JP2009049463A - 情報伝送システム、受信装置、データ復号方法、コンピュータプログラム及びデータ構造 - Google Patents

情報伝送システム、受信装置、データ復号方法、コンピュータプログラム及びデータ構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 疎な領域と密な領域を有する生成行列を係数とした連立方程式を効率的に演算できるようにして、復号の際の演算回数を低減する。
【解決手段】 生成行列Aを用いて情報データuを欠損補償符号化した符号化データwを送信する送信装置1と、受信した符号化データwを、生成行列Aを用いて欠損補償復号して情報データuを取り出す受信装置2とを備えた情報伝送システムにおいて、
生成行列Aを重みが小さい行が集まった疎な領域A1と、重みが大きい行が集まった密な領域A2に分けて記憶する記憶手段22と、疎な領域A1を用いて演算可能な情報データuの一部を先に演算したあと、密な領域A2を用いて残りの未知の情報データuを演算する演算手段22とを、受信装置2に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生成行列を用いて欠損補償符号化された伝送パケットを伝送する情報伝送システムと、これに利用する受信装置、この装置で実行するデータ復号方法、コンピュータプログラム及びデータ構造に関する。より具体的には、行の重みで区分された複数の領域を有する生成行列を用いた符号化データの復号に関する。
例えば、ユーザの要求に応じて、映画、テレビジョン放送、コンサート等の様々な映像データを、ネットワークを介してストリーミング配信するビデオオンデマンドと呼ばれる映像配信システムが普及している。
上記ビデオオンデマンドの映像配信システムでは、映像データを送信装置からパケット単位でネットワーク上へ送出し、送出されたパケットをセットトップボックス等よりなる受信装置で受信し、受信した一連のパケットに含まれる映像データに基づいて映像データを出力する(例えば、特許文献1参照)。
このような映像配信システムでは、送信装置から送出されたパケットがネットワークを転送中に欠損する場合がある。パケットに欠損が生じるとそのパケットに含まれる映像データが欠落するので、受信装置側で出力される映像に乱れが生じる。
そこで、転送中に欠損したパケットに含まれる映像データを補償する方法として、非組織符号(例えば、LT符号とRaptor(TM)符号)による欠損補償符号化及び復号方式が採用されている。
上記方式は、FEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)技術の一つであり、本来の映像データ(オリジナルデータ)を所定長のブロック単位に分割し、ブロック単位に分割した情報データに冗長データを付加することで欠損箇所を補償可能とする欠損補償符号化を行い、符号化されたデータを送信装置から送出する。他方、受信装置では、受信した伝送データからブロック単位のデータを生成し、このブロック単位のデータに対して欠損を補償する欠損補償復号を行う。
すなわち、より具体的には、送信装置での欠損補償符号化(エンコード処理)において、生成行列と呼ばれるマトリックスを情報データ(情報ベクトル)に掛けることで符号化データ(符号化ベクトル)が生成され、かつ、受信装置での欠損補償復号(デコード処理)においては、受信した符号化データに対して送信側と同じ上記生成行列を係数とした連立方程式をガウス消去法等の解法で解くことにより、情報データが復元される。
特開2004−80169号公報
上記の通り、送信装置から受信した符号化データを受信装置で復号するが、このためには生成行列の成分値がどの値になっているかを記憶する必要がある。この生成行列の記憶方式として、配列記憶方式とリンクリスト方式がある。
配列記憶方式は、行列の成分値を二次元配列としてメモリ上に直接展開する記憶方式であり、行の重みが比較的大きい密行列の場合に適している。他方、リンクリスト方式は、非ゼロ値が存在する行番号と列番号とその値を記憶する記憶方式であり、行の重みが比較的小さい疎行列の場合に適している。
しかし、生成行列には、重みが小さい行が集まった疎な領域と、重みが大きい行が集まった密な領域が混在しているもの(以下、これを混在行列と呼ぶことがある。)があり、かかる混在行列の場合には、上記のいずれの記憶方式を採用しても、結局、エンコード側及びデコード側の双方の記憶領域に無駄が生じることになる。
一方、前記の通り、符号化データを復号するには、生成行列を係数とした連立方程式をガウス消去法等の解法で解く必要がある。
しかし、従来、解法としてガウス消去法を採用する場合には、混在行列のような疎な領域を含む生成行列か否かに拘わらず、当該ガウス消去法だけで連立方程式を解くアルゴリズムを採用していたので、欠損補償復号を行う際の演算回数が非常に多く非効率であり、処理時間が長くなるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑み、疎な領域と密な領域を有する生成行列を係数とした連立方程式を効率的に演算できるようにして、復号の際の演算回数を低減することを目的とする。
また、本発明は、疎な領域と密な領域を有する生成行列を効率的に記憶できるようにして、送信側及び受信側の記憶容量を有効活用することを目的とする。
本発明の情報伝送システム(請求項1)は、生成行列を用いて情報データを欠損補償符号化した符号化データを送信する送信装置と、受信した前記符号化データを、前記生成行列を用いて欠損補償復号して前記情報データを取り出す受信装置とを備えた情報伝送システムであって、
前記受信装置は、前記生成行列を重みが小さい行が集まった疎な領域と、重みが大きい行が集まった密な領域に分けて記憶する記憶手段と、前記疎な領域を用いて演算可能な前記情報データの一部を先に演算したあと、前記密な領域を用いて残りの未知の前記情報データを演算する演算手段とを有することを特徴とする。
一般に、疎な領域は行の中の非ゼロ値が非常に少ないことから、解くべき変数(情報データ)が非常に少なく、密な領域を用いる場合よりも少ない演算回数で情報データを解けることが多い。逆に、密な領域は行の中の非ゼロ値が多いことから、解くべき変数(情報データ)も多くなり、情報データを解くのに多くの演算回数を必要とする。
そこで、本発明の情報伝送システムでは、上記演算手段が、演算回数が少なくて済む疎な領域を用いて情報データの一部を先に演算したあと、演算回数が多くなる密な領域を用いて残りの未知の情報データを演算している。
この場合、疎な領域を用いた必要演算回数の少ない第一段階の演算処理で一部の情報データが得られるので、必要演算回数が多くなりがちな密な領域を用いた第二の演算処理での変数量が減り、第二の演算処理での演算回数を減少させることができる。
このため、疎な領域と密な領域を有する生成行列を係数としかつ情報データを変数とした連立方程式を解くのに必要な演算回数を、全体として削減することができ、その生成行列を係数とした連立方程式を効率的に演算することができる。
本発明の情報伝送システムにおいて、具体的には、前記密な領域を用いて行う演算の解法としてガウス消去法を採用でき、前記疎な領域を用いて行う演算の解法は前記ガウス消去法の後退代入を採用することができる(請求項2)。
上記ガウスの消去法は、掃き出し法とも呼ばれ、変数の数と方程式の本数が一致した連立一次方程式(線形方程式系)を解くための解法であり、基本的には前進消去と後退代入という二つのステップからなる。
このうち、前進消去は、下位の行ほど係数が少なくなるように連立方程式の係数を前進させて、その係数群(生成行列)を上三角行列にする操作のことをいい、後退代入は、前進消去の結果得られた上三角行列の下端に位置する解を順次他の方程式に代入し、すべての解を求める操作のことをいう。
疎な領域の場合には非ゼロ値が非常に少ないので、前進消去を行わずにいきなり後退代入を行っても解が得られることが多い。
このため、本発明の情報伝送システムにおいて、疎な領域を用いた第一の演算として後退代入を行えば、前進消去を行わずに簡単に情報データの一部を求めることができ、その後の密な領域を用いた第二の演算は、前進消去と後退代入のステップを含む通常のガウス消去法を行えばよい。
すなわち、後退代入で演算して得られた結果を前記密な領域の配列構造に代入して当該密な領域の行列サイズを縮小し、この縮小された行列式に前記ガウス消去法を適用して残りの未知の前記情報データを演算するようにすればよい(請求項3)。
本発明の受信装置(請求項4)は、前記情報伝送システム(請求項1)のサブコンビネーションを構成するものであり、当該システムと同様の作用効果を奏する。
本発明のデータ復号方法(請求項5)は、前記受信装置(請求項4)が行うデータ復号方法に関するものであり、当該受信装置と同様の作用効果を奏する。
また、本発明のコンピュータプログラム(請求項6)は、上記データ復号方法(請求項5)を受信装置に実装するためのものであり、その方法と同様の作用効果を奏する。
本発明のデータ構造(請求項7)は、欠損補償符号化された符号化データを情報データに戻すための生成行列を記憶媒体に記憶する際に用いる生成行列のデータ構造であって、
前記生成行列の中で重みの小さい行が集まった疎な領域をリンクリスト方式で記憶する第一データ構造部と、前記生成行列の中で重みの大きい行が集まった密な領域を配列記憶方式で記憶する第二データ構造部とを備えていることを特徴とする。
本発明のデータ構造によれば、第一データ構造部が疎な領域をリンクリスト方式で記憶し、第二データ構造部が密な領域を配列記憶方式で記憶するので、それぞれの領域に適した記憶領域を記憶媒体に割り当てることができ、疎な領域と密な領域を有する生成行列を効率的に記憶することができる。
以上の通り、本発明によれば、疎な領域と密な領域を有する生成行列を係数とした連立方程式を効率的に演算できるので、復号の際の演算回数を低減することができる。
また、本発明によれば、疎な領域と密な領域を有する生成行列を効率的に記憶できるので、送信側及び受信側の記憶容量を有効活用することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
〔システム構成〕
図1は、本発明を採用した映像配信システムの構成例を示している。
図1に示すように、本実施形態の映像配信システムは、データ送信側の送信装置1と、データ受信側の受信装置2とを備えている。
送信装置1は、映像及び音声データをパケット単位で送出するサーバコンピュータ等よりなり、そのデータを受信する受信装置2はセットトップボックス等よりなる。
送信装置1から送出された映像及び音声データは、インターネット等よりなるネットワーク(通信網)3を介して受信装置2に伝送される。
図1に例示した映像配信システムでは、受信装置2を操作するユーザの要求に応じて、映画、テレビジョン放送及びコンサート等の様々な映像及び音声データを、ネットワーク3を介してストリーミング配信するビデオオンデマンドと呼ばれるサービスを提供している。
〔送信装置〕
上記送信装置1は、この装置1全体を制御するCPU等よりなる制御手段11と、配信する映像及び音声データを記録するハードディスク等よりなる記憶手段12と、この記憶手段12に記録されている映像及び音声データをMPEG(Motion Picture Expert Group) 等の符号化形式にて圧縮符号化する圧縮符号化手段13とを備えている。
また、送信装置1は、上記圧縮符号化手段13で圧縮符号化された映像及び音声データをブロック単位に分割して、欠損を補償するための冗長データを付加する欠損補償符号化手段14と、ネットワーク3に接続するための通信インタフェースよりなる通信手段15とを備えている。
記憶手段12には、上記欠損補償符号化に用いられ生成行列A(図4参照)が予め格納されている。欠損補償符号化手段14は、圧縮符号化されたデータをブロック単位に分割してなる情報データu(図4参照)に対して、予め記憶された上記生成行列Aを掛け合わすことにより、冗長化した符号化データw(図4参照)を生成する。
図4(b)に示すように、生成行列Aは、重みが小さい行が集まった疎な領域A1と、重みが大きい行が集まった密な領域A2に分かれており、上側が疎な領域A1でかつ下側が密な領域A2となるように配置されている。このように、本実施形態の生成行列Aは、疎な領域A1と密な領域A2とが混在した混在行列になっている。
図例では、後述する連立方程式の解法の理解を容易にするために、次数が10前後の生成行列Aを例示しているが、実際の生成行列Aは、概ね1000行1000列〜2000行2000列程度の多数の成分を有している。
また、この生成行列Aにおける疎な領域A1とは、各行の非ゼロ値である「1」の数が非常に少ない、例えば、各行内の「1」の平均数が4程度の疎行列のことを意味し、密な領域A2とは、各行の「1」の数がそれより多い、例えば、各行内の「1」の平均数が20以上の密行列のことを意味する。
生成行列Aは、例えば、図4(a)に示す疎密の順序がランダムな生成行列Bから作成することができる。
この生成行列Bは、重みが小さい行L1と重みが大きい行L2とがランダムに配列されたものである。従って、行の重みについて所定の閾値を設定し、その閾値よりも大きい行L2を上から順に上方にシフトさせ、その閾値よりも小さい行L1を下から順に下方にシフトさせることにより、図4(b)に示す本実施形態の生成行列Aを作成することができる。
なお、疎密の順序がランダムな生成行列Bからの生成行列Aの作成は、送信装置1内の演算回路ないしソフトウェアで行うこともできるし、この作成を送信装置1で行わず、予め作成済みの生成行列Aを不揮発性の記憶領域に記憶させることにしてもよい。
前者の場合には、送信装置1の記憶手段12には生成行列Bを記憶させておき、欠損補償符号化を行う際に生成行列Aを作成し、この作成した生成行列Aを一時的な記憶領域(メモリ)記憶させることになる。
しかし、欠損補償符号化に必要な生成行列Aをその符号化の度に作成するのは演算回数を無駄に消費することになるから、予め作成済みの生成行列Aをハードディスク等の記憶手段12に記憶させることが好ましい。
図1に示すように、本実施形態の記憶手段12は、疎な領域A1の格納領域である第一データ構造部12Aと、密な領域A2の格納領域である第二データ構造部12Bとを備えており、第一データ構造部12Aにおいては、各行の「1」が存在する行番号と列番号とその値を記憶するリンクリスト方式が採用されている。
他方、第二データ構造部12Bにおいては、疎な領域A2の行列の成分値を二次元配列として格納領域上に直接展開する配列記憶方式が採用されている。
なお、コンサートや市街地等の撮像対象を撮像してライブ配信するために本実施形態のシステムを適用する場合には、記憶手段12に映像及び音声データを予め記録しておくのではなく、カメラ等の撮像手段を用いた撮像により映像及び音声データを生成し、生成した映像及び音声データを圧縮符号化及び欠損補償符号化するようにしてもよい。
また、予め圧縮符号化した映像及び音声データを記憶手段12に記録するようにしてもよく、この場合には圧縮符号化手段13は不要となる。
〔受信装置〕
一方、受信装置2は、この装置1全体を制御するCPU等よりなる制御手段21と、例えばファームウェアとして記録されるコンピュータプログラム4や符号化データ等の各種情報を記憶する記憶手段22と、ネットワーク3に接続するための通信インタフェースよりなる通信手段23とを備えている。
また、受信装置2は、欠損したデータを補償するための欠損補償復号手段24と、欠損したデータを補償して生成した映像及び音声データを伸長復号する伸長復号手段25と、伸長復号した映像及び音声データを例えばテレビジョンモニタ等の画像表示装置に出力する出力手段26とを備えている。
なお、受信装置2が、インターネットテレビ等のモニタを備えた装置である場合には、上記出力手段27はそのモニタ及びスピーカとなる。
この受信装置2の記憶手段22にも、後述する欠損補償復号に用いられる前記生成行列Aが予め格納されている。
また、この記憶手段22も、疎な領域A1の格納領域である第一データ構造部22Aと、密な領域A2の格納領域である第二データ構造部22Bとを備えており、第一データ構造部22Aにおいては、各行の「1」が存在する行番号と列番号とその値を記憶するリンクリスト方式が採用されている。
他方、第二データ構造部22Bにおいては、疎な領域A2の行列の成分値を二次元配列として格納領域上に直接展開する配列記憶方式が採用されている。
更に、受信装置2の記憶手段22にも、図4(a)に示す疎密の順序がランダムな生成行列Bを記憶することもできる。
もっとも、この場合には、前述の通り、受信装置1内の演算回路ないしソフトウェアを用いて生成行列Bから生成行列Aを作成する必要があり、欠損補償復号を行う際に生成行列Aの作成を行う必要がある。
欠損補償復号手段24は、通信手段23によりネットワーク3を介してパケット単位で受信したデータからブロック単位のデータを生成し、生成したデータに欠損が生じているか否かを判定するものであり、欠損が生じている場合には、付加されている冗長データに基づいて欠損したデータを補償する。
具体的には、欠損補償復号手段24は、受信したパケット単位のデータをブロック化してなる符号化データwに対して、予め記憶された上記生成行列Aを適用して連立方程式をガウス消去法等で解くことにより、冗長化されている符号化データwから情報データuを復元する。
なお、上記連立方程式を解く作業は、実際には、記憶手段22に格納されたコンピュータプログラム4を制御手段22が実行することにより解かれるが、この解法については後述する。
また、欠損補償復号手段24は、受信したパケット単位のデータを一時的に蓄積するバッファメモリである蓄積手段24Aを有しており、このパケット単位のデータに各種処理を実行することで、本発明の受信装置2がセットトップボックスとして動作する。
〔各装置の処理動作〕
〔ネゴシエーション処理〕
次に、上記送信装置1及び受信装置2が行う各種処理について説明する。
まず、受信装置2は、送信装置1に対して映像及び音声データの送信を要求する。この場合、送信装置1から送出される映像及び音声データに関する非組織符号型の欠損補償符号の方式等の諸条件を、受信装置2に認識させるネゴシエーション処理が行われる。
上記ネゴシエーション処理が完了すると、送信装置1から受信装置2へ映像及び音声データがパケット単位で送信される。
〔送信処理〕
図2は、送信装置1が行う送信処理を示すフローチャートである。
図2に示すように、送信装置1は、制御手段11の制御に基づいて、記憶手段12に記録されている映像及び音声データを、圧縮符号化手段13により、MPEG等の符号化形式にて圧縮符号化する(ステップS101)。
次に、送信装置1は、圧縮符号化した映像及び音声データを、欠損補償符号化手段14により、所定長のブロック単位に分割するとともに(ステップS102)、ブロック単位に分割した映像及び音声データに対して欠損を補償する冗長データを付加する欠損補償符号化を行い(ステップS103)、ブロックの先頭に、その先頭を区切位置として示す区切位置情報を含ませる(ステップS104)。なお、上記欠損補償符号化は、記憶手段12に記憶された生成行列Aを用いて行われる。
そして、送信装置1は、上記区切位置情報を含ませたブロック単位の映像及び音声データをパケット単位に分割し(ステップS105)、通信手段15からネットワーク3上へ送出する(ステップS106)。
なお、ブロックの末尾に対して、この末尾を区切位置として示す区切位置情報を含ませることにしてもよい。
〔受信処理〕
図3は、受信装置2が行う受信処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、受信装置2は、制御手段21の制御に基づいて、通信手段23にてネットワーク3からパケット単位の映像及び音声データを受信し(ステップS201)、受信したパケット単位の映像及び音声データを欠損補償復号手段24に引き渡し、欠損補償復号手段24は、受け付けたパケット単位の映像及び音声データを蓄積手段24Aに蓄積する(ステップS202)。
次に、受信装置2は、制御手段21の制御に基づいて、欠損補償復号手段24により、蓄積手段24Aにパケット単位で蓄積した複数の映像及び音声データを、ブロック単位の一つの映像及び音声データとして読み出し(ステップS203)、読み出した映像及び音声データをブロック単位のデータとして欠損補償復号を実行する(ステップS204)。
なお、ステップS204において補償すべき欠損が生じていない場合には、上記欠損補償復号処理(ステップS204)は省略される。
上記欠損補償復号には、ブロック化してなる符号化データwに対して、予め記憶された生成行列Aを適用して連立方程式をガウス消去法等で解き、冗長化されている符号化データwから情報データuを復元する処理が含まれる。
そして、受信装置2は、制御手段21の制御に基づいて、欠損補償復号処理を実行した映像及び音声データを、伸長復号手段25によって伸長復号し(ステップS205)、伸長復号した映像及び音声データを出力手段26から出力する出力処理を実行する(ステップS206)。
上記出力手段26が行う出力処理(ステップS206)は、受信装置20がテレビジョンモニタに接続されたセットトップボックスである場合には、テレビジョンモニタから映像及び音声として出力される映像信号及び音声信号を、テレビジョンモニタへ出力する処理のことを意味する。
また、受信装置20がインターネットテレビである場合には、出力手段26が行う出力処理(ステップS206)は、映像及び音声を自身が出力する処理を意味する。
〔受信装置における連立方程式の解法〕
欠損補償復号の際に行う連立方程式の解法は、記憶手段22に格納されたコンピュータプログラム4を制御手段21が実行することによって行われ、図1に示すように、制御手段21は、生成行列Aの読み込み、疎な領域A1を用いた演算、密な領域A2を用いた演算、情報データuの出力の順に処理を行う。
以下、図4〜図6を参照しつつ、生成行列Aを用いて行う連立方程式の解法の手順を説明する。
なお、図4〜図6では、本実施形態の解法の理解を容易にするため、10個の情報データuk(k=1〜10)を変数とし、符号化データwn(n=1〜12)が12個の場合を例示しているが、前記した通り、実際の生成行列Aの次数はこれより膨大である。
まず、図4(b)に示すように、記憶手段22から読み出された生成行列Aは、前記した通り、重みが小さい行が集まった疎な領域A1が下方に配置され、重みが大きい行が集まった密な領域A2が上方に配置された混在行列になっている。
そこで、まず、解が得られやすい疎な領域A1を用いて情報データu(図例ではu2,u4,u6,u7,u8,u9)を演算する。具体的には、疎な領域A1を用いて行う演算の解法として、本実施形態ではガウス消去法の後退代入を採用する。
すなわち、図4(b)に示す疎な領域A1のリンクリストの場合を例に取ると、u7=w2、u2=w3、u6=w5であり、既に三つの情報データu7,u2,u6の解が得られている。
そこで、まず、リンクリストを利用して、重みが1の行があるか否かを検索し、ある場合にはその重み1の成分に対応する符号化データwが解として得られる。
次に、上記で得られた解を他の行の同じ列に代入して変数(情報データu)を消去していく。この消去は、ガウス消去法の後退代入に相当する。
例えば、図5(a)のリンクリスト内の丸印で示すように、情報データu6の解はw5であるが、u6はリンクリストの最下行の変数でもあるので、このu6を最下行に代入して(三角印参照)、最下行における変数u6を消去する。図5(b)は、この後退代入が終了した後の状態を示す図である。
なお、図例では、u6のみの一回の消去操作しか行えていないが、実際の生成行列Aの疎な領域A1には膨大な行が含まれているので、上記消去操作も複数回行われることになる。
次に、図6(a)に丸印で示すように、リンクリストにおける後退代入で解けた結果を密の領域A2の配列構造に代入し、当該密な領域A2の行列サイズを縮小するとともに、後退代入で解けなかった方程式(図例では、u4及びu9を含む方程式)を密の領域A2に組み込んで、図6(b)に示すように、一つの生成行列Cに纏める。
すなわち、図例の場合には、(w2,u7)、(w3,u2)、(w5,u6)及び(w12,u8)が既知であるから、既知となったu7,u2,u6,u8に対応する不要な列部分を、疎の領域A1と密の領域Aから削除する。
また、w2,w3,w5,w12に対応する疎な行列A1の行部分を削除し、疎な行列A1の行部分については、後退代入で解けなかったw7に対応する行だけを残し、列を削除した後の密な行列A2の下部に連結することにより、一つの生成行列Cを作成する。
その後は、密な行列A2の一部を含む上記生成行列Cに対して、従前のガウス消去法を適用することにより、残りの未知の情報データu(図例では、u1,u3,u4,u5,u9,u10)を演算する。
このように、本実施形態の解法よれば、疎な領域A2を用いて演算可能な情報データuの一部を先に演算したあと、密な領域A2を用いて残りの未知の情報データuを演算するようにしたので、疎な領域A2を用いた必要演算回数の少ない後退代入で一部の情報データuが得られ、密な領域A2を用いた必要演算回数が多いガウス消去法を行う場合の変数量が削減され、ガウス消去法を行う場合の演算回数を減少させることができる。
このため、疎な領域A1と密な領域A2を有する生成行列Aを係数としかつ情報データuを変数とした連立方程式を解くのに必要な演算回数を、全体として削減することができ、その生成行列Aを係数とした連立方程式を効率的に演算することができる。
図7は、生成行列の次数と演算回数との関係を表すグラフである。
一般に、後退代入の場合に必要な演算回数は、概ね行列の次数に比例し、ガウス消去法の場合(前進消去と後退代入の双方を行う場合)に必要な演算回数は、概ね行列の次数の3乗に比例することが知られている。
そこで、図7では、生成行列Aの全次数が2000と仮定し、疎な領域A1の行数Nを横軸にとって、疎な領域A1を用いた演算回数Y1と、密な領域A2を用いた演算回数Y2を同じN軸でグラフ化した。
図7において、例えば、N=200とすると、Y1=200、Y2=1800の3乗=5.832×10の9乗となる。
これに対して、例えば、N=1800として疎な領域A1の行数を増やすと、Y1=1800、Y2=200の3乗=8.0×10の6乗となり、N=200の場合に比べて100分の1オーダーで演算回数が減少することになる。
従って、本実施形態の連立方程式の解法は、疎な領域A1の行数Nが多いほど演算回数の低減効果が大きく、生成行列A全体に対してガウス消去法を適用する場合に比べて、大幅に演算回数を低減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、映像及び音声データをストリーミング配信するシステムに適用する形態を示したが、本発明はこれに限らず、映像データのみを配信するシステムや音声データのみを配信するシステム等に適用する等、種々の情報配信システムに対して適用することが可能である。
映像配信システムの構成例を示すブロック図である。 送信装置の送信処理を示すフローチャートである。 受信装置の受信処理を示すフローチャートである。 生成行列の構造と連立方程式の解法を示すための図である。 生成行列の構造と連立方程式の解法を示すための図である。 生成行列の構造と連立方程式の解法を示すための図である。 疎な領域の行数と演算回数との関係を模式的に示すグラフである。
符号の説明
1 送信装置
2 受信装置
3 ネットワーク
4 コンピュータプログラム
11 制御手段
12 記憶手段
12A 第一データ構造部
12B 第二データ構造部
13 圧縮符号化手段
14 欠損補償符号化手段
15 通信手段
21 制御手段(演算手段)
22 記憶手段
22A 第一データ構造部
22B 第二データ構造部
23 通信手段
24 欠損補償復号手段
24A 蓄積手段
25 伸長復号手段
A 疎密の順序がランダムな生成行列
A1 疎な領域
A2 密な領域
B 疎密が区分された生成行列
C 縮小化された生成行列
u 情報データ
w 符号化データ

Claims (7)

  1. 生成行列を用いて情報データを欠損補償符号化した符号化データを送信する送信装置と、受信した前記符号化データを、前記生成行列を用いて欠損補償復号して前記情報データを取り出す受信装置とを備えた情報伝送システムであって、
    前記受信装置は、
    前記生成行列を重みが小さい行が集まった疎な領域と、重みが大きい行が集まった密な領域に分けて記憶する記憶手段と、
    前記疎な領域を用いて演算可能な前記情報データの一部を先に演算したあと、前記密な領域を用いて残りの未知の前記情報データを演算する演算手段とを有することを特徴とする情報伝送システム。
  2. 前記密な領域を用いて行う演算の解法はガウス消去法であり、前記疎な領域を用いて行う演算の解法は前記ガウス消去法の後退代入である請求項1に記載の情報伝送システム。
  3. 後退代入で演算して得られた結果を前記密な領域の配列構造に代入して当該密な領域の行列サイズを縮小し、この縮小された行列式に前記ガウス消去法を適用して残りの未知の前記情報データを演算する請求項2に記載の情報伝送システム。
  4. 符号化データを受信する受信手段と、受信した符号化データを、生成行列を用いて欠損補償復号して情報データを取り出す復号手段とを備えた受信装置であって、
    前記生成行列を重みが小さい行が集まった疎な領域と、重みが大きい行が集まった密な領域に分けて記憶する記憶手段と、
    前記疎な領域を用いて演算可能な前記情報データの一部を先に演算したあと、前記密な領域を用いて残りの未知の前記情報データを演算する演算手段とを有する受信装置。
  5. 生成行列を用いて符号化データを欠損補償復号して情報データを取り出すデータ復号方法であって、
    前記生成行列を重みが小さい行が集まった疎な領域と、重みが大きい行が集まった密な領域に分けて記憶しておき、前記疎な領域を用いて演算可能な前記情報データの一部を先に演算したあと、前記密な領域を用いて残りの未知の前記情報データを演算することを特徴とするデータ復号方法。
  6. 符号化データと生成行列とを用いて情報データを取り出す欠損補償復号を、コンピュータ機能を有する受信装置に実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記生成行列を重みが小さい行が集まった疎な領域と、重みが大きい行が集まった密な領域に分けて記憶するステップと、
    前記疎な領域を用いて演算可能な前記情報データの一部を先に演算したあと、前記密な領域を用いて残りの未知の前記情報データを演算するステップとを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
  7. 欠損補償符号化された符号化データを情報データに戻すための生成行列を記憶媒体に記憶する際に用いる生成行列のデータ構造であって、
    前記生成行列の中で重みの小さい行が集まった疎な領域をリンクリスト方式で記憶する第一データ構造部と、
    前記生成行列の中で重みの大きい行が集まった密な領域を配列記憶方式で記憶する第二データ構造部とを備えていることを特徴とする生成行列のデータ構造。
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