JP2009065942A - ブルーベリーの挿し木用培養土及び栽培方法 - Google Patents

ブルーベリーの挿し木用培養土及び栽培方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鹿沼土とピートモスとの混合土と同様にブルーベリーの挿し木による栽培に有用な新規培養土、及びその培養土を用いたブルーベリーの栽培方法を提供すること。
【解決手段】鹿沼土の代わりにクリンカーアッシュを用いてピートモスと混合し、この混合培養土をブルーベリーの挿し木による栽培に利用する。クリンカーアッシュとピートモスとの混合培養土は、鹿沼土とピートモスとの混合培養土と同様かそれ以上に、ブルーベリーの根を発育させるのに有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブルーベリーの挿し木の栽培に有用な培養土及びその培養土を用いたブルーベリーの挿し木の栽培方法に関する。
近年、健康増進機能が高いとしてブルーベリーが高く評価されており、消費量が急激に上昇している。そのため、ブルーベリーの大量繁殖や栽培が行われている。
従来、ブルーベリーの繁殖は挿し木法により行われており、近年においては、ブルーベリーの挿し木による栽培にピートモスと鹿沼土との混合培養土が有用であることが報告されている（例えば、特許文献１参照）。
特開２００３−３０４７６５号公報
本発明は、ピートモスと鹿沼土との混合土と同様にブルーベリーの挿し木による栽培に有用な新規培養土、及びその培養土を用いたブルーベリーの栽培方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意努力した結果、ピートモス及びクリンカーアッシュを含む培養土が、ピートモスと鹿沼土との混合土と同様にブルーベリーの挿し木による栽培において、根の発育に有用であること、３：１〜１：１の混合割合（乾燥体積比）でピートモスとクリンカーアッシュとからなる培養土がブルーベリーの挿し木による栽培に特に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る培養土は、ブルーベリーの挿し木の培養土であって、ピートモス及びクリンカーアッシュを含む。
また、本発明に係る栽培方法は、ピートモス及びクリンカーアッシュを含む培養土でブルーベリーを挿し木栽培することを特徴とする。
なお、上記培養土に含まれるピートモスとクリンカーアッシュとの混合割合（乾燥体積比）は、３：１〜１：１の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、ピートモスと鹿沼土との混合土と同様にブルーベリーの挿し木による栽培に有用な新規培養土、及びその培養土を用いたブルーベリーの栽培方法を提供することができる。
上記知見に基づき完成した本発明を実施するための形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。
実施例に示すように、火力発電所で石炭を燃焼させた際に発生するクリンカーフライアッシュとピートモスとの混合土は、ブルーベリーの挿し木による栽培において根の発育に有用であることから、ブルーベリーの挿し木用培養土として有用であり、ブルーベリーの挿し木栽培に有用である。
上述のブルーベリーの挿し木用培養土としては、ピートモス及びクリンカーアッシュを含むものであれば特に制限されるものではなく、鹿沼土や軽石などの土壌改良資材がさらに含まれていてもよいが、ピートモスとクリンカーアッシュとの混合割合（乾燥体積比）が３：１〜１：１の範囲内であることが好ましく、ピートモスとクリンカーアッシュとからなることがより好ましい。このように成分を制限することにより、ブルーベリーの挿し木による栽培において根の発育を促すとともに、廃棄物であるクリンカーアッシュの有効利用を図ることができるようになる。
以下に本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
［実施例１］
材料としてラビットアイブルーベリー‘ティフブルー’（Vaccinium ashei Reade‘Tifblue’）の成木を供試した。長さ10cmに調整した挿し穂を、ピートモス、クリンカーアッシュ（クリンカー）、鹿沼土、又は、ピートモスとクリンカー若しくは鹿沼土との混合培養土（乾燥体積比が１：３、１：１、３：１の混合培養土を準備した。）を充填した各ポットに挿し木し、７ヶ月後に苗の生存率を調査した。なお、栽培は各培養土に対してそれぞれ50個体ずつ行った。栽培後、各培養土あたり5個体の根を回収し、水洗・乾燥して根の乾燥重量を測定した。その結果を図１に示す。
結果として、挿し木苗の生存率に関して、クリンカーとピートモスとの混合培養土と、鹿沼土とピートモスとの混合培養土の間に差はほとんどなく、図１に示すように、根の乾燥重量においても、クリンカーとピートモスとの混合培養土（図１中の(ａ)参照）が、鹿沼土とピートモスとの混合培養土（図１中の(ｂ)参照）と同様か、混合比によってはそれ以上に、ブルーベリーの挿し木による栽培に有用であることがわかった。また、混合培養土におけるクリンカーの比率と挿し穂より発根した根の乾燥重量との間にはかなり高い相関がみられ、クリンカーの混合比率が２５〜５０％のときに根の乾燥重量が最も高く、根の発育に特に有用であることが明らかになった。
各培養土（ａ：クリンカーとピートモスとの混合培養土、ｂ：鹿沼土とピートモスとの混合培養土）におけるブルーベリーの挿し木苗の生長の変化を調べた結果を示す図である。

Claims (4)

  1. ブルーベリーの挿し木用培養土であって、
    ピートモス及びクリンカーアッシュを含むことを特徴とする培養土。
  2. ピートモスとクリンカーアッシュとの混合割合（乾燥体積比）が３：１〜１：１の範囲内であることを特徴とする請求項１に記載の培養土。
  3. ピートモス及びクリンカーアッシュを含む培養土でブルーベリーを挿し木栽培することを特徴とする栽培方法。
  4. ピートモスとクリンカーアッシュとの混合割合（乾燥体積比）が３：１〜１：１の範囲内であることを特徴とする請求項３に記載の栽培方法。
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