JP2009049037A - 真空装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩留まりの低下を抑制できる真空装置を提供すること。
【解決手段】真空装置は、チャンバと、回転翼を具備し、回転翼の回転により、チャンバ内を真空にするポンプと、チャンバとポンプとを接続し、内部に気体の流路が形成された接続部とを備える。接続部の内壁には、流路中のパーティクルを捕捉する捕捉部が設けられている。この捕捉部は、流路に面するとともに、流路に沿って配置された繊維部材を有する。この繊維部材241は、パーティクルを捕捉するためのものである。繊維部材241の織布243の周縁部は、不織布242の裏面側に折られており、織布243の周縁部先端は、不織布242の裏面側に折り込まれている。
【選択図】図9
Description
ここで、チャンバ内の半導体基板等に対し、パーティクルが付着してしまうと歩留まり低下の原因となる。
そこで、特許文献1、2に示すような装置が提案されている。
特許文献1に記載された装置では、真空容器に接続される配管内壁を、ゲル状の粘着質材料で覆い、配管内で発生する粉塵をゲル状粘着質材料に吸着させている。
また、特許文献2では、基板処理装置の処理室と、排気ポンプとを連通する連通管の内部に綿状体が配置されている。この綿状体は、たとえば、ステンレスフェルト、フッ素樹脂フェルト等であり、この綿状体により、パーティクルを捕捉する。
本発明者が検討したところ、真空装置において、ポンプ周辺に付着したパーティクルがポンプ側に落下し、ポンプの回転翼により跳ね返されることがわかった。
ポンプの回転翼は高速、たとえば、36000サイクル/秒程度で回転しているため、ポンプ側に落下したパーティクルが、回転翼の羽根間を通り抜けることは非常に困難である。
そのため、パーティクルは、ポンプの回転翼により跳ね返されることとなる。跳ね返されたパーティクルは、配管内をはね回ることとなるが、ポンプの回転翼により跳ね返されたパーティクルの速度は非常に高速となるため、配管内のゲル状粘着質材料では、捕捉することが困難であると考えられる。すなわち、特許文献1に開示されたゲル状粘着質材料は、高速で移動するパーティクルに対しては、剛体と同様の作用を示し、パーティクルが弾性散乱してしまうと推測される。
その結果、パーティクルが真空容器内の半導体基板等にまで達してしまい、半導体素子等の歩留まりの低下を抑制できなくなっていると考えられる。
通常、真空装置に使用される綿状体は、一枚の大きなフェルト等を連通管の大きさ等に合わせて切断されたものである。従って、綿状体の周縁部先端は、切断部位に該当する。
この切断部位からは、粉塵が発生しやすく、これにより、半導体素子等の歩留まりの低下を抑制できなくなっていると考えられる。
本発明によれば、チャンバと、回転翼を具備し、前記回転翼の回転により、前記チャンバ内を真空にするポンプと、前記チャンバと前記ポンプとを接続し、内部に気体の流路が形成された接続部とを備えた真空装置であって、前記接続部の内壁には、前記接続部内の前記流路中のパーティクルを捕捉する捕捉部が設けられ、前記捕捉部は、前記接続部内の前記流路に面するとともに、前記流路に沿って配置され、前記パーティクルを捕捉する繊維部材を有し、前記繊維部材は、表面が前記流路に面する織布あるいは不織布を有し、前記織布あるいは前記不織布は、その周縁部が、裏面側に折られ、前記周縁部の先端は、前記裏面側に折り込まれている真空装置が提供される。
本発明では、ポンプの回転翼で跳ね返されたパーティクルは、捕捉部の繊維部材に衝突する。このとき、パーティクルは、繊維部材を構成する繊維間で捕捉されることとなる。
これにより、真空装置を使用して製造される部材の歩留まりの低下を抑制できる。
すなわち、本発明では、繊維部材を構成する織布あるいは不織布の周縁部先端が裏面側に折り込まれ、周縁部先端の露出が抑制されている。
従って、繊維部材を構成する織布あるいは不織布の周縁部先端から発生した粉塵が流路内、さらには、チャンバ内等に入り込むことを抑制することができる。これにより、真空装置を使用して製造される部材の歩留まりの低下をより確実に抑制できる。
しかしながら、この場合には、樹脂を浸み込ませた部分はパーティクルの捕捉に寄与しないこととなり、更にその浸み込む幅の制御が難しいため、パーティクルの捕捉に寄与する面積が減ることになる。
これに対し、本発明のように、繊維部材を構成する織布あるいは不織布の周縁部先端を裏面側に折り込むことで、パーティクルの捕捉に寄与する面積の減少を抑制できる。
はじめに、図1を参照して、真空装置1の基本構成の概要について説明する。
真空装置1は、チャンバ11と、回転翼121(図2,3参照)を具備し、回転翼121の回転により、チャンバ11内を真空にするポンプ12と、チャンバ11とポンプ12とを接続し、内部に気体の流路131が形成された接続部13とを備える。
接続部13の内壁には、接続部13内の流路131中のパーティクルPを捕捉する捕捉部14が設けられている。この捕捉部14は、接続部13内の流路131に面するとともに、流路131に沿って配置された繊維部材141を有する。
この繊維部材141は、パーティクルPを捕捉するためのものである。
図1に示すように、真空装置1は、上述したチャンバ11、ポンプ12、接続部13、捕捉部14に加えて、ドライポンプ15,弁16,弁駆動部17を備える。
図2は、回転翼121の平面図であり、図3は、回転翼121と固定翼122との位置関係を示す模式図である。
回転翼121および固定翼122は、交互に積層され、回転翼121が固定翼122と対向した状態で回転することにより吸気口から排気口へ向け排気処理が行われる。
回転翼121の回転数は、たとえば、36000回転/秒であり、回転翼121は非常に高速で回転する。
チャンバ11内の半導体基板Sは、テーブル111上に設置されている。
このチャンバ11内は、ポンプ12により真空とされ、チャンバ11内部では、たとえば、プラズマエッチング等の処理が行われる。
弁16は、チャンバ11内の圧力を調整するためのものであり、弁駆動部17により図1の上下方向に駆動する。
ここでは、弁16は、接続部13内に設置されており、ポンプ12の上方に位置する。
チャンバ11内の気体は、接続部13内の流路131を介して、ポンプ12により排気されることとなる。
この接続部13の内部の流路131のうち、前述した弁16が配置されていない領域には、捕捉部14が設けられている。
このパーティクルPは、たとえば、チャンバ11内で発生した析出物等を洗浄した後に存在するものである。
この捕捉部14は、図4に示すように、繊維部材141と、この繊維部材141を支持する支持体142とを有する。
支持体142の気体の流路131に面する面には開口が形成されている。
図5に示すように、支持体142は、接続部13の内部の形状に応じた形状のフレーム142で構成される。ここでは、フレーム142は、直方体状の立体空間を構成するように、組み立てられている。このフレーム142は、たとえば、金属あるいはセラミックス等で構成されることが好ましく、なかでも、耐腐食性の高い材料で構成されることがより好ましい。
この支持体142を接続部13内部に設置した際には、この支持体142の内側に、気体の流路131が位置することとなる。
図4に示すように、繊維部材141は、フレーム142により形成される直方体状の立体空間の上面、下面、一対の側面を覆う。
具体的には、図6に示すように、繊維部材141として上面および下面をそれぞれ覆う平面矩形形状の繊維部材141Aと、側面を覆う平面矩形形状の繊維部材141Bとを用意する。
また、不織布と、織布とを併用してもよい。
また、繊維部材141の開口率や、開口径、さらには、目付等はパーティクルPの大きさにより適宜設定すればよい。すなわち、パーティクルPを捕捉できる程度の開口率や、開口径、目付等とすればよい。
さらには、フッ素系のガスを用いてプラズマを発生させる場合には、繊維部材141として、アルミナセラミックスファイバーを含む織布、不織布が使用できる。
取り付け片143は、各繊維部材141の各辺に取り付けられている。各取り付け片143は、繊維部材141を支持体142の内側に取り付けた際に、支持体142の外側に折り返され、繊維部材141を支持体142に固定し、取り付ける。
ここで、繊維部材141の裏面側と、取り付け片143の繊維部材141側の面とにそれぞれスナップ等を設け、繊維部材141の裏面側と、取り付け片143とを着脱可能に固定してもよい。
なお、取り付け片143は、繊維部材141と同様の材料で構成してもよく、また、繊維部材141とは異なる材料で構成してもよい。
真空装置1では、ポンプ12の周辺部位にパーティクルPが付着することがある。たとえば、図1に示すように、弁16にパーティクルPが付着することがある。
このパーティクルPはなんらかの原因で、落下し、ポンプ12の回転翼121に衝突する。
パーティクルPは、ポンプ12の回転翼121により跳ね返され、接続部13内の気体の流路131内をはね回ることとなる。ポンプ12の回転翼121は高速で回転しているため、パーティクルPの速度は高速となる。
接続部13内部のうち、捕捉部14が設けられている部分にパーティクルPが衝突すると、図7、図8に示すように、捕捉部14の繊維部材141内にパーティクルPが入り込み、繊維部材141の繊維間で絡めとられることとなる。
なお、図7は、繊維部材141が不織布である場合の模式図であり、図8は、繊維部材141が織布である場合の模式図である。
基本構成においては、チャンバ11と、ポンプ12とを接続する接続部13内壁には、接続部13内の気体の流路131中のパーティクルPを捕捉する捕捉部14が設けられている。そして、捕捉部14は、接続部13内の気体の流路131に面するとともに、流路131に沿って配置された繊維部材141を有する。
ポンプ12の回転翼121で跳ね返されたパーティクルPは、捕捉部14の繊維部材141に衝突する。このとき、パーティクルPは、繊維部材141を構成する繊維間に入り込み、捕捉されることとなる。
これにより、真空装置1を使用して製造される部材の歩留まりの低下を抑制できる。
そして、この支持体142に繊維部材141を取り付け、支持体142を接続部13内部にはめ込むことで、捕捉部14が接続部13内に設置されることとなる。
これにより、捕捉部14を簡単に接続部13内に設置することができる。また、接続部13に捕捉部14をはめ込めばよいため、従来からある真空装置1に対し、捕捉部14を簡単に取り付けることができる。
これに対し、金属やセラミックス等から構成される支持体142に繊維部材141を取り付ければ、ガスの発生等の危険を回避できる。
また、支持体142を接続部13内部にはめ込むことで、捕捉部14が接続部13内に設置される構成を採用することで、真空装置1のメンテナンス等を行う場合に、捕捉部14を簡単に接続部13から取り除くことができる。
これに対し、接着剤や両面テープ等を使用する場合には、真空装置1のメンテナンス等を行う場合に、接続部13の内壁から接着剤や両面テープ等をはがす作業が生じ、メンテナンスの作業性の低下が懸念される。
このようにスナップ等により着脱可能に固定することで、たとえば、繊維部材141が多量のパーティクルPを捕捉した場合等において、繊維部材141を簡単に交換することができる。
図9〜図11を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。
本実施形態では、図9に示すように、繊維部材241は、表面が流路131に面する織布243と、流路131側の表面が織布243により被覆される不織布242とを備える。
織布243の周縁部は、不織布242の裏面側(織布243の裏面側にも該当)に折られており、織布243の周縁部先端243Aは、不織布242の裏面側に折り込まれている。他の点は、前述した基本構成と同じである。
なかでも、ニードルパンチ法により成形されたものであることが好ましい。
不織布242の材料によっては、繊維同士が融着しにくく、サーマルボンド法により成形することが困難となる場合がある。
また、ケミカルボンド法では、接着樹脂等の接着剤を使用するため、不織布242に含まれる不純物が多くなり、真空装置1を使用して製造する部材の製造安定性が低下する可能性がある。さらには、流路131を通る気体により接着剤が腐食するおそれもある。
これに対し、ニードルパンチ法によれば、繊維同士の融着を行う必要がないので、不織布の成形が困難となることを防止できる。
さらには、ニードルパンチ法により成形された不織布は、繊維同士を交絡することにより成形されているため、不純物の増加や、接着剤等の腐食が生じてしまうことを防止できる。
この不織布242は、平面矩形形状であり、前記基本構成の項におけるフレーム142により区画された側面空間あるいは、上面、下面空間をそれぞれ被覆する。
図10に示すように、織布243の周縁部の先端243Aは、不織布242の他方の面側において、不織布242の他方の面側に折り込まれている。
すなわち、織布243の周縁部の先端243Aは、露出しない状態となっている。本実施形態では、織布243の周縁部の先端243A全周が、不織布242の他方の面側において、露出しない。
なお、図10は、図9のX−X方向の断面図である。
さらには、不織布242がニードルパンチ法で製造されたものである場合には、製造工程で繊維が切断される事により発生する短い繊維の大半(ニードルパンチで切断された後の短くなった繊維の平均値の3σ以下ぐらい)より小さいことが好ましい。
なかでも、平均開口径は、0.1mm以上であることが好ましい。さらには、平均開口径は、0.5mm以下であることが好ましい。
具体的には、開口径が0.3mm以上、0.7mm以下であり、更に好ましくは平均開口径はほぼ0.4mm程度の織布243を使用する。
また、織布243の開口率は30%以上であることが好ましい。なかでも、織布243の開口率は50%以上、さらには、70%以上であることが特に好ましい。
開口率の上限は、実質的に織布であるために、織を構成する単繊維の集合である織り糸の太さと、平均開口径による制限を受ける事になる。
図11に示すように、織布243の一方の面(裏面)上に不織布242を載置する。織布243は、不織布242よりも平面形状が大きい。これにより、不織布242の一方(表面)の面が織布243により完全に覆われることとなる。
次に、織布243の周縁部のうち、織布243の角部を図11の点線Aに沿って不織布242の織布243により覆われていない側の面(他方の面(裏面))側に折る。
さらに、織布243の周縁部を点線Bに沿って不織布242の他方の面(裏面)側に折る。
その後、点線Cに沿って織布243の周縁部を不織布242の他方の面側(裏面)に折り込む。
これにより、織布243の周縁部の先端243Aは、全周にわたって、不織布242の他方の面(裏面)側において、露出しない状態となる。また、不織布242の周縁部先端は、全周にわたって、織布243により覆われることとなる。
次に、織布243と、不織布242とを糸により縫いつける。
以上の工程により、繊維部材241が完成する。
以上により、捕捉部が完成する。
不織布242,織布243は異なる材料から構成されていてもよく、また、同じ材料から構成されていてもよい。
また、不織布242および織布243を縫いつける糸は、不織布242,織布243と同様の材料を使用することができる。
本実施形態では、不織布242の一方の面を織布243により完全に覆っている。
不織布242は、繊維がランダムに絡み合った状態となっているため、図7に示したように、パーティクルPが衝突した際に、パーティクルPを跳ね返すことがなく、パーティクルPを絡め取るようにして確実に捕捉することができる。
しかしながら、不織布242は、繊維を織り込んだものではないため、不織布242を構成する繊維が不織布242から脱落してしまう可能性がある。
さらに、一般に、ニードルパンチ法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法等で成形される不織布242を構成する繊維の長さは、1mmよりも長いため、織布243の平均開口径を1mm以下、特に0.5mm以下とすることで、不織布242の繊維の脱落を確実に防止することができる。
また、ニードルパンチ法で不織布242が製造されたものである場合には、ニードルパンチで切断された後の短くなった繊維は、1mm程度となるため、織布243の平均開口径を1mm以下、特に0.5mm以下とすることで、不織布242の繊維の脱落を確実に防止することができる。
一方で、織布243の平均開口径を非常に小さいものとした場合には、パーティクルPが織布243を通り越して内側の不織布242に取り込まれるよりも、織布243表面で、織布243の糸に衝突し跳ね返されてしまう確率が高くなってしまう。
そこで、織布243の平均開口径を0.05mm以上、特に0.1mm以上とすることで、織布243によるパーティクルPの跳ね返しを抑制することができる。
これに加え、織布243の開口率を30%以上、さらには、50%以上とすることで、パーティクルPが織布243を確実に通過することができ、パーティクルPを不織布242で確実に捕捉することができる。
織布243の周縁部の先端243Aは、織布243の切断部位に該当し、織布243を構成する糸の端部が露出した状態となっている。そのため、織布243の周縁部の先端243Aから、糸のくず等の粉塵が発生する可能性がある。
特に、本実施形態では、繊維部材241を成形する際に、織布243の角部を、点線Aに沿って不織布242側に折っている。そのため、織布243の周縁部の先端243Aのうち、織布243の角部を構成する部分も露出することがない。これにより、より確実に織布243からの糸くず等の粉塵の発生を抑制できる。
これにより、不織布242の周縁部先端からの粉塵の発生を抑制することができる。
また、樹脂を浸み込ませた部分はパーティクルPの捕捉に寄与しない事となり、更にその浸み込む幅の制御が難しいため、パーティクルPの捕捉に寄与する面積が減る事になる。
これに対し、本実施形態のように、織布243の周縁部の先端243Aを折り込めば、繊維部材241略全面に渡って、パーティクルPの捕捉に寄与するように出来る。
図12を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。
第一実施形態では、繊維部材241を不織布242と、織布243とを有するものとした。これに対し、本実施形態では、繊維部材441を、表面が流路131に面する第一の織布443と、流路131側の表面が第一の織布443により被覆される第二の織布442とを備えるものとしている。
他の点は前記実施形態と同じである。
また、第二の織布442の周縁部先端は全周にわたって第一の織布443により被覆される。
第二の織布442を1枚の織布とする場合には、その開口率は第一の織布443の開口率よりも小さいことが好ましい。
さらに、パーティクルの跳ね返しを確実に防止するために、各織布442A〜442C、443を構成する糸の長手方向が完全に重なり合わないことが好ましい。また、各織布442A〜442Cのうち、一枚をバイアス織りのものとし、他の2枚を平織りのものとしてもよい。
なお、第二の織布442、第一の織布443の材料は、前記基本構成の項および前記実施形態で述べたものと同様のものを使用することができる。第二の織布442、第一の織布443は異なる材料から構成されていてもよく、同じ材料で構成されていてもよい。
さらには、織布442A〜442Cも互いに異なる材料から構成されていてもよく、同じ材料で構成されていてもよい。
本実施形態では、繊維部材を複数枚の織布を重ねたものとしている。これにより、パーティクルの捕捉率を高めることができる。
図13に示すように、一枚の織布141Cの場合には、織布141Cの糸間の開口に侵入したパーティクルPが跳ね返り、開口から出てしまうこともある。これに対し、図14に示すように、織布443,442を複数枚重ねることで、織布の積層体の内部までパーティクルPが侵入し、跳ね返ったパーティクルPが上層の織布443の糸にぶつかり繊維部材から出てしまうことを抑制できる。
特に、糸の長手方向が完全に重なり合わないものとすれば、よりパーティクルPの捕捉率を高めることが可能となる。
たとえば、前記各実施形態では、支持体をフレーム142としたが、これに限らず、たとえば、図15に示すように、接続部の内部の形状に応じた形状を有する無底の筒状の支持体342としてもよい。
この場合には、支持体342の開口が気体の流路131に面するように配置される。支持体342は、板金、セラミックス等の材料を筒状に成形すればよい。
繊維部材141,241,441は、支持体342の内側に配置され、取り付け片143は、支持体342の外側に折り返される。
また、図15に示す支持体342を、繊維部材141,241,441と同様の材料で構成してもよい。支持体342を厚みがあつく、剛性のある繊維材料で構成し、筒状とする。この場合には、支持体342内側に、繊維部材141,241,441を縫いつければよい。
この場合には、取り付け片143をフレーム142の内側(気体の流路131側)を通し、フレーム142から突出させ、フレーム142の外側に折り返す。
ただし、前記各実施形態のように繊維部材141,241,441をフレーム142の内側に配置することで、パーティクルPがフレーム142に衝突してしまうことを防止できる。
ただし、両面テープ、接着剤の耐腐食性が不十分な場合に、メンテナンスの頻度が高くなる可能性がある。また、両面テープ、接着剤を使用することで、繊維部材を接続部13の内壁からはがす必要があり、メンテナンスの作業性が低下する可能性がある。しかしながら、捕捉部を構成する部材の部材点数の削減を図ることが可能となる。
また、第一実施形態の不織布は1枚に限らず、複数枚であってもよい。
さらに、繊維部材を不織布を複数枚積層した積層体としてもよい。
また、第一実施形態では、不織布はニードルパンチ法で形成されたものが好ましいとしたが、これに限らず、数センチに裁断した長繊維を、風を当てて分散した後、水をかけて密度を上げてサンドイッチ加工をした後乾燥する方法、長繊維を水中に分散させて、紙をすくようにすいて、ある程度密度の高いシート状にして乾く前にサンドイッチにする方法や、細い高速水流のシャワーをニードル代わりにして、繊維を絡ませる方法により不織布を形成してもよい。
11 チャンバ
12 ポンプ
13 接続部
14 捕捉部
15 ドライポンプ
16 弁
17 弁駆動部
111 テーブル
121 回転翼
122 固定翼
131 流路
141 繊維部材
141A 繊維部材
141B 繊維部材
141C 織布
142 支持体(フレーム)
143 取り付け片
241 繊維部材
242 不織布
243A 先端
243 織布
342 支持体
441 繊維部材
442 織布
442A 織布
442B 織布
442C 織布
443 織布
A 点線
B 点線
C 点線
P パーティクル
S 半導体基板(被処理物)
Claims (14)
- チャンバと、
回転翼を具備し、前記回転翼の回転により、前記チャンバ内を真空にするポンプと、
前記チャンバと前記ポンプとを接続し、内部に気体の流路が形成された接続部とを備えた真空装置であって、
前記接続部の内壁には、前記接続部内の前記流路中のパーティクルを捕捉する捕捉部が設けられ、
前記捕捉部は、前記接続部内の前記流路に面するとともに、前記流路に沿って配置され、前記パーティクルを捕捉する繊維部材を有し、
前記繊維部材は、表面が前記流路に面する織布あるいは不織布を有し、
前記織布あるいは前記不織布は、その周縁部が、裏面側に折られ、前記周縁部の先端は、前記裏面側に折り込まれている真空装置。 - 請求項1に記載の真空装置において、
前記繊維部材は、織布を複数枚積層したもの、不織布を複数枚積層したもの、あるいは、織布と不織布とを積層したもののいずれかである真空装置。 - 請求項2に記載の真空装置において、
前記繊維部材は、表面が前記流路に面する織布と、
前記流路側の表面が前記織布により被覆される不織布とを備え、
前記織布の周縁部は、前記不織布の裏面側に折られており、
前記織布の周縁部先端は、前記不織布の前記裏面側に折り込まれている真空装置。 - 請求項3に記載の真空装置において、
前記繊維部材の前記織布は、平均開口径が0.05mm以上、1mm以下である真空装置。 - 請求項3または4に記載の真空装置において、
前記繊維部材の前記織布の開口率は30%以上である真空装置。 - 請求項3乃至5のいずれかに記載の真空装置において、
前記不織布は、ニードルパンチ法により得られたものである真空装置。 - 請求項2に記載の真空装置において、
前記繊維部材は、表面が前記流路に面する第一の織布と、
前記流路側の表面が前記第一の織布により被覆される第二の織布とを備え、
前記第一の織布の周縁部は、前記第二の織布の裏面側に折られており、
前記第一の織布の周縁部先端は、前記第二の織布の前記裏面側に折り込まれている真空装置。 - 請求項7に記載の真空装置において、
前記第二の織布は、複数枚の織布を積層した積層体である真空装置。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の真空装置において、
前記織布あるいは前記不織布は、セルロース、グラスファイバー、アルミナセラミックスファイバー、ポリテトラフルオロエチレン繊維の少なくともいずれかを含む真空装置。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載の真空装置において、
前記捕捉部は、前記繊維部材と、
前記接続部の前記気体の流路中に配置され、前記気体の流路に対向する面に開口が形成されるとともに、前記繊維部材を支持する支持体とを備える真空装置。 - 請求項10に記載の真空装置において、
前記支持体は、前記接続部の内部の形状に応じたフレームを有し、
前記繊維部材は、前記フレームに取り付けられる真空装置。 - 請求項10に記載の真空装置において、
前記支持体は、前記接続部の内部の形状に応じた形状を有し、前記気体の流路に対向する面が開口した無底の筒であり、
前記繊維部材は、前記支持体の内面を覆うように配置されている真空装置。 - 請求項11または12に記載の真空装置において、
前記繊維部材には、前記支持体から突出し、前記支持体の外側に折り返され、当該繊維部材を前記支持体に取り付けるための取り付け片が設けられている真空装置。 - 請求項13に記載の真空装置において、
前記支持体は、前記接続部の内部の形状に応じたフレームを有し、
前記繊維部材は、前記フレームに取り付けられ、
前記取り付け片は、前記フレームから突出するとともに、前記フレームの外側に折り返され、前記繊維部材の裏面に取り外し可能に固定される真空装置。
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