JP2009074402A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン始動前に運転者に違和感を与えることなくOCVクリーニング制御(可変バルブリフト装置の油圧制御弁のクリーニング制御)を実行できると共に、OCVクリーニング制御の実行頻度と実行時間を確保できるようにする。
【解決手段】エンジン始動前にブレーキスイッチがオン状態でプッシュスタートスイッチがオン操作されたときにIGスイッチをオンしてスタータをオンし、ブレーキスイッチがオフ状態でプッシュスタートスイッチがオン操作されたときにIGスイッチをオンしてスタータをオフに維持するシステムにおいて、ブレーキスイッチのオンとIGスイッチのオンのうちのどちらか早い方の信号をトリガとしてOCVクリーニング制御を実行する。これにより、OCVクリーニング制御の実行時間と実行頻度を確保すると共に、運転者が車内にいるときにOCVクリーニング制御を実行してOCVクリーニング制御による打音等を聞こえ難くする。
【選択図】図2
【解決手段】エンジン始動前にブレーキスイッチがオン状態でプッシュスタートスイッチがオン操作されたときにIGスイッチをオンしてスタータをオンし、ブレーキスイッチがオフ状態でプッシュスタートスイッチがオン操作されたときにIGスイッチをオンしてスタータをオフに維持するシステムにおいて、ブレーキスイッチのオンとIGスイッチのオンのうちのどちらか早い方の信号をトリガとしてOCVクリーニング制御を実行する。これにより、OCVクリーニング制御の実行時間と実行頻度を確保すると共に、運転者が車内にいるときにOCVクリーニング制御を実行してOCVクリーニング制御による打音等を聞こえ難くする。
【選択図】図2
Description
本発明は、油圧駆動式の可変バルブ装置の油圧制御弁をクリーニング動作させる油圧制御弁クリーニング制御を実行する内燃機関の制御装置に関する発明である。
近年、車両に搭載される内燃機関においては、出力向上、燃費節減、排気エミッション低減等を目的として、吸気バルブや排気バルブのバルブ開閉特性(バルブタイミング、リフト量、作用角等)を変化させる可変バルブ装置を採用したものが増加しつつある。例えば、油圧駆動式の可変バルブタイミング装置を備えたシステムにおいては、特許文献1(特開平9−195805号公報)や特許文献2(特開2003−222034号公報)に記載されているように、可変バルブタイミング装置の油圧制御弁を強制的にクリーニング動作(例えば開閉動作)させる油圧制御弁クリーニング制御を実行することで、油圧制御弁内に沈殿又は堆積した異物を油圧制御弁から排出して、油圧制御弁の異物の噛み込によるロックを防止するようにしたものがある。
ところで、内燃機関の通常の運転中に油圧制御弁クリーニング制御を実行すると、バルブタイミングが変動してドライバビリティが悪化する可能性があるため、燃料カット制御中に油圧制御弁クリーニング制御を実行することで、油圧制御弁クリーニング制御によるドライバビリティの悪化を回避するようにしたものがある。
しかし、運転者の運転操作、車両の走行道路、内燃機関の排気量等によっては、燃料カット制御がほとんど実行されないこともあるため、燃料カット制御中に油圧制御弁クリーニング制御を実行する構成では、油圧制御弁クリーニング制御の実行頻度を十分に確保できない可能性がある。
特開平9−195805号公報
特開2003−222034号公報
一般に、内燃機関を始動する際には、シリンダ錠式のキースイッチをイグニッションスイッチのオン位置まで回してから更にスタータのオン位置まで回してクランキングを開始するため、イグニッションスイッチがオンされてからスタータがオンされるまでには多少の時間がある。
そこで、内燃機関の始動前にイグニッションスイッチがオンされたときに油圧制御弁クリーニング制御を実行することで、油圧制御弁クリーニング制御によるドライバビリティの悪化を回避しながら、イグニッションスイッチのオン毎に油圧制御弁クリーニング制御を実行して油圧制御弁クリーニング制御の実行頻度を確保することが考えられている。
この場合、内燃機関の始動前にイグニッションスイッチがオンされたときに油圧制御弁クリーニング制御を実行するシステムでは、内燃機関の始動性を確保するために、イグニッションスイッチがオンされてからスタータがオンされるまでの短い時間内に油圧制御弁クリーニング制御を実行する必要がある。
近年、キーレスエントリーシステムを搭載した車両では、始動用のスタートスイッチとして、シリンダ錠式のキースイッチに代えて、プッシュスタートスイッチを採用し、このプッシュスタートスイッチの押しボタン(プッシュスタートボタン)をプッシュ操作することで、イグニッションスイッチをオンしてスタータをオンするようにしたものがある。このプッシュスタートスイッチを備えた車両では、プッシュスタートスイッチ(イグニッションスイッチ)がオン操作されてからスタータがオンされるまでの時間が非常に短いため、プッシュスタートスイッチ(イグニッションスイッチ)がオン操作されたときに油圧制御弁クリーニング制御を実行するようにすると、油圧制御弁クリーニング制御の実行時間を十分に確保できないという問題がある。
また、ドアの開閉状態を検出するドアスイッチを備えた車両では、運転者が車両に乗る前にドアを開いてドアスイッチがオンされたときに油圧制御弁クリーニング制御を実行することで、油圧制御弁クリーニング制御の実行時間を確保することが考えられるが、この構成では、運転者が車外にいるときに、ドアの開放によりエンジンルーム内で油圧制御弁クリーニング制御が開始されるため、油圧制御弁クリーニング制御によって発生する打音等が運転者に聞こえてしまい、運転者に違和感を与える可能性がある。
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、内燃機関の始動前に運転者に違和感を与えることなく油圧制御弁クリーニング制御を実行することができると共に、油圧制御弁クリーニング制御の実行頻度と実行時間を確保することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の吸気バルブ及び/又は排気バルブのバルブ開閉特性を変化させる油圧駆動式の可変バルブ装置を制御する内燃機関の制御装置において、前記可変バルブ装置の油圧制御弁をクリーニング動作させる油圧制御弁クリーニング制御を実行するクリーニング制御手段と、ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、内燃機関の始動前に前記ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出した状態で始動操作用のスタートスイッチがオン操作されたときにイグニッションスイッチをオンして直ちにスタータオンし、内燃機関の始動前に前記ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出しない状態で前記スタートスイッチがオンされたときに前記イグニッションスイッチのみをオンして前記スタータをオフ状態に維持する始動制御手段とを備え、前記クリーニング制御手段は、内燃機関の始動前に前記ブレーキ操作検出手段によるブレーキ操作の検出の有無と前記イグニッションスイッチのオン/オフを判定し、ブレーキ操作が検出されたとき又は前記イグニッションスイッチがオンされたときに前記油圧制御弁クリーニング制御を実行するようにしたものである。
この構成では、例えば、運転者がブレーキ操作した状態でスタートスイッチをオン操作する場合には、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出した状態でスタートスイッチがオン操作された時点で、イグニッションスイッチをオンして、直ちにスタータをオンして内燃機関を始動させる。その際、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出した時点で、油圧制御弁クリーニング制御を開始して、内燃機関の始動前に油圧制御弁クリーニング制御を実行する。この場合、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出してから、その後、スタートスイッチがオンされてイグニッションスイッチをオンしてスタータをオン(内燃機関を始動)するまでの期間が、油圧制御弁クリーニング制御を実行可能な期間となるため、内燃機関の始動前に油圧制御弁クリーニング制御の実行時間を十分に確保することができる。
一方、例えば、運転者がブレーキ操作していない状態でスタートスイッチをオン操作する場合には、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出していない状態でスタートスイッチがオン操作された時点で、イグニッションスイッチのみをオンして内燃機関の点火系・噴射系等の各種アクチュエータへの電源供給を開始するだけであり、スタータは引き続きオフ状態に維持されて内燃機関は始動されない。その際、イグニッションスイッチがオンされた時点で、油圧制御弁クリーニング制御を開始して、内燃機関の始動前(停止中)に油圧制御弁クリーニング制御を実行する。この場合、スタータがオフ状態に維持されて内燃機関が始動されないため、油圧制御弁クリーニング制御の実行時間を十分に確保することができる。
このようにすれば、内燃機関の始動前に、毎回、油圧制御弁クリーニング制御を実行することができ、油圧制御弁クリーニング制御の実行頻度を十分に確保することができる。しかも、運転者が車内に入ってブレーキ操作したときやスタートスイッチをオンしてイグニッションスイッチがオンされたとき、つまり運転者が車内にいるときに、油圧制御弁クリーニング制御を実行することができるため、油圧制御弁クリーニング制御によって発生する打音等が運転者に聞こえ難くなり、運転者に違和感を与えることなく油圧制御弁クリーニング制御を実行することができる。
この場合、請求項2のように、内燃機関の始動前に、ブレーキ操作検出手段によるブレーキ操作の検出とイグニッションスイッチのオンのうちのどちらか早い方の信号をトリガとして油圧制御弁クリーニング制御を実行するようにすると良い。このようにすれば、油圧制御弁クリーニング制御を実行可能な時間を長く確保することができると共に、内燃機関の始動前に油圧制御弁クリーニング制御を1回のみ実行するという制御が可能となり、内燃機関の始動前に油圧制御弁クリーニング制御が何回も繰り返し実行されることを回避できる。
また、請求項3のように、運転席への人の着座を検出する着座検出手段を備えたシステムに本発明を適用する場合は、内燃機関の始動前に着座検出手段により運転席への人の着座が検出されたか否かを判定し、着座が検出されたときに油圧制御弁クリーニング制御を実行するようにしても良い。運転者は、運転席に着座してから、ブレーキ操作やスタートスイッチ(イグニッションスイッチ)の操作を行うため、着座検出手段が運転席への人の着座を検出したときに油圧制御弁クリーニング制御を実行するようにすれば、内燃機関の始動前の早い時期(ブレーキ操作やスタートスイッチの操作を行う行う前)に油圧制御弁クリーニング制御を開始することができ、油圧制御弁クリーニング制御の実行時間をより長く確保することができる。
この場合、請求項4のように、内燃機関の始動前に、着座検出手段による着座の検出とブレーキ操作検出手段によるブレーキ操作の検出とイグニッションスイッチのオンのうちの最先の信号をトリガとして油圧制御弁クリーニング制御を実行するようにしても良い。このようにすれば、万一、着座検出手段等が故障した場合でも、油圧制御弁クリーニング制御の実行時間を確実に確保することができると共に、内燃機関の始動前に油圧制御弁クリーニング制御を1回のみ実行するという制御が可能となり、内燃機関の始動前に油圧制御弁クリーニング制御が何回も繰り返し実行されることを回避できる。
尚、上記請求項3に記載された技術思想(内燃機関の始動前に運転席への人の着座を検出したときに油圧制御弁クリーニング制御を実行する技術思想)は、上記請求項1の構成に限定されず、油圧制御弁クリーニング制御を実行するシステムに広く適用して実施できる(請求項5参照)。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11は、クランク軸12からの動力がタイミングチェーン13(又はタイミングベルト)により各スプロケット14,15を介して吸気側カム軸16と排気側カム軸17とに伝達されるようになっている。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11は、クランク軸12からの動力がタイミングチェーン13(又はタイミングベルト)により各スプロケット14,15を介して吸気側カム軸16と排気側カム軸17とに伝達されるようになっている。
吸気側カム軸16には、油圧駆動式の吸気側可変バルブタイミング装置18が設けられ、この吸気側可変バルブタイミング装置18によってクランク軸12に対する吸気側カム軸16の回転位相を進角させることで、吸気側カム軸16によって開閉駆動される吸気バルブ(図示せず)のバルブタイミング(開閉タイミング)を最遅角位置(基準位置)から進角させるようになっている。
一方、排気側カム軸17には、油圧駆動式の排気側可変バルブタイミング装置19が設けられ、この排気側可変バルブタイミング装置19によってクランク軸12に対する排気側カム軸17の回転位相を遅角させることで、排気側カム軸17によって開閉駆動される排気バルブ(図示せず)のバルブタイミングを最進角位置(基準位置)から遅角させるようになっている。
また、吸気側カム軸16の外周側には、所定のカム角毎に吸気側カム角信号を出力する吸気側カム角センサ20が取り付けられ、排気側カム軸17の外周側には、所定のカム角毎に排気側カム角信号を出力する排気側カム角センサ21が取り付けられている。更に、クランク軸12の外周側には、所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサ22が取り付けられている。
一方、油圧ポンプ23は、クランク軸12で駆動され、この油圧ポンプ23の吐出口に接続された1本の油圧配管25が、2本の個別油圧配管26,27に分岐されている。一方の個別油圧配管26に、吸気側可変バルブタイミング装置18の油圧制御弁28が接続され、他方の個別油圧配管27に排気側可変バルブタイミング装置19の油圧制御弁29が接続されている。これにより、油圧ポンプ23を駆動してオイルパン30から汲み上げたオイルを各油圧制御弁28,29に圧送して、各油圧制御弁28,29に共通の油圧ポンプ23で油圧を供給するようになっている。
各油圧制御弁28,29は、ソレノイド28a,29aで弁体を駆動する電磁弁で構成され、各油圧制御弁28,29への通電をデューティ制御して、各可変バルブタイミング装置18,19のバルブタイミング可変動作を制御するようになっている。このデューティ制御では、各油圧制御弁28,29の制御デューティ値Duty(通電率)を変化させて、各油圧制御弁28,29の駆動電流を変化させることで、各可変バルブタイミング装置18,19の進角室や遅角室に供給するオイルの流量を変化させる。
また、車両の運転席には、始動操作用のプッシュスタートスイッチ32の操作部であるプッシュスタートボタン(図示せず)が設けられている。更に、ドアスイッチ33によって運転席のドアの開閉状態が検出されると共に、ブレーキスイッチ34(ブレーキ操作検出手段)によってブレーキ操作(ブレーキペダルの踏込操作)が検出される。
前述した各種のセンサやスイッチの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)31に入力される。このECU31は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁(図示せず)の燃料噴射量や点火プラグ(図示せず)の点火時期を制御する。
また、ECU31は、エンジン始動前に後述する図4及び図5の各ルーチンを実行することで、始動制御とOCVクリーニング制御(油圧制御弁クリーニング制御)を次のようにして実行する。尚、エンジン始動前にECU31で図4及び図5の各ルーチンを実行するために、運転席のドアが開操作されてドアスイッチ33がオンされたときにECU31への通電を開始するようになっている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、運転者がブレーキ操作(ブレーキペダルを踏込操作)した状態でプッシュスタートスイッチ32をオン操作する場合には、ブレーキスイッチ34がオンの状態(ブレーキ操作を検出した状態)でプッシュスタートスイッチ32がオン操作された時点t1 で、IGスイッチ35(イグニッションスイッチ)をオンし、直ちにスタータ36をオンしてエンジン11を始動させる。その際、ブレーキスイッチ34がオンされた時点t0 で、OCVクリーニング制御を開始して、エンジン始動前にOCVクリーニング制御を確実に実行する。
このOCVクリーニング制御では、各可変バルブタイミング装置18,19の油圧制御弁28,29を強制的にクリーニング動作(例えば開閉動作)させることで、油圧制御弁28,29内に沈殿又は堆積した異物を油圧制御弁28,29から排出して、油圧制御弁28,29の異物の噛み込によるロックを防止する。
一方、図3に示すように、運転者がブレーキ操作していない状態でプッシュスタートスイッチ32をオン操作する場合には、ブレーキスイッチ34がオフの状態(ブレーキ操作を検出していない状態)でプッシュスタートスイッチ32がオン操作された時点t2 で、IGスイッチ35のみをオンして点火系・噴射系等の各種アクチュエータへの電源供給を開始するだけであり、スタータ36は引き続きオフ状態に維持されてエンジン11は始動されない。その際、IGスイッチ35がオンされた時点t2 で、OCVクリーニング制御を開始して、エンジン始動前(エンジン停止中)にOCVクリーニング制御を確実に実行する。
以上説明した始動制御とOCVクリーニング制御は、ECU31によって図4及び図5の各ルーチンに従って実行される。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
[始動制御ルーチン]
図4に示す始動制御ルーチンは、エンジン始動前に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう始動制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、ブレーキスイッチ34がオンされているか否かを判定する。
図4に示す始動制御ルーチンは、エンジン始動前に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう始動制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、ブレーキスイッチ34がオンされているか否かを判定する。
このステップ101で、ブレーキスイッチ34がオンされていると判定されれば、ステップ102に進み、プッシュスタートスイッチ32がオンされたか否かを判定し、プッシュスタートスイッチ32がオンされたと判定されたときに、ステップ103に進み、IGスイッチ35をオンした後、ステップ104に進み、スタータ36をオンしてエンジン11を始動させる。
一方、上記ステップ101で、ブレーキスイッチ34がオフであると判定された場合には、ステップ105に進み、プッシュスタートスイッチ32がオンされたか否かを判定し、プッシュスタートスイッチ32がオンされたと判定されたときに、ステップ106に進み、IGスイッチ35をオンして点火系・噴射系等の各種アクチュエータへの電源供給を開始するが、スタータ36は、引き続きオフ状態に維持してエンジン11を始動しない。
[OCVクリーニング制御ルーチン]
図5に示すOCVクリーニング制御ルーチンは、エンジン始動前に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうクリーニング制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、既にOCVクリーニング制御を実行したか否かを判定する。
図5に示すOCVクリーニング制御ルーチンは、エンジン始動前に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうクリーニング制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、既にOCVクリーニング制御を実行したか否かを判定する。
このステップ201で、まだOCVクリーニング制御を実行していないと判定されれば、ステップ202に進み、IGスイッチ35がオンされたか否かを判定し、IGスイッチ35がオフであると判定されれば、ステップ203に進み、ブレーキスイッチ34がオンされたか否かを判定する。
上記ステップ202でIGスイッチ35がオフであると判定され、且つ、上記ステップ203でブレーキスイッチ34がオフであると判定された場合には、OCVクリーニング制御を実行することなく、本ルーチンを終了する。
その後、上記ステップ202でIGスイッチ35がオンされたと判定された場合、又は、上記ステップ203でブレーキスイッチ34がオンされたと判定された場合には、ステップ204に進み、OCVクリーニング制御を実行する。尚、OCVクリーニング制御の実行中にスタータ36がオンされたときには、その時点でOCVクリーニング制御を終了する。
OCVクリーニング制御の実行後は、上記ステップ201で、既にOCVクリーニング制御を実行したと判定して、ステップ202以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。これにより、エンジン始動前にブレーキスイッチ34のオンとIGスイッチ35のオンのうちのどちらか早い方の信号のみをトリガとしてOCVクリーニング制御を実行し、その後、ブレーキスイッチ34やIGスイッチ35がオンされてもOCVクリーニング制御を実行しないようにする。
以上説明した本実施例1では、図2に示すように、運転者がブレーキ操作した状態でプッシュスタートスイッチ32をオン操作する場合には、ブレーキスイッチ34がオンされた時点t0 で、OCVクリーニング制御を開始する。この場合、ブレーキスイッチ34がオンされてから、その後、プッシュスタートスイッチ32がオンされてIGスイッチ35をオンしてスタータ36をオン(エンジン始動)するまでの期間が、OCVクリーニング制御を実行可能な期間となるため、エンジン始動前にOCVクリーニング制御の実行時間を十分に確保することができる。
一方、図3に示すように、運転者がブレーキ操作していない状態でプッシュスタートスイッチ32をオン操作する場合には、プッシュスタートスイッチ32がオン操作されてIGスイッチ35がオンされた時点t2 で、OCVクリーニング制御を開始する。この場合、スタータ36がオフ状態に維持されてエンジン11が始動されないため、OCVクリーニング制御の実行時間を十分に確保することができる。
このようにすれば、エンジン始動前に、毎回、OCVクリーニング制御を実行することができ、OCVクリーニング制御の実行頻度を十分に確保することができる。しかも、運転者が車内に入ってブレーキ操作してブレーキスイッチ34がオンされたときやプッシュスタートスイッチ32をオン操作してIGスイッチ35がオンされたとき、つまり運転者が車内にいるときに、OCVクリーニング制御を実行することができるため、OCVクリーニング制御によって発生する打音等が運転者に聞こえ難くなり、運転者に違和感を与えることなくOCVクリーニング制御を実行することができる。
また、本実施例1では、エンジン始動前にブレーキスイッチ34のオンとIGスイッチ35のオンのうちのどちらか早い方の信号のみをトリガとしてOCVクリーニング制御を実行するようにしたので、OCVクリーニング制御を実行可能な時間を長く確保することができると共に、エンジン始動前にOCVクリーニング制御を1回のみ実行するという制御が可能となり、エンジン始動前にOCVクリーニング制御が何回も繰り返し実行されることを回避できる。
次に、図6を用いて本発明の実施例2を説明する。
本実施例2では、運転席への人の着座を検出する着座検出手段としてシートスイッチ37(図1参照)が設けられている。その他のシステム構成は、前記実施例1と同じである。
本実施例2では、運転席への人の着座を検出する着座検出手段としてシートスイッチ37(図1参照)が設けられている。その他のシステム構成は、前記実施例1と同じである。
本実施例2では、ECU31は、前記図4の始動制御ルーチンを実行すると共に、後述する図6のOCVクリーニング制御ルーチンを実行することで、エンジン始動前にシートスイッチ37とブレーキスイッチ34とIGスイッチ35のうちの1つがオンされたときにOCVクリーニング制御を実行するようにしている。
図6に示すOCVクリーニング制御ルーチンでは、まず、ステップ301で、既にOCVクリーニング制御を実行したか否かを判定する。このステップ301で、まだOCVクリーニング制御を実行していないと判定された場合には、ステップ302〜304で、IGスイッチ35とブレーキスイッチ34とシートスイッチ37のうちのいずれか1つがオンされたか否かを判定する。
その結果、IGスイッチ35とブレーキスイッチ34とシートスイッチ37が全てオフであると判定された場合には、OCVクリーニング制御を実行することなく、本ルーチンを終了する。
その後、IGスイッチ35とブレーキスイッチ34とシートスイッチ37のうちのいずれか1つがオンされたと判定された場合には、ステップ305に進み、OCVクリーニング制御を実行する。
OCVクリーニング制御の実行後は、上記ステップ301で、既にOCVクリーニング制御を実行したと判定して、ステップ302以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。これにより、エンジン始動前にブレーキスイッチ34とIGスイッチ35とシートスイッチ37のうちの1つが最初にオンされたときだけOCVクリーニング制御を実行し、その後、ブレーキスイッチ34やIGスイッチ35やシートスイッチ37がオンされてもOCVクリーニング制御を実行しないようにする。
通常、運転者は、運転席に着座してから、ブレーキ操作やプッシュスタートスイッチ32のオン操作を行うため、シートスイッチ37は、ブレーキスイッチ34やIGスイッチ35よりも先にオンされる。従って、本実施例2のように、エンジン始動前にシートスイッチ37とブレーキスイッチ34とIGスイッチ35のうちの1つがオンされたときにOCVクリーニング制御を実行するようにすれば、シートスイッチ37がオンされた時点でOCVクリーニング制御を開始して、エンジン始動前の早い時期にOCVクリーニング制御を開始することができ、OCVクリーニング制御の実行時間をより長く確保することができる。
また、本実施例2では、エンジン始動前にシートスイッチ37とブレーキスイッチ34とIGスイッチ35のうちの最先のオン信号のみをトリガとしてOCVクリーニング制御を実行し、その後、シートスイッチ37やブレーキスイッチ34やIGスイッチ35がオンされてもOCVクリーニング制御を実行しないようにしたので、エンジン始動前にOCVクリーニング制御が何回も繰り返し実行されることを回避できると共に、万一、シートスイッチ37等が故障した場合でも、OCVクリーニング制御の実行時間を確実に確保することができる。
尚、上記実施例2では、エンジン始動前にシートスイッチ37とブレーキスイッチ34とIGスイッチ35のうちの1つがオンされたときにOCVクリーニング制御を実行するようにしたが、エンジン始動前にシートスイッチ37とブレーキスイッチ34のうちの一方がオンされたときにOCVクリーニング制御を実行するようにしたり、或は、エンジン始動前にシートスイッチ37とIGスイッチ35のうちの一方がオンされたときにOCVクリーニング制御を実行するようにしても良い。また、エンジン始動前にシートスイッチ37がオンされたときにOCVクリーニング制御を実行するようにしても良い。
更に、エンジン始動前にシートスイッチ37がオンされたときにOCVクリーニング制御を実行する技術思想は、図4の始動制御ルーチンを実行するシステム(エンジン始動前にブレーキスイッチ34がオンの状態でプッシュスタートスイッチ32がオン操作されたときにIGスイッチ35をオンしてスタータ36をオンし、ブレーキスイッチ34がオフの状態でプッシュスタートスイッチ32がオンされたときにIGスイッチ35をオンしてスタータ36をオフに維持するシステム)に限定されず、例えば、エンジン始動前にブレーキスイッチ34のオン/オフを問わず、プッシュスタートスイッチ32がオンされたときにIGスイッチ35をオンしてスタータ36をオンするシステムや、シリンダ錠式のキースイッチでIGスイッチをオンしてスタータをオンするシステム等、種々の構成のシステムに適用して実施できる。
また、上記各実施例1,2では、油圧駆動式の吸気側可変バルブタイミング装置18と油圧駆動式の排気側可変バルブタイミング装置19の両方を備えたシステムに本発明を適用したが、油圧駆動式の吸気側可変バルブタイミング装置18と油圧駆動式の排気側可変バルブタイミング装置19のいずれか一方のみを備えたシステムに本発明を適用しても良い。更に、吸気バルブや排気バルブのリフト量や作用角等を変化させる油圧駆動式の可変バルブ装置を備えたシステムに本発明を適用しても良い。
11…エンジン(内燃機関)、12…クランク軸、16…吸気側カム軸、17…排気側カム軸、18…吸気側可変バルブタイミング装置、19…排気側可変バルブタイミング装置、23…油圧ポンプ、28,29…油圧制御弁、31…ECU(始動制御手段,クリーニング制御手段)、32…プッシュスタートスイッチ、33…ドアスイッチ、34…ブレーキスイッチ(ブレーキ操作検出手段)、35…IGスイッチ(イグニッションスイッチ)、36…スタータ、37…シートスイッチ(着座検出手段)
Claims (5)
- 内燃機関の吸気バルブ及び/又は排気バルブのバルブ開閉特性を変化させる油圧駆動式の可変バルブ装置を制御する内燃機関の制御装置において、
前記可変バルブ装置の油圧制御弁をクリーニング動作させる油圧制御弁クリーニング制御を実行するクリーニング制御手段と、
ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、
内燃機関の始動前に前記ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出した状態で始動操作用のスタートスイッチがオン操作されたときにイグニッションスイッチをオンして直ちにスタータをオンし、内燃機関の始動前に前記ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出しない状態で前記スタートスイッチがオンされたときに前記イグニッションスイッチのみをオンして前記スタータをオフ状態に維持する始動制御手段とを備え、
前記クリーニング制御手段は、内燃機関の始動前に前記ブレーキ操作検出手段によるブレーキ操作の検出の有無と前記イグニッションスイッチのオン/オフを判定し、ブレーキ操作が検出されたとき又は前記イグニッションスイッチがオンされたときに前記油圧制御弁クリーニング制御を実行することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記クリーニング制御手段は、内燃機関の始動前に前記ブレーキ操作検出手段によるブレーキ操作の検出と前記イグニッションスイッチのオンのうちのどちらか早い方の信号をトリガとして前記油圧制御弁クリーニング制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 運転席への人の着座を検出する着座検出手段を備え、
前記クリーニング制御手段は、内燃機関の始動前に前記着座検出手段により運転席への人の着座が検出されたか否かを判定し、着座が検出されたときに前記油圧制御弁クリーニング制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記クリーニング制御手段は、内燃機関の始動前に前記着座検出手段による着座の検出と前記ブレーキ操作検出手段によるブレーキ操作の検出と前記イグニッションスイッチのオンのうちの最先の信号をトリガとして前記油圧制御弁クリーニング制御を実行することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 内燃機関の吸気バルブ及び/又は排気バルブのバルブ開閉特性を変化させる油圧駆動式の可変バルブ装置を制御する内燃機関の制御装置において、
前記可変バルブ装置の油圧制御弁をクリーニング動作させる油圧制御弁クリーニング制御を実行するクリーニング制御手段と、
運転席への人の着座を検出する着座検出手段とを備え、
前記クリーニング制御手段は、内燃機関の始動前に前記着座検出手段により運転席への人の着座が検出されたか否かを判定し、着座が検出されたときに前記油圧制御弁クリーニング制御を実行することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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