JP2009050949A - ロボットアームの軌道教示方法および軌道教示装置 - Google Patents

ロボットアームの軌道教示方法および軌道教示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 操作者による教示の手間と時間を低減し、目標位置までの軌道を確実に決定することができるロボットアームの軌道教示方法および軌道教示装置を提供する。
【解決手段】 ステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、この移動先を基準として再び次の移動先を計算する。これを繰り返すことで目標位置までの軌道を決定する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、例えば、産業用ロボット、人間の生活を支援するロボット等に適用されるロボットアームの軌道教示方法および軌道教示装置に関する。
産業用ロボットや人間の生活を支援するロボットの分野において、例えば7軸以上の関節を有する多関節ロボットが提案されている。この多関節ロボットは、姿勢の冗長性を有する。この「冗長性」とは、本来、余剰となるものを付加することによって、可能性が高められている状態であり、システム等においては、構成を二重化、多重化したり、予備の手段を用意したりすることによって冗長性が確保される。
この冗長性を有する多関節ロボットの先端に取り付けられたエンドエフェクタにより、溶接、塗装や対象物の把持等の作業を行う場合の軌道を定める方法として、ヤコビ行列、逆ヤコビ行列を用いて軌道を計算する方法や、予め通過点を複数定めておき、これら複数の通過点を繋いで軌道とする方法があった(特許文献1,2)。
特開平5−4181号公報 特開平7−195000号公報
逆ヤコビ行列を用いて軌道を計算する方法では、計算途中で逆ヤコビ行列が存在しない特異点が出てくる可能性があるという欠点があった。
また、予め通過点を複数定めておき、これら複数の通過点を繋いで軌道とする方法では、人が教示装置等を用いて指示、操作を行わなければならないため、操作者による教示の手間と時間を要するという欠点があった。
この発明の目的は、操作者による教示の手間と時間を低減し、目標位置までの軌道を確実に決定することができるロボットアームの軌道教示方法および軌道教示装置を提供することである。
この発明のロボットアームの軌道教示方法は、対象物に対して作業を実行するハンド8、およびこのハンド8にそれぞれ関節J1〜J7を介して姿勢変更可能に順次連結した複数の可動部を有するロボットアームRAに対して、前記ハンド8とこのハンド8に最も近い可動部との間の関節の中心である手首中心Oを、初期位置P0から目標位置P1まで移動させる軌道を教示するロボットアームRAの軌道教示方法であって、前記手首中心Oを計算上で繰り返しステップ移動させるステップ移動量を設定するステップ移動量設定過程(ステップS1)と、前記目標位置P1における各関節の角度である関節別目標角度を設定する関節別目標角度設定過程(ステップS2)と、各関節の角度を、関節別目標角度に近づく方向に1関節毎に、制御可能な最小角度の単位で計算上変化させ、この1関節の最小角度の変化の都度、手首中心座標を求めるという一連の関節毎最小変化処理を、求められた手首中心座標が、前記ステップ移動の現在の手首中心座標から直線距離で前記ステップ移動量だけ移動するまで繰り返し、このステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、かつこの移動先を前記ステップ移動の現在の手首中心座標として更新するステップ単位軌道計算過程(ステップS3)と、このステップ単位軌道計算過程(ステップS3)を、手首中心座標が前記目標位置P1に達するまで繰り返すステップ単位軌道計算繰り返し過程(ステップS4)とを含むことを特徴とする。
この構成によると、ステップ移動量設定過程(ステップS1)では、手首中心Oを計算上で繰り返しステップ移動させるステップ移動量を設定する。関節別目標角度設定過程(ステップS2)において、手首中心Oの目標位置P1における各関節の角度である関節別目標角度を設定する。次に、ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)では、関節毎最小変化処理を、求められた手首中心座標が、ステップ移動の現在の手首中心座標から直線距離でステップ移動量だけ移動するまで繰り返す。このステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、かつこの移動先を前記ステップ移動の現在の手首中心座標として更新する。ステップ単位軌道計算繰り返し過程(ステップS4)では、手首中心座標が前記目標位置P1に達するまで繰り返す。
このように、計算上で一定のステップ移動量だけ移動させて、手首中心座標を教示経路上の次の移動先と定め、この移動先を基準として再び次の移動先を計算するというステップ毎の計算を目標位置まで繰り返すことで、手首中心の軌道を決定する。したがって、従来の計算途中で逆ヤコビ行列が存在しないというような問題を生じることなく、計算により確実に軌道が決定でき、また操作者による教示の手間と時間を要する問題を未然に解消することができる。
前記ステップ移動量設定過程(ステップS1)は、ステップ移動量の初期値を設定する初期設定過程(ステップS11)と、前記関節毎最小変化処理の各回における初期に、ステップ移動の現在の手首中心Oと目標位置P1の手首中心Oとの間の直線距離を比較し、この直線距離が前記ステップ移動量の初期値よりも大きい場合は、ステップ移動量を小さく変更する変更過程(ステップS12)とを含むものであっても良い。このように、上記直線距離とステップ移動量の初期値との大小関係に基づいて、ステップ移動量を小さく変更することで、手首中心Oが計算途中でステップ移動できなくなる不具合を未然を防止することができる。
前記ステップ移動量設定過程(ステップS1)で、ステップ移動量を前記手首中心Oが移動する移動時間となるステップ移動時間を設定し、前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)では、前記の設定したステップ移動時間によるステップ移動量を手首中心Oが移動する速度として定めるようにしても良い。この場合、ステップ移動量をステップ移動時間で除すことにより、手首中心Oが移動する速度を正確に求めることが可能となる。
前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)で、前記関節毎最小変化処理により手首中心座標を求めた後、ロボットアームRAと障害物OBとの干渉の有無を調べ、干渉が生じる場合は、今回求めた手首中心座標を採用せずに、別の関節について前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)を開始させる干渉回避指定を含むようにしても良い。この干渉が生じる場合、今回求めた手首中心座標を採用せずに、別の関節についてステップ単位軌道計算過程(ステップS3)を開始させる。逆に、干渉無しの場合は、今回求めた手首中心座標を採用する。したがって、障害物OBがある場合に、この障害物OBを回避する指示、操作を人が教示装置を用いて行う必要がなく、その手間と時間を低減することができる。
前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)は、関節別目標角度までの残り角度が大きい関節の順に、前記関節の角度の計算上の変化を行わせるようにしても良い。この場合、関節別目標角度までの残り角度が大きい関節から小さい関節の順に順次、関節角度の計算上の変化を行わせ、現在の手首中心座標をスムーズに更新することが可能となる。したがって、関節角度の計算上の変化を収束させて、現在の手首中心座標を短時間で得ることが可能となる。しかも、制御系の計算処理負荷を軽減することができる。
この発明のロボットアームの軌道教示装置は、対象物に対して作業を実行するハンド8、およびこのハンド8にそれぞれ関節J1〜J7を介して姿勢変更可能に順次連結した複数の可動部を有するロボットアームRAに対して、前記ハンド8とこのハンド8に最も近い可動部との間の関節の中心である手首中心Oを、初期位置P0から目標位置P1まで移動させる軌道を教示するロボットアームRAの軌道教示装置KSであって、前記手首中心Oを計算上で繰り返しステップ移動させるステップ移動量を設定するステップ移動量設定手段9と、前記目標位置P1における各関節の角度である関節別目標角度を設定する関節別目標角度設定手段10と、各関節の角度を、関節別目標角度に近づく方向に1関節毎に、制御可能な最小角度の単位で計算上変化させ、この1関節の最小角度の変化の都度、手首中心座標を求めるという一連の関節毎最小変化処理を、求められた手首中心座標が、前記ステップ移動の現在の手首中心座標から直線距離で前記ステップ移動量だけ移動するまで繰り返し、このステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、かつこの移動先を前記ステップ移動の現在の手首中心座標として更新するステップ単位軌道計算手段11と、このステップ単位軌道計算手段11を、手首中心座標が前記目標位置P1に達するまで繰り返すステップ単位軌道計算繰り返し手段13とを含むことを特徴とする。
この構成によると、ステップ移動量だけ移動して手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、この移動先を基準として再び次の移動先を計算する。これを繰り返すことで目標位置P1までの軌道を確実に決定することができる。したがって、従来の計算途中で逆ヤコビ行列が存在しない問題、および操作者による教示の手間と時間を要する問題を未然に解消することができる。
この発明のロボットアームの軌道教示方法は、対象物に対して作業を実行するハンド、およびこのハンドにそれぞれ関節を介して姿勢変更可能に順次連結した複数の可動部を有するロボットアームに対して、前記ハンドとこのハンドに最も近い可動部との間の関節の中心である手首中心を、初期位置から目標位置まで移動させる軌道を教示するロボットアームの軌道教示方法であって、前記手首中心を計算上で繰り返しステップ移動させるステップ移動量を設定するステップ移動量設定過程と、前記目標位置における各関節の角度である関節別目標角度を設定する関節別目標角度設定過程と、各関節の角度を、関節別目標角度に近づく方向に1関節毎に、制御可能な最小角度の単位で計算上変化させ、この1関節の最小角度の変化の都度、手首中心座標を求めるという一連の関節毎最小変化処理を、求められた手首中心座標が、前記ステップ移動の現在の手首中心座標から直線距離で前記ステップ移動量だけ移動するまで繰り返し、このステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、かつこの移動先を前記ステップ移動の現在の手首中心座標として更新するステップ単位軌道計算過程と、このステップ単位軌道計算過程を、手首中心座標が前記目標位置に達するまで繰り返すステップ単位軌道計算繰り返し過程とを含むため、操作者による教示の手間と時間を低減し、目標位置までの軌道を確実に決定することができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図6と共に説明する。本実施形態に係るロボットアームの軌道教示装置は、7軸の関節を有する多関節のロボットアームRAに適用される。軌道教示装置は、ロボットアームRAに対して、ハンド8とこのハンド8に最も近い可動部との間の関節の中心である手首中心Oを、初期位置P0から目標位置P1まで移動させる軌道を教示する。ただし、関節数は、7軸に限定されるものではなく、例えば8軸以上であっても良い。また、6軸以下であっても良い。以下の説明は、ロボットアームRAの軌道教示方法についての説明をも含む。この多関節のロボットアームRAは、障害物を回避し、先端に取り付けられたエンドエフェクタいわゆるハンド8により、溶接・塗装や対象物の把持等の作業を行う。ただし、これらの作業に限定されるものではない。
図1に示すように、ロボットアームRAは、アーム取付台12に取り付けられる。このロボットアームRAは、関節を介して順次連結される可動部として、作業内容に応じて付替え可能なハンド8、このハンド8に手首関節J5〜J7を介して姿勢変更可能に連結した前腕5、およびこの前腕5の肘部4に肘関節J3,J4を介して連結した上腕3を有する。この上腕3は肩関節J1,J2を介してアーム取付台12に取り付けられている。
前記手首関節J5〜J7は、それぞれ1自由度を有し、組合せにより手首に3自由度を与える関節である。手首関節J5〜J7のうち手首関節J5は、前腕5の軸芯5i回りの回転を可能とする関節である。手首関節J6,J7は、前腕5に対してハンド8を直交2軸方向にそれぞれ傾斜角度変更可能とする関節である。手首関節J6は、前腕5に連結される第1手首6によって実現され、手首関節J7は、前記第1手首6に連結される第2手首7によって実現される。この第2手首7は、凹形状に形成されたブラケット7aを備え、このブラケット7aの底部7aaからハンド8が突出するようにブラケット7aに一体に設けられている。このハンド8により溶接・塗装や対象物を把持可能に構成されている。
前記肘関節J3,J4は、直交2軸方向にそれぞれ傾斜角度変更可能な1自由度を有し、組合わせによって肘に2自由度を与える関節である。前記肩関節J1,J2は、アーム取付台12に対して上腕3を直交2軸方向にそれぞれ傾斜角度変更可能とする関節である。肩関節J1は第1肩1によって実現され、肩関節J2は第2肩2によって実現される。また、この多関節のロボットアームRAは、上記各部を動作させる図示外のモータ、および各部の動作を制御する後述の軌道教示装置KSを有する。
上記関節J1〜J7の各軸は、必ずしも角度変位可能な軸である必要はなく、関節J1〜J7のうち少なくともいずれか1つの関節の軸が、例えば伸縮動作または平行リンク動作等の動作部を有するものであっても良い。
次に、このロボットアームRAの軌道教示装置KSについて説明する。
軌道教示装置KSは、例えば、中央処理装置(CPU)、メモリ等の記憶手段、および入出力インターフェース等(いずれも図示せず)を有するマイクロコンピュータ等のコンピュータと、このコンピュータに実行される教示用の軌道教示プログラム(図示せず)とによって実現される。前記記憶手段に、上記軌道教示プログラムが格納されている。この軌道教示プログラムにより、図3に概念構成で示す各手段が構成される。なお、軌道教示プログラムおよび、教示後のロボットアーム動作を制御する図示外の動作制御プログラムによって、ロボットアームRAの上位の制御装置(図示せず)が構成される。
軌道教示装置KSは、ステップ移動量設定手段9と、関節別目標角度設定手段10と、ステップ単位軌道計算手段11と、ステップ単位軌道計算繰り返し手段13とを有する。これらのうち、ステップ移動量設定手段9は、手首中心Oを計算上で繰り返しステップ移動させるステップ移動量を設定する。前記手首中心Oは、手首関節J5〜J7の直交3軸が交わる交点であり、この交点の座標を「手首中心座標」と称す。
関節別目標角度設定手段10は、前記手首中心Oの目標位置P1における各関節の角度である関節別目標角度を設定する。ステップ単位軌道計算手段11は、各関節の角度を、関節別目標角度に近づく方向に1関節毎に、制御可能な最小角度の単位で計算上変化させる。さらにステップ単位軌道計算手段11は、この1関節の最小角度の変化の都度、手首中心座標を求めるという一連の関節毎最小変化処理を、求められた手首中心座標が、前記ステップ移動の現在の手首中心座標から直線距離で前記ステップ移動量だけ移動するまで繰り返す。
前記ステップ単位軌道計算手段11は、このステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、かつこの移動先を前記ステップ移動の現在の手首中心座標として更新する。ステップ単位軌道計算繰り返し手段13は、このステップ単位軌道計算手段11を、手首中心座標が前記目標位置P1に達するまで繰り返し実行する。
図4は、ロボットアームの軌道教示方法を上位概念化して表す流れ図である。
この軌道教示方法は、多関節のロボットアームRAに対して、ハンド8と手首中心Oを、初期位置P0から目標位置P1まで移動させる軌道を教示する軌道教示方法である。この軌道教示方法は、主に、ステップ移動量設定過程(ステップS1)と、関節別目標角度設定過程(ステップS2)と、ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)と、ステップ単位軌道計算繰り返し過程(ステップS4)とを有する。
ステップ移動量設定過程(ステップS1)は、初期設定過程(ステップS11)と、変更過程(ステップS12)とを有する。これらのうち初期設定過程(ステップS11)では、手首中心Oを計算上で繰り返しステップ移動させるステップ移動量の初期値を設定する。次に、変更過程(ステップS12)に移行し、関節毎最小変化処理の各回における初期に、ステップ移動の現在の手首中心Oと目標位置P1の手首中心Oとの間の直線距離を比較し、この直線距離が前記ステップ移動量の初期値よりも大きい場合は、ステップ移動量を小さく変更する。
上記ステップ移動量設定過程(ステップS1)の後、関節別目標角度設定過程(ステップS2)に移行し、前記目標位置P1における各関節の角度である関節別目標角度を設定する。次に、ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)に移行する。同過程(ステップS3)において、各関節の角度を、関節別目標角度に近づく方向に1関節毎に、制御可能な最小角度の単位で計算上変化させ、この1関節の最小角度の変化の都度、手首中心座標を求めるという一連の関節毎最小変化処理を、求められた手首中心座標が、前記ステップ移動の現在の手首中心座標から直線距離で前記ステップ移動量だけ移動するまで繰り返す。
さらに、ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)において、このステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、かつこの移動先を前記ステップ移動の現在の手首中心座標として更新する。その後、ステップ単位軌道計算繰り返し過程(ステップS4)に移行し、手首中心座標が前記目標位置P1に達したか否かを判断する。目標位置P1に達していないとの判断で(ステップS4:NO)、ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)に戻る処理を繰り返す。目標位置P1に達したとの判断で(ステップS4:YES)、本処理を終了する。
図6は、このロボットアームの軌道教示方法を段階的に表す流れ図である。
操作者によるスイッチ操作、または上記軌道教示プログラム等に基づいて、現在の手首中心座標から次の手首中心座標までの直線距離である「ステップ移動量」、手首中心Oが「ステップ移動量」だけ移動する時間を「ステップ移動時間」と定義し、これら「ステップ移動量」、「ステップ移動時間」を設定する(ステップa1)。次に、ステップa2に移行し、各関節の目標位置における関節角度を、初期位置P0からの相対角度で定める。次に、「現在の手首中心O」と「目標位置P1の手首中心O」間の直線距離を、前記「ステップ移動量」と比較するために計算する(ステップa3)。
次に、前記直線距離は「ステップ移動量」よりも大きいか否かを判断する(ステップa4)。否との判断(ステップa4:No)つまり計算途中で手首中心Oが「ステップ移動量」だけ移動できなくなった場合は、設定した「ステップ移動量」、「ステップ移動時間」を共に小さく変更する(ステップa5)。その後、ステップa3に戻る処理を繰り返す。ステップa4において、直線距離は「ステップ移動量」よりも大きいとの判断(ステップa4:Yes)でステップa6に移行する。
このステップa6では、各関節が動作可能な「角速度上限値」と「ステップ移動時間」との積から、各関節の「移動時間内に移動可能な最大角度」を計算する。次に、各関節の目標位置P1における関節角度までの残り角度変位が大きい順に角度変位させる順番を決める(ステップa7)。この決めた順番に従って、順番が来た1関節を「制御可能な最小角度」単位で計算上で角度変位させる(ステップa8)。
次に、順運動学計算を行い、手首座標を求める(ステップa9)。前記順運動学計算とは、各関節の関節角度が定まるとこの関節角度を用いてロボットアームの基端部から順番に各関節位置つまり座標を計算し、最後に先端の手首座標を計算することである。次に、障害物の位置・大きさ、ロボットアームRAの太さや順運動学計算の結果から得られる関節位置をもとに、ロボットアームRAと障害物OBとの干渉の有無をチェックする(ステップa10)。例えば、各関節位置における座標と障害物OBにおける座標との距離が、障害物OBの種類、大きさ等に応じて規定する閾値以下になる条件で、ロボットアームRAと障害物OBとが干渉すると判断する。干渉が発生した場合(ステップa11:No)、その関節を角度変位させるのを取り消す(ステップa12)。その後、ステップa7で決めた次の順番の関節を選択し(ステップa15)、ステップa8に戻る処理を繰り返す。
前記干渉がない場合(ステップa11:Yes)、「現在の手首中心O」と「計算上変位させた後の手首中心O」間の直線距離を計算する(ステップa13)。現在の手首中心座標と、計算上で変位させた後の手首中心座標との直線距離は、設定した「ステップ移動量」と必ずしも一致するわけではないので、直線距離が「ステップ移動量」以上になったら(ステップa14:Yes)、1ステップの計算を終了とし、上記の計算上で変位させた後の手首中心座標を「次の移動先」として決定する(ステップa16)。直線距離が「ステップ移動量」未満である場合(ステップa14:No)、次の順番の関節を選択するステップa15および前記ステップa8に戻る処理を繰り返す。
ステップa16の後、「次の移動先」は「目標位置P1」と一致したか否かを判断する(ステップa17)。「次の移動先」が「目標位置P1」と一致していないとの判断で(ステップa17:No)、求めた手首中心Oの「次の移動先」を新たな「現在位置」とし(ステップa18)、ステップa3に戻る処理を繰り返す。「次の移動先」が「目標位置P1」と一致したとの判断(ステップa17:Yes)で、手首中心Oの軌道を決定し、本処理を終了する。
以上説明したロボットアームRAの軌道教示方法および軌道教示装置KSによれば、ステップ移動量設定過程(ステップS1)では、手首中心Oを計算上で繰り返しステップ移動させるステップ移動量を設定する。関節別目標角度設定過程(ステップS2)において、手首中心Oの目標位置P1における各関節の関節別目標角度を設定する。次に、ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)では、関節毎最小変化処理を、求められた手首中心座標が、ステップ移動の現在の手首中心座標から直線距離でステップ移動量だけ移動するまで繰り返す。このステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、かつこの移動先を前記ステップ移動の現在の手首中心座標として更新する。ステップ単位軌道計算繰り返し過程(ステップS4)では、手首中心座標が前記目標位置P1に達するまで繰り返す。
このように、ステップ移動量だけ移動して手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、この移動先を基準として再び次の移動先を計算する。これを繰り返すことで目標位置P1までの軌道を確実に決定することができる。したがって、従来の計算途中で逆ヤコビ行列が存在しない問題、および操作者による教示の手間と時間を要する問題を未然に解消することができる。
前記ステップ移動量設定過程(ステップS1)は、ステップ移動量の初期値を設定する初期設定過程(ステップS11)と、前記関節毎最小変化処理の各回における初期に、ステップ移動の現在の手首中心Oと目標位置P1の手首中心Oとの間の直線距離を比較し、この直線距離が前記ステップ移動量の初期値よりも大きい場合は、ステップ移動量を小さく変更する変更過程(ステップS12)とを含む。このように、上記直線距離とステップ移動量の初期値との大小関係に基づいて、ステップ移動量を小さく変更することで、手首中心Oが計算途中でステップ移動できなくなる不具合を未然に防止することができる。
前記ステップ移動量設定過程(ステップS1)で、ステップ移動量を前記手首中心Oが移動する移動時間となるステップ移動時間を設定し、前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)では、前記の設定したステップ移動時間によるステップ移動量を手首中心Oが移動する速度として定めるようにしている。この場合、ステップ移動量をステップ移動時間で除すことにより、手首中心Oが移動する速度を正確に求めることが可能となる。
前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)で、前記関節毎最小変化処理により手首中心座標を求めた後、ロボットアームRAと障害物OBとの干渉の有無を調べ、干渉が生じる場合は、今回求めた手首中心座標を採用せずに、別の関節について前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)を開始させる干渉回避指定を含む。この干渉が生じる場合、今回求めた手首中心座標を採用せずに、別の関節についてステップ単位軌道計算過程を開始させる。逆に、干渉無しの場合は、今回求めた手首中心座標を採用する。したがって、障害物OBがある場合に、この障害物OBを回避する指示、操作を人が教示装置を用いて行う必要がなく、その手間と時間を低減することができる。
前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)では、関節別目標角度までの残り角度が大きい関節の順に、前記関節の角度の計算上の変化を行わせている。この場合、関節別目標角度までの残り角度が大きい関節から小さい関節の順に順次、関節角度の計算上の変化を行わせ、現在の手首中心座標をスムーズに更新することが可能となる。さらに、制御系の計算処理負荷を軽減することができる。
本実施形態では、ロボットアームRAと障害物OBとの干渉の有無を判断等しているが(図6ステップa10,a11,a12)、本発明の他の実施形態として、障害物OBとの干渉を無視できる場合これらの判断等つまりステップa10〜ステップa12を省略することも可能である。これらの判断等を省略した場合、順運動学計算を行い手首座標を求めた(ステップa9)後、「現在の手首中心O」と「計算上変位させた後の手首中心O」間の直線距離を計算する過程(ステップa13)に移行することになる。それ故、流れ図の開始処理から終了に至るステップ数を簡単化し、CPU等の演算処理負荷を軽減することができる。したがって、手首中心Oの軌道教示の時間短縮を図ることができる。
上記ロボットアームRAと障害物OBとの干渉の有無を判断する代わりに、または障害物OBとの干渉の有無を判断するのに加えて、エンドエフェクタにより作業を行う図示外の対象物と、このロボットアームRAとの干渉の有無を判断しても良い。この場合、操作者による教示の手間と時間をさらに低減することができる。
前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)において、関節別目標角度までの残り角度が大きい順に、前記関節の角度の計算上の変化を行わせているが、必ずしもこの角度順に限定されるものではない。例えば、関節別目標角度までの残り角度が小さい関節から大きい関節に順次、関節の角度の計算上の変化を行わせても良い。また、関節別目標角度までの残り角度に関係なく予め定めた関節順に従って、関節の角度の計算上の変化を行わせることも可能である。
この発明の一実施形態に係るロボットアームの構成を概略表す斜視図である。 同ロボットアームの関節等を表す平面図である。 同ロボットアームの軌道教示装置の電気的構成を表すブロック図である。 同ロボットアームの軌道教示方法を上位概念化して表す流れ図である。 同ロボットアームの軌道教示方法の過程のサブルーチンを表す流れ図である。 同ロボットアームの軌道教示方法を段階的に表す流れ図である。
符号の説明
1,2…第1,第2肩
3…上腕
4…肘部
5…前腕
6,7…第1,第2手首
8…ハンド
9…ステップ移動量設定手段
10…関節別目標角度設定手段
11…ステップ単位軌道計算手段
12…アーム取付台
13…ステップ単位軌道計算繰り返し手段
J1〜J7…関節
KS…軌道教示装置
OB…障害物
RA…ロボットアーム

Claims (6)

  1. 対象物に対して作業を実行するハンド8、およびこのハンド8にそれぞれ関節J1〜J7を介して姿勢変更可能に順次連結した複数の可動部を有するロボットアームRAに対して、前記ハンド8とこのハンド8に最も近い可動部との間の関節の中心である手首中心Oを、初期位置P0から目標位置P1まで移動させる軌道を教示するロボットアームRAの軌道教示方法であって、
    前記手首中心Oを計算上で繰り返しステップ移動させるステップ移動量を設定するステップ移動量設定過程(ステップS1)と、
    前記目標位置P1における各関節の角度である関節別目標角度を設定する関節別目標角度設定過程(ステップS2)と、
    各関節の角度を、関節別目標角度に近づく方向に1関節毎に、制御可能な最小角度の単位で計算上変化させ、この1関節の最小角度の変化の都度、手首中心座標を求めるという一連の関節毎最小変化処理を、求められた手首中心座標が、前記ステップ移動の現在の手首中心座標から直線距離で前記ステップ移動量だけ移動するまで繰り返し、このステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、かつこの移動先を前記ステップ移動の現在の手首中心座標として更新するステップ単位軌道計算過程(ステップS3)と、
    このステップ単位軌道計算過程(ステップS3)を、手首中心座標が前記目標位置P1に達するまで繰り返すステップ単位軌道計算繰り返し過程(ステップS4)と、
    を含むことを特徴とするロボットアームの軌道教示方法。
  2. 請求項1において、前記ステップ移動量設定過程(ステップS1)は、ステップ移動量の初期値を設定する初期設定過程(ステップS11)と、前記関節毎最小変化処理の各回における初期に、ステップ移動の現在の手首中心Oと目標位置P1の手首中心Oとの間の直線距離を比較し、この直線距離が前記ステップ移動量の初期値よりも大きい場合は、ステップ移動量を小さく変更する変更過程(ステップS12)とを含むロボットアームの軌道教示方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記ステップ移動量設定過程(ステップS1)で、ステップ移動量を前記手首中心Oが移動する移動時間となるステップ移動時間を設定し、前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)では、前記の設定したステップ移動時間によるステップ移動量を手首中心Oが移動する速度として定めるロボットアームの軌道教示方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)で、前記関節毎最小変化処理により手首中心座標を求めた後、ロボットアームRAと障害物OBとの干渉の有無を調べ、干渉が生じる場合は、今回求めた手首中心座標を採用せずに、別の関節について前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)を開始させる干渉回避指定を含むロボットアームの軌道教示方法。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ステップ単位軌道計算過程(ステップS3)は、関節別目標角度までの残り角度が大きい関節の順に、前記関節の角度の計算上の変化を行わせるロボットアームの軌道教示方法。
  6. 対象物に対して作業を実行するハンド8、およびこのハンド8にそれぞれ関節J1〜J7を介して姿勢変更可能に順次連結した複数の可動部を有するロボットアームRAに対して、前記ハンド8とこのハンド8に最も近い可動部との間の関節の中心である手首中心Oを、初期位置P0から目標位置P1まで移動させる軌道を教示するロボットアームRAの軌道教示装置KSであって、
    前記手首中心Oを計算上で繰り返しステップ移動させるステップ移動量を設定するステップ移動量設定手段9と、
    前記目標位置P1における各関節の角度である関節別目標角度を設定する関節別目標角度設定手段10と、
    各関節の角度を、関節別目標角度に近づく方向に1関節毎に、制御可能な最小角度の単位で計算上変化させ、この1関節の最小角度の変化の都度、手首中心座標を求めるという一連の関節毎最小変化処理を、求められた手首中心座標が、前記ステップ移動の現在の手首中心座標から直線距離で前記ステップ移動量だけ移動するまで繰り返し、このステップ移動量だけ移動した手首中心座標を、教示経路上の次の移動先と定め、かつこの移動先を前記ステップ移動の現在の手首中心座標として更新するステップ単位軌道計算手段11と、
    このステップ単位軌道計算手段11を、手首中心座標が前記目標位置P1に達するまで繰り返すステップ単位軌道計算繰り返し手段13と、
    を含むことを特徴とするロボットアームの軌道教示装置。
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