JP2009071972A - 回転電機の冷却構造 - Google Patents

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愛彦 丹
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雅裕 塚本
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Abstract

【課題】通電コイルと、非誘電コイルとの間に温度差を生ずることのない回転電機の冷却構造として、熱膨張差に起因した耐久性の低下に関する問題を解消する。
【解決手段】ハウジング1内にステータ2を嵌着し、ステータ2は、多数のコイル3を同一円周上に等間隔に配列し、これらを樹脂モールド4により一体化した構成とする。ハウジング1の両端開口を塞ぐ端蓋5,6とステータ2との間にロータ7,8を配置する。全てのコイル3に通電することで回転電機の出力を最大にすることができ、選択されたコイルのみに通電することで出力を低下させ得る。ハウジング1の周壁に軸線方向へ延在するよう設けた、各コイル3用の冷媒通路11への冷媒流量を弁12により制御可能とする。コイル3の全てに通電する場合、全ての弁12を図示の全閉位置から、弁口12aが冷媒通路11と整列した全開位置にする。コイル3の一部のみに通電する出力低下時は、コイル3のうち非通電状態のコイルに係わる冷媒通路11中の弁12を全閉位置とし、冷媒を通流させない。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数組の巻線コイルを具え、全ての組の巻線コイルに通電するか、選択された組の巻線コイルのみに通電するかにより、出力を変更可能な回転電機に関するものである。
この種の回転電機としては、例えばU相、V相、W相をそれぞれ構成する巻線コイルを1組として、3組の巻線コイルを具え、
第1、第2、第3の全ての組の巻線コイルに通電することで回転電機の出力を最大にし、3組の巻線コイルのうち1組の巻線コイルのみに通電したり、2組の巻線コイルのみに通電することで出力を低下させ得るようにした回転電機が、
特許文献1により提案されている。
特開2001−025286号公報
この種の回転電機においては、一部の巻線コイルのみに通電し、他の巻線コイルを非通電状態にしておく動作態様が存在するため、
通電している巻線コイルと、通電していない巻線コイルとの間で発熱量が異なるのを禁じ得ず、
通電状態にある巻線コイルの周辺部と、非通電状態にある巻線コイルの周辺部との間で熱膨張の差を生ずる。
かかる熱膨張の差は、全ての巻線コイルに通電している場合は勿論生じない。
一方で、全ての巻線コイルを樹脂モールドにより一体化して一ユニットに構成するのが常套であり、
一部の巻線コイルのみに通電し、他の巻線コイルを非通電状態にしておく動作態様では、通電状態にある巻線コイルの周辺における樹脂モールド部分と、非通電状態にある巻線コイルの周辺における樹脂モールド部分との間に上記熱膨張の差が発生する。
このため、かかる一部コイル通電状態と、上記熱膨張の差を生じない全コイル通電状態との間で動作態様を繰り返し切り替えると、上記の樹脂モールドに上記熱膨張の差が繰り返し発生し、樹脂モールドに亀裂が入ったり、樹脂モールドの耐久性が低下され、結果として回転電機の寿命低下を招くという問題があった。
この問題は、回転電機を冷却したとしても、この冷却が回転電機(全ての巻線コイル)を一様に冷却するものである限りにおいて避けられない。
本発明は、上記の問題に鑑み、通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力と、非通電状態で発熱量の少ない巻線コイルに対する冷却能力との間に差を持たせ得るようになし、
これにより、一部コイル通電時でも通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることのないようにして上記の問題解決を図った回転電機の冷却構造を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による回転電機の冷却構造は、請求項1に記載したごとく、
複数組の巻線コイルを具え、全ての組の巻線コイルに通電するか、選択された組の巻線コイルのみに通電するかにより、出力を変更可能な回転電機を要旨構成の基礎前提とし、
各組の巻線コイルに対する冷却能力を個々に調整可能な冷却能力調整手段を設け、
該冷却能力調整手段により、前記選択された組の通電巻線コイルに対する冷却能力を、非通電巻線コイルに対する冷却能力よりも大きくするよう構成したことを特徴とするものである。
かかる本発明による回転電機の冷却構造にあっては、
各組の巻線コイルに対する冷却能力を個々に調整可能な冷却能力調整手段により、通電巻線コイルに対する冷却能力を、非通電巻線コイルに対する冷却能力よりも大きくするため、
通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力が、非通電状態で発熱量の少ない巻線コイルに対する冷却能力よりも高くされることとなり、
一部コイル通電時でも通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることがないか、または、少なくとも当該熱膨張の差を小さくすることができる。
よって、一部コイル通電状態と、全コイル通電状態との間で回転電機の動作態様を繰り返し切り替えても、上記熱膨張の差が繰り返し発生することがなく、これによる回転電機の耐久性低下や寿命低下に関する問題を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1,2はそれぞれ、本発明の一実施例になる冷却構造を具えた回転電機の分解斜視図および要部縦断側面図である。
これらの図1,2に示す回転電機は、円筒形のハウジング1を具え、該ハウジング1の内周にステータ2を、ハウジング1の軸線方向中程に配して嵌着する。
ステータ2は、複数組の巻線コイル3を同一円周上に等間隔に配列して具え、これら巻線コイル3を樹脂モールド4により一体化して構成する。
ハウジング1の両端開口をそれぞれ端蓋5,6により塞ぎ、これら端蓋5,6とステータ2との間における軸線方向隙間内に、永久磁石が埋設されたロータ7,8を配置する。
本実施例における回転電機は、巻線コイル3への通電により発生した電磁力でロータ7,8がその中心軸線回転O1の周りに回転され、動力を発生することができる。
ここで、巻線コイル3のうち、全ての組の巻線コイルに通電することにより回転電機の出力を最大にすることができ、巻線コイル3のうち、選択された組の巻線コイルのみに通電することにより出力を低下させることができる。
上記回転電機の冷却構造を以下に説明する。
ハウジング1の周壁に、巻線コイル3と同数の軸線方向延在通路11を穿ち、これら軸線方向延在通路11は内部に冷媒を通流される冷媒通路として機能させる。
そして軸線方向延在通路11は、内部通流冷媒が各巻線コイル3に対して冷却能力を持つよう対応する巻線コイル3に近接配置し、これとの間で内部通流冷媒が熱交換を行い得るものとする。
軸線方向延在通路11内に冷媒を通流させるため、ハウジング1の端面と接する端蓋5の面に開口させて冷媒供給用の円環溝5aを形成し、該円環溝5aの底部に通ずる冷媒供給ポート5bを端蓋5に設け、これら円環溝5aおよびポート5bで冷媒供給通路を構成する。
なお円環溝5aは、全ての軸線方向延在通路11の対応する開口端と通ずるような大きさおよび配置にすること勿論である。
他方で、ハウジング1の端面と接する端蓋6の面に開口させて冷媒排出用の円環溝6aを形成し、該円環溝6aの底部に通ずる冷媒排出ポート6bを端蓋6に設け、これら円環溝6aおよびポート6bで冷媒排出通路を構成する。
なお円環溝6aは、全ての軸線方向延在通路11の対応する開口端と通ずるような大きさおよび配置にすること勿論である。
そして本実施例においては特に、各軸線方向延在通路11の延在方向任意箇所に挿置して、該軸線方向延在通路11の冷媒通流量を個々に制限する冷媒流制御手段としての冷媒流量制御弁12を設け、この冷媒流量制御弁12(冷媒流制御手段)と、軸線方向延在通路11(冷媒通路)とで、各巻線コイル3に対する冷却能力を個々に調整可能な冷却能力調整手段を構成する。
冷媒流量制御弁12は、各軸線方向延在通路11の冷媒通流量を個々に制限するために、図2に示すごとく軸線方向延在通路11を横切るよう配置すると共に、軸線方向延在通路11を横切る方向へストローク可能とし、
該冷媒流量制御弁12のストロークを電気式アクチュエータや、油圧式アクチュエータなどのアクチュエータ13により制御し得るようになす。
そして冷媒流量制御弁12には、軸線方向延在通路11の延在方向において冷媒流量制御弁12を貫通するよう弁口12aを設け、該弁口12aの内径を軸線方向延在通路11の内径以上の大きさとする。
上記した本実施例の構成になる冷却構造が行う回転電機の冷却作用を以下に説明する。
巻線コイル3の全てに通電して回転電機を出力が最大となるよう作動させている場合、アクチュエータ13により、全ての軸線方向延在通路11に係わる冷媒流量制御弁12を図2の後退(全閉)位置から図の下方へストロークさせて、その弁口12aを軸線方向延在通路11に整列させることにより冷媒流量制御弁12を全開させる。
かくて、全ての通電状態にある巻線コイル3に係わる軸線方向延在通路11への冷媒流量が最大となり、全ての通電状態にある巻線コイル3に対する(これとの熱交換による)冷却能力が最大となって、ステータ2を全体的に均一に、しかも確実に冷却することができる。
ところで回転電機の出力を低下させるべく、巻線コイル3の一部のみに通電し、他の巻線コイルを非通電状態にしておく回転電機の作動時は、アクチュエータ13により、巻線コイル3のうち非通電状態の巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11中の冷媒流量制御弁12を上記の全開位置から図2の後退(全閉)位置へストロークさせて、その弁口12aを軸線方向延在通路11に通じないよう、これからオフセットさせる。
かくて、巻線コイル3のうち通電状態にある巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11への冷媒流量は依然として最大に保たれ、当該通電状態にある巻線コイルに対する(これとの熱交換による)冷却能力は最大に保たれるが、
巻線コイル3のうち非通電状態にあって発熱量が少なくなった巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11への冷媒流量は0にされ、当該非通電状態にある巻線コイルに対する(これとの熱交換による)冷却能力は最低にされる。
よって、巻線コイル3のうち通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力が高くされ、逆に、巻線コイル3のうち非通電状態で発熱量の少ない巻線コイルに対する冷却能力が低くされるため、つまり、通電状態の巻線コイルに対する冷却能力を、非通電状態の巻線コイルに対する冷却能力よりも大きくするため、
一部コイル通電時でも、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に温度差を生じることがないか、若しくは、少なくともこの温度差を小さくすることができ、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることがないか、または、少なくとも当該熱膨張の差を小さくすることができる。
ちなみに、従来は図13(a)に示すごとく、コイル発熱量が1.0KWである場合について述べると、通電状態のコイル温度および非通電状態のコイル温度間における温度差ΔTが64℃もあったが、
本実施例によれば、同じ条件での実験結果である図13(b)に示すごとく、通電状態のコイル温度および非通電状態のコイル温度間における温度差ΔTを47℃まで小さくし得る。
よって、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を小さくすることができる。
以上により、一部コイル通電状態と、全コイル通電状態との間で回転電機の動作態様を繰り返し切り替えても、上記熱膨張の差が繰り返し発生することがなく、これによる樹脂モールド4の耐久性低下や、回転電機の寿命低下に関する問題を回避することができる。
なお本実施例のように、冷媒流量制御弁12をストロークさせるに際しアクチュエータ13で当該ストロークを生起させる場合は、冷媒流量制御弁12のストローク制御を能動的に行うことができることから、以下のような制御態様とするのが有利である。
つまり、巻線コイル3のうち回転電機の急加速に起因して非通電状態から通電状態にされる巻線コイルがある場合、これに係わる軸線方向延在通路11中の冷媒流量制御弁12を全閉位置から全開位置に開度増大させるに際しては、当該冷媒流量制御弁12の開度増大をアクチュエータ13により、上記の急加速に先立って行わせるのがよい。
かかる冷媒流量制御弁12の開度増大制御によれば、急加速に起因して非通電状態から通電状態にされる巻線コイルが発熱量を増大するのに先立ってその冷却能力を増大させておくことができ、急加速時においても前記熱膨張差の問題解決を確実に実現することができる。
また、巻線コイル3のうち回転電機の高負荷運転の終了に起因して通電状態から非通電状態にされる巻線コイルがある場合、これに係わる軸線方向延在通路11中の冷媒流量制御弁12を全開位置から全閉位置に開度低下させるに際しては、当該冷媒流量制御弁12の開度低下をアクチュエータ13により、上記高負荷運転の終了よりも遅れて行わせるのがよい。
かかる冷媒流量制御弁12の開度低下制御によれば、高負荷運転の終了に起因して通電状態から非通電状態にされる巻線コイルが冷却され終えた後にその冷却能力の低下が実行されることとなり、高負荷運転の終了直後においても前記熱膨張差の問題解決を確実に実現することができる。
なお冷媒流量制御弁12をストロークさせるに際しては、本実施例のようにアクチュエータ13で当該ストロークを生起させる代わりに、図3に示すような構造により冷媒流量制御弁12をストロークさせることができる。
図3では、各冷媒流量制御弁12をバネなどの弾性材14により、図示の全閉位置に弾支しておき、対応する巻線コイル3への通電時に、これへの電流に応動して電磁吸引力を発生する電磁石15を設け、
巻線コイル3が通電状態になるとき、これへの電流に応動して電磁石15が電磁吸引力により冷媒流量制御弁12をバネなどの弾性材14に抗し全開位置へストロークさせて開度増大させ、巻線コイル3が非通電状態になるとき、これへの電流の消失に応動して電磁石15が電磁吸引力の消失により冷媒流量制御弁12をバネなどの弾性材14により全開位置へストロークさせて開度低下させるものとする。
かかる構成の本実施例においても、冷媒流量制御弁12が、対応する巻線コイル3への電流に応動して開度増大し、該巻線コイルの非通電時に開度低下されることから、
巻線コイル3のうち通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力を高くし、逆に、巻線コイル3のうち非通電状態で発熱量の少ない巻線コイルに対する冷却能力を低くすることとなり、
一部コイル通電時でも、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に温度差を生じることがないか、若しくは、少なくともこの温度差を小さくすることができ、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることがないか、または、少なくとも当該熱膨張の差を小さくすることができる。
よって、一部コイル通電状態と、全コイル通電状態との間で回転電機の動作態様を繰り返し切り替えても、上記熱膨張の差が繰り返し発生することがなく、これによる樹脂モールド4の耐久性低下や、回転電機の寿命低下に関する問題を回避することができる。
なお、巻線コイル3のうち通電状態で発熱量の多い巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11の連通度を高くし、巻線コイル3のうち非通電状態で発熱量の少ない巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11の連通度を低くするに際しては、
図2,3に示すような冷媒流量制御弁12を用いる代わりに、図4に示すごとく軸線方向延在通路11の冷媒温度に応動するバイメタル式や形状記憶合金製の冷媒流量制御弁16を用いることができる。
かかる感温式の冷媒流量制御弁16は、図4に示すごとく軸線方向延在通路11の冷媒排出端に設けてもよいし、軸線方向延在通路11の途中や、冷媒入り口端に設けてもよいが、
いずれにしても、軸線方向延在通路11の冷媒温度が設定温度以上である間、軸線方向延在通路11の連通度を温度上昇につれ高くして最終的には最大連通度となし、
軸線方向延在通路11の冷媒温度が設定温度未満である間、軸線方向延在通路11の連通度を温度低下につれ低くして最終的には連通度0にするものとする。
かかる構成の本実施例においても、感温式冷媒流量制御弁16が、対応する軸線方向延在通路11を高冷媒温度域で最大連通度となし、低冷媒温度域で連通度0にすることから、
巻線コイル3のうち通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力を高くし、逆に、巻線コイル3のうち非通電状態で発熱量の少ない巻線コイルに対する冷却能力を低くすることとなり、
一部コイル通電時でも、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に温度差を生じることがないか、若しくは、少なくともこの温度差を小さくすることができ、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることがないか、または、少なくとも当該熱膨張の差を小さくすることができる。
よって、一部コイル通電状態と、全コイル通電状態との間で回転電機の動作態様を繰り返し切り替えても、上記熱膨張の差が繰り返し発生することがなく、これによる樹脂モールド4の耐久性低下や、回転電機の寿命低下に関する問題を回避することができる。
図5,6は、本発明の更に他の実施例になる冷却構造を具えた回転電機を示し、本実施例において回転電機は図5に示すごとく、巻線コイル3としてU相、V相、W相をそれぞれ構成する巻線コイルを1組とし、3組の巻線コイルを同一円周上に配置して具え、
第1組のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイル、第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイル、および、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルが、それぞれ円周方向等間隔となるよう配置する。
ハウジング1の周壁に、第1組のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルと同数の軸線方向延在通路11-1と、第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイルと同数の軸線方向延在通路11-2と、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルと同数の軸線方向延在通路11-3とを穿ち、
これら軸線方向延在通路11-1、11-2、11-3は、内部に冷媒を通流される冷媒通路として機能させる。
そして軸線方向延在通路(冷媒通路)11-1は、内部通流冷媒がU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに対して冷却能力を持つよう対応する巻線コイルに近接配置し、これとの間で内部通流冷媒が熱交換を行い得るものとし、
軸線方向延在通路(冷媒通路)11-2は、内部通流冷媒がU2相、V2相、W2相を成す巻線コイルに対して冷却能力を持つよう対応する巻線コイルに近接配置し、これとの間で内部通流冷媒が熱交換を行い得るものとし、
軸線方向延在通路(冷媒通路)11-3は、内部通流冷媒がU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルに対して冷却能力を持つよう対応する巻線コイルに近接配置し、これとの間で内部通流冷媒が熱交換を行い得るものとする。
図5に示すごとく、第1組のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに対する軸線方向延在通路11-1の冷媒入り口端同士をそれぞれ、共通な第1円周溝21内に開口させ、
第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイルに対する軸線方向延在通路11-2の冷媒入り口端同士をそれぞれ、別の共通な第2円周溝22内に開口させ、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルに対する軸線方向延在通路11-3の冷媒入り口端同士をそれぞれ、更に別の共通な第3円周溝23内に開口させる。
軸線方向延在通路11-1の冷媒入り口端同士を第1円周溝21内に開口させる要領を、図6に基づき以下に説明する。
本実施例においても前記した各実施例におけると同様に、ハウジング1の両端開口をそれぞれ端蓋5,6により塞ぎ、これら端蓋5,6とステータ2との間における軸線方向隙間内に、永久磁石が埋設されたロータ7,8を配置し、端蓋5に冷媒供給用の円環溝5aおよび冷媒供給ポート5bを設けて冷媒供給通路を構成し、端蓋6に冷媒排出用の円環溝6aおよび冷媒排出ポート6bを設けて冷媒排出通路を構成するが、
冷媒供給用円環溝5a内に、以下のごとくにして上記の第1円周溝21を画成する。
つまり、冷媒供給用円環溝5aの開口部を塞ぐよう配して端蓋5に円環状の基板24を設け、この基板24に、各軸線方向延在通路11-1の冷媒入り口端と通ずる透孔24aを穿設する。
これら透孔24aの配列ピッチ円よりも内周にあって第1円周溝21の内周壁を画成する小径内環25、および、透孔24aの配列ピッチ円よりも外周にあって第1円周溝21の外周壁を画成する大径外環26を設け、
これら小径内環25および大径外環26を、ハウジング1から遠い円環状基板24の側面に固設して第1円周溝21を画成し、該第1円周溝21を基板24に近い側において透孔24aを介し各軸線方向延在通路11-1の冷媒入り口端に通じさせ、第1円周溝21を基板24から遠い側において冷媒供給用円環溝5a内に開口させる。
そして、基板24から遠い第1円周溝21の開口部を開度制御する冷媒流量制御弁27を端蓋5に設け、これを、当該第1円周溝21の開口部に対し矢印で示す径方向へ摺接可能な板弁とする。
当該板弁型式の冷媒流量制御弁27に弁口27aを設け、冷媒流量制御弁27を第1円周溝21の開口部に沿って矢印方向へ摺接させることで、第1円周溝21の開口部に対する弁口27aの連通度合いを加減することにより、第1円周溝21と冷媒供給用円環溝5aとの間の連通開度、従って軸線方向延在通路11-1への冷媒流入量を制御するものとする。
なお図示しなかったが、図5における第2円周溝22および第3円周溝23も、図6につき上述した第1円周溝21と同様の要領で冷媒供給用円環溝5a内に画成し、この円環溝5aから第2円周溝22および第3円周溝23への冷媒流入量制御も、図6につき上述した第1円周溝21用の冷媒流量制御弁27と同様な個々の冷媒流量制御弁により実行するものとする。
上記した本実施例の冷却構造による回転電機の冷却作用を以下に説明する。
巻線コイル3の全てに通電して回転電機を出力が最大となるよう作動させている場合、冷媒流量制御弁27を図6に示すごとく、弁口27aが第1円周溝21に最大開度で通じた全開位置となし、第2円周溝22および第3円周溝23に係わる冷媒流量制御弁(図示せず)もそれぞれ全開位置にする。
かくて、円環溝5a内から全ての通電状態にある巻線コイル3に係わる軸線方向延在通路11-1、11-2、11-3への冷媒流量が最大となり、全ての通電状態にある巻線コイル3に対する(これとの熱交換による)冷却能力が最大となって、ステータ2を全体的に均一に、しかも確実に冷却することができる。
ところで回転電機の出力を低下させるべく、巻線コイル3の一部のみに通電し、他の巻線コイルを非通電状態にしておく回転電機の作動時は、以下のようにして回転電機を冷却する。
巻線コイル3のうち第1組のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルのみに通電し、第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイル、および、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルを非通電状態にしておく場合を例にとって説明すると、以下の通りである。
通電状態のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路(冷媒通路)11-1に対応した冷媒流量制御弁27を図6に示すごとく、弁口27aが第1円周溝21に最大開度で通じた全開位置となすが、
非通電状態の第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイル、および、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路(冷媒通路)11-2,11-3に対応した冷媒流量制御弁(図示せず)は、第2円周溝22および第3円周溝23と冷媒供給用円環溝5aとの間が遮断された全閉位置となす。
かくて、巻線コイル3のうち通電状態のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-1への冷媒流量は依然として最大に保たれ、当該通電状態にある巻線コイルに対する(これとの熱交換による)冷却能力は最大に保たれるが、
巻線コイル3のうち非通電状態にあって発熱量が少なくなったU2相、V2相、W2相を成す巻線コイル、および、U3相、V3相、W3相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-2、11-3への冷媒流量は0にされ、当該非通電状態にある巻線コイルに対する(これとの熱交換による)冷却能力は最低にされる。
よって、巻線コイル3のうち通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力が高くされ、逆に、巻線コイル3のうち非通電状態で発熱量の少ない巻線コイルに対する冷却能力が低くされるため、つまり、通電状態の巻線コイルに対する冷却能力を、非通電状態の巻線コイルに対する冷却能力よりも大きくするため、
一部コイル通電時でも、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に温度差を生じることがないか、若しくは、図13につき前述したごとく少なくともこの温度差を小さくすることができ、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることがないか、または、少なくとも当該熱膨張の差を小さくすることができる。
以上により、一部コイル通電状態と、全コイル通電状態との間で回転電機の動作態様を繰り返し切り替えても、上記熱膨張の差が繰り返し発生することがなく、これによる樹脂モールド4の耐久性低下や、回転電機の寿命低下に関する問題を回避することができる。
なお図5,6では、巻線コイル3のうちU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-1の冷媒入り口端同士、U2相、V2相、W2相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-2の冷媒入り口端同士、および、U3相、V3相、W3相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-3の冷媒入り口端同士を個別の円周溝11-1,11-2,11-3内に開口させ、これら個別の円周溝11-1,11-2,11-3と冷媒供給通路5aとの間の連通開度を個々に加減するよう構成したが、この代わりに、
巻線コイル3のうちU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-1の冷媒出口端同士、U2相、V2相、W2相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-2の冷媒出口端同士、および、U3相、V3相、W3相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-3の冷媒出口端同士を個別の円周溝内に開口させ、これら個別の円周溝と冷媒排出通路6aとの間の連通開度を個々に加減するようにしても同様の作用効果を奏し得るのは言うまでもない。
図7〜9は、本発明の更に別の実施例になる冷却構造を具えた回転電機を示し、本実施例においても回転電機は図7に示すごとく、円筒形ハウジング1の内周に、前記各実施例におけると同様なステータ2を嵌着して具え、該ステータ2は、同一円周上に等間隔に配列した複数組の巻線コイル3を樹脂モールド4により一体化して構成したもので、
巻線コイル3のうち、全ての組の巻線コイルに通電することにより回転電機の出力を最大にすることができ、巻線コイル3のうち、選択された組の巻線コイルのみに通電することにより出力を低下させることができるものとする。
なお、巻線コイル3としては図5につき先述したと同じく、U相、V相、W相をそれぞれ構成する巻線コイルを1組とし、3組の巻線コイルを同一円周上に配置して具え、
第1組のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイル、第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイル、および、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルが、それぞれ円周方向等間隔となるよう配置する。
上記回転電機の冷却構造は以下のごときものとする。
ハウジング1の周壁に、巻線コイル3と同数の軸線方向延在通路11を穿ち、これら軸線方向延在通路11は内部に冷媒を通流される冷媒通路として機能させる。
そして軸線方向延在通路11は、内部通流冷媒が各巻線コイル3に対して冷却能力を持つよう対応する巻線コイル3に近接配置し、これとの間で内部通流冷媒が熱交換を行い得るものとする。
軸線方向延在通路11内に冷媒を供給すせるために図8に示すごとく、軸線方向延在通路11の冷媒入り口端に近いハウジング1の開口端を塞ぐよう設けた端蓋5に、ハウジング1の端面と接する端蓋5の面へ開口させて冷媒供給用の円環溝5aを形成し、該円環溝5aの底部に通ずる冷媒供給ポート5bを端蓋5に設け、これら円環溝5aおよびポート5bで冷媒供給通路を構成する。
なお冷媒供給用の円環溝5aは、全ての軸線方向延在通路11の冷媒入り口端と通ずるような大きさおよび配置にすること勿論である。
そして図示しなかったが、軸線方向延在通路11の冷媒出口端は、図2につき前述した端蓋6の冷媒排出用円環溝6aおよび冷媒排出ポート6bより成る冷媒供給通路と同様な冷媒供給通路に通じさせる。
各軸線方向延在通路11の冷媒入り口端を同一円周上に配置し、これら同一円周上における冷媒入り口端を開度制御する共通な冷媒流量制御弁31を、図8に示すごとく冷媒供給用の円環溝5a内に設ける。
冷媒流量制御弁31は、軸線方向延在通路11の冷媒入り口端に係わる配列ピッチ円に同心に配置すると共に、この同心状態を保ってハウジング1および端蓋5に対し相対回転可能に設けた環状弁板とする。
かかる環状弁板型式の冷媒流量制御弁31に多数の弁口31aを穿設し、これら弁口31aは、冷媒流量制御弁(環状弁板)31の図9(a)に示す特定回転位置で軸線方向延在通路11の冷媒入り口端の全てを冷媒供給通路5a,5bに通じさせる弁口と、冷媒流量制御弁(環状弁板)31の図9(b)に示す他の回転位置で通電状態の巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11(図示例ではU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-1)の冷媒入り口端のみを冷媒供給通路5a,5bに通じさせる弁口とで構成する。
なお図9(b)では便宜上、弁口3aのうちいずれの軸線方向延在通路11とも通じていない弁口にハッチングを付して示し、通電状態のU1相、V1相、W1相用の巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-1)と通じている弁口を白抜きして示した。
冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転位置を制御可能にするため、該冷媒流量制御弁(環状弁板)31の外周に図8に示すごとく歯車32を形成し、この歯車32をシール部材33によるオイル封止下でハウジング1および端蓋5の外周に露出させる。
そして、当該露出した歯車32に、モータ34を可とするアクチュエータの出力軸に設けたピニオン35を噛合させ、このモータ34によりピニオン35および歯車32を介して冷媒流量制御弁(環状弁板)31を目標とする回転位置へ駆動し得るようになす。
上記した本実施例の冷却構造による回転電機の冷却作用を以下に説明する。
巻線コイル3の全てに通電して回転電機を出力が最大となるよう作動させている場合、モータ34によりピニオン35および歯車32を介して冷媒流量制御弁(環状弁板)31を図9(a)の回転位置へ駆動し、弁口31aのうち、全ての巻線コイルに係わる軸線方向延在通路(冷媒通路)11を冷媒供給通路5a,5bに通じさせる弁口が軸線方向延在通路(冷媒通路)11と整列し、全ての軸線方向延在通路(冷媒通路)11を冷媒供給通路5a,5bに連通させる。
これにより、全ての通電状態にある巻線コイル3に係わる軸線方向延在通路11への冷媒流量が最大となり、全ての通電状態にある巻線コイル3に対する(これとの熱交換による)冷却能力が最大となって、ステータ2を全体的に均一に、しかも確実に冷却することができる。
ところで回転電機の出力を低下させるべく、巻線コイル3の一部のみに通電し、他の巻線コイルを非通電状態にしておく回転電機の作動時は、以下のようにして回転電機を冷却する。
巻線コイル3のうち第1組のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルのみに通電し、第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイル、および、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルを非通電状態にしておく場合を例にとって説明すると、以下の通りである。
この場合はモータ34によりピニオン35および歯車32を介して冷媒流量制御弁(環状弁板)31を図9(b)の回転位置へ駆動し、弁口31aのうち、通電状態のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路(冷媒通路)11-1のみを冷媒供給通路5a,5bに通じさせる弁口が当該軸線方向延在通路(冷媒通路)11-1に整列し、他の弁口は全て図9(b)にハッチングを付して示すごとく何れの軸線方向延在通路(冷媒通路)11とも整列しないようになす。
かくて、巻線コイル3のうち通電状態のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-1への冷媒流量は依然として最大に保たれ、当該通電状態にある巻線コイルに対する(これとの熱交換による)冷却能力は最大に保たれるが、
巻線コイル3のうち非通電状態にあって発熱量が少なくなった他の巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11への冷媒流量は0にされ、当該非通電状態にある巻線コイルに対する(これとの熱交換による)冷却能力は最低にされる。
よって、巻線コイル3のうち通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力が高くされ、逆に、巻線コイル3のうち非通電状態で発熱量の少ない巻線コイルに対する冷却能力が低くされるため、つまり、通電状態の巻線コイルに対する冷却能力を、非通電状態の巻線コイルに対する冷却能力よりも大きくするため、
一部コイル通電時でも、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に温度差を生じることがないか、若しくは、図13につき前述したごとく少なくともこの温度差を小さくすることができ、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることがないか、または、少なくとも当該熱膨張の差を小さくすることができる。
以上により、一部コイル通電状態と、全コイル通電状態との間で回転電機の動作態様を繰り返し切り替えても、上記熱膨張の差が繰り返し発生することがなく、これによる樹脂モールド4の耐久性低下や、回転電機の寿命低下に関する問題を回避することができる。
なお本実施例のように、冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転位置制御に際し、これをモータ34などのアクチュエータにより遂行する場合は、冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転位置制御を能動的に行うことができることから、以下のような制御態様とするのが有利である。
つまり、巻線コイル3のうち回転電機の急加速に起因して非通電状態から通電状態にされる巻線コイルがある場合、これに係わる軸線方向延在通路11を、冷媒流量制御弁(環状弁板)31の例えば図9(b)から同図(a)への回転により開度増大させるに際しては、当該冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転による軸線方向延在通路11の開度増大をモータ34などのアクチュエータにより、上記の急加速に先立って行わせるのがよい。
かかる冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転による軸線方向延在通路11の開度増大制御によれば、急加速に起因して非通電状態から通電状態にされる巻線コイルが発熱量を増大するのに先立ってその冷却能力を増大させておくことができ、急加速時においても前記熱膨張差の問題解決を確実に実現することができる。
また、巻線コイル3のうち回転電機の高負荷運転の終了に起因して通電状態から非通電状態にされる巻線コイルがある場合、これに係わる軸線方向延在通路11を、冷媒流量制御弁(環状弁板)31の例えば図9(a)から同図(b)への回転により開度低下させるに際しては、当該冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転による軸線方向延在通路11の開度低下をモータ34などのアクチュエータにより、上記高負荷運転の終了よりも遅れて行わせるのがよい。
かかる冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転による軸線方向延在通路11の開度低下制御によれば、高負荷運転の終了に起因して通電状態から非通電状態にされる巻線コイルが冷却され終えた後にその冷却能力の低下が実行されることとなり、高負荷運転の終了直後においても前記熱膨張差の問題解決を確実に実現することができる。
なお冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転に用いるアクチュエータとしては、本実施例におけるモータ34の代わりに、電磁力により冷媒流量制御弁(環状弁板)31を回転させるようなものを用いることもできる。
この場合、電磁式アクチュエータと、冷媒流量制御弁(環状弁板)31との間を電磁的に結合し得て、図8におけるようなギヤ組32,35が不要にである。
ところで冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転に際しては、上記のようにアクチュエータにより当該回転を遂行するのが、確実で、制御し易いことから有利であるが、この代わりに冷媒流量制御弁(環状弁板)31の回転を図10(a)および(b)に示すような構造により行うようにしてもよい。
つまり、巻線コイル3のうち、通電状態と非通電状態との間で切り替えられる巻線コイルの温度と、その両側にあって常時通電状態の巻線コイルの温度との間における温度差に応じた電力を発生する熱電素子36を設け、これら熱電素子36により、上記の温度差があるときは冷媒流量制御弁(環状弁板)31を図10(b)の位置に回転させ、上記の温度差がないときは冷媒流量制御弁(環状弁板)31を図10(a)の位置に回転させるように構成することができる。
かかる本実施例による回転電機の冷却作用を以下に説明する。
巻線コイル3の全てに通電して回転電機を出力が最大となるよう作動させている場合、全ての巻線コイル3の温度がほぼ同じであるため、熱電素子36は冷媒流量制御弁(環状弁板)31を図10(a)の回転位置へ駆動し、弁口31aのうち、全ての巻線コイルに係わる軸線方向延在通路(冷媒通路)11を冷媒供給通路5a,5b(図8参照)に通じさせる弁口が軸線方向延在通路(冷媒通路)11と整列し、全ての軸線方向延在通路(冷媒通路)11を冷媒供給通路5a,5bに連通させる。
これにより、全ての通電状態にある巻線コイル3に係わる軸線方向延在通路11への冷媒流量が最大となり、全ての通電状態にある巻線コイル3に対する(これとの熱交換による)冷却能力が最大となって、ステータ2を全体的に均一に、しかも確実に冷却することができる。
ところで回転電機の出力を低下させるべく、巻線コイル3の一部のみに通電し、他の巻線コイルを非通電状態にしておく回転電機の作動時は、以下のようにして回転電機を冷却する。
巻線コイル3のうち第1組のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルのみに通電し、第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイル、および、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルを非通電状態にしておく場合を例にとって説明すると、以下の通りである。
この場合は、通電状態にある巻線コイルの温度が高く、非通電状態にある巻線コイルの温度が低くて両者間に温度差があるため、熱電素子36はこの温度差に応動して冷媒流量制御弁(環状弁板)31を図10(b)の回転位置へ駆動し、弁口31aのうち、通電状態のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路(冷媒通路)11-1のみを冷媒供給通路5a,5bに通じさせる弁口が当該軸線方向延在通路(冷媒通路)11-1に整列し、他の弁口は全て図10(b)にハッチングを付して示すごとく何れの軸線方向延在通路(冷媒通路)11とも整列しないようになる。
かくて、巻線コイル3のうち通電状態のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11-1への冷媒流量は依然として最大に保たれ、当該通電状態にある巻線コイルに対する(これとの熱交換による)冷却能力は最大に保たれるが、
巻線コイル3のうち非通電状態にあって発熱量が少なくなった他の巻線コイルに係わる軸線方向延在通路11への冷媒流量は0にされ、当該非通電状態にある巻線コイルに対する(これとの熱交換による)冷却能力は最低にされる。
よって、巻線コイル3のうち通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力が高くされ、逆に、巻線コイル3のうち非通電状態で発熱量の少ない巻線コイルに対する冷却能力が低くされるため、つまり、通電状態の巻線コイルに対する冷却能力を、非通電状態の巻線コイルに対する冷却能力よりも大きくするため、
一部コイル通電時でも、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に温度差を生じることがないか、若しくは、図13につき前述したごとく少なくともこの温度差を小さくすることができ、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることがないか、または、少なくとも当該熱膨張の差を小さくすることができる。
なお図7〜9の実施例や、図10の実施例では、各軸線方向延在通路11の冷媒入り口端を共通な冷媒流量制御弁(環状弁板)31により開度制御するよう構成したが、この代わりに、
各軸線方向延在通路11の冷媒出口端を、冷媒流量制御弁(環状弁板)31と同様な弁により開度制御するよう構成しても同様の作用効果を奏し得ることは言うまでもない。
図11および図12は、本発明の更に他の実施例になる冷却構造を具えた回転電機を示し、本実施例においても、回転電機自身は前記各実施例におけると同様なものとし、対応部分を同一符号で示したが、その冷却構造を以下のごときものとする。
つまり、前記各実施例では冷媒通路を巻線コイル3ごとの軸線方向延在通路11としたが、本実施例では全ての巻線コイル3に共通な1個の円周方向延在通路41で冷媒通路を構成する。
この円周方向延在通路41は、全ての巻線コイル3に対し共通に冷却能力を持つよう熱交換関係に配してハウジング1の周壁全周に亘り設定する。
円周方向延在通路41内には、任意の巻線コイル3間において円周方向延在通路41を遮断する仕切りブロック42を設け、ハウジング1の円周方向において該仕切りブロック42の両側に、円周方向延在通路41内へ至る冷媒供給ポート43および冷媒排出ポート44をそれぞれ設ける。
これにより冷媒が矢印で示すごとく、冷媒供給ポート43から供給されて円周方向延在通路41に通流した後、冷媒排出ポート44から排除されるようになす。
冷媒は円周方向延在通路41に通流している間に、全ての巻線コイル3との熱交換によって、これら巻線コイル3に対し共通に冷却能力を発揮する。
ところで本実施例においては、巻線コイル3のうち、回転電機の出力を低下させるに際し通電状態から非通電状態に切り替える巻線コイル(図示ではU3相、V3相、W3相を成す巻線コイル)の径方向外側に位置する円周方向延在通路41内の箇所に、冷媒流制御手段としての絞り弁体45u,45v,45wを設ける。
これら絞り弁体45u,45v,45wはそれぞれ、上記の箇所において円周方向延在通路41内に進退可能となるようハウジング1に摺動自在に嵌合し、円周方向延在通路41内への進退制御を個々のアクチュエータ45u,45v,45wにより司るようになす。
アクチュエータ45u,45v,45wは、リニヤソレノイドなど電磁式のものや、その他任意のものを用いることができる。
アクチュエータ45u,45v,45wが絞り弁体45u,45v,45wを図11に示す後退位置にするとき、ここにおける円周方向延在通路41の冷媒流路断面積が最大にされ、多量の冷媒流によってU3相、V3相、W3相用巻線コイルの冷却能力を最大にすることができる。
アクチュエータ45u,45v,45wが絞り弁体45u,45v,45wを図12に示す進出位置にするとき、ここにおける円周方向延在通路41の冷媒流路断面積が最小にされ、少量の冷媒流によりU3相、V3相、W3相用巻線コイルの冷却能力を最低にすることができる。
なお、絞り弁体45u,45v,45wを図12に示す進出位置にしてここでの冷媒流を絞る時も、ハウジング1の軸線方向における絞り弁体45u,45v,45wの両端でのバイパス流量により絞り弁体45u,45v,45wの前後間流量が保証されるようにし、これにより絞り弁体45u,45v,45wの進出時も円周方向延在通路41の全体的な冷媒流量が不変に保たれて、他の巻線コイル3に対する冷却能力に影響が及ぶことのないようにする。
上記した本実施例の冷却構造による回転電機の冷却作用を以下に説明する。
巻線コイル3の全てに通電して回転電機を出力が最大となるよう作動させている場合、アクチュエータ46u,46v,46wにより絞り弁体45u,45v,45wを図11に示す後退位置となし、ここにおける円周方向延在通路41の冷媒流路断面積を最大にして、多量の冷媒流をここに通過させる。
これにより、U3相、V3相、W3相用巻線コイルの冷却能力が、他の全ての巻線コイル3と同じく最大にされ、全ての通電状態にある巻線コイル3に対する(これとの熱交換による)冷却能力が最大となって、ステータ2を全体的に均一に、しかも確実に冷却することができる。
ところで回転電機の出力を低下させるべく、巻線コイル3の一部のみに通電し、他の巻線コイルを非通電状態にしておく回転電機の作動時は、以下のようにして回転電機を冷却する。
巻線コイル3のうち第1組のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルおよび第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイルのみに通電し、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルを非通電状態にしておく場合を例にとって説明すると、以下の通りである。
この場合はアクチュエータ46u,46v,46wにより絞り弁体45u,45v,45wを図12に示す進出位置となし、ここにおける円周方向延在通路41の冷媒流路断面積を最小にして、非通電状態にあるU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルとの熱交換により当該巻線コイルを冷却する冷媒流を最小にすべく絞る。
これにより、U3相、V3相、W3相用巻線コイルに対する冷却能力が低下され、冷媒流路断面積(冷媒流量)を不変に保たれている他の巻線コイル3の冷却能力よりも低くされる。
よって、巻線コイル3のうち通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力が高くされ、逆に、巻線コイル3のうち非通電状態で発熱量の少ないU3相、V3相、W3相用巻線コイルに対する冷却能力が低くされるため、
一部コイル通電時でも、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に温度差を生じることがないか、若しくは、図13につき前述したごとく少なくともこの温度差を小さくすることができ、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることがないか、または、少なくとも当該熱膨張の差を小さくすることができる。
以上により、一部コイル通電状態と、全コイル通電状態との間で回転電機の動作態様を繰り返し切り替えても、上記熱膨張の差が繰り返し発生することがなく、これによる樹脂モールド4の耐久性低下や、回転電機の寿命低下に関する問題を回避することができる。
なお本実施例のように、絞り弁体45u,45v,45wの進退制御に際し、これをリニヤモータなどのアクチュエータ46u,46v,46wにより遂行する場合は、絞り弁体45u,45v,45wの進退制御を能動的に行うことができることから、以下のような制御態様とするのが有利である。
つまり、巻線コイル3のうちU3相、V3相、W3相用の巻線コイルを、回転電機の急加速に起因して非通電状態から通電状態したことで、これらに係わる絞り弁体45u,45v,45wをアクチュエータ46u,46v,46wにより図12の進出位置から図11の後退位置にするに際しては、当該アクチュエータ46u,46v,46wによる絞り弁体45u,45v,45wの後退を上記の急加速に先立って行わせるのがよい。
かかる絞り弁体45u,45v,45wの先読み後退によれば、急加速に起因して非通電状態から通電状態にされるU3相、V3相、W3相用の巻線コイルが発熱量を増大するのに先立ってその冷却能力を増大させておくことができ、急加速時においても前記熱膨張差の問題解決を確実に実現することができる。
また、巻線コイル3のうちU3相、V3相、W3相用の巻線コイルを、回転電機の高負荷運転の終了に起因して通電状態から非通電状態したことで、これらに係わる絞り弁体45u,45v,45wをアクチュエータ46u,46v,46wにより図11の後退位置から図11の進出位置にするに際しては、当該アクチュエータ46u,46v,46wによる絞り弁体45u,45v,45wの進出を、上記高負荷運転の終了よりも遅れて行わせるのがよい。
かかる絞り弁体45u,45v,45wの遅延進出によれば、高負荷運転の終了に起因して通電状態から非通電状態にされるU3相、V3相、W3相用の巻線コイルが冷却され終えた後にその冷却能力の低下が実行されることとなり、高負荷運転の終了直後においても前記熱膨張差の問題解決を確実に実現することができる。
なお絞り弁体45u,45v,45wの進退制御を、リニヤソレノイドなど電磁式のアクチュエータ45u,45v,45wにより遂行するに当たっては、これらアクチュエータ45u,45v,45w をU3相、V3相、W3相用の巻線コイルへの電流に応動させるようにすることができる。
この場合、絞り弁体45u,45v,45wをバネなどの弾性手段(図示せず)によりハウジング1の径方向内方へ附勢して図12の進出位置に弾支し、U3相、V3相、W3相用の巻線コイルが通電されない間はアクチュエータ45u,45v,45wのOFFにより絞り弁体45u,45v,45wが図12の進出位置にされるようにし、U3相、V3相、W3相用の巻線コイルが通電される間はアクチュエータ45u,45v,45wのONにより絞り弁体45u,45v,45wが図11の後退位置にされるようにすることで前記した作用効果を達成することができる。
ところで絞り弁体45u,45v,45wの進退に際しては、上記のようにアクチュエータ45u,45v,45wで当該進退を行わせるのが、確実で、制御し易いことから有利であるが、この代わりに絞り弁体45u,45v,45wの進退を、図11および図12に波線で示すような構造により行うようにしてもよい。
つまり、巻線コイル3のうち、通電状態と非通電状態との間で切り替えられるU3相、V3相、W3相用の巻線コイルの温度と、その両側にあって常時通電状態の巻線コイルの温度との間における温度差に応じた電力を発生する熱電素子47を設け、これら熱電素子47により、上記の温度差があるときは絞り弁体45u,45v,45wを図12の進出位置となし、上記の温度差がないときは絞り弁体45u,45v,45wを図11の後退位置となすよう構成する。
かかる本実施例による回転電機の冷却作用を以下に説明する。
巻線コイル3の全てに通電して回転電機を出力が最大となるよう作動させている場合、全ての巻線コイル3の温度がほぼ同じであるため、熱電素子47は絞り弁体45u,45v,45wを図11の後退位置となし、ここにおける円周方向延在通路41の冷媒流路断面積を最大にして、多量の冷媒流をここに通過させる。
これにより、U3相、V3相、W3相用巻線コイルの冷却能力が、他の全ての巻線コイル3と同じく最大にされ、全ての通電状態にある巻線コイル3に対する(これとの熱交換による)冷却能力が最大となって、ステータ2を全体的に均一に、しかも確実に冷却することができる。
ところで回転電機の出力を低下させるべく、巻線コイル3のうち第1組のU1相、V1相、W1相を成す巻線コイルおよび第2組のU2相、V2相、W2相を成す巻線コイルのみに通電し、第3組のU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルを非通電状態にしておく回転電機の作動時は、以下のようにして回転電機を冷却する。
この場合は、通電状態にあって発熱量の多いU1相、V1相、W1相の巻線コイルおよびU2相、V2相、W2相の巻線コイルが、非通電状態にあって発熱量の少ないU3相、V3相、W3相の巻線コイルよりも高温となり、両者間の温度差に応動して熱電素子47が絞り弁体45u,45v,45wを図12の進出位置となし、ここにおける円周方向延在通路41の冷媒流路断面積を最小にして、非通電状態にあるU3相、V3相、W3相を成す巻線コイルとの熱交換により当該巻線コイルを冷却する冷媒流を最小にすべく絞る。
これにより、U3相、V3相、W3相用巻線コイルに対する冷却能力が低下され、冷媒流路断面積(冷媒流量)を不変に保たれている他の巻線コイル3の冷却能力よりも低くされる。
よって、巻線コイル3のうち通電状態で発熱量の多い巻線コイルに対する冷却能力が高くされ、逆に、巻線コイル3のうち非通電状態で発熱量の少ないU3相、V3相、W3相用巻線コイルに対する冷却能力が低くされるため、
一部コイル通電時でも、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に温度差を生じることがないか、若しくは、図13につき前述したごとく少なくともこの温度差を小さくすることができ、樹脂モールド4の通電コイル周辺部と非通電コイル周辺部との間に熱膨張の差を生ずることがないか、または、少なくとも当該熱膨張の差を小さくすることができる。
以上により、一部コイル通電状態と、全コイル通電状態との間で回転電機の動作態様を繰り返し切り替えても、上記熱膨張の差が繰り返し発生することがなく、これによる樹脂モールド4の耐久性低下や、回転電機の寿命低下に関する問題を回避することができる。
本発明の一実施例になる冷却構造を具えた回転電機の分解斜視図である。 図1に示す回転電機の要部縦断側面図である。 本発明の他の実施例になる冷却構造を具えた回転電機を示す、図2と同様な要部縦断側面図である。 本発明の更に他の実施例になる冷却構造を具えた回転電機を示す、図2と同様な要部縦断側面図である。 本発明の更に別の実施例になる冷却構造を具えた回転電機を、冷媒入り口側から軸線方向に見て示す正面図である。 図5の回転電機を冷却構造部分で断面として示す、図2と同様な要部縦断側面図である。 本発明の更に他の実施例になる冷却構造を具えた回転電機の分解斜視図である。 図7の回転電機を冷却構造部分で断面として示す要部縦断側面図である。 図7に示す回転電機における冷却構造の作用説明図で、 (a)は、全コイル通電時の冷却作用説明図、 (b)は、一部コイル通電時の冷却作用説明図である。 本発明の更に別の実施例になる冷却構造の作用説明図で、 (a)は、全コイル通電時の冷却作用説明図、 (b)は、一部コイル通電時の冷却作用説明図である。 本発明の更に他の実施例になる冷却構造を具えた回転電機を冷却構造部分で横断とし、軸線方向に見て示す横断正面図である。 図11の実施例になる冷却構造を具えた回転電機を、一部コイル通電時の状態で示す、図11と同様な横断正面図である。 通電コイルと、非通電コイルとの間における温度差の時系列変化を、従来の冷却構造による場合と、本発明の冷却構造による場合とで比較して示すもので、 (a)は、従来の冷却構造を用いた場合における上記温度差の時系列変化を示すタイムチャート、 (b)は、本発明の冷却構造を用いた場合における上記温度差の時系列変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 ハウジング
2 ステータ
3 巻線コイル
4 樹脂モールド
5 端蓋
5a 冷媒供給用円環溝(冷媒供給通路)
5b 冷媒供給ポート(冷媒供給通路)
6 端蓋
6a 冷媒排出用円環溝(冷媒排出通路)
6b 冷媒排出ポート(冷媒排出通路)
11 軸線方向延在通路(冷媒通路)
12 冷媒流量制御弁(冷媒流制御手段)
13 アクチュエータ
14 弾性材
15 電磁石
16 感温弁
11-1 軸線方向延在通路(冷媒通路)
11-2 軸線方向延在通路(冷媒通路)
11-3 軸線方向延在通路(冷媒通路)
21 第1円周溝
22 第2円周溝
23 第3円周溝
24 基板
25 小径内環
26 大径外環
27 冷媒流量制御弁
31 冷媒流量制御弁
31a 弁口
32 歯車
34 モータ(アクチュエータ)
35 ピニオン
36 熱電素子
41 円周方向延在通路(冷媒通路)
42 仕切りブロック
43 冷媒入り口ポート
44 冷媒出口ポート
45u,45v,45w 絞り弁体(冷媒流制御手段)
46u,46v,46w アクチュエータ
47 熱電素子

Claims (23)

  1. 複数組の巻線コイルを具え、全ての組の巻線コイルに通電するか、選択された組の巻線コイルのみに通電するかにより、出力を変更可能な回転電機において、
    各組の巻線コイルに対する冷却能力を個々に調整可能な冷却能力調整手段を設け、
    該冷却能力調整手段により、前記選択された組の通電巻線コイルに対する冷却能力を、非通電巻線コイルに対する冷却能力よりも大きくするよう構成したことを特徴とする回転電機の冷却構造。
  2. 請求項1に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記冷却能力調整手段は、各組の巻線コイルに対して冷却能力を持つよう熱交換関係に配して設けた冷媒通路と、
    該通路内の冷媒流を制御して該冷媒流および各組の巻線コイル間における熱交換量を個々に調整する冷媒流制御手段とより成るものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  3. 請求項2に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記冷媒通路を、各組の巻線コイルに対して個々に冷却能力を持つよう熱交換関係に配して設けた軸線方向延在通路とし、
    これら各軸線方向延在通路のうち、少なくとも非通電巻線コイルに対する軸線方向延在通路の冷媒流量を個々に制限すべく設けられた冷媒流量制御弁により前記冷媒流制御手段を構成したことを特徴とする回転電機の冷却構造。
  4. 請求項3に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記冷媒流量制御弁は、アクチュエータにより開度制御される流量制御弁であることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  5. 請求項4に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記アクチュエータにより開度制御される冷媒流量制御弁は、対応する巻線コイルが急加速に起因して非通電状態から通電状態にされる時、該急加速に先立って開度増大されるものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  6. 請求項4または5に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記アクチュエータにより開度制御される冷媒流量制御弁は、対応する巻線コイルが高負荷運転の終了に起因して通電状態から非通電状態にされる時、該高負荷運転の終了よりも遅れて開度低下されるものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  7. 請求項3に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記冷媒流量制御弁は、対応する巻線コイルへの電流に応動して開度増大し、該巻線コイルの非通電時に開度低下される流量制御弁であることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  8. 請求項3に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記冷媒流量制御弁は、対応する前記軸線方向延在通路の冷媒温度に応動し、該冷媒温度の低下応じて開度低下される流量制御弁であることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  9. 請求項3に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記組を成す巻線コイルに対する軸線方向延在通路の冷媒入り口端同士または冷媒出口端同士を個別の円周溝内に開口させ、
    前記冷媒流量制御弁は、該個別の円周溝と、冷媒供給通路または冷媒排出通路との間の連通開度を加減するものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  10. 請求項3に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記全ての軸線方向延在通路の冷媒入り口端または冷媒出口端を同一円周上に配置し、
    該同一円周上における冷媒入り口端または冷媒出口端と、これらに同軸に対設した共通な弁板とで前記冷媒流量制御弁を構成し、
    前記弁板の特定回転位置で、前記同一円周上における冷媒入り口端または冷媒出口端の全てを冷媒供給通路または冷媒排出通路に通じさせる弁口を該弁板に設け、前記弁板の他の回転位置で通電巻線コイルに係わる軸線方向延在通路の冷媒入り口端または冷媒出口端のみを冷媒供給通路または冷媒排出通路に通じさせる弁口を設けたことを特徴とする回転電機の冷却構造。
  11. 請求項10に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記弁板の回転位置制御をアクチュエータにより行うよう構成したことを特徴とする回転電機の冷却構造。
  12. 請求項11に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記アクチュエータによる弁板の回転位置制御は、急加速に起因して非通電状態から通電状態にされる巻線コイルに対応した軸線方向延在通路の冷媒入り口端または冷媒出口端を冷媒供給通路または冷媒排出通路に通じさせる位置への弁板の回転を、該急加速に先立って行わせるものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  13. 請求項11または12に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記アクチュエータによる弁板の回転位置制御は、高負荷運転の終了に起因して通電状態から非通電状態にされる巻線コイルに対応した軸線方向延在通路の冷媒入り口端または冷媒出口端を冷媒供給通路または冷媒排出通路から遮断させる位置への弁板の回転を、該高負荷運転の終了よりも遅れて行わせるものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記弁板の回転位置制御を行うアクチュエータが、モータと、該モータからの回転を弁板に伝えるギヤ組とにより構成したものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  15. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記弁板の回転位置制御を行うアクチュエータが、電磁力により弁板を回転させるものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  16. 請求項10に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記弁板の回転位置制御は、通電巻線コイルの温度と、非通電巻線コイルの温度との間における温度差に応動するものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  17. 請求項2に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記冷媒通路を、各組の巻線コイルに対して共通に冷却能力を持つよう熱交換関係に配して設けた共通な円周方向延在通路とし、
    該円周方向延在通路内のうち、少なくとも非通電巻線コイルに近い箇所に設けられ、該非通電巻線コイルと通流冷媒との間の熱交換量が低下されるよう冷媒流を絞るための絞り弁体により前記冷媒流制御手段を構成したことを特徴とする回転電機の冷却構造。
  18. 請求項17に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記絞り弁体の位置制御をアクチュエータにより行うよう構成したことを特徴とする回転電機の冷却構造。
  19. 請求項18に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記アクチュエータによる絞り弁体の位置制御は、急加速に起因して非通電状態から通電状態にされる巻線コイルに近い前記円周方向延在通路内の箇所を絞り状態から非絞り状態にする絞り弁体の位置変更を、該急加速に先立って行わせるものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  20. 請求項18または19に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記アクチュエータによる絞り弁体の位置制御は、高負荷運転の終了に起因して通電状態から非通電状態にされる巻線コイルに近い前記円周方向延在通路内の箇所を非絞り状態から絞り状態にする絞り弁体の位置変更を、該高負荷運転の終了よりも遅れて行わせるものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  21. 請求項18〜20のいずれか1項に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記絞り弁体の位置制御を行うアクチュエータが、電磁力により絞り弁体をストロークさせるものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  22. 請求項21に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記絞り弁体の位置制御を行うアクチュエータが、対応する巻線コイルへの電流に応動して絞り弁体をストロークさせるものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
  23. 請求項10に記載の回転電機の冷却構造において、
    前記絞り弁体の位置制御は、対応する巻線コイル温度と、通電巻線コイルの温度との間における温度差に応じて行うものであることを特徴とする回転電機の冷却構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109698584A (zh) * 2017-10-23 2019-04-30 蔚来汽车有限公司 冷却组件和电机
JP2019115206A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 本田技研工業株式会社 回転電機のステータ
WO2022054713A1 (ja) * 2020-09-08 2022-03-17 株式会社荏原製作所 電磁石装置、電磁石装置の駆動方法、及び電磁石制御システム

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