JP2009051298A - 車両の衝突判定装置 - Google Patents

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能正 江口
Takahiro Kamei
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Abstract

【課題】歩行者保護装置と乗員保護装置を備えた車両の衝突判定装置であって、センサに係る装置構成およびECUに係るシステム構成を簡素化でき、比較的な簡素な演算処理で衝突の対象物の内容と状態を精度よく判別できる車両の衝突判定装置を提供する。
【解決手段】この車両の衝突判定装置は、車両のフロントバンパー11等に与えられる荷重の時間変化に対応する電圧信号を出力する複数のセンサ素子16Aと、複数のセンサ素子により出力された電圧信号に基づき荷重の時間変化に対応する荷重変化量を算出する算出部55と、荷重変化量に基づき荷重に係る値を算出する荷重算出部57と、荷重変化量と荷重に係る値との積を算出する手段、積に係る値を所定の基準条件と比較して衝突対象物を判定する手段を含む衝突対象物判別部63とを備えるように構成される。
【選択図】図4

Description

本発明は車両の衝突判定装置に関し、特に、車両に衝突した対象物の内容と状態を精度よく判定するのに適した車両の衝突判定装置に関する。
従来、例えば車両のフロントバンパー等の内部に加速度センサ等の衝突センサを配置し、当該衝突センサから出力される衝突検知信号と、車両に搭載された車速センサから出力される車速信号とによって、歩行者等との衝突を判定するセンサシステムが提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載された衝突判定装置は、車両に装備された歩行者保護装置または乗員保護装置等を最適に駆動させるため、衝突発生時に衝突状態と衝突物体を精度良く判定する装置である。その判定の手法では、まず、衝突時のフロントバンパーの変形を、バンパー部材の曲率等に係る状態量として変形センサで検出する。その後、曲率等に係る状態量に基づき荷重状態量を算出し、その他に速度状態量を求め、これらの状態量を利用して衝突状態を判定するようにしている。その結果、例えば、軽量物との高速衝突、重量物との低速衝突、歩行者との衝突等、衝突対象物の内容と状態を容易に判別できるようにしている。実際、上記の衝突判定装置によって歩行者との衝突であると判定した場合には、歩行者保護装置を作動させ、車両のボンネットを跳ね上げて衝突した歩行者の頭部の衝撃を緩和する。
特開2006−248508号公報
歩行者との衝突を検知する従来の衝突判定装置は、通常、歩行者衝突判定専用のシステムとして構成され、そのため、エアバック等の乗員保護装置とは独立したシステムとして構成されていた。また車両が歩行者保護装置と乗員保護装置を装備する場合に当該車両に衝突判定装置を搭載すると、車両上には多数の衝突センサと複数のECUが必要となり、衝突判定用のシステムが全体として複雑になるという問題を有していた。
また上記の特許文献1に記載された衝突判定装置の場合には、バンパー部材の曲率に関する演算等を行うので、精度のよい検出が可能であるが、他方で高度な演算を大量に処理することが必要であった。そこで、同等な検出性能を有するシステムであって効率的に検出および演算を行えるシステムが望まれている。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、歩行者保護装置と乗員保護装置を備えた車両の衝突判定装置であって、センサに係る装置構成およびECUに係るシステム構成を簡素化することができ、さらに比較的簡素な演算処理で衝突の対象物の内容と状態を精度よく判別することができる車両の衝突判定装置を提供することにある。
本発明に係る車両の衝突判定装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の車両の衝突判定装置(請求項1に対応)は、車両の緩衝用外表面構成部材に与えられる荷重の時間変化に対応する電圧信号を出力する複数の検出手段(センサ素子)と、複数の検出手段により出力された電圧信号に基づき荷重の時間変化に対応する荷重変化量を算出する荷重変化量演算手段と、荷重変化量に基づき荷重に係る値を算出する荷重演算手段と、荷重変化量と荷重に係る値との積を算出する積演算手段と、積に係る値を所定の基準条件と比較して衝突対象物を判定する衝突対象物判定手段と、を備えるように構成される。
上記の車両の衝突判定装置では、フロントバンパー等の衝撃緩衝部材の衝突時の変形でバンパービーム上の各部分に発生する荷重およびその時間変化に係る量を取り出して、軽量物の高速衝突や重量物の低速衝突等のように衝突エネルギーの同等値を基準に衝突内容を正確に判別することが可能となる。
第2の車両の衝突判定装置(請求項2に対応)は、上記の車両の衝突判定装置において、好ましくは、荷重変化量演算手段は、複数の検出手段の各々について、検出手段から出力される電圧信号を補正することにより緩衝用外表面構成部材の剛性を補正する剛性補正手段を備えることを特徴とする。
第3の車両の衝突判定装置(請求項3に対応)は、上記の車両の衝突判定装置において、好ましくは、複数の検出手段の各々に対してその温度を計測する温度計測手段を備え、荷重変化量演算手段は、複数の検出手段の各々について、対応する温度計測手段が出力する温度情報に基づき、検出手段から出力される電圧信号を補正する温度補正手段を備えることを特徴とする。
第4の車両の衝突判定装置(請求項4に対応)は、上記の車両の衝突判定装置において、好ましくは、荷重変化量演算手段は、複数の検出手段の各々から出力される電圧信号に係る値を加算することにより、荷重の時間変化に対応する荷重変化量を算出することを特徴とする。
本発明によれば、次の効果を奏する。
フロントバンパー等の衝撃緩衝部材の衝突時の変形でバンパービーム上の各部分に発生する荷重およびその時間変化に係る量を取り出して衝突判断を行うようにしたため、1つの統合化したセンサシステムによって歩行者保護装置または乗員保護装置の作動・非作動を決定する各種態様の衝突を適切に判別することができる。
乗員保護装置の作動判定を行うときには、バンパーセンサによる衝突判別手段を、従来の乗員保護装置の作動補助手段として使用することができ、フロントセンサ等が不要になるので製作コストを低減することができる。
また乗員保護装置の作動が必要でない衝突のときに、従来の乗員保護装置の作動手段か、またはバンパーセンサのどちらかに不具合が生じた場合にも乗員保護装置を正確に作動させることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1は、車両の前部に設けたフロントバンパーの構造を平面的に示した模式図である。図1中、上方が車両の前方になる。図1で、符号11で示した部材は、図示しない車体の前部に取り付けたフロントバンパーである。フロントバンパー11は、平面形状として見ると、全体的に板状の形態を有し、またその背面部には衝撃緩衝部材12を備えている。衝撃緩衝部材12を備えたフロントバンパー11は、車両の前部に対して衝突する物体が存在するときに、その衝撃を緩和するための緩衝機構として機能する。フロントバンパー11は、衝突時に衝突対象物によって変形することになる。フロントバンパー11は、車体の前部の外表面を構成する緩衝用部材である。図1中では、便宜的に、例えば、質量mの柱状物体13が、前方から衝突速度Vで衝突したときの一状態例が示されている。
なお、車両の外表面を構成する緩衝用部材は上記のフロントバンパー11に限定されない。リヤバンパーや車体側部等の車両の緩衝用等の任意の外表面部材であってもかまわない。
上記のフロントバンパー11において、その左右両側部11a,11bは車体側に向けて湾曲されている。またフロントバンパー11の前壁面11cがバンパーフェースを形成している。フロントバンパー11の背部には、さらに上記衝撃緩衝部材12に結合されるバンパービーム14が配置される。バンパービーム14は、左右の2つのサイドフレーム15の先端部に取り付けられ、車両の車体の一部を構成している。
上記の衝撃緩衝部材12とバンパービーム14の間にはセンサユニット16が設置されている。センサユニット16は、フロントバンパー11またはバンパービーム14の長手方向に沿って配置された帯状のフィルム形態を有するものである。センサユニット16は、例えば、一列状に配列された複数のセンサ素子16Aによって分割状態で構成されている。複数のセンサ素子16Aのそれぞれは、同じ形状および構成を有し、分割され、かつ独立している。センサ素子16Aは矩形平板の形状を有する。複数のセンサ素子16Aは、一平面を形成するように配列されている。
上記のセンサ素子16Aの一例を図2に示す。図2はセンサ素子16Aの斜視図を示している。当該センサ素子16Aには、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)で作られた圧電フィルム16A−1が用いられる。圧電フィルムの両側面には電極16A−2が設けられている。かかる圧電フィルムで形成されるセンサ素子16Aでは、図2中の上下の両面からセンサ素子面(圧電フィルム面)に対して垂直な荷重(f)が加わるとすると、センサ素子16Aの上面に電荷+Q、下面に電界−Qが発生する。当該発生する電界Qは「圧電定数×荷重(f)」により求められる。すなわちセンサ素子16Aは、荷重fに比例した電荷Qを出力するという特性を有する。
上記センサ素子16Aを電気的等価回路で表現すると、図3の破線ブロック23で示すごとく、交流電源21とコンデンサ22で表現される。センサ素子16Aが荷重fを受けると、圧電フィルムの圧電作用に基づき交流電源21から電流が生じ、コンデンサ22に蓄電される。センサ素子16Aに印加される荷重fは交流電源21として表現される。その結果、コンデンサ22に蓄電される電荷Qは、荷重fに比例した電荷となる。図3に示した等価回路23で、点Aはセンサ素子16Aの出力端子である。接地端子の電位に対して出力端子Aに生じる電圧(V1)は、コンデンサ22の静電容量をCとするとき、「電荷Q/静電容量C」として求められる。等価回路23に対しては、コンデンサ22に対して並列に抵抗24(抵抗値R)が接続され、さらに続いて出力インピーダンス変換用アンプ25、出力調整用アンプ26がカスケードに接続される。出力調整用アンプ26の出力端子26aから電圧V2が出力される。センサ素子16Aの等価回路23と、その出力側に設けられたアンプ回路とによって1つのセンサ素子回路装置が作られる。
上記において、アンプ26から出力される電圧V2は、付設されたアンプ回路等により、点Aに生じた電圧V1の時間微分値に比例し、換言すれば電荷Qの時間微分値に比例するように設定されている。さらに云えば、出力電圧V2は、荷重fの時間微分すなわち時間変化に比例するように電気回路的に設計されている。
等価回路的には交流電源21として表現された荷重fは交流電流として発生する。当該交流電流の周波数としては、衝突現象周波数として0〜200Hzの周波数範囲が対応する。このため、上記衝突現象周波数範囲がカットオフ周波数以下の微分特性範囲内に含まれるように設定されることが望ましい。カットオフ周波数の設定は、衝突現象周波数範囲に対応する、コンデンサ22の静電容量Cと抵抗24の抵抗値Rとにより決定される。抵抗24の抵抗値Rを適宜に選択することにより、衝突現象周波数範囲を決定するカットオフ周波数(frc=1/2πCR)を可変にすることができる。
複数のセンサ素子16Aの各々は、上記のように抵抗24とアンプ25,26をその出力段に備えることにより「センサ素子回路装置」として構成されている。本実施形態の説明では、センサ素子16Aは、抵抗24とアンプ25,26を備えたセンサ素子回路装置であるとして扱う。センサ素子回路装置として構成された各センサ素子16Aは、上記のフロントバンパー11のバンパーフェースに対して柱状物体13の衝突で荷重fが加わると、フロントバンパー11および衝撃緩衝部材12等が変形することによって、バンパービーム14上の各部分に作用する「荷重fの時間変化(df/dt)」を検出し、出力する。
上記の結果、後述するように、本実施形態に係る衝突判定装置での判定処理では、センサユニット16としての出力電圧は、複数個(n個)のセンサ素子16Aの各々から出力される電圧(上記の出力電圧V2)に基づいてΣ(df/dt)を算出して用いられる。ここで「Σ」は、n個のセンサ素子16Aの出力電圧の総和をとることを意味する。
次に、図4を参照して、上記のセンサユニット16を利用して構成される衝突判定装置を説明する。図4は衝突判定装置のシステムブロック図を示す。衝突判定装置の要部の機能部は、車両に搭載された電子制御ユニット(ECU)内のマイコン内に構築される。衝突判定装置30は、大きな部分に分けると、検知部31と演算部32と判定部33と保護装置34とから構成されている。本実施形態による車両では、保護装置として、一例として、歩行者保護装置34Aと乗員保護装置34Bを備えている。歩行者保護装置34Aは例えば衝突時に作動するボンネット跳ね上がり装置であり、乗員保護装置34Bは例えばシートベルト装置やエアバッグ装置である。
検知部31には、前述したセンサユニット16が含まれる。センサユニット16には前述のごとく複数個(n個)のセンサ素子16Aが含まれるものとする。センサユニット16からは実際にはn個のセンサ素子16Aの出力信号(上記の出力電圧V2)が出力されているが、図4では説明の便宜上、1つのセンサ素子16Aの出力信号(V2)のみが取り出された状態が示され、その他のセンサ素子16Aの各出力信号(V2)の図示は簡略化して示されている。検知部31には、さらに、速度センサ41と加速度センサ42が設けられている。速度センサ41と加速度センサ42には元々車両に搭載されているセンサが用いられる。
演算部32は、速度センサ41に対しては速度算出部51を備え、加速度センサ42に対しては時間積分器52とΔVunit算出部53を備える。速度算出部51は、速度センサ41から供給される車速検知信号に基づいて車両の速度(v)を算出し、車両の速度(v)に係る信号(速度信号)を出力する。また時間積分器52は、加速度センサ42から供給される加速度検知信号に対して一定の時間の間積分演算を行い、得られた積分信号を出力する。ΔVunit算出部53は、時間積分器52から供給される積分信号に基づいて「ΔVunit」を算出し、ΔVunitに係る信号を出力する。ここで「ΔVunit」は、後段に設けられた乗員保護装置の作動許可を判定するための速度変化量を意味している。
演算部32は、さらに、センサユニット16に含まれる複数のセンサ素子16Aの各々が出力する信号に対して、直列に接続されたノイズカットLPF(Low Pass Filter)54および「荷重の時間変化」算出部55の第1の演算ルートと、直列に接続された時間積分器56および荷重算出部57の第2の演算ルートとが設けられている。第1および第2の2つの演算ルートは並列に設けられている。「荷重の時間変化」算出部55で演算される「荷重の時間変化」は前述した「df/dt」である。荷重算出部57で演算される「荷重」は前述した「f」である。
1つのセンサ素子16Aから出力される検知信号(「荷重fの時間変化(df/dt)」に係る信号)は第1および第2の演算ルートに与えられる。第1の演算ルートでは、ノイズカットLPF54によって「荷重fの時間変化(df/dt)」に係る信号に含まれる高周波ノイズ成分がカットされ、その後に「荷重の時間変化」算出部55によって「荷重fの時間変化(df/dt)」に係る信号から「荷重fの時間変化(df/dt)」が算出される。他方、第2の演算ルートでは、時間積分器56によって「荷重fの時間変化(df/dt)」に係る信号を積分演算し、その結果得られた出力信号に基づき次段の荷重算出部57によって荷重fが算出される。
図4の演算部32において、第1および第2の演算ルートはセンサユニット16に含まれる1つのセンサ素子16Aについてのみ示したが、その他の残りのすべてのセンサ素子16Aについても同様な構成の第1および第2の演算ルートが設けられている。
次に、判定部33は、速度判定部61と、ΔVunit判定部62と、衝突判別部63と、歩行者保護装置作動指令部64と、乗員保護装置作動指令部65を備えている。
速度判定部61は、上記の歩行者保護装置34Aを作動させる場合の車両の速度条件を決めるための判定要素である。速度算出部51から供給される速度に係る信号が基準速度よりも大きい場合には、速度条件充足信号を歩行者保護装置作動指令部64に供給する。
ΔVunit定部62は、上記の乗員保護装置34Bを作動させる場合の車両の速度変化量条件を決めるための判定要素である。ΔVunit算出部53から供給される速度変化量(ΔVunit)に係る信号が基準速度変化量よりも大きい場合には、速度変化量条件充足信号を乗員保護装置作動指令部65に供給する。
衝突判別部63には、センサユニット16に含まれる複数のセンサ素子16Aの各々に関して、「荷重の時間変化」算出部55から出力される「荷重の時間変化(df/dt)」に係る信号((df/dt)信号)と、荷重算出部57から出力される荷重fに係る信号(f信号)が入力されている。衝突判別部63は、複数のセンサ素子16Aの各々に係る(df/dt)信号とf信号に基づいて、図5に示される処理手順に従って衝突判別処理を実行する。
図5のフローチャートに従って、衝突判別部63によって実行される衝突判別処理を説明する。
この場合において、衝突判別処理は、実際上、前述した速度判定部61およびΔVunit判定部62、さらに歩行者保護装置作動指令部64および乗員保護装置作動指令部65を含んだ状態で、判定部33の全体で行われる。その中でも、センサユニット16からの出力情報を取り扱う衝突判別部63の機能は主要機能として位置づけられる。
最初のステップS11では、センサユニット16に含まれる複数個(n個)のセンサ素子16Aの各々から出力される電圧に基づき、荷重の時間変化(df/dt)の総和すなわちΣ(df/dt)を算出し、かつ荷重fの総和すなわちΣfを算出する。荷重の時間変化(df/dt)の総和(Σ(df/dt))、および荷重fの総和(Σf)は、センサユニット16としての出力情報として用いられる。
その後、第1の判定ステップS12と第2の判定ステップS13によって衝突判別が行われる。第1の判定ステップS12で、NOであるときには歩行者保護装置34Aと乗員保護装置34Bのいずれも非作動とする指令処理(ステップS14)が実行され、YESであるときには歩行者保護装置34Aと乗員保護装置34Bのうちのいずれかを作動させるための判定を行う第2の判定ステップS13に移行する。第2の判定ステップS13で、NOであるときには歩行者保護装置34Aを作動させる指令処理(ステップS15)が実行され、YESであるときには乗員保護装置34Bを作動させる指令処理(ステップS16)が実行される。ステップS15で生成される指令信号は、図4において、歩行者保護装置作動指令部64から歩行者保護装置34Aへ与えられ、歩行者保護装置34Aを作動させる。ステップS16で生成される指令信号は、乗員保護装置作動指令部65から乗員保護装置34Bに与えられ、乗員保護装置34Bを作動させる。
次に、上記の第1の判定ステップS12および第2の判定ステップS13の各々で設定されている判定条件について、図6を参照して説明する。
図6は、複数のタイプの衝突状態を判別するための条件を図解するグラフを示す。図6では2次元座標系が示されているが、ここで横軸は荷重の総和(Σf)を意味し、縦軸は「荷重の時間変化」の総和(Σ(df/dt))を示している。
図6の座標系の中では、横軸で2つの荷重総和値F ,Fが示され、縦軸では2つの「荷重の時間変化」に関する総和値[df/dt],[df/dt] が示されている。これらの4つの値は経験則的に得られた値である。これらの4つの値に基づいて2つのグラフpA,pBが求められている。第1のグラフpAは、Fと[df/dt]で定められ、「エネルギ増加傾向」状態量を示すグラフであり、中央部は双曲線形状をなし、両端部は垂直線と水平線による直線形状になっている。この第1のグラフpAは歩行者保護装置閾値を規定する。また第2のグラフpB、Fと[df/dt]で定められ、第1のグラフpAの上方に位置し、「エネルギ増加傾向」状態量を示すグラフであり、中央部は双曲線形状をなし、両端部は垂直線と水平線による直線形状になっている。この第2のグラフpBは乗員保護装置閾値を規定する。その結果、上記の2つのグラフpA,pBに基づいて、座標系の面上で4つの領域RA,RB,RC,RDが定義される。
以上において、衝突判別部63で、荷重の総和(Σf)および「荷重の時間変化」の総和(Σ(df/dt))を算出し(ステップS11)、これらの総和値の変化の軌跡の位置を図6の座標系上の4つの領域RA,RB,RC,RDを基準にして判断すると、車両の衝突状態を判別することが可能となる。
例えば図6において、変化軌跡G1が生じると、この変化軌跡G1は領域RAで生じ、「小変形」の衝突として保護装置34A,34Bはいずれも非作動(OFF)とされる。ここで「小変形」の衝突とは、例えばボール、前車が跳ね上げた小石など軽量物が高速で衝突した場合である。
また図6において、変化軌跡G2が生じると、この変化軌跡G2は領域RBで生じ、「低速」の衝突として保護装置34A,34Bはいずれも非作動(OFF)とされる。ここで「低速」の衝突とは、電柱、標識などの道路上固定物に低速で衝突した場合である。
また図6において、変化軌跡G3が生じると、この変化軌跡G3は領域RCで生じ、歩行者保護装置34Aを作動(ON)させる。同様に変化軌跡G4が生じると、この変化軌跡G4は領域RDで生じ、乗員保護装置34Bを作動(ON)させる。変化軌跡G4が生じるような衝突は、乗員保護を必要とする固定壁や車両との衝突である。
図6を参照して説明した衝突状態を判別するための条件に基づいて、前述した判定ステップS12,S13の判定条件が設定される。すなわち、判定ステップS12では、「Σ(df/dt)≧[df/dt] 、かつΣf≧F 、かつΣ(df/dt)*Σf≧pA、かつv(車速)≧vA(基準車速)?」が判定条件となる。また判定ステップS13では、「Σ(df/dt)≧[df/dt] 、かつΣf≧F 、かつΣ(df/dt)*Σf≧pB、かつΔVunit≧ΔVA(基準速度変化量)?」が判定条件となる。上記において、記号*は積の演算を意味する。
上記の実施形態の説明では、センサユニット16に含まれる複数のセンサ素子16Aの出力は一般的に「df/dt」であるとした。しかし、各センサ素子16Aの出力「df/dt」は、n番目のセンサ素子16Aのセンサ出力を[df/dt]とするとき、より好ましくは、「Cs*Ct*[df/dt]」として求めることもできる。ここで、「Cs」はバンパー長手方向の剛性分布に応じてセンサ素子ごとに設定された一定の補正係数であり、「Ct」は随時モニタされている温度によってセンサ素子ごとに設定されている補正係数である。ここで記号*は積の演算を意味する。
上記の場合には、センサユニット16の出力電圧は、2つの補正係数「Cs」と「Ct」を考慮して、Σ(Cs*Ct*[df/dt])として与えられる。
上記の補正係数の設定は、検知部31内に設けてセンサ素子16Aの出力の段階で含ませることもできるし、または演算部32内にて演算要素として設定することもできる。
通常的には、各センサ素子16Aから出力される電圧信号を補正することにより緩衝用外表面構成部材の剛性を補正する剛性補正手段を備える。
また温度補償の場合には、複数のセンサ素子16Aの各々に対してその温度を計測する温度計測手段を備え、演算部32で、複数のセンサ素子16Aの各々について、対応する温度計測手段が出力する温度情報に基づき、センサ素子の出力信号を補正する温度補正手段を備える。
上記の実施形態にかかる衝突判定装置の構成によれば、歩行者保護装置の作動判定を行うとき、車速センサから得られる車両速度が所定値以上であることをセーフィングセンサとして用いることができる。またそれによって、歩行者保護装置の作動が必要でない車速であるときには、バンパーセンサに不具合が生じた場合でも、歩行者保護装置の誤作動を防止することができるという利点がある。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
なお、上記の実施形態では複数のセンサ素子16Aのそれぞれを同じ矩形平板の形状としたが、これに限られるものではなく、フロントバンパー11の形状や剛性に合わせて複数のセンサ素子16Aは個別に異なる形状あるいは異なる寸法にしてもよい。
本発明は、乗用自動車等の車両の衝突発生時の際の衝突内容の正確な判定に用いることができる。
車両前部のフロントバンパーの構造の模式平面図である。 センサ素子の構成を示す斜視図である。 センサ素子の等価回路と検出回路を示す電気回路図である。 本発明に係る車両の衝突判定装置のシステム構成の一実施形態を示すブロック図である。 衝突判定の処理の流れを示すフローチャートである。 衝突判定の判定条件を説明するための解説図である。
符号の説明
11 フロントバンパー
12 衝撃緩衝部材
14 バンパービーム
16 センサユニット
16A センサ素子
16Aー1 圧電フィルム

Claims (4)

  1. 車両の緩衝用外表面構成部材に与えられる荷重の時間変化に対応する電圧信号を出力する複数の検出手段と、
    前記複数の検出手段により出力された前記電圧信号に基づき前記荷重の時間変化に対応する荷重変化量を算出する荷重変化量演算手段と、
    前記荷重変化量に基づき前記荷重に係る値を算出する荷重演算手段と、
    前記荷重変化量と前記荷重に係る値との積を算出する積演算手段と、
    前記積に係る値を所定の基準条件と比較して衝突対象物を判定する衝突対象物判定手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の衝突判定装置。
  2. 前記荷重変化量演算手段は、前記複数の検出手段の各々について、前記検出手段から出力される前記電圧信号を補正することにより前記緩衝用外表面構成部材の剛性を補正する剛性補正手段を備えることを特徴とする請求項1記載の車両の衝突判定装置。
  3. 前記複数の検出手段の各々に対してその温度を計測する温度計測手段を備え、
    前記荷重変化量演算手段は、前記複数の検出手段の各々について、対応する前記温度計測手段が出力する温度情報に基づき、前記検出手段から出力される前記電圧信号を補正する温度補正手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の車両の衝突判定装置。
  4. 前記荷重変化量演算手段は、前記複数の検出手段の各々から出力される前記電圧信号に係る値を加算することにより、前記荷重の時間変化に対応する荷重変化量を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の衝突判定装置。
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