JP4624228B2 - 車両用衝突判定装置 - Google Patents

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この発明は、車両用衝突判定装置に関するものである。
従来、例えば自車両の前部や後部あるいは側部に圧力センサ等の衝突センサ、つまり衝突荷重に応じた変形量を検出可能なセンサを配置し、この衝突センサから出力される検出信号の大きさ(例えば、衝突部分の変形量等)および検出信号の大きさの時間変化と、車速センサにより検出される自車両の速度あるいはレーダ装置により検知される対象物と自車両との相対速度とに基づき、自車両に衝突した衝突物体を検知し、この衝突物体が歩行者であるか否かを判定すると共に、検知した衝突物体が歩行者であると判定した場合には、例えば自車両のボンネット上でエアバッグを展開可能なエアバッグ装置等の歩行者保護装置を作動させる車両用衝突判別装置(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特開平11−310095号公報
ところで、上記従来技術に係る車両用衝突判別装置では、衝突時に検出した衝突荷重の大きさに応じて衝突の強さを検知し、この衝突の強さと、衝突直前に検出した自車両の速度あるいは衝突直前に検出した衝突物体と自車両との相対速度とに基づき、衝突物体の種別および衝突形態を判定している。しかしながら、衝突直前に検出された自車両の速度や相対速度等の状態量には、実際に発生した衝突の状態が直接的に反映されてはいない。
このため、実際に発生した衝突の状態に応じて衝突形態を適切に判別すると共に、衝突物体の種別および衝突形態を判別する際の信頼度を、より一層、向上させることが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、衝突発生時の衝突状態および衝突物体を判別する際の精度および信頼度を向上させることが可能な車両用衝突判定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の車両用衝突判定装置は、車両の外表面を構成する部材(例えば、実施の形態でのフロントバンパフェース2)に配置された複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の出力値の時間微分値を出力する微分回路と、前記時間微分値から前記複数の圧電素子の変形による曲率の時間変化を検出する曲率時間変化検出手段と、該曲率時間変化検出手段により検出された複数の前記曲率の時間変化の時間積分値を出力する時間積分器とを備え、あるいは、車両の外表面を構成する部材に配置された複数の歪みゲージと、前記複数の歪みゲージの出力値から前記複数の歪みゲージの変形による曲率を検出する曲率検出手段と、該曲率検出手段により検出された複数の前記曲率の時間微分値を出力する時間微分器とを備え、複数の前記曲率および前記曲率の時間変化に基づき前記車両と前記物体との衝突時の相対速度(例えば、実施の形態での等価相対速度ν)を検知する相対速度検知手段(例えば、実施の形態での等価相対速度算出部57)、および複数の前記曲率に基づき前記車両と前記物体との間で作用した衝突時の荷重(例えば、実施の形態での等価荷重f)を検知する荷重検知手段(例えば、実施の形態での等価荷重算出部56)と、前記相対速度検知手段により検知された前記相対速度と所定の閾値との大小関係および前記荷重検知手段により検知された前記荷重と所定の閾値との大小関係に応じて、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する衝突判定手段(例えば、実施の形態でのデバイス駆動判定部42)とを備え、前記荷重検知手段は、下記数式(1),(2)により、あるいは、車幅方向の距離に関する前記曲率の2階微分値の分布により前記荷重を検知し、前記相対速度検知手段は、下記数式(2),(3),(4)により、あるいは、曲げ歪みのエネルギーの時間変化と前記荷重との2次元マップにより前記相対速度を検知する。
Figure 0004624228
Figure 0004624228
Figure 0004624228
Figure 0004624228
ここで、ED:曲げ歪みのエネルギー、dED/dt:曲げ歪みのエネルギーの時間変化、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント、ρ(n):曲率、ds:幅、n=1,…,N、dρ(n)/dt:時間変化、w sum :たわみ総和、f:荷重、ν:相対速度、としている。
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、先ず、複数の圧電素子または複数の歪みゲージの検出結果に対し、必要に応じて時間に関する一次積分または一次微分の処理が実行され、部材の曲率と、部材の曲率の時間変化(つまり、曲率の時間に関する1階微分値)とが検出される。そして、部材の曲率に基づき部材の変形時に作用する曲げ歪みのエネルギーが算出され、さらに、この曲げ歪みのエネルギーに基づき車両と物体との間で作用した荷重が算出される。また、部材の複数の曲率と、部材の複数の曲率の時間変化とに基づき、曲げ歪みのエネルギーの時間変化(つまり、エネルギーの時間に関する1階微分値)が算出され、さらに、この曲げ歪みのエネルギーの時間変化と荷重とに基づき車両と物体との相対速度が検知される。衝突判定手段は、相対速度および荷重に応じて、例えば、相対速度と、荷重と、衝突の激しさを示す状態量である曲げ歪みのエネルギーの時間変化である相対速度および荷重の積とからなる3つのパラメータにより少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する。
これにより、例えば軽量物との高速衝突や重量物との低速衝突等のように、曲げ歪みのエネルギー、さらに、曲げ歪みのエネルギーの時間変化が歩行者との衝突(つまり、歩行者保護装置の作動が必要となる衝突)に対する値と同等の値となる複数の衝突を容易に判別することができる。
請求項2に記載の本発明の車両用衝突判定装置は、車両の外表面を構成する部材に配置された複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の出力値の時間微分値を出力する微分回路と、前記時間微分値から前記複数の圧電素子の変形による曲率の時間変化を検出する曲率時間変化検出手段と、該曲率時間変化検出手段により検出された複数の前記曲率の時間変化の時間積分値を出力する時間積分器とを備え、あるいは、車両の外表面を構成する部材に配置された複数の歪みゲージと、前記複数の歪みゲージの出力値から前記複数の歪みゲージの変形による曲率を検出する曲率検出手段と、該曲率検出手段により検出された複数の前記曲率の時間微分値を出力する時間微分器とを備え、複数の前記曲率に基づき前記車両と前記物体との間で作用した衝突時の荷重(例えば、実施の形態での等価荷重f)を検知する荷重検知手段(例えば、実施の形態での等価荷重算出部56)、および複数の前記曲率および曲率の時間変化に基づき衝突時の前記部材の曲げ歪みのエネルギーの時間変化(例えば、実施の形態での歪みエネルギーEDの時間変化(dED/dt))を検知するエネルギー時間変化検知手段(例えば、実施の形態での歪みエネルギー時間変化算出部52)と、前記荷重検知手段により検知された前記荷重と所定の閾値との大小関係および前記エネルギー時間変化検知手段により検知された前記エネルギーの時間変化と所定の閾値との大小関係に応じて、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する衝突判定手段(例えば、実施の形態でのデバイス駆動判定部42)とを備え、前記荷重検知手段は、下記数式(5),(6)により、あるいは、車幅方向の距離に関する前記曲率の2階微分値の分布により前記荷重を検知し、前記エネルギー時間変化検知手段は、下記数式(7)により前記曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知する。
Figure 0004624228
Figure 0004624228
Figure 0004624228
ここで、ED:曲げ歪みのエネルギー、dED/dt:曲げ歪みのエネルギーの時間変化、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント、ρ(n):曲率、ds:幅、n=1,…,N、dρ(n)/dt:時間変化、w sum :たわみ総和、f:荷重、としている。
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、先ず、複数の圧電素子または複数の歪みゲージの検出結果に対し、必要に応じて時間に関する一次積分または一次微分の処理が実行され、部材の複数の曲率と、部材の複数の曲率の時間変化とが検出される。そして、部材の曲率の長手方向位置Xの二階差分(微分)値に基づき荷重が算出されると共に前記曲率および曲率の時間変化からなる曲げ歪みのエネルギーの時間変化が算出される。衝突判定手段は、荷重と曲げ歪みのエネルギーの時間変化とから少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する。
これにより、例えば軽量物との高速衝突や重量物との低速衝突等のように、曲げ歪みのエネルギー、さらに、曲げ歪みのエネルギーの時間変化が歩行者との衝突に対する値と同等の値となる複数の衝突を容易に判別することができる。
また、曲げ歪みのエネルギーの算出および部材のたわみ量の算出を必要としないため処理を高速化できる。
請求項3に記載の本発明の車両用衝突判定装置は、車両の外表面を構成する部材に配置された複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の出力値の時間微分値を出力する微分回路と、前記時間微分値から前記複数の圧電素子の変形による曲率の時間変化を検出する曲率時間変化検出手段と、該曲率時間変化検出手段により検出された複数の前記曲率の時間変化の時間積分値を出力する時間積分器とを備え、あるいは、車両の外表面を構成する部材に配置された複数の歪みゲージと、前記複数の歪みゲージの出力値から前記複数の歪みゲージの変形による曲率を検出する曲率検出手段と、該曲率検出手段により検出された複数の前記曲率の時間微分値を出力する時間微分器とを備え、複数の前記曲率および前記曲率の時間変化に基づき、前記車両と前記物体との衝突時の相対速度(例えば、実施の形態での等価相対速度ν)を検知する相対速度検知手段(例えば、実施の形態での等価相対速度算出部57)、および衝突時の前記部材の曲げ歪みのエネルギーの時間変化(例えば、実施の形態での歪みエネルギーEDの時間変化(dED/dt))を検知するエネルギー時間変化検知手段(例えば、実施の形態での歪みエネルギー時間変化算出部52)と、前記相対速度検知手段により検知された前記相対速度と所定の閾値との大小関係および前記エネルギー時間変化検知手段により検知された前記エネルギーの時間変化と所定の閾値との大小関係に応じて、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する衝突判定手段(例えば、実施の形態でのデバイス駆動判定部42)とを備え、前記エネルギー時間変化検知手段は、下記数式(8)により前記曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知し、前記相対速度検知手段は、下記数式(8),(9),(10)により、あるいは、前記曲げ歪みのエネルギーの時間変化と前記荷重との2次元マップにより前記相対速度を検知する。
Figure 0004624228
Figure 0004624228
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ここで、ED:曲げ歪みのエネルギー、dED/dt:曲げ歪みのエネルギーの時間変化、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント、ρ(n):曲率、ds:幅、n=1,…,N、dρ(n)/dt:時間変化、w sum :たわみ総和、f:荷重、ν:相対速度、としている。
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、先ず、複数の圧電素子または複数の歪みゲージの検出結果に対し、必要に応じて時間に関する一次積分または一次微分の処理が実行され、部材の複数の曲率と、部材の複数の曲率の時間変化とが検出される。ここで、部材の曲率の時間変化から速度状態量を求められる。そして、部材の曲率の時間変化からなる曲げ歪みのエネルギーの時間変化が算出される。衝突判定手段は、相対速度および曲げ歪みのエネルギーの時間変化から少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する。
これにより、例えば軽量物との高速衝突や重量物との低速衝突等のように、曲げ歪みのエネルギー、さらに、曲げ歪みのエネルギーの時間変化が歩行者との衝突に対する値と同等の値となる複数の衝突を容易に判別することができる。
また、曲げ歪みのエネルギーそのものの算出、部材のたわみ量の算出が必要なく処理を高速化でき、速度状態量を求めるにあたり部材の曲率の時間変化に係る状態量からこれを求めることで短時間に処理を行うことが可能となる。
さらに、請求項4に記載の本発明の車両用衝突判定装置では、前記衝突判定手段は、前記相対速度と所定の閾値との大小関係および前記荷重と所定の閾値との大小関係に応じて前記物体の種別を検知する。
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、車両と物体との相対速度と、車両と物体との間で作用した荷重とに基づき、物体の種別、例えば歩行者保護装置の作動が必要とされる歩行者と、乗員保護装置の作動が必要とされるバリア・他の車両等と、を容易に判別することができる。
請求項5に記載の本発明の車両用衝突判定装置では、前記衝突判定手段は、前記エネルギーの時間変化と所定の閾値との大小関係および、前記相対速度と所定の閾値との大小関係または前記荷重と所定の閾値との大小関係の何れかに応じて前記物体の種別を検知する。
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、演算速度を向上しつつ判定精度は損なわれないため、より高速に物体の判別を行うことが可能となる。
さらに、請求項6に記載の本発明の車両用衝突判定装置は、前記衝突判定手段により検知された前記物体の種別に応じて前記物体を保護する保護装置(例えば、実施の形態での歩行者保護装置14)の駆動を制御する駆動制御手段(例えば、実施の形態での駆動指令出力部43)を備えることを特徴としている。
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、物体の種別の検知結果に応じて保護装置の作動の有無や作動状態を適切に制御することができる。
請求項7に記載の本発明の車両用衝突判定装置は、車両に取り付けられ、車両に作用する加速度を検知する加速度検知手段を備え、前記衝突判定手段が、前記加速度検知手段により得られた前記加速度と所定の閾値との大小関係を加味して、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定することを特徴としている。
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、衝突時に衝突の判定を行う際、加速度が所定値以上であることを付加的に条件として用いることによってセーフィング効果(誤判定の防止)が得られる。また、加速度、および加速度の積分演算値(速度)による従来の衝突判定装置に付加情報として部材(例えば、実施の形態におけるフロントバンパフェース2)に作用する相対速度・荷重・曲げ歪みのエネルギーの時間変化を与えるように構成し、従来の加速度による判定閾値レベルを修正(例えば衝突速度≒車両前面部侵入速度≒部材変形速度が大きい場合には閾値を下げるなど)するように構成することができる。したがって、より正確に衝突の判定を行うことができ、より確実に乗員保護装置を作動させることができる。
以上説明したように、請求項1〜請求項3に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、例えば軽量物との高速衝突や重量物との低速衝突等のように、曲げ歪みのエネルギーが同等の値となる複数の衝突状態を容易に判別することができる。
特に、請求項2に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、少なくとも前記車両と前記物体との間で作用した荷重および前記曲率および曲率の時間変化からなる曲げ歪みのエネルギーの時間変化とにより、また、請求項3に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、少なくとも部材の曲率の時間変化から求めた相対速度および前記曲率および曲率の時間変化からなる曲げ歪みのエネルギーの時間変化とにより、複数の衝突を容易に判別することができるため、曲げ歪みのエネルギーそのものの算出、部材のたわみ量の算出が必要なくなり処理を高速化できる。
さらに、請求項4に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、例えば歩行者やバリア・他の車両等の物体の種別を容易に判別することができる。
さらに、請求項5に記載の本願発明の車両用衝突判定装置によれば、演算速度を向上しつつ判定精度は損なわれないため、より高速に物体の判別を行うことが可能となる。
さらに、請求項6に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、物体の種別の検知結果に応じて保護装置の作動の要否や作動状態を適切に制御することができる。
さらに、請求項7に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、衝突時に衝突の判定を行う際、加速度が所定値以上であることを付加的に条件として用いることによってセーフィング効果(誤判定の防止)が得られると共に、加速度、および加速度の積分演算値(速度)による従来の衝突判定装置に付加情報として部材(例えば、実施の形態におけるフロントバンパフェース2)に作用する相対速度・荷重・曲げ歪みのエネルギーの時間変化を与えるように構成し、従来の加速度による判定閾値レベルを修正(例えば衝突速度≒車両前面部侵入速度≒部材変形速度が大きい場合には閾値を下げるなど)するように構成することができ、より正確に衝突の判定をして、より確実に乗員保護装置を作動させることができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両用衝突判定装置について図1〜図12を参照しながら説明する。
本実施の形態による車両用衝突判定装置10は、例えば、車両1の外表面と物体との接触および衝突(以下、単に、衝突と呼ぶ)に起因して車両1の外表面に生じる変形に係る状態量を検出する変形センサ11と、変形センサ11から出力される検出信号に基づき各種の乗員保護装置12(例えば、車室内でエアバッグを展開させるエアバッグ装置12aやシートベルトを強制的に巻き取るシートベルト巻取装置12b等)および各種の歩行者保護装置14(例えば、ボンネットフードを強制的に浮上させるボンネットフード持上装置14aやボンネットフード上でエアバッグを展開させるエアバッグ装置等)の作動を制御する電子制御ユニット(ECU)15とを備えて構成されている。
なお、電子制御ユニット15は、変形センサ11から出力される検出信号に加えて、電子制御ユニット15の内部に備えられた加速度センサ(図示略)から出力される検出信号と、例えば車両1の前方側の右側部および左側部と後方側の右側部および左側部に配置された各1対の加速度センサからなるサテライトセンサ(図示略)から出力される各検出信号とに基づき、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動を制御可能である。
変形センサ11は、車両1の外表面近傍(例えば、図1に示すように車両1の前部ではフロントバンパフェース2の内面上)に配置され、例えば図2および図3に示すように、所定の信号配線21および接地配線22からなる配線パターンが基板本体23a上に形成されたフレキシブル基板23と、複数の圧電素子24,…,24と、1対の絶縁性保護フィルム25,25とを備えて構成され、複数の圧電素子24,…,24が装着されたフレキシブル基板23は厚さ方向の両側から挟み込まれるようにして1対の絶縁性保護フィルム25,25により被覆されている。
例えば図2に示すように、略長方形板状の基板本体23aは、長手方向の寸法がフロントバンパフェース2の略車幅方向に沿った適宜の寸法となるように形成され、この基板本体23aの表面上には、短手方向の一方の端部において長手方向に沿って延びる互いに独立した複数の信号配線直線部21b,…,21b,…,21b(n=1,…,N;Nは任意の自然数)と、基板本体23aの長手方向に沿った適宜の複数の位置で各信号配線直線部21bの一方の端部に形成された各信号配線接続部21aと、短手方向の他方の端部において長手方向に沿って延びる単一の接地配線直線部22bと、この接地配線直線部22bの長手方向に沿った適宜の複数の位置に形成された複数の接地配線接続部22a,…,22aとが配線パターンとして形成されている。
圧電素子24は、分極処理したフッ化ビニリデン系樹脂等のポリマー圧電体からなる略長方形膜状の圧電フィルム31と、この圧電フィルム31を厚さ方向の両側から挟み込むようにして配置され、圧電フィルム31に生じる電荷を電圧として検出する一対の信号電極32および接地電極33とを備えて構成されている。なお、各電極32,33は、例えば導電性の薄板あるいは金属ペーストや蒸着金属等により形成されている。
この圧電フィルム31には、例えば図3に示すように、厚さ方向に貫通する貫通孔31aが形成され、この貫通孔31aの一方の開口部は信号電極32に臨むように、かつ、他方の開口部は接地電極33と干渉しないように設定されている。そして、信号電極32に接続された信号端子32aが圧電フィルム31の貫通孔31a内に装着され、この信号端子32aの端部が圧電フィルム31の他方の表面上で露出するように設定されている。これにより、圧電フィルム31の他方の表面上には、接地電極33と信号端子32aとが、例えば長手方向に沿って、離間して配置され、圧電素子24がフレキシブル基板23に装着された状態では、信号端子32aが信号配線接続部21aに当接し、接地電極33が接地配線接続部22aに当接するようになっている。
フレキシブル基板23の端部には、各信号配線直線部21bの他方の端部に接続された各外部信号配線と接地配線直線部22bの端部に接続された外部接地配線とを樹脂によりモールド加工して一体化した外部配線34が形成され、この外部配線34は電子制御ユニット(ECU)15に接続されている。
そして、例えばフロントバンパフェース2に物体が衝突してフロントバンパフェース2が変形すると、変形センサ11の圧電フィルム31はフロントバンパフェース2と一体に変形する。ここで、圧電フィルム31の圧電定数(所定値)に対し、
圧電定数=発生する電荷Q/応力σであり、
各電極32,33間に生じる電圧V=発生する電荷Q/静電容量Cであり、
変形センサ11は、応力σが、圧電フィルム31の歪みεに応じて発生し、さらに、圧電フィルム31の歪みεが、圧電フィルム31の曲率ρに応じて発生するよう構成されている。
これらにより、各電極32,33間に生じる電圧Vから、変形した圧電フィルム31の曲率ρを検知することができる。
さらに、変形センサ11によって、例えば図4に示すように、各電極32,33間に生じる電圧Vの時間微分値(dV/dt)を出力する微分回路35が構成され、この微分回路35の出力電圧VOUTが電子制御ユニット(ECU)15に入力されている。つまり、この微分回路35の出力電圧VOUTは、各電極32,33間に生じる電圧Vの時間微分値(dV/dt)により構成されることから、この出力電圧VOUTから曲率ρの時間変化dρ(n)/dtが検知される。
なお、微分回路35は、例えば図4に示すように、第1〜第3抵抗35a〜35cと、出力インピーダンス変換用の第1オペアンプ35dと、出力調整用の第2オペアンプ35eとを備えて構成されている。
そして、第1抵抗35a(抵抗値R)の一方の端子は、圧電素子24の等価回路(圧電素子等価回路)36および第1オペアンプ35dの反転入力端子に接続され、他方の端子は、第1オペアンプ35dの非反転入力端子に接続されると共に接地されている。
そして、第1オペアンプ35dの出力端子は、第2抵抗35bを介して第2オペアンプ35eの反転入力端子に接続されると共に、第1オペアンプ35dの反転入力端子に接続されている。
そして、第2オペアンプ35eの非反転入力端子は接地され、第2オペアンプ35eの出力端子は、第3抵抗35cを介して第2オペアンプ35eの反転入力端子に接続されると共に、微分回路35の出力端子に接続されている。
この微分回路35の微分特性としてのカットオフ周波数fcは、例えば、第1抵抗35a(抵抗値R)と、圧電素子等価回路36のコンデンサ36a(静電容量C)とにより、
fc=1/(2πRC)となり、第1抵抗35aの抵抗値Rに応じて可変となる。これにより、車両の衝突事象に対して適切となる抵抗値、例えば所定周波数領域(例えば、十〜数千Hz等)で利得(例えば、図5に示すゲイン=(周波数fでの出力Vf=f)/(無限に高い周波数での出力Vf=∞))が周波数fに対して比例傾向に変化する抵抗値(例えば、図5に示す抵抗値R3)が、第1抵抗35aの抵抗値Rとして設定される。
車両略央部(例えば、中空筒状に形成された車両1のセンターコンソールの内部等)に配置された電子制御ユニット(ECU)15は、例えば図6に示すように、車両1と物体との衝突の発生時に車両1の外表面、例えばフロントバンパフェース2に生じる曲げ歪みのエネルギーの時間変化に係る状態量を算出するエネルギー状態量算出部41と、デバイス駆動判定部42と、駆動指令出力部43と、時間積分器44とを備えて構成されている。
そして、エネルギー状態量算出部41は、例えば歪みエネルギー算出部51と、歪みエネルギー時間変化算出部52と、たわみ角度算出部53と、たわみ算出部54と、たわみ総和算出部55と、等価荷重算出部56と、等価相対速度算出部57とを備えて構成されている。
歪みエネルギー算出部51は、例えば車両1に衝突した物体の衝突直前での全運動エネルギーがフロントバンパフェース2の変形に要するエネルギー、つまり曲げ歪みのエネルギー(以下、単に、歪みエネルギーと呼ぶ)に転換したと設定し、歪みエネルギーEDを算出し、等価荷重算出部56に出力する。
ここで、各圧電素子24,…,24の曲げモーメントΔM(n);(n=1,…,N)は、縦弾性係数Eと、断面2次モーメントIと、各圧電素子24,…,24の幅dsと、各圧電素子24,…,24毎の変形角度dθ(n)とにより、
ΔM(n)=E×I×(dθ(n)/ds)となる。
これにより、各圧電素子24,…,24の歪みエネルギーΔED(n)は、
ΔED(n)=ΔM(n)×dθ(n)
=E×I×(dθ(n)/ds)×(dθ(n)/ds)×dsとなる。さらに、
(dθ(n)/ds)=ρ(n)であるから、
ΔED(n)=E×I×ρ(n)×dsとなる。
これにより、フロントバンパフェース2の歪みエネルギーEDは、下記数式(11)に示すように記述される。
このため、歪みエネルギー算出部51には、時間積分器44から出力される各圧電素子24,…,24の曲率ρ(n)、つまり変形センサ11から出力される時間変化dρ(n)/dtが時間に関して一次積分されて得られる算出値が入力されている。
Figure 0004624228
歪みエネルギー時間変化算出部52は、時間積分器44から出力される各圧電素子24,…,24の曲率ρ(n)および変形センサ11から出力される時間変化dρ(n)/dtに基づき、下記数式(12)に示すように、歪みエネルギーEDの時間変化(dED/dt)を算出し、等価相対速度算出部57に出力する。
Figure 0004624228
たわみ角度算出部53は、例えば図7および図8に示すように、隣り合う各圧電素子24,24間の素子間距離dLと、時間積分器44から出力される各圧電素子24,…,24の曲率ρ(n)とに基づき、下記数式(13)に示すように、各圧電素子24,…,24のたわみ角度θ(n)を算出し、たわみ算出部54に出力する。
Figure 0004624228
たわみ算出部54は、たわみ角度算出部53から出力される各圧電素子24,…,24のたわみ角度θ(n)と、隣り合う各圧電素子24,24間の素子間距離dLとに基づき、下記数式(14)に示すように、各圧電素子24,…,24のたわみw(n)を算出し、たわみ総和算出部55に出力する。
Figure 0004624228
たわみ総和算出部55は、たわみ算出部54から出力される各圧電素子24,…,24のたわみw(n)に基づき、下記数式(15)に示すように、各圧電素子24,…,24のたわみ総和wsumを算出し、等価荷重算出部56に出力する。
Figure 0004624228
等価荷重算出部56は、たわみ総和算出部55から出力されるたわみ総和wsumと、歪みエネルギー算出部51から出力される歪みエネルギーEDとに基づき、下記数式(16)に示すように、衝突発生時にフロントバンパフェース2に作用した荷重(衝突荷重)に係る状態量として等価荷重fを算出し、等価相対速度算出部57およびデバイス駆動判定部42に出力する。
Figure 0004624228
等価相対速度算出部57は、等価荷重算出部56から出力される等価荷重fと、歪みエネルギー時間変化算出部52から出力される歪みエネルギーEDの時間変化(dED/dt)とに基づき、下記数式(17)に示すように、衝突発生時の車両1と物体との相対速度に係る状態量として等価相対速度νを算出し、デバイス駆動判定部42に出力する。
Figure 0004624228
デバイス駆動判定部42は、等価荷重算出部56から出力される等価荷重fと、等価相対速度算出部57から出力される等価相対速度νとに基づき、車両1に衝突した物体の種別および衝突形態を検知し、この検知結果を駆動指令出力部43に出力する。
例えば図9に示すように、デバイス駆動判定部42は、等価荷重fと等価相対速度νとの相関関係を示すfνマップ(例えば、等価荷重fを横軸、等価相対速度νを縦軸とする直交座標)上において、衝突の激しさを指定する複数の領域、例えば第1〜第3領域α,β,γを区分する境界値である各閾値TH,TH(例えば、TH≦TH)を設定する。
各閾値TH,THは、衝突の激しさを示す状態量である衝突エネルギーの時間に関する1階微分値(例えば、単位時間あたりの衝突エネルギーの増大量)に係る閾値であって、衝突エネルギーの時間に関する1階微分値は、等価荷重fと等価相対速度νとの積(f×ν)に係る状態量となる。
さらに、デバイス駆動判定部42は、fνマップ上において、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要とされる衝突事象を排除するための各閾値、つまり等価荷重fに対する所定の荷重閾値THと、等価相対速度νに対する所定の速度閾値THνとを設定する。
そして、デバイス駆動判定部42は、fνマップ上において、先ず、等価荷重算出部56から出力される等価荷重fが所定の荷重閾値THよりも大きく、かつ、等価相対速度算出部57から出力される等価相対速度νが所定の速度閾値THνよりも大きいか否かを判定する。そして、この判定結果が「NO」の場合には、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要な衝突事象であると判定し、この判定結果を駆動指令出力部43に出力する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、例えば、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動判定として、等価荷重算出部56から出力される等価荷重fと等価相対速度算出部57から出力される等価相対速度νとの積(f×ν)が各閾値TH,THよりも大きいか否かを判定する。
例えば、等価荷重fと等価相対速度νとの積(f×ν)が第1閾値TH未満である場合、つまりfνマップ上において等価荷重算出部56から出力される等価荷重fおよび等価相対速度算出部57から出力される等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが、第1閾値THを第1領域αから第2領域βに向かい横切らない場合には、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要である程度の穏やかな衝突であると判定される。
また、例えば等価荷重fと等価相対速度νとの積(f×ν)が第1閾値TH以上かつ第2閾値TH未満である場合、つまりfνマップ上において等価荷重算出部56から出力される等価荷重fおよび等価相対速度算出部57から出力される等価相対速度νの時間変化を示す履歴ライン(例えば、図9に示す履歴ラインR1)が、第1閾値THを第1領域αから第2領域βに向かい横切り、かつ、第2閾値THを第2領域βから第3領域γに向かい横切らない場合には、例えば各種の歩行者保護装置14の作動が必要となる衝突であると判定される。
また、例えば等価荷重fと等価相対速度νとの積(f×ν)が第2閾値TH以上である場合、つまりfνマップ上において等価荷重算出部56から出力される等価荷重fおよび等価相対速度算出部57から出力される等価相対速度νの時間変化を示す履歴ライン(例えば、図9に示す履歴ラインR2)が、第2閾値THを第2領域βから第3領域γに向かい横切る場合には、例えば各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であると判定される。
ここで、例えば図9に示すように、道路上のパイロン等の軽量物に対して相対的に高速の相対速度で衝突する場合の履歴ライン(例えば、図9に示す履歴ラインR3)および道路上の重量物に対して相対的に低速の相対速度で衝突する場合の履歴ライン(例えば、図9に示す履歴ラインR4)は、第1閾値THを第1領域αから第2領域βに向かい横切るが、等価荷重fが所定の荷重閾値TH以下となることで、あるいは、等価相対速度νが所定の速度閾値THν以下となることで、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要な衝突事象であると判定され、各種の歩行者保護装置14の作動が必要となる衝突の履歴ライン(例えば、図9に示す履歴ラインR1)と区別される。
駆動指令出力部43は、デバイス駆動判定部42から出力される判定結果に基づき、各種の乗員保護装置12または歩行者保護装置14の作動状態を指示する制御信号を乗員保護装置12または歩行者保護装置14へ出力する。
本実施の形態による車両用衝突判定装置10は上記構成を備えており、次に、この車両用衝突判定装置10の動作、特に、fνマップ上の各閾値TH,TH,TH,THνにより、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が必要な衝突であるか否かを判定する処理について添付図面を参照しながら説明する。
先ず、図10に示すステップS01においては、変形センサ11の出力に基づき、等価荷重fおよび等価相対速度νを算出する。
そして、ステップS02においては、等価荷重fが所定の荷重閾値TH未満または等価相対速度νが所定の速度閾値THν未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS04に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進む。
そして、ステップS03においては、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要な物体との衝突であると判定し、一連の処理を終了する。
そして、ステップS04においては、等価荷重fと等価相対速度νとの積(f×ν)が第1閾値TH以上か否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS06に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS05に進む。
そして、ステップS05においては、fνマップ上において等価荷重fおよび等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが第1領域α内に含まれ、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要である程度の穏やかな衝突であると判定し、一連の処理を終了する。
また、ステップS06においては、等価荷重fと等価相対速度νとの積(f×ν)が第2閾値TH以上か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS07に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
そして、ステップS07においては、fνマップ上において等価荷重fおよび等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが第2領域β内に到達し、各種の歩行者保護装置14の作動が必要となる衝突であると判定し、一連の処理を終了する。
また、ステップS08においては、fνマップ上において等価荷重fおよび等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが第3領域γ内に到達し、各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であると判定し、一連の処理を終了する。
上述したように、本実施の形態による車両用衝突判定装置10によれば、変形センサ11から出力される検出信号、つまり実際に発生した衝突の状態が直接的に反映されている曲率ρ(n);(n=1,…,N)の時間変化dρ(n)/dtの検出信号に基づき等価荷重fと等価相対速度νとを検知することから、これらの検知結果に基づき衝突物体の種別および衝突形態を判別する際の信頼度を向上させることができる。
さらに、等価荷重fと等価相対速度νとの相関関係を示すfνマップ上において、衝突の激しさを示す状態量である衝突エネルギーの時間に関する1階微分値(例えば、単位時間あたりの衝突エネルギーの増大量)に係る各閾値TH,THと、荷重閾値THおよび速度閾値THνにより、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が必要な衝突であるか否か、さらには、必要とされる作動形態(例えば、作動タイミング等)を適切に判定することができる。特に、歪みエネルギーED、さらに、歪みエネルギーEDの時間変化(dED/dt)が同等の値となる衝突状態、例えば歩行者との衝突(つまり、歩行者保護装置の作動が必要となる衝突)に対する値と同等の値を有する軽量物との高速衝突や重量物との低速衝突等の衝突状態を適切に判別することができる。
なお、上述した実施の形態においては、変形センサ11から出力される曲率ρ(n);(n=1,…,N)の時間変化dρ(n)/dtの検出信号を電子制御ユニット(ECU)15に入力するとしたが、これに限定されず、例えば変形センサ11の代わりに曲率ρ(n)の検出信号を出力するセンサ、例えば歪みゲージ等を備え、曲率ρ(n)の検出信号を電子制御ユニット(ECU)15に入力してもよい。この場合、電子制御ユニット(ECU)15は、時間積分器44の代わりに時間微分器を備え、歪みゲージから出力される曲率ρ(n)が時間微分器により時間に関して一次微分されて得られる算出値が、歪みエネルギー時間変化算出部52に入力される。
なお、上述した実施の形態においては、変形センサ11をフロントバンパフェース2の内面上に配置して車両1の前部と物体との接触および衝突を検出するとしたが、これに限定されず、例えばリヤバンパフェースの内面上に配置して車両1の後部と物体との接触および衝突を検出したり、ドア外板の内面上に配置して車両1の側部と物体との接触および衝突を検出してもよい。
なお、上述した実施の形態において、デバイス駆動判定部42は、fνマップ上において等価荷重fおよび等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが第3領域γ内に到達した場合に、各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であると判定するとしたが、これに限定されず、変形センサ11から出力される検出信号に加えて、例えば図11に示す変形例のように、電子制御ユニット15の内部に備えられた加速度センサ71から出力される検出信号に基づき、各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であるか否かを判定してもよいし、さらに、サテライトセンサを構成する加速度センサ(図示略)から出力される検出信号に基づき、各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であるか否かを判定してもよい。
例えば図11に示す変形例では、図6に示す電子制御ユニット15に、さらに、加速度センサ71と、ΔVUNIT算出部72と、ΔVUNIT判定部73と備え、ΔVUNIT算出部72は、電子制御ユニット15の内部に具備された加速度センサ71から出力される加速度信号GUNITに対し、例えばローパスフィルタ等によってノイズ成分である高周波成分を加速度信号GUNITから除去し、例えば下記数式(18)に示すように、現在時刻tpに対する所定の時間幅Δtの時間区間{(tp−Δt)〜tp}毎に加速度信号GUNITを時間について一次積分して速度変化ΔVUNITを算出し、ΔVUNIT判定部73に出力する。
Figure 0004624228
そして、ΔVUNIT判定部73は、例えば乗員保護装置12の作動許可を判定するための速度変化ΔVUNITに対する所定の速度閾値THUNITを設定し、ΔVUNIT算出部72から入力された速度変化ΔVUNITが所定の速度閾値THUNIT以上か否かを判定し、この判定結果を駆動指令出力部47へ出力する。
そして、駆動指令出力部43は、デバイス駆動判定部42の判定結果として、fνマップ上において等価荷重fおよび等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが第3領域γ内に到達したことで各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であると判定され、かつ、ΔVUNIT判定部73の判定結果として、速度変化ΔVUNITが所定の速度閾値THUNIT以上となることで各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であると判定された場合に、各種の乗員保護装置12の作動を指示する制御信号を出力する。
このように加速度センサを用いた加速度および加速度の積分演算値(速度)による従来の衝突判定方法に、部材(例えば、実施の形態におけるフロントバンパフェース2)に作用する速度状態量・荷重状態量・エネルギー状態量等を与えることで衝突状態をより適切に判別することができると共にセーフィング効果(誤判定の防止)を図ることができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る車両用衝突判定装置について、図1〜図5、図7、図8、図11の一部を援用し、図12〜図14を参照しながら説明する。
本実施の形態による車両用衝突判定装置10において、前記変形センサ11、前記乗員保護装置12、前記各種の歩行者保護装置14の作動を電子制御ユニット(ECU)15により制御する点、電子制御ユニット15が、変形センサ11から出力される検出信号に加えて、電子制御ユニット15の内部に備えられた加速度センサ(図示略)から出力される検出信号と、例えば車両1の前方側の右側部および左側部と後方側の右側部および左側部に配置された各1対の加速度センサからなるサテライトセンサ(図示略)から出力される各検出信号とに基づき、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動を制御可能である点、電子制御ユニット15が車両1と物体との衝突の発生時に車両1の外表面、例えばフロントバンパフェース2に生じる曲げ歪みのエネルギーの時間変化に係る状態量を算出するエネルギー状態量算出部41と、デバイス駆動判定部42と、駆動指令出力部43と、時間積分器44とを備えている点などの基本的構成は前記実施形態と同様である。
ここで、前述した実施形態では上記数式(16)に示すように、衝突発生時にフロントバンパフェース2に作用した荷重(衝突荷重)に係る状態量として等価荷重fを算出するために、歪みエネルギー算出部51から出力される歪みエネルギーEDを、たわみ総和算出部55から出力されるたわみ総和wsumで除算しているが、このように除演算を用いると演算負荷が大きくなり演算速度が遅くなってしまう。また、たわみ総和wsumが小さい衝突初期においては、分母となるたわみ総和wsumがゼロに近く小さいため、最小限値を設定する必要があり、この最小限値に置き換えられた場合には、最小限値未満での演算精度を確保できない。
また、同様に前述した実施形態では上記数式(17)に示すように、衝突発生時の車両1と物体との相対速度に係る状態量として等価相対速度νを算出するために、歪みエネルギー時間変化算出部52から出力される歪みエネルギーEDの時間変化(dED/dt)を、等価荷重算出部56から出力される等価荷重fで除算しているが、ここでも除演算を用いているため演算負荷が大きくなり演算速度が遅くなってしまう。また、等価荷重fを求める場合に、上記数式(16)に示すように、他のパラメータであるたわみ総和wsumが必要となってしまう。
そこで、上述した除演算を用いず積和(乗算加減算)演算のみを用い、たわみ総和wsum等のたわみに関する算出を行わないで、デバイス駆動判定部42に必要なデータを出力できるようにした車両用衝突判定装置10を提供している。
具体的には、図12に示すように、電子制御ユニット15は車両1と物体との衝突の発生時に車両1の外表面、例えばフロントバンパフェース2に生じる曲げ歪みのエネルギーの時間変化に係る状態量を算出するエネルギー状態量算出部41と、デバイス駆動判定部42と、駆動指令出力部43と、時間積分器44とを備えているが、エネルギー状態量算出部41の構成が異なるものとなっている。エネルギー状態量算出部41は、例えば歪みエネルギー時間変化算出部52と等価荷重算出部56を備えて構成されている。つまり、前述した実施形態における歪みエネルギー算出部51と、たわみ角度算出部53と、たわみ算出部54と、たわみ総和算出部55と、等価相対速度算出部57を備えていない。
歪みエネルギー時間変化算出部52は、前述した実施形態と同様に時間積分器44から出力される各圧電素子24,…,24の曲率ρ(n)および変形センサ11から出力される時間変化dρ(n)/dtに基づき、前記数式(12)に示すように、歪みエネルギーEDの時間変化(エネルギー遷移状態量)p=(dED/dt)を算出し、デバイス駆動判定部42に出力する。
等価荷重算出部56はフロントバンパフェース2の長手方向(車幅方向)の距離X(図7に示す方向)に関する曲率ρ(n)の2階微分値から、衝突発生時にフロントバンパフェース2に作用した荷重(衝突荷重)に係る状態量として等価荷重fを算出する。なお、2階微分値は、作動クロックごとの値の差分を取得するだけの処理であるので演算速度が高速となる。
つまり、曲げモーメント:M(n)=EIρ(n)=EIdy/dxであるから、
分布荷重:φ(x)=dM(n)/dx
=EIdρ(n)/dx となる。ここで等価荷重fはこの分布荷重φ(x)に基づいた量として次式で表せる。
等価荷重:f=Ψ[dρ(n)/dx] …(9)
なお、Ψは関数(例えば、後述する3つの演算手法)を意味する。
したがって、等価荷重fを求めるにあたり前記除算は行わず、たわみ総和wsumのほか他のパラメータを使用しないでρ(n)のみを用いた乗加減算により求められる。
上述した等価荷重fを求めるにあたっては、3つの演算方法がある。
第1はf∝[dρ(n)/dxmaxであって、バンパフェースの長手方向の[dρ(n)/dx]分布の最大値をピックアップしたもの、
第2はf∝Σabs[dρ(n)/dx] であって、[dρ(n)/dx]分布の各絶対値を総和したもの、
第3はf∝Σ[dρ(n)/dxposであって、[dρ(n)/dx]分布の正極性のみの値を総和したものであり、これらの何れかを採用できる。
ここで、この実施形態では前述実施形態とは異なり等価相対速度算出部57を備えていないが、図13に示すように、等価相対速度νは歪みエネルギーEDの時間変化p=(dED/dt)∝Σ2ρ(n)[dρ(n)/dt]と、等価荷重fとで構成される2次元マップ上で原点を通る直線の傾きとして表現される。つまり等価相対速度ν=tanθ、等価相対速度ν=tanθとなる。
これにより前述した実施形態ではν=(dED/dt)/fとして求めていたものが、等価荷重fを求める場合と同様に、除演算を用いず、かつ等価荷重fや他のパラメータを使用しないため、演算負荷が少なくなる。
デバイス駆動判定部42は、等価荷重算出部56から出力される等価荷重fと、歪みエネルギー時間変化算出部52から出力される歪みエネルギーEDの時間変化p:(dED/dt)とに基づき、車両1に衝突した物体の種別および衝突形態を検知し、この検知結果を駆動指令出力部43に出力する。この場合、デバイス駆動判定部42は、前述した実施形態における歪みエネルギー算出部51と、たわみ角度算出部53と、たわみ算出部54と、たわみ総和算出部55および等価相対速度算出部57を必要としないため、等価荷重算出部56から出力される等価荷重fと、歪みエネルギー時間変化算出部52から出力される歪みエネルギーEDの時間変化p:(dED/dt)を用いてより高速で演算および判定を実行でき、かつ判定精度は損なわれないため高速に物体の判別を行うことができる。
デバイス駆動判定部42は、図13に示すように、等価荷重fと歪みエネルギーEDの時間変化Pとの相関関係を示すfpマップ(例えば、等価荷重fを横軸、歪みエネルギーEDの時間変化pを縦軸とする直交座標)上において、衝突の激しさを指定する複数の領域、例えば第1〜第3領域α’,β’,γ’を区分する境界値である等価荷重fの各閾値f,f(例えば、f≦f)、境界値である歪みエネルギーEDの時間変化pの各閾値p,p(例えば、p≦p)を各々設定する。
ここで、図13に示すfpマップの、横軸の等価荷重fは、f=Ψ[dρ(n)/dx]で表すことができ、縦軸の歪みエネルギーEDの時間変化pは、p=(dED/dt)∝Σ2ρ(n)[dρ(n)/dt]で表すことができる。したがって、このfpマップにおいて等価相対速度νは、歪みエネルギーEDの時間変化pと等価荷重fとで構成される2次元マップ上で原点を通る直線の傾きとして表現されるので、マップ上に表現される情報量は前記実施形態の等価相対速度νと等価荷重fとで構成される2次元マップと同じである。これによりマップを用いた判定の物理的性能は損なわれない。
なお、p=(dED/dt)∝Σ2ρ(n)[dρ(n)/dt]となるのは、上記数式(11)、数式(12)による。
また、原点を通る直線の傾きとして現れる等価相対速度νについても、等価荷重fと歪みエネルギーEDの時間変化pと同様にして、第1〜第3領域α’,β’,γ’を区分する境界値である各閾値ν,νを設定する。
デバイス駆動判定部42は、fpマップ上において、先ず、等価荷重算出部56から出力される等価荷重fが閾値fよりも小さく、または、歪みエネルギーEDの時間変化pが閾値pよりも小さく、または、等価相対速度νが閾値νよりも小さいか否かを判定する。そして、この判定結果が「YES」の場合には各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要な衝突事象であると判定し、この判定結果を駆動指令出力部43に出力する。
また、判定結果が「NO」の場合には、デバイス駆動判定部42は、fpマップ上において、等価荷重fが閾値f以上で、かつ歪みエネルギーEDの時間変化pが閾値p以上で、かつ等価相対速度νが閾値ν以上であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合には各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要である程度の穏やかな衝突であると判定される(α’領域)。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、さらにfpマップ上において、等価荷重fが閾値f以上で、かつ歪みエネルギーEDの時間変化pが閾値p以上で、かつ等価相対速度νが閾値ν以上であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」である場合には、歩行者保護装置14を作動させることが必要である衝突と判定される(β’領域)。一方、この判定結果が「YES」である場合には、乗員保護装置12を作動させることが必要である衝突と判定される(γ’領域)。
駆動指令出力部43は、デバイス駆動判定部42から出力される判定結果に基づき、各種の乗員保護装置12または歩行者保護装置14の作動状態を指示する制御信号を乗員保護装置12または歩行者保護装置14へ出力する。
次に、上記構成を備えている本発明の他の実施の形態の動作、特に、fpマップ上の各閾値f,f,p,p,ν,νにより、乗員保護装置12または歩行者保護装置14の作動が必要は衝突であるか否かを判定する処理について説明する。
図14に示すように、ステップS11において、等価荷重fと歪みエネルギーEDの時間変化pの値を読み込む。次に、ステップS12において、等価荷重fが閾値fよりも小さく、または、歪みエネルギーEDの時間変化pが閾値pよりも小さく、または、等価相対速度νが閾値νよりも小さいか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS14に進む。
ステップS12の判定結果が「YES」の場合には、ステップS13に進む。ステップS13において各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要な物体との衝突であると判定し、一連の処理を終了する。
ステップS14においては、等価荷重fが閾値f以上で、かつ歪みエネルギーEDの時間変化pが閾値p以上で、かつ等価相対速度νが閾値ν以上であるか否かを判定する。判定結果が「NO」の場合には各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要である程度の穏やかな衝突であると判定し(α’領域)、一連の処理を終了する。
ステップS14における判定結果が「YES」の場合には、ステップS16に進む。このステップS16においては、等価荷重fが閾値f以上で、かつ歪みエネルギーEDの時間変化pが閾値p以上で、かつ等価相対速度νが閾値ν以上であるか否かを判定する。判定結果が「NO」である場合には、ステップS17において歩行者保護装置14を作動させることが必要である衝突と判定され(β’領域)、一連の処理を終了する。
ステップS16における判定結果が「YES」である場合には、ステップS18において乗員保護装置12を作動させることが必要である衝突と判定され(γ’領域)、一連の処理を終了する。
上述したように、本実施の形態による車両用衝突判定装置10によれば、変形センサ11から出力される検出信号、つまり実際に発生した衝突の状態が直接的に反映されている曲率ρ(n);(n=1,…,N)の時間変化dρ(n)/dtの検出信号に基づき等価荷重fと歪みエネルギーEDの時間変化pとを検知することから、これらの検知結果に基づき衝突物体の種別および衝突形態を判別する際の信頼度を向上させることができる。
また、従来の加速度および加速度の積分演算値(速度)を用いた衝突判定手法と組み合わせることにより、前述のセーフィング効果が得られるため、信頼性をより向上することもできる。
さらに、等価荷重fと歪みエネルギーEDの時間変化pとの相関関係を示すfpマップ上において、衝突の激しさを示す状態量であるエネルギーの増加傾向を示す歪みエネルギーEDの時間変化pの各閾値p.pおよび等価荷重fの各閾値f,f により各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が必要な衝突であるか否か、さらには、必要とされる作動形態(例えば、作動タイミング等)を適切に判定することができる。
特に、前述した実施形態とは異なり、等価荷重fを求めるにあたり前記除算は行わず、たわみ総和wsumなどの他のパラメータを使用しないでρ(n)の2階微分値を用いた乗加減算により求めているため除演算を必要とせず演算負荷が軽減され演算速度を高速にすることができる。また、これにより衝突初期において、除算を用いた場合に分母がゼロに近く小さくなってしまうため最小限値を設定するという必要がなくなりこの点でも演算精度を確保できる。
そして、等価速度νを直接的に求める必要がなくなるため、演算負荷が小さくなり演算速度を高速にすることができる。
なお、上述した他の実施の形態においても、デバイス駆動判定部42は、fpマップ上において等価荷重fおよび歪みエネルギーEDの時間変化pを示す履歴ラインが第3領域γ’内に到達した場合に、各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であると判定するとしたが、これに限定されず、変形センサ11から出力される検出信号に加えて、図11に示したように、電子制御ユニット15の内部に備えられた加速度センサ71から出力される検出信号に基づき、各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であるか否かを判定してもよいし、さらに、サテライトセンサを構成する加速度センサ(図示略)から出力される検出信号に基づき、各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であるか否かを判定してもよい。
また、前述したように、前述した他の実施の形態では、等価相対速度νは前記fpマップ上で位相角として表れるが、幾何学的たわみθが小さい衝突初期においては曲率の変化量の関数として表すことができる。
図15、図16に示すように、微少な時間が経過した時にρがρ’にθがθ’に変化したとすると、幾何条件より
ρθ=ρ’θ’=(ρ−dρ)×(ρ+dρ)=ρθ−θdρ+ρdθ−dρ・dθ
したがって、θdρ≒ρdθ よって、θ・dρ/dt≒ρ・dθ/dt
また、w=ρ(1−cosθ(θ/2))=2ρsinθ≒2ρθ (θ<<1)
よって、dw/dt≒2・(θ・dρ/dt+2ρ・θ・dθ/dt)
=6θdρ/dt w:たわみ
ここで、θを定数とみなすことにより
ν=dw/dt∝ξ[dρ/dt]
すなわち、等価相対速度(速度状態量)は曲率の時間的変化量の関数ということになる。
ただし、前提として述べたように、θが微少である範囲とは衝突初期に限られるため、この近似を用いることのできる時間には制約はあるが、曲率のみを用いるため高速に処理ができる。よって、前述した実施の形態での等価相対速度として用いたり、他の実施の形態において積極的に用いることが可能である。
ここで、他の実施の形態において用いた場合、図13におけるfとνとを置換し、横軸を等価速度ν、縦軸をエネルギー遷移状態量pとした2次元マップを用いて判定を行うこともでき、この場合等価荷重fが原点を通る直線の傾きとして表現される。
本発明の実施形態に係る車両用衝突判定装置を搭載した車両の前部を模式的に示す構成図である。 本発明の実施形態に係る荷重センサの要部分解斜視図である。 図2に示す荷重センサの要部断面図である。 変形センサ具備される微分回路の一例を示す図である。 図4に示す微分回路の第1抵抗の抵抗値Rに応じた周波数fとゲインVf=f/Vf=∞との関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施形態に係る車両用衝突判定装置の構成図である。 衝突発生時にフロントバンパフェースが車両の内部に向かい窪むようにして変形する際の複数の圧電素子の位置関係の一例を示す図である。 衝突発生時にフロントバンパフェースが車両の内部に向かい窪むようにして変形する際の隣り合う圧電素子の位置関係の一例を示す図である。 fνマップ上に設定された各閾値TH,TH,TH,THνの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る車両用衝突判定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の変形例に係る車両用衝突判定装置の構成図である。 本発明の他の実施形態に係る車両用衝突判定装置の構成図である。 fpマップ上に設定された各閾値f,f,p,p,ν,νの一例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る車両用衝突判定装置の動作を示すフローチャートである。 等価相対速度を求めるための幾何学的説明図である。 等価相対速度を求めるための幾何学的説明図である。
2 フロントバンパフェース(部材)
10 車両用衝突判定装置
11 変形センサ
14 歩行者保護装置(保護装置)
41 エネルギー状態量算出部
42 デバイス駆動判定部(衝突判定手段)
43 駆動指令出力部(駆動制御手段)

Claims (7)

  1. 車両の外表面を構成する部材に配置された複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の出力値の時間微分値を出力する微分回路と、前記時間微分値から前記複数の圧電素子の変形による曲率の時間変化を検出する曲率時間変化検出手段と、該曲率時間変化検出手段により検出された複数の前記曲率の時間変化の時間積分値を出力する時間積分器とを備え、あるいは、
    車両の外表面を構成する部材に配置された複数の歪みゲージと、前記複数の歪みゲージの出力値から前記複数の歪みゲージの変形による曲率を検出する曲率検出手段と、該曲率検出手段により検出された複数の前記曲率の時間微分値を出力する時間微分器とを備え、
    複数の前記曲率および前記曲率の時間変化に基づき前記車両と前記物体との衝突時の相対速度を検知する相対速度検知手段、および複数の前記曲率に基づき前記車両と前記物体との間で作用した衝突時の荷重を検知する荷重検知手段と、
    前記相対速度検知手段により検知された前記相対速度と所定の閾値との大小関係および前記荷重検知手段により検知された前記荷重と所定の閾値との大小関係に応じて、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する衝突判定手段と
    を備え、
    前記荷重検知手段は、下記数式(1),(2)により、あるいは、車幅方向の距離に関する前記曲率の2階微分値の分布により前記荷重を検知し、
    前記相対速度検知手段は、下記数式(2),(3),(4)により、あるいは、曲げ歪みのエネルギーの時間変化と前記荷重との2次元マップにより前記相対速度を検知することを特徴とする車両用衝突判定装置。
    Figure 0004624228
    Figure 0004624228
    Figure 0004624228
    Figure 0004624228
    ここで、
    ED:曲げ歪みのエネルギー、dED/dt:曲げ歪みのエネルギーの時間変化、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント、ρ(n):曲率、ds:幅、n=1,…,N、dρ(n)/dt:時間変化、wsum:たわみ総和、f:荷重、ν:相対速度、としている。
  2. 車両の外表面を構成する部材に配置された複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の出力値の時間微分値を出力する微分回路と、前記時間微分値から前記複数の圧電素子の変形による曲率の時間変化を検出する曲率時間変化検出手段と、該曲率時間変化検出手段により検出された複数の前記曲率の時間変化の時間積分値を出力する時間積分器とを備え、あるいは、
    車両の外表面を構成する部材に配置された複数の歪みゲージと、前記複数の歪みゲージの出力値から前記複数の歪みゲージの変形による曲率を検出する曲率検出手段と、該曲率検出手段により検出された複数の前記曲率の時間微分値を出力する時間微分器とを備え、
    複数の前記曲率に基づき前記車両と前記物体との間で作用した衝突時の荷重を検知する荷重検知手段、および複数の前記曲率および曲率の時間変化に基づき衝突時の前記部材の曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知するエネルギー時間変化検知手段と、
    前記荷重検知手段により検知された前記荷重と所定の閾値との大小関係および前記エネルギー時間変化検知手段により検知された前記エネルギーの時間変化と所定の閾値との大小関係に応じて、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する衝突判定手段と
    を備え、
    前記荷重検知手段は、下記数式(5),(6)により、あるいは、車幅方向の距離に関する前記曲率の2階微分値の分布により前記荷重を検知し、
    前記エネルギー時間変化検知手段は、下記数式(7)により前記曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知することを特徴とする車両用衝突判定装置。
    Figure 0004624228
    Figure 0004624228
    Figure 0004624228
    ここで、
    ED:曲げ歪みのエネルギー、dED/dt:曲げ歪みのエネルギーの時間変化、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント、ρ(n):曲率、ds:幅、n=1,…,N、dρ(n)/dt:時間変化、wsum:たわみ総和、f:荷重、としている。
  3. 車両の外表面を構成する部材に配置された複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の出力値の時間微分値を出力する微分回路と、前記時間微分値から前記複数の圧電素子の変形による曲率の時間変化を検出する曲率時間変化検出手段と、該曲率時間変化検出手段により検出された複数の前記曲率の時間変化の時間積分値を出力する時間積分器とを備え、あるいは、
    車両の外表面を構成する部材に配置された複数の歪みゲージと、前記複数の歪みゲージの出力値から前記複数の歪みゲージの変形による曲率を検出する曲率検出手段と、該曲率検出手段により検出された複数の前記曲率の時間微分値を出力する時間微分器とを備え、
    複数の前記曲率および前記曲率の時間変化に基づき、前記車両と前記物体との衝突時の相対速度を検知する相対速度検知手段、および衝突時の前記部材の曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知するエネルギー時間変化検知手段と、
    前記相対速度検知手段により検知された前記相対速度と所定の閾値との大小関係および前記エネルギー時間変化検知手段により検知された前記エネルギーの時間変化と所定の閾値との大小関係に応じて、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する衝突判定手段と
    を備え、
    前記エネルギー時間変化検知手段は、下記数式(8)により前記曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知し、
    前記相対速度検知手段は、下記数式(8),(9),(10)により、あるいは、前記曲げ歪みのエネルギーの時間変化と前記荷重との2次元マップにより前記相対速度を検知することを特徴とする車両用衝突判定装置。
    Figure 0004624228
    Figure 0004624228
    Figure 0004624228
    ここで、
    ED:曲げ歪みのエネルギー、dED/dt:曲げ歪みのエネルギーの時間変化、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント、ρ(n):曲率、ds:幅、n=1,…,N、dρ(n)/dt:時間変化、wsum:たわみ総和、f:荷重、ν:相対速度、としている。
  4. 前記衝突判定手段は、前記相対速度と所定の閾値との大小関係および前記荷重と所定の閾値との大小関係に応じて前記物体の種別を検知することを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突判定装置。
  5. 前記衝突判定手段は、前記エネルギーの時間変化と所定の閾値との大小関係および、前記相対速度と所定の閾値との大小関係または前記荷重と所定の閾値との大小関係の何れかに応じて前記物体の種別を検知することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用衝突判定装置。
  6. 前記衝突判定手段により検知された前記物体の種別に応じて前記物体を保護する保護装置の駆動を制御する駆動制御手段を備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両用衝突判定装置。
  7. 車両に取り付けられ、車両に作用する加速度を検知する加速度検知手段を備え、前記衝突判定手段が、前記加速度検知手段により得られた前記加速度と所定の閾値との大小関係を加味して、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両用衝突判定装置。
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