JP2009060030A - 金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体デバイス製造の化学的機械的平坦化に用いられる、銅とバリアー金属との境界に発生するスリットを防止する研磨液、及び、研磨の均一性に優れた化学的機械的研磨方法を提供する
【解決手段】半導体デバイス製造工程において、銅又は銅合金からなる導体膜を化学的機械的に研磨する際に用いられる研磨液であって、下記一般式(I)で表されるアミノ酸、保護膜形成剤、酸化剤、及び下記一般式(II)で表される化合物を含むことを特徴とする金属用研磨液。
Figure 2009060030

[一般式(I)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。]
Figure 2009060030

[一般式(II)中、Rはアミノ基を表す。RおよびRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は半導体デバイスの製造に関するものであり、特に半導体デバイス製造において配線工程に用いられる金属用研磨液および化学的機械的平坦化方法に関する。
近年、半導体集積回路(以下、適宜「LSI」と記す。)で代表される半導体デバイスの実用化においては、小型化・高速化のため、配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められており、近年配線用の金属として配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発され、このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下、適宜「CMP」と記す。)等の種々の技術が用いられてきている。
CMPは積層化で生じたウェハ表面の凹凸を平坦化するための技術で、一般には円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。
銅配線のような金属を研磨するための液としては、砥粒(例えばアルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば過酸化水素)とを含むものが一般的で、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
従来よりCMPには、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が平面状ではなく、中央のみがより深く研磨されて皿状のくぼみを生ずる現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、複数の配線金属表面が皿状の凹部を形成する現象(エロージョン)などの問題点が発生することがあると言われている。
特に、近年はウェハ径の大型化に伴うウェハ中心部と周辺部とでの研磨速度の差によるディッシング低減への要求はますます強くなってきている。さらに、最近は、機械的強度の弱い絶縁材料を用いても膜剥離が発生しないように、低圧力下で研磨を行った時でも十分な研磨速度が得られるような方法が望まれている。
このような問題点を解決するために、特許文献1には、砥粒を含まず、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウムおよび水からなる金属用研磨液が開示されている。
また、特許文献2には、テトラザインデン類を含有しディッシングの少ない金属用研磨液が開示されている。
また、銅金属の研磨においては、特に軟質の金属であるがため、前記したディッシング、エロージョンやスクラッチが発生しやすく、バリア金属に接する配線金属に溝が入る現象(スリット)が発生することも知られており、益々高精度の研磨技術が要求されてきている。
特開2001−127019号公報 特開2006−261332号公報
上記特許文献1は、十分な研磨速度が得難いという問題点を有していた。
また、特許文献2では、銅とバリアー金属との境界に発生するスリットを防止する効果は不十分であった。
本発明は、前記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、半導体デバイス製造の化学的機械的平坦化に用いられる、良好な研磨速度と被研磨体の低ディッシングを達成し、スリットの発生を防止する金属用研磨液、及び、前記研磨液を用いた研磨の均一性に優れた化学的機械的研磨方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、下記の金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法により、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法は、以下の通りである。
<1>
半導体デバイス製造工程において、銅又は銅合金からなる導体膜を化学的機械的に研磨する際に用いられる研磨液であって、下記一般式(I)で表されるアミノ酸、保護膜形成剤、酸化剤、及び下記一般式(II)で表される化合物を含むことを特徴とする金属用研磨液。
Figure 2009060030
[一般式(I)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。]
Figure 2009060030
[一般式(II)中、Rはアミノ基を表す。RおよびRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
<2> 更に砥粒を含有する上記<1>に記載の金属用研磨液。
<3> 保護膜形成剤がイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1つを有することを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の金属用研磨液。
<4> 半導体デバイス製造工程において、銅又は銅合金からなる導体膜を有する基板を、上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の金属用研磨液を用いて、化学的機械的に研磨することを特徴とする研磨方法。
<5> 研磨定盤上に貼付した研磨パッドに、前記金属用研磨液を供給しながら、前記金属用研磨液と前記基板の被研磨面と接触させ、前記研磨パッドと前記被研磨面とを相対運動させて前記被研磨面を研磨することを特徴とする上記<4>に記載の研磨方法。
ここで、本発明における温度測定は、研磨をウェハ直径:300mm、被研磨面と研磨パッドの接触圧力:2psi、被研磨面と研磨パッドの平均相対運動速度:2m/sの条件で行ったものとする。研磨終了後の研磨パッドの温度とは、オーバーポリッシュ終了直後の研磨パッドの温度のことである。
本発明によれば、半導体デバイス製造の化学的機械的平坦化に用いられる、良好な研磨速度と被研磨体の低ディッシングを達成し、スリットの発生を防止する研磨液、及び、前記研磨液を用いた化学的機械的研磨方法を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
[金属用研磨液]
本発明の研磨液は、下記一般式(I)で表されるアミノ酸、保護膜形成剤、酸化剤、及び下記一般式(II)で表される化合物を含む。さらに砥粒を含有することが好ましい。研磨液は、通常は、各成分を溶解してなる水溶液に砥粒を分散させてなるスラリーの形態をとる。
研磨液が含有する各成分については、以下に詳述するが、それぞれの成分は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する組成(濃度)の研磨液のみならず、使用時に必要により希釈して用いる研磨濃縮液も本発明では特に断りのない限り、研磨液と称する。濃縮液は研磨に使用する際に、水または水溶液などで希釈して、研磨に使用されるもので、希釈倍率は一般的には1〜20体積倍である。
なお、本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
次に、本発明の研磨液の各成分について説明する。
まず、本発明の金属用研磨液における前記(1)で表されるアミノ酸誘導体について順次説明する。
<(1)一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体>
本発明の金属用研磨液は、下記一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体(以下、適宜、「特定アミノ酸誘導体」と称する。)を含有する。
Figure 2009060030
前記一般式(I)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が挙げられ、これらの中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、該アルキレン基は直鎖状であっても分岐状であってもよい。Rで表されるアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、例えば、イソブチレン基、n−ブチレン基、s−ブチレン基、t−ブチレン基が挙げられ、これらの中でもメチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基がより好ましく、メチレン基、エチレン基が更に好ましい。
は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、カルボキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基、アルコキシ基等が挙げられる。
一般式(I)におけるR及びRの組み合わせとしては、Rがメチル基,エチル基,n−プロピル基,n−ブチル基であり、Rがメチレン基、エチレン基、プロピレン基,n−ブチレン基である組み合わせが好ましく、Rがメチル基,エチル基,n−プロピル基であり、Rがメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基である組み合わせがより好ましく、Rがメチル基、エチル基であり、Rがメチレン基、エチレン基である組み合わせが更に好ましい。
特定アミノ酸誘導体としては、充分な研磨速度が得られるという観点からは、N−メチルグリシン、N−メチルアラニン、及びN−エチルグリシンから選択される少なくとも1種であることが好ましく、N−メチルグリシン、N−エチルグリシンであることがより好ましい。
本発明における一般式(I)で表される特定アミノ酸誘導体の具体例(例示化合物:A−1〜A−4、B−1〜B−4、C−1〜C−4)を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009060030
特定アミノ酸誘導体は、公知の方法により得ることができる。また、特定アミノ酸誘導体としては、市販品を用いることもできる。
本発明の金属用研磨液における特定アミノ酸誘導体の含有量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液(即ち、水又は水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液を指す。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同義である。)の1L中、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。
<(2)保護膜形成剤>
本発明の研磨液は、研磨対象の表面に保護膜を形成する化合物として、少なくとも1種の保護膜形成剤を含有することが好ましく、複素芳香環化合物が好ましく使用される。
ここで、「複素芳香環化合物」とはヘテロ原子を含んだ複素芳香環を有する化合物である。
ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子であり、より好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子であり、さらに好ましくは、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子であり、特に好ましくは窒素原子、及び硫黄原子であり、最も好ましくは窒素原子である。
複素芳香環を有する化合物に含まれるヘテロ原子の数は限定されるものではないが、被研磨面への吸着力の観点から、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましく、さらに好ましくは4個以上のヘテロ原子を含む化合物である。特に、3個以上の窒素原子を含有する複素芳香環化合物を用いることは好ましく、4個以上の窒素原子を含有する複素芳香環化合物を用いると本発明の顕著な効果が得られ、好ましい。
また、複素芳香環は単環であっても縮合環を有する多環であってもよい。単環の場合の員数は、好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5である。縮合環を有する多環の場合の環数は、好ましくは2または3である。
これらの複素芳香環として具体的に、以下のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
例えば、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズチアジアゾール環、ベンズフロキサン環、ナフトイミダゾール環、ベンズトリアゾール環、テトラアザインデン環等が挙げられ、より好ましくはトリアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。
前記複素芳香環化合物は、置換基を有することができる。前記複素芳香環化合物に導入しうる置換基としては、例えば以下のものが挙げられる。
複素環が有しうる置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖状、分岐状又は環状の総炭素数1〜17のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、総炭素数2〜17のアルケニル基、総炭素数2〜17のアルキニル基、総炭素数6〜17のアリール基、アミノ基、ヘテロ環基が挙げられる。さらに、複数の置換基のうち2以上が互いに結合して環を形成してもよく、例えば、芳香環、脂肪族炭化水素環、複素環などを形成することもできる。
本発明で特に好ましく用いることができる複素芳香環化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
すなわち、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾールである。
本発明で用いる保護膜形成剤は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、本発明で用いる保護膜形成剤としての複素芳香環化合物は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
本発明で用いる複素芳香環化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液(即ち、水または水溶液で希釈する場合は希釈後の金属用研磨液。以降の「研磨に使用する際の金属用研磨液」も同意である。)の1L中、被研磨面への吸着量の観点から、0.0001〜0.1molが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.05mol、更に好ましくは0.0005〜0.01molである。
<(3)酸化剤>
本発明の金属用研磨液は、酸化剤(研磨対象の金属を酸化できる化合物)を含有する。
具体的には、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水および銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。
鉄(III)塩としては、例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
鉄(III)の有機錯塩を用いる場合、鉄(III)錯塩を構成する錯形成化合物としては、例えば、酢酸、クエン酸、シュウ酸、サリチル酸、ジエチルジチオカルバミン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−エタンジチオール、マロン酸、グルタル酸、3−ヒドロキシ酪酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、3−ヒドロキシサリチル酸、3,5−ジヒドロキシサリチル酸、没食子酸、安息香酸、マレイン酸などやこれらの塩の他、アミノポリカルボン酸及びその塩が挙げられる。
アミノポリカルボン酸及びその塩としては、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,2−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン1−N,N’−二酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸など及びその塩が挙げられる。対塩の種類は、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、特にはアンモニウム塩が好ましい。
中でも、過酸化水素、ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、塩素酸塩、過硫酸塩、鉄(III)の有機錯塩が好ましく、鉄(III)の有機錯塩を用いる場合の好ましい錯形成化合物は、クエン酸、酒石酸、アミノポリカルボン酸(具体的には、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸)を挙げることができる。
前記酸化剤の中でも、過酸化水素、過硫酸塩、並びに鉄(III)のエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸及びエチレンジアミンジコハク酸(SS体)の錯体が好ましく、過酸化水素がより好ましい。
酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.003mol〜8molとすることが好ましく、0.03mol〜6molとすることがより好ましく、0.1mol〜4molとすることが特に好ましい。即ち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が十分で高いCMP速度を確保する点で0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
<(4)一般式(II)で表わされる化合物>
本発明の金属用研磨液は、下記一般式(II)で表される化合物(以下、適宜、「特定化合物」と称する。)を含有する。
Figure 2009060030
前記一般式(II)中、R7はアミノ基を表す。前記アミノ基は置換可能である。
前記一般式(II)中、RおよびR9はそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
前記炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が挙げられ、これらの中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
一般式(II)におけるR7〜の組み合わせとしては、Rがアミノ基、メチルアミミノ基、ジメチルアミノ基、トリメチルアミノ基、ジメチル(プロパン−2−イル)アミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、ベンジジノ基、ベンジルアミノ基であり、Rが水素、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基であり、Rが水素、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基である組み合わせが好ましく、Rがアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、トリメチルアミノ基、ジメチル(プロパン−2−イル)アミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、ベンジジノ基、ベンジルアミノであり、Rが水素、ヒドロキシル基、アミノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基であり、Rが水素、ヒドロキシル基、アミノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基である組み合わせがより好ましく、Rがアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、トリメチルアミノ基、ジメチル(プロパン−2−イル)アミノ基であり、Rが水素、ヒドロキシル基、アミノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基であり、Rが水素、ヒドロキシル基、アミノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基である組み合わせが更に好ましい。
一般式(II)で表される化合物の分子量は、溶解性の観点から、好ましくは20〜600であり、より好ましくは40〜400である。
一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定するものではない。
Figure 2009060030
(4)特定化合物は、公知の方法により得ることができ、市販品を用いることもできる。
本発明の金属用研磨液における(4)特定化合物の含有量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、好ましくは0.0001〜20質量%、より好ましくは0.0002〜10質量%である。
前記(4)特定化合物の含有量は、スリット抑制を確保する点で、0.0002質量%以上が好ましく、研磨速度を確保する点で20質量%以下とすることが好ましい。
<(5)砥粒>
本発明の金属用研磨液は、研磨速度向上のために砥粒を含有することが好ましい。
本発明の金属用研磨液に用いうる砥粒としては、例えば、シリカ(沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ)、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガン、炭化ケイ素、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリテレフタレートなどが挙げられる。特に、コロイダルシリカを用いると、本発明の顕著な効果が得られ、好ましい。
また、砥粒のサイズは、一般的に5〜200nmであり、十分な研磨速度を達成する観点から、平均粒径5〜200nmが好ましく、10〜130nmがより好ましく、銅とバリアー金属との境界に発生するスリット防止の観点から、特に平均粒径20〜70nmの砥粒を用いると本発明の効果であるが顕著に得られ、好ましい。
ここで、本発明における砥粒の平均粒径とは、動的光散乱法から得られた粒度分布において求められる平均粒子径を表す。例えば、粒度分布を求める測定装置しては堀場製作所製LB−500等が用いられる
砥粒の添加量としては、使用する際の金属用研磨液1L中に0.05〜20gの砥粒を含むことが好ましく、特に0.2〜5gの砥粒を含むと本発明の効果が顕著に得られ、好ましい。
<金属用研磨液のpH>
研磨に使用する際の金属用研磨液のpHは3〜12が好ましく、より好ましくは4〜9であり、特に5〜8が好ましい。この範囲において本発明の金属液は特に優れた効果を発揮する。
本発明の金属用研磨液のpHは、研磨面へ砥粒の吸着性や反応性、研磨金属の溶解性、被研磨面の電気化学的性質、化合物官能基の解離状態、液としての安定性などを考慮して設定することできる。
pHは、例えば、前記pH調整剤等の添加などにより調整することができる。
<その他の成分>
本発明の金属用研磨液は、さらに上記以外のその他の成分を含有してもよく、例えば、界面活性剤、親水性ポリマー、及び、その他の添加剤を挙げることができる。
(界面活性剤/親水性ポリマー)
本発明の研磨液は、界面活性剤や親水性ポリマーを含有することが好ましい。
界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤や親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩が挙げられ、両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができ、非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、また、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
さらに、親水性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール等のポリグリコール類、ポリビニルアルコール、ポロビニルピロリドン、アルギン酸等の多糖類、ポリメタクリル酸等のカルボン酸含有ポリマー等が挙げられる。
なお、上記のものの中でも、酸型もしくは塩としてはアンモニウム塩が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染がなく望ましい。
上記例示化合物の中でも、シクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
これらの界面活性剤や親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。即ち、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、十分な研磨効果を得る上で、0.001g以上が好ましく、研磨速度の低下防止の点から10g以下が好ましい。
(その他の添加剤)
−pH調整剤−
本発明の金属用研磨液は、所定のpH調整及びpH変動抑制の観点からアルカリ剤/酸又は緩衝剤を添加されることが好ましい。
アルカリ剤/酸又は緩衝剤としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。
特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ/酸又は緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
−キレート剤−
本発明の金属用研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤を含有していてもよい。 キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物を用いることができ、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤は、必要に応じてこれらを2種以上併用しても良い。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加することができる。
[研磨方法]
本発明の研磨方法は、半導体デバイス製造工程において、銅又は銅合金からなる導体膜を有する基板を、本発明の金属用研磨液を用いて、化学的機械的に研磨することを特徴とする。
本発明の研磨方法で使用する金属用研磨液は、それが濃縮液であって使用する際にその濃縮液に水を加えて希釈して使用液とする場合、又は、各成分が後述する水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。本発明における金属用研磨液としては、特に制限されないで、上記いずれの態様も適用できる。
本発明の研磨方法としては、研磨定盤上に貼付した研磨パッドに、前記本発明の金属用研磨液を供給しながら、前記金属用研磨液と前記基板の被研磨面と接触させ、前記基板の被研磨面を研磨パッドに押圧した状態で、前記研磨パッドと前記被研磨面とを相対運動させて前記被研磨面を研磨することが好ましい態様である。
次に、本発明において、研磨される銅又は銅合金からなる導体膜を有する基板(半導体集積回路ウェハ)について説明する。
(配線金属材料)
本発明における研磨対象としては、凹部を有する層間絶縁膜の表面に一面に形成されたバリア金属膜と、該バリア金属膜の表面に前記凹部が埋まるように形成された銅又は銅合金からなる導体膜と、を有する基板であることが好ましく、この基板は半導体基板であり、銅及び/又は銅合金からなる配線を持つLSIであることがより好ましく、特に配線が銅合金であることが好ましい。
前記銅合金の中でも銀を含有する銅合金が適している。銅合金に含有される銀含量は、10質量%以下、さらには1質量%以下で優れた効果を発揮し、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において本発明の最も優れた効果を発揮する。
(配線の太さ)
本発明の対象である半導体は、例えばDRAMデバイス系ではハーフピッチで0.15μm以下で特には0.10μm以下、更には0.08μm以下、一方、MPUデバイス系では0.12μm以下で特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を持つLSIであることが好ましい。これらのLSIに対して、本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
(基板)
本発明に用いられる基板(ウエハ)の例としては、8インチ、12インチ半導体用ウエハ製造工程、あるいは、マイクロマシン製造工程に用いられるものが挙げられる。その種類としては、半導体用シリコンウエハやSOIウエハ、半導体レーザなどに使用される化合物半導体のサファイヤ基板なども含まれる。他には、高分子のフィルム基板上に配線パターンを形成し、平坦化する用途にも用いられる。
本発明の金属用研磨液でCMPを行う対象ウエハは、直径が300mm以上であることが好ましく、300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
(バリア金属膜)
バリア金属膜とは、半導体基板上に設けられる銅又は銅合金からなる導体膜(配線)と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐ為のバリア層(膜)である。バリア金属膜の材料としては、低抵抗のメタル材料であることが好ましく、例えばTiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
(層間絶縁膜)
本発明における層間絶縁膜としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜が適用できる。無機絶縁膜の作製方法として、定圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。有機系ではテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低比誘電率の層間絶縁膜があげられる。
本発明における層間絶縁膜の厚さは、多層配線における配線の上部と下部、又は世代間(ノード)により適宜調整可能である。
次に、研磨の方法について説明する。
(研磨装置)
本発明を実施できる装置は、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用でき、直径300mmのウェハを研磨できる装置であれば特に限定されず、例えばFREX300(荏原製作所)を用いることができる。
本発明における研磨方法における研磨条件には制限はないが、研磨定盤の線速度は1m/s以上が望ましい。
被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板を研磨パッドに押圧することが好ましく、押圧した時の圧力(押しつけ圧力)は、20kPa以下であることが好ましく、さらに13kPa以下の低圧条件下にすることによって、高研磨速度を維持したままの状態で、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を向上させることが可能であるためより好ましい。
なお、押しつけ圧力が20kPaを超えると、平坦性が悪化する場合がある。
また、押しつけ圧力の下限としては、特に限定されないが、2kPa程度である。
(研磨液供給方法)
本発明において、対象金属を研磨している間、研磨定盤上の研磨パッドに金属用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。
本発明では、濃縮された金属用研磨液に水または水溶液を加え希釈して用いることもできる。
希釈方法としては、例えば、濃縮された金属用研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、希釈された金属用研磨液を研磨パッドに供給する方法などを挙げることができる。その場合の混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を用いることができる。
前記金属用研磨液を希釈する水溶液は、次に述べる水溶液と同じである。水溶液は、予め、酸化剤、酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水で、水溶液中に含有した成分と希釈される金属用研磨液の成分を合計した成分が、金属用研磨液を使用して研磨する際の成分となるようにする。金属用研磨液を水溶液で希釈して使用する場合は、溶解しにくい成分を水溶液の形で配合することができ、より濃縮した金属用研磨液を調製することができる。
また、他の希釈方法としては、金属用研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法する方法も本発明に用いることが出来る。
さらに、1つの容器に所定量の濃縮された金属用研磨液と水または水溶液を入れて混合し、所定の濃度に希釈した後に、その混合液を研磨パッドに供給する方法も本発明に適用することが出来る。
これらの方法以外に、金属用研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水または水溶液を加え希釈して研磨パッドに供給する方法も本発明に用いることが出来る。この場合、酸化剤を含む成分と酸を含有する成分とに分割して供給する事が好ましい。
例えば、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、3つの配管を研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合してもよく、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合して混合してもよい。例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水または水溶液の配管を結合することで研磨液を供給することも可能である。
また、上記の3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合して供給してもよいし、1つの容器に3つの構成成分を混合した後に、その混合液を研磨パッドに供給してもよい。さらに、金属用研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
導体膜の研磨中に、研磨パッドへ供給される研磨液の流量としては、金属用研磨液の供給速度は、0.070〜0.30ml/(min・cm)の範囲であることが好ましく、充分な研磨速度を得る点からは、0.1〜0.25ml/(min・cm)の範囲であることがより好ましい。
(パッド)
本発明の金属用研磨液を用いて化学的機械的研磨方法を実施する際に用いる研磨用のパッドには特に制限はなく、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。
前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。
また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。
パッドの材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、研磨条件等は、次の通りである。
[砥粒(粒子)の調製]
−特定コロイダルシリカ(D−1)及び(D−2)の調製−
特定コロイダルシリカ(D−1)を以下のようにして調製した。
平均砥粒サイズが25nmのコロイダルシリカの20質量%水分散物1000gにアンモニア水を加えてpHを9.0に調整し、その後室温にて攪拌しながらAl濃度3.6質量%、NaO/Alモル比1.50のアルミン酸ナトリウム水溶液15.9gを30分かけてゆっくり添加し0.5時間攪拌した。得られたゾルは、SUS製オートクレーブ装置に入れ、130℃4時間加熱後、水素型強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)を充填したカラムと水酸基型強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)に空間速度1h−1で室温にて通液し、初留はカットした。
特定コロイダルシリカ(D−2)を以下のようにして調製した。
上記特定コロイダルシリカ(D−1)の調製において、加熱処理を行わずに、水素型強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)を充填したカラムと水酸基型強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)に空間速度1h−1で室温にて通液し、初留はカットした。
上記の方法により、表1に示す特定コロイダルシリカ(D−1)及び(D−2)を調製した。なお、特定コロイダルシリカ(D−1)及び(D−2)は、調製後の増粘、ゲル化は見られなかった。
Figure 2009060030
[研磨条件]
以下の研磨条件で研磨を行い、研磨速度、ディッシング及びスリットの評価を行った。その結果を表2、3に示す。
・研磨装置:FREX300(荏原製作所)
・被研磨体(ウエハ):
(1)研磨速度算出用;シリコン基板上に厚み1.5μmのCu膜を形成した
直径300mmのブランケットウエハ
(2)ディッシング評価用;直径300mmの銅配線ウエハ(パターンウエハ)
(マスクパターン754CMP(ATDF社))
・研磨パッド:IC1400−K Groove(ロデール社製)
・研磨条件;
研磨圧力(被研磨面と前記研磨パッドとの接触圧力):14000Pa
研磨液供給速度:200ml/min
研磨定盤回転数:104rpm
研磨ヘッド回転数:85rpm
[評価項目]
1.研磨速度の評価
前記(1)のブランケットウエハを60秒間研磨し、ウエハ面上の均等間隔の49箇所に対し、研磨前後での金属膜厚を電気抵抗値から換算して求め、それらを研磨時間で割って求めた値の平均値を研磨速度とした。
2.ディッシング評価
前記(2)のパターンウエハに対し、非配線部の銅が完全に研磨されるまでの時間に加え、更にその時間の25%分だけ余分に研磨を行い、ラインアンドスペース部(ライン10μm、スペース10μm)の段差を、接触式段差計DektakV3201(Veeco社製)で測定した。
3.スリット評価
上記ディッシング評価で使用したパターンウェハの配線部のスリットの有無をSEMを用いて評価した。
[実施例1]
(金属用研磨液101の調製)
下記組成の各成分を混合し、金属用研磨液を調整した。得られた金属用研磨液を用いて、前記条件で研磨を行い、前記項目について評価した。
成分(1):A−3(一般式(I)のアミノ酸) 0.2mol
成分(2):1,2,4−トリアゾール(保護膜形成剤) 0.0015mol
成分(3):I−2(一般式(II)の化合物) 0.13g
成分(4):過硫酸アンモニウム(酸化剤) 12g
界面活性剤:ドデシルジフェニルエーテルモノスルホン酸 0.1g
水溶性ポリマー:ポリリン酸 0.0001g
砥粒:酸化セリウム(粒径25nm) 5g
純水を加えて全量 1000mL
pH調整剤:(KOHと硝酸で調整) pH7.5
[実施例2〜7、比較例1〜4]
実施例1において、研磨液の構成成分及びその含有量を表2、3に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして研磨液を調製し、実施例1と同様に研磨試験及び評価を行った。結果を表2、3に示す。
Figure 2009060030
Figure 2009060030
表2、3から明らかなように、本発明の研磨液を用いた化学的機械的研磨方法(本発明の研磨方法)により、700nm/min以上の高い研磨速度と低ディッシングとが両立でき、かつ、配線部に入るスリットの低減も同時に実現できることが判った。

Claims (5)

  1. 半導体デバイス製造工程において、銅又は銅合金からなる導体膜を化学的機械的に研磨する際に用いられる研磨液であって、下記一般式(I)で表されるアミノ酸、保護膜形成剤、酸化剤、及び下記一般式(II)で表される化合物を含むことを特徴とする金属用研磨液。
    Figure 2009060030


    [一般式(I)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。]
    Figure 2009060030


    [一般式(II)中、Rはアミノ基を表す。RおよびRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
  2. 更に砥粒を含有する請求項1に記載の金属用研磨液。
  3. 保護膜形成剤がイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属用研磨液。
  4. 半導体デバイス製造工程において、銅又は銅合金からなる導体膜を有する基板を、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属用研磨液を用いて、化学的機械的に研磨することを特徴とする研磨方法。
  5. 研磨定盤上に貼付した研磨パッドに、前記金属用研磨液を供給しながら、前記金属用研磨液と前記基板の被研磨面と接触させ、前記研磨パッドと前記被研磨面とを相対運動させて前記被研磨面を研磨することを特徴とする請求項4に記載の研磨方法。
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