JP2009048051A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、転写部材が移動するベルトに安定して接触し、転写電界を安定させることを目的とする。
【解決手段】トナー像を担持する感光ドラム12と、ドラム12と接触して移動するベルト31と、ベルト31を介してドラム12と対向する転写手段100とを有する画像形成装置であって、転写手段100は、シート部材115と、ドラム12の対向位置でシート部材115をベルト31に押圧する弾性体110と、シート部材115を支持するシート支持部材114とを有し、支持部材114がシート部材115を支持する位置は弾性体110よりベルト31の移動方向上流側にあり、支持部材114がシート部材115を支持する位置はベルト31から離れており、シート部材115は支持部材114によって支持されている位置からベルト31と弾性体110との間に傾斜角を成して進入するように構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、像担持体上に担持されたトナー像を、中間転写ベルト又は転写材担持ベルトが担持する転写材に転写する画像形成装置に関する。
従来の電子写真技術として、トナー像を担持する像担持体と転写部材にニップされるベルト上に像担持体上のトナー像を転写する画像形成装置がある。また、転写材を担持するベルトが、像担持体と転写部材にニップされ、像担持体上のトナー像をベルト上の転写材に転写する画像形成装置がある。
ここで、転写部材は装置本体内で移動することなく、移動するベルトと摺擦しながら接触する例えばフィルムなどの転写部材を用いた構成を採用している画像形成装置もある(特許文献1)。
特開平09−120218号公報
しかし、ベルトと摺擦する転写部材は、回転可能な転写ローラ等と比べて、ベルトとの摩擦抵抗が大きくなる。また、面接触の転写部材は、ベルトが移動すると、ベルトとの接触が断続的なものとなり、転写電界の発生領域が不安定になる場合もある。さらに、場合によっては、転写部材が破損するようなことが起きる場合もある。
また、特許文献1に記載の技術では、フィルムのベルトへの押圧力が低いため、フィルムとベルトの接触不良に起因する転写不良が発生する問題がある。
そこで、本発明は、転写部材が移動するベルトに安定して接触し、転写電界を安定させることを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と接触して移動するベルトと、前記ベルトを介して前記像担持体と対向する転写手段と、を有する画像形成装置であって、前記転写手段は、シート部材と、前記像担持体と対向する位置において前記シート部材を前記ベルトに押圧する弾性体と、前記シート部材を支持するシート支持部材とを有し、前記シート支持部材がシート部材を支持する位置は前記弾性体より前記ベルトの移動方向上流側にあり、前記シート支持部材がシート部材を支持する位置は前記ベルトから離れており、前記シート部材は前記シート支持部材によって支持されている位置から前記ベルトと前記弾性体との間に傾斜角を成して進入するように構成されていることを特徴とする。
本発明は、転写部材が移動するベルトに安定して接触し、転写電界を安定させることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔第1実施形態〕
まず図1を用いて画像形成装置の概略構成について説明する。ここでは、画像形成装置として、複数の画像形成部を備えたカラープリンタを例示している。
図1に示す画像形成装置は、形成できるトナー像の色が異なる4つの画像形成ステーションを備えている。各画像形成ステーションには各色に対応するプロセスカートリッジ10y,10m,10c,10kがそれぞれ着脱可能に装着される。ここで、yはイエロー、mはマゼンタ、cはシアン、kはブラックの各色を示す。また画像形成装置は、画像情報に応じたレーザー光を照射可能な光学ユニット20y,20m,20c,20k、中間転写ユニット30、転写材供給ユニット40、および定着ユニット50を備えている。
各プロセスカートリッジ10y,10m,10c,10kは略同一構造である。プロセスカートリッジ10(10y,10m,10c,10k)は、それぞれ、トナー像を担持する像担持体(電子写真感光体)である感光ドラム12、帯電手段13、現像装置14及びクリーニング装置15を有する。
中間転写ユニット30は、無端状のベルトである中間転写ベルト31、および中間転写ベルト31を回転移動可能に支持する3つのローラ32,33,34を備えている。更に中間転写ユニット30は、各感光ドラム12に形成されたトナー像を中間転写ベルト31に転写する一次転写手段100(100y,100m,100c,100k)を備えている。
中間転写ベルト31は、感光ドラム12(12y,12m,12c,12k)と一次転写手段100との間を移動する。各一次転写領域において各感光ドラム12上に形成されたトナー像は各一次転写手段100によって、中間転写ベルト31上で重ね合わせるようにして順次転写される。
転写材供給ユニット40は、各給送カセット41から転写材Pを二次転写領域に搬送するピックアップローラ43、給送ローラ44、搬送ローラ45、およびレジストローラ46を備えている。
定着ユニット50は、定着ローラ51および加圧ローラ52を備え、転写材P上のトナー像に熱と圧力を加えることで転写材P上にトナー像の定着を行う。
上記構成により、まず1色目、例えばイエロー(y)のプロセスカートリッジ10yにおいて、感光ドラム12が帯電手段13によって一様に帯電される。その後、光学ユニット20yから照射されたレーザー光によって感光ドラム12y上に静電潜像が形成される。そして、前記静電潜像が現像装置14yによって現像されてトナー像が形成される。
感光ドラム12y上に形成されたトナー像は、一次転写手段100yの作用によって中間転写ベルト31上に一次転写される。一次転写が終了した感光ドラム12はクリーニング装置15によってドラム表面に残留したトナーがクリーニングされ、次の画像形成に備える。
前述したイエロー(y)と同様の画像形成工程が、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)用の各プロセスカートリッジ10m,10c,10kにおいても行われる。すなわち、各感光ドラム上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト31上に順次重ねて転写される。
一方、転写材Pは給送カセット41から転写材供給ユニット40によって二次転写領域に搬送される。二次転写領域に搬送された転写材Pには、二次転写ローラ36の作用によって中間転写ベルト31上に形成されたトナー像が転写される。トナー像を転写された転写材Pは定着ユニット50に搬送され、定着ローラ51と加圧ローラ52のニップ部にてトナー像が定着され、排出ローラ55によって排出トレイ56上に排出される。
中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31とベルト張架部材(ローラ32,33,34)、および一次転写手段100を有している。中間転写ベルト31は、前述したように各ローラ32,33,34によって張架され、駆動手段からの駆動を伝達されて回転駆動する駆動ローラ32によって回転される。一方、各プロセスカートリッジの感光ドラム12y,12m,12c,12kは、中間転写ベルト31の回転周速とほぼ等速の周速で回転される。
中間転写ベルト31の内側には、各感光ドラム12y,12m,12c,12kに対向する位置に、転写手段である一次転写手段100y,100m,100c,100kがそれぞれ配置されている。一次転写手段100(100y,100m,100c,100k)には電源が接続され、所定の電流値の転写バイアスが印加される。電源によって、転写手段100に電流が供給され、転写手段100に対向した感光ドラム12上のトナー像が中間転写ベルト31上に静電的に引き寄せられる。
ここで、転写手段である一次転写手段100の構成について説明する。一次転写手段100の詳細構成を、図2及び図3に示す。各一次転写手段100y,100m,100c,100kは略同一構造である。一次転写手段100は、それぞれ、後述するシート部材115と弾性体110とシート支持部材114とを有している。
略直方体である導電性の弾性体110は、圧縮バネ122によってシート部材115を介して中間転写ベルト31の内面に押圧されている。すなわち、弾性体110は、感光ドラム12と対向する位置においてシート部材115を中間転写ベルト31に押圧している。弾性体110の一つの面は接触面110aとして、シート部材115の裏面に接触する。シート部材115の表面と中間転写ベルト31の間の摩擦係数は、弾性体110の接触面110aと中間転写ベルト31の間の摩擦係数よりも小さくなるように設定されている。このことにより弾性体110がシート部材115と安定して接触する一方で、シート部材115と中間転写ベルト31との摺動抵抗は低くなっている。またシート部材115は導電性を有するシート材であり、電源からの転写バイアスを不図示の給電部材を用いてシート部材115に直接印加することで中間転写ベルト31へ転写バイアスが印加される構成となっている。すなわち、シート部材115は転写部材としても機能する。
シート部材115はシート支持部材114に接着されて支持されている。シート支持部材114は、シート部材115が中間転写ベルト31と弾性体110との間に傾斜角θを成して進入するように前記シート部材115を支持している。このシート支持部材114は、弾性体110より中間転写ベルト31の移動方向上流側に設けられている。シート支持部材114は板金等の剛性の高い物質で形成されると共に、弾性体110を支持する弾性体支持部材116と一体に設けられている。シート支持部材114と弾性体支持部材116は一体の部品でもよいし、別体化してビス締め等で精度良く締結された構成でもよい。シート支持部材114と弾性体支持部材116を接着することにより、シート部材の接着面(斜面部114a)と弾性体110の接触面110aとの位置が精度良く決定される。
また、シート支持部材114は、シート部材115と弾性体110の接触面110aよりベルト移動方向上流側に、中間転写ベルト31に対するシート部材115のなす角度θを0°<θ<90°とするための斜面部114aを有している。0°付近であると、シート部材115が中間転写ベルト31と接触する危険性がある。また、90°付近であるとシート部材115を略直角に折り曲げる必要が生じ、シート部材115の折り曲げ位置精度が低いと、シート部材115の表面に微小な波打ちが発生してしまう危険性がある。シート部材115の表面の波打ちは、転写不良の原因となって縦スジや白抜けといった画像不良を形成してしまう事もあるため、前述したなす角度θは30°〜60°付近が望ましい。シート部材115は、この斜面部114aに精度良く均一に接着されている。従ってシート部材115は上流側が斜面部114aへ接着されることで固定され、下流側が中間転写体31と弾性体接触面110aとで挟持されることで位置が決定される。
また、シート部材115は伸び縮みがしにくく波打ちが発生しにくい硬い材質が望ましく、中間転写ベルト31との摺擦による耐久性向上にもより高い性能を発揮する。また、耐久性向上のためにはシート部材115の表面の摩擦係数μは小さいほど良い。これにより、中間転写ベルト31の駆動トルク低減効果があるだけでなく、中間転写ベルト31とシート部材115との間にスティックスリップ等の発生を抑制するので中間転写ベルト31の搬送速度もより安定化する。
また、弾性体110の接触面110aは圧縮バネ122の押圧力にてシート部材115の裏面に倣いながら密着するように、弾性体110の硬度はシート部材115の硬度よりも小さくなっている。
シート部材115の表面の摩擦係数μは非常に小さい数値であるものの、図3に示すようにシート部材115は中間転写ベルト31からの接線力F(=μN)によって搬送方向下流側(図中の矢印A方向)に引っ張られる。このため、低硬度の弾性体110はその分力Fθによって下方向に圧縮されて変形する。図3に示すように分力Fθはシート部材115(斜面部114a)と中間転写ベルト31とのなす角度θが小さい方が小さく、90°が最大である(図4参照)。このように、シート部材115は、中間転写ベルト31と弾性体110との間の転写ニップ部に傾斜角θを成して進入するように設けられている。詳しくは前述したように、シート部材115を、なす角度θが0°<θ<90°となるシート支持部材114の斜面部114aに接着している。これにより、中間転写ベルト31から受ける接線力Fに対する分力Fθによって弾性体110が下方向に圧縮される量を抑制することができる。またこの時、図5に示すようにシート部材115が中間転写ベルト31から受ける接線力Fが長手方向に不均一な力であった場合には、分力Fθも長手方向に均一性が無くなる。このため、弾性体110の下方向への圧縮量も長手方向に不均一となって、シート部材115の表面の波打ちを増長させる危険性がある。したがってこの場合においても、斜面部114aと弾性体接触面100aとの成す角度θが小さい方がより望ましい。
シート部材115としては、体積抵抗率が1×10〜1×10(Ω・cm)で厚さが200μmの超高分子ポリエチレンを用いている。体積抵抗率の測定は、三菱油(株)製の汎用測定器Loresta・AP MCP−T400、もしくはHiresta・UP MCP−HT450を用いて測定した。
本実施例で用いたシート以外でも、ポリカーカーボネイト(PC)、PVDF、PET、ポリイミド(PI)、ポリエチレン、ポリアミド(PA)などの基材自身が導電性のシートを用いても良いし、絶縁性のシート表面に導電性材料をコートしたものを使用しても良い。
本実施例で用いたベルト31の体積抵抗率は、500V印加で1×1010(Ω・cm)で厚さ80μmのものを用いた。実施例の転写部には、約300Vの電圧を印加している。ドラムの帯電電位は−500Vで、露光部の電位は−100Vであるからドラムと、転写部の電位差は400Vから800Vであることになる。実際に流れる電流は5μA程度であるから転写部全体のインピーダンスは、8×10〜1.6×10(Ω)である。シート部材の抵抗がベルトと比較して充分に低いので、電圧を印加した時にシートで電圧降下する分は少なく、ベルトには、シート部材に印加した電圧とほぼ同じ電圧がかかることになる。
以上のように体積抵抗率の低いシート部材を用いることで、転写手段を構成するシート部材が、シート支持部材によってベルトと弾性体との間に傾斜角をなしている構成において、1次転写手段に印加される転写電圧は約300V程度の低い電圧で使用することが可能になる。
このような転写部を構成しているシート部材115にバイアスが印加しているシート支持部材114とベルト31の間にも放電が起こらないので、転写ニップ部の直前のベルトとドラムの電界も安定している。その為、飛び散り等の転写不良が発生するのを防止する機能も有する。放電が起こらないようにする手段として、ベルトの抵抗を下げることも可能であるが、ベルトの抵抗値を下げるとベルトを伝って転写電流が漏れてしまうので現実的にはできない。
一方で、低抵抗のシート部材を用いることで、シート部材115とベルト31の間に発生する静電吸着力を弱めることもでき、ベルト31を安定して回転することができる。
シート部材115とベルト31の静電吸着力Feは、シート部材と115とベルト31の間に形成される電界Eと、各々の部材に蓄えられる電荷qよって表されるFe=q×Eで簡易的に表すことができる。シート部材の抵抗が低いので、シート部材115とベルト31の間に形成される電界が低くなり、静電吸着力Feも小さくすることができる。
厚さを200μm固定で、体積抵抗率の違うシート部材115を用いて、中間転写ユニット30を駆動するのに必要なトルクを比較したところ、体積抵抗率1×10〜1×10(Ω・cm)の本実施例の場合に対して、体積抵抗率が1×10(Ω・cm)までのシート部材を用いた場合は、中間転写ユニットの駆動トルクは問題なく、安定してベルト31を回転移動することができた。また、さらに体積抵抗率が高い1×1010(Ω・cm)のシート部材を用いた場合は、シート部材115とベルト31の間にスティックスリップが発生してしまい、ベルト31を安定し回転移動することが困難であった。
以上のように、本実施例で用いた体積抵抗率のシート部材115を用いることで、さほど大きな回転駆動を必要とすることなく、安定してベルトを回転移動することができるので、安定した転写画像を得ることができる。
また本実施例では、前記シート部材115は、前記ベルト31の回転移動方向に湾曲しているものを用い。その湾曲面の突出側を前記ベルト31と接触させるようにしている。このようにすることで、確実に前記シート部材115と前記ベルト31を密着させる。
図10と図11を用いてその理由を説明する。
図10はシート部材115の湾曲した様子を説明する断面図であって、aとb2種類の湾曲した様子を示している。
図11(a)は、本実施例によるところの、湾曲したシート部材115の突出した側をベルトに接触させる場合を説明する図である。ベルト31と弾性部材110に挟まれ押圧された時の形状は、挟まれ押圧される前とほぼ同じ形状である。シート部材115が凸状に湾曲しているので、弾性部材110で確実に、ベルト搬送方向の上流からニップを確保できるので、安定した転写画質を得ることができる。
一方図11(b)は、湾曲したシート部材115の突出した側を弾性部材110側に接触させた場合の図である。本実施例でもちいたシート部材115は、ロックウエルの硬さで60〜70であって、シート部材115の剛性力がある為、ベルト31だけに弾性部材が押された場合は、115bのような形状になる。そして弾性部材110の押圧によって、シートを115の形状にするわけである。この際に弾性部材110はシートがベルトから離れようとする方向の力F115b以上が必要である為シート部材115とベルト31の接触は不安になりやすい。シート部材115が凹状に湾曲しているので、弾性部材110とシート部材115が接触する上流側のニップは不安定である。その為、縦スジや白抜けといった上流側の転写ニップが不安定なことに起因する転写不良が発生しやすい。またシート部材下流側ではシート部材とベルトが強く接触することは、接触抵抗が強くなる為ベルトを安定して回転させるのに不利である。
以上のように湾曲したシート部材115の突出した側をベルトと接触させることで、シート部材115とベルト31の接触を安定させることができる。よって、シート部材115の表面に微小な波打ちが発生してしまうのを防止でき、縦スジや白抜けといった転写不良に起因する画像不良の発生を抑制することができる。
更に、本実施形態によれば、転写手段100を構成するシート部材115が、シート支持部材114によって中間転写ベルト31と弾性体110との間の転写ニップ部に傾斜角θを成して進入するように支持されている。更にその下流側で、シート部材115は、弾性体110によって感光ドラム12との対向位置にて中間転写ベルト31に押圧されている。このため、中間転写ベルト31が回転移動しても、シート部材115は中間転写ベルト31の内面に安定して面接触される。よって、シート部材115の表面に微小な波打ちが発生してしまうのを防止でき、縦スジや白抜けといった転写不良に起因する画像不良の発生を抑制することができる。
また、前記シート部材は、前記ベルト回転移動方向の下流側が、前記シート支持部材によって伸ばして固定されていることで、さらに縦スジや白抜けといった転写不良に起因する画像不良の発生を抑制することができる。
本実施例で用いたシート部材115は、図2におけるシート支持部材114の114aで接着されている。例えば、シート支持部材114とシート部材115の熱膨張率が異なる場合、装置の設置された環境が変化した時に、シート部材とシート保持部材の膨張や収縮する量が異なる為、転写ニップ部でシート部材115が波うちが発生してしまう場合がある。例えば、シート部材115の熱膨張係数がシート支持部材114より大きい場合、高い温度の環境に装置が設置された場合は図13に示した様な波うちが発生しやすい。そこでシート部材自由長の下流側を図12(a)のようにスラスト方向でFcの力がかかるように中央部をより多く伸ばしておき、図中のCのようにする。
伸ばしている状態で固定する方法としては、シート部材115の下流側両端をFcの力で引っ張りながら、支持部材114に固定する方法や、シート部材115をシート支持部材に固定した後にシート部材を反らす方法がある。
本実施例では、図13に示した様にシート部材の下流側を伸ばしているものの、材料の熱膨張係数の関係でシート部材の方が収縮しやすいもしくは、シート支持部材の方が膨張しやすい関係にあるときは、図13(b)のようにシート部材115自由長の上流側をしても同様の効果が得られる。この場合は、シート部材115下流端の伸ばす前の形状が略直線であれば、図のDの量だけ窪むことになる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態について図6を用いて説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、以下に説明する構成以外は、第1実施形態で説明した画像形成装置と同じである。
本実施形態においては、図6に示すように、シート支持部材114に接着されたシート部材115の外側にカバー部材117が取り付けられている。カバー部材117は、シート部材115が接着されていないシート支持部材114の垂直部114bに、シート部材115を介してビス等によって固定されている。これにより、シート部材115がシート支持部材114から剥がれるのを防止できる。
カバー部材117には長手方向においてシート部材115に均一に当接する突き当てリブ117aが設けられており、この突き当てリブ117a以外の部位はシート部材115の表面に接触しないように構成されている。すなわち、カバー部材117はシート部材115とシート支持部材114の非接着面でのみシート部材115に接触するように構成されている。これにより、カバー部材117が不均一にシート部材115に接触、押圧して、シート部材115が長手方向に波打ちするのを防止できる。
また、カバー部材117の上部には電界遮蔽部117bが設けられている。電界遮蔽部117bは、前述したシート支持部材114の斜面部114aを覆うように形成されており、シート部材115には接触していない。電界遮蔽部117bは、板金等の導電体で構成されたシート支持部材114が転写ニップ部の直前に存在することで、転写電界を乱して飛び散り等の転写不良が発生するのを防止する機能を有する。
〔第3実施形態〕
第3実施形態について図7を用いて説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、以下に説明する構成以外は、第1、第2実施形態で説明した画像形成装置と同じである。
本実施形態においては、図7に示すように、弾性体支持部材116が、転写手段100を揺動可能に保持する転写部保持部材としてのホルダ部材118上に取り付けられている。ホルダ部材118には中間転写ベルト31の移動方向上流側に揺動中心となる回転軸118aが設けられている。この回転軸118aは、シート部材115の中間転写ベルト31との接触面より弾性体110側に設けられている。且つ、回転軸118aは、前記接触面より中間転写ベルト31の移動方向上流側に設けられている。
押圧部材である圧縮バネ122は、真上にある弾性体110を中間転写ベルト31へ押圧する。中間転写ベルト31が移動しない状態においては、圧縮バネ122によって弾性体110がシート部材115の裏面に直交する方向に圧縮されるだけである。
中間転写ベルト31が移動(回転)すると、図7に示すように、シート部材115と中間転写ベルト31の間に摩擦力から発生する接線力Fが生じる。回転軸118aの位置は、前述したように接触面110aから離れており、且つ中間転写ベルト31の内側であり、更に接触面110aよりも中間転写ベルト31の移動方向上流側に配置されている。したがって、シート部材115が中間転写ベルト31の移動方向の接線力Fを受けると、ホルダ部材118には、回転軸118aを中心にシート部材115及び弾性体110から成る転写手段100が中間転写ベルト31から離れる方向に移動する力が働く。これにより、シート部材115が中間転写ベルト31の移動方向に移動しようとする力が働けば働くほど、転写手段100が中間転写ベルト31から離れる方向の力Fθが作用する。そして、転写手段100が中間転写ベルト31から離れる方向の力は、弾性体110の中間転写ベルト31方向への押圧力と略反対方向の力なので、中間転写ベルト31とシート部材115との間の摩擦力軽減に繋がる。すなわち、中間転写ベルト31とシート部材115との間の摩擦力が大きくなると、その摩擦力を減らす作用が発揮される。中間転写ベルト31とシート部材115の間に生じる接線力Fにより、ホルダ部材118には回転モーメントFθが発生する。このFθは、回転軸118aを揺動中心とするホルダ部材118の図7における回転方向の力である。接線力FaとFθは比例関係にあり、中間転写ベルト31の内面の状況によって、シート部材115と中間転写ベルト31の間の接線力Fが高まるほど、Fθも高まる。そして、Fθが高まることは、接線力Fを下げることに繋がる。すなわち、ホルダ部材118には、ある程度の傾きをもって平衡状態に落ち着こうという作用が働くのである。このため、シート部材115に働く接線力Fの増大を防止することができる。
ここで、ホルダ部材118に取り付けられた弾性体支持部材116の剛性はホルダ部材118の剛性よりも強固な部材から構成されている。また、弾性体支持部材116の上面116aは精度良く平面度を管理されており、弾性体110は上面116aに接着して固定される。これにより、ホルダ部材118がネジレやたわみ等の変形を引き起こしてしまったとしても、弾性支持部材116が各感光体ドラム12の表面に中間転写ベルト31を介して倣わせることができるため、弾性体110をシート部材115に密着させることができる。
さらに、シート部材115のスラスト方向のベルト31との接触を安定させる為に、前記シート部材115と前記ベルト31が接触するスラスト方向の端部の圧を中央よりも強くすることも有効である。具体的には、弾性部材115や弾性部材115を支える弾性体支持部材116のスラスト方向の中央形状をへこませて凹の逆クラウン形状にすることが有効である。このようにすることで、シート部材とベルトは若干両端部の圧が強くなる。またスラスト方向の両端2点で積極的にベルト31とシート部材115を接触することができるようになる。
〔第4実施形態〕
第4実施形態について図8及び図9を用いて説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、以下に説明する構成以外は、第1、第2、第3実施形態で説明した画像形成装置と同じである。
本実施形態においては、図8及び図9に示すように、中間転写ベルト31を保持するフレーム部材としてのサイドフレーム120の、中間転写ベルト31の移動方向と直交する長手方向中央部に揺動支点119を設けている。そして、前記転写手段100を揺動可能に保持しているホルダ部材118は、その長手方向中央部が前記揺動支点119を中心に図9の矢印方向に揺動可能に支持されている。また、サイドフレーム120には、ホルダ部材118を長手方向(図8の矢印方向)に揺動可能とするためのガイド部120aが形成されており、ホルダ部材118の端部に設けられた揺動軸118bがガイド部120aと嵌合する構成となっている。この構成により、長手方向に均一な転写圧を付与することが可能となり、長手方向に置ける安定した転写性能を確保することが可能となる。
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、転写手段として、像担持体上のトナー像をベルト上に転写する一次転写手段を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前記ベルトが転写材を担持するベルトであって、前記転写手段が像担持体上のトナー像を前記ベルト上に担持された転写材上へ転写する転写手段であっても良い。このようなベルト及び転写手段を有する画像形成装置に本発明を適用しても同様の効果が得られる。
また前述した実施形態では、多色画像形成のために色の異なる画像形成ステーションを4つ使用した構成を例示しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
また前述した実施形態では、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとして、感光体ドラムと、該感光体ドラムに作用するプロセス手段としての帯電手段,現像手段,クリーニング手段を一体に有するプロセスカートリッジを例示した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、感光体ドラムの他に、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち、いずれか1つを一体に有するプロセスカートリッジであっても良い。
更に前述した実施形態では、感光体ドラムを含むプロセスカートリッジが画像形成装置本体に対して着脱自在な構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば各構成部材がそれぞれ組み込まれた画像形成装置、或いは各構成部材がそれぞれ着脱可能な画像形成装置であっても良い。
また前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
画像形成装置の全体構成を示す縦断面図。 第1実施形態に係る転写手段の構成を示す縦断面図。 第1実施形態に係る転写手段の圧力分布を示す図。 第1実施形態に係る転写手段の圧力分布を示すグラフ。 第1実施形態に係る転写手段の圧力分布を示す斜視図。 第2実施形態に係る転写手段の構成を示す縦断面図。 第3実施形態に係る転写手段の構成を示す縦断面図。 第4実施形態に係る転写手段の構成を示す長手正面図。 第4実施形態に係る転写手段の構成を示す縦断面図。 第1実施形態に係る転写手段のシート部材を説明する断面図。 第1実施形態に係る転写手段のシート部材を説明する断面図。 第1実施形態に係る転写手段のシート部材の様子を示す指図。 第1実施形態に係る転写手段の効果を説明する指図。
符号の説明
P …転写材
10y,10m,10c,10k …プロセスカートリッジ
12y,12m,12c,12k …感光ドラム
20y,20m,20c,20k …光学ユニット
30 …中間転写ユニット
31 …中間転写ベルト
32,33,34 …ローラ
36 …二次転写ローラ
100y,100m,100c,100k …一次転写手段
110 …弾性体
110a …接触面
114 …シート支持部材
114a …斜面部
114b …垂直部
115 …シート部材
116 …弾性体支持部材
117 …カバー部材
117a …突き当てリブ
117b …電界遮蔽部
118 …ホルダ部材
118a …回転軸
118b …揺動軸
119 …揺動支点
120 …サイドフレーム
120a …ガイド部
122 …圧縮バネ

Claims (9)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と接触して移動するベルトと、前記ベルトを介して前記像担持体と対向する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
    前記転写手段は、シート部材と、前記像担持体と対向する位置において前記シート部材を前記ベルトに押圧する弾性体と、前記シート部材を支持するシート支持部材とを有し、前記シート支持部材がシート部材を支持する位置は前記弾性体より前記ベルトの移動方向上流側にあり、前記シート支持部材がシート部材を支持する位置は前記ベルトから離れており、前記シート部材は前記シート支持部材によって支持されている位置から前記ベルトと前記弾性体との間に傾斜角を成して進入するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記シート部材は前記ベルトに向かって凸状に湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記弾性体が前記シート部材を押圧する力は、前記ベルトの移動方向に直交する方向における端部側よりも中央が強いことを特徴とする前記請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記シート支持部材は、前記シート部材と前記弾性体の接触面より前記ベルトの移動方向上流側に、前記ベルトに対する前記シート部材のなす角度θを0°<θ<90°とするための斜面部を有し、前記斜面部に前記シート部材を接着していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記シート支持部材の前記シート部材を接着している斜面部を覆う導電性のカバー部材を有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記転写手段を揺動可能に保持する転写部保持部材を有し、前記転写部保持部材の揺動中心を、前記シート部材の前記ベルトとの接触面より前記弾性体側で、且つ、前記接触面より前記ベルトの移動方向上流側に設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記ベルトを保持するフレーム部材を有し、前記フレーム部材の、前記ベルトの移動方向と直交する長手方向中央部に揺動支点を設けると共に、前記転写部保持部材が、前記揺動支点を中心に揺動可能に支持されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記転写手段は前記像担持体上のトナー像を前記ベルト上に転写することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記ベルトは転写材を担持し、前記転写手段は前記像担持体上のトナー像を、前記ベルト上に担持された転写材へ転写することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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