JP4624228B2 - 車両用衝突判定装置 - Google Patents
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Description
このため、実際に発生した衝突の状態に応じて衝突形態を適切に判別すると共に、衝突物体の種別および衝突形態を判別する際の信頼度を、より一層、向上させることが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、衝突発生時の衝突状態および衝突物体を判別する際の精度および信頼度を向上させることが可能な車両用衝突判定装置を提供することを目的とする。
これにより、例えば軽量物との高速衝突や重量物との低速衝突等のように、曲げ歪みのエネルギー、さらに、曲げ歪みのエネルギーの時間変化が歩行者との衝突(つまり、歩行者保護装置の作動が必要となる衝突)に対する値と同等の値となる複数の衝突を容易に判別することができる。
これにより、例えば軽量物との高速衝突や重量物との低速衝突等のように、曲げ歪みのエネルギー、さらに、曲げ歪みのエネルギーの時間変化が歩行者との衝突に対する値と同等の値となる複数の衝突を容易に判別することができる。
また、曲げ歪みのエネルギーの算出および部材のたわみ量の算出を必要としないため処理を高速化できる。
これにより、例えば軽量物との高速衝突や重量物との低速衝突等のように、曲げ歪みのエネルギー、さらに、曲げ歪みのエネルギーの時間変化が歩行者との衝突に対する値と同等の値となる複数の衝突を容易に判別することができる。
また、曲げ歪みのエネルギーそのものの算出、部材のたわみ量の算出が必要なく処理を高速化でき、速度状態量を求めるにあたり部材の曲率の時間変化に係る状態量からこれを求めることで短時間に処理を行うことが可能となる。
特に、請求項2に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、少なくとも前記車両と前記物体との間で作用した荷重および前記曲率および曲率の時間変化からなる曲げ歪みのエネルギーの時間変化とにより、また、請求項3に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、少なくとも部材の曲率の時間変化から求めた相対速度および前記曲率および曲率の時間変化からなる曲げ歪みのエネルギーの時間変化とにより、複数の衝突を容易に判別することができるため、曲げ歪みのエネルギーそのものの算出、部材のたわみ量の算出が必要なくなり処理を高速化できる。
さらに、請求項4に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、例えば歩行者やバリア・他の車両等の物体の種別を容易に判別することができる。
さらに、請求項5に記載の本願発明の車両用衝突判定装置によれば、演算速度を向上しつつ判定精度は損なわれないため、より高速に物体の判別を行うことが可能となる。
さらに、請求項6に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、物体の種別の検知結果に応じて保護装置の作動の要否や作動状態を適切に制御することができる。
さらに、請求項7に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、衝突時に衝突の判定を行う際、加速度が所定値以上であることを付加的に条件として用いることによってセーフィング効果(誤判定の防止)が得られると共に、加速度、および加速度の積分演算値(速度)による従来の衝突判定装置に付加情報として部材(例えば、実施の形態におけるフロントバンパフェース2)に作用する相対速度・荷重・曲げ歪みのエネルギーの時間変化を与えるように構成し、従来の加速度による判定閾値レベルを修正(例えば衝突速度≒車両前面部侵入速度≒部材変形速度が大きい場合には閾値を下げるなど)するように構成することができ、より正確に衝突の判定をして、より確実に乗員保護装置を作動させることができる。
本実施の形態による車両用衝突判定装置10は、例えば、車両1の外表面と物体との接触および衝突(以下、単に、衝突と呼ぶ)に起因して車両1の外表面に生じる変形に係る状態量を検出する変形センサ11と、変形センサ11から出力される検出信号に基づき各種の乗員保護装置12(例えば、車室内でエアバッグを展開させるエアバッグ装置12aやシートベルトを強制的に巻き取るシートベルト巻取装置12b等)および各種の歩行者保護装置14(例えば、ボンネットフードを強制的に浮上させるボンネットフード持上装置14aやボンネットフード上でエアバッグを展開させるエアバッグ装置等)の作動を制御する電子制御ユニット(ECU)15とを備えて構成されている。
なお、電子制御ユニット15は、変形センサ11から出力される検出信号に加えて、電子制御ユニット15の内部に備えられた加速度センサ(図示略)から出力される検出信号と、例えば車両1の前方側の右側部および左側部と後方側の右側部および左側部に配置された各1対の加速度センサからなるサテライトセンサ(図示略)から出力される各検出信号とに基づき、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動を制御可能である。
この圧電フィルム31には、例えば図3に示すように、厚さ方向に貫通する貫通孔31aが形成され、この貫通孔31aの一方の開口部は信号電極32に臨むように、かつ、他方の開口部は接地電極33と干渉しないように設定されている。そして、信号電極32に接続された信号端子32aが圧電フィルム31の貫通孔31a内に装着され、この信号端子32aの端部が圧電フィルム31の他方の表面上で露出するように設定されている。これにより、圧電フィルム31の他方の表面上には、接地電極33と信号端子32aとが、例えば長手方向に沿って、離間して配置され、圧電素子24がフレキシブル基板23に装着された状態では、信号端子32aが信号配線接続部21anに当接し、接地電極33が接地配線接続部22aに当接するようになっている。
そして、例えばフロントバンパフェース2に物体が衝突してフロントバンパフェース2が変形すると、変形センサ11の圧電フィルム31はフロントバンパフェース2と一体に変形する。ここで、圧電フィルム31の圧電定数(所定値)に対し、
圧電定数=発生する電荷Q/応力σであり、
各電極32,33間に生じる電圧V=発生する電荷Q/静電容量Cであり、
変形センサ11は、応力σが、圧電フィルム31の歪みεに応じて発生し、さらに、圧電フィルム31の歪みεが、圧電フィルム31の曲率ρに応じて発生するよう構成されている。
これらにより、各電極32,33間に生じる電圧Vから、変形した圧電フィルム31の曲率ρを検知することができる。
さらに、変形センサ11によって、例えば図4に示すように、各電極32,33間に生じる電圧Vの時間微分値(dV/dt)を出力する微分回路35が構成され、この微分回路35の出力電圧VOUTが電子制御ユニット(ECU)15に入力されている。つまり、この微分回路35の出力電圧VOUTは、各電極32,33間に生じる電圧Vの時間微分値(dV/dt)により構成されることから、この出力電圧VOUTから曲率ρの時間変化dρ(n)/dtが検知される。
そして、第1抵抗35a(抵抗値R)の一方の端子は、圧電素子24の等価回路(圧電素子等価回路)36および第1オペアンプ35dの反転入力端子に接続され、他方の端子は、第1オペアンプ35dの非反転入力端子に接続されると共に接地されている。
そして、第1オペアンプ35dの出力端子は、第2抵抗35bを介して第2オペアンプ35eの反転入力端子に接続されると共に、第1オペアンプ35dの反転入力端子に接続されている。
そして、第2オペアンプ35eの非反転入力端子は接地され、第2オペアンプ35eの出力端子は、第3抵抗35cを介して第2オペアンプ35eの反転入力端子に接続されると共に、微分回路35の出力端子に接続されている。
この微分回路35の微分特性としてのカットオフ周波数fcは、例えば、第1抵抗35a(抵抗値R)と、圧電素子等価回路36のコンデンサ36a(静電容量C)とにより、
fc=1/(2πRC)となり、第1抵抗35aの抵抗値Rに応じて可変となる。これにより、車両の衝突事象に対して適切となる抵抗値、例えば所定周波数領域(例えば、十〜数千Hz等)で利得(例えば、図5に示すゲイン=(周波数fでの出力Vf=f)/(無限に高い周波数での出力Vf=∞))が周波数fに対して比例傾向に変化する抵抗値(例えば、図5に示す抵抗値R3)が、第1抵抗35aの抵抗値Rとして設定される。
ここで、各圧電素子24,…,24の曲げモーメントΔM(n);(n=1,…,N)は、縦弾性係数Eと、断面2次モーメントIと、各圧電素子24,…,24の幅dsと、各圧電素子24,…,24毎の変形角度dθ(n)とにより、
ΔM(n)=E×I×(dθ(n)/ds)となる。
これにより、各圧電素子24,…,24の歪みエネルギーΔED(n)は、
ΔED(n)=ΔM(n)×dθ(n)
=E×I×(dθ(n)/ds)×(dθ(n)/ds)×dsとなる。さらに、
(dθ(n)/ds)=ρ(n)であるから、
ΔED(n)=E×I×ρ(n)2×dsとなる。
これにより、フロントバンパフェース2の歪みエネルギーEDは、下記数式(11)に示すように記述される。
このため、歪みエネルギー算出部51には、時間積分器44から出力される各圧電素子24,…,24の曲率ρ(n)、つまり変形センサ11から出力される時間変化dρ(n)/dtが時間に関して一次積分されて得られる算出値が入力されている。
例えば図9に示すように、デバイス駆動判定部42は、等価荷重fと等価相対速度νとの相関関係を示すfνマップ(例えば、等価荷重fを横軸、等価相対速度νを縦軸とする直交座標)上において、衝突の激しさを指定する複数の領域、例えば第1〜第3領域α,β,γを区分する境界値である各閾値TH1,TH2(例えば、TH1≦TH2)を設定する。
さらに、デバイス駆動判定部42は、fνマップ上において、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要とされる衝突事象を排除するための各閾値、つまり等価荷重fに対する所定の荷重閾値THfと、等価相対速度νに対する所定の速度閾値THνとを設定する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、例えば、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動判定として、等価荷重算出部56から出力される等価荷重fと等価相対速度算出部57から出力される等価相対速度νとの積(f×ν)が各閾値TH1,TH2よりも大きいか否かを判定する。
先ず、図10に示すステップS01においては、変形センサ11の出力に基づき、等価荷重fおよび等価相対速度νを算出する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS04に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進む。
そして、ステップS03においては、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要な物体との衝突であると判定し、一連の処理を終了する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS06に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS05に進む。
そして、ステップS05においては、fνマップ上において等価荷重fおよび等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが第1領域α内に含まれ、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要である程度の穏やかな衝突であると判定し、一連の処理を終了する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS07に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
そして、ステップS07においては、fνマップ上において等価荷重fおよび等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが第2領域β内に到達し、各種の歩行者保護装置14の作動が必要となる衝突であると判定し、一連の処理を終了する。
また、ステップS08においては、fνマップ上において等価荷重fおよび等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが第3領域γ内に到達し、各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であると判定し、一連の処理を終了する。
さらに、等価荷重fと等価相対速度νとの相関関係を示すfνマップ上において、衝突の激しさを示す状態量である衝突エネルギーの時間に関する1階微分値(例えば、単位時間あたりの衝突エネルギーの増大量)に係る各閾値TH1,TH2と、荷重閾値THfおよび速度閾値THνにより、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が必要な衝突であるか否か、さらには、必要とされる作動形態(例えば、作動タイミング等)を適切に判定することができる。特に、歪みエネルギーED、さらに、歪みエネルギーEDの時間変化(dED/dt)が同等の値となる衝突状態、例えば歩行者との衝突(つまり、歩行者保護装置の作動が必要となる衝突)に対する値と同等の値を有する軽量物との高速衝突や重量物との低速衝突等の衝突状態を適切に判別することができる。
例えば図11に示す変形例では、図6に示す電子制御ユニット15に、さらに、加速度センサ71と、ΔVUNIT算出部72と、ΔVUNIT判定部73と備え、ΔVUNIT算出部72は、電子制御ユニット15の内部に具備された加速度センサ71から出力される加速度信号GUNITに対し、例えばローパスフィルタ等によってノイズ成分である高周波成分を加速度信号GUNITから除去し、例えば下記数式(18)に示すように、現在時刻tpに対する所定の時間幅Δtの時間区間{(tp−Δt)〜tp}毎に加速度信号GUNITを時間について一次積分して速度変化ΔVUNITを算出し、ΔVUNIT判定部73に出力する。
そして、駆動指令出力部43は、デバイス駆動判定部42の判定結果として、fνマップ上において等価荷重fおよび等価相対速度νの時間変化を示す履歴ラインが第3領域γ内に到達したことで各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であると判定され、かつ、ΔVUNIT判定部73の判定結果として、速度変化ΔVUNITが所定の速度閾値THUNIT以上となることで各種の乗員保護装置12の作動が必要となる衝突であると判定された場合に、各種の乗員保護装置12の作動を指示する制御信号を出力する。
このように加速度センサを用いた加速度および加速度の積分演算値(速度)による従来の衝突判定方法に、部材(例えば、実施の形態におけるフロントバンパフェース2)に作用する速度状態量・荷重状態量・エネルギー状態量等を与えることで衝突状態をより適切に判別することができると共にセーフィング効果(誤判定の防止)を図ることができる。
本実施の形態による車両用衝突判定装置10において、前記変形センサ11、前記乗員保護装置12、前記各種の歩行者保護装置14の作動を電子制御ユニット(ECU)15により制御する点、電子制御ユニット15が、変形センサ11から出力される検出信号に加えて、電子制御ユニット15の内部に備えられた加速度センサ(図示略)から出力される検出信号と、例えば車両1の前方側の右側部および左側部と後方側の右側部および左側部に配置された各1対の加速度センサからなるサテライトセンサ(図示略)から出力される各検出信号とに基づき、各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動を制御可能である点、電子制御ユニット15が車両1と物体との衝突の発生時に車両1の外表面、例えばフロントバンパフェース2に生じる曲げ歪みのエネルギーの時間変化に係る状態量を算出するエネルギー状態量算出部41と、デバイス駆動判定部42と、駆動指令出力部43と、時間積分器44とを備えている点などの基本的構成は前記実施形態と同様である。
そこで、上述した除演算を用いず積和(乗算加減算)演算のみを用い、たわみ総和wsum等のたわみに関する算出を行わないで、デバイス駆動判定部42に必要なデータを出力できるようにした車両用衝突判定装置10を提供している。
つまり、曲げモーメント:M(n)=EIρ(n)=EId2y/dx2であるから、
分布荷重:φ(x)=d2M(n)/dx2
=EId2ρ(n)/dx2 となる。ここで等価荷重fはこの分布荷重φ(x)に基づいた量として次式で表せる。
等価荷重:f=Ψ[d2ρ(n)/dx2] …(9)
なお、Ψは関数(例えば、後述する3つの演算手法)を意味する。
したがって、等価荷重fを求めるにあたり前記除算は行わず、たわみ総和wsumのほか他のパラメータを使用しないでρ(n)のみを用いた乗加減算により求められる。
第1はf∝[d2ρ(n)/dx2]maxであって、バンパフェースの長手方向の[d2ρ(n)/dx2]分布の最大値をピックアップしたもの、
第2はf∝Σabs[d2ρ(n)/dx2] であって、[d2ρ(n)/dx2]分布の各絶対値を総和したもの、
第3はf∝Σ[d2ρ(n)/dx2]posであって、[d2ρ(n)/dx2]分布の正極性のみの値を総和したものであり、これらの何れかを採用できる。
これにより前述した実施形態ではν=(dED/dt)/fとして求めていたものが、等価荷重fを求める場合と同様に、除演算を用いず、かつ等価荷重fや他のパラメータを使用しないため、演算負荷が少なくなる。
なお、p=(dED/dt)∝Σ2ρ(n)[dρ(n)/dt]となるのは、上記数式(11)、数式(12)による。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、さらにfpマップ上において、等価荷重fが閾値f1以上で、かつ歪みエネルギーEDの時間変化pが閾値p1以上で、かつ等価相対速度νが閾値ν1以上であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」である場合には、歩行者保護装置14を作動させることが必要である衝突と判定される(β’領域)。一方、この判定結果が「YES」である場合には、乗員保護装置12を作動させることが必要である衝突と判定される(γ’領域)。
ステップS14においては、等価荷重fが閾値f0以上で、かつ歪みエネルギーEDの時間変化pが閾値p0以上で、かつ等価相対速度νが閾値ν0以上であるか否かを判定する。判定結果が「NO」の場合には各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が不要である程度の穏やかな衝突であると判定し(α’領域)、一連の処理を終了する。
ステップS16における判定結果が「YES」である場合には、ステップS18において乗員保護装置12を作動させることが必要である衝突と判定され(γ’領域)、一連の処理を終了する。
また、従来の加速度および加速度の積分演算値(速度)を用いた衝突判定手法と組み合わせることにより、前述のセーフィング効果が得られるため、信頼性をより向上することもできる。
さらに、等価荷重fと歪みエネルギーEDの時間変化pとの相関関係を示すfpマップ上において、衝突の激しさを示す状態量であるエネルギーの増加傾向を示す歪みエネルギーEDの時間変化pの各閾値p0.p1および等価荷重fの各閾値f0,f1 により各種の乗員保護装置12および歩行者保護装置14の作動が必要な衝突であるか否か、さらには、必要とされる作動形態(例えば、作動タイミング等)を適切に判定することができる。
特に、前述した実施形態とは異なり、等価荷重fを求めるにあたり前記除算は行わず、たわみ総和wsumなどの他のパラメータを使用しないでρ(n)の2階微分値を用いた乗加減算により求めているため除演算を必要とせず演算負荷が軽減され演算速度を高速にすることができる。また、これにより衝突初期において、除算を用いた場合に分母がゼロに近く小さくなってしまうため最小限値を設定するという必要がなくなりこの点でも演算精度を確保できる。
図15、図16に示すように、微少な時間が経過した時にρがρ’にθがθ’に変化したとすると、幾何条件より
ρθ=ρ’θ’=(ρ−dρ)×(ρ+dρ)=ρθ−θdρ+ρdθ−dρ・dθ
したがって、θdρ≒ρdθ よって、θ・dρ/dt≒ρ・dθ/dt
また、w=ρ(1−cosθ(θ/2))=2ρsin2θ≒2ρθ2 (θ<<1)
よって、dw/dt≒2・(θ2・dρ/dt+2ρ・θ・dθ/dt)
=6θ2dρ/dt w:たわみ
ここで、θ2を定数とみなすことにより
ν=dw/dt∝ξ[dρ/dt]
すなわち、等価相対速度(速度状態量)は曲率の時間的変化量の関数ということになる。
ただし、前提として述べたように、θが微少である範囲とは衝突初期に限られるため、この近似を用いることのできる時間には制約はあるが、曲率のみを用いるため高速に処理ができる。よって、前述した実施の形態での等価相対速度として用いたり、他の実施の形態において積極的に用いることが可能である。
ここで、他の実施の形態において用いた場合、図13におけるfとνとを置換し、横軸を等価速度ν、縦軸をエネルギー遷移状態量pとした2次元マップを用いて判定を行うこともでき、この場合等価荷重fが原点を通る直線の傾きとして表現される。
10 車両用衝突判定装置
11 変形センサ
14 歩行者保護装置(保護装置)
41 エネルギー状態量算出部
42 デバイス駆動判定部(衝突判定手段)
43 駆動指令出力部(駆動制御手段)
Claims (7)
- 車両の外表面を構成する部材に配置された複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の出力値の時間微分値を出力する微分回路と、前記時間微分値から前記複数の圧電素子の変形による曲率の時間変化を検出する曲率時間変化検出手段と、該曲率時間変化検出手段により検出された複数の前記曲率の時間変化の時間積分値を出力する時間積分器とを備え、あるいは、
車両の外表面を構成する部材に配置された複数の歪みゲージと、前記複数の歪みゲージの出力値から前記複数の歪みゲージの変形による曲率を検出する曲率検出手段と、該曲率検出手段により検出された複数の前記曲率の時間微分値を出力する時間微分器とを備え、
複数の前記曲率および前記曲率の時間変化に基づき前記車両と前記物体との衝突時の相対速度を検知する相対速度検知手段、および複数の前記曲率に基づき前記車両と前記物体との間で作用した衝突時の荷重を検知する荷重検知手段と、
前記相対速度検知手段により検知された前記相対速度と所定の閾値との大小関係および前記荷重検知手段により検知された前記荷重と所定の閾値との大小関係に応じて、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する衝突判定手段と
を備え、
前記荷重検知手段は、下記数式(1),(2)により、あるいは、車幅方向の距離に関する前記曲率の2階微分値の分布により前記荷重を検知し、
前記相対速度検知手段は、下記数式(2),(3),(4)により、あるいは、曲げ歪みのエネルギーの時間変化と前記荷重との2次元マップにより前記相対速度を検知することを特徴とする車両用衝突判定装置。
ED:曲げ歪みのエネルギー、dED/dt:曲げ歪みのエネルギーの時間変化、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント、ρ(n):曲率、ds:幅、n=1,…,N、dρ(n)/dt:時間変化、wsum:たわみ総和、f:荷重、ν:相対速度、としている。 - 車両の外表面を構成する部材に配置された複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の出力値の時間微分値を出力する微分回路と、前記時間微分値から前記複数の圧電素子の変形による曲率の時間変化を検出する曲率時間変化検出手段と、該曲率時間変化検出手段により検出された複数の前記曲率の時間変化の時間積分値を出力する時間積分器とを備え、あるいは、
車両の外表面を構成する部材に配置された複数の歪みゲージと、前記複数の歪みゲージの出力値から前記複数の歪みゲージの変形による曲率を検出する曲率検出手段と、該曲率検出手段により検出された複数の前記曲率の時間微分値を出力する時間微分器とを備え、
複数の前記曲率に基づき前記車両と前記物体との間で作用した衝突時の荷重を検知する荷重検知手段、および複数の前記曲率および曲率の時間変化に基づき衝突時の前記部材の曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知するエネルギー時間変化検知手段と、
前記荷重検知手段により検知された前記荷重と所定の閾値との大小関係および前記エネルギー時間変化検知手段により検知された前記エネルギーの時間変化と所定の閾値との大小関係に応じて、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する衝突判定手段と
を備え、
前記荷重検知手段は、下記数式(5),(6)により、あるいは、車幅方向の距離に関する前記曲率の2階微分値の分布により前記荷重を検知し、
前記エネルギー時間変化検知手段は、下記数式(7)により前記曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知することを特徴とする車両用衝突判定装置。
ED:曲げ歪みのエネルギー、dED/dt:曲げ歪みのエネルギーの時間変化、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント、ρ(n):曲率、ds:幅、n=1,…,N、dρ(n)/dt:時間変化、wsum:たわみ総和、f:荷重、としている。 - 車両の外表面を構成する部材に配置された複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の出力値の時間微分値を出力する微分回路と、前記時間微分値から前記複数の圧電素子の変形による曲率の時間変化を検出する曲率時間変化検出手段と、該曲率時間変化検出手段により検出された複数の前記曲率の時間変化の時間積分値を出力する時間積分器とを備え、あるいは、
車両の外表面を構成する部材に配置された複数の歪みゲージと、前記複数の歪みゲージの出力値から前記複数の歪みゲージの変形による曲率を検出する曲率検出手段と、該曲率検出手段により検出された複数の前記曲率の時間微分値を出力する時間微分器とを備え、
複数の前記曲率および前記曲率の時間変化に基づき、前記車両と前記物体との衝突時の相対速度を検知する相対速度検知手段、および衝突時の前記部材の曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知するエネルギー時間変化検知手段と、
前記相対速度検知手段により検知された前記相対速度と所定の閾値との大小関係および前記エネルギー時間変化検知手段により検知された前記エネルギーの時間変化と所定の閾値との大小関係に応じて、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定する衝突判定手段と
を備え、
前記エネルギー時間変化検知手段は、下記数式(8)により前記曲げ歪みのエネルギーの時間変化を検知し、
前記相対速度検知手段は、下記数式(8),(9),(10)により、あるいは、前記曲げ歪みのエネルギーの時間変化と前記荷重との2次元マップにより前記相対速度を検知することを特徴とする車両用衝突判定装置。
ED:曲げ歪みのエネルギー、dED/dt:曲げ歪みのエネルギーの時間変化、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント、ρ(n):曲率、ds:幅、n=1,…,N、dρ(n)/dt:時間変化、wsum:たわみ総和、f:荷重、ν:相対速度、としている。 - 前記衝突判定手段は、前記相対速度と所定の閾値との大小関係および前記荷重と所定の閾値との大小関係に応じて前記物体の種別を検知することを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突判定装置。
- 前記衝突判定手段は、前記エネルギーの時間変化と所定の閾値との大小関係および、前記相対速度と所定の閾値との大小関係または前記荷重と所定の閾値との大小関係の何れかに応じて前記物体の種別を検知することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用衝突判定装置。
- 前記衝突判定手段により検知された前記物体の種別に応じて前記物体を保護する保護装置の駆動を制御する駆動制御手段を備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両用衝突判定装置。
- 車両に取り付けられ、車両に作用する加速度を検知する加速度検知手段を備え、前記衝突判定手段が、前記加速度検知手段により得られた前記加速度と所定の閾値との大小関係を加味して、少なくとも歩行者保護または乗員保護の要否を判定することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両用衝突判定装置。
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---|---|---|---|
JP2005285273A JP4624228B2 (ja) | 2005-02-08 | 2005-09-29 | 車両用衝突判定装置 |
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