JP2009066639A - 接合方法 - Google Patents

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勇人 佐藤
Hisashi Hori
久司 堀
Tomohiro Kawamoto
知広 河本
Kazuo Aoki
一男 青木
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Abstract

【課題】継手部材を介設して金属部材同士を摩擦攪拌する接合方法であって、金属部材の両側面間の気密性及び水密性を向上させることが可能な接合方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る接合方法は、第一金属部材1a及び第二金属部材1bを端部同士で突き合わせて形成された中空部に継手部材U1を嵌合してなる被接合金属部材1に、回転ツールGを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合方法であって、表面側突合部J1に対して表面Aから摩擦攪拌を行う表面側接合工程と、裏面側突合部J2に対して裏面Bから摩擦攪拌を行う裏面側接合工程と、第二金属側継手突合部J3及び第一金属側継手突合部J4に対して第一側面Cから摩擦攪拌を行う側面側接合工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦攪拌を利用した金属部材の接合方法に関する。
金属部材同士を接合する方法として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。摩擦攪拌接合は、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。なお、回転ツールは、円柱状を呈するショルダ部の下端面に攪拌ピン(プローブ)を突設してなるものが一般的である。
ここで図31の(a)及び(b)は、一対の金属部材に摩擦攪拌接合を施した従来の接合方法を示した断面図である。従来の接合方法は、まず、図31の(a)及び(b)に示すように、第一金属部材100の端部に切り欠かれた凹溝100a及び第二金属部材101の端部に切り欠かれた凹溝101aを対向させ、凹溝100a,101aによって形成された中空部に、継手部材103を嵌合してなる被接合金属部材104を形成する。そして、第一金属部材100と第二金属部材101との突合部110の表面及び裏面から摩擦攪拌接合を行うものである。
このような接合方法によれば、継手部材103が回転ツールGの圧力を均一化するとともに、摩擦攪拌により塑性流動化した金属Wを下支えするので、仮に第一金属部材100と第二金属部材101との間に段差があったとしても好適に接合することができる。
特開2004−167498号公報(図2参照)
しかしながら、従来の接合方法のように継手部材103を介設して第一金属部材100及び第二金属部材101の端部同士を接合する場合、第一金属部材100と継手部材103との突合部100b及び第二金属部材101と継手部材103との突合部101bが、被接合金属部材104の両側面間に露出しているため、被接合金属部材104の水密性及び気密性が低下するという問題があった。
このような観点から本発明は、継手部材を介設して金属部材同士を摩擦攪拌する接合方法であって、金属部材の両側面間の気密性及び水密性を向上させることが可能な接合方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明に係る接合方法は、端部に凹溝を有する第一金属部材及び第二金属部材を前記端部同士で突き合わせて形成された中空部に継手部材を挿入してなる被接合金属部材に、回転ツールを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合方法であって、前記第一金属部材と前記第二金属部材との突合部に対して前記被接合金属部材の表面から摩擦攪拌を行う表面側接合工程と、前記第一金属部材と前記第二金属部材との突合部に対して前記被接合金属部材の裏面から摩擦攪拌を行う裏面側接合工程と、前記第一金属部材と前記第二金属部材との突合部、前記継手部材と前記第一金属部材との突合部及び前記継手部材と前記第二金属部材との突合部に対して前記被接合金属部材の側面から摩擦攪拌を行う側面側接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、被接合金属部材の表面及び裏面を摩擦攪拌するとともに、被接合金属部材の側面に露出する前記第一金属部材と前記第二金属部材との突合部、前記継手部材と前記第一金属部材との突合部及び前記継手部材と前記第二金属部材との突合部に対して摩擦攪拌を行うことにより未塑性化領域を密閉する。これにより、被接合金属部材の両側面間の気密性及び水密性を向上させることができる。
また、第一金属部材と第二金属部材の突合部に継手部材を挿入して、継手部材と第一金属部材の突合部及び継手部材と第二金属部材の突合部とを摩擦攪拌することで、接合部の強度を高めることができる。
また、本発明では、前記表面側接合工程及び裏面側接合工程で形成された塑性化領域と、前記継手部材とが接触することが好ましい。かかる接合方法によれば、被接合金属部材の側面において、第一金属部材と第二金属部材との突合部の全長に亘って密閉することができるため、製品の質をより高めることができる。
また、本発明では、前記側面側接合工程において、前記表面側接合工程及び裏面側接合工程で形成された塑性化領域を前記回転ツールによって摩擦攪拌することが好ましい。かかる接合方法によれば、側面側接合工程によって形成された塑性化領域と、前記表面側接合工程及び裏面側接合工程で形成された塑性化領域とが重複するため、より一層製品の質を高めることができる。
また、本発明では、端面に凹溝を有する第一金属部材及び第二金属部材と、前記第一金属部材の前記端面と前記第二金属部材の一方の側面とを突き合わせて形成された中空部に挿入された継手部材と、を有する被接合金属部材に、回転ツールを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合方法であって、前記第一金属部材の前記凹溝に前記継手部材を挿入する第一挿入工程と、前記第一金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第一金属部材の側面から摩擦攪拌を行う第一の本接合工程と、前記第一金属部材の端面が前記第二金属部材の一方の側面に突き合わされるようにして前記第二金属部材の前記凹溝に前記継手部材を挿入する第二挿入工程と、前記第一金属部材の前記端面と第二金属部材の一方の前記側面との突合部に対して、被接合金属部材の表面及び裏面から摩擦攪拌を行う第二の本接合工程と、前記第一金属部材と前記第二金属部材の突合部及び前記第二金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第二金属部材の前記端面から摩擦攪拌を行う第三の本接合工程と、前記第二金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第二金属部材の他方の前記側面から摩擦攪拌を行う第四の本接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、被接合金属部材の表面及び裏面を摩擦攪拌するとともに、被接合金属部材の側面に露出する前記第一金属部材と前記第二金属部材との突合部、前記継手部材と前記第一金属部材との突合部及び前記継手部材と前記第二金属部材との突合部に対して摩擦攪拌を行うことにより未塑性化領域を密閉する。これにより、被接合金属部材の両側面間の気密性及び水密性を向上させることができる。
また、第一金属部材と第二金属部材の突合部に継手部材を挿入して、継手部材と第一金属部材の突合部及び継手部材と第二金属部材の突合部とを摩擦攪拌することで、接合部の強度を高めることができる。
また、本発明では、端面に凹溝を有する第一金属部材及び第二金属部材と、前記第一金属部材の前記端面と前記第二金属部材の一方の側面とを突き合わせて形成された中空部に挿入された継手部材と、を有する被接合金属部材に、回転ツールを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合方法であって、前記第二金属部材の前記凹溝に前記継手部材を挿入する第三挿入工程と、前記第二金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第二金属部材の他方の前記側面から摩擦攪拌を行う第四の本接合工程と、前記第一金属部材と前記第二金属部材の突合部及び前記第二金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第二金属部材の前記端面から摩擦攪拌を行う第三の本接合工程と、前記第一金属部材の端面が前記第二金属部材の一方の側面に突き合わされるようにして前記第一金属部材の前記凹溝に前記継手部材を挿入する第四挿入工程と、前記第一金属部材の前記端面と第二金属部材の一方の前記側面との突合部に対して表面及び裏面から摩擦攪拌を行う第二の本接合工程と、前記第一金属部材と前記継手部材との突合部に対して前記第一金属部材の側面から摩擦攪拌を行う第一の本接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、被接合金属部材の表面及び裏面を摩擦攪拌するとともに、被接合金属部材の側面に露出する前記第一金属部材と前記第二金属部材との突合部、前記継手部材と前記第一金属部材との突合部及び前記継手部材と前記第二金属部材との突合部に対して摩擦攪拌を行うことにより未塑性化領域を密閉する。これにより、被接合金属部材の両側面間の気密性及び水密性を向上させることができる。
また、第一金属部材と第二金属部材の突合部に継手部材を挿入して、継手部材と第一金属部材の突合部及び継手部材と第二金属部材の突合部とを摩擦攪拌することで、接合部の強度を高めることができる。
また、本発明では、前記第一の本接合工程で形成された塑性化領域と、前記第二の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させ、前記第二の本接合工程で形成された塑性化領域と、前記第三の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させ、前記第三の本接合工程で形成された塑性化領域と前記第四の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させることが好ましい。
かかる接合方法によれば、各接合工程によって形成された塑性化領域を重複させて突合部を密閉するため、より一層製品の質を高めることができる。
端面に凹溝を有する第一金属部材、第二金属部材及び第三金属部材と、前記凹溝に挿入される継手部材と、を有し、前記継手部材の両側に前記第一金属部材及び前記第三金属部材を挿入するとともに、前記第一金属部材と第三金属部材の間に第二金属部材を挿入して形成された平面視T字状を呈する被接合金属部材に、回転ツールを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合方法であって、前記第一金属部材及び前記第三金属部材を前記継手部材の両側に挿入する第五挿入工程と、前記第一金属部材と前記継手部材との突合部及び前記第三金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記継手部材の一方の側面から摩擦攪拌を行う第五の本接合工程と、前記継手部材に前記第二金属部材を挿入する第六挿入工程と、前記第一金属部材の端面と前記第二金属部材の一方の側面との突合部と、前記第二金属部材と前記継手部材の突合部と、前記第三金属部材の端面と前記第二金属部材の他方の側面との突合部と、を前記第二金属部材の端面から摩擦攪拌を行う第六の本接合工程と、前記第一金属部材の端面と前記第二金属部材の一方の側面との突合部に対して、表面及び裏面から摩擦攪拌を行うとともに、前記第三金属部材の端面と前記第二金属部材の他方の側面との突合部に対して、表面及び裏面から摩擦攪拌を行う第七の本接合工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、第一金属部材、第二金属部材及び第三金属部材及び継手部材を挿入してなる平面視T字状を呈する被接合金属部材であっても、被接合金属部材の側面に露出する突合部に摩擦攪拌を行うことで、被接合金属部材の側面間における水密性及び気密性を高めることができる。
また、本発明では、前記第五の本接合工程で形成された塑性化領域と、前記第六の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させ、前記第六の本接合工程で形成された塑性化領域と、前記第七の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させることが好ましい。
かかる接合方法によれば、各接合工程によって形成された塑性化領域を重複させて突合部を密閉するため、より一層製品の質を高めることができる。
本発明に係る接合方法によれば、継手部材を介設して金属部材同士を摩擦攪拌する場合において、金属部材の両側面間の気密性及び水密性を向上させることができる。
[第一実施形態]
本実施形態に係る接合方法は、図1に示すように、第一金属部材1a及び第二金属部材1bを突き合せて形成された中空部に継手部材U1を挿入するとともに、第一金属部材1aと継手部材U1及び第二金属部材1bと継手部材U1との突合部を摩擦攪拌により接合することを特徴とするものである。
まず、本実施形態に係る接合方法の被接合金属部材1を詳細に説明するとともに、この被接合金属部材1を接合する際に用いられる第一タブ材2と第二タブ材3を詳細に説明する。
被接合金属部材1は、図2の(a)及び(b)に示すように、本実施形態では、端部に凹溝ka,kbが形成された一対の第一金属部材1a及び第二金属部材1bと、第一金属部材1aと第二金属部材1bとを突き合わせて形成した中空部に挿入される継手部材U(U1)とを有する。
第一金属部材1aは、断面視矩形を呈し、端面T1に一方の側面14aから他方の側面15aに向かって連続する断面視矩形の凹溝kaが形成されている。第二金属部材1bは、第一金属部材1aと略同等の形状からなる金属部材である。第二金属部材1bに形成された凹溝kbは、第一金属部材1aの凹溝kaと対向して配置されており、第一金属部材1a及び第二金属部材1bとを突き合わせることにより、中空部が形成される。
第一金属部材1a及び第二金属部材1bは、本実施形態では、同一組成の金属材料であって、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金など摩擦攪拌可能な金属材料からなる。
なお、図1に示すように、被接合金属部材1の表面を表面A、裏面を裏面B、一方の側面を第一側面C、他方の側面を第二側面Dとする。また、本実施形態における上下左右前後は、図1の矢印に従う。
継手部材U1は、断面視矩形を呈する直方体であって、継手部材U1の長手方向の両端面は、第一金属部材1a及び第二金属部材1bの両側面と面一となるように形成されている。継手部材U1の高さuは、第一金属部材1aの凹溝kaの高さk及び第二金属部材1bの凹溝kbの高さkと略同等に形成されている。また、継手部材U1の幅uは、凹溝kaの幅kと凹溝kbの幅kの和と略同等に形成されている。即ち、継手部材U1は、図2の(b)に示すように、被接合金属部材1の中空部に略隙間がないように挿入されている。継手部材U1は、本実施形態においては、第一金属部材1aと同等の材料からなる。
図1及び図2の(b)に示すように、被接合金属部材1の表面A側において、第一金属部材1aと第二金属部材1bとが突き合わされた部分を表面側突合部J1とする。また、被接合金属部材1の裏面B側において、第一金属部材1aと第二金属部材1bとが突き合わされた部分を裏面側突合部J2とする。また、第一側面C及び第二側面D側において、継手部材U1と第二金属部材1bとが突き合わされた部分を第二金属側継手突合部J3とする。また、継手部材U1と第一金属部材1aとが突き合わされた部分を第一金属側継手突合部J4とする。
第一タブ材2および第二タブ材3は、図3の(a)及び(b)に示すように、被接合金属部材1の突合部J1を挟むように配置されるものであって、それぞれ被接合金属部材1に添設され、第一側面C及び第二側面Dに現れる第一金属部材1aと第二金属部材1bの継ぎ目(境界線)を覆い隠す。第一タブ材2及び第二タブ材3の材質に特に制限はないが、本実施形態では、被接合金属部材1と同一組成の金属材料で形成している。また、第一タブ材2及び第二タブ材3の形状・寸法にも特に制限はないが、本実施形態では、その厚さ寸法を突合部J1における被接合金属部材1の厚さ寸法と同一にしている。
次に、図5を参照して、摩擦攪拌に用いる小型の回転ツールF(以下、「小型回転ツールF」という。)及び大型の回転ツールG(以下、「大型回転ツールG」という。)を詳細に説明する。
図5の(a)に示す小型回転ツールFは、工具鋼など被接合金属部材1よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部F1と、このショルダ部F1の下端面F11に突設された攪拌ピン(プローブ)F2とを備えて構成されている。小型回転ツールFの寸法・形状は、被接合金属部材1の材質や厚さ等に応じて設定すればよいが、少なくとも、後記する第一の本接合工程で用いる大型回転ツールG(図5の(b)参照)よりも小型にする。このようにすると、小さな負荷で接合を行うことが可能となるので、接合時に摩擦攪拌装置に掛かる負荷を低減することが可能となり、比較的複雑な経路であってもスムーズに摩擦攪拌することができる。さらには、小型回転ツールFの移動速度(送り速度)を大型回転ツールGの移動速度よりも高速にすることも可能になるので、接合に要する作業時間やコストを低減することが可能となる。
ショルダ部F1の下端面F11は、塑性流動化した金属を押えて周囲への飛散を防止する役割を担う部位であり、本実施形態では、凹面状に成形されている。ショルダ部F1の外径Xの大きさに特に制限はないが、本実施形態では、大型回転ツールGのショルダ部G1の外径Yよりも小さくなっている。
攪拌ピンF2は、ショルダ部F1の下端面F11の中央から垂下しており、本実施形態では、先細りの円錐台状に成形されている。また、攪拌ピンF2の周面には、螺旋状に刻設された攪拌翼が形成されている。攪拌ピンF2の外径の大きさに特に制限はないが、本実施形態では、最大外径(上端径)Xが大型回転ツールGの攪拌ピンG2の最大外径(上端径)Yよりも小さく、かつ、最小外径(下端径)Xが攪拌ピンG2の最小外径(下端径)Yよりも小さい。攪拌ピンF2の長さLは、大型回転ツールGの攪拌ピンG2の長さL(図5の(b)参照)よりも小さくすることが望ましい。
図5の(b)に示す大型回転ツールGは、工具鋼など被接合金属部材1よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部G1と、このショルダ部G1の下端面G11に突設された攪拌ピン(プローブ)G2とを備えて構成されている。
ショルダ部G1の下端面G11は、小型回転ツールFと同様に、凹面状に成形されている。攪拌ピンG2は、ショルダ部G1の下端面G11の中央から垂下しており、本実施形態では、先細りの円錐台状に成形されている。また、攪拌ピンG2の周面には、螺旋状に刻設された攪拌翼が形成されている。
以下、本実施形態に係る接合方法を詳細に説明する。本実施形態に係る接合方法は、(1)第一の準備工程、(2)第一の予備工程、(3)表面側接合工程、(4)第二の準備工程、(5)第二の予備工程、(6)裏面側接合工程、(7)タブ材切除工程、(8)第三の準備工程、(9)第一側面側接合工程、(10)第四の準備工程、(11)第二側面側接合工程、(12)タブ材切除工程、を含むものである。
(1)第一の準備工程
図2乃至図4を参照して第一の準備工程を説明する。第一の準備工程は、被接合金属部材1の摩擦攪拌の開始位置や終了位置が設けられる当て部材(第一タブ材2及び第二タブ材3)を準備する工程である。第一の準備工程は、本実施形態では、第一金属部材1a及び第二金属部材1bを突き合せて中空部に継手部材Uを挿入する突合工程と、被接合金属部材1の突合部J1の両側に第一タブ材2と第二タブ材3を配置するタブ材配置工程と、第一タブ材2と第二タブ材3を溶接により被接合金属部材1に仮接合する仮溶接工程と、被接合金属部材1を摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程と、を具備している。
(1-1)突合工程
突合工程では、図2及び図3に示すように、第一金属部材1aの端面T1に第二金属部材1bの端面T2を密着させるとともに、凹溝ka,kbによって形成された中空部に継手部材U1を挿入する。
また、図4等に示すように、第一金属部材1aの表面12aと第二金属部材1bの表面12bを面一にし、さらに、第一金属部材1aの裏面13aと第二金属部材1bの裏面13bを面一にする。また、同様に、第一金属部材1aの第一側面14aと第二金属部材1bの第一側面14bを面一にし、第一金属部材1aの第二側面15aと第二金属部材1bの第二側面15bを面一にする。
(1-2)タブ材配置工程
タブ材配置工程では、図2の(a)及び(b)に示すように、突合部J1の第二側面D側に第一タブ材2を配置して、その当接面を第二側面Dに当接させる。さらに、突合部J1の第一側面Cに第二タブ材3を配置して、その当接面31を第一側面Cに当接させる。このとき、図4の(b)に示すように、第一タブ材2の表面22と第二タブ材3の表面32を被接合金属部材1の表面Aと面一にするとともに、第一タブ材2の裏面23と第二タブ材3の裏面33を被接合金属部材1の裏面Bと面一にする。
(1-3)仮溶接工程
仮溶接工程では、図3の(a)及び(b)に示すように、被接合金属部材1と第一タブ材2とにより形成された入り隅部2a,2bを溶接して被接合金属部材1と第一タブ材2とを仮接合する。さらに、被接合金属部材1と第二タブ材3とにより形成された入り隅部3a,3bを溶接して被接合金属部材1と第二タブ材3とを仮接合する。
なお、入り隅部2a,2b及び3a,3bの全長に亘って連続して溶接を施してもよいし、断続して溶接を施してもよい。また、第一の準備工程において、仮溶接工程を省略する場合には、図示せぬ摩擦攪拌装置の架台上で、突合工程とタブ材配置工程を実行してもよい。
(1-4)被接合金属部材設置工程
被接合金属部材設置工程では、図7に示すように、被接合金属部材1の表面Aが上方を向くようにして、図示せぬ摩擦攪拌装置の架台に被接合金属部材1を固定する。なお、本実施形態においては、常に架台の上方から摩擦攪拌を行うものとする。
(2)第一の予備工程
第一の予備工程は、表面側接合工程に先立って行われる工程であり、本実施形態では、表面A側において、被接合金属部材1と第一タブ材2との突合部j2を接合する第一タブ材接合工程と、被接合金属部材1の突合部J1を仮接合する仮接合工程と、被接合金属部材1と第二タブ材3との突合部j3を接合する第二タブ材接合工程と、表面側接合工程における摩擦攪拌の開始位置に下穴を形成する下穴形成工程とを具備している。
第一の予備工程では、図7に示すように、一の小型回転ツールFを一筆書きの移動軌跡(ビード)を形成するように移動させて、突合部j2,J1,j3に対して連続して摩擦攪拌を行う。即ち、摩擦攪拌の開始位置SP1に挿入した小型回転ツールFの攪拌ピンF2(図5の(a)参照)を途中で離脱させることなく終了位置EP1まで移動させる。なお、本実施形態では、第一タブ材2に摩擦攪拌の開始位置SP1を設け、第二タブ材3に終了位置EP1を設けているが、開始位置SP1と終了位置EP1の位置を限定する趣旨ではない。また、本実施形態では、小型回転ツールF及び大型回転ツールGの回転方向は、全て右回転で行うものとする。このように、小型回転ツールF及び大型回転ツールGの回転方向を統一することで、作業手間を省略することができる。
本実施形態の第一の予備工程における摩擦攪拌の手順を図6及び図7を参照してより詳細に説明する。
まず、図6の(a)に示すように、第一タブ材2の適所に設けた開始位置SP1の直上に小型回転ツールFを位置させ、続いて、小型回転ツールFを右回転させつつ下降させて攪拌ピンF2を開始位置SP1に押し付ける。小型回転ツールFの回転速度は、攪拌ピンF2の寸法・形状、摩擦攪拌される被接合金属部材1等の材質や肉厚等に応じて設定されるものであるが、多くの場合、500〜2000(rpm)の範囲内において設定される。
攪拌ピンF2が第一タブ材2の表面22に接触すると、摩擦熱によって攪拌ピンF2の周囲にある金属が塑性流動化し、図6の(b)に示すように、攪拌ピンF2が第一タブ材2に挿入される。
攪拌ピンF2の全体が第一タブ材2に入り込み、かつ、ショルダ部F1の下端面F11の全面が第一タブ材2の表面22に接触したら、図7に示すように、小型回転ツールFを回転させつつ第一タブ材接合工程の始点s2に向けて相対移動させる。
小型回転ツールFの移動速度(送り速度)は、攪拌ピンF2の寸法・形状、摩擦攪拌される被接合金属部材1等の材質や肉厚等に応じて設定されるものであるが、多くの場合、100〜1000(mm/分)の範囲内において設定される。小型回転ツールFの移動時の回転速度は、挿入時の回転速度と同じか、それよりも低速にする。なお、小型回転ツールFを移動させる際には、ショルダ部F1の軸線を鉛直線に対して進行方向の後ろ側へ僅かに傾斜させてもよいが、傾斜させずに鉛直にすると、小型回転ツールFの方向転換が容易となり、複雑な動きが可能となる。小型回転ツールFを移動させると、その攪拌ピンF2の周囲にある金属が順次塑性流動化するとともに、攪拌ピンF2から離れた位置では、塑性流動化していた金属が再び硬化する。
小型回転ツールFを相対移動させて第一タブ材接合工程の始点s2まで連続して摩擦攪拌を行ったら、始点s2で小型回転ツールFを離脱させずにそのまま第一タブ材接合工程に移行する。
(2-1)第一タブ材接合工程
第一タブ材接合工程では、第一タブ材2と被接合金属部材1との突合部j2に対して摩擦攪拌を行う。具体的には、被接合金属部材1と第一タブ材2の継ぎ目(境界線)上に摩擦攪拌のルートを設定し、当該ルートに沿って小型回転ツールFを相対移動させることで、突合部j2に対して摩擦攪拌を行う。なお、本実施形態では、小型回転ツールFを途中で離脱させることなく第一タブ材接合工程の始点s2から終点e2まで連続して摩擦攪拌を行う。
なお、小型回転ツールFを右回転させた場合には、小型回転ツールFの進行方向の左側に微細な空洞欠陥が発生する虞があるので、小型回転ツールFの進行方向の右側に被接合金属部材1が位置するように第一タブ材接合工程の始点s2と終点e2の位置を設定することが望ましい。このようにすると、被接合金属部材1側に空洞欠陥が発生し難くなるので、高品質の接合体を得ることが可能となる。
ちなみに、小型回転ツールFを左回転させた場合には、小型回転ツールFの進行方向の右側に微細な空洞欠陥が発生する虞があるので、小型回転ツールFの進行方向の左側に被接合金属部材1が位置するように第一タブ材接合工程の始点と終点の位置を設定することが望ましい。具体的には、図示は省略するが、小型回転ツールFを右回転させた場合の終点e2の位置に始点を設け、小型回転ツールFを右回転させた場合の始点s2の位置に終点を設ければよい。
なお、小型回転ツールFの攪拌ピンF2が突合部j2に入り込むと、被接合金属部材1と第一タブ材2を引き離そうとする力が作用するが、被接合金属部材1と第一タブ材2により形成された入り隅部2a,2b(図3参照)を溶接により仮接合しているので、被接合金属部材1と第一タブ材2との間に目開きが発生することがない。
(2-2)仮接合工程
小型回転ツールFが第一タブ材接合工程の終点e2に達したら、終点e2で摩擦攪拌を終了させずに仮接合工程の始点s1まで連続して摩擦攪拌を行い、そのまま仮接合工程に移行する。即ち、第一タブ材接合工程の終点e2から仮接合工程の始点s1まで小型回転ツールFを離脱させずに摩擦攪拌を継続し、さらに、始点s1で小型回転ツールFを離脱させることなく仮接合工程に移行する。このようにすると、第一タブ材接合工程の終点e2での小型回転ツールFの離脱作業が不要となり、さらに、仮接合工程の始点s1での小型回転ツールFの挿入作業が不要となることから、予備的な接合作業の効率化・迅速化を図ることが可能となる。
本実施形態では、第一タブ材接合工程の終点e2から仮接合工程の始点s1に至る摩擦攪拌のルートを第一タブ材2に設定し、小型回転ツールFを第一タブ材接合工程の終点e2から仮接合工程の始点s1に移動させる際の移動軌跡を第一タブ材2に形成する。このようにすると、第一タブ材接合工程の終点e2から仮接合工程の始点s1に至る工程中において、被接合金属部材1に空洞欠陥が発生し難くなるので、高品質の接合体を得ることが可能となる。
仮接合工程では、被接合金属部材1の表面側突合部J1(図7参照)に対して摩擦攪拌を行う。具体的には、被接合金属部材1の継ぎ目(境界線)上に摩擦攪拌のルートを設定し、当該ルートに沿って小型回転ツールFを相対移動させることで、表面側突合部J1の全長に亘って連続して摩擦攪拌を行う。なお、本実施形態では、小型回転ツールFを途中で離脱させることなく仮接合工程の始点s1から終点e1まで連続して摩擦攪拌を行う。
小型回転ツールFが仮接合工程の終点e1に達したら、終点e1で摩擦攪拌を終了させずに第二タブ材接合工程の始点s3まで連続して摩擦攪拌を行い、そのまま第二タブ材接合工程に移行する。即ち、仮接合工程の終点e1から第二タブ材接合工程の始点s3まで小型回転ツールFを離脱させずに摩擦攪拌を継続し、さらに、始点s3で小型回転ツールFを離脱させることなく第二タブ材接合工程に移行する。
本実施形態では、仮接合工程の終点e1から第二タブ材接合工程の始点s3に至る摩擦攪拌のルートを第二タブ材3に設定し、小型回転ツールFを仮接合工程の終点e1から第二タブ材接合工程の始点s3に移動させる際の移動軌跡を第二タブ材3に形成する。このようにすると、仮接合工程の終点e1から第二タブ材接合工程の始点s3に至る工程中において、被接合金属部材1に空洞欠陥が発生し難くなるので、高品質の接合体を得ることが可能となる。
(2-3)第二タブ材接合工程
第二タブ材接合工程では、被接合金属部材1と第二タブ材3との突合部j3に対して摩擦攪拌を行う。具体的には、被接合金属部材1と第二タブ材3の継ぎ目(境界線)上に摩擦攪拌のルートを設定し、当該ルートに沿って小型回転ツールFを相対移動させることで、突合部j3に対して摩擦攪拌を行う。なお、本実施形態では、小型回転ツールFを途中で離脱させることなく第二タブ材接合工程の始点s3から終点e3まで連続して摩擦攪拌を行う。
なお、小型回転ツールFを右回転させているので、小型回転ツールFの進行方向の右側に被接合金属部材1が位置するように第二タブ材接合工程の始点s3と終点e3の位置を設定する。
また、小型回転ツールFの攪拌ピンF2が突合部j3に入り込むと、被接合金属部材1と第二タブ材3を引き離そうとする力が作用するが、被接合金属部材1と第二タブ材3の入り隅部3a,3b(図3参照)を溶接により仮接合しているので、被接合金属部材1と第二タブ材3との間に目開きが発生することがない。
小型回転ツールFが第二タブ材接合工程の終点e3に達したら、終点e3で摩擦攪拌を終了させずに、第二タブ材3に設けた終了位置EP1まで連続して摩擦攪拌を行う。なお、本実施形態では、被接合金属部材1の表面A側に現れる継ぎ目(境界線)の延長線上に終了位置EP1を設けている。ちなみに、終了位置EP1は、後記する表面側接合工程における摩擦攪拌の開始位置SM1でもある。
小型回転ツールFが終了位置EP1に達したら、小型回転ツールFを回転させつつ上昇させて攪拌ピンF2を終了位置EP1から離脱させる。
以上、第一タブ材接合工程、仮接合工程及び第二タブ材接合工程について説明したが、
各接合工程における軌跡はあくまで例示であって、他の形態であってもよい。また、第一タブ材接合工程及び第二タブ材接合工程を省略して、仮接合工程のみ行ってもよい。
(2-4)下穴形成工程
続いて、下穴形成工程を実行する。下穴形成工程は、図5の(b)に示すように、表面側接合工程における摩擦攪拌の開始位置に下穴P1を形成する工程である。第一の予備工程に係る下穴形成工程においては、第二タブ材3の表面32に設定されたSM1に下穴P1を形成する。
下穴P1は、大型回転ツールGの攪拌ピンG2の挿入抵抗(圧入抵抗)を低減する目的で設けられるものであり、本実施形態では、小型回転ツールFの攪拌ピンF2(図5の(a)参照)を離脱させたときに形成される抜き穴H1を図示せぬドリルなどで拡径することで形成される。抜き穴H1を利用すれば、下穴P1の形成工程を簡略化することができるので、作業時間を短縮することが可能となる。下穴P1の形態に特に制限はないが、本実施形態では、円筒状としている。なお、本実施形態では、第二タブ材3に下穴P1を形成しているが、下穴P1の位置に特に制限はなく、第一タブ材2に形成してもよいし、突合部j2,j3に形成してもよいが、好適には、本実施形態の如く被接合金属部材1の表面A側に現れる被接合金属部材1の継ぎ目(境界線)の延長線上に形成することが望ましい。
なお、本実施形態では、小型回転ツールFの攪拌ピンF2(図5の(a)参照)の抜き穴H1を拡径して下穴P1とする場合を例示したが、攪拌ピンF2の最大外径Xが大型回転ツールGの攪拌ピンG2の最小外径Yよりも大きく、かつ、攪拌ピンF2の最大外径Xが攪拌ピンG2の最大外径Yよりも小さい(Y<X<Y)場合などにおいては、攪拌ピンF2の抜き穴H1をそのまま下穴P1としてもよい。
(3)表面側接合工程
表面側接合工程は、被接合金属部材1の表面A側における表面側突合部J1を本格的に接合する工程である。本実施形態に係る表面側接合工程では、図5の(b)に示す大型回転ツールGを使用し、仮接合された状態の表面側突合部J1に対して被接合金属部材1の表面A側から摩擦攪拌を行う。
表面側接合工程では、図8の(a)〜(c)に示すように、開始位置SM1に形成した下穴P1に大型回転ツールGの攪拌ピンG2を挿入(圧入)し、挿入した攪拌ピンG2を途中で離脱させることなく終了位置EM1まで移動させる。即ち、表面側接合工程では、下穴P1から摩擦攪拌を開始し、終了位置EM1まで連続して摩擦攪拌を行う。
ここで、前記した第一の予備工程を終了した時点では、小型回転ツールFを備えた摩擦攪拌装置は、第二タブ材3の終了位置EP1の直上(図7参照)に位置しているため、表面側接合工程の開始位置をSM1にすると、大型回転ツールGを備えた摩擦攪拌装置を移動させることなく表面側接合工程を行うことができ、作業を簡略化できる。
なお、本実施形態では、第二タブ材3に摩擦攪拌の開始位置SM1を設け、第一タブ材2に終了位置EM1を設けているが、開始位置SM1と終了位置EM1の位置を限定する趣旨ではない。
図8の(a)〜(c)を参照して表面側接合工程をより詳細に説明する。
まず、図8の(a)に示すように、下穴P1(開始位置SM1)の直上に大型回転ツールGを位置させ、続いて、大型回転ツールGを右回転させつつ下降させて攪拌ピンG2の先端を下穴P1に挿入する。攪拌ピンG2を下穴P1に入り込ませると、攪拌ピンG2の周面(側面)が下穴P1の穴壁に当接し、穴壁から金属が塑性流動化する。このような状態になると、塑性流動化した金属を攪拌ピンG2の周面で押し退けながら、攪拌ピンG2が圧入されることになるので、圧入初期段階における圧入抵抗を低減することが可能となる。また、大型回転ツールGのショルダ部G1が第二タブ材3の表面32に当接する前に攪拌ピンG2が下穴P1の穴壁に当接して摩擦熱が発生するので、塑性流動化するまでの時間を短縮することが可能となる。つまり、摩擦攪拌装置の負荷を低減することが可能となり、加えて、本接合に要する作業時間を短縮することが可能となる。
攪拌ピンG2の全体が第二タブ材3に入り込み、かつ、ショルダ部G1の下端面G11の全面が第二タブ材3の表面32に接触したら、図8の(b)に示すように、摩擦攪拌を行いながら被接合金属部材1の表面側突合部J1の一端に向けて大型回転ツールGを相対移動させ、さらに、突合部j3を横切らせて表面側突合部J1に突入させる。大型回転ツールGを移動させると、その攪拌ピンG2の周囲にある金属が順次塑性流動化するとともに、攪拌ピンG2から離れた位置では、塑性流動化していた金属が再び硬化して塑性化領域(以下、「表面側塑性化領域W1」という。)が形成される。
表面側塑性化領域W1の深さWaは、本実施形態においては、被接合金属部材1の表面Aから継手部材U1の上面までの距離uよりも大きくなるように形成するのが好ましい。即ち、表面側塑性化領域W1を継手部材U1に接触させることにより、表面側突合部J1の深さ方向の全長に亘って摩擦攪拌を行うことができるため、より製品の質を高めることができる。
大型回転ツールGの移動速度(送り速度)は、攪拌ピンG2の寸法・形状、摩擦攪拌される被接合金属部材1等の材質や肉厚等に応じて設定されるものであるが、多くの場合、30〜300(mm/分)の範囲内において設定される。
被接合金属部材1への入熱量が過大になる虞がある場合には、大型回転ツールGの周囲に表面A側から水を供給するなどして冷却することが望ましい。なお、第一金属部材1a及び第二金属部材1b間に冷却水が入り込むと、接合面(端面T1,T2、図3の(b)参照)に酸化皮膜を発生させる虞があるが、本実施形態においては、仮接合工程を実行して目地を閉塞しているので、被接合金属部材1間に冷却水が入り込み難く、接合部の品質を劣化させる虞がない。
被接合金属部材1の表面側突合部J1では、被接合金属部材1の継ぎ目上(仮接合工程における移動軌跡上)に摩擦攪拌のルートを設定し、当該ルートに沿って大型回転ツールGを相対移動させることで、表面側突合部J1の一端から他端まで連続して摩擦攪拌を行う。表面側突合部J1の他端まで大型回転ツールGを相対移動させたら、摩擦攪拌を行いながら突合部j2を横切らせ、そのまま終了位置EM1に向けて相対移動させる。
なお、本実施形態では、被接合金属部材1の表面A側に現れる被接合金属部材1の継ぎ目(境界線)の延長線上に摩擦攪拌の開始位置SM1を設定しているので、表面側接合工程における摩擦攪拌のルートが一直線にすることができる。摩擦攪拌のルートを一直線にすると、大型回転ツールGの移動距離を最小限に抑えることができるので、表面側接合工程を効率よく行うことが可能となり、さらには、大型回転ツールGの磨耗量を低減することが可能となる。
大型回転ツールGが終了位置EM1に達したら、図8の(c)に示すように、大型回転ツールGを回転させつつ上昇させて攪拌ピンG2を終了位置EM1(図7の(b)参照)から離脱させる。なお、終了位置EM1において攪拌ピンG2を上方に離脱させると、攪拌ピンG2と略同形の抜き穴Q1が不可避的に形成されることになるが、本実施形態では、そのまま残置する。
大型回転ツールGの攪拌ピンG2を終了位置EM1から離脱させる際の大型回転ツールGの回転速度(離脱時の回転速度)は、移動時の回転速度よりも高速にすることが望ましい。このようにすると、離脱時の回転速度を移動時の回転速度と同じにした場合に比べて、攪拌ピンG2の離脱抵抗が小さくなるので、終了位置EM1における攪拌ピンG2の離脱作業を迅速に行うことが可能となる。
なお、本実施形態においては、表面側接合工程の前に、第一の予備工程を行ったが、第一の予備工程を省略して、第一の準備工程の直後に表面側接合工程を行ってもよい。
(4)第二の準備工程
第二の準備工程は、第二の予備工程に先だって行われる準備工程である。本実施形態では、被接合金属部材1の裏面B側を上方に向けて、図示しない摩擦攪拌装置に再度設置する被接合金属部材設置工程を具備するものである。
(4-1)被接合金属部材設置工程
被接合金属部材設置工程では、表面側接合工程を終えた被接合金属部材1の拘束を解いた後、被接合金属部材1の表裏を逆にして、裏面B側を上方に向け、摩擦攪拌装置の架台に再度設置する。本実施形態では、図1に示す前後軸回りに被接合金属部材1を半回転させて、被接合金属部材1の表裏を逆にする。
ここで、図9の(a)は、本実施形態に係る第二の準備工程の被接合金属部材設置工程後において、表面側突合部J1から第一金属部材1a側を臨む断面図である。図9の(a)に示すように、被接合金属部材設置工程では、被接合金属部材1の上面が裏面Bとなるとともに、表面側突合部J1側から第一金属部材1aを臨むと、被接合金属部材1の左側に第二タブ材3、右側に第一タブ材2が位置する。
なお、摩擦攪拌装置によっては、被接合金属部材1の拘束を解かずに表裏を回転させてもよい。
(5)第二の予備工程
第二の予備工程は、裏面側接合工程に先だって行われる工程であり、裏面B側において、被接合金属部材1と第二タブ材3との突合部j3を接合する第二タブ材接合工程と、被接合金属部材1の突合部J2を仮接合する仮接合工程と、被接合金属部材1と第一タブ材2との突合部j2を接合する第一タブ材接合工程と、裏面側接合工程における摩擦攪拌の開始位置に下穴を形成する下穴形成工程とを具備している。
(5-1)第二タブ材接合工程、(5-2)仮接合工程及び(5-3)第一タブ材接合工程
(5-1)第二タブ材接合工程、(5-2)仮接合工程及び(5-3)第一タブ材接合工程は、前記した第一の予備工程に係る(2-3)第二タブ材接合工程、(2-2)仮接合工程及び(2-1)第一タブ材接合工程と略同等の工程である。図9の(b)に示すように、一の小型回転ツールFを一筆書きの移動軌跡(ビード)を形成するように移動させて、突合部j3,J2,j2の順で連続して摩擦攪拌を行う。即ち、摩擦攪拌の開始位置SP2に挿入した小型回転ツールFの攪拌ピンF2(図5の(a)参照)を途中で離脱させることなく終了位置EP2まで移動させ、(5-1)第二タブ材接合工程、(5-2)仮接合工程及び(5-3)第一タブ材接合工程、を連続して実行する。なお、終了位置EP2は、後に行う裏面側接合工程の開始位置SM2となる。
ここで、第一の予備工程では、図7に示すように、第一タブ材2側から、(2-1)第一タブ材接合工程、(2-2)仮接合工程及び(2-3)第二タブ材接合工程を順次行った。一方、第二の予備工程では、裏面側突合部J2から第一金属部材1a側を臨むと、第二タブ材3が被接合金属部材1の左側に位置するとともに、表面側接合工程を終えた時点で、大型回転ツールGを備えた摩擦攪拌装置が第二タブ材3の上方に位置しているため、第二タブ材3側から(5-1)第二タブ材接合工程、(5-2)仮接合工程及び(5-3)第一タブ材接合工程を順次行う。このようにすると、小型回転ツールFを備えた摩擦攪拌装置の移動距離が小さくて済むため、作業を省力化できる。
なお、(5-1)第二タブ材接合工程、(5-2)仮接合工程及び(5-3)第一タブ材接合工程の詳細な説明は、第一予備工程と略同等であるため省略する。
(5-4)下穴形成工程
下穴形成工程は、図10の(a)に示すように、裏面側接合工程における摩擦攪拌の開始位置SM2に下穴P2を形成する工程である。即ち、下穴形成工程は、大型回転ツールGの攪拌ピンG2の挿入予定位置に下穴P2を形成する工程である。これにより、大型回転ツールGの攪拌ピンG2の挿入抵抗(圧入抵抗)を低減することができる。
なお、(5-4)下穴形成工程は、第一の予備工程に係る(2-4)下穴形成工程と略同等であるため、詳細な説明は省略する。
(6)裏面側接合工程
裏面側接合工程は、被接合金属部材1の裏面B側における裏面側突合部J2を本格的に接合する工程である。本実施形態に係る裏面側接合工程では、大型回転ツールGを使用し、仮接合された状態の裏面側突合部J2に対して被接合金属部材1の裏面B側から摩擦攪拌を行う。
裏面側接合工程は、図10の(a)及び(b)に示すように、第一タブ材2の裏面23に設定されたSM2に大型回転ツールGの攪拌ピンG2を挿入(圧入)し、挿入した攪拌ピンG2を途中で離脱させることなく終了位置EM2まで移動させる。裏面側接合工程では、下穴P2から摩擦攪拌を開始し、終了位置EM2まで連続して摩擦攪拌を行う。大型回転ツールGを移動させると、その攪拌ピンG2の周囲にある金属が順次塑性流動化するとともに、攪拌ピンG2から離れた位置では、塑性流動化していた金属が再び硬化して塑性化領域(以下、「裏面側塑性化領域W2」という。)が形成される。
裏面側塑性化領域W2の深さWaは、本実施形態においては、被接合金属部材1の裏面Bから継手部材U1の上面までの距離uaよりも大きくなるように形成するのが好ましい。即ち、裏面側塑性化領域W2を継手部材U1に接触させることにより、突合部J2の深さ方向の全長に亘って摩擦攪拌を行うことができるため、より製品の質を高めることができる。
ここで、第二の予備工程を終了した時点では、小型回転ツールFを備えた摩擦攪拌装置は、第一タブ材2の終了位置EP2の直上(図9の(b)参照)に位置しているため、裏面側接合工程の開始位置SM2を第一タブ材2の上方に設定すると、大型回転ツールGを備えた摩擦攪拌装置を移動させることなく表面側接合工程を行うことができ、作業を省略化できる。
なお、裏面側接合工程については、表面側接合工程と略同等であるため、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態においては、第二の予備工程を行ったが、第二の予備工程を省略して、表面側接合工程の直後に裏面側接合工程を行ってもよい。
(7)タブ材切除工程
タブ材切除工程では、第一タブ材2及び第二タブ材3を被接合金属部材1から切除する。本実施形態では、裏面側接合工程を終えた被接合金属部材1を摩擦攪拌装置の架台から一旦外し、図示しない切削器具を用いて突合部j2,j3に沿って第一タブ材2及び第二タブ材3を切除する。
図11は、タブ材切除工程を行った後の被接合金属部材1を示した斜視図である。図11に示すように、表面側塑性化領域W1及び裏面側塑性化領域W2は、第一側面C側から第二側面D側に亘って連続して形成されている。
ここで、表面側塑性化領域W1及び裏面側塑性化領域W2には、大型回転ツールGの進行方向(矢印V,V参照)左側、即ち、第二金属部材1bに、第一側面C側から第二側面D側に亘って連続する図示しないトンネル状空洞欠陥が発生する可能性がある。
また、表面側塑性化領域W1及び裏面側塑性化領域W2の両端には、図示せぬ酸化皮膜が巻き込まれる可能性がある。酸化皮膜は、第一側面C及び第二タブ材3、第二側面D及び第一タブ材2に形成された酸化皮膜を被接合金属部材1の内部に巻き込むことにより、形成されるものである。
したがって、トンネル状の空洞欠陥や酸化被膜が形成されている場合は、溶接を行って溶接金属によりこれらの欠陥(空隙)を埋める補修を行ってもよい。
(8)第三の準備工程
第三の準備工程は、第一側面側接合工程に先だって行われる工程であって、被接合金属部材1の摩擦攪拌の開始位置や終了位置が設けられる第一タブ材2及び第二タブ材3を準備する工程である。第三の準備工程は、本実施形態では、被接合金属部材1の表面A及び裏面Bに第一タブ材2と第二タブ材3を配置するタブ材配置工程と、第一タブ材2と第二タブ材3を溶接により被接合金属部材1に仮接合する仮溶接工程と、被接合金属部材1を摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程と、を具備している。
(8-1)タブ材配置工程
タブ材配置工程は、図12の(a)に示すように、被接合金属部材1の表面側塑性化領域W1の長手方向に沿って第一タブ材2を配置するとともに、裏面側塑性化領域W2の長手方向に沿って第二タブ材3を配置する工程である。第一タブ材2と第二タブ材3の表面及び裏面は、第一側面C及び第二側面Dと面一になるように形成する。
(8-1)タブ材配置工程は、(1-2)タブ材配置工程と略同等であるため、詳細な説明は省略する。
(8-2)仮溶接工程
仮溶接工程は、図12(a)に示すように、被接合金属部材1と第一タブ材2とにより形成された入り隅部を溶接して被接合金属部材1と第一タブ材2とを仮接合する。さらに、被接合金属部材1と第二タブ材3とにより形成された入り隅部を溶接して被接合金属部材1と第二タブ材3とを仮接合する。
(8-3)被接合金属部材設置工程
被接合金属部材設置工程では、図12の(a)に示すように、被接合金属部材1の第一側面Cが上方を向くようにして、図示せぬ摩擦攪拌装置の架台に被接合金属部材1を固定する。
なお、摩擦攪拌装置の上で第一タブ材2及び第二タブ材3を配置し、被接合金属部材設置工程を行ってから仮溶接接合を行ってもよい。
(9)第一側面側接合工程
第一側面側接合工程は、第一側面Cにおいて、第一金属部材1a及び第二金属部材1bとの表面側突合部J1、裏面側突合部J2及び第一金属部材1aと継手部材U1との第二金属側継手突合部J3、第二金属部材1bと継手部材U2との第一金属側継手突合部J4に対して、一筆書きの要領で摩擦攪拌接合を行うものである。
第一側面側接合工程は、本実施形態では、表面A側の表面側突合部J1を摩擦攪拌する表面側突合部接合工程と、第二金属部材1bと継手部材U1との第二金属側継手突合部J3を摩擦攪拌する第二金属側突合部接合工程と、裏面B側の裏面側突合部J2を摩擦攪拌する裏面側突合部接合工程と、裏面側突合部J2を再度摩擦攪拌する裏面側突合部再接合工程と、第一金属部材1aと継手部材U1との第一金属側継手突合部J4を摩擦攪拌する第一金属側継手突合部接合工程と、表面A側の表面側突合部J1を再度摩擦攪拌する表面側突合部再接合工程と、を具備するものである。
なお、第一側面側接合工程においては、比較的小回りの効く小型回転ツールFを右回転させて行う。
(9-1)表面側突合部接合工程
表面側突合部接合工程は、図12の(a)に示すように、第一側面Cに露出する表面側突合部J1に対して摩擦攪拌を行う工程である。本実施形態においては、前記した表面側接合工程において、第一側面Cに露出する表面側突合部J1の全長に亘って摩擦攪拌が行われているため、表面側塑性化領域W1を再度摩擦攪拌することとなる。
つまり、本実施形態に係る表面側突合部接合工程は、第一タブ材2に設定された開始位置SM3から、表面側突合部J1と継手部材U1とが当接する当接点f2まで連続して摩擦攪拌を行う。第一タブ材2に設定された開始位置SM3に小型回転ツールFを押圧した後、小型回転ツールFを表面側突合部接合工程の始点f1まで移動させる。そして、小型回転ツールFを離脱させることなく、当接点f2まで移動させる。
表面側突合部接合工程によれば、表面側塑性化領域W1を再度摩擦攪拌することにより、より確実に摩擦攪拌することができる。また、表面側塑性化領域W1に、酸化被膜の巻き込みや、空洞欠陥が生じている場合であっても、表面側突合部接合工程によってこれらの欠陥を好適に補修することができる。
(9-2)第二金属側継手突合部接合工程
第二金属側継手突合部接合工程は、第二金属部材1bと継手部材U1との第二金属側継手突合部J3に対して摩擦攪拌を行う工程である。小型回転ツールFを当接点f2まで移動させたら、離脱させることなくそのまま第二金属側継手突合部接合工程に移行する。そして、第二金属側継手突合部J3に沿って摩擦攪拌を行い、裏面側突合部J2と継手部材U1との当接点f3まで小型回転ツールFを移動させる。
(9-3)裏面側突合部接合工程
裏面側突合部接合工程は、第一側面Cに露出する裏面側突合部J2に対して摩擦攪拌を行う工程である。本実施形態においては、前記した裏面側接合工程において、第一側面Cに露出する裏面側突合部J2の全長に亘って摩擦攪拌が行われているため、裏面側塑性化領域W2を再度摩擦攪拌することとなる。
つまり、本実施形態に係る裏面側突合部接合工程は、当接点f3から第二タブ材3に設置された折返し点RM3まで連続して摩擦攪拌を行う工程である。即ち、小型回転ツールFを当接点f3まで移動させたら、離脱させることなくそのまま裏面側突合部接合工程に移行する。そして、第二タブ材3と被接合金属部材1の裏面Bとの突合部j3に設定された裏面側突合部接合工程の終点f4を通過して、折返し点RM3まで小型回転ツールFを移動させる。
これにより、裏面側突合部J2に対してより確実に摩擦攪拌を行うことができる。また、裏面側塑性化領域W2に、酸化被膜の巻き込みや、空洞欠陥が生じている場合であっても、これらの欠陥を好適に補修することができる。
(9-4)裏面側突合部再接合工程
裏面側突合部再接合工程は、折返し点RM3から当接点f3まで連続して摩擦攪拌接合を行う工程である。小型回転ツールFを折返し点RM3まで移動させたら、離脱させることなくそのまま裏面側突合部再接合工程に移行する。つまり、(9-4)裏面側突合部再接合工程は、(9-3)裏面側突合部接合工程の進行方向が逆になる工程である。
(9-5)第一金属側継手突合部接合工程
第一金属側継手突合部接合工程は、図12の(b)に示すように、第一金属部材1aと継手部材U1との第一金属側継手突合部J4に対して摩擦攪拌を行う工程である。小型回転ツールFを当接点f3まで移動させたら、離脱させることなくそのまま第一金属側継手突合部接合工程に移行する。そして、第一金属側継手突合部J4に沿って摩擦攪拌を行い、当接点f2まで小型回転ツールFを移動させる。
(9-6)表面側突合部再接合工程
表面側突合部再接合工程は、当接点f2から開始位置SM3まで連続して摩擦攪拌接合を行う工程である。小型回転ツールFを当接点f2まで移動させたら、離脱させることなくそのまま表面側突合部再接合工程に移行する。つまり、(9-6)表面側突合部再接合工程は、(9-1)表面側突合部接合工程の進行方向が逆になる工程である。小型回転ツールFを終了位置EM3まで移動させたら、小型回転ツールFを第一タブ材2から離脱させる。
このように、第一側面側接合工程を行うことにより、表面側突合部J1(表面側塑性化領域W1)、裏面側突合部J2(裏面側塑性化領域W2)、第二金属側継手突合部J3及び第一金属側継手突合部J4に対して摩擦攪拌接合を行うことで、第一側面Cに露出する突合部を密閉することができる。また、一筆書きの要領で摩擦攪拌を行うことで、効率よく接合作業を行うことができる。
(10)第四の準備工程
第一側面側接合工程が終了したら、被接合金属部材1の拘束を一旦解いて、第二側面D側を上方に向けて再度、被接合金属部材1を摩擦攪拌装置に固定する。
(11)第二側面側接合工程
第二側面側接合工程は、第二側面Dにおいて、表面側突合部J1、裏面側突合部J2、第二金属側継手突合部J3及び第一金属側継手突合部J4に対して摩擦攪拌接合を行うことにより、第二側面Dに露出する突合部を密閉するものである。第二側面側接合工程は、第一側面側接合工程と略同等であるため、詳細な説明は省略する。
第一側面側接合工程及び第二側面側接合工程は、本実施形態においては前記したように行ったが、当該工程に限定されるものではない。小型回転ツールFの軌跡は他の軌跡であってもよいし、一筆書きの要領でなくてもよい。また、第一側面側接合工程によって、形成された第一側面側塑性化領域w3,w4にトンネル状欠陥や酸化被膜の巻き込みが生じている場合には、当該欠陥を溶接等によって充填するのが好ましい。
以上説明した第一実施形態によれば、被接合金属部材1の表面A及び裏面Bを摩擦攪拌した後、被接合金属部材1の第一側面C及び第二側面Dに露出する第二金属側継手突合部J3及び第一金属側継手突合部J4に対して摩擦攪拌を行うことにより未塑性化領域を密閉することができる。これにより、被接合金属部材1の両側面間の気密性及び水密性を向上させることができる。
また、第一金属部材1aと第二金属部材1bとを突き合わせて形成された中空部に継手部材Uを挿入して、継手部材Uと被接合金属部材1とを摩擦攪拌接合することで、接合部の強度を高めることができる。また、第一側面C及び第二側面Dの摩擦攪拌を一筆書きの要領で行うことで、生産効率を高めることができる。
なお、各工程において摩擦攪拌を行った後は、これらの工程によって発生したバリ等を除去して表面を平滑にしておくことが好ましい。これにより、各タブ材配置工程において、タブ材を被接合金属部材1に密着させることができる。
[第二実施形態]
第二実施形態は、第一実施形態の工程の順序を入れ替えた接合方法である。
第二実施形態に係る接合方法は、前記した(8)第三の準備工程、(9)第一側面側接合工程、(10)第四の準備工程及び(11)第二側面側接合工程を行った後に、(3)表面側接合工程、(4)裏面側接合工程を行ってもよい。
即ち、第一側面C及び第二側面Dを先に摩擦攪拌接合を行った後、表面A側及び裏面B側に摩擦攪拌を行ってもよい。このように、工程を入れ替えて先に側面側から摩擦攪拌接合を行っても、第一実施形態と略同じような効果が得られる。
[第三実施形態]
第三実施形態は、図13に示すように、第一金属部材20aの端面と、第二金属部材20bの側面とを突き合わせて被接合金属部材20を形成し、被接合金属部材20に露出する突合部に対して摩擦攪拌を行う点で第一実施形態と相違する。即ち、図14に示すように、第一金属部材20aと第二金属部材20bの端部には凹溝kc,kdがそれぞれ切り欠かれており、第一金属部材20aと第二金属部材20bとを突き合わせて形成した中空部に継手部材U2が挿入される。そして、第一金属部材20aと第二金属部材20bの突合部、第一金属部材20aと継手部材U2との突合部、第二金属部材20bと継手部材U2との突合部に摩擦攪拌接合が施される。
まず、第三実施形態に係る被接合金属部材20について説明する。
被接合金属部材20は、図13及び図14に示すように、第一金属部材20a、第二金属部材20b及び継手部材U2からなり、第一金属部材20aと第二金属部材20bとが平面視して略直角となるように形成されている。
第一金属部材20aは、断面視矩形を呈する金属部材であって、端面T1には、第一側面S1から第二側面S2に亘って連続する凹溝kcが形成されている。凹溝kcは、断面視矩形であって、高さp、幅p及び長さpで形成されている。
第二金属部材20bは、断面視矩形を呈する金属部材であって、端面T2には、第三側面S3から第四側面S4に亘って連続する凹溝kdが形成されている。凹溝kdは、断面視矩形であって、高さq、幅q及び長さqで形成されている。
継手部材U2は、直方体を呈する金属部材であって、第一金属部材20aの凹溝kcと、第二金属部材20bの凹溝kdとで形成された中空部に挿入されるものである。継手部材U2は、高さr、幅r及び長さrで形成されている。
第一金属部材20a、第二金属部材20b及び継手部材U2は、本実施形態においては、アルミニウム合金からなる。第一金属部材20a、第二金属部材20b及び継手部材U2は、例えば、アルミニウム、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金など摩擦攪拌可能な金属材料からなることが好ましい。
第一金属部材20aの凹溝kcの高さp、第二金属部材20bの凹溝kdの高さq及び継手部材U2の高さrは、略同等に形成されている。また、凹溝kcの長さp、凹溝kdの長さq及び継手部材U2の長さrは、略同等に形成されている。また、継手部材U2の幅rは、凹溝kcの幅pと凹溝kdの幅qとの和と略同等に形成されている。
即ち、継手部材U2は、図14及び図15の(a)乃至(c)に示すように、第一金属部材20aの端面T1と第二金属部材20bの第四側面S4とを突き合わせることにより、凹溝kcと凹溝kdとで形成された中空部に隙間なく挿入されるとともに、継手部材U2の側面S5と第一金属部材20aの第一側面S1とが面一に、継手部材U2の側面S6と第二金属部材20bの第三側面S3とが面一に形成されている。
ここで、被接合金属部材20の突合部について説明する。図15の(a)乃至(c)は、被接合金属部材20を3方向から見た斜視図である。
図15の(a)に示すように、被接合金属部材20の表面Aには、第一金属部材20aの端面T1(図14参照)と第二金属部材20bの第四側面S4とを突き合せて形成される表面側突合部J10が露出している。また、被接合金属部材20の裏面Bには、第一金属部材20aの端面T1と第二金属部材20bの第四側面S4とを突き合せて形成される裏面側突合部J11が露出している。
また、図15の(a)に示すように、第一金属部材20aの第一側面S1には、第一金属部材20aと継手部材U2とを突き合せて略コの字状に形成される第一継手突合部J20が露出している。また、図15の(c)に示すように、第一金属部材20aの第二側面S2には、第一金属部材20aと継手部材U2とを突き合せて略コの字状に形成される第二継手突合部J21が露出している。
また、図15の(a)及び図15の(c)に示すように、第一側面S1及び第二側面S2においてもそれぞれ表面側突合部J10及び裏面側突合部J11が露出している。
また、図15の(b)に示すように、第二金属部材20bの端面T2には、第二金属部材20bと継手部材U2の上面及び下面とを突き合せて形成される第三継手突合部J22が露出している。また、第二金属部材20bの第三側面S3には、第二金属部材20bと継手部材U2とを突き合せて略コの字状に形成される第四継手突合部J23が露出している。
次に、第三実施形態における具体的な接合方法について説明する。
第三実施形態に係る接合方法は、(1)第一の準備工程と、(2)第一の本接合工程と、(3)タブ材切除工程と、(4)第二の準備工程と、(5)第二の本接合工程と、(6)タブ材切除工程と、(7)第三の準備工程と、(8)第三の本接合工程と、(9)タブ材切除工程と、(10)第四の準備工程と、(11)第四の本接合工程と、(12)タブ材切除工程と、を具備するものである。
第三実施形態に係る接合方法は、タブ材の配置と切除を各工程ごとに行いながら、被接合金属部材の各突合部に対して摩擦攪拌接合を行うものである。タブ材は、工程ごとにそれぞれ新しいものを用いるものとする。
(1)第一の準備工程
第一の準備工程は、第一の本接合工程に先だって行われる工程であって、継手部材U2を第一金属部材20aに挿入する(1-1)第一挿入工程と、第一挿入工程で形成された中間部材にタブ材を配置する(1-2)タブ材配置工程と、中間部材とタブ材とを溶接する(1-3)仮溶接工程と、中間部材を摩擦攪拌装置に設置する(1-4)中間部材設置工程とを具備するものである。
(1-1)第一挿入工程
第一挿入工程は、図16の(a)に示すように、第一金属部材20aの凹溝kcに継手部材U2の一端側を挿入する工程である。第一挿入工程によって形成された部材を以下、中間部材21とする。
(1-2)タブ材配置工程
タブ材配置工程は、図16の(b)に示すように、中間部材21の入り隅部に一対の第一タブ材2、第二タブ材3を配置する工程である。第一タブ材2及び第二タブ材3の上面及び下面は、中間部材21の上面及び下面と面一に形成されている。
(1-3)仮溶接工程
仮溶接工程は、第一タブ材2と中間部材21との入り隅部2a,2b、第二タブ材3と中間部材21との入り隅部3a,3bに対して溶接を行うものである。これにより、後記する本接合工程においてタブ材と中間部材21との突合部を摩擦攪拌するときの目開きを防止することができる。
(1-4)中間部材設置工程
中間部材設置工程は、中間部材21を図示しない摩擦攪拌装置に固定する工程である。第三実施形態においては、図16の(b)に示すように、中間部材21の第一側面S1側を上面にして、中間部材21を摩擦攪拌装置に固定する。
(2)第一の本接合工程
第一の本接合工程は、第一金属部材20aと継手部材U2との突合部に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。第一の本接合工程は、中間部材21の第一側面S1から摩擦攪拌接合を行う第一継手突合部接合工程と、中間部材21を摩擦攪拌装置に再設置する中間部材再設置工程と、中間部材21の第二側面S2から摩擦攪拌接合を行う第二継手突合部接合工程と、を具備するものである。第一の本接合工程においては、比較的小回りの効く小型回転ツールFを用いる。
(2-1)第一継手突合部接合工程
第一継手突合部接合工程は、図16の(b)に示すように、第一継手突合部J20に沿って摩擦攪拌を行う工程である。第三実施形態においては、第一タブ材2に設定した開始位置SM1から第二タブ材3に設定した終了位置EM1まで一筆書きの要領で摩擦攪拌を行う。小型回転ツールFを第一タブ材2の開始位置SM1に押圧した後、第一継手突合部J20の始点h1に向けて移動させる。そして、第一継手突合部J20に沿って摩擦攪拌を行う。終点h2まで移動したら、離脱させることなくそのまま第二タブ材3に設定した終了位置EM1まで小型回転ツールFを移動させる。これにより、第一継手突合部J20には、第一継手塑性化領域w20が形成される。
(2-2)中間部材再設置工程
第一継手突合部接合工程が終了したら、一旦中間部材21の拘束を解いて、表裏を反転した後、中間部材21を再度摩擦攪拌装置に再度設置する。
(2-3)第二継手突合部接合工程
第二継手突合部接合工程は、具体的な図示はしないが、第一金属部材20aの第二側面S2側に露出する第二継手突合部J21(図15の(c)参照)に対して摩擦攪拌を行う工程である。第二継手突合部接合工程は、第一継手突合部接合工程と略同等であるため、詳細な説明は省略する。これにより、第二継手突合部J21には、第二継手塑性化領域w21(図21参照)が形成されている。
なお、第三実施形態においては、摩擦攪拌の開始位置SM1を第一タブ材2に設定したが、これに限定されるものではなく、第二タブ材3に設定してもよい。また、摩擦攪拌装置によっては、中間部材再設置工程を省略してもよい。
(3)タブ材切除工程
タブ材切除工程は、第一の本接合工程を終えた中間部材21から第一タブ材2及び第二タブ材3を切除する工程である。
(4)第二の準備工程
第二の準備工程は、第二の本接合工程に先だって行われる工程であって、図17に示すように、中間部材21を第二金属部材20bに挿入して被接合金属部材を形成する第二挿入工程と、被接合金属部材20にタブ材を配置するタブ材配置工程と、被接合金属部材20とタブ材とを溶接する仮溶接工程と、被接合金属部材20を摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程と、を具備するものである。
(4-1)第二挿入工程
第二挿入工程は、図17に示すように、中間部材21を第二金属部材20bに挿入する工程である。即ち、第二金属部材20bの凹溝kdと、中間部材21の継手部材U2に係る部分とを嵌め合わせて、第一金属部材20aの端面T1と第二金属部材20bの第四側面S4とを突き合わせ被接合金属部材20を形成する。
(4-2)タブ材配置工程
タブ材配置工程は、図18の(a)に示すように、被接合金属部材20のうち、表面側突合部J10に沿って、対向する一対の第一タブ材2及び第二タブ材3を配置する工程である。第一タブ材2は、第一金属部材20aの第一側面S1において、表面側突合部J10及び裏面側突合部J11に沿って配置される。また、第二タブ材3は、第一金属部材20aと第二金属部材20bとで形成された入り隅部に配置される。
(4-3)仮溶接工程
仮溶接工程は、第一タブ材2と被接合金属部材20並びに第二タブ材3と被接合金属部材20に対して溶接を行うものである。これにより、後記する本接合工程においてタブ材と被接合金属部材20との突合部を摩擦攪拌するときの目開きを防止することができる。
(4-4)被接合金属部材設置工程
被接合金属部材設置工程は、被接合金属部材20を図示しない摩擦攪拌装置に固定する工程である。第三実施形態においては、図18の(a)に示すように、被接合金属部材20の表面A側を上方に向けて摩擦攪拌装置に固定する。
(5)第二の本接合工程
第二の本接合工程は、被接合金属部材20の表面A側及び裏面B側から表面側突合部J10及び裏面側突合部J11に沿って摩擦攪拌接合を行う工程である。第二の本接合工程は、表面側突合部J10に対して摩擦攪拌を行う表面側突合部接合工程と、被接合金属部材20を反転させて再度設置する被接合金属部材再設置工程と、裏面側突合部J11に対して摩擦攪拌を行う裏面側突合部接合工程と、を具備するものである。なお、第二の本接合工程においては、大型回転ツールGを用いる。
(5-1)表面側突合部接合工程
表面側突合部接合工程は、図18の(a)に示すように、表面側突合部J10に対して摩擦攪拌を行う工程である。表面側突合部接合工程は、第三実施形態においては、第一タブ材2に設定された開始位置SM2から、第二タブ材3に設定された終了位置EM2まで連続して摩擦攪拌を行う。即ち、開始位置SM2に大型回転ツールGを押圧した後、表面側突合部接合工程の始点h3まで大型回転ツールGを移動させて、離脱させることなく終点h4を通過して、終了位置EM2に到達したら大型回転ツールGを上方に引き抜く。これにより、表面側突合部J10には、表面側塑性化領域W10が形成される。
(5-2)被接合金属部材再設置工程
表面側突合部接合工程が終了したら、一旦被接合金属部材20の拘束を解いて表裏を反転した後、被接合金属部材20を摩擦攪拌装置に再度設置する。
(5-3)裏面側突合部接合工程
裏面側突合部接合工程は、具体的な図示はしないが、被接合金属部材20の裏面に露出する裏面側突合部J11に対して摩擦攪拌を行う工程である。裏面側突合部接合工程は、表面側突合部接合工程と略同等であるため、詳細な説明は省略する。これにより、裏面側突合部J11には、裏面側塑性化領域W11が形成される。
なお、表面側突合部接合工程及び裏面側突合部接合工程を行う前に、第一タブ材2及び第二タブ材3に予め下穴を設けてもよい。
(6)タブ材切除工程
タブ材切除工程は、第二の本接合工程を終えた被接合金属部材20から第一タブ材2及び第二タブ材3を切除する工程である。
なお、図18の(b)は、図18の(a)のV−V線断面図である。図18の(b)に示すように、表面側塑性化領域W10の深さWaは、被接合金属部材20の表面Aから継手部材U2までの距離uaよりも大きくなるように形成されている。このように、表面側塑性化領域W10が継手部材U2に接触することにより、表面側突合部J10の深さ方向の全長に亘って確実に摩擦攪拌を行うことができる。また、第一継手塑性化領域w20と表面側塑性化領域W10並びに第一継手塑性化領域w20と裏面側塑性化領域W11とを重複させることで、表面側突合部J10、裏面側突合部J11及び第一継手突合部J20をより確実に密閉することができる。また、第二側面S2側においても同様に、各塑性化領域を重複させることで、表面側突合部J10、裏面側突合部J11及び第二継手突合部J21が確実に密閉されている。
(7)第三の準備工程
第三の準備工程は、第三の本接合工程に先だって行われる工程であって、被接合金属部材20の表面A及び裏面B並びに第二金属部材20bの第三側面S3に沿ってタブ材を配置するタブ材配置工程と、被接合金属部材20と各タブ材とを溶接する仮溶接工程と、被接合金属部材20を摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程と、を具備するものである。
(7-1)タブ材配置工程
タブ材配置工程は、図19に示すように、第一タブ材2を被接合金属部材20の裏面Bにおいて、裏面側塑性化領域W11に沿って配置する。また、第二タブ材3を第二金属部材20bの第三側面S3に沿って配置する。また、第三タブ材4を被接合金属部材20の表面Aにおいて、表面側塑性化領域W10に沿って配置する。
(7-2)仮溶接工程
仮溶接工程は、第一タブ材2と被接合金属部材20、第二タブ材3と被接合金属部材20、第三タブ材4と被接合金属部材20とをそれぞれ溶接する工程である。これにより、後記する本接合工程においてタブ材と被接合金属部材20との突合部を摩擦攪拌するときの目開きを防止することができる。
(7-3)被接合金属部材設置工程
被接合金属部材設置工程は、被接合金属部材20を図示しない摩擦攪拌装置に固定する工程である。第三実施形態においては、図19に示すように、第二金属部材20bの端面T2を上方に向けて摩擦攪拌装置に固定する。
(8)第三の本接合工程
第三の本接合工程は、第二金属部材20bの端面T2側から摩擦攪拌接合を行う工程である。第三の本接合工程は、端面T2に形成された裏面側突合部J11を摩擦攪拌する裏面側突合部接合工程と、継手部材U2と第二金属部材20bとの第三継手突合部J22を摩擦攪拌する第三継手突合部接合工程と、端面T2に形成された表面側突合部J10を摩擦攪拌する表面側突合部接合工程と、を具備するものである。即ち、第一タブ材2に設定された開始位置SM3から、第二タブ材3を経由して、第三タブ材4に設定された終了位置EM3まで一筆書きの要領で摩擦攪拌を行うものである。第三の本接合工程においては、小型回転ツールFを用いる。
(8-1)裏面側突合部接合工程
裏面側突合部接合工程は、第一側面S1に露出する突合部に対して摩擦攪拌を行う工程である。本実施形態においては、(5)第二の本接合工程において、第一側面S1に露出する裏面側突合部J11が全て摩擦攪拌されているため、裏面側塑性化領域W11を再度摩擦攪拌することとなる。
即ち、図19に示すように、第一タブ材2に設定された開始位置SM3から、継手部材U2と裏面側突合部J11とが当接される当接点h5まで連続して摩擦攪拌を行う。
(8-2)第三継手突合部接合工程
第三突合部接合工程は、当接点h5から、継手部材U2と表面側突合部J10とが当接する当接点h8まで連続して摩擦攪拌を行う工程である。即ち、小型回転ツールFが当接点h5に達したら、離脱させることなく第三継手突合部J22aに沿って摩擦攪拌を行い、第二タブ材3に設定された変化点h6まで移動させる。そして、第二タブ材3上であって、継手部材U2の上面と第二金属部材20bとの突合せ面の延長線上の点である変化点h7まで移動させる。そして、小型回転ツールFを離脱させることなく第三継手突合部J22bに沿って、当接点h8まで摩擦攪拌を行う。
(8-3)表面側突合部接合工程
表面側突合部接合工程は、第一側面S1に露出する突合部に対して摩擦攪拌を行う工程である。本実施形態においては、(5)第二の本接合工程において、第一側面S1に露出する表面側突合部J10が全て摩擦攪拌されているため、表面側塑性化領域W10を再度摩擦攪拌することとなる。即ち、当接点h8から第三タブ材4に設定された終了位置EM3まで連続して摩擦攪拌を行う。
(9)タブ材切除工程
タブ材切除工程は、第三の本接合工程を終えた被接合金属部材20から第一タブ材2、第二タブ材3及び第三タブ材4を切除する工程である。
このように、第三の本接合工程を行うことで、端面T2には、第三継手塑性化領域w22が形成される。第三継手塑性化領域w22は、表面側塑性化領域W10及び裏面側塑性化領域W11と重複しているため、側面側に露出する突合部をより確実に密閉することができる。また、表面側塑性化領域W10及び裏面側塑性化領域W11に連続するトンネル状空洞欠陥や酸化被膜の巻き込み等がある場合には、第三の本接合工程で空隙を埋めることにより補修することができる。
(10)第四の準備工程
第四の準備工程は、図20に示すように、第四の本接合工程に先だって行われる工程であって、第二金属部材20bの端面T2にタブ材を配置するタブ材配置工程と、第二金属部材20bとタブ材とを溶接する仮溶接工程と、被接合金属部材20を図示しない摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程と、を具備するものである。
(10-1)タブ材配置工程
タブ材配置工程は、第一タブ材2を第二金属部材20bの端面T2に沿って配置させる工程である。
(10-2)仮溶接工程
仮溶接工程は、第一タブ材2と第二金属部材20bとの入り隅部2a,2bに対して仮溶接を行う工程である。これにより、後記する本接合工程において第一タブ材2と第二金属部材20bとの突合部を摩擦攪拌するときの目開きを防止することができる。
(10-3)被接合金属部材設置工程
被接合金属部材設置工程は、被接合金属部材20を図示しない摩擦攪拌装置に固定する工程である。第三実施形態においては、図20に示すように、第二金属部材20bの第三側面S3を上方に向けて摩擦攪拌装置に固定する。
(11)第四の本接合工程
第四の本接合工程は、第二金属部材20bの第三側面S3側から摩擦攪拌接合を行う工程である。第四の本接合工程は、継手部材U2と第二金属部材20bとの第四継手突合部J23を摩擦攪拌する第四継手突合部接合工程を具備するものである。
(11-1)第四継手突合部接合工程
第四継手突合部接合工程は、図20に示すように、第四継手突合部接合工程の始点h9から終点h10まで連続して摩擦攪拌を行う工程である。即ち、本実施形態においては、第一タブ材2に設置された開始位置S4から一筆書きの要領で小型回転ツールFを移動させ、第四継手突合部J23に沿って摩擦攪拌する。そして、第四継手突合部J23の延長線上に設定された終了位置EM4まで連続して摩擦攪拌を行う。
(12)タブ材切除工程
タブ材切除工程は、第四の本接合工程を終えた第二金属部材20bから第一タブ材2、を切除する工程である。
このように第四の本接合工程によれば、図20に示すように、第四継手突合部J23の全長に亘って摩擦攪拌が行われて、第四継手塑性化領域w23が形成される。したがって、図13に示すように、第四継手塑性化領域w23と、第三の本接合工程で形成された第三継手塑性化領域w22とを重複させることができるため、より確実に突合部を密閉することができる。
以上説明した第三実施形態によれば、第一金属部材20aと第二金属部材20bとを略直角になるように突き合わせた場合であっても、被接合金属部材20の側面及び端面に露出する突合部に対して効率よく、かつ、確実に摩擦攪拌接合を行うことができるため、より製品の質を高めることができる。また、各接合工程で形成された塑性化領域を重複させることで、より確実に突合部を密閉することができる。
なお、図21は、被接合金属部材20を第二側面S2側からみた斜視図である。第三の実施形態においては、第一金属部材20a及び第二金属部材20bで形成される入り隅部R1には摩擦攪拌がされていない。そのため、入り隅部R1に摩擦攪拌を行ってもよい。
例えば、三角柱を呈する当て部材Lを入り隅部R1に当てがい、比較的小型の回転ツールHを当て部材Lに貫通させて、当て部材Lを入り隅部R1に摺動させながら摩擦攪拌を行ってもよい。このように入り隅部R1に摩擦攪拌を行うことで、入り隅部塑性化領域wが形成され、被接合金属部材20の水密性及び気密性をより高めることができる。
ここで、第三実施形態において、第一乃至第四の本接合工程を行った後は、これらの工程によって発生したバリ等を除去して表面を平滑にしておくことが好ましい。これにより、各タブ材配置工程において、タブ材を被接合金属部材20に密着させることができる。
また、本実施形態においては、前記した順序で摩擦攪拌を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、第一の本接合工程の後に、第三の本接合工程又は第四の本接合工程を行ってもよい。
[第四実施形態]
第四実施形態は、第三実施形態の工程順序を変更した接合方法である。即ち、第三実施形態における第四の本接合工程、第三の本接合工程、第二の本接合工程、第一の本接合工程の順序で接合を行うものである。
第四実施形態に係る接合方法は、具体的には、(1)第四の準備工程と、(2)第四の本接合工程と、(3)タブ材切除工程と、(4)第三の準備工程と、(5)第三の本接合工程と、(6)タブ材切除工程と、(7)第二の準備工程と、(8)第二の本接合工程と、(9)タブ材切除工程と、(10)第一の準備工程と、(11)第一の本接合工程、(12)タブ材切除工程と、を具備するものである。
なお、第四実施形態に係る接合方法においては、第三実施形態に係る被接合金属部材20と同等の金属部材を用いる。また、他の実施形態と略同等の工程については、説明を簡略化する。
(1)第四の準備工程
第四の準備工程は、第二金属部材20bに継手部材U2を挿入する第三挿入工程と、第三挿入工程で形成された中間部材にタブ材を配置するタブ材配置工程と、中間部材とタブ材とを溶接する仮溶接工程と、中間部材を図示せぬ摩擦攪拌装置に設置する中間部材設置工程と、を具備するものである。
(1-1)第三挿入工程
第三挿入工程は、図22の(a)及び(b)に示すように、第二金属部材20bの凹溝kdに継手部材U2を挿入して中間部材22を形成する工程である。第二金属部材20bの凹溝kdに継手部材U2を挿入し、継手部材U2の側面S5と第二金属部材20bの端面T2とを面一にする。また、継手部材U2の側面S6と第二金属部材20bの第三側面S3とを面一にする。
(1-2)タブ材配置工程、(1-3)仮溶接工程、(1-4)中間部材設置工程
タブ材配置工程、仮溶接工程、中間部材設置工程は、第三実施形態に係る第四の準備工程と略同等であるため、説明を省略する。
(2)第四の本接合工程
第四の本接合工程は、図22の(b)に示すように、中間部材22の第三側面S3側から第四継手突合部J23に対して摩擦攪拌を行う工程である。当該工程は、第三実施形態に係る第四の本接合工程と略同等であるため、説明を省略する。当該摩擦攪拌によって、第二金属部材20bの第三側面S3には、第四継手塑性化領域w23が形成されている。第四の本接合工程の後に、タブ材を切除する。
(4)第三の準備工程
第三の準備工程は、図23の(a)及び(b)に示すように、第一金属部材20aの凹溝kcに、中間部材22に係る継手部材U2を挿入して被接合金属部材20を形成する第四挿入工程と、被接合金属部材20にタブ材を配置するタブ材配置工程と、被接合金属部材20とタブ材を溶接する仮溶接工程と、被接合金属部材20を図示せぬ摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程と、を具備するものである。
(4-1)第四挿入工程
第四挿入工程は、中間部材22に係る継手部材U2を第一金属部材20aに挿入する工程である。即ち、第一金属部材20aの凹溝kcに、継手部材U2を挿入し、第一金属部材20aの端面T1と第二金属部材20bの第四側面S4を突き合せる。
(4-2)タブ材配置工程、(4-3)仮溶接工程、(4-4)被接合金属部材設置工程
タブ材配置工程、仮溶接工程、被接合金属部材設置工程は、第三実施形態に係る第三の準備工程と略同等であるため、説明を省略する。
(5)第三の本接合工程
第三の本接合工程は、図23の(b)に示すように、第一タブ材2に設定された開始位置SM3から第二タブ材3を経由して、第三タブ材4に設定された終了位置EM3まで一筆書きの要領で摩擦攪拌を行うものである。当該摩擦攪拌によって、端面T2には第三継手塑性化領域w22が形成される。第三継手塑性化領域w22は、第四継手塑性化領域w23と重複しているため、被接合金属部材20の側面に露出する突合部を確実に密閉することができる。
なお、当該工程は、第三実施形態の第三の本接合工程と略同等であるため、詳細な説明を省略する。また、第三の本接合工程終了後に、タブ材を切除する。
(7)第二の準備工程
第二の準備工程は、第二の本接合工程に先だって行われる工程であって、被接合金属部材20にタブ材を配置するタブ材配置工程と、被接合金属部材20とタブ材とを溶接する仮溶接工程と、被接合金属部材20を摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程と、を具備するものである。
第二の準備工程は、第三実施形態の第二の準備工程と略同等であるため、説明を省略する。
(8)第二の本接合工程
第二の本接合工程は、図24の(a)及び(b)に示すように、被接合金属部材20の表面A側及び裏面B側から表面側突合部J10及び裏面側突合部J11に沿って摩擦攪拌接合を行う工程である。第二の本接合工程は、表面側突合部J10に対して摩擦攪拌を行う表面側突合部接合工程と、被接合金属部材20を反転させて再度設置する被接合金属部材再設置工程と、裏面側突合部J11に対して摩擦攪拌を行う裏面側突合部接合工程と、を具備するものである。第二の本接合工程においては、大型回転ツールGを用いる。
(8-1)表面側突合部接合工程、(8-2)被接合金属部材再設置工程、及び(8-3)裏面側突合部接合工程においては、第三実施形態の第二の本接合工程と略同等であるため、説明を省略する。図24の(b)は、図24の(a)のVI−VI線断面図である。図24の(b)に示すように、第二の本接合工程によれば、第三の本接合で形成された第三継手塑性化領域w22と表面側塑性化領域W10及び裏面側塑性化領域W11を重複させることができるため、被接合金属部材20の側面に露出する突合部を確実に密閉することができる。また、表面側塑性化領域W10及び裏面側塑性化領域W11は、継手部材U2と接触しているため、表面側突合部J10及び裏面側突合部J11をより確実に密閉することができる。なお、第二の本接合工程の後に、タブ材を切除する。
(10)第一の準備工程
第一の準備工程は、第一の本接合工程に先だって行われる工程であって、被接合金属部材20にタブ材を配置するタブ材配置工程と、被接合金属部材20とタブ材とを溶接する仮溶接工程と、被接合金属部材20を摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程とを具備するものである。第一の準備工程の各工程においては、第三実施形態の第一本接合工程と略同等であるため説明を省略する。
(11)第一の本接合工程
第一の本接合工程は、図25に示すように、第一金属部材20aと継手部材U2との突合部に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。第一の本接合工程は、第一金属部材20aの第一側面S1側から摩擦攪拌接合を行う第一継手突合部接合工程と、被接合金属部材20を摩擦攪拌装置に再設置する被接合金属部材再設置工程と、第一金属部材20aの第二側面S2から摩擦攪拌接合を行う第二継手突合部接合工程と、を具備するものである。第一の本接合工程においては、比較的小回りの効く小型回転ツールFを用いる。
(11-1)第一継手突合部接合工程
第一継手突合部接合工程は、図25の(a)に示すように、第一タブ材2に設定された開始位置SM1から終了位置EM1まで、第一継手突合部J20に沿って一筆書きの要領で連続して摩擦攪拌を行うものである。第一の本接合工程で形成された第一継手塑性化領域w20は、第一継手突合部J20を摩擦攪拌するとともに、表面側塑性化領域W10及び裏面側塑性化領域W11と重複させることができるため、表面側突合部J10及び裏面側突合部J11をより確実に密閉することができる。
(11-2)被接合金属部材再設置工程
第一継手突合部接合工程が終了したら、被接合金属部材20の表裏を逆にして、再度摩擦攪拌装置に設置する。
(11-3)第二継手突合部接合工程
第二継手突合部接合工程は、図25の(b)及び(c)に示すように、第一金属部材20a及び第二金属部材20bの入り隅部R2及び第一金属部材20aと継手部材U2との第二継手突合部J21を摩擦攪拌する工程である。
入り隅部R2は、例えば、三角柱を呈する当て部材Lを入り隅部R2に当てがい、比較的小型の回転ツールHを当て部材Lに貫通させて、当て部材Lを入り隅部R2に摺動させながら摩擦攪拌を行ってもよい。このように摩擦攪拌を行うことで、入り隅部塑性化領域wが形成されることにより、被接合金属部材20の水密性及び気密性をより高め、製品の質を高めることができる。なお、入り隅部の摩擦攪拌は必要に応じて適宜行えばよい。
第二継手突合部J21は、図25の(c)に示すように、第一タブ材2に設定された開始位置SM1から第二継手突合部J21に沿って終了位置EM1まで一筆書きの要領で摩擦攪拌を行うものである。なお、第二継手突合部接合工程によって形成された第二継手塑性化領域w21は、入り隅部塑性化領域wと重複することが好ましい。これにより、被接合金属部材20の入り隅部R2及び第二継手突合部J21を確実に密閉することができる。
以上説明したように、第四実施形態においては、第四、第三、第二及び第一の本接合工程の順序で摩擦攪拌を行っても前記した第三実施形態と同等の効果を得ることができる。
なお、第四実施形態においては、前記した順序で摩擦攪拌接合を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、第三挿入工程の後に、第三の本接合工程、第四の本接合工程順序でを行ってもよい。
[第五実施形態]
第五実施形態に係る接合方法は、第一金属部材20a、第二金属部材20b、第一金属部材20aと略同等の形状を呈する第三金属部材20c及び継手部材U3を接合して、平面視T字状に接合するものである。
即ち、第五実施形態に係る被接合金属部材30は、図27に示すように、第四実施形態で用いた継手部材U2よりも幅の大きい継手部材U3を用いる。被接合金属部材30は、継手部材U3の両端に第一金属部材20a及び第三金属部材20cを挿入するとともに、第二金属部材20bを第一金属部材20aと第三金属部材20cの間に挿入して形成する。
第五実施形態は、(1)第一の準備工程と、(2)第五の本接合工程と、(3)タブ材切除工程と、(4)第二の準備工程と、(5)第六の本接合工程と、(6)タブ材除去工程と、(7)第三の準備工程と、(8)第七の本接合工程と、を具備するものである。
なお、他の実施形態と略同等の工程のものは説明を簡略化する。
(1)第一の準備工程
第一の準備工程は、第五の本接合工程に先だって行われる工程であって、各部材を挿入して中間部材を形成する第五挿入工程と、中間部材にタブ材を配置するタブ材配置工程と、中間部材とタブ材とを溶接する仮溶接工程と、中間部材を図示せぬ摩擦攪拌装置に設置する中間部材設置工程と、を具備するものである。
(1-1)第五挿入工程
第五挿入工程は、図28に示すように、第一金属部材20a、第三金属部材20c及び継手部材U3を嵌め合わせて中間部材34を形成する工程である。中間部材34は、継手部材U3の両端に第一金属部材20a及び第三金属部材20cを挿入するとともに、第一金属部材20aに係る第一側面S1と、第三金属部材20cに係る第五側面S7と、継手部材U2の側面S5とが面一になるように形成する。
(1-2)タブ材配置工程
タブ材配置工程は、図28に示すように、第一金属部材20aと継手部材U2との入り隅部に一対の第一タブ材2及び第二タブ材3を配置するとともに、第三金属部材20cと継手部材U3との入り隅部に一対の第三タブ材4及び第四タブ材5を配置する。
(1-3)仮溶接工程、(1-4)中間部材設置工程
仮溶接工程は、中間部材34と第一タブ材2乃至第四タブ材5とを溶接する工程である。そして、第一タブ材2乃至第四タブ材5を接合した中間部材34を第一金属部材20aの第一側面S1が上方を向くようにして図示しない摩擦攪拌装置に設置する。
(2)第五の本接合工程
第五の本接合工程は、第一継手突合部J20に摩擦攪拌を行う第一継手突合部接合工程と、第五継手突合部J24に摩擦攪拌を行う第五継手突合部接合工程を具備するものである。
(2-1)第一継手突合部接合工程
第一継手突合部接合工程は、第一タブ材2と第一金属部材20aとの入り隅部に設定された始点m1から、第二タブ材3と第一金属部材20aとの入り隅部に設定された終点m2まで摩擦攪拌を行う工程である。本実施形態においては、第一タブ材2に設定された開始位置SM5から第一継手突合部J20に沿って終了位置EM5まで一筆書きの要領で摩擦攪拌を行う。
(2-2)第五継手突合部接合工程
第五継手突合部接合工程は、第三タブ材4と第三金属部材20cとの入り隅部に設定された始点m3から、第四タブ材5と第三金属部材20cとの入り隅部に設定された終点m4まで摩擦攪拌を行う工程である。本実施形態においては、第三タブ材4に設定された開始位置SM5から第五継手突合部J24に沿って終了位置EM5まで一筆書きの要領で摩擦攪拌を行う。第五の本接合工程が終了したら、第一タブ材2乃至第四タブ材5を中間部材34から切除する。第五継手突合部J24には、第五継手塑性化領域w24が形成されている。
(4)第二の準備工程
第二の準備工程は、第六の本接合工程に先だって行われる工程であって、各部材を挿入して被接合金属部材30を形成する第六挿入工程と、被接合金属部材30にタブ材を配置するタブ材配置工程と、被接合金属部材30とタブ材とを溶接する仮溶接工程と、被接合金属部材30を図示せぬ摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程とを具備するものである。
(4-1)第六挿入工程、(4-2)タブ材配置工程
第六挿入工程は、図27及び図29に示すように、中間部材34を第二金属部材20bに挿入して被接合金属部材30を形成する工程である。そして、被接合金属部材30に第一タブ材2乃至第四タブ材5を配置する。
第一タブ材2は、表面A側において、第三金属部材20cと第二金属部材20bとの突合部である第二表面側突合部J42に沿って配置される。第二タブ材3は、表面A側において、第一金属部材20aと第二金属部材20bとの突合部である第一表面側突合部J40に沿って配置される。第三タブ材4は、裏面B側において、第二金属部材20bと第三金属部材20cとの突合部である第二裏面側突合部J43に沿って配置される。第四タブ材5は、裏面B側において、第一金属部材20aと第二金属部材20bとの突合部である第一裏面側突合部J41に沿って配置される。
(4-3)仮溶接工程、(4-4)被接合金属部材設置工程
仮溶接工程は、第一タブ材2乃至第四タブ材5と被接合金属部材30とを溶接する工程である。そして、タブ材を溶接した被接合金属部材30を第一金属部材20aの第一側面S1が上方を向くようにして摩擦攪拌装置に設置する。
(5)第六の本接合工程
第六の本接合工程は、被接合金属部材30の表面A側の突合部を摩擦攪拌する表面側接合ルートと、裏面B側の突合部を摩擦攪拌する裏面側接合ルートを具備するものである。
表面側接合ルートは、第二表面側突合部J42に摩擦攪拌を行う第二表面側突合部接合工程と、第三継手突合部J22に摩擦攪拌を行う第三継手突合部接合工程と、第一表面側突合部J40に摩擦攪拌を行う第一表面側突合部接合工程と、を具備する。
即ち、表面側接合ルートは、第二表面側突合部接合工程、第三継手突合部接合工程及び第一表面側突合部接合工程を始点m5から終点m6まで一筆書きの要領で連続して摩擦攪拌を行う工程である。本実施形態においては、第一タブ材2に設定された開始位置SM6から第二タブ材3に設定された終了位置EM6まで小型回転ツールFを離脱させることなく摩擦攪拌を行う。
一方、裏面側接合ルートは、第二裏面側突合部J43に摩擦攪拌を行う(5-4)第二裏面側突合部接合工程と、第三継手突合部J22に摩擦攪拌を行う(5-5)第三突合部接合工程と、第一裏面側突合部J41に摩擦攪拌を行う(5-6)第一裏面側突合部接合工程を具備するものである。
即ち、裏面側接合ルートは、第二裏面側突合部接合工程、第三継手突合部接合工程及び第一裏面側突合部接合工程を始点m7から終点m8まで一筆書きの要領で連続して摩擦攪拌を行う工程である。本実施形態においては、第三タブ材4に設定された開始位置SM6から第四タブ材5に設定された終了位置EM6まで小型回転ツールFを離脱させることなく摩擦攪拌を行う。
第六の本接合工程を終えたら、第一タブ材2乃至第四タブ材5を被接合金属部材30から切除する。
(7)第三の準備工程
第三の準備工程は、第七の本接合工程に先だって行われる工程であって、被接合金属部材30にタブ材を配置するタブ材配置工程と、タブ材と被接合金属部材30とを溶接する仮溶接工程と、被接合金属部材30を図示せぬ摩擦攪拌装置に設置する被接合金属部材設置工程と、を具備するものである。
(7-1)タブ材配置工程
タブ材配置工程は、図30に示すように、被接合金属部材30に第一タブ材2乃至第四タブ材5を配置する工程である。第一タブ材2は、第一金属部材20aの第一側面S1側において、第一表面側突合部J40に沿って配置される。第二タブ材3は、第一金属部材20aと第二金属部材20bとの入り隅部に配置される。第三タブ材4は、第三金属部材20cの第五側面S7側において、第二表面側突合部J42に沿って配置される。第四タブ材5は、第二金属部材20bと第三金属部材20cとの入り隅部に配置される。
(7-2)仮溶接工程、(7-3)被接合金属部材設置工程
仮溶接工程は、第一タブ材2乃至第四タブ材5と被接合金属部材30とを溶接する工程である。そして、タブ材を溶接した被接合金属部材30を表面A側が上方を向くようにして摩擦攪拌装置に設置する。
(8)第七の本接合工程
第七の本接合工程は、被接合金属部材30の表面側において、第一表面側突合部J40を摩擦攪拌する第一表面側突合部接合工程と、被接合金属部材30の表面側において、第二表面側突合部J42を摩擦攪拌する第二表面側突合部接合工程と、被接合金属部材30の裏面側において、第一裏面側突合部J41を摩擦攪拌する第一裏面側突合部接合工程と、被接合金属部材30の裏面側において、第二裏面側突合部J43を摩擦攪拌する第二裏面側突合部接合工程と、を具備するものである。第七の本接合工程においては、大型回転ツールGを用いる。
(8-1)第一表面側突合部接合工程、(8-2)第二表面側突合部接合工程
第一表面側突合部接合工程は、第一タブ材2に設定した開始位置SM7から第二タブ材3に設定した終了位置EM7まで第一表面側突合部J40に沿って摩擦攪拌を行うものである。第二表面側突合部接合工程は、第三タブ材4に設定した開始位置SM7から第四タブ材5に設定したEM7まで第二表面側突合部J42に沿って摩擦攪拌を行うものである。
また、被接合金属部材30の裏面B側においても第一表面側突合部接合工程、第二表面側突合部接合工程と略同様に、第一裏面側突合部接合工程、第二裏面側突合部接合工程を行う。
なお、図26の(b)は、図26の(a)のVII−VII線断面図である。図26の(b)に示すように、被接合金属部材30の入り隅部R3,R4において露出する突合部、第二継手突合部J21及び第六継手突合部J25に沿って摩擦攪拌を行ってもよい。これらの摩擦攪拌は、第四実施形態に係る(11-3)第二継手突合部接合工程と略同等であるため説明を省略する。
以上説明した第五実施形態によれば、第一金属部材20a、第二金属部材20b、第三金属部材20c及び継手部材U3を嵌め合わせて平面視T字状に形成する場合であっても、第一実施形態に係る接合方法と同じように、表面A及び裏面B側に露出する突合部を摩擦攪拌するとともに、被接合金属部材30の側面に露出する突合部を効率よく摩擦攪拌することができる。また、図26の(a)に示すように、各工程によって形成される塑性化領域を重複させることで、より確実に突合部を密閉することができる。即ち、例えば、第一表面側塑性化領域W40と、第三継手塑性化領域w22と、第二継手塑性化領域w20とを重複させることにより、より確実に突合部を密閉することができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、上記した形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。
第一実施形態に係る接合方法を示した全体斜視図である。 第一実施形態に係る突合工程を示した図であって、(a)は、斜視図、(b)は、側面図である。 第一実施形態に係るタブ材配置工程を示した図であって(a)は、斜視図、(b)は、(a)の平面図である。 (a)は、図3の(b)のI−I線断面図、(b)は、図3の(b)のII−II線断面図である。 第一実施形態に係る回転ツールを示した図であって、(a)は、小型回転ツールの側面図、(b)は、大型回転ツールの側面図である。 本実施形態に係る小型回転ツールの使用状態を示した図であって、(a)は、小型回転ツールを第一タブ材に当接させた図であって、(b)は、小型回転ツールを第一タブ材に押し込んだ図である。 第一実施形態に係る第一の予備工程の第一タブ材接合工程、仮接合工程及び第二タブ材接合工程を示した平面図である。 第一実施形態に係る表面側接合工程を図7のIII−III矢視方向で示した断面図であって、(a)は、開始位置部分、(b)は、中間部分、(c)は、終了位置部分の摩擦攪拌接合を示した図である。 (a)は、第一実施形態に係る第二の準備工程後において、表面側突合部J1から第一金属部材1a側を臨む断面図である。(b)は、本実施形態に係る第二の予備工程の第二タブ材接合工程、仮接合工程及び第一タブ材接合工程を示した平面図である。 本実施形態に係る裏面側接合工程を示した図9の(b)のIV−IV線断面図であって、(a)は、開始位置部分、(b)は、中間部分の摩擦攪拌接合を示した図である。 第一実施形態において、裏面側接合工程後にタブ材を切除した状態を示した斜視図である。 第一実施形態において、第一側面側接合工程を示した図であって、(a)は、前半部分、(b)は、後半部分を示した平面図である。 第三実施形態に係る接合方法を示した全体斜視図である。 第三実施形態に係る被接合金属部材の分解斜視図である。 第三実施形態に係る被接合金属部材を三方向から示した斜視図である。 第三実施形態に係る図であって、(a)は、第一挿入工程を示した斜視図、(b)は、第一の本接合工程を示した平面図である。 第三実施形態に係る第二挿入工程を示した斜視図である。 第三実施形態に係る第二の本接合を示した図であって(a)は、平面図、(b)は、(a)のV−V線断面図である。 第三実施形態に係る第三の本接合工程を示した平面図である。 第三実施形態に係る第四の本接合工程を示した平面図である。 第三実施形態に係る入り隅部の摩擦攪拌例を示した斜視図である。 第四実施形態に係る図であって、(a)は、第三挿入工程を示した斜視図、(b)は、第四の本接合工程を示した平面図である。 第四実施形態に係る図であって、(a)は、第四挿入工程を示した側面図、(b)は、第三の本接合工程を示した平面図である。 第四実施形態に係る図であって、(a)は、第二の本接合工程を示した平面図、(b)は、(a)のVI−VI線断面図である。 第四実施形態に係る第一の本接合工程を示した図であって、(a)は、第一継手突合部接合工程、(b)は、入り隅部接合工程、(c)は、第二継手突合部接合工程を示す。 第五実施形態に係る接合方法を示した図であって(a)は、全体斜視図、(b)は、(a)のVII−VII線断面図である。 第五実施形態に係る被接合金属部材の分解斜視図である。 第五実施形態に係る第五の本接合工程を示した平面図である。 第五実施形態に係る第六の本接合工程を示した平面図である。 第五実施形態に係る第七の本接合工程を示した平面図である。 従来の接合方法を示した図であって(a)は、摩擦攪拌前、(b)は、摩擦攪拌後を示す。
符号の説明
1 被接合金属部材
1a 第一金属部材
1b 第二金属部材
2 第一タブ材
3 第二タブ材
A 表面
B 裏面
C 第一側面
D 第二側面
F 小型回転ツール
G 大型回転ツール
J 突合部
K 凹溝
P 下穴
U 継手部材
W,w 塑性化領域

Claims (8)

  1. 端部に凹溝を有する第一金属部材及び第二金属部材を前記端部同士で突き合わせて形成された中空部に継手部材を挿入してなる被接合金属部材に、回転ツールを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合方法であって、
    前記第一金属部材と前記第二金属部材との突合部に対して前記被接合金属部材の表面から摩擦攪拌を行う表面側接合工程と、
    前記第一金属部材と前記第二金属部材との突合部に対して前記被接合金属部材の裏面から摩擦攪拌を行う裏面側接合工程と、
    前記第一金属部材と前記第二金属部材との突合部、前記継手部材と前記第一金属部材との突合部及び前記継手部材と前記第二金属部材との突合部に対して前記被接合金属部材の側面から摩擦攪拌を行う側面側接合工程と、
    を含むことを特徴とする接合方法。
  2. 前記表面側接合工程及び裏面側接合工程で形成された塑性化領域と、前記継手部材とが接触することを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記側面側接合工程において、
    前記表面側接合工程及び裏面側接合工程で形成された塑性化領域を前記回転ツールによって摩擦攪拌することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接合方法。
  4. 端面に凹溝を有する第一金属部材及び第二金属部材と、前記第一金属部材の前記端面と前記第二金属部材の一方の側面とを突き合わせて形成された中空部に挿入された継手部材と、を有する被接合金属部材に、回転ツールを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合方法であって、
    前記第一金属部材の前記凹溝に前記継手部材を挿入する第一挿入工程と、
    前記第一金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第一金属部材の側面から摩擦攪拌を行う第一の本接合工程と、
    前記第一金属部材の端面が前記第二金属部材の一方の側面に突き合わされるようにして前記第二金属部材の前記凹溝に前記継手部材を挿入する第二挿入工程と、
    前記第一金属部材の前記端面と第二金属部材の一方の前記側面との突合部に対して、被接合金属部材の表面及び裏面から摩擦攪拌を行う第二の本接合工程と、
    前記第一金属部材と前記第二金属部材の突合部及び前記第二金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第二金属部材の前記端面から摩擦攪拌を行う第三の本接合工程と、
    前記第二金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第二金属部材の他方の前記側面から摩擦攪拌を行う第四の本接合工程と、
    を含むことを特徴とする接合方法。
  5. 端面に凹溝を有する第一金属部材及び第二金属部材と、前記第一金属部材の前記端面と前記第二金属部材の一方の側面とを突き合わせて形成された中空部に挿入された継手部材と、を有する被接合金属部材に、回転ツールを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合方法であって、
    前記第二金属部材の前記凹溝に前記継手部材を挿入する第三挿入工程と、
    前記第二金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第二金属部材の他方の前記側面から摩擦攪拌を行う第四の本接合工程と、
    前記第一金属部材と前記第二金属部材の突合部及び前記第二金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記第二金属部材の前記端面から摩擦攪拌を行う第三の本接合工程と、
    前記第一金属部材の端面が前記第二金属部材の一方の側面に突き合わされるようにして前記第一金属部材の前記凹溝に前記継手部材を挿入する第四挿入工程と、
    前記第一金属部材の前記端面と第二金属部材の一方の前記側面との突合部に対して表面及び裏面から摩擦攪拌を行う第二の本接合工程と、
    前記第一金属部材と前記継手部材との突合部に対して前記第一金属部材の側面から摩擦攪拌を行う第一の本接合工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
  6. 前記第一の本接合工程で形成された塑性化領域と、
    前記第二の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させ、
    前記第二の本接合工程で形成された塑性化領域と、
    前記第三の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させ、
    前記第三の本接合工程で形成された塑性化領域と
    前記第四の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させる
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の接合方法。
  7. 端面に凹溝を有する第一金属部材、第二金属部材及び第三金属部材と、前記凹溝に挿入される継手部材と、を有し、前記継手部材の両側に前記第一金属部材及び前記第三金属部材を挿入するとともに、前記第一金属部材と第三金属部材の間に第二金属部材を挿入して形成された平面視T字状を呈する被接合金属部材に、回転ツールを移動させて摩擦攪拌接合を行う接合方法であって、
    前記第一金属部材及び前記第三金属部材を前記継手部材の両側に挿入する第五挿入工程と、
    前記第一金属部材と前記継手部材との突合部及び前記第三金属部材と前記継手部材との突合部に対して、前記継手部材の一方の側面から摩擦攪拌を行う第五の本接合工程と、
    前記継手部材に前記第二金属部材を挿入する第六挿入工程と、
    前記第一金属部材の端面と前記第二金属部材の一方の側面との突合部と、前記第二金属部材と前記継手部材の突合部と、前記第三金属部材の端面と前記第二金属部材の他方の側面との突合部と、を前記第二金属部材の端面から摩擦攪拌を行う第六の本接合工程と、
    前記第一金属部材の端面と前記第二金属部材の一方の側面との突合部に対して、表面及び裏面から摩擦攪拌を行うとともに、
    前記第三金属部材の端面と前記第二金属部材の他方の側面との突合部に対して、表面及び裏面から摩擦攪拌を行う第七の本接合工程と、
    を含むことを特徴とする接合方法。
  8. 前記第五の本接合工程で形成された塑性化領域と、
    前記第六の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させ、
    前記第六の本接合工程で形成された塑性化領域と、
    前記第七の本接合工程で形成された塑性化領域とを重複させ、
    ことを特徴とする請求項7に記載の接合方法。

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