JP2009049944A - 中継接続ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ECU30を夫々接続しているバス31間に介在させてメッセージを中継する車載用の中継接続ユニット10であって、メッセージのIDの値を小から大の順で並べ、隣り合うIDの値の差分値より差分IDを求め、メッセージのIDよりビット数を減少した差分IDと中継先バス31との関係を特定した第1ルーティングテーブルT1を記憶したメモリと、起動時にメモリから第1ルーティングテーブルT1を読み込み、第1ルーティングテーブルT1の差分IDを元のID値に変換した第2ルーティングテーブルT2を作成する変換回路部22と、第2ルーティングテーブルT2を参照して受信したメッセージを特定の中継先バス31へ送信する中継処理回路部21とを備えている。
【選択図】図1
Description
このため、中継接続ユニットにおいて中継されるメッセージの数も増大し、ルーティングテーブルに記載されるメッセージIDの数が増加してルーティングテーブルを記憶するメモリのサイズが大きくなる傾向にある。
しかし、ルーティングテーブルの記憶量が大きいと、メモリから中継処理回路に読み出す時間が長くなるという問題がある。
前記メッセージのIDの値を小から大の順で並べ、隣り合うIDの値の差分値より差分IDを求め、前記メッセージのIDよりビット数を減少した前記差分IDと中継先バスとの関係を特定した第1ルーティングテーブルを記憶したメモリと、
起動時に、前記メモリから第1ルーティングテーブルを読み込み、該第1ルーティングテーブルの前記差分IDを元のID値に変換した第2ルーティングテーブルを作成する変換回路部と、
前記第2ルーティングテーブルを参照して受信したメッセージを特定の中継先バスへ送信する中継処理回路部と、
を備えていることを特徴とする車載用の中継接続ユニットを提供している。
二分探索法は小から大に順に並んだデータのうち、順序が中央であるデータと、検索値との大小関係を比較し、検索値が中央より上にあるか下にあるかを判断していく方法である。本発明の中継接続ユニットにおいては、第2ルーティングテーブルのメッセージIDの値は小から大の順に並べている。
詳細には、小から大の順に並んだメッセージIDのうち、隣り合うIDの値の差分値を第1ルーティングテーブルの差分IDとしている。差分IDの値はメッセージIDの値よりも小さくなるため、差分IDの値を表すのに必要なビット数はメッセージIDのビット数よりも減少させることができると共に、第1ルーティングテーブルの記憶量をメッセージIDを用いた第2ルーティングテーブルよりも小さくすることができる。
また、前記メッセージのIDの値は小から大の順で並べているので、隣り合うIDのうち大きい値のIDから小さい値のIDの差分値を求めて差分IDとすることで、差分IDが負となることがない。
このように、メッセージIDに差分IDを加算していくだけで順次メッセージIDに変換することができ、差分IDをメッセージIDに簡単に戻すことができる。
また、前記第1ルーティングテーブルの差分IDは1ビット以上9ビット以下としていることが好ましい。
10ビット以上とした場合には、CANプロトコルにおけるメッセージIDは11ビットであるため、第2ルーティングテーブルと比べて第1ルーティングテーブルの記憶量を小さくする効果が薄くなる。
また、第2ルーティングテーブルに記憶されるメッセージの数によっては前記メッセージIDの値を等間隔に定められない場合がある。このような場合には、メッセージIDの値の間隔、即ち隣り合うIDの値の差分値にできるだけ差が出ないようにメッセージIDの値を定めることで、各差分IDの値のばらつきが小さくなると共に、該差分IDの値を表すために必要なビット数のばらつきも小さくなる。このため、各差分IDのうち最も大きいビット数で第1ルーティングテーブルの全ての差分IDのビット数を設定しても、差分IDのビット数を小さくすることができる。
前述したように、第1ルーティングテーブルの差分IDは、隣り合うメッセージIDの差分値である差分IDの値がばらついている場合、全ての差分IDのビット数うち最も大きいビット数で表しているため、差分IDのビット数が10ビット以上に大きくなる場合がある。
メッセージIDにダミーのメッセージIDを挿入すると、差分IDには、メッセージIDとダミーのメッセージIDとの間の差分値であるダミーIDが挿入される。該差分IDのダミーIDの値は、ダミーIDを入れない差分IDの値よりも小さくなり、ビット数も小さくなる。このため、第1ルーティングテーブルの差分IDのビット数を減少させることができる。
なお、ダミーIDは複数挿入されてもよい。
集積回路はEEPROMと接続しており、中継接続ユニットの起動時にはEEPROMから第1ルーティングテーブルを読み出して集積回路に読み出す。第1ルーティングテーブルの記憶量が小さいので、EEPROMからの読み出し時間を短くすることができる。
また、第1ルーティングテーブルの記憶量が小さいので、変換回路部がメモリから第1ルーティングテーブルを読み出す時間を短くすることができる。
図1乃至図8は本発明の第1実施形態を示す。
車載用の中継接続ユニット10は、電子制御ユニット(ECU)30を夫々接続しているバス31間に介在させ、異なるバス31に属する前記ECU30間で送受信するメッセージを中継している。
本実施形態では、中継接続ユニット10を2本のバス31A、31Bの間に介在させ、2本のバス31A、31Bに夫々2つのECU30−1、30−2を接続している。通信プロトコルはCANである。
中継接続ユニット10の起動時に、中継接続ユニット用LSI40のパラメタ処理回路22はEEPROM11から第1ルーティングテーブルT1を読み出して第2ルーティングテーブルT2に変換し、中継処理回路21は第2ルーティングテーブルT2を用いて中継処理を行っている。
すなわち、記憶量が小さい第1ルーティングテーブルT1はEEPROM11に記憶するための形式、第2ルーティングテーブルT2は中継処理回路21が中継処理を行うために参照する形式である。
まず、EEPROM11に記憶した第1ルーティングテーブルT1を説明する。
図2に示すように、第1ルーティングテーブルT1は、図3の第2ルーティングテーブルT2のメッセージIDを第2ルーティングテーブルT2よりも少ないビット数で表したものであり、第1ルーティングテーブルT1は第2ルーティングテーブルT2に基づいて予め作成してEEPROM11に記憶している。
差分IDは、第2ルーティングテーブルT2の隣り合うメッセージIDの値の差分値を演算して求めている。
例えば、第2ルーティングテーブルT2の11ビットで表されたメッセージID2「00000000110」とメッセージID1「00000000010」の差分の値「00000100」を第1ルーティングテーブルT1の差分ID2の値とし、第2ルーティングテーブルT2のメッセージID3「00000010011」とID2「00000000110」の差分の値「00001101」を第1ルーティングテーブルT1の差分ID3の値としている。なお、差分の絶対値を用いている。
また、差分ID1の値は「0」から第2ルーティングテーブルT2のメッセージID1を引いた値としており、メッセージID1と同じ値となる。
第1ルーティングテーブルT2では全ての差分IDのビット数を同じとしており、隣り合うメッセージIDの差分値である差分IDの値がばらついて各差分IDの値を表すビット数にもばらつきが生じる場合には、最も大きいビット数で差分IDを表している。図2の例では、差分IDを8ビットで表している。
本実施形態では通信プロトコルがCANであり、CANのメッセージIDを示すアービトレーションフィールドは11ビットであるため、第2ルーティングテーブルT2のメッセージIDは11ビットとなっている。
まず、中継接続ユニット10が送受信するメッセージのメッセージIDは11ビットであるため、第2ルーティングテーブルT2は「0000000000」〜「11111111111」の値を持つ2048個のメッセージIDを備えることが可能である。
例として、第2ルーティングテーブルT2のメッセージIDの数が256個である場合を考える。
そこで、256個のメッセージIDの値を、隣り合うメッセージIDの値の差分値がそれぞれ等しくなるように定めると、「11111111111」を「1000」おきに256分割した値となり、例えば図4(B)のようになる。図4では説明のために個数とビット数の欄を設けており、中継先バス31の記載は省略している。
なお、256番目のメッセージIDは値を等間隔に定めることができないため、256番目のメッセージIDの値は、255番目と256番目の差分値が「111」となるように定めている。255番目と256番目の差分値「111」は、他の差分値「1000」とできるだけ差が小さくなるように定めた値である。
第1ルーティングテーブルT2では各差分IDの値を表すビット数にばらつきが生じる場合には、最も大きいビット数で差分IDを表して全ての差分IDを同じビット数とするため、差分IDは4ビットで表すことができる。該4ビットはメッセージIDの数が256個の場合に、差分IDのビット数の最小値となる。
図5に示すように、メッセージIDの数が64個の場合は、隣り合うメッセージIDの差分は「100000」となり、差分IDのビット数の最小値は6ビットとなる。メッセージIDの数が128個の場合は、隣り合うメッセージIDの差分は「10000」となり、差分IDのビット数の最小値は5ビットとなる。メッセージIDの数が512個の場合は、隣り合うメッセージIDの差分は「100」となり、差分IDのビット数の最小値は3ビットとなる。
第2ルーティングテーブルT2のメッセージIDの数が256個の場合に、図6(B)に示すようなメッセージIDの値が設定されているとする。図6においても、説明のために個数とビット数の欄を設け、中継先バス31の記載は省略している。
第1ルーティングテーブルT1は全ての差分IDを同じビット数とするため、このように隣り合うメッセージIDの値の差分の値に大きくばらつきがある場合には、最も大きいビット数で表された差分IDのビット数で全ての差分IDが表され、第1ルーティングテーブルT1の大きさを小さくすることができない。
このように、ダミーIDを挿入することで、差分IDのビット数を小さくすることができる。
第1ルーティングテーブルT1の差分ID1をメッセージID1とし、メッセージID1に差分ID2の値を加えてメッセージID2としてメッセージID2に差分ID3の値を加えてメッセージID3とする。このように、メッセージIDに差分IDを加えていくことにより、第2ルーティングテーブルT2に変換する。
中継接続ユニット用LSI40(Large scale Integrated Circuit)は集積回路(IC)であり、中継接続ユニット10用に設計されたASICでハードウェアとして構成している。中継接続ユニット用LSI40は送受信回路24と、中継処理回路21と、変換回路部を構成するEEPROM処理回路23とパラメタ処理回路22とを備えている。
中継接続ユニット用LSI40のEEPROM処理回路23は、EEPROM11と接続しており、中継接続ユニット10の起動時にEEPROM11に記憶された第1ルーティングテーブルT1を読み込んでいる。
パラメタ処理回路22はEEPROM処理回路23と接続しており、第1ルーティングテーブルT1をEEPROM処理回路23から受け取ると、前述した変換処理により読み込んだ第1ルーティングテーブルT1を第2ルーティングテーブルT2に変換している。
中継処理回路21は、受信したメッセージのIDを検出し、第2ルーティングテーブルT2を参照して受信したメッセージのIDが第2ルーティングテーブルT2にあるか否かを判断する。IDがある場合には、第2ルーティングテーブルT2の該IDの下に示された中継先バス31に該メッセージを中継する。IDがない場合には該メッセージは中継不要であると判断して該メッセージを破棄する。
二分探索法は、昇順に並んだ配列に対する探索を行う手法であり、図8に示すフローチャートの動作を行う。
第2ルーティングテーブルT2は第1ルーティングテーブルT1を変換させて求めており、メッセージIDが小から大の順に並んでいる。
中央位置kのメッセージIDの値A(k)と受信したメッセージのIDの値xが同じである場合には、中継処理回路21は受信したメッセージのIDが第2ルーティングテーブルT2に存在すると判断する(S7)。中央位置kのメッセージIDの値A(k)が受信したメッセージのIDの値xより小さい場合には、loにk+1の値を代入する(S4)。中央位置kのメッセージIDの値A(k)が受信したメッセージのIDの値xより大きい場合には、hiにk−1の値を代入する(S8)。
次に、loとhiの値を比較し(S5)、lo>hiとなった場合には、受信したメッセージのIDは第2ルーティングテーブルT2に記載されていないと判断する(S6)。lo≦hiとなった場合には、S2に戻る。
ドライバ13A、42Bも集積回路であるLSIで構成し、各バス31毎に設けてコネクタ14を介して各バス31と接続している。また、中継接続ユニット用LSI40と接続しており、中継接続ユニット用LSI40が送受信するメッセージをバス31へ送信またはバス31から受信するために、メッセージを構成するデータ信号の電位を調節している。
また、第1ルーティングテーブルの記憶量が小さいので、EEPROM処理回路23がメモリから第1ルーティングテーブルを読み出す時間を短くすることができる。
40 中継接続ユニット用LSI
11 EEPROM
21 中継処理回路
22 パラメタ処理回路
23 EEPROM処理回路
30 電子制御ユニット(ECU)
31(31A、31B) バス
T1 第1ルーティングテーブル
T2 第2ルーティングテーブル
Claims (4)
- 電子制御ユニットを夫々接続しているバス間に介在させ、異なるバスに属する前記電子制御ユニット間で送受信するメッセージを中継する車載用の中継接続ユニットであって、
前記メッセージIDの値を小から大の順で並べ、隣り合うメッセージIDの値の差分値より差分IDを求め、前記メッセージIDよりビット数を減少した前記差分IDと中継先バスとの関係を特定した第1ルーティングテーブルを記憶したメモリと、
起動時に、前記メモリから第1ルーティングテーブルを読み込み、該第1ルーティングテーブルの前記差分IDを元のメッセージID値に変換した第2ルーティングテーブルを作成する変換回路部と、
前記第2ルーティングテーブルを参照して受信したメッセージを特定の中継先バスへ送信する中継処理回路部と、
を備えていることを特徴とする車載用の中継接続ユニット。 - 前記メッセージはCANプロトコルに準拠するメッセージであり、メッセージIDは11ビットからなり、
前記第1ルーティングテーブルの差分IDは1ビット以上9ビット以下としている請求項1に記載の中継接続ユニット。 - 前記第1ルーティングテーブルの差分IDの間にダミーIDを挿入し、差分IDのビット数を調整している請求項1又は請求項2に記載の車載用の中継接続ユニット。
- 前記第1ルーティングテーブルを記憶するメモリはEEPOMであり、前記中継処理回路部、前記変換回路部は集積回路からなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載用の中継接続ユニット。
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