に載置すればピストン41を引いた状態を保持する。この漬け置き洗浄は、例えばプローブ1の非使用時に行うことができる。なお、このプローブ洗浄具を用いてプローブ1を洗浄している間、自動分析装置では予備のプローブを用いることができるので、プローブ洗浄中も自動分析装置を稼動させることができる。
このようにしてプローブ洗浄具を用いてプローブ1を洗浄したならば、その外壁面に残留する洗浄液成分をイオン交換水等の洗浄水で濯いだ後、自動分析装置に取り付ける。内壁面に残留する洗浄液についても、例えば吸引吐出具40を用いて洗浄水をプローブ1の内部に吸引および吐出することによって濯ぐことができるが、そのまま自動分析装置に取り付け、自動洗浄機能を用いてプローブ1を自動洗浄することによって、内壁面の洗浄液を除去することも可能である。
また、本実施の形態に係るプローブ洗浄具は、各部を収納するための収納容器を備えており、例えば、プローブ洗浄保持具10と、分岐具20およびゴム管30を接続した吸引吐出具40と、容器50と、ラックホルダ70とに分解して収納することができる。図6は、収納容器の一例を示す斜視図である。この収納容器80は、容器本体81と蓋83とで構成され、図示の例では、容器本体81の内部に、2本のプローブ洗浄保持具10、分岐具20およびゴム管30を接続した吸引吐出具40、2本の容器50、およびラックホルダ70を収納している。容器本体81および蓋83の内面には、衝撃を緩和するためのエアーパッキン等の緩衝材85が配され、内部に収納される部材を保護する。収納容器80の素材は、耐薬品性の軽量素材が望ましく、例えばプラスチックや、アルミ等の金属素材を用いてコンパクトに形成される。
この収納容器80により、プローブ洗浄具を容易に携帯できる。従来、自動分析装置から取り外したプローブは、超音波洗浄機を用いて洗浄していたが、この超音波洗浄機は、電源を必要とする上、携帯が困難である。これに対し、プローブ洗浄具は、収納容器80に収納することで容易に携帯でき、また使用に際して電源を必要としないという効果を奏する。
なお、分岐具20や吸引吐出具40は、直接洗浄水と接触する部分であり、また使用後の水切りが困難であるため、これらを保持する部分には残液を吸水できるスポンジや多孔質高分子等の素材を配して残液の飛散を防止してもよい。また、容器本体81と蓋83の嵌合部分にシーリング材を配してもよい。これにより、嵌合部分の隙間がシーリング材で密封されるため、液漏れが生じ難く、蓋83もがたつかない。また、交換の頻度が比較的高いプローブ1の接続チューブ7や吸引吐出具40等を予備として複数収納できるように構成してもよい。
以上説明した本実施の形態によれば、係止栓13,15によってパイプ11の一方の端部近傍を容器50の開口部に係止し、自動分析装置から取り外したプローブ1のフランジ5をパイプ11の他方の端部に係止させることによって、サンプルノズル3の先端を容器内に挿入させた状態を保持することができる。そして、係止栓13,15のいずれか一方を容器50の開口部に係止した際に、容器50の底部からパイプ11の上端までの距離よりもサンプルノズル3の先端からフランジ5までの長さが短くなるように、パイプ11上に係止栓13,15が配置されるので、サンプルノズル3の先端を容器50の底部に接触させることなく洗浄液に浸漬させることができ、洗浄に際してプローブを損傷しない。したがって、自動分析装置から取り外したプローブ1を、その取り扱いに注意を要さず安全にプローブ洗浄具にセットすることができる。
また、吸引吐出具40によって、プローブ1の内部および容器50内に洗剤等の洗浄液を導入し、この吸引吐出具40による洗浄液の吸引および吐出によって、プローブ1の外壁および内壁を洗浄することができる。このとき、汚れの沈着具合に応じて吸引および吐出の回数や強さを調節することによって、自動分析装置の自動洗浄機能では除去できなかった汚れを洗浄・除去することができる。さらに、容器50内の洗浄液にプローブ1を浸漬した状態を所定時間保持しておくことでプローブ1を漬け置き洗浄することができ、プローブ1の外壁または内壁に沈着した汚れを確実に除去できる。なお、自動分析装置に取り付けたままの状態でプローブ1の洗浄を行う場合には、洗浄液が揮発してしまう等の問題があり、非使用時であっても漬け置き洗浄は現実的ではなかった。これに対し、本実施の形態では、プローブ1を自動分析装置から取り外して洗浄するため、このような問題は生じない。また、係止栓13,15によって容器50の開口部が密封状態で封止されるので、漬け置き洗浄を行う作業台の周囲に洗浄液が揮発することもない。
以上、この発明の好適な実施の形態について説明したが、この発明は、上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
例えば、パイプ11に装着された係止栓13,15の少なくとも一方の位置を可変に構成してもよい。これによれば、洗浄液に浸漬させるサンプルノズル3の先端部分の長さや、サンプルノズル3の先端と容器50の底部との間隔を適宜調整することができる。
また、上記した実施の形態では2本のプローブ1を1組にして洗浄する場合について説明したが、分岐具20の接続用ネジ穴21の部分を密封するキャップを用意し、必要に応じて一方の接続用ネジ穴21にキャップを着脱することによって、分岐具20を介して接続するプローブ1を1本とすることも可能である。
あるいは、2本以上、例えば4本または6本のプローブ1を接続可能な分岐具を使用することで4本または6本のプローブ1を1組として一の吸引吐出具40に接続することもできる。また、分岐具の内部に、接続可能なプローブ1の数に応じた独立の流路を形成することとしてもよい。あるいは、分岐具20に換えて、接続可能なプローブ1の数に応じた流路が内部に形成され、各プローブ1を別個の吸引吐出具40と接続するための接続具を用意し、この接続具を介してプローブ1と吸引吐出具40とを接続することとしてもよい。一方で、分岐具20を介さずに1本のプローブ1を一の吸引吐出具40に直接接続する構成とすることもできる。
また、上記した実施の形態では、接続チューブ7と接続用ネジ9とがサンプルノズル3と一体に構成されたプローブ1を洗浄する場合について説明したが、自動分析装置から、基部のフランジ5を含むサンプルノズル3の部分のみを取り外して洗浄する場合には、一端に分岐具20と接続可能な接続用ネジを備えた専用の接続チューブを用意することで対応できる。この接続チューブは、プローブ洗浄保持具10の長さに応じた十分な長さであって、プローブ1をプローブ洗浄具にセットして作業する際に外れず、吸引吐出具40を作業台に載置して漬け置き洗浄する際に邪魔にならない程度に、作業し易い長さに形成される。
また、上記した実施の形態では、吸引吐出具にディスポシリンジを用いたが、分析化学で使用されるピペッターを用いてもよい。
また、係止栓は、使用する容器の開口部の大きさに合わせて適宜選択することができるので、様々な径の採血管を容器として使用することができる。また、係止栓の断面形状は円形状に限定されるものではなく、容器の開口部の形状に合わせて、例えば正方形や六角形といった多角形状等の他の形状のものを適宜選択できる。
10 プローブ洗浄保持具
11 パイプ
13,15 係止栓
20 分岐具
21 接続用ネジ穴
23 吸排口
30 ゴム管
40 吸引吐出具
41 ピストン
50(50a,50b) 容器
60 収納ラック
70 ラックホルダ
80 収納容器
81 容器本体
83 蓋
85 緩衝材
1 プローブ
3 サンプルノズル
5 フランジ
7 接続チューブ
9 接続用ネジ
11 パイプ
13,15 係止栓
20 分岐具
21 接続用ネジ穴
23 吸排口
30 ゴム管
40 吸引吐出具
41 ピストン
50(50a,50b) 容器
60 収納ラック
70 ラックホルダ
80 収納容器
81 容器本体
83 蓋
85 緩衝材
1 プローブ
3 サンプルノズル
5 フランジ
7 接続チューブ
9 接続用ネジ
Claims (15)
- 反応容器に試薬と検体とを分注し、試薬と検体とからなる検液を測定することによって検体を分析する自動分析装置に用いられるプローブを前記自動分析装置から取り外し、この取り外したプローブを洗浄液に浸漬し、前記プローブの内部に洗浄液を吸引および吐出させることによって行うプローブの洗浄に際して使用されるプローブ洗浄保持具であって、
前記プローブのノズル部分の外径よりも大きくかつ前記プローブ基部に設けられたフランジの最大長さよりも小さい内径をもつパイプと、該パイプの少なくとも一方の端部近傍を洗浄液入り容器の開口部に係止する係止栓とを有し、前記係止栓を前記容器の開口部に係止した際に、前記容器の底部から前記パイプの他方の端部までの距離に比して前記プローブのノズル先端から前記プローブ基部の前記フランジまでの長さが短くなるように、前記パイプ上に前記係止栓が配置されることを特徴とするプローブ洗浄保持具。 - 前記係止栓は、前記プローブのノズル先端が前記容器の底部近傍となるように、前記パイプの端部近傍の所定位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のプローブ洗浄保持具。
- 前記係止栓は、前記パイプの両端部近傍にそれぞれ配置され、いずれか一方を前記容器の開口部に係止することを特徴とする請求項1または2に記載のプローブ洗浄保持具。
- 前記パイプの両端部近傍にそれぞれ配置される前記係止栓は、前記容器の開口部に係止される部分の断面積がそれぞれ異なることを特徴とする請求項3に記載のプローブ洗浄保持具。
- 前記係止栓は、前記パイプの近傍する端部側に向かって径が小さくなるように側面がテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のプローブ洗浄保持具。
- 前記係止栓は、弾性体で形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のプローブ洗浄保持具。
- 前記係止栓は、ゴムで形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のプローブ洗浄保持具。
- 自動分析装置から取り外したプローブを洗浄液に浸漬し、前記プローブの内部に洗浄液を吸引および吐出させることによって行うプローブの洗浄に際して使用されるプローブ洗浄具であって、
前記プローブのノズル部分の外径よりも大きくかつ前記プローブ基部に設けられたフランジの最大長さよりも小さい内径をもつパイプと、該パイプの少なくとも一方の端部近傍を洗浄液入り容器の開口部に係止する係止栓とを有し、前記係止栓を前記容器の開口部に係止した際に、前記容器の底部から前記パイプの他方の端部までの距離に比して前記プローブのノズル先端から前記プローブ基部の前記フランジまでの長さが短くなるように、前記パイプ上に前記係止栓が配置されるプローブ洗浄保持具を備え、該プローブ洗浄保持具の前記係止栓を前記容器の開口部に係止し、前記パイプの他方の端部から挿入された前記プローブ基部に吸引吐出具を接続したことを特徴とするプローブ洗浄具。 - 前記吸引吐出具および前記プローブは、前記吸引吐出具側を前記プローブ側に複数に分岐する分岐具によって分岐接続されることを特徴とする請求項8に記載のプローブ洗浄具。
- 少なくとも前記プローブ洗浄保持具と前記容器と前記吸引吐出具とを収納する収納容器を備えたことを特徴とする請求項8または9に記載のプローブ洗浄具。
- 前記吸引吐出具は、ディスポシリンジであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載のプローブ洗浄具。
- 前記容器の転倒を防止する転倒防止台を備えることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載のプローブ洗浄具。
- 前記吸引吐出具によって前記プローブの内部に洗浄液を吸引した状態を所定時間保持し、前記吸引吐出具を台上に載置して漬け置き洗浄することを特徴とする請求項8〜12のいずれか一つに記載のプローブ洗浄具。
- 自動分析装置から取り外したプローブを洗浄液に浸漬し、吸引吐出具によって前記プローブの内部に洗浄液を吸引および吐出させるプローブ洗浄具を用いたプローブの洗浄方法であって、
前記プローブ洗浄具は、前記プローブのノズル部分の外径よりも大きくかつ前記プローブ基部に設けられたフランジの最大長さよりも小さい内径をもつパイプと、該パイプの少なくとも一方の端部近傍を洗浄液入り容器の開口部に係止する係止栓とを有するプローブ洗浄保持具であって、前記係止栓を前記容器の開口部に係止した際に、前記容器の底部から前記パイプの他方の端部までの距離に比して前記プローブのノズル先端から前記プローブ基部の前記フランジまでの長さが短くなるように、前記パイプ上に前記係止栓が配置されるプローブ洗浄保持具を有し、該プローブ洗浄保持具の前記係止栓を前記容器の開口部に係止するとともに、前記プローブのノズル先端を前記パイプの他方の端部から挿入して前記プローブ基部の前記フランジを前記パイプの他方の端部に係止させ、
前記プローブ基部に前記吸引吐出具を接続し、
前記吸引吐出具によって前記容器内の洗浄液を吸引および吐出することによって、前記プローブの内部を洗浄することを特徴とするプローブ洗浄方法。 - 前記吸引吐出具によって前記プローブの内部に洗浄液を吸引した状態を所定時間保持し、前記吸引吐出具を台上に載置して漬け置き洗浄することを特徴とする請求項14に記載のプローブ洗浄方法。
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