JP2009069682A - 画像形成装置および測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】像保持体における保護層の状態をより適切に把握可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】照射ユニットにより反射光強度の測定が行われる(ステップ101)。次いで、ピーク有無判断部は、反射光強度にピークが存在するか否かを判断する(ステップ102)。その後、膜厚算出部は、OC層の膜厚を算出する(ステップ103)。次いで、判断部は、ステップ103にて算出されたOC層の膜厚が、所定の閾値よりも小さいか否かを判断する(ステップ104)。判断部は、膜厚が所定の閾値よりも小さいと判断した場合には、制御部に対して、膜厚が所定の閾値よりも小さい旨の判断結果を出力する(ステップ105)。そして、制御部は、外部表示部に画像形成ユニットの交換を要求する旨を表示し(ステップ106)、画像形成装置における各部(各装置)の動作を停止させる(ステップ107)。
【選択図】図5

Description

本発明は、プリンタやファクシミリなどの画像形成装置、および像保持体の状態を把握可能な測定装置に関する。
感光体ドラムなどの被帯電体が使用限界に達したにも拘わらず使用されることによる帯電不良等を防止するため、被帯電体に接触する電極部材に印加する電圧と、電極部材に流れる電流とにより被帯電体の厚みを検知する手段を有する厚み検知装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、感光体の膜厚を精度よく求めるため、帯電部材から感光体に流れる電流を時間積算し帯電電荷量を求める電荷量検出部と、帯電電荷量から前記感光体の膜厚を算出する制御部と、を有する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、薄い下引層の膜厚を精度よく測定可能とするため、反射光の干渉特性を複数の干渉波形パターンのいずれかであるかを識別しかつ干渉次数の同定を行う干渉波形識別手段を備えた膜厚測定装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平5−223513号公報 特開2006−309144号公報 特開平11−184104号公報
ここで、感光体ドラムなどの像保持体に設けられた保護層の摩耗が進行し保護層の状態が変化すると画像の品位を維持することができなくなるおそれがある。また、保護層が良好な状態にあるにも関わらず像保持体の交換要求などをユーザ等に発すると資源的な無駄を招来してしまう。
本発明は、像保持体における保護層の状態をより適切に把握可能な画像形成装置等を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、表面に保護層を備え、回転可能に設けられた像保持体と、前記像保持体の回転数に応じ所定のタイミングで当該像保持体に光を照射し当該像保持体からの反射光の強度を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された複数の前記強度から当該強度のピーク又は/及びボトムを検出する検出手段と、を含む画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記検出手段により検出されたピーク又は/及びボトムに基づき、前記保護層の膜厚を把握する膜厚把握手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記検出手段により検出されたピーク又は/及びボトムの数をカウントするカウント手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記強度が前記ピーク又は/及びボトムを迎えた際における前記保護層の膜厚を把握するピーク膜厚把握手段と、前記強度が前記ピーク又は/及びボトムを迎えた際における前記像保持体の回転数を把握するピーク回転数把握手段と、前記ピーク膜厚把握手段により把握された膜厚と前記ピーク回転数把握手段により把握された回転数との関係に基づき、当該膜厚が所定値に達する前記像保持体の回転数を予測する予測手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記強度が前記ピーク又はボトムとなる前記像保持体の回転数を予測する回転数予測手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記検出手段により検出された第1のピーク又は/及びボトムにおける反射光の強度、又は当該強度に基づき算出される第1の算出値と、当該検出手段により検出された第2のピーク又は/及びボトムにおける反射光の強度、又は当該強度に基づき算出される第2の算出値と、を対比する対比手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記測定手段は、前記像保持体に対して光を照射する光源と、当該像保持体からの反射光の強度を測定する受光素子とを備え、前記光源および前記受光素子は、前記像保持体の軸方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記測定手段は、第1の波長の光と、当該第1の波長とは異なる第2の波長の光とを前記像保持体に照射することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記検出手段による検出結果に基づき、前記像保持体による像形成を停止させ又は/及び当該像保持体の交換要求を発する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、表面に保護層を備えた像保持体と、前記像保持体に光を照射し当該像保持体からの反射光の干渉波形を取得する干渉波形取得手段と、前記干渉波形取得手段により取得された干渉波形からピーク数又は/及びボトム数を検出するピーク数/ボトム数検出手段と、を含む画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記干渉波形取得手段が前記像保持体に照射する光の当該像保持体表面における照射形状は、当該像保持体の軸方向に延びるように形成されることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、前記ピーク数/ボトム数検出手段にて検出されたピーク数又は/及びボトム数に基づいて前記保護層の膜厚を認識する膜厚認識手段を更に備えることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置である。
請求項13に記載の発明は、前記ピーク数/ボトム数検出手段にて検出されたピーク数又は/及びボトム数と、所定の閾値とを比較する比較手段を更に備えることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置である。
請求項14に記載の発明は、前記ピーク数/ボトム数検出手段にてピーク数又は/及びボトム数が検出されない場合に、前記像保持体による像形成を停止させ又は/及び当該像保持体の交換要求を発する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置である。
請求項15に記載の発明は、表面に保護層を備えた像保持体の回転数に応じ所定のタイミングで当該像保持体に光を照射し当該像保持体からの反射光の強度を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された複数の前記強度から当該強度のピーク又は/及びボトムを検出する検出手段と、を含む測定装置である。
請求項16に記載の発明は、表面に保護層を備えた像保持体に光を照射し当該像保持体からの反射光の干渉波形を取得する干渉波形取得手段と、前記干渉波形取得手段により取得された干渉波形からピーク数又は/及びボトム数を検出するピーク/ボトム数検出手段と、を含む測定装置である。
本発明の請求項1によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、像保持体における保護層の状態をより適切に把握可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明の請求項2によれば、保護層の膜厚から保護層の状態を把握することが可能となる。
本発明の請求項3によれば、例えば膜厚を把握せずとも像保持体の寿命を判断することができる。
本発明の請求項4によれば、例えば反射光の強度のピークなどが一定間隔で検出されない場合でも、像保持体の膜厚が所定値に達する像保持体の回転数を予測することができる。
本発明の請求項5によれば、例えば反射光の強度のピークなどが検出されない場合が生じたとしても像保持体の寿命を判断することができる。
本発明の請求項6によれば、像保持体の寿命を判断することが可能となる。
本発明の請求項7によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、像保持体の軸方向における摩耗むらの影響を低減可能となる。
本発明の請求項8によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、保護層の膜厚を正確に把握することができる。
本発明の請求項9によれば、例えば品位の低い画像がユーザに提供されるのを防止できる。
本発明の請求項10によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、像保持体における保護層の状態をより適切に把握可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明の請求項11によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、像保持体の周方向に沿って形成された傷の影響を抑えることができる。
本発明の請求項12によれば、保護層の膜厚を認識することができる。
本発明の請求項13によれば、例えば膜厚を認識せずとも像保持体の寿命を判断することができる。
本発明の請求項14によれば、干渉波形からピーク数等が検出されない場合であっても、例えば像保持体の交換要求を発することができる。
本発明の請求項15によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、像保持体における保護層の状態をより適切に把握可能な測定装置を提供することができる。
本発明の請求項16によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、像保持体における保護層の状態をより適切に把握可能な測定装置を提供することができる。
―第1の実施形態―
以下、添付図面を参照して、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される画像形成装置1の全体構成を示した図であり、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタを示している。図1に示す画像形成装置1は、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像プロセス系10、用紙Pを搬送する用紙搬送系40、例えば図示しないパーソナルコンピュータ(PC)や原稿読み取り装置等に接続され、受信した画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部(不図示)、各部(各装置)の動作を制御する制御部60(後述)などを備えている。
画像プロセス系10は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kを備えている。また、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト21上に多重転写させる転写ユニット20、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに対してレーザ光を照射するレーザ露光器30を備えている。さらに、転写ユニット20によって二次転写された画像を、熱および圧力を用いて用紙Pに定着させる定着器29を備えている。更に、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ16Yc,16Mc,16Cc,16Kcを備えている。
転写ユニット20は、中間転写ベルト21を駆動するドライブローラ22、中間転写ベルト21に一定のテンションを付与するテンションローラ23、重畳された各色のトナー像を用紙Pに二次転写するためのバックアップローラ24、中間転写ベルト21上に存在する残留トナー等を除去するベルトクリーナ25を備えている。中間転写ベルト21は、ドライブローラ22、テンションローラ23およびバックアップローラ24との間に一定のテンションで掛け回されており、ドライブローラ22によって矢印方向に所定の速度で循環駆動される。
レーザ露光器30は、図示しないレーザダイオード、変調器の他、レーザダイオードから出射されたレーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)を偏向走査するポリゴンミラー31を備えている。
用紙搬送系40は、画像が記録される用紙Pを積載する積載部41、積載部41から用紙Pを取り上げて供給するナジャーローラ42、ナジャーローラ42から供給された用紙Pを1枚ずつ分離して搬送するフィードローラ43、フィードローラ43により1枚ずつに分離された用紙Pを二次転写位置に向けて搬送する搬送路44を備えている。
また、用紙搬送系40は、搬送路44を介して搬送された用紙Pを、二次転写位置に向けてタイミングを合わせて搬送するレジストローラ45、二次転写位置に設けられバックアップローラ24に圧接して用紙P上に画像を二次転写する二次転写ローラ46を備えている。更に、定着器29によってトナー画像が定着された用紙Pを機外に排出する排出ローラ47、排出ローラ47によって排出された用紙Pを積載する積載部48を備えている。また、本実施形態では、定着器29によって定着された用紙Pを反転させて両面記録を可能とする両面用搬送ユニット49が設けられている。
次に、画像プロセス系10における画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K等について詳述する。図2は、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K等を示した図である。
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、例えばイエローの画像形成ユニット11Yを例にすると、像保持体の一例としての感光体ドラム12Y、感光体ドラム12Yを帯電する帯電ローラ13Y、レーザ露光器30からのレーザ光LB−Yによって感光体ドラム12Y上に形成された静電潜像を現像する現像器14Yを備えている。また、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム12Yに対向して設けられ、感光体ドラム12Y上に現像されたトナー像を中間転写ベルト21上に転写する一次転写ローラ17Yを備えている。さらに、感光体ドラム12Yに接触配置されたクリーニングブレード19Yを備え、感光体ドラム12Y上に残った残留トナーなどを除去するドラムクリーナ18Yを備えている。なお、他の画像形成ユニット11M,11C,11Kも、イエロー画像形成ユニット11Yと同じ構成を有している。
ここで、本実施形態における各感光体ドラム12は、アルミなどの金属素管(基板)を備えるとともに、本金属素管から外方に向かって順に、アンダーコート層(DUC)、電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)、保護層の一例としてのオーバーコート層(OCL)(以下、「OC層」と称する)を備えている。なお、本実施形態においては、電荷輸送層(CTL)の光学的屈折率とOC層の光学的屈折率は、0.01以上異なっている。また、OC層は、架橋樹脂から構成されている。
また、本実施形態における画像形成装置1は、上記のとおり、各部(各装置)の動作を制御する制御部60を備えている。また、各感光体ドラム12の近傍に配置され、光源からの光を感光体ドラム12の表面に対して照射するとともに反射光を受光する照射ユニット15Y,15M,15C,15Kを備えている。さらに、照射ユニット15Y,15M,15C,15Kからの出力に基づき、各感光体ドラム12の状態を判断する状態判断部70、表示パネルなどにより構成される外部表示部80を備えている。ここで、上記制御部60および状態判断部70は、I/Oコントローラ50を介して各照射ユニット15に接続されている。なお、制御部60および状態判断部70は、画像形成装置1に設けられた不図示のCPU(Central Processing Unit)、制御用のプログラム等が格納される不図示のROM(Read Only Memory)、およびCPUの作業用のメモリである不図示のRAM(Random Access Memory)によって実現されている。
各照射ユニット15は、対応した感光体ドラム12の外表面近傍に設けられるとともに、感光体ドラム12の回転方向を基準とした場合に、現像器14よりも回転方向下流側に配置され、一次転写ローラ17よりも回転方向上流側に配置されている。なお、各照射ユニット15は、この位置に特に限定されず、取り付けができるスペースが存在する箇所に適宜設けることができる。各照射ユニット15は、感光体ドラム12に対して所定波長λの光を照射する光源15a、感光体ドラム12からの反射光を集光する集光レンズ15b、集光レンズ15bにより集光された光の光強度(以下、「反射光強度」とも称する)を測定する受光素子15cを備えている。なお、光源15aには、ハロゲン、キセノンなどの一般的な光源が用いられる。
また、本実施形態における状態判断部70は、サイクル数、反射光強度、ピークである旨の情報、およびOC層の膜厚などを、互いに関連づけた状態でハードディスクなどの不揮発性の記憶手段(以下、「メモリ」と称する)に格納し、又はこれらの情報をメモリから読み出すメモリ管理部71を備えている。また、受光素子15cから出力されてきた反射光強度にピークが存在するか否かを判断するピーク有無判断部72、OC層の膜厚を算出する膜厚算出部73、OC層の膜厚が所定の閾値に達するサイクル数を予測したり、次にピークが検出されるサイクル数を予測したりするサイクル数予測部74を備えている。また、反射光強度に基づき取得した基準差と反射光強度に基づき取得した強度差とを対比し、基準差に対する強度差の比率又は基準差と強度差との差を取得する差/比率取得部75、各種判断処理を実行する判断部76を備えている。
ここで、画像形成装置1の基本的な画像形成動作について説明する。例えば原稿読み取り装置(不図示)によって読み取られた原稿の色材反射光像や、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された色材画像データは、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各8ビットの反射率データとして画像処理部(不図示)に入力される。画像処理部では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器30に出力される。
レーザ露光器30では、入力された色材階調データに応じて、レーザダイオード(不図示)から出射されたレーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)を、f−θレンズ(不図示)を介してポリゴンミラー31に出射している。ポリゴンミラー31では、入射されたレーザ光を各色の階調データに応じて変調し、偏向走査して、図示しない結像レンズおよび複数枚のミラーを介して画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにおける感光体ドラム12に照射している。画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにおける感光体ドラム12では、帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。そして、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト21上に多重転写される。
一方、用紙搬送系40では、画像形成のタイミングに合わせてナジャーローラ42が回転し、積載部41から所定サイズの用紙Pが供給される。そして、フィードローラ43により1枚ずつ分離された用紙Pは、搬送路44を経てレジストローラ45に搬送され、一旦、停止される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト21の移動タイミングに合わせてレジストローラ45が回転し、用紙Pは、バックアップローラ24および二次転写ローラ46によって形成される二次転写位置に搬送される。そして、二次転写位置において、用紙Pには、圧接力および所定の電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着器29にて定着処理を受けた後、排出ローラ47によって積載部48に積載される。
図3は、感光体ドラム12Yの表面近傍を拡大して示したものである。なお、本実施形態における画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの各々は、同様に構成されているため、以下、画像形成ユニット11Yを中心に説明を行っていく。
上記のように、本実施形態における感光体ドラム12Yは、アルミなどの金属素管(基板)、アンダーコート層(DUC)、電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)、OC層(OCL)を備えている。このような複数の層構成とすることで、感光体ドラム12Yの特性の安定化が可能となり、また、ロングライフ化が可能となっている。
ここで、光源15a(図2参照)から出射された波長λ(nm)の光は、OC層に照射され、OC層表面で反射される光とOC層を透過する光とに分光される。そして、OC層を透過した光は、電荷輸送層(CTL)においても反射光と透過光とに分光される。同様に、電荷発生層(CGL)、アンダーコート層(DUC)においても反射光と透過光とに分光される。また、光は最終的に金属素管によって反射される。
ここで、OC層の膜厚をdとした場合に、OC層を反射した光と電荷輸送層(CTL)を反射した光との間には、2・n・dの光路差が生じる。また、電荷輸送層(CTL)で反射する光は、反射する際に位相が180°ずれる。このため、2nd=mλ (m=0,1,2,3,・・・)…(1)のときに反射光の光量は極大となり、2nd=(2m+1)λ/2(m=0,1,2,3,・・・) …(2)のときに反射光の光量は極小となる。ここで、nは膜の比屈折率、mは干渉次数である。この結果、2nd=mλが成立している状態から、OC層の膜厚がλ/(2n)減少するごとに反射光(干渉光)の強度が最も強くなる。なお、本実施形態では、制御部60および照射ユニット15Yが測定手段の一例として機能している。
ここで、図4は、受光素子15cにて測定された光強度(反射光強度)の分布を示したものである。
感光体ドラム12YのOC層には、クリーニングブレード19Y(図2参照)、現像器14Y、中間転写ベルト21、用紙Pなどが接触する。このため、OC層は、感光体ドラム12Yの回転数(サイクル数)に従って摩耗していく。このため、受光素子15cにて測定される光強度は、サイクル数に応じて増減し、所定のピークおよびボトムを有するようになる。なお、このピークやボトムは、上記のとおり、OC層の膜厚がλ/(2n)減少するごとに検出される。
そこで、本実施形態では、受光素子15cにて測定される光強度(反射光強度)のピークに基づき、OC層の摩耗量等を把握するとともに、把握した摩耗量等に基づき画像形成装置1の動作などを停止等させる構成としている。
なお、以下においては、光強度のピークに基づきOC層の摩耗量把握などを行っているが、光強度のボトムによってOC層の摩耗量把握等を行うことが可能である。また、ピークおよびボトムの両者によってOC層の摩耗量把握等を行うことが可能である。
ここで、図5は、状態判断部70等において実行される処理を示したものである。
本実施形態における画像形成装置1では、まず、照射ユニット15Yによって、反射光強度の測定が行われる(ステップ101)。詳細には、感光体ドラム12Yが所定のサイクル数となった際、制御部60から照射ユニット15Yに対して制御信号が出力される。なお、制御部60は、制御信号を出力する際、上記所定のサイクル数をメモリ管理部71に出力し、メモリ管理部71は、このサイクル数をメモリに格納する。また、本実施形態では、制御部60から照射ユニット15Yへの制御信号の出力は、一定のサイクル数(例えば、50kサイクル)毎に行われる。さらに、制御部60は、画像形成装置1に一般的に搭載されているカウンタなどからサイクル数を把握している。
そして、制御部60から制御信号を受信した照射ユニット15Yは、光源15aから感光体ドラム12Yに対して光を照射する。受光素子15cは、感光体ドラム12Yからの反射光の強度を測定し、この反射光の強度をメモリ管理部71に出力する。メモリ管理部71は、上記にて既に格納したサイクル数に関連づけてこの反射光強度をメモリに格納するとともに、格納した旨をピーク有無判断部72に出力する。
次いで、反射光強度を格納した旨をメモリ管理部71から受信したピーク有無判断部72は、メモリに格納された反射光強度にピークが存在するか否かを判断する(ステップ102)。詳細には、検出手段の一例としてのピーク有無判断部72は、メモリ管理部71を介し、メモリから反射光強度を読み出し、これら反射光強度の中にピークが存在するか否かを判断する。例えば、ピーク有無判断部72は、最新の反射光強度によって、増加傾向にあった反射光強度が低下傾向に転じた場合に、この最新の反射光強度の1つ前の反射光強度をピークとして検出(認識)するとともに、ピークが存在すると判断する。
なお、ピーク有無判断部72は、ピークが存在すると判断した場合に、ピークが存在する旨の情報とピークにおける反射光強度とをメモリ管理部71に出力する。そして、メモリ管理部71は、反射光強度をキーとして、ピークである旨の情報をメモリに格納する。この結果、メモリには、サイクル数、反射光強度、およびピークである場合にはピークである旨の情報が互いに関連づけられた状態で格納される。また、ピーク有無判断部72は、ピークが存在すると判断した場合に、その旨の情報とピークにおける反射光強度とを膜厚算出部73に出力する。なお、ピーク有無判断部72が、ピークが存在しないと判断した場合には、ステップ101の処理が再度実行される。
ピーク有無判断部72からピークが存在する旨の情報と反射光強度とを受信した膜厚算出部73は、OC層の膜厚を算出する(ステップ103)。詳細に説明すると、膜厚把握手段の一例としての膜厚算出部73は、メモリ管理部71を介し、メモリに格納されている最新の膜厚を読み出すとともに、この最新の膜厚からλ/(2n)を減算し、新たなOC層の膜厚を算出(把握)する。なお、膜厚算出部73は、新たなOC層の膜厚を算出した後、この新たなOC層の膜厚を、ピーク有無判断部72から受信した反射光強度とともに、メモリ管理部71に出力する。
そして、メモリ管理部71は、反射光強度をキーとして、OC層の膜厚をメモリに格納する。この結果、メモリには、サイクル数、反射光強度、ピークである場合にはピークである旨の情報、およびピークである場合にはOC層の膜厚、が互いに関連づけられた状態で格納される。なお、本実施形態では、ピークを中心に説明を行っているが、ボトムに対しても上記処理を行うことが可能である。また、ピーク、ボトムの両者に対して上記処理を行うことが可能である。
次いで、判断部76は、ステップ103にて算出されたOC層の膜厚が、メモリに格納されている所定の閾値よりも小さいか否かを判断する(ステップ104)。判断部76にてOC層の膜厚が所定の閾値以上であると判断された場合には、ステップ101の処理が再度実行される(ステップ101)。一方、判断部76は、膜厚が所定の閾値よりも小さいと判断した場合には、制御部60に対して、膜厚が所定の閾値よりも小さい旨の判断結果を出力する(ステップ105)。そして、判断結果を受けた制御部60は、外部表示部80に画像形成ユニット11Y(又は感光体ドラム12Y)の交換を要求する旨を表示し(ステップ106)、画像形成装置1における各部(各装置)の動作を停止させる(ステップ107)。
なお、上記では、OC層の膜厚を算出し、算出された膜厚と所定の閾値とを比較とを判断する構成となっていたが、ピーク数をカウントするとともに、カウントされたピーク数と所定の閾値とを比較する構成とすることもできる。即ち、膜厚を算出せずに、ピーク数と所定の閾値とを比較する構成とすることもできる。そして、例えば、ピーク数が所定の閾値を超えた場合に、外部表示部80に画像形成ユニット11Yの交換を要求する旨を表示し、画像形成装置1における各部(各装置)の動作を停止させることができる。
ところで、反射光強度のピークが検出されるタイミングは、環境、出力画像密度などの影響を受け、一定とは限らない。
図6は、サイクル数とピークの検出タイミングとの関係等を示している。
図6(a)に示すように反射光強度のピークは、一定のサイクル数毎に検出されず不定期(ランダム)に検出される場合がある。
上記のようにOC層の膜厚と閾値との比較に基づき交換要求や各部の動作停止を行うことも可能であるが、ピーク値の推移に基づき交換要求や各部の動作停止を行うことも可能である。例えば、図6(b)に示すように、縦軸をOC層の膜厚、横軸を感光体ドラム12Yのサイクル数とし、ピークが検出された際のOC層の膜厚およびサイクル数をプロットする。この結果、OC層の膜厚とサイクル数との関係式(近似曲線)を得ることが可能となる。
そして、この関係式に閾値を代入すれば、OC層の膜厚が閾値に達する際の感光体ドラム12Yのサイクル数を予測することができる。OC層の膜厚の減少がサイクル数に比例する場合には、OC層の膜厚が閾値に達するサイクル数を一義的に予測できるが、実際には、環境、出力画像密度などの使用状況等により比例しない。本実施形態の構成によれば、OC層の膜厚の減少がサイクル数に比例しない場合であっても、OC層の膜厚が閾値に達するサイクル数を予測することができる。
なお、上記処理は、次のように実行される。
ここで、図7は、状態判断部70にて実行される処理を示している。
まず、ピーク膜厚把握手段、ピーク回転数把握手段、および予測手段の一例として機能するサイクル数予測部74は、メモリ管理部71を介しメモリを参照し、ピークにおけるサイクル数および膜厚を取得する(ステップ201)。メモリには、上記のとおり、サイクル数、反射光強度、ピークである旨の情報、およびOC層の膜厚が互いに関連づけられた状態で格納されており、メモリを参照することでピークにおけるサイクル数および膜厚を取得することができる。次いで、サイクル数予測部74は、取得したサイクル数および膜厚に基づき、これらの関係式(近似式)を生成し保持する(ステップ202)。その後、メモリ管理部71を介し、メモリからOC層の膜厚に関する閾値を取得する(ステップ203)。次いで、保持している関係式と取得した閾値とに基づき、サイクル数を取得する(ステップ204)。
このように取得されたサイクル数は、例えばメモリ管理部71を介しメモリに格納される。そして、例えば判断部76にて、カウンタから出力されてくるサイクル数がこのメモリに格納されたサイクル数に達したか否かが判断される。そして、判断部76は、カウンタからのサイクル数がメモリに格納されたサイクル数に達したと判断した場合には、達した旨の判断結果を制御部60に出力する。そして、制御部60は、上記ステップ106、ステップ107と同様に、外部表示部80に画像形成ユニット11Yの交換を要求する旨を表示し、画像形成装置1における各部(各装置)の動作を停止させる。
受光素子15cにて受光される反射光強度について更に説明する。
図8は、受光素子15cにて受光される反射光強度の推移を示したものである。
図8(a)に示すように、受光素子15cにて受光される反射光強度は、サイクル数に応じて低下していく傾向にある。このため、サイクル数に応じてピークも低下し、最終的にはピークが検出されない事態が生じうる。この結果、ピークの検出に基づき膜厚を算出することができず、膜厚が閾値よりも小さくなっているにも関わらず画像形成動作が継続されてしまう場合がある。
そこで、ピークが検出されたサイクル数に基づき、各サイクル数間における平均サイクル数を算出し、この平均サイクル数に基づき次にピークが来るサイクル数を予測することができる。このような構成とした場合、ピークが検出されない状態になったとしても、画像形成装置1の停止動作や画像形成ユニット11Yの交換要求を行うことができる。
なお、上記処理は、サイクル数予測部74により次のように実行される。図9は、サイクル数予測部74により実行される処理を示したものである。
まず、回転数予測手段の一例として機能するサイクル数予測部74は、メモリ管理部71を介し、ピークに対応したサイクル数をメモリから複数取得する(ステップ301)。次いで、取得した複数のサイクル数から各サイクル数間の差を取得する(ステップ302)。次いで、この差の平均値を算出し(ステップ303)、この平均値を、最後にピークが検出されたサイクル数に加算する(ステップ304)。この処理により、次にピークが来るサイクル数を予測することができる。
このように予測されたサイクル数は、例えばメモリ管理部71を介しメモリに格納される。そして、例えば判断部76にて、カウンタからのサイクル数がこのメモリに格納されたサイクル数に達したか否かが判断される。そして、制御部60は、判断部76にてカウンタからのサイクル数がメモリに格納されたサイクル数に達したと判断された場合に、外部表示部80に画像形成ユニット11Yの交換を要求する旨を表示し、画像形成装置1における各部(各装置)の動作を停止させる。なお、カウンタからのサイクル数がメモリに格納されたサイクル数に達する前に、更にピークが検出された場合(ピークが存在すると判断された場合)には、上記ステップ301からステップ304の処理が再度実行され、新たなサイクル数が予測される。
また、反射光強度の減衰を利用してOC層の状態を判断することも可能である。ここで、図8(b)に戻り詳細な説明を行う。まず、サイクル数が小さい初期の段階におけるピークの大きさと、後に検出されるピークの大きさとの比率又は差を取得する。そして、この比率が所定の閾値よりも小さくなった場合に、又は、差が所定の閾値よりも大きくなった場合に、画像形成装置1の停止動作や画像形成ユニット11Yの交換要求を行うことができる。なお、本処理は、次のように実行される。
ここで、図10は、差/比率取得部75にて実行される処理を示している。図10(a)に示すように、まず、差/比率取得部75は、サイクル数が小さい段階(例えば、ライフ初期の段階)においてピーク有無判断部72にてピークが存在すると判断された場合に、メモリ制御部71を介しメモリを参照し、本ピーク(第1のピーク)が検出される1つ前のボトムにおける反射光強度を取得する(ステップ401)。なお、上記ではピークをメモリに格納する処理を説明していたが、ボトムをメモリに格納するようにすればこのような処理が可能となる。次いで、ピークにおける反射光強度と、ステップ401にて取得したボトムにおける反射光強度との差(第1の算出値)(以下、「基準差」と称する)を取得する(ステップ402)。次いで、この基準差を、メモリ管理部71を介しメモリに格納する(ステップ403)。
そして、差/比率取得部75は、ピーク有無判断部72にてピークが存在すると更に判断された場合に、図10(b)に示すように、本ピーク(第2のピーク)が検出される1つ前のボトムにおける反射光強度を取得する(ステップ501)。次いで、ピークにおける反射光強度と、ステップ501にて取得したボトムにおける反射光強度との差(第2の算出値)(以下、「強度差」と称する)を取得する(ステップ502)。次いで、対比手段として機能する差/比率取得部75は、上記ステップ403にてメモリに格納した基準差と、ステップ502にて取得した強度差とを対比し、基準差に対する強度差の比率又は基準差と強度差の差を取得する(ステップ503)。そして、差/比率取得部75は、この取得した比率又は差を判断部76に出力する(ステップ504)。
そして、上記比率又は差を取得した判断部76は、メモリから所定の閾値を取得するとともに、取得した比率が所定の閾値よりも小さいか否か、又は、取得した差が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する。そして、比率が所定の閾値よりも小さいと判断した場合、又は、差が所定の閾値よりも大きいと判断した場合、その旨の判断結果を制御部60に出力する。そして、判断結果を受けた制御部60は、画像形成装置1の停止動作や画像形成ユニット11Yの交換要求を行う。
なお、本実施形態では、ピークとボトムとの差に基づき処理を行う例を説明したが、このような差を利用せず、単にピークの大きさを比較する構成とすることもできる。そして、ピークの比率が所定の閾値よりも小さくなった場合や、ピークの差が所定の閾値よりも大きくなった場合に、画像形成装置1の停止動作や画像形成ユニット11Yの交換要求を行うことができる。また、ボトムに基づく比率、差によっても画像形成装置1の停止動作や画像形成ユニット11Yの交換要求を行うことができる。
ここで、図11は、感光体ドラム12Y周辺を示した構成図である。
同図(a)に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、感光体ドラム12Yの軸方向に沿って設けられ、照射ユニット15Yをガイドするガイド26を備えている。照射ユニット15Yは、不図示の駆動源により駆動された際、このガイド26によってガイドされながらスライドし、感光体ドラム12Yの軸方向における複数の箇所にて光の照射および受光を行う。このような構成とすることで感光体ドラム12Yの軸方向における摩耗むらの影響を低減可能となり、OC層の膜厚測定をより適切に行うことが可能となる。
また、同図(b)に示すように、照射ユニット15Yを2つ(複数)設ける構成とすることができる。この2つの照射ユニット15Yの各々は、例えば、互いに異なる波長の光をタイミングをずらして照射するとともに、受光部にて反射光を受光する。このように、波長の異なる光を照射可能とすることで膜厚の測定精度を高めることが可能となる。
図12は、光源15a(図2参照)から感光体ドラム12Yに照射される光の照射面(照射形状)を示したものである。
本実施形態において光源15aからの光は、感光体ドラム12Yの表面に対し、同図(a)に示すように、矩形状に照射されるとともに、照射面の長手方向が感光体ドラム12Yの軸方向に沿うように、また照射面の短手方向が感光体ドラム12Yの周方向に沿うように照射される。換言すれば、光源15aから照射される光の照射形状は、感光体ドラム12Yの軸方向に延びるように形成されている。
感光体ドラム12Yには、クリーニングブレード19Y(図2参照)などが接触配置され、同図(a)に示すように感光体ドラム12Yの周方向に沿って傷が発生する場合がある。ここで、例えば、同図(b)に示すように、照射面の長手方向を感光体ドラム12Yの周方向に、照射面の短手方向を感光体ドラム12Yの軸方向に沿うように、光を照射することもできる。しかしながら、このような場合、照射面の広い範囲に傷が含まれ、OC層の膜厚を正確に測定できないおそれがある。
本実施形態では、同図(a)に示したとおり、照射面の長手方向が感光体ドラム12Yの軸方向に沿うように、また照射面の短手方向が感光体ドラム12Yの周方向に沿うようになっているため、感光体ドラム12Yの表面に傷があったとしてもこの照射面に含まれる傷の割合を低減させることができる。この結果、同図(b)に示した照射態様に比べ、OC層の膜厚を正確に測定することができる。なお、照射面は、矩形状に限られず、楕円状などとすることもできる。但し、この場合も楕円の長軸を感光体ドラム12Yの軸方向に沿うようにすることが望ましい。
―第2の実施形態―
ここで、図13は、第2の実施形態における画像形成装置1の主要部を示したものである。なお、画像形成ユニット11M,11C,11Kについては、画像形成ユニット11Yと同様の構成であるため、図示を省略している。また、第1の実施形態と同様の機能については、同様の符号を用いここではその説明を省略する。
同図に示すように、第2の実施形態における照射ユニット15Yは、感光体ドラム12Yに対して光を照射する白色光源15dと、第1の実施形態と同様に感光体ドラム12Yからの反射光を集光する集光レンズ15bとを備えている。また、集光レンズ15bにより集光された光の干渉特性をスペクトルとして採取する分光光度計15eを備えている。なお、本実施形態においては、照射ユニット15Yが干渉波形取得手段として機能している。
また、第2の実施形態における状態判断部70は、分光光度計15eにて採取されたスペクトルからピーク数を取得するピーク数取得部91と、ピーク数取得部にて取得されたピーク数に基づき膜厚を取得する膜厚取得部92と、各種判断を実行する判断部93とを備えている。
ここで、図14、図15は、OC層の膜厚とピーク数との関係を示したものである。
ここで、図14は、分光光度計15eにて採取されたスペクトルのうち波長領域500〜750(nm)におけるスペクトルを示している。例えば、OC層の膜厚が6μmの場合、図14(a)に示すように、採取されたスペクトルにおけるピーク数は28となる。なお、ここにいうピークとは、第1の実施形態におけるピークおよびボトムの両者を含む概念である。また、図14(b)〜(d)に示すように、OC層の膜厚が3μm、1μm、0.5μmの場合、ピーク数はそれぞれ、14、4、2となる。
そして、これらの結果に基づき、OC層の膜厚とピーク数との関係を示すと、図15のようになる。OC層の膜厚とピーク数との間には、同図に示すように、OC層の膜厚減少に比例してピーク数が減少する、一次式で示される相関関係(対応関係)がある。
そこで、本実施形態では、図15で示した相関関係をメモリに格納しておき、この相関関係を用いて膜厚を取得する構成としている。以下、具体的な処理を説明する。
図16は、状態判断部70等にて実行される処理を示したものである。
まず、制御部60は、所定のサイクル数に達したら所定の信号を出力し、照射ユニット15Yにおける白色光源15dを用いて感光体ドラム12Yの表面に光を照射する(ステップ601)。この結果、分光光度計15eにてスペクトルが採取され、採取されたスペクトルがピーク数取得部91に出力される(ステップ602)。そして、ピーク数/ボトム数検出手段として機能するピーク数取得部91は、入力されたスペクトルからピーク数を取得(検出)する(ステップ603)。
その後、膜厚認識手段の一例として機能する膜厚取得部92は、メモリに格納された上記相関関係を参照し、ピーク数取得部91にて取得されたピーク数に基づき膜厚を取得(認識)する(ステップ604)。次いで、比較手段の一例として機能する判断部93は、膜厚取得部92にて取得された膜厚と所定の閾値とを比較し、膜厚取得部92にて取得された膜厚が、所定の閾値よりも小さいか否かを判断する(ステップ605)。
そして、判断部93は、ステップ605にて小さいと判断した場合には、その旨の判断結果を制御部60に出力する(ステップ606)。なお、ステップ605にて、判断部93が小さいと判断しなかった場合には、ステップ601の処理が再度実行される。そして、OC層の膜厚が所定の閾値よりも小さい旨の判断結果を受けた制御部60は、画像形成装置1の停止動作や画像形成ユニット11Yの交換要求を行う。なお、上記対応関係は、数式などで規定しておくこともできるし、対応関係を離散的な数値で規定したルックアップテーブル(LUT)などによっても規定しておくことができる。
なお、本実施形態では、OC層の膜厚を取得し、取得された膜厚と所定の閾値とを比較する構成となっていたが、ピーク数取得部91にて取得されたピーク数と所定の閾値とを比較する構成とすることもできる。即ち、膜厚を取得せずに、ピーク数と所定の閾値とを比較する構成とすることできる。そして、例えば、ピーク数が所定の閾値よりも小さくなった場合に、外部表示部80に画像形成ユニット11Yの交換を要求する旨を表示し、画像形成装置1における各部(各装置)の動作を停止させることができる。
さらに、本実施形態で採取されるスペクトルにおけるピーク数は、図14(a)〜(d)に示すように、OC層の膜厚減少に応じて低下していく傾向にある。この結果、OC層の膜厚がある大きさとなると、ピーク数の検出ができないおそれがある。一方で、ピーク数の検出が出来ないということは、OC層の膜厚がかなり小さいことを意味している。そこで、このよう場合(ピーク数の検出が出来なかった場合)には、外部表示部80に画像形成ユニット11Yの交換を要求する旨を表示し、画像形成装置1における各部(各装置)の動作を停止させることができる。
上記第1の実施形態および第2の実施形態によれば、感光体ドラム12YにおけるOC層の状態をより適切に把握することが可能となる。また、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、画像形成装置1を一例として説明したが、測定装置(膜厚測定装置)として捉えることも可能である。
なお、感光体ドラムの寿命を検知する従来の技術として、例えば、感光体ドラムの駆動時間(回転時間)、サイクル数、画像出力枚数などが、所定時間、所定数、所定枚数に到達したら交換時期と判断し警告を行うものがある。しかしながら、この判断、警告は、実際に測定された保護層の厚みに基づくものではなく、単なる予想に過ぎない。このため、寿命に達した感光体ドラムが使用し続けられる事態が生じる場合がある。また、まだ十分使用可能であるにも関わらず警告が生じる場合がある。このような場合に感光体ドラムの交換を行うことは、感光体ドラムの使用効率を低下させ、資源に無駄を生じさせてしまう。
また、被帯電体に接触する電極部材に印加する電圧と、電極部材に流れる電流とにより被帯電体の厚みを検知する手法が提案されている。さらに、帯電部材から感光体に流れる電流を時間積算し帯電電荷量に基づき感光体ドラムの膜厚を算出する手法が提案されている。しかしながら、これらの技術は、OC層の膜厚(摩耗量)を直接的に把握するものではない。したがって、これらの技術では、OC層の状態を適切に(正確に)判断することが困難となる。この結果、例えばまだ十分に使用できるにも関わらず交換が行われ、資源の無駄が生じるおそれがある。また、画像の品位を維持することができない場合もある。
さらに、反射光の干渉特性を複数の干渉波形パターンのいずれかであるかを識別しかつ干渉次数の同定を行う手法も提案されている。しかしながら、本技術は、感光体ドラムを実際に使用した際の感光体ドラムの表面状態が加味されていない。感光体ドラムを実際に使用した場合には、感光体ドラムの表面に、例えば周方向に沿った細かい傷が発生し、この傷によって光の干渉が識別できなくなってしまう場合がある。
本発明が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。 画像形成ユニット等を示した図である。 感光体ドラムの表面近傍を拡大して示したものである。 受光素子にて測定された光強度(反射光強度)の分布を示したものである。 状態判断部等において実行される処理を示したものである。 サイクル数とピークの検出タイミングとの関係等を示している。 状態判断部にて実行される処理を示している。 受光素子にて受光される反射光強度の推移を示したものである。 サイクル数予測部により実行される処理を示したものである。 差/比率取得部にて実行される処理を示している。 感光体ドラム周辺を示した構成図である。 光源から感光体ドラムに照射される光の照射面(照射形状)を示したものである。 第2の実施形態における画像形成装置の主要部を示したものである。 OC層の膜厚とピーク数との関係を示したものである。 OC層の膜厚とピーク数との関係を示したものである。 状態判断部等にて実行される処理を示したものである。
符号の説明
1…画像形成装置、12Y…感光体ドラム、15…照射ユニット、15a…光源、15c…受光素子、60…制御部、72…ピーク有無判断部、74…サイクル数予測部、75…差/比率取得部、91…ピーク数取得部、92…膜厚取得部、93…判断部

Claims (16)

  1. 表面に保護層を備え、回転可能に設けられた像保持体と、
    前記像保持体の回転数に応じ所定のタイミングで当該像保持体に光を照射し当該像保持体からの反射光の強度を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された複数の前記強度から当該強度のピーク又は/及びボトムを検出する検出手段と、
    を含む画像形成装置。
  2. 前記検出手段により検出されたピーク又は/及びボトムに基づき、前記保護層の膜厚を把握する膜厚把握手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記検出手段により検出されたピーク又は/及びボトムの数をカウントするカウント手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記強度が前記ピーク又は/及びボトムを迎えた際における前記保護層の膜厚を把握するピーク膜厚把握手段と、
    前記強度が前記ピーク又は/及びボトムを迎えた際における前記像保持体の回転数を把握するピーク回転数把握手段と、
    前記ピーク膜厚把握手段により把握された膜厚と前記ピーク回転数把握手段により把握された回転数との関係に基づき、当該膜厚が所定値に達する前記像保持体の回転数を予測する予測手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記強度が前記ピーク又はボトムとなる前記像保持体の回転数を予測する回転数予測手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記検出手段により検出された第1のピーク又は/及びボトムにおける反射光の強度、又は当該強度に基づき算出される第1の算出値と、当該検出手段により検出された第2のピーク又は/及びボトムにおける反射光の強度、又は当該強度に基づき算出される第2の算出値と、を対比する対比手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 前記測定手段は、前記像保持体に対して光を照射する光源と、当該像保持体からの反射光の強度を測定する受光素子とを備え、
    前記光源および前記受光素子は、前記像保持体の軸方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  8. 前記測定手段は、第1の波長の光と、当該第1の波長とは異なる第2の波長の光とを前記像保持体に照射することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  9. 前記検出手段による検出結果に基づき、前記像保持体による像形成を停止させ又は/及び当該像保持体の交換要求を発する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  10. 表面に保護層を備えた像保持体と、
    前記像保持体に光を照射し当該像保持体からの反射光の干渉波形を取得する干渉波形取得手段と、
    前記干渉波形取得手段により取得された干渉波形からピーク数又は/及びボトム数を検出するピーク数/ボトム数検出手段と、
    を含む画像形成装置。
  11. 前記干渉波形取得手段が前記像保持体に照射する光の当該像保持体表面における照射形状は、当該像保持体の軸方向に延びるように形成されることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  12. 前記ピーク数/ボトム数検出手段にて検出されたピーク数又は/及びボトム数に基づいて前記保護層の膜厚を認識する膜厚認識手段を更に備えることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  13. 前記ピーク数/ボトム数検出手段にて検出されたピーク数又は/及びボトム数と、所定の閾値とを比較する比較手段を更に備えることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  14. 前記ピーク数/ボトム数検出手段にてピーク数又は/及びボトム数が検出されない場合に、前記像保持体による像形成を停止させ又は/及び当該像保持体の交換要求を発する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  15. 表面に保護層を備えた像保持体の回転数に応じ所定のタイミングで当該像保持体に光を照射し当該像保持体からの反射光の強度を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された複数の前記強度から当該強度のピーク又は/及びボトムを検出する検出手段と、
    を含む測定装置。
  16. 表面に保護層を備えた像保持体に光を照射し当該像保持体からの反射光の干渉波形を取得する干渉波形取得手段と、
    前記干渉波形取得手段により取得された干渉波形からピーク数又は/及びボトム数を検出するピーク/ボトム数検出手段と、
    を含む測定装置。
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