JP2009050197A - 潜行板と潜行板を用いた漁具および漁法 - Google Patents

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伸司 桑原
Katsunori Kiyono
克徳 清野
Tomofumi Hayashi
倫史 林
Yoshikazu Doi
善和 土井
Masanori Kawamata
正徳 川又
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Abstract

【課題】釣針が稚魚の上顎に掛かる頻度を少なくし、生体を弱らせずに釣り上げることができる潜行板と該潜行板と擬餌針からなる漁具およびその漁法を提供する。
【解決手段】水中を牽引される潜行板であって、先細りの先端部を有し、該先端部には船側取付糸の結着部が形成されており、また後部には針側取付糸の結着部が形成されており、さらに該潜行板の上面または下面には牽引方向に対して横向きまたは斜向きのバーが設けられていることを特徴とする釣り用潜行板、およびフィンを有する擬餌針を組み合わせて用いることにより擬餌針を回転させて魚の上顎への針掛を少なくする。
【選択図】図7

Description

本発明は、潜行板と潜行板を用いた漁具および漁法に関する。より具体的には、本発明は擬餌針の水中での回転を制御して魚の上顎への引っかかりを少なくした潜行板と潜行板を用いた漁具および漁法に関する。
カツオやマグロ等を対象魚とした漁としては、曳き縄漁・曳き釣り漁が知られている。これらの漁法は、例えば、図1に示すように、船Bの船尾等に突き出した竿Cによって潜行板Sを牽引し、この潜行板Sに擬餌針Rを取り付けて、対象漁を釣る漁法が行なわれている。
この漁法では、水中で牽引される潜行板Sに擬餌針Rが結着されているので、潜行板Sの水中での動きに影響されて擬餌針Rが水中で不規則な動きをし、この擬餌針Rの動きによって餌が泳いでいるような状態を生じさせて対象魚を誘引する。
このような漁法で用いる潜行板Sは、例えば、図2に示すように、船底を水平に切り取って伏せたような形状を有する板状部材1であり、胴体部分の先端2は先細りの形状を有し、該先端2から胴体部分の前半部にかけて横幅が最大の幅広部4を有している。また潜行板Sの上面は幅広部4および両側部分が下向きの傾斜面になっており、胴体部分の中央5が長さ方向に沿って盛り上がった形状を有しており、水中で牽引されたときに水流によって潜行板Sが下向きに潜るように形成されている。さらに胴体部分の中心線に沿って先端傾斜面の幅広部4の付近に牽引用の道糸(図示省略)を取り付ける貫通孔6が設けられており、一方、胴体部分の後部3には道糸(図示省略)の結着部分7が設けられている。該結着部分7は貫通孔や板ゴムなどによって形成されている。
図2に示す潜行板Sは道糸の長さや曳航速度に応じて水中の一定深さに潜行し、曳航時に全体が8の字の状態に回動し、この動きによって潜行板Sの後部3に道糸を結着されている擬餌針が、餌が泳いでいるような状態に動き、対象魚を誘引する。対象魚が擬餌針に食いついた場合は、魚の動きによって全体が反転して浮上するため掛かった魚の取り込みが容易であるという利点もある。
潜行板はマグロ、カツオ等の回遊魚からヒラメ等に至る多数の魚種に対し用いられている。また、後部を燕尾状の構造としたものが市販されているほか、前縁を半円形とし、裏面にバランサー位置を調整するための凹部を設けたもの(特許文献1)、高速曳航時の浮き上がりを防止するための翼を設けたもの(特許文献2)なども提案されている。
一方、漁業資源の国際的保護の傾向に伴い、近年では回遊魚の養殖も重要な課題となっている。回遊魚の養殖では、一般に稚魚ないし幼魚を天然状態で捕獲し、これを人工的な環境下で生育させる方法が一般的である。稚魚捕獲漁では、稚魚を極力痛めずに捕獲する必要があり、魚体を傷める可能性が少ないと期待される曳き縄漁法がマグロ養殖では主流となっている。しかし、従来の曳き縄漁法では、マグロの稚魚等の生存率が数%と非常に低い水準にある。マグロの稚魚等の生存率が低い原因としては、マグロの稚魚等を釣り上げて別の生け簀に移す際に、針が上顎に掛かって脳や神経を破壊し、生体を弱らせることが指摘されているが、その有効な対策がなされていないのが現状である。
実開平06−068445号公報 特開平07−274787号公報
本発明は、従来の上記課題を解決したものであり、マグロ稚魚等を釣り上げる際に、できるだけ釣針が稚魚の上顎に掛かる頻度を少なくし、生体を弱らせずに釣り上げることができる潜行板と、該潜行板と擬餌針からなる漁具、およびその漁法を提供することを目的とする。
本発明を検討する過程で以下の知見が得られた。すなわち、水中を牽引される潜行板に取り付けた擬餌針は、概ね水中では針の曲がりは下向きに安定しているが、頻繁に稚魚の上顎に針が掛かるのは、稚魚はいったん口腔内深くに擬餌針を吸い込んだ後、これを吐き出す行動を取っていると考えられ、この吐き出し時に、口腔蓋上部(上顎)に針掛りするケースが多い。
上記知見に基づき、従来の潜行板に改良を加え、好ましくはさらに潜行板に取り付ける擬餌針を改良して、擬餌針が稚魚の上顎に掛かる頻度を少なくし、マグロ稚魚等の生体を弱らせずに釣り上げることができる潜行板、および該潜行板と擬餌針からなる漁具を開発した。
本発明によれば、以下の構成を有する潜行板が提供される。
〔1〕水中を牽引される潜行板であって、先細りの先端部を有し、該先端部には船側取付糸の結着部が形成されており、また後部には針側取付糸の結着部が形成されており、さらに該潜行板の上面または下面には牽引方向に対して横向きまたは斜向きのバーが設けられていることを特徴とする釣り用潜行板。
〔2〕潜行板の先端結着部および後部結着部に取付糸を介して道糸が結び付けられ、これら取付糸と道糸の長さによって定まる針側距離を調整して、針側道糸に装着された擬餌針の水中での回転を制御する上記[1]に記載する釣り用潜行板。
〔3〕 潜行板下面のバーが、(イ)先端部両側の周縁に沿ってハの字形に配列されており、または(ロ)該潜行板下面の最横幅を横断して設けられており、または(ハ)該潜行板下面の後部を横断して設けられており、または(ニ)該潜行板下面の最横幅および後部をおのおの横断して二段に設けられている上記[1]または上記[2]に記載する釣り用潜行板。
〔4〕先端部の傾斜上面に船側取付糸を結着する貫通孔が形成されており、後部上面には針側取付糸を結着する弾性部材が設けられている上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する釣り用潜行板。
また、本発明によれば、以下の構成を有する潜行板釣り具、およびその漁法が提供される。
〔5〕上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する釣り用潜行板と、該潜行板の針側取付糸に結着される擬餌針とを備え、該擬餌針が側方に突き出たフィンを有することを特徴とする潜行板釣り具。
〔6〕フィンの幅および牽引方向に対するフィンの角度の異なる擬餌針がおのおの取り替え自在であり、フィン幅ないしフィン角度の異なる擬餌針を交換して擬餌針の水中での回転を制御する上記[5]に記載する潜行板釣り具。
〔7〕上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する釣り用潜行板と、該潜行板の針側取付糸に結着された擬餌針とを備えた釣り具を用いた漁法であって、大きさの異なる複数の潜行板を用い、小型潜行板と大型潜行板とをおのおの代えて擬餌針の振幅を調整することを特徴とする潜行板漁法。
〔8〕上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する釣り用潜行板と、該潜行板の針側取付糸に結着された擬餌針とを備えた釣り具を用いた漁法であって、取付糸と道糸の長さによって定まる針側距離Bを調整して、針側道糸に装着された擬餌針の水中での回転を制御することを特徴とする潜行板漁法。
〔9〕対象魚がマグロ幼魚である上記[7]または上記[8]に記載する潜行板漁法。
本発明によれば、釣針が釣り上げる魚の上顎に引っ掛る頻度が大幅に少なく、魚体のダメージを効果的に防止することができる。また擬餌針が効果的に対象魚を誘引する動きをするので、マグロ幼魚等を釣り上げる際に、捕獲歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
本発明の潜行板は、水中を牽引される潜行板であって、先細りの先端部を有し、該先端部には船側取付糸の結着部が形成されており、また後部には針側取付糸の結着部が形成されており、さらに該潜行板の上面または下面には牽引方向に対して横向きまたは斜向きのバーが設けられていることを特徴とする釣り用潜行板である。
〔潜行板〕
図3に示す本発明の潜行板1は、船側牽引方向に向かって先細りの先端2を有し、該先端2から胴体部分の前半部にかけて横幅が最大の幅広部4を有している。また潜行板1の上面はその中央5が長さ方向に沿って盛り上がった形状を有しており、先端部分から上記幅広部4、および胴体の両側部分が下向きの傾斜面になっており、水中で牽引されたときに水流によって潜行板1が下向きに潜るように形成されている。
胴体部分の中心線に沿って先端傾斜面の幅広部4の付近に牽引用の道糸(図示省略)を取り付ける貫通孔6が設けられており、一方、胴体部分の後部3には道糸(図示省略)の結着部分7が設けられている。図3に示す潜行板1の結着部分7は板ゴムなどの弾性材料によって形成されているが、貫通孔(図示省略)でも良い。なお、結着部分7を板ゴムによって形成した場合、板ゴムの長さが短いと擬餌針の振りが大きくなる傾向があり、板ゴムの振動によって擬餌針が左右非対象に振れる傾向がある。
図3に示す潜行板には、上記先端部の傾斜上面の縁部に沿って牽引方向に対して斜向きのバー10が設けられている。該バー10は先端部の両側におのおの設けられており、これら一対のバーによってハの字形に形成されている。図示するバー10は潜行板の上面に形成されているが、潜行板の下面に形成してもよい。
潜行板に設けたバー10の配列形状を図4に示す。図4(a)の例は、バー10が先端部の縁部に沿った湾曲を有しており、図4(b)の例は、直線状のバー10が先端部の縁部に沿って配列されており、図4(c)の例は、直線状のバー10が先端部の縁部に沿って配列されていると共に該バー10の先端に隙間が形成されている。これら図4(a)(b)(c)の何れも、バー10は潜行板の先端2から幅広部4の付近に至る長さを有している。
図3および図4に示すバー10は、潜行板が水中で牽引されたときに、潜行板の先端部にかかる水の流れを潜行板の両側に案内して潜行板の姿勢を制御すると共に、潜行板の先端部にかかる水圧を受けて、潜行板の動きを大きく敏速にする作用を有する。
上記バー10の他の配列を図5に示す。図5(a)の例は、潜行板の幅広部4を横断して横向きにバー10が設けられており、図5(b)の例は、潜行板の幅広部4と後部3に潜行板を横断するように横向きのバー10が二段に設けられている。なお、潜行板の先端部に図4(a)(b)(c)の何れかに示す配列形状のバー10を設け、潜行板の後部に横向きのバー10を設けても良い。
潜行板に設けたバー10は、潜行板に沿った水流の圧力を受けて潜行板の動きを大きく敏速にする作用を有する。具体的には、例えば、図6に示すように、潜行板の頂部にハの字形にバー10a、10bを設けた場合、潜行板の尾部が潜行板の重心30に対して右側に回転した場合、重心30の右側にあるバー10aはこの回転によって水流に向かって張り出すようになるので回転前より大きな力(図6F2)を受け、この合力によって重心30を中心にした回転力が加速される。
〔擬餌針ライン長さ〕
本発明の潜行板は、図7に示すように、先端部の結着部(貫通孔6)に船側取付糸8が設けられ、後部の結着部(板ゴム7)に針側取付糸9が設けられる。取付糸8には牽引側(舟側)の道糸11が結び付けられ、取付糸9には針側の道糸12が結び付けられる。本発明の潜行板は、これら取付糸と道糸の長さによって定まる船側距離LAと針側距離LBについて、針側距離LBを調整して、針側道糸に装着された擬餌針の水中での回転を制御することができる。針側距離LBを調整するには取付糸や道糸の長さを代えれば良い。
第一の態様として、潜行板と針側距離LBを短くすると、例えば、針側距離LBを2メートル未満に短くした場合は、潜行板と擬餌針の距離が短いので、潜行板の動きが擬餌針に伝わりやすくなり、このため、擬餌針が潜行板に追従して大きく動く。この結果、擬餌針は瞬間的かつ高頻度に大きな力で繰り返し引かれる。この際、擬餌針にフィンが形成されていると、フィンが水圧を受けて擬餌針が大きく回転しやすくなり、擬餌針の振幅および前後動が大きくなる傾向がある。
第二の態様として、潜行板と針側距離LBを長くすると、例えば、針側距離LBを2メートル以上にすると、潜行板の動きは道糸によって吸収されやすくなるので、擬餌針の振幅および前後動の大きさは距離Bに比例して小さくなる傾向があるが、潜行板の動きはシャクリとして擬餌針に伝わる。
このように、擬餌針ラインの長さ(針側距離LB)によって、擬餌針の動きは異なるものの、いずれの場合でも擬餌針の回転が生じる結果、擬餌針に仕込まれた針の位置は絶えず変化することになり、これを魚が摂食した場合には、従来の擬餌針のように深く飲み込んで吐き出す(この際に上顎に針掛する)ことが困難となり、口吻の横または下顎への針掛確率が飛躍的に大きくなる。なお、回転が起こる限りその速度は特に限定されないが、通常は1回転/1秒〜10回転/1秒程度が好ましい。過度に速い回転は摂餌には却って不利になると思われる。
〔擬餌針の形状〕
上記潜行板と組み合わせて用いる擬餌針の形状は限定されず、対象魚に応じたものを用いることができる。例えば、マグロの場合、主にイワシ類、アジ、サバ、タコ、エビ、イカ等の海生生物種の成魚や稚魚に似せた形状が用いられる。
本発明においては、これらの擬餌針の頭部にフィンを有するものが好ましい。例えば、図8(a)に模式的に示すタコベイト(イカ・タコ状に分岐した足を有する擬餌針)20は頭頂部21と脚部22の間に針23を組み込んだものであるが、図8(b)に示すように、その先端、すなわち頭頂部21の両側に突き出たフィン24が設けられている。
好ましくは、フィン24は擬餌針の両側に平行に突き出たものが良い。また、該フィン24の形状は、擬餌針の先端側の長さh1、後側の長さh2とするとき、先端側長さh1が後側長さh2と同等か大きい(h1≧h2)ものが良い。さらに該フィン24が取り付けられている擬餌針頭部の角度θ(擬餌針の中心軸方向に対して擬餌針の頭部側面方向のなす角度)は20°以下(θ≧20°)が好ましい。h2がh1よりも大きく、擬餌針頭部の角度θが20°より小さいと、擬餌針の十分な回転が得られない。
以下、実施例、比較例、および参考例によって本発明を具体的に示す。なお、本発明はこれらの例に限定されない。
〔参考例〕
大型曳航水槽を用いて潜行板と擬餌針との組み合わせによる擬餌針の挙動を検討した。曳航水槽は有効延長100m、水槽幅5mの水槽両縁にレールを敷設し、その上に可動ステージを設けたものである。漁具は、図7に示すように、潜行板1の貫通孔6に環状に通じた取付糸8に道糸11を結び付け、潜行板後部の板ゴム部分7には取付糸8を環状に取り付けて道糸11を結び付け、道糸12にはタコベイト20を取り付けたものを用いた。水深1.5mの上記水槽において、道糸11の他端を可動ステージに取り付けて3ノットで曳航し、潜行板と擬餌針の挙動をビデオ録画して観察した。
上記実験において、糸長A(貫通孔6から可動ステージまでの道糸の長さ)と、糸長B(取付糸9の後端aからタコベイト取付部bまでの道糸の長さ)について、潜行板と擬餌針の挙動の変化を調べた。なお、潜行板は長さ17.7cm、幅広部の横幅8.5cm、後端部厚5.0cm、先端部厚1.2cm、バーを有しないものを使用した。
〔実験1〕
糸長Bを3.0mに固定し、糸長Aを2.50m、4.94mの2タイプとした。その結果、いずれの場合も、擬餌針の左右の動きはほとんど観察されず、前後に2cm程度の動きが観察されるのみであった。すなわち、糸長Aは潜行板と擬餌針の挙動にはほとんど影響しないことが確認できた。
〔実験2〕
糸長Aを一定長さに固定し、糸長Bを変えたときの擬餌針の挙動を観察した。結果を図7に示す。図7に示されているように、糸長Bが2〜3m以下では、擬餌針は潜行板に追従して前後左右に大きく揺れるが、糸長Bが3mを超えると潜行板の動きは、特に左右方向(曳航方向に対し垂直面内)では殆ど吸収され、振幅および前後動が小さくなる。
上記実験1および実験2の結果は、潜行板にバーを設けた本発明の潜行板(潜行板先端の縁部に沿って2本のバーをハの字型に設けた潜行板)についても同様の傾向が確認された。
〔実施例1〕
図7に示す潜行板に擬餌針を取り付けた漁具について、擬餌針の形状による擬餌針の挙動の相違を調べた。表1に擬餌針の形状を示した。潜行板の曳航速度は3ノット、糸長さBは3.0mである。結果を表1に示した。表中、Wはフィンの幅、h1は前側フィンの長さ、h2は後側フィンの長さ、θは擬餌針頭部の角度、左右の振幅は上下左右の動きの振幅、回転数は擬餌針の回転数である。
表1の結果に示すように、
No.I-A(4)およびNo.I-B(4)はフィンの長さが小さいので針が回転しない。
No.II-(2)、No.II-(3)は擬餌針の重量が大きいので針が回転しない。
No.II-(2)、No.II-(3)は擬餌針頭部の角度が小さいので針が回転しない。
No.I-B(1)、No.II-(1)は回転数が多い。
No.I-A(2)、No.I-B(2)は左右振幅が大きい。
Figure 2009050197
〔実施例2〕
図7に示す本発明の潜行板〔表1のNo.I-A(1)、No.I-B(1)、No.II-(1)〕について、小型潜行板(全長17.7cm、幅広部横幅8.5cm)と大型潜行板(全長23.5cm、幅広部横幅11.5cm)を用い、擬餌針の前後動の振幅、および上下左右動の振幅を調べた。潜行板の曳航速度は3ノット、糸長さBは3.0mである。この結果を表2に示した。表中、小型は小型潜行板を用いた場合、大型は大型潜行板を用いた場合である。表2に示すように、小型潜行板よりも大型潜行板を用いた場合には擬餌針の前後動および上下左右動の振幅を大きくすることができる。
Figure 2009050197
〔実施例3〕
潜行板にバーを設けた本発明の潜行板を用い、潜行板の挙動を検討した。本発明の潜行板として、参考例と同寸法の潜行板について、表3に示すように潜行板の上面にバーを設けたものを用いた。何れの場合も、バーの長さは5.5cm、バーの高さは0.5cmである。また、バーを設けない潜行板を用いた結果を比較例として示した。さらに、針に重りを付けた場合について検討した。潜行板の曳航速度は3ノット、糸長さBは1.35mである。この結果を表3に示した。
表3に示すように、潜行板にバーを設けることによって擬餌針の前後動および左右上下動の振幅を大きくすることができる。バーの取付形状はハの字形が効果的であることが確認された。また、潜行板の動きが大きく、針が追従できない場合には針の重量を増すことが有効であることが判明した。
表中、No.A1(横バー上下二段)は潜行板の先頭部と後部に横向き(幅方向)のバーをおのおの設けたものであり、No.A2(横バー上一段)は潜行板の先頭部に横向きのバーを一段に設けたものであり、No.A3(横バー下一段)は潜行板の後部に横向きのバーを一段に設けたものであり、No.A4(横バー上三段)は潜行板の先頭部に横向きのバーを三段に設けたものである。No.A5(ハの字形)は潜行板先頭部の両側縁部に沿ってバーをハの字形に設けたものであり、No.A6(ハの字形+尻尾)は潜行板先頭部の両側縁部に沿ってバーをハの字形に設け、さらに潜行板後部に尻尾(潜行板と同じ長さの針金)を設けたものであり、No.A7(ハの字形+針重り)は潜行板先頭部の両側縁部に沿ってバーをハの字形に設け、針の頂部に重りを付けたものである。
Figure 2009050197
〔実施例4〕
表4に示す漁具を用い、平均時速5.5〜6ノットで実地検証を行なった。気象条件はべた凪・薄曇、水温は19.6℃であった。比較の「バクダン」と通称される補助具は潜行せず海上を跳躍する半球状の補助具である。この結果を表4に示す。収穫魚はヨコワ(マグロ幼魚の通称)が主であるが、若干のシイラも掛かった。上顎率は針が釣り上げた魚の上顎に引っかかていた割合である。
表4に示すように、本発明に掛かる改良した潜行板とフィンを有する擬餌針からなる漁具を用いた場合には、上顎率が0%であり、全ての例で擬餌針が魚の横顎または下顎に掛かり、魚を弱らせずに釣り上げることができた。一方、従来の潜行板と擬餌針を用いたものは、魚を引き上げ途中で針が外れた。
Figure 2009050197
本発明の改良潜行板および改良擬餌針を用いた場合には、魚の上顎に針掛が生じる可能性が極めて少ないので、魚体へのダメージを最小限に抑えることができる。従って、養殖において幼魚を釣り上げるのに適する。また、擬餌針が自然な動きをするので集魚効果が大きく、漁獲量を高めることができる。
擬餌針曳航漁法の一般的な構成を示す模式図。 潜行板の構造を示す模式的な斜視図。 本発明に係る潜行板の構造を示す模式的な斜視図。 本発明の潜行板においてバーの配置例を示す模式的な平面図。 本発明の潜行板においてバーの配置例を示す模式的な平面図。 本発明の潜行板においてバーの作用を示す説明図。 本発明による漁具の構成を示す模式図。 擬餌針の改良例を示す模式図。 潜行板から擬餌針に至る糸長Bの違いによる擬餌針の挙動を示すグラフ。
符号の説明
B−船、C−竿、R−擬餌針、S−潜行板、
1−潜行板、2−先端、3−後部、4−幅広部、5−中央部、6−貫通孔、7−結着部、8−取付糸、9−取付糸、10−バー、11−道糸、12−道糸、20−擬餌針、21−頭頂部、22−脚部、23−針、24−フィン、30−重心、
θ−擬餌針頭部の角度、θ2−バーないし潜行板先端の角度、h1−前側フィンの長さ、h2−後側フィンの長さ。

Claims (9)

  1. 水中を牽引される潜行板であって、先細りの先端部を有し、該先端部には船側取付糸の結着部が形成されており、また後部には針側取付糸の結着部が形成されており、さらに該潜行板の上面または下面には牽引方向に対して横向きまたは斜向きのバーが設けられていることを特徴とする釣り用潜行板。
  2. 潜行板の先端結着部および後部結着部に取付糸を介して道糸が結び付けられ、これら取付糸と道糸の長さによって定まる針側距離を調整して、針側道糸に装着された擬餌針の水中での回転を制御する請求項1に記載する釣り用潜行板。
  3. 潜行板下面のバーが、(イ)先端部両側の周縁に沿ってハの字形に配列されており、または(ロ)該潜行板下面の最横幅を横断して設けられており、または(ハ)該潜行板下面の後部を横断して設けられており、または(ニ)該潜行板下面の最横幅および後部をおのおの横断して二段に設けられている請求項1または請求項2に記載する釣り用潜行板。
  4. 先端部の傾斜上面に船側取付糸を結着する貫通孔が形成されており、後部上面には針側取付糸を結着する弾性部材が設けられている請求項1〜請求項3の何れかに記載する釣り用潜行板。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載する釣り用潜行板と、該潜行板の針側取付糸に結着される擬餌針とを備え、該擬餌針が側方に突き出たフィンを有することを特徴とする潜行板釣り具。
  6. フィンの幅および牽引方向に対するフィンの角度の異なる擬餌針がおのおの取り替え自在であり、フィン幅ないしフィン角度の異なる擬餌針を交換して擬餌針の水中での回転を制御する請求項5に記載する潜行板釣り具。
  7. 請求項1〜請求項4の何れかに記載する釣り用潜行板と、該潜行板の針側取付糸に結着された擬餌針とを備えた釣り具を用いた漁法であって、大きさの異なる複数の潜行板を用い、小型潜行板と大型潜行板とをおのおの代えて擬餌針の振幅を調整することを特徴とする潜行板漁法。
  8. 請求項1〜請求項4の何れかに記載する釣り用潜行板と、該潜行板の針側取付糸に結着された擬餌針とを備えた釣り具を用いた漁法であって、取付糸と道糸の長さによって定まる針側距離を調整して、針側道糸に装着された擬餌針の水中での回転を制御することを特徴とする潜行板漁法。
  9. 対象魚がマグロ幼魚である請求項7または請求項8に記載する潜行板漁法。
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