JP2009053309A - ペリクル膜評価用治具及びペリクル膜の評価方法並びに薄膜評価用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ペリクル膜13の表側、裏側、並びに局所的な異物分析を安定的に行えるペリクル膜評価用治具1及びペリクル膜の評価方法並びに薄膜評価用治具を提供する。
【解決手段】ペリクル膜13とペリクルフレームとからなるペリクルのペリクル膜13上の異物14を評価するための枠形状のペリクル膜評価用治具1であって、ペリクル膜13を張る面15を備えた保持部10と、保持部10の周辺部との間でペリクル膜13をはさむ枠部11と、張る面15の内側に設けられ、端部16がペリクル膜1を張る面15より飛び出し可能で、端部16の高さを可変できペリクル膜13の撓みを防止する撓み防止部12とから構成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ペリクル膜13とペリクルフレームとからなるペリクルのペリクル膜13上の異物14を評価するための枠形状のペリクル膜評価用治具1であって、ペリクル膜13を張る面15を備えた保持部10と、保持部10の周辺部との間でペリクル膜13をはさむ枠部11と、張る面15の内側に設けられ、端部16がペリクル膜1を張る面15より飛び出し可能で、端部16の高さを可変できペリクル膜13の撓みを防止する撓み防止部12とから構成されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、フォトマスク用防塵カバーであるペリクルを構成するペリクル膜の表側と裏側、又は任意の一部分に存在するイオン性物質や異物等を表裏のどちらかに付着していても汚染しないように分析できるようにしたペリクル膜評価用治具及びペリクル膜の評価方法に関する。
ウエハー等を用いた半導体を製造する場合には、フォトマスクに形成されたパターンをフォトレジスト等の感光剤を塗布した基板上に投影光学系にて露光する投影露光方式が使用されている。近年、パターン形状の微細化に伴い、使用される露光光は短波長化される傾向にあり、KrF(波長248nm)やArF(波長193nm)を用いた露光装置が実用化され、1つの半導体回路に対して数十枚に及ぶフォトマスクが使用されている。
これらのフォトマスクは露光時、または保管時、または搬送時に周囲を浮遊する浮遊埃が付着して異物となる。フォトマスク上の異物は、露光時、その部分の結像を妨げるため、製品に欠陥が現れる。このようなフォトマスク表面に付着する異物による解像不良を防ぐため、フォトマスクは表面に透光性を有する防塵カバーとしてペリクルを装着している(例えば、特許文献1参照)。
ペリクルを装着したフォトマスクにおいても、近年では、使用環境によっては欠陥が発生している。これは、周囲を浮遊する異物以外にも、露光、保管を繰り返す事で、ペリクルを構成する部材内部の曇り原因物質が変質して異物となり、フォトマスク上に該異物が徐々に堆積する影響によるものである。
フォトマスク上に異物が一定以上堆積すると、フォトマスクに曇りが発生し、製品に欠陥が現れる。このため、曇りを除去するためにフォトマスクを洗浄する必要があるが、洗浄により、製品製造のためのコストが増大したり、フォトマスクのパターンが磨耗したりする。
さらに近年においてはペリクル膜にも成長性の異物が発生することが問題視されている。この異物の分析のために、これまでのフォトマスク中心の分析だけでなく、ペリクル膜等を含めた分析の必要性が高まっている。
このような問題に対応するための、ペリクル膜の異物分析の方法としては、ペリクル膜から異物そのものを取り出し、試料ホルダ上に移動した後に分析を行ったり、異物が載っているペリクル膜そのものを一部断裁し、分析ホルダに載せかえて分析をする方法などがとられてきた。
しかし、ペリクル膜の破れやすい性質とペリクルフレームとの一体性から、作業者やペリクルの膜種ごとに成功率が異なり、常にサンプリングや分析を成功させることは困難である。また、サンプルの前処理がうまく出来ても、ペリクルの縮みやすい性質から、撓みが発生する事により、異物をうまく発見できない事がある。さらに前処理時にペリクルの表面に異物があるのか、裏面にあるのか分かりにくいこともあり、最適な分析が実施できない事も多い。
このため、ペリクル膜に関わる分析を安全かつ高い精度で実施する為の治具並びに手法の開発が求められている。
以下に公知の文献を記す。
特開平06−019124号公報
本発明は、上記問題点に鑑み考案されたもので、ペリクル膜の表側、裏側における異物等の評価を安定的に行えるペリクル膜評価用治具及びペリクル膜の評価方法並びに薄膜評価用治具を提供することを目的とする。
本発明に於いて上記問題を解決するために、まず請求項1では、ペリクル膜とペリクルフレームとからなるペリクルのペリクル膜上の異物を評価するための枠形状のペリクル膜評価用治具であって、ペリクル膜を張る面を備えた保持部と、保持部の周辺部との間でペリクル膜をはさむ枠部と、張る面の内側に設けられ、端部がペリクル膜を張る面より飛び出し可能で、端部の高さを可変できペリクル膜の撓みを防止する撓み防止部とから構成されることを特徴としたペリクル膜評価用治具としたものである。
また、請求項2では、撓み防止部のペリクル膜に接する端部の中央部に凹部を形成することを特徴とした請求項1に記載のペリクル膜評価用治具としたものである。
また、請求項3では、請求項1または2に記載のペリクル膜評価用治具を用いて、ペリクル膜の表裏面に付着した異物が撓み防止部に位置するようにペリクル膜を保持部の膜を張る面に張り、保持部と枠部でペリクル膜をはさみ、撓み防止部の端部の高さを変えてペリクル膜を押し出しその撓みを除去し、異物を分析することを特徴とするペリクル膜の評価方法としたものである。
また、請求項4では、薄膜上の異物を評価するための枠形状の薄膜評価用治具であって、薄膜を張る面を備えた保持部と、保持部の周辺部との間で薄膜をはさむ枠部と、薄膜を張る面の内側に設けられ、端部が薄膜を張る面より飛び出し可能で、端部の高さを可変でき薄膜の撓みを防止する撓み防止部とから構成されることを特徴とした薄膜評価用治具としたものである。
本発明のペリクル膜評価用治具は、本発明のペリクル膜評価用治具が保持部と枠部からなることで、ペリクル膜を撓ませる事なく保持する事が出来、さらに保持部の中央に可変の撓み防止部を有することで、確実にペリクル膜の撓みを抑える事が出来る。
さらにまた、可変の防止部の表面を凹部形状にすることでペリクル膜上面の測定時に裏側を汚染させることなく分析を可能にし、表側に異物が付着していない場合、裏側を試料台起因の汚染を付着させることなく分析する事が可能になる。
このような作用効果を有するので、本発明のペリクル膜評価用治具及びペリクル膜の評価方法は、ペリクル膜の表側、裏側における異物等の評価を安定的に行えるペリクル膜評価用治具及びペリクル膜の評価方法とすることができる。
さらにまた、本発明の評価用治具は、撓みの発生する薄膜の評価にも同様の作用効果が得られ、ペリクル膜を薄膜とすることで、薄膜評価用治具及びそれを用いた薄膜評価方法とすることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明のペリクル膜評価用治具の一実施の形態例を示した模式説明図であり、図1(a)は、平面から見た模式説明図、図1(b)は、図1(a)をA−A’線で切断して断面で示した模式説明図をそれぞれ示す。ただし、図(a)、(b)のスケールは一致していない。
図1は、本発明のペリクル膜評価用治具の一実施の形態例を示した模式説明図であり、図1(a)は、平面から見た模式説明図、図1(b)は、図1(a)をA−A’線で切断して断面で示した模式説明図をそれぞれ示す。ただし、図(a)、(b)のスケールは一致していない。
本実施の形態例のペリクル膜評価用治具1は、ペリクル膜とペリクルフレームとからなるペリクルのペリクル膜上の異物を評価するための枠形状のペリクル膜評価用治具1であって、ペリクル膜を張る面15を備えた保持部10と、保持部10の周辺部との間でペリクル膜をはさむ枠部11と、張る面15の内側に設けられ、端部16がペリクル膜を張る面より飛び出し可能で、端部16の高さを可変できペリクル膜の撓みを防止する撓み防止部12とから構成されている。
図1(a)及び(b)に示す一実施の形態例のペリクル膜評価用冶具1は、金属など導電性樹脂など円形状の保持部10と枠11並びに保持部10の中央部に端部16の高さを可変できる撓み防止部12からなり後記するペリクル膜とペリクルフレームとからなるペリクルのペリクル膜上のイオン性物質、有機系物質、金属系物質を評価するためのものである。
ペリクル膜評価用冶具の保持部10並びに枠11の形状はペリクルフレームより小さいのが特徴で、ペリクル膜の表側及び裏側の任意の部分に付着した異物や汚染物を確実に分析でき、ペリクル膜の安定的な評価を行うことができるようになっている。
さらに本実施の形態例では、撓み防止部10のペリクル膜に接する端部16の中央部に凹部を形成している。図2は、本発明のペリクル膜評価用冶具の一実施の形態例にペリクル膜を張った状態を示す模式説明図で、(a)は平面からみた模式説明図で、(b)は(a)をA−A’線で切断して断面で示した模式説明図である。ただし、図(a)、(b)のスケールは一致していない。また図(b)では、ペリクル膜評価用治具外にあるペリクル膜は、図示していない。
異物14の着いたペリクル膜13を、膜評価用治具1の保持部10のペリクル膜を張る面に張り、枠11と保持部10の周辺部で挟んである。ペリクル膜13は、異物を評価するときには、ペリクルからはずした状態である。そして、撓み防止部12のペリクル膜に接する端部16の中央部に凹部17を形成している。
ペリクル膜評価用冶具1は、このように、撓み防止部12に、ペリクル膜13の表面を測定したときに、ペリクル膜13裏面の撓み防止部12による汚染を防ぐ目的で中央部に凹部17を持たせた形状としているので、ペリクル膜13の表面か、裏面に異物があるか分からない場合でもどちらか一方を分析した後でも、もう片方の異物を試料の汚染を気にすることなく、分析が可能になる。
また、上記ペリクル膜評価用冶具1の枠形状については、円形状のみ1例について説明したが、ペリクルのペリクルフレームより小さいものであれば、いかなる形状であってもよい。
ペリクル膜評価用治具は、図2に示すように、ペリクルのペリクル膜13の異物がある位置に装着する。このようにペリクル膜評価用治具をペリクル膜13の両側から装着することにより、ペリクル膜評価用治具はペリクル膜13に密着するので、ペリクル膜評価用冶具の枠内は撓むことがなく、容易かつ安定的に分析が可能になる。
また、ペリクル膜評価用冶具の外形がペリクルフレームよりも小さいことで、ペリクル膜上の異物部だけを正確にサンプリングすることが可能になる。さらにペリクル膜の表側、裏側を問わず、任意の一部分のみを選択的にサンプリングすることが可能になる。
撓み防止部のペリクル膜を張る面は、図では平坦な平面形状であるが、これにこだわるものではなく、ペリクル膜を張ることが出来る形状であればよい。例えば端部でペリクルを張り、その内部は凹面形状として膜と接触しない形状でも良い。
本発明のペリクル膜評価用冶具を装着するペリクルについて説明する。
ペリクルは、フォトマスク上に設置する透光性を有する防塵カバーであり、ペリクル膜13を保持し、展開するためのペリクルフレームと、透光性を有し、異物をトラップするためのペリクル膜13と、ペリクルフレームと、ペリクル膜とを接着するためのペリクル接着剤と、ペリクルフレームと、フォトマスクとを接着するためのマスク接着剤と、ペリクルフレーム内外の圧力差を調節するためのフィルターを具備してなる。
ペリクルは、フォトマスク上に設置する透光性を有する防塵カバーであり、ペリクル膜13を保持し、展開するためのペリクルフレームと、透光性を有し、異物をトラップするためのペリクル膜13と、ペリクルフレームと、ペリクル膜とを接着するためのペリクル接着剤と、ペリクルフレームと、フォトマスクとを接着するためのマスク接着剤と、ペリクルフレーム内外の圧力差を調節するためのフィルターを具備してなる。
ペリクル膜13は、ペリクルフレームにより保持され、フォトマスクの露光エリアを覆うように設けられる。このため、ペリクル膜13は露光によるエネルギーを遮断させない様、透光性を有する。また、シワなどによりフォトマスク表面に影を作らせ無いよう、ペリクルフレームと均一の力がかかるよう貼られている。ペリクル膜としては、フッ素系や酢酸セルロース等の透明性膜や、石英ガラスなどが用いられている。
ペリクルフレームはペリクル膜13を保持し、展開するために設けられる。また、露光時の光の散乱を防ぐために黒化処理が施されている。また、形状は露光部に影響を与えない形で作成され、また、ペリクルフレームには、発塵を防ぐ目的と、他から来た発塵を露光部に存在させないことを目的として、内壁部に粘着物を加えることもある。ペリクルフレームとしては、例えば、アルミなどの金属系フレームや、樹脂系フレームなどが用いられている。
マスク接着剤は、ペリクルフレームとフォトマスクを接着するために用いられる。マスク接着剤としては、シリコン系やアルカリ系の接着剤が好適である。
フィルターは、ペリクルフレームの側面に内外圧力差を緩和する為に存在する穴から、塵が入り込まない様にするため設けられる。フィルターとしては、HEPAフィルターに用いられるポリプロピレン(PP)やパーテトラフルオロフラン(PTFE)などを用いている。
ペリクル膜13はフォトマスクに付着する異物に焦点が合わさることを防ぎ、ウェハーへの解像不良を防ぐため、フォトマスク上に装着される。このとき、ペリクルはフォトマスクの露光エリアを覆うように装着される。
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
まず、図1(a)及び(b)に示すペリクル膜評価用冶具を異物が付着したペリクルのペリクル膜13に装着した(図2(a)及び(b)参照)。
次に、保持台の中央部にある治具12をゆっくりと数mm上げ、ペリクル膜13のたわみを完全になくした。
さらに、ペリクル膜評価治具をSEM(日本電子株式会社製SEM 機種名6401F)に導入し、EPMA分析(オックスフォードインスツルメンツ社製 機種名LINK ISIS)を実施した。ペリクル膜表面にあった異物を容易に観察、分析する事が出来た。
まず、図1(a)及び(b)に示すペリクル膜評価用冶具を異物が付着したペリクルのペリクル膜13に装着した(図2(a)及び(b)参照)。
次に、保持台の中央部にある治具12をゆっくりと数mm上げ、ペリクル膜13のたわみを完全になくした。
さらに、ペリクル膜評価治具をSEM(日本電子株式会社製SEM 機種名6401F)に導入し、EPMA分析(オックスフォードインスツルメンツ社製 機種名LINK ISIS)を実施した。ペリクル裏面に異物があったため、異物を観察する事が出来なかった。
次に、ペリクルを裏返し、同様の手段でサンプルを再作成した。保持台の中央部にある治具は中央部が凹部であることから、異物は試料台の汚染の影響を受ける事がなく、容易に観察分析する事が出来た。
上記ペリクル膜評価用冶具を用いて、ペリクルのペリクル膜13を評価することにより、表側と裏側のペリクル膜13上のイオン性物質、有機系物質、金属系物質を評価することが可能となり、しかも、ペリクルの表側、裏側のどちらにあるか分からない異物でも試料台由来の汚染の影響がない為、正確な測定をする事が可能となった。
1・・・ペリクル膜評価用治具
10・・・保持部
11・・・枠部
12・・・撓み防止部
13・・・ペリクル膜
14・・・異物
15・・・ペリクル膜を張る面
16・・・撓み防止部の端部
17・・・撓み防止部の端部の凹部
10・・・保持部
11・・・枠部
12・・・撓み防止部
13・・・ペリクル膜
14・・・異物
15・・・ペリクル膜を張る面
16・・・撓み防止部の端部
17・・・撓み防止部の端部の凹部
Claims (4)
- ペリクル膜とペリクルフレームとからなるペリクルのペリクル膜上の異物を評価するための枠形状のペリクル膜評価用治具であって、ペリクル膜を張る面を備えた保持部と、保持部の周辺部との間でペリクル膜をはさむ枠部と、張る面の内側に設けられ、端部がペリクル膜を張る面より飛び出し可能で、端部の高さを可変できペリクル膜の撓みを防止する撓み防止部とから構成されることを特徴としたペリクル膜評価用治具。
- 撓み防止部のペリクル膜に接する端部の中央部に凹部を形成することを特徴とした請求項1に記載のペリクル膜評価用治具。
- 請求項1または2に記載のペリクル膜評価用治具を用いて、ペリクル膜の表裏面に付着した異物が撓み防止部に位置するようにペリクル膜を保持部の膜を張る面に張り、保持部と枠部でペリクル膜をはさみ、撓み防止部の端部の高さを変えてペリクル膜を押し出しその撓みを除去し、異物を分析することを特徴とするペリクル膜の評価方法。
- 薄膜上の異物を評価するための枠形状の薄膜評価用治具であって、薄膜を張る面を備えた保持部と、保持部の周辺部との間で薄膜をはさむ枠部と、薄膜を張る面の内側に設けられ、端部が薄膜を張る面より飛び出し可能で、端部の高さを可変でき薄膜の撓みを防止する撓み防止部とから構成されることを特徴とした薄膜評価用治具。
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JP2007218130A JP2009053309A (ja) | 2007-08-24 | 2007-08-24 | ペリクル膜評価用治具及びペリクル膜の評価方法並びに薄膜評価用治具 |
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