JP2009072854A - オーバートルク防止機能を有する工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも単純化した構造のオーバートルク防止機能を有する工具の提供。
【解決手段】駆動部材11、係合部材12、摩擦部材13、押圧部材14を備え、駆動部材11は人力や駆動手段が接続されて回転させられるものであって、先端側には円板状の伝達板113が設けられており、係合部材12は締結部材に対して係合可能とされたものであり、摩擦部材13は駆動部材11の伝達板113と係合部材12との間において、相対的に基端側に配位された部材と先端側に配位された部材との間で常時面接触した状態で設けられたものであって、設定された動摩擦トルクの範囲内で、駆動部材11から係合部材12へと摩擦によりトルクを伝達するものであり、押圧部材14は上記面接触のための押圧力を発揮するものであり、上記の動摩擦トルクの設定は上記押圧部材14による押圧力に応じてなされる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、トルクレンチなどのオーバートルク防止機能を有する工具に関するものである。
特開平2−256470号公報
従来から、ボルト・ナットなどの締結部材を回転させて締め付けるためのものとして、トルクレンチなどのオーバートルク防止機能を有する工具が広く用いられており、本願の発明者も、かつて特許文献1に係る発明をしている。
この特許文献1に係る発明は、図4に示すように、内蔵された駆動側部材101と従動側部材102との間にボール103を挟んだ構造を有する工具に関するものである。そして、このボール103は、対向する駆動側部材101と従動側部材102の各表面に設けられた凹部104に配位されている。
通常時においては、このボール103を介して駆動側部材101と従動側部材102との間で、ボルト・ナットなどの締結部材を回転させるためのトルクが伝達されるものであるが、あらかじめ設定されたものよりも過大なトルクが駆動側部材101にかかった場合、ボール103が上記凹部104から外れて空回りする。これにより、従動側部材101に係合された締結部材に過大なトルクがかかって、締め過ぎの状態となってしまうことを防止できる。
ところが上記の特許文献1に係る工具の構造では、ボール103を保持するための機構が必要となることから、オーバートルク防止機能を有しつつ、更に単純化した構造を有する工具が求められていた。
本願発明は上記のことに鑑み、従来よりも単純化した構造である、オーバートルク防止機能を有する工具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、ボルト・ナットなどの締結部材を回転させて締め付けるための工具1であり、駆動部材11、係合部材12、摩擦部材13、押圧部材14の各々を備え、駆動部材11は、人力、あるいは駆動手段が接続されたことによって上記回転軸Cを中心に回転させられるものであり、この駆動部材11の回転軸Cを基準とした先端側には、円板状の伝達板113が設けられており、係合部材12は、上記締結部材に対して係合可能とされた締結部材係合部121を有するものであり、摩擦部材13は、駆動部材11の伝達板113と係合部材12との間において、相対的に基端側に配位された部材と先端側に配位された部材との間で常時面接触した状態で設けられたものであって、設定された動摩擦トルクの範囲内で、駆動部材11から係合部材12へと摩擦によりトルクを伝達するものであり、押圧部材14は、上記面接触のための押圧力を発揮するものであり、上記の動摩擦トルクの設定は、上記押圧部材14による押圧力に応じてなされることを特徴とする、オーバートルク防止工具を提供する。
また、本願の請求項2に係る発明は、上記係合部材12の基端側に、上記の駆動部材11、摩擦部材13、押圧部材14の各々が取り付けられており、上記の押圧部材14が、回転軸Cに沿う方向に圧縮可能なばね部材141と、このばね部材141を圧縮するためのねじ込み部材142とを備えたものであって、上記のねじ込み部材142は、上記係合部材12の基端側にねじ込むことが可能とされており、その際における係合部材12へのねじ込み度合により、上記の押圧力が変化することを特徴とする、請求項1に記載のオーバートルク防止工具を提供する。
また、本願の請求項3に係る発明は、上記の係合部材12が、断面形状が円形である略筒状体とされており、この係合部材12の先端側に上記締結部材係合部121が設けられており、この係合部材12の基端側に上記のねじ込み部材142がねじ込まれたものであって、上記締結部材係合部121には、基端側を向くようにして、平坦面を有する摩擦面121aが設けられており、上記の駆動部材11は、工具本体接続部111、連結軸112、伝達板113を備え、このうちで連結軸112の一部と伝達板113とが係合部材12の内部に納められたものであり、上記の工具本体接続部111は、基端面に、トルクを発する工具本体を接続するための部分である工具本体接続穴111aを備え、上記の連結軸112は、上記工具本体接続部111の先端側に一体に設けられたものであって、工具本体接続部111の回転によるトルクを先端側へと伝達するための部分であり、上記の伝達板113は、上記連結軸112の先端側に接続されたものであって、先端側には平坦面を有する先端面113aが、基端側には平坦面を有する基端面113bが、それぞれ設けられたものであり、上記の摩擦部材13は、上記の先端面113a及び基端面113bにそれぞれ当接するように設けられており、上記のばね部材141が、上記の伝達板113とねじ込み部材142との間に配位されたものであり、このばね部材141は環状であり、かつ、内周部と外周部の、回転軸方向における高さが異なるものであって、上記のねじ込み部材142にはロックナット144がねじ込まれ、このロックナット144の先端面144aと上記係合部材12の基端面12aとを密着させることにより、ねじ込み部材142の係合部材12に対するねじ込み位置を固定することが可能であることを特徴とする、請求項2に記載のオーバートルク防止工具を提供する。
また、本願の請求項4に係る発明は、上記の駆動部材11が、断面形状が円形の略筒状体である筒状部114を有しており、この筒状部114の内部に、少なくとも上記の伝達板113と摩擦部材13とが設けられており、上記の筒状部114の外周に、径方向に延びるようにして、把持可能なハンドル部115が設けられたことを特徴とする、請求項1または2に記載のオーバートルク防止工具を提供する。
本願発明は、駆動部材11の伝達板113と係合部材12との間において、相対的に基端側に配位された部材と先端側に配位された部材との間で常時面接触した状態で設けられた摩擦部材13が、設定された動摩擦トルクの範囲内で、駆動部材11から係合部材12へと摩擦によりトルクを伝達することから、特許文献1に示したようなボール103を有する構造に比べて単純化した構造であるオーバートルク防止工具を提供できたものである。
そして特に、本願の請求項2に係る発明は、上記の効果に加え、摩擦部材13の面接触のための押圧力を発揮する押圧部材14がねじ込み部材142を備えたことにより、ねじ込み部材142をケーシング2にねじ込むことによって、動摩擦トルクの設定を容易にすることができたものである。
以下、図面に基づき本願発明の一実施例をとりあげて説明する。図1は、オーバートルク防止機能を有する工具の第1実施例を示し、図2は同工具の第2実施例を示す。
まず、オーバートルク防止機能を有する工具1の第1実施例として、図1に示すソケットレンチタイプのものについて説明する。なお、本願発明に係る工具1は、このタイプのものに限定されるものではなく、ボルト・ナットなどの締結部材を回転させて締め付けるためのものであれば、その形態が限定されるものではない。よって、下記の第2実施例を始め、種々の形態にて実施可能である。なお、以下、本実施例の説明において、基端側とは図1(B)における右側、先端側とは同左側を指す。
本実施例に係る工具1は、駆動部材11、係合部材12、摩擦部材13、押圧部材14を備える。
駆動部材11は、人力あるいは駆動手段が接続されたことによって、図1(B)に示す回転軸Cを中心に回転させられるものである。本実施例においては、基端側から順に、工具本体接続部111、連結軸112、伝達板113を備えたものであり、連結軸112の一部と伝達板113とが後述の係合部材12の内部に納められたものとされている。
本実施例における工具本体接続部111の基端面には、一般のソケットレンチと同一であり、図1(A)及び(B)に示すような、断面形状が正方形の有底穴である工具本体接続穴111aが設けられており、ここにトルクを発する工具本体(図示しない)の動力軸を取り付けて使用する。工具本体は、電気や空気圧により駆動力を発する駆動手段により自動回転するものであっても良いし、ラチェットハンドルなど、人力により回転させるものであっても良く、トルクを発することのできるものであれば、種類が限定されるものではない。
なお、この工具本体自体は、オーバートルク防止機能を有しないものを用いることができる。ここで、従来から存在したトルクレンチでは、使用したい場所が狭い場合において、工具本体に設けられたオーバートルク防止機構が引っ掛かることがあり、そのため、締結部材を回転させるための動作が十分にできなかったり、工具本体を当該場所に配位すること自体が不可能な場合があったが、本願発明に係る工具にあっては、締結部材を回転させるために適切な工具本体を適宜選択することができるため、使用する場所の適用範囲が広いという利点を有する。
工具本体接続部111の先端側は延長されており、工具本体接続部111と一体に連結軸112が設けられている。この連結軸112は、工具本体接続部111の回転によるトルクを先端側へと伝達するための部分である。
そして、この連結軸112の先端には、円板状の伝達板113が接続されている。この伝達板113は、後述の摩擦部材13と当接することによりトルクを伝達するものであって、本実施例では、平坦面を有する面として設けられた先端面113a及び基端面113bの両面でトルク伝達がなされる。
係合部材12は、内面が締結部材に対して係合可能とされた締結部材係合部121が先端側に設けられたものである。本実施例における係合部材12は、上記の駆動部材11の一部と、後述の摩擦部材13、押圧部材14の各々が内部に設けられたケーシング状のもので、締結部材係合部121は、この係合部材12と一体に設けられている。この係合部材12は、断面形状が円形である略筒状体とされている。
締結部材係合部121は、本実施例ではソケットレンチタイプのものとされているが、これに限定されず、例えば、六角棒タイプ、スパナタイプ、メガネタイプなど、種々の形態で実施することが可能である。また、本実施例のものにおいては、回転方向が両方向に可能であるが、一方向のみの回転を許容するようなラチェット機構を備えたものとしても良い。この場合においては、駆動部材11と伝達板113との間にラチェット機構を備えたものとすることが例示できるが、その他の部分にラチェット機構を備えても良い。
また、締結部材係合部121には、基端側を向くようにして後述の摩擦部材13と当接する摩擦面121aが設けられている。この摩擦面121aは平坦面を有するものであって、摩擦部材13を介して、駆動部材11から係合部材12へのトルク伝達のうちの一部がなされる。
摩擦部材13は、駆動部材11の伝達板113と係合部材12との間において、相対的に基端側に配位された部材と先端側に配位された部材との間で常時面接触した状態で設けられたものであって、後述のねじ込み部材142により設定された動摩擦トルクの範囲内で、駆動部材11から係合部材12へと摩擦によりトルクを伝達するものである。具体的には、先端側に配位された側の摩擦部材13は、伝達板113の先端面113aと係合部材12の摩擦面121aとの間に当接するように配位され、基端側に配位された側の摩擦部材13は、伝達板113の基端面113bと後述の平座金143との間に当接するように配位されている。
この摩擦部材13は、中央に工具本体接続部111の連結軸112を通すための穴が開けられた円板状の物体とされているが、耐磨耗性に優れたものであれば、特に素材が限定されるものではない。ただし、動摩擦係数の大きな素材とすることが望ましい。また、表面形状についても、粗面処理されたものとすることが望ましい。
押圧部材14は、上記面接触のための押圧力を発揮するものであって、軸方向に圧縮可能なばね部材141と、このばね部材141を圧縮するためのねじ込み部材142とを備えたものである。
ばね部材141は、駆動部材11の伝達板113と摩擦部材13との間、摩擦部材13と係合部材12との間の各々を当接させるための軸方向への押圧力を発揮するものであって、本実施例においては伝達板113とねじ込み部材142との間に配位された環状の圧縮ばねとされている。つまり、環状であり、かつ、内周部と外周部の、回転軸方向における高さが異なるもの、具体的には皿ばね座金が用いられている。なお、摩擦部材13に対して面接触させるために、平座金143がばね部材141と摩擦部材13との間に挟まれている。この平座金143は、駆動部材11の連結軸112と共に回転するように設けられている。なお、これらのばね部材(皿ばね座金)141及び平座金143には規格品を用いても良い。
ねじ込み部材142は、軸方向に、駆動部材11の連結軸112の直径よりも大きな貫通穴142aを有しており、外周面にはねじ山142bが設けられたことによって、係合部材12の基端側内面に設けられたねじ山12bに対してねじ込むことが可能とされており、その際におけるねじ込み度合に応じてばね部材141の圧縮度合を変化させることができる。これにより、ばね部材141の発する押圧力を変化させ、上記の動摩擦トルクの設定がなされる。このようにねじ込み部材142を備えたことから、ねじ込み部材142をケーシング2にねじ込むことにより、動摩擦トルクの設定を容易にすることができる。
なお、本実施例については図示しないが(第2実施例について図3参照)、ケーシング2に対するねじ込み部材142のねじ込み度合を示す目盛をねじ込み部材142に設けても良い。これにより、目盛に合わせてねじ込み部材142をねじ込むことで、容易に所望の値の動摩擦トルクを設定することができる。
なお、本実施例においては、ねじ込み部材142の基端面に、径方向に延びるようにして4箇所のねじ込み溝142cが設けられており、このねじ込み溝142cに専用工具を係合させることにより、ねじ込み部材142をケーシング2に対してねじ込んだり緩めたりすることができる。
本実施例における押圧部材14は、上記の他にロックナット144及び位置合わせ用座金145を備える。ロックナット144は、上記のようにねじ込み部材142の外周面に設けられたねじ山142bにねじ込まれたことにより、先端面144aが係合部材12の基端面12aに密着するようになされており、これにより、係合部材12に対するねじ込み部材142の位置を固定できる。
なお、本実施例においては、ロックナット144の外周面に4箇所のねじ込み溝144bが設けられており、このねじ込み溝144bに専用工具を係合させることにより、ロックナット144をねじ込んだり緩めたりすることができる。
位置合わせ用座金145は、ばね部材141とねじ込み部材142との間に配位されるものであって、中央部分における中央突出部145aが先端側へと突出した形態とされたものである。上記の平座金143と同様に、この位置合わせ用座金145も駆動部材11の連結軸112と共に回転するように設けられている。この中央突出部145aの外径寸法はねじ込み部材142の穴径よりもわずかに大きく形成されている。なお、ねじ込み部材142の先端には突出部142dが設けられており、この突出部142dが位置合わせ用座金145の中央突出部145aの基端側に当接する。これにより、係合部材12の内部でばね部材141が径方向に片寄らないように安定して配位することができ、ねじ込み部材142のケーシング2へのねじ込みによる動摩擦トルクの設定を確実にすることができる。
次に、本実施例におけるトルクの伝達について説明する。駆動部材11の工具本体接続部111が工具本体によって回転させられたことにより生じたトルクは、駆動部材11の伝達板113から係合部材12の締結部材係合部121に伝達される。
ここで、伝達板113の先端面113aにおいては、これに当接する、先端側に配位された摩擦部材13を介して係合部材12へとトルクが伝達される。つまり、伝達板113と摩擦部材13との間、及び、摩擦部材13と係合部材12との間の摩擦によりトルクが伝達される。
一方、伝達板113の基端面113bにおいては、これに当接する、基端側に配位された摩擦部材13、平座金143、ばね部材141、ねじ込み部材142の各々を介して係合部材12へとトルクが伝達される。この場合は、伝達板113と摩擦部材13との間、摩擦部材13と平座金143との間、平座金143とばね部材141との間、ばね部材141とねじ込み部材142との間の摩擦によりトルクが伝達される。なお、ねじ込み部材142と係合部材12とはねじにより締結されているため、厳密にはねじ山間で摩擦による伝達がなされてはいるが、直接にトルクが伝達されるとみなして良い。
ここで、設定された動摩擦トルクを超えた過大なトルクが駆動部材11にかかった場合、摩擦部材13と伝達板113との間など、摩擦部材13とこれに接する部材との間ですべりが発生する。よって、上記の過大なトルクがそのまま係合部材12に伝達され、締結部材を締め過ぎてしまうことがない。
本実施例は、伝達板113の先端面113aと基端面113bとの2つの面によりトルクの伝達がなされるため、いずれか片面のみでトルクの伝達がなされるものに比べ、軸方向における端面が相対的に小面積である摩擦部材13でも同等のトルク伝達が可能であるという利点を有する。
ただし、摩擦部材13と平座金143との間、及び、平座金143とばね部材141との間で伝達可能な動摩擦トルクは、接触面積や素材の関係で、伝達板113と摩擦部材13との間で伝達可能な動摩擦トルクよりも小さくなる。そのため、本実施例のように両面でのトルク伝達がなされるものであっても、片面で伝達されるトルクを単純に2倍したものとはならない。
このように、本願発明に係る工具は、摩擦によりトルクを伝達し、オーバートルク時に空転するものであることから、使用時の回転方向が限定されるものではない。つまり、締結部材が左ねじであっても右ねじであっても適用可能である。
次に、オーバートルク防止機能を有する工具1の第2実施例として、図2に示すハンドル一体型タイプのものについて説明する。上記の第1実施例では、図1に示すように、駆動側要素が相対的に内部に配位されており、従動側要素が相対的に外部に配位された構造となっていたが、本実施例では逆に、駆動側要素が相対的に外部に配位されており、従動側要素が相対的に内部に配位された構造となっている。なお、以下の説明において、基端側とは図2(B)における上側、先端側とは同下側を指す。また、以下においては、主に第1実施例と異なる部分を説明する。上記第1実施例と同じ機能を有する部分については、同一の符号を付して説明している。
本実施例においては、駆動部材11が、断面形状が円形の略筒状体である筒状部114を有している。そして、この筒状部114の内部に、少なくとも伝達板113と摩擦部材13とが設けられており、上記の筒状部114の外周に、径方向に延びるようにして、把持可能なハンドル部115が設けられている。よって、このハンドル部115を持って筒状部114を回転させることができ、締結部材を締め付けるための作業を簡単にできる。
本実施例における係合部材12は、締結部材係合部121と軸部122を備えている。締結部材係合部121は筒状部114の先端側から露出している。軸部122は、締結部材係合部121の基端側に一体に設けられた、締結部材係合部121よりも小径の部分であって、ねじ込み部材142及びロックナット144がねじ込まれる基端部を除いて、筒状部114の内部に配位される。本実施例では図示のように、軸部122が中空とされているが、中実であっても良い。そして、この締結部材係合部121の基端側に、後述の摩擦部材13と当接する摩擦面121aが設けられている。
本実施例における伝達板113は筒状部114に接続されている。そのため、駆動部材11のトルクが、第1実施例では内側から外側に伝達されるのに対し、本実施例では、外側から内側に伝達される。
摩擦部材13は、上記第1実施例と同様、伝達板113を先端側と基端側から挟むようにして2枚設けられている。そして、これらの上方には押圧部材14が設けられている。具体的には、2枚の平座金143に挟まれるようにしてばね部材141が設けられている。そして、係合部材12の基端部にねじ山が形成されており、このねじ山に、ばね部材141の押圧力を調整するためのねじ込み部材142がねじ込まれる。そして、このねじ込み部材142の係合部材12への取り付け位置は、ねじ込み部材142よりも上方において、同じく上記のねじ山にねじ込まれたロックナット144によって保持される。
次に、本実施例におけるトルクの伝達について説明する。ハンドル部115を回転軸Cを中心として回転させ、筒状部114が回転させられたことにより生じたトルクは、駆動部材11の伝達板113から係合部材12の締結部材係合部121に伝達される。
ここで、伝達板113の先端面113aにおいては、これに当接する先端側に配位された摩擦部材13を介して係合部材12へとトルクが伝達される。つまり、伝達板113と摩擦部材13との間、及び、摩擦部材13と係合部材12との間の摩擦によりトルクが伝達される。
一方、伝達板113の基端面113bにおいては、これに当接する、基端側に配位された摩擦部材13、平座金143、ばね部材141、もう一つの平座金143、ねじ込み部材142の各々を介して係合部材12へとトルクが伝達される。この場合は、伝達板113と摩擦部材13との間、摩擦部材13と平座金143との間、平座金143とばね部材141との間、ばね部材141と平座金143との間、平座金143とねじ込み部材142との間の摩擦によりトルクが伝達される。
そして本実施例においても、設定された動摩擦トルクを超えた過大なトルクが駆動部材11にかかった場合、摩擦部材13と伝達板113との間など、摩擦部材13とこれに接する部材との間ですべりが発生する。よって、上記の過大なトルクがそのまま係合部材12に伝達され、締結部材を締め過ぎてしまうことがない。
なお、第1実施例について説明したのと同様に、ケーシング2に対するねじ込み部材142のねじ込み度合を示す目盛をねじ込み部材142に設けても良い。例えば図3に示すように、設定できる動摩擦トルクの最大値を100%とした%表示の目盛142aをねじ込み部材142の端面に記しておき、係合部材12の端面に設けた指示マーク122aとの位置合わせをできるようにする。これにより、目盛142aに合わせてねじ込み部材142をねじ込むことで、容易に所望の値の動摩擦トルクを設定することができる。また、図示した例では目盛142aを%表示としたが、具体的なトルク値を表示しても良い。
本願発明に係るオーバートルク防止機能を有する工具の第1実施例を示し、(A)は右側面図(左半分)、(B)は縦断面図、(C)は左側面図(右半分)である。 本願発明に係るオーバートルク防止機能を有する工具の第2実施例を示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図、(C)は底面図である。 本願発明に係るオーバートルク防止機能を有する工具の第2実施例において、ロックナットにトルク調整用の目盛を設けた場合を示す平面図である。 従来のオーバートルク防止機能を有する工具の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 工具
11 駆動部材
111 工具本体接続部
111a 工具本体接続穴
112 連結軸
113 伝達板
113a 先端面(伝達板)
113b 基端面(伝達板)
114 筒状部
115 ハンドル部
12 係合部材
12a 基端面(係合部材)
121 締結部材係合部
121a 摩擦面
13 摩擦部材
14 押圧部材
141 ばね部材
142 ねじ込み部材
144 ロックナット
144a 先端面(ロックナット)
C 回転軸

Claims (4)

  1. ボルト・ナットなどの締結部材を回転させて締め付けるための工具(1)であり、
    駆動部材(11)、係合部材(12)、摩擦部材(13)、押圧部材(14)の各々を備え、
    駆動部材(11)は、人力、あるいは駆動手段が接続されたことによって回転軸(C)を中心に回転させられるものであり、
    この駆動部材(11)の上記回転軸(C)を基準とした先端側には、円板状の伝達板(113)が設けられており、
    係合部材(12)は、上記締結部材に対して係合可能とされた締結部材係合部(121)を有するものであり、
    摩擦部材(13)は、駆動部材(11)の伝達板(113)と係合部材(12)との間において、相対的に基端側に配位された部材と先端側に配位された部材との間で常時面接触した状態で設けられたものであって、設定された動摩擦トルクの範囲内で、駆動部材(11)から係合部材(12)へと摩擦によりトルクを伝達するものであり、
    押圧部材(14)は、上記面接触のための押圧力を発揮するものであり、
    上記の動摩擦トルクの設定は、上記押圧部材(14)による押圧力に応じてなされることを特徴とする、オーバートルク防止工具。
  2. 上記係合部材(12)の基端側に、上記の駆動部材(11)、摩擦部材(13)、押圧部材(14)の各々が取り付けられており、
    上記の押圧部材(14)が、回転軸(C)に沿う方向に圧縮可能なばね部材(141)と、このばね部材(141)を圧縮するためのねじ込み部材(142)とを備えたものであって、
    上記のねじ込み部材(142)は、上記係合部材(12)の基端側にねじ込むことが可能とされており、その際における係合部材(12)へのねじ込み度合により、上記の押圧力が変化することを特徴とする、請求項1に記載のオーバートルク防止工具。
  3. 上記の係合部材(12)が、断面形状が円形である略筒状体とされており、この係合部材(12)の先端側に上記締結部材係合部(121)が設けられており、この係合部材(12)の基端側に上記のねじ込み部材(142)がねじ込まれたものであって、
    上記締結部材係合部(121)には、基端側を向くようにして、平坦面を有する摩擦面(121a)が設けられており、
    上記の駆動部材(11)は、工具本体接続部(111)、連結軸(112)、伝達板(113)を備え、このうちで連結軸(112)の一部と伝達板(113)とが係合部材(12)の内部に納められたものであり、
    上記の工具本体接続部(111)は、基端面に、トルクを発する工具本体を接続するための部分である工具本体接続穴(111a)を備え、
    上記の連結軸(112)は、上記工具本体接続部(111)の先端側に一体に設けられたものであって、工具本体接続部(111)の回転によるトルクを先端側へと伝達するための部分であり、
    上記の伝達板(113)は、上記連結軸(112)の先端側に接続されたものであって、先端側には平坦面を有する先端面(113a)が、基端側には平坦面を有する基端面(113b)が、それぞれ設けられたものであり、
    上記の摩擦部材(13)は、上記の先端面(113a)及び基端面(113b)にそれぞれ当接するように設けられており、
    上記のばね部材(141)が、上記の伝達板(113)とねじ込み部材(142)との間に配位されたものであり、
    このばね部材(141)は環状であり、かつ、内周部と外周部の、回転軸方向における高さが異なるものであって、
    上記のねじ込み部材(142)にはロックナット(144)がねじ込まれ、このロックナット(144)の先端面(144a)と上記係合部材(12)の基端面(12a)とを密着させることにより、ねじ込み部材(142)の係合部材(12)に対するねじ込み位置を固定することが可能であることを特徴とする、請求項2に記載のオーバートルク防止工具。
  4. 上記の駆動部材(11)が、断面形状が円形の略筒状体である筒状部(114)を有しており、この筒状部(114)の内部に、少なくとも上記の伝達板(113)と摩擦部材(13)とが設けられており、
    上記の筒状部(114)の外周に、径方向に延びるようにして、把持可能なハンドル部(115)が設けられたことを特徴とする、請求項1または2に記載のオーバートルク防止工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113612044A (zh) * 2021-09-06 2021-11-05 国网江苏省电力有限公司常州供电分公司 一种接地棒扭矩限制装置

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