JP2009062245A - 保水性付与材 - Google Patents

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Norimasa Nishijima
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明彦 武井
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Abstract

【課題】多孔質硬化体の連続空隙内に充填して、保水性を付与するための保水性付与材であって、高い保水性を有し、耐久性及び環境保全性に優れた保水性付与材を提供する。
【解決手段】本発明の保水性付与材は、ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物からなり、300質量%以上の保水率を有する。ホルマイト系粘土鉱物の例として、15μm以下の平均粒径を有する、セピオライトの粉砕物が挙げられる。本発明の保水性付与材の製造方法は、ホルマイト系粘土鉱物をジェットミルを用いて粉砕し、15μm以下の平均粒径を有する粉砕物を得る粉砕工程を含む。さらに、粉砕工程で得られた粉砕物を、500℃以上の温度で加熱処理する加熱処理工程を含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質体に保水性を付与するための保水性付与材に関する。
近年、都市部では、コンクリート建造物や道路の舗装体等が太陽光エネルギーを吸収することにより周辺環境の温度が上昇する、いわゆるヒートアイランド現象が問題となっており、このヒートアイランド現象を抑制することのできる技術が望まれている。
このような技術として、例えば、コンクリート構造物の外壁コンクリート面に、多数の粗粒体(例えば軽石、火山礫等の軽量骨材)を接着剤で接着することによって、表面に多数の凹凸を有し内部に多数の連続空隙を有する放熱層を形成することを特徴とするコンクリート構造物の表面仕上方法が提案されている(特許文献1)。
この技術は、放熱層の表面が、複雑に入り組んだ凹凸形状をなすことなどによって、放熱を促し、ヒートアイランド現象の主要な一因である外壁コンクリートの熱の蓄積を抑制しようとするものである。また、この技術において、粗粒体として軽石等を用いた場合、粗粒体自体が内部に無数の微細空隙を有するため、降雨の際などに浸透した水が保持されやすく、太陽放射による熱が、浸透水の蒸発の際の潜熱としても放出され、ヒートアイランド現象の抑制効果が大きくなる。
一方、多数の連続空隙を有する多孔質硬化体の当該連続空隙内に、保水性を有する材料を供給することによって、保水性の舗装体を形成する技術が知られている。この技術は、保水性を有する材料が雨水等の水を長時間保持するとともに水を徐々に蒸散するため、夏季の直射日光による舗装体の表面温度の上昇を抑制し、ヒートアイランド現象を緩和するものである。
例えば、3〜500倍の吸水倍率を有する水分散性の吸水性材料又は水溶性の吸水性材料からなり、無機多孔質材料の内部の多数の連続空隙の内壁に付着して保水性を付与することを特徴とする無機多孔質材料用保水性付与材が提案されている(特許文献2)。ここで、前記吸水性材料の例として、特定のアクリロニトリル系重合体からなるミクロヒドロゲル水性分散体が記載されている。
また、連続空隙を有する多孔質硬化体の当該連続空隙内に充填される保水性硬化材として、セメントとホルマイト系粘土鉱物を含む保水性硬化材を用いることが提案されている(特許文献3)。
また、ホルマイト系粘土鉱物であるセピオライトと潮解性塩類を混合した乾燥剤が提案されている(特許文献4)。また、セピオライトを担持した基材紙をハニカム構造にした加湿素子が提案されている(特許文献5)。
特開平11−159106号公報 特開2003−300786号公報 特開2004−203693号公報 特開平11−156141号公報 特開2006−97922号公報
前記の特許文献1の技術は、主に、凹凸形状をなす放熱層からの放熱作用によって、日中の太陽放射による外壁コンクリートの熱蓄積を抑えるものであり、ヒートアイランド現象の抑制効果が不十分であるという問題がある。
特許文献2の技術は、吸水性材料を無機多孔質材料の内部の多数の連続空隙の内壁に付着させて、保水性を付与することができるものの、耐久性が劣るという問題がある。すなわち、吸水性材料が、雨水の透過に伴う流出等により経時的に減少し、ヒートアイランド現象の抑制効果が持続しないという問題がある。また、吸水性材料が、分解され難い有機系材料であり、またその配合量も多量であるため、環境保全上好ましくないという問題がある。
特許文献3の技術におけるホルマイト系粘土鉱物を含む保水性硬化材は、耐久性に優れ、環境保全上の問題も解決することができる。しかし、従来、ホルマイト系粘土鉱物(例えば、セピオライト)の保水率を高めるにも限度があり、例えば、該保水率を300質量%以上に高めることが望まれている。なお、従来のセピオライトの保水率は、保水率が高いとされる繊維状のものでも、200〜280質量%程度であった。
なお、特許文献4の技術は、潮解液をセピオライトで吸水させて潮解液が漏出することを防止しているが、セピオライトの吸水能力に応じて潮解性塩類を添加するといった制限がある。また、特許文献5には、セピオライトを用いることで加湿能力を向上させるとの記載はあるが、その保水率の向上方法に関する記載はない。
そこで、本発明は、連続空隙を有する多孔質硬化体の当該連続空隙内に収容して、保水性を付与するための保水性付与材であって、300質量%を超える高い保水率を有し、かつ耐久性及び環境保全性に優れた保水性付与材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のホルマイト系粘土鉱物からなる保水性付与材によると、本発明の上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1] ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物からなり、保水率が300質量%以上であることを特徴とする保水性付与材。
[2] 上記ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物は、15μm以下の平均粒径を有する、セピオライトの粉砕物である上記[1]に記載の保水性付与材。
[3] 上記保水性付与材は、連続空隙を有する多孔質硬化体の当該連続空隙内に収容するためのものである上記[1]又は[2]に記載の保水性付与材。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の保水性付与材と、セメントと、水を含む保水性硬化材。
[5] 連続空隙を有する多孔質硬化体の当該連続空隙内に、上記[4]に記載の保水性硬化材を充填してなる保水性硬化体。
[6] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の保水性付与材の製造方法であって、粉砕機を用いてホルマイト系粘土鉱物を粉砕して、15μm以下の平均粒径を有する、ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物を得る粉砕工程、を含む保水性付与材の製造方法。
[7] 上記粉砕機がジェットミルである上記[6]に記載の保水性付与材の製造方法。
[8] 上記粉砕工程で得られたホルマイト系粘土鉱物の粉砕物を、500℃以上の温度で加熱処理する加熱処理工程を含む上記[6]又は[7]に記載の保水性付与材の製造方法。
[9] 上記ホルマイト系粘土鉱物がセピオライトである上記[6]〜[8]のいずれかに記載の保水性付与材の製造方法。
本発明の保水性付与材は、300質量%以上の非常に高い保水率を有するため、透水性舗装等の多孔質硬化体の連続空隙内に充填することによって、多孔質硬化体に高い保水性を付与することができる。これにより、夏季の直射日光による多孔質硬化体の表面温度の上昇を抑えることができ、ヒートアイランド現象を抑制することができる。
また、本発明の保水性付与材は、天然産出物であるホルマイト系粘土鉱物、好適にはセピオライトからなるものであり、人工の分解され難い有機系の重合物を含まないため、耐久性及び環境保全性に優れる。すなわち、本発明の保水性付与材を、セメント等の硬化性材料とのスラリー状の混合物とした後に、多孔質硬化体の連続空隙内に充填すれば、当該連続空隙内に大きな付着力を有して保持され、雨水の透過に伴う保水性付与材の流出が生じずに、長期間にわたり舗装体の表面温度の上昇を抑制する効果を維持することができる。
また、本発明の保水性付与材は、ジェットミル等の粉砕手段を用いて粉砕し、かつ、必要に応じて所定の温度で加熱するだけで得られるので、簡易な設備及び簡易な製造工程で、容易に低コストで製造することができる。
また、本発明の保水性付与材は、吸水能力に優れているので、潮解性塩類と共に用いることによって、吸湿性能に優れた乾燥剤を製造することができる。
本発明の保水性付与材について詳細に説明する。
本発明の保水性付与材は、ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物からなり、300質量%以上の保水率を有するものである。
ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物とは、含水マグネシウム珪酸塩の如き含水珪酸塩を主成分とする天然無機粘土鉱物の粉砕物であり、乾燥固結性(水で練って乾燥すると固まる性質)を有するとともに、内部に微細な連続空隙を有することから、優れた吸水性および保水性を有するものである。
ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物の形態としては、例えば、繊維状、粉末状等が挙げられる。中でも、保水性を高める観点から、粉末状であることが好ましい。
本発明に用いられるホルマイト系粘土鉱物としては、例えば、セピオライト(主成分:含水マグネシウムシリケート;主成分の化学式:MgSi15(OH)・6HO)、アタパルジャイト(主成分:含水マグネシウムアルミニウムシリケート)、パリゴルスカイト(主成分:含水マグネシウムアルミニウムシリケート)等が挙げられる。中でも、高い保水率を得る観点から、セピオライトが好ましい。
本発明の保水性付与材を構成するホルマイト系粘土鉱物の粉砕物の平均粒径は、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは8μm以下である。上記平均粒径が15μmを超えると、300質量%以上の高い保水率を得ることが困難となる。上記平均粒径の下限値は、通常、1μmである。
なお、上記平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定した50%累積体積の粒径である。
また、ホルマイト系粘土鉱物のBET比表面積は、好ましくは50〜400m/g、より好ましくは100〜350m/gである。BET比表面積を上記範囲内とすれば、高保水性を確保できるのみならず、吸放湿性の機能も発揮させることが可能となる。
なお、BET比表面積は、吸着ガスとして窒素を用い、定容法により測定した吸着等温線にBET式を適用することで求められる表面積であり、JIS R 1626「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」によって求められるものである。
本発明の保水性付与材の保水率は、300質量%以上、好ましくは330質量%以上、より好ましくは360質量%以上、さらに好ましくは390質量%以上、特に好ましくは420質量%以上である。
本発明の保水性付与材の保水率の上限値は、特に限定されないが、通常、500質量%である。
保水率とは、1g(=初期質量W)の試料(保水性付与材)を、分析用ろ紙につつみ、20℃の水に3分間浸漬した後に引き上げ、試料をろ紙から分離した後、再度、試料の質量(=含水質量W)を測定し、(W−W)/W×100(質量%)の値を計算することによって算出される値である。
次に、本発明の保水性付与材の製造方法について説明する。
本発明の保水性付与材の製造方法は、粉砕機を用いてホルマイト系粘土鉱物を粉砕して、15μm以下の平均粒径を有する、ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物を得る粉砕工程、を少なくとも含むものである。
粉砕工程は、通常、粗粉砕工程と微粉砕工程とからなるものとして構成される。
本発明の保水性付与材の製造方法は、好ましくは、前記の粉砕工程で得られたホルマイト系粘土鉱物の粉砕物を、500℃以上の温度で加熱処理する加熱処理工程を含むものである。
以下、工程ごとに説明する。
[A.粗粉砕工程]
本工程は、ホルマイト系粘土鉱物を粉砕機を用いて粗粉砕する工程である。
具体的には、ホルマイト系粘土鉱物の原石等(例えば、セピオライト原石)を、粉砕機に投入し、所定の平均粒径、例えば20〜100μm、好ましくは20〜50μmとなるように粉砕する。ホルマイト系粘土鉱物を粉砕して、粒径を調整することにより、次の微粉砕工程の処理効率を高めることができ、高い保水率を有するホルマイト系粘土鉱物を効率良く得ることができる。
粉砕機としては、例えば、ハンマーミル、レイモンドミル、竪型ローラミル、ボールミル等が挙げられる。
[B.微粉砕工程]
本工程は、粗粉砕工程で得られたホルマイト系粘土鉱物の粉砕物を、ジェットミル等の粉砕機を用いて更に粉砕する工程である。
具体的には、粗粉砕工程で得られたホルマイト系粘土鉱物の粉砕物を、ジェットミル等の粉砕機に投入し、所定の平均粒径、具体的には、15μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下の平均粒径となるように粉砕する。
得られたホルマイト系粘土鉱物は、前述の高い保水率を有するものであり、無処理のまま、あるいは、後述の加熱処理工程を経た後、保水性付与材として用いることができる。
ここで、ジェットミルとは、対向するノズルから噴出される高圧のジェットエアーまたはジェット流体の衝突による流動層式粉砕機であり、乾式、湿式のものがある。
[C.加熱処理工程]
本工程は、微粉砕工程(B)で得られたホルマイト系粘土鉱物の粉砕物を、好ましくは500℃以上の温度で加熱処理する工程である。微粉砕工程(B)で得られた粉砕物を加熱処理することによって、保水率をさらに高くすることができる。
加熱処理の温度は、好ましくは500℃以上、より好ましくは550℃以上、特に好ましくは600℃以上である。該温度が500℃未満であると、加熱処理による保水率の増大の効果が小さくなる。500℃以上の温度で加熱処理することによって、例えば、400質量%以上(好ましくは420質量%以上)の保水率を得ることができる。
加熱処理は、例えば、気流循環型加熱炉、キルン等の、直接加熱炉または間接加熱炉を用いて行われる。
次に、本発明の保水性付与材の使用方法について説明する。
本発明の保水性付与材を、表面から内部に亘る微細な多数の連続空隙を有する多孔質硬化体の当該連続空隙内に収容することによって、この多孔質硬化体に高い保水性を付与することができる。この場合、保水性付与材は、通常、セメント、水等との混合物(以下、保水性硬化材ともいう。)として用いられる。
保水性硬化材の材料であるセメントとしては、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント等を使用することができる。
上記保水性付与材の配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは3〜150質量部、より好ましくは5〜120質量部、特に好ましくは20〜60質量部である。上記配合量が3質量部未満では、保水性硬化材を多孔質硬化体の連続空隙内に充填しても、十分な吸水性および保水性が得られないことがある。一方、上記配合量が150質量部を超えると、保水性硬化材の材料分離が生じ易くなったり、あるいは、曲げ強度等の機械的強度が低下して、保水性硬化材を多孔質硬化体の連続空隙内に充填することによる剛性および耐久性の向上の効果を十分に得ることができなくなるなどの問題が生じ得る。
水の配合量は、セメントと保水性付与材の配合割合等によっても異なるが、セメント及び保水性付与材の合計量100質量部に対して、通常、50〜150質量部、好ましくは60〜130質量部である。
また、保水性硬化材には、必要に応じて、減水剤、凝結遅延剤等の混和剤、無機質微粒子等の混和材などを配合することができる。
減水剤としては、例えば、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤が挙げられる。減水剤の形態は、液体でも粉末状でもよい。減水剤を用いることによって、単位水量を増大させずに、保水性硬化材の流動性を向上させ、多孔質硬化体の連続空隙内に保水性硬化材を充填する際の作業性を向上させることができる。
減水剤の配合量は、減水剤の種類によっても異なるが、通常、セメント100質量部に対して、固形分換算で0.1〜9質量部である。
無機質微粒子としては、例えば、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、高炉スラグ、炭酸カルシウム等が挙げられる。無機質微粒子の配合割合は、セメント100質量部に対して、0〜40質量部、好ましくは0〜30質量部である。
保水性硬化材を調製するには、二軸練りミキサ、パンタイプミキサ、揺動型ミキサ等のミキサに、保水性硬化材を構成する各材料を投入して混練すればよい。
この際、各材料の投入方法としては、セメント、保水性付与材、減水剤、及び水を一括して投入する方法や、水以外の材料(具体的には、セメント、保水性付与材、粉末状の減水剤)を予め混合してプレミックス材を調製した後、このプレミックス材を水と共にミキサに投入する方法等が挙げられる。
保水性硬化材は、例えば、連続空隙を有する多孔質硬化体の上面に供給され、自然流下又は加圧により、前記連続空隙内に充填される。この際、作業の効率化を図るために、バイブレータ等の充填手段を用いることが望ましい。保水性硬化材の充填作業が終了すると、連続空隙内に保水性硬化材を充填してなる保水性硬化体が完成する。
上記多孔質硬化体としては、例えば、開粒度アスファルト混合物や、ポーラスコンクリート等が挙げられる。
多孔質硬化体として開粒度アスファルト混合物を用いた場合、得られる保水性硬化体は、アスファルト舗装を本体として用いることによるたわみ性と、上述の保水性硬化材による良好な剛性および耐久性とを備えているため、半たわみ性舗装体として、特に、道路の交差点、バス停留所、空港等において好適に用いることができる。
多孔質硬化体としてポーラスコンクリートを用いた場合、得られる保水性硬化体は、排水性、植物植栽性等の特性を有し得る舗装体として、特に、歩道、護岸、ビルの屋上等において好適に用いることができる。
なお、ポーラスコンクリートとしては、例えば、粒径10〜40mm程度の粗骨材を含み、かつ20〜40%程度の空隙率を有するものを用いることができる。
また、本発明の保水性付与材は、塩化カルシウム等の潮解性材料が吸湿によって発生させる液体なども、吸水することができる。
さらには、本発明の保水性付与材を、紙、繊維などの表面に担持させることによって、保水性紙などを製造することもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
セピオライト原石をボールミルで粉砕し、平均粒径20.2μmのセピオライト粉末を得た。得られたセピオライト粉末をジェットミル(セイシン企業社製、シングルトラック・ジェットミル、製品名:STJ−200)に投入し、10kg/hr(1時間当たり10kgの粉砕量)の粉砕条件で粉砕し、セピオライト微粉末からなる保水性付与材を得た。得られた保水性付与材について、以下の方法により、平均粒径、BET比表面積、及び保水率を測定した。結果を表1に示す。
(平均粒径)
レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装社製、製品名:マイクロトラックModel9300)を用いて粒径を測定し、50%累積体積の粒径を平均粒径とした。
(BET比表面積)
島津製作所社製の「FlowsorbII2300」(製品名)を用いて測定した。
(保水率)
1g(=初期質量W)の試料(セピオライト微粉末からなる保水性付与材)を、分析用ろ紙につつみ、20℃の水に3分間浸漬した後引き上げ、試料をろ紙から分離した後、再度、試料の質量(=含水質量W)を測定し、(W−W)/W×100(質量%)の値を計算することにより、保水率を算出した。
[実施例2]
粉砕条件を5kg/hrに変えたこと以外は実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
粉砕条件を5kg/hrに変え、かつ、ジェットミルに2回通過させたこと以外は実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
ジェットミルによる粉砕後に、400℃で30分間加熱処理したこと以外は実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[実施例5]
ジェットミルによる粉砕後に、700℃で30分間加熱処理したこと以外は実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
ジェットミルによる粉砕を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
Figure 2009062245
表1から、本発明のホルマイト系粘土鉱物からなる保水性付与材(実施例1〜5)は、300質量%以上の高い保水率を有することがわかる。特に、500℃以上の加熱処理を行うと(実施例5)、保水率が大きく上昇することがわかる。一方、ジェットミルによる微粉砕を行わなかった比較例1では、保水率が低いことがわかる。

Claims (9)

  1. ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物からなり、保水率が300質量%以上であることを特徴とする保水性付与材。
  2. 上記ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物は、15μm以下の平均粒径を有する、セピオライトの粉砕物である請求項1に記載の保水性付与材。
  3. 上記保水性付与材は、連続空隙を有する多孔質硬化体の当該連続空隙内に収容するためのものである請求項1又は2に記載の保水性付与材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の保水性付与材と、セメントと、水を含む保水性硬化材。
  5. 連続空隙を有する多孔質硬化体の当該連続空隙内に、請求項4に記載の保水性硬化材を充填してなる保水性硬化体。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の保水性付与材の製造方法であって、粉砕機を用いてホルマイト系粘土鉱物を粉砕して、15μm以下の平均粒径を有する、ホルマイト系粘土鉱物の粉砕物を得る粉砕工程、を含む保水性付与材の製造方法。
  7. 上記粉砕機がジェットミルである請求項6に記載の保水性付与材の製造方法。
  8. 上記粉砕工程で得られたホルマイト系粘土鉱物の粉砕物を、500℃以上の温度で加熱処理する加熱処理工程を含む請求項6又は7に記載の保水性付与材の製造方法。
  9. 上記ホルマイト系粘土鉱物がセピオライトである請求項6〜8のいずれか1項に記載の保水性付与材の製造方法。
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