JP2009047952A - 画像投影用スクリーン及び三次元画像表示装置 - Google Patents

画像投影用スクリーン及び三次元画像表示装置 Download PDF

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康行 花田
Makoto Kamitsuma
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Abstract

【課題】臨場感あふれる高精度な三次元体画像を、空中に浮遊しているかのような感覚を損なわないで表示できる画像投影用スクリーンを得ることを目的とする。
【解決手段】かまぼこ状円筒レンズの複数を並置したレンチキュラーレンズアレイ10、レンチキュラーレンズアレイ10の平面側に接着され可視域において透明で剛直性を有する平面基板11、可視域において透明な所定厚さの層の複数を互いの屈折率を異ならせて積層した構造で可視光を散乱する光散乱層13、レンチキュラーレンズアレイ10のレンズ面側と光散乱層との間に、レンチキュラーレンズアレイ10の焦点距離と等しい長さの間隔を維持すべく配置され、レンチキュラーレンズアレイ10のレンズ面の谷部分に対応する領域12bでの屈折率がレンズ面の凸部分に対応する領域12aでの屈折率よりも低屈折率となるように形成されている透明なスペーサ基板12を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像の三次元表示を行う投影型の三次元画像表示装置で用いる画像投影用スクリーンに関するものである。
三次元画像情報を表示する方式としては、古くから、両眼視差を含んだステレオ画像の右側画像を右眼で見て、左側画像を左眼で見る裸眼立体視平行法や、液晶シャッタ付きのメガネを用いて、或いは右眼と左眼それぞれで違うレンズを用いて見るステレオスコープ方式、更には赤青メガネを用いて赤と青の色違いの両眼視差絵を見るアナグリフ方式などが知られている。しかし、これらの方式で三次元画像を見る場合は、特殊な訓練や特殊なメガネが必要である。
近年、液晶技術の発展により、メガネ無しで三次元表示が可能な液晶表示装置が次々と発表されている。そのほとんどは、イメージスプリッター方式のメガネ無し三次元液晶表示装置である。具体的には、このメガネ無し三次元液晶表示装置は、液晶表示パネルへの画像光路を、パララックスバリアやレンチキュラーレンズを用いて液晶パネルの水平方向に隣り合う画素を観察者の左右の眼に周期的に振り分けることで、立体感を生じさせるようにした三次元画像表示装置である。
このように、このメガネ無し三次元液晶表示装置は、水平視差のみを有する三次元画像表示装置であり、観察者の右眼位置および左眼位置に供給される画像が、パララックスバリアやレンチキュラーレンズによって水平方向の視差を含んでいるので、観察者の右眼位置及び左眼位置が水平向からずれると立体感が破綻してしまうという問題を原理的に内包している。
そのため、液晶表示パネルとパララックスバリアやレンチキュラーレンズとを組み合わせた三次元画像表示装置では、長時間、三次元動画像の立体感を保ったまま立体視を行おうとすると、空間の定位置に、右眼位置および左眼位置を固定する必要がある。
右眼位置および左眼位置の水平方向からのズレに対しては、観察者の眼の位置や顔の位置をセンサーによって特定し、その位置のズレに合わせて、画像光路を制御修正する方法も考案されている。しかし、この方法では装置が大掛かりとなり、眼の位置や顔の位置をセンシングするために、マーカーを観察者に付けなければならないという煩わしさが生じる。
観察者の眼の位置を問題にしないで画像の三次元表示を可能にする方法として、M.G.Lippmannによって1908年に提案されたインテグラルフォトグラフィ(Integral Photography)方式を発展させ、フィルムの代わりに、液晶表示パネルなどの二次元表示パネルを用い、それと、ピンホールやフライアイレンズアレイ(ハエの目レンズアレイ)とを組み合わせた三次元の表示方式が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
ところで、インテグラルフォトグラフィ方式によって滑らかな三次元画像を表示するには、1つのピンホール又は1つの凸レンズの中に異なる視差画像を配置する必要がある。例えば、水平方向および垂直方向でそれぞれ10視差の画像を表現するには、10×10で100画像が必要となる。したがって、二次元表示パネルの解像度は、三次元表示をする場合、100分の1の解像度に低下してしまうという問題がある。
このような解像度の低下を防ぐために視差画像の数を少なくする方法はあるが、視差画像の数が少なくなればなるほど、滑らかな視差の移動が無くなり、立体感が低下する。そのため、立体感と解像度とを保持して、良好な三次元画像を得るためには、高解像度の二次元表示パネルを必要とする。
最近では、液晶表示パネルやプラズマディスプレイパネルの開発が進み、大型で高解像度の二次元表示パネルが開発されているが、そのような高解像度の二次元表示パネルを用いても、以下に示すように、インテグラルフォトグラフィ方式の高画質三次元画像表示を実現することは非常に困難である。
ここで、三次元画像の表示を、縦158.4mm、横211.2mmである10.4インチの液晶表示パネルで実現する場合を例に挙げて説明する。例えば、分解能1mmつまり直径1mmのピンホール又は凸レンズのアレイを用いて、縦10視差、横10視差の三次元画像を実現しようとすると、10.4インチの液晶表示パネルの画素は、縦1584画素、横211画素が必要となり、このときの液晶表示パネルの画素ピッチは、254dpi(ドット/インチ)となる。しかし、実用化されている液晶表示パネルの最高解像度が200dpi程度であることを考慮すると、液晶表示パネルやプラズマディスプレイパネルでインテグラルフォトグラフィ方式の高画質三次元画像表示を実現することは非常に困難であると言える。
また、液晶表示パネルやプラズマディスプレイパネルをインテグラルフォトグラフィ方式の高画質三次元画像表示に使用するためには、使用する凸レンズアレイやピンホールアレイの各凸レンズ又は各ピンホールを、直接これらの二次元表示パネルの画素に対応させる配置調整をしなければならいが、実際上、困難である(例えば、特許文献3参照)。すなわち、(特許文献3)では、投影型の三次元画像表示装置として、マルチプロジェクションタイプの立体映像表示装置が開示されているが、投影画像と凸レンズアレイ又はピンホールアレイのミスマッチングにより、十分な立体映像を得るに至っていない。
そこで、本出願人は、二次元表示パネルを使用せずに、投影画像を投射するスクリーンを使用した三次元画像表示装置を先に提案した(特許文献4)。この(特許文献4)に開示されるように、先に提案した投影型の三次元画像表示装置で用いる画像投射スクリーンは、エンボス型拡散板、ホログラム拡散板、ホログラムスクリーンを用いることができる。そして、三次元画像の表示を行うために、視点の画像情報を含む要素画像が発せられるように制御結像させる手段として、ピンホールアレイや、凸レンズアレイ(レンチキュラーレンズアレイ、フライアイレンズアレイ)を用いて、これらのスクリーンに投影する視点の画像情報を含む要素画像の分解能を、自然な三次元立体画像を得るために必要な200dpi以上とすることができるようにしている。
特開2001−275134号公報 特許第3357944号公報 特開2003−279894号公報 特開2006−133455号公報
しかしながら、先に提案した画像投影用スクリーンでは、その後の検討結果、次のような問題点が見つかった。
まず、凸レンズアレイ(レンチキュラーレンズアレイ、フライアイレンズアレイ)を、PMMAやポリカーボネート等の樹脂材料で作成する場合に、その形状ゆえに、凸レンズアレイ全体が反ってしまうことがあった。凸レンズアレイ全体が反ってしまい、その寸法安定性が確保できなければ、二次元投影画像を3次元画像に変換するための高精度な位置合わせが不可能となり、高精度な三次元立体画像を再現することが不可能となる。
その解決策として、投影した画像の結像面を拡散スクリーンとして、その位置で焦点距離を合わせた凸レンズアレイの形状が保持できるように、凸レンズアレイと拡散スクリーンとを重ね、その両側から十分な厚みを有するガラス板や、PMMAやポリカーボネート等の透明樹脂板とフレームとで挟み付ける構造を採用したが、その結果、投影面周囲が鉄格子のようなフレームで覆われることになるので、三次元立体画像が空中に浮遊しているかのように見える、という感覚が著しく損なわれる表示となっていた。
また、凸レンズアレイにレンチキュラーレンズアレイを用いた場合、当該レンチキュラーレンズアレイから投影された画像に、レンチキュラーレンズ(凸レンズ)間の谷部分に沿ってホットバンドと呼ばれる輝線が生じてしまい、投影画像の質感を損なうので、レンズ焦点面に拡散スクリーン等を設置する必要があった。そのため、投影スクリーン全体の透明感が損なわれることになり、背景部が見えないという問題が生じた。
さらに、レンチキュラーレンズアレイを用いたインテグラルフォトグラフィ方式で画像を投影する場合に、レンチキュラーレンズアレイの各凸レンズにおいて、自凸レンズに対応する画像だけでなく、隣接する凸レンズに対応する画像も見えてしまう、いわゆるクロストークが発生するので、急激に画像がシフトしてしまい、三次元立体画像の臨場感が著しく損なわれるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、レンチキュラーレンズアレイを用いたインテグラルフォトグラフィ方式で画像を投影する場合に、ホットバンドおよびクロストークの発生を防止して、臨場感あふれる高精度な三次元体画像を、空中に浮遊しているかのような感覚を損なわないで表示できる画像投影用スクリーン及び三次元画像表示装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明にかかる画像投影用スクリーン及び三次元画像表示装置は、かまぼこ状円筒レンズの複数を並置したレンチキュラーレンズアレイと、前記レンチキュラーレンズアレイの平面側に接着され可視域において透明で剛直性を有する平面基板と、可視域において透明な所定厚さの層の複数を互いの屈折率を異ならせて積層した構造で可視光を散乱する光散乱層と、前記レンチキュラーレンズアレイのレンズ面側と前記光散乱層との間に、前記レンチキュラーレンズアレイの焦点距離と等しい長さの間隔を維持すべく配置される透明なスペーサ基板であって、前記レンチキュラーレンズアレイのレンズ面の谷部分に対応する第1の領域での屈折率が前記レンズ面の凸部分に対応する第2の領域での屈折率よりも低屈折率となるように形成されている透明なスペーサ基板とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、レンチキュラーレンズアレイは、剛直性を有する平面基板によって変形することなく平面配置状態を安定的に保持されているので、二次元投影画像を3次元画像に変換するための高精度な位置合わせが可能となり、高精度な三次元立体画像を再現することが可能となる。この場合に、光散乱層によって画像の質感を損なうホットバンドの発生が防止され、同時に、スペーサ基板に形成した第1の領域と第2の領域の屈折率差によって、インテグラルフォトグラフィ方式のクロストークの発生が防止される。したがって、臨場感あふれる高精度な三次元体画像を、空中に浮遊しているかのような感覚を損なわないで表示できるという効果を奏する。
以下に図面を参照して、本発明にかかる画像投影用スクリーン及び三次元画像表示装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による画像投影用スクリーンを表示部に備える投影型の三次元画像表示装置の要部である光学系の系統構成を示す図である。
図1に示す投影型の三次元画像表示装置は、光学系として、光源1と、偏光ビームスプリッタ2と、投影デバイス3と、投影レンズ4と、本実施の形態1による画像投影用スクリーン5とを備えている。
光源1が偏光ビームスプリッタ2に向けて出射する光6は、P波成分とS波成分との合成光である。この光源1としては、各色の色光を発光する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や、ハロゲンランプや有機エレクトロルミネセンス(EL:Electro−luminescence)などを用いることができる。特に、白色LEDは、ハロゲンランプの代替として最適である。
偏光ビームスプリッタ2は、光源1や投影デバイス3から入射する光のうち、P波成分を透過し、S波成分を反射する公知の光学部品である。図1に示す構成では、偏光ビームスプリッタ2は、光源1から入射する光のうち、S波成分を投影デバイス3に向けて反射する。この場合に透過するP波成分は不要光である。また、偏光ビームスプリッタ2は、投影デバイス3から入射する光のうち、P波成分を投影レンズ4に向けて透過し、S波成分を光源1に向けて反射するようになっている。
投影デバイス3は、図示しない制御装置の制御下に、その制御装置から与えられる投影画像情報7の投影形態を制御して、偏光ビームスプリッタ2を介して画像投影用スクリーン5に向けて出射する投影部である。この投影デバイス3としては、例えば、日本ビクター株式会社製のD−ILA(Direct Drive Image Light Amplifier)や、日立製作所製のLSM18HDA01B1パネルなどが使用できる。
なお、図示を省略した制御装置は、投影デバイス3の投影動作を管理する管理部、被写体像を撮影するカメラを備えた画像入力部、画像入力部から受け取ったカメラ撮影像を三次元画像情報に変換する演算部、その変換した三次元画像情報を投影画像情報7として投影デバイス3に出力する投影画像出力部などを備えている。
図2は、図1に示す画像投影用スクリーンの構成を説明する図である。図1および図2において、画像投影用スクリーン5は、レンチキュラーレンズアレイ10と、平板基板11と、スペーサ基板12と、光散乱層13とで構成されている。
レンチキュラーレンズアレイ10は、かまぼこ状円筒レンズであるレンチキュラーレンズの多数個をシート基板上に並置した構成であり、背面側の平坦面が焦点面である。このレンチキュラーレンズアレイ10は、PMMAやポリカーボネート等の樹脂材料を用いてシート状基板上に作成することができる。このレンチキュラーレンズアレイ10の平面側に、平板基板11が接着され、レンズ曲面側に、スペーサ基板12を介して光散乱層13が配置されている。
平板基板11は、可視域において透明で、かつ曲げ弾性率が2Gpa以上の剛直性を有する所定厚さの平板な基板である。この平板基板11は、一般的に用いられる光学的に透明な樹脂材料、例えば、ポリメチルメタクリレートや、ポリカーボネート、ポリオレフィン、透明ABSなどを用いて作成することができる。また、この平板基板11は、ガラスを用いて作成することができる。平板基板11の屈折率は、レンチキュラーレンズアレイ10の屈折率よりも低くなっている。
ポリメチルメタクリレートや、ポリカーボネート、ポリオレフィン、透明ABSなどの樹脂材料による成形体の曲げ弾性率は、概ね2Gpa以上である。したがって、これらの材料で作成された平板基板11に、レンチキュラーレンズアレイ10の平面側を貼り付ければ、レンチキュラーレンズアレイ10が撓むことがないので、レンチキュラーレンズアレイ10の配置面形状を変形の無い状態で平板基板11上に保持することができる。
また、ガラス材料は、一般的に70Gpa以上の曲げ弾性率を有しているので、光学的に透明で、かつ剛直性を提供することを目的とする平板基板11の材料として最も相応しいと言える。
スペーサ基板12は、レンチキュラーレンズアレイ10の焦点距離と等しい長さの厚みを有し可視域において透明な基板であり、一方の板面がレンチキュラーレンズアレイ10のレンズ面側に接着され、他方の板面が光散乱層13に接着されている。接着する手段としては、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系等に代表される光学的に透明な接着剤を用いるもよく、また光学的に透明な両面テープのような接着媒体を用いてもよい。
スペーサ基板12は、図2に詳示するように、レンチキュラーレンズアレイ10のレンズ面の凸部分に対応する領域12aと谷部分に対応する領域12bとで構成されている。そして、凸部分に対応する領域12aの屈折率は、谷部分に対応する領域12bよりも大きいが、レンチキュラーレンズアレイ10の屈折率よりも低くなっている。
具体的には、凸部分に対応する領域12aでは、ほぼ一様の屈折率であるが、谷部分に対応する領域12bでは、屈折率が凸部分に対応する領域12aよりも低い低屈折率層12cで形成されている。低屈折率層12cは、図2では、その層面をスペーサ基板12の板面に平行にしてスペーサ基板12の厚み方向に積層した構造を示してあるが、その層面をレンチキュラーレンズの長手方向に垂直にして谷部分の全長に渡って並べる構造でもよい。
スペーサ基板12をこのような構造にしたのは、隣接凸レンズへの入射を防いでクロストーク発生の防止を図るためである。凸部分に対応する領域12aと、谷部分に対応する領域12bとの屈折率の関係が上記の通りであれば、凸部分に対応する領域12aと谷部分に対応する領域12bとの屈折率差が大きいほど、凸部分に対応する領域12aから谷部分に対応する領域12bとの接合面に対してより小さい角度で入射する光線に対しても全反射を起こし易くなるので、クロストークを防ぐことが容易になる。
このスペーサ基板12は、ガラス材料、PMMA、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の可視光において透明な特性を持つ材料を組み合わせることで作成することができる。そして、谷部分に対応する領域12bに積層形成する低屈折率層12cの屈折率を低下させる方法としては、(1)フッ素原子を含むガラス材料を用いる方法、(2)エポキシ系、アクリル系、シリコーン系等に代表される様な光学的に透明な樹脂材料の分子構造中に、分子屈折の小さな原子団を導入した材料を用いる方法、(3)前記の光学的に透明な樹脂材料に、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等のナノメートルオーダーの微粒子を分散することで形成した低い屈折率を持つ材料を用いる方法、などを挙げることができる。
光散乱層13は、可視域において透明な所定厚さ(0.1μm〜100μm)の層の複数を互いの屈折率を異ならせて、その層面をレンチキュラーレンズアレイ10の配置面に平行にして積層した構造、または、その層面をレンチキュラーレンズの長手方向に垂直にしてその長手方向全長に渡って並べた構造である。光散乱層13の屈折率は、レンチキュラーレンズアレイ10の屈折率よりも低くなっている。この構造によれば、各層でのミクロな屈折現象の集合として、マクロ的には、入射された光線を散乱ないしは透過する機能が実現できる。
すなわち、この光散乱層13は、特定の方向からの光線のみを散乱し、それ以外の方向からの光線に対しては殆ど透明となる光学異方性を有するので、レンチキュラーレンズアレイ10を用いる場合に生ずるホットバンドを打ち消すことができる。
そして、特定の波長や特定の方向からの光線に対して選択的に透過ないしは散乱する機能を、隣接層間の屈折率差、各層の厚さ、積層数のバリエーションによって所望の状態に設定することができる。
なお、この光散乱層13は、ガラス材料、PMMA、ポリカーボネート、エポキシ樹脂などの可視光に対して透明な特性を有する材料を組み合わせて作成することができる。
以下、動作について説明する。まず、図3を参照して、図1に示した投影型の三次元画像表示装置の画像表示動作について説明する。なお、図3は、インテグラルフォトグラフィ方式の原理を説明する図である。
図3において、M.G.Lippmannによって1908年に提案されたインテグラルフォトグラフィ方式では、フライアイレンズアレイ22を用いる。フライアイレンズアレイ22は、ハエの複眼のように、多数の小さな1つの凸レンズ23をシート基板上に配置したものである。
このフライアイレンズアレイ22の平面側に形成される焦点位置に図示しないフィルムを配置し、フライアイレンズアレイ22のレンズ面側から被写体光を露光することで、そのフィルムに1つの凸レンズ23毎の小さな被写体像(図示例では再生画素画像20)を記録する。
そして、現像したフィルムを、再び、フライアイレンズアレイ22の焦点位置に配置して背面から光を照射し、フライアイレンズアレイ22を通して観察することで、フィルムに記録した1つの凸レンズ23毎の小さな被写体像から立体画像(図示例では三次元再生画像27)を再生するという方式である。
つまり、図3に示すように、フライアイレンズアレイ22のレンズ面側に表示素子21を配置し、この表示素子21に、1つの凸レンズ23毎に対応させた再生要素画像20を表示させ、それをフライアイレンズアレイ22の平面側から観察する。そうすると、表示素子21に表示させた再生要素画像20の光路は、各1つの凸レンズ23を介して元の画像表面の画素位置に対応する結像点24に集合し、そこから光線25のように発散する経路を取り、観察者の瞳26に入射するので、立体感の有る三次元再生画像27が再生される。
この場合、結像点24は、空間に浮かんだ状態で存在するので、観察者は、見る角度を変えても、眼の位置を変えても、立体感の有る三次元再生画像27を安定して見ることができる。
以上が(特許文献1,2)に開示されるインテグラルフォトグラフィ方式を発展させた内容であるが、この構成では、前記したように、最高解像度を200dpi以上にすることができないので、高画質の三次元画像表示を実現するのが困難であり、また表示素子21に表示させる再生要素画像20を1つの凸レンズ23毎に正確に対応させることが困難である。
そこで、図1に示した投影型の三次元画像表示装置では、表示素子21に表示させる1つの凸レンズ23毎に対応させた再生要素画像20を、投影デバイス3から画像投影用スクリーン5に投射するように構成し、画像投影用スクリーン5の上記した構成によって、投影デバイス3が投影する三次元立体画像を、立体感の有る三次元再生画像27と同様の臨場感あふれる高精度な三次元映像8として、空中に浮遊しているかのような感覚を損なわないで表示できるようにしてある。
さて、図1において、光源1の射出光6は、偏光ビームスプリッタ2に入射すると、そのS波成分が界面2aで反射して、投影デバイス3に入射する。投影デバイス3に入射したS波成分は、投影デバイス3の内部で、図示しない制御装置から与えられる投影画像情報7に従って変調され、投影デバイス3から偏光ビームスプリッタ2に向けて射出される。
この場合、投影デバイス3において変調を受けて投影画像情報7が付加されたS波成分は、変調の度合いに応じてP波成分を含んだ光に変換されるが、投影デバイス3において変調を受けないS波成分は、そのS波成分のままである。
その結果、投影デバイス3から偏光ビームスプリッタ2に向けて射出される光線のうち、投影画像情報7が付加されたP波成分は、偏光ビームスプリッタ2の界面2aを透過し、投射レンズ4にて画像投影用スクリーン5の光散乱層13に投影画像として結像される。レンチキュラーレンズアレイ10の焦点距離と同じ長さ位置に在る光散乱層13に結像された投影画像は、インテグラルフォトグラフィ方式のレイトレイス画像となっているので、レンチキュラーレンズアレイ10、平面基板11を通して空間に三次元映像8を結像することができる。
一方、投影デバイス3から偏光ビームスプリッタ2に向けて射出される光線のうち投影画像情報7が付加されず、偏光ビームスプリッタ2から入射したS偏光成分のままである光線は、偏光ビームスプリッタ2の界面2aで反射して光源1に戻る経路を取るので、三次元映像8においては、対応する画像部分が「黒」の状態で表示される。
ここで、画像投影用スクリーン5のレンチキュラーレンズアレイ10における各1つの凸レンズ23は、直径が1.5mmのものを使用したところ、画像投影用スクリーン5に投射され、結像された三次元映像8の解像度は200dpiであった。これを、図3を参照して言えば、1つの凸レンズ23に対応する再生要素画像20は、10×10ピクセルの画像で構成されたことを示す。このように、水平方向および垂直方向の視差数がそれぞれ10視野の滑らかな三次元立体画像を再生することができる。
そして、結像された投影画像の解像度が200dpi以下になると、前記したように自然な立体再生画像を得ることが難しくなる。しかし、画像投影用スクリーン5で用いるレンチキュラーレンズアレイ10における各1つの凸レンズ23は、直径が1.5mm以下のものを作成することができるので、投影デバイス3や図示しない制御装置でのデータ処理時間とのトレードオフになるが、レンチキュラーレンズアレイ10における各1つの凸レンズ23は、直径が1.5mm以下のものを使用し、200〜700dpiの解像度の再生要素画像20を再生するようにすれば、できるだけ自然な三次元立体画像を得ることが可能になる。
次に、図4を参照して、画像投影用スクリーン5のレンチキュラーレンズアレイ10を用いた場合に問題になるホットバンドおよびクロストークの防止動作について説明する。なお、図4は、図1に示す画像投影用スクリーンの動作を説明する図である。
図4において、光散乱層13に対して鉛直線上付近に沿って投射される光線30,31は、光散乱層13において散乱されてスペーサ基板12内に入射する。図4では、スペーサ基板12内に入射する散乱光として、左側に傾いた角度で入射する散乱光aと、鉛直線上付近に沿って入射する散乱光bと、右側に傾いた角度で入射する散乱光cとが示されている。
光線30のように、光線がレンチキュラーレンズアレイ10のレンズ面の1つの凸部分に対応する領域12aの中央付近に入射する場合は、光散乱層13において散乱されてスペーサ基板12内に入射する散乱光a,b,cのいずれも谷部分に対応する領域12bに入射せず、光線30が入射した凸部分に対応する領域12aに対応する1つの凸レンズ23に入射し、その対応する1つの凸レンズ23から光線30a,30b,30cとして射出される。
つまり、或る凸部分に対応する領域12aへの入射光線が、光散乱層13による散乱光a,b,cの全てが谷部分に対応する領域12bに入射しない状況を作る入射光線30の場合は、或る凸部分に対応する領域12aに入射した光線が、その凸部分に対応する領域12aに対応する1つの凸レンズ23に隣接する凸レンズから射出されるクロストークの問題は生じない。
一方、光線31のように、光線がレンチキュラーレンズアレイ10のレンズ面の1つの凸部分に対応する領域12aの中央付近から外れて谷部分に対応する領域12bの近くに入射する場合は、図示例で言えば、光散乱層13において散乱されてスペーサ基板12内に入射する散乱光a,b,cのうち、散乱光a,bは対応する1つの凸レンズ23に入射し、その対応する1つの凸レンズ23から光線31a,31bとして射出されるが、散乱光cは、谷部分に対応する領域12bに入射する。
この場合、低屈折率層12cを設けずに、谷部分に対応する領域12bの屈折率が凸部分に対応する領域12a側と同じであると、谷部分に対応する領域12bに入射する散乱光cは、隣りの凸レンズから光線31c’として射出されるので、クロストークの原因となるが、低屈折率層12cを設けてあるので、谷部分に対応する領域12bに入射する散乱光cは、谷部分に対応する領域12bへの入射角と、低屈折率層12cと凸部分に対応する領域12aとの屈折率差とに応じて全反射を起こし、谷部分に対応する領域12bに入射する散乱光cの光路が、光線31が入射した凸部分に対応する領域12a側に引き戻される。これによって、散乱光cは、隣りの凸レンズから光線31c’として射出されず、光線31a,31bを射出した対応する1つの凸レンズ23から光線31cとして射出される。
このように、或る凸部分に対応する領域12aへの入射光線が、光散乱層13による散乱光a,b,cの一部が谷部分に対応する領域12bに入射する状況を作る入射光線31の場合は、或る凸部分に対応する領域12aに入射した光線が、その凸部分に対応する領域12aに対応する1つの凸レンズ23に隣接する凸レンズから射出されるクロストークの発生が防止される。
以上のように、本実施の形態1によれば、透明な画像投影用スクリーン5では、レンチキュラーレンズアレイ10の焦点位置に光散乱層13を配置し、特定の波長光、特定の方向から光線を選択的に透過、散乱するようにしたので、レンチキュラーレンズアレイ10を用いた場合に画像の質感を損なわせるホットバンドの発生を防止することができる。
また、透明な画像投影用スクリーン5では、レンチキュラーレンズアレイ10と光散乱層13との配置間隔をレンチキュラーレンズアレイ10の焦点距離と同じ長さに維持すべく配置するスペーサ基板12を、レンチキュラーレンズアレイ10の凸部分に対応する領域12aと、谷部分に対応する領域12bとで、屈折率が、「凸部分に対応する領域12a」>「谷部分に対応する領域12b」の関係となる構造に形成してあるので、レンチキュラーレンズアレイ10を使用した場合に、或る凸レンズにおいて、自凸レンズに対応する画像だけでなく、隣りの凸レンズに対応する画像も見えてしまい、三次元立体画像の臨場感を著しく損なうクロストークの発生を防止することができる。
そして、レンチキュラーレンズアレイ10は、透明で剛直性を有する平面基板11に接着固定してあるので、レンチキュラーレンズアレイ10は撓むことなく、安定的に平面上に配置される。したがって、二次元画像を三次元画像に変換するための高精度な位置合わせが可能になり、高精度な三次元の再現が行えるようになる。
したがって、本実施の形態1による画像投影用スクリーン5を表示部に備える図1に示す投影型の三次元画像表示装置では、投影デバイス3が投影する三次元立体画像を、臨場感あふれる高精度な三次元映像8として、空中に浮遊しているかのような感覚を損なわないで表示できるようになる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2による画像投影用スクリーンの構成を説明する図である。なお、図5では、図1、図2(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図5に示すように、本実施の形態2による画像投影用スクリーン35は、図1、図2(実施の形態1)に示した構成において、スペーサ基板12に代えてスペーサ基板36が設けられている。
スペーサ基板36は、スペーサ基板12と同様に、可視域において透明で、レンチキュラーレンズアレイ10と光散乱層13との配置間隔をレンチキュラーレンズアレイ10の焦点距離と同じ長さに維持すべく配置してあるが、屈折率の態様がスペーサ基板12とは異なっている。すなわち、本実施の形態2によるスペーサ基板36の屈折率は、全体がほぼ一様にレンチキュラーレンズアレイ10の屈折率よりも低い所定の屈折率になっている。
そして、本実施の形態2による画像投影用スクリーン35は、平板基板11の外面(光線出射側)および光散乱層13の外面(光線入射側)に、円偏光フィルタ37a,37bがそれぞれ設けられている。
平板基板11の外面(光線出射側)に配置される円偏光フィルタ37aは、右旋回コレステリック液晶材料38aと左旋回コレステリック液晶材料39aとが、レンチキュラーレンズアレイ10のレンズピッチと1対1に対応する形態で、交互に配置される構成である。
また、光散乱層13の外面(光線入射側)に配置される円偏光フィルタ37bは、右旋回コレステリック液晶材料38bと左旋回コレステリック液晶材料39bとが、右旋回コレステリック液晶材料38aと左旋回コレステリック液晶材料39aと1対1の関係で、レンチキュラーレンズアレイ10のレンズピッチと1対1に対応する形態で、かつ、円偏光フィルタ37aと1対1に対応する形態で、交互に配置される構成である。
右旋回コレステリック液晶材料38a,38bおよび左旋回コレステリック液晶材料39a,39bの長さは、それぞれ、レンズピッチの幅と同じ長さである。
この円偏光フィルタ37a,37bの構成によれば、レンズピッチ毎に、右旋回もしくは左旋回のどちらかの偏光成分だけが透過するものになるが、隣接するレンズピッチ間では、互いに逆の偏光成分だけを透過する。そして、隣接するレンズピッチ間での透過特性は、光線入射側(光拡散層13側)と光線出射側(平板基板11側)とで、1対1の関係になっている。
したがって、或るレンズピッチから、隣りのレンズピッチから入射した光線も出射されるというクロストークの発生を防止することができる。以下、図6を参照して具体的に説明する。なお、図6は、図5に示す画像投影用スクリーンの動作を説明する図である。
図6では、右旋回コレステリック液晶材料38bに対して鉛直線上付近に沿って投射される光線45に対する光路軌跡と、左旋回コレステリック液晶材料39bに対して鉛直線上付近に沿って投射される光線46に対する光路軌跡とが示されている。それぞれ、光散乱層13において散乱されてスペーサ基板36内に入射する。図6では、スペーサ基板36内に入射する散乱光として、左側に傾いた角度で入射する散乱光aと、鉛直線上付近に沿って入射する散乱光bと、右側に傾いた角度で入射する散乱光cとが示されている。
図6において、或るレンズピッチに対応する右旋回コレステリック液晶材料38bに対して鉛直線上付近に沿って投射される光線45は、その右旋回波成分が光散乱層13において散乱されてスペーサ基板36内に入射する。スペーサ基板36内に入射する散乱光a,b,cのうち、散乱光a,bは対応する1つの凸レンズ23に入射し、散乱光cは隣りの凸レンズに入射する。
対応する1つの凸レンズ23の出射端側には右旋回コレステリック液晶材料38aが設けられているので、光線45の右旋回波成分である散乱光a,bは、その右旋回コレステリック液晶材料38aを通過でき、光線45a,45bが、対応する1つの凸レンズ23からの出射光として出射される。
一方、隣りの凸レンズの出射端側には左旋回コレステリック液晶材料39aが設けられているので、光線45の右旋回波成分である散乱光cは、隣りの凸レンズから光線45cとして射出されるが、当該隣りの凸レンズに対応する左旋回コレステリック液晶材料39aを通過できず、光線45cが、当該隣りの凸レンズからの出射光として出射されない。
また、或るレンズピッチに対応する左旋回コレステリック液晶材料39bに対して鉛直線上付近に沿って投射される光線46は、その左旋回波成分が光散乱層13において散乱されてスペーサ基板36内に入射する。スペーサ基板36内に入射する散乱光a,b,cのうち、散乱光a,bは対応する1つの凸レンズ23に入射し、散乱光cは隣りの凸レンズに入射する。
対応する1つの凸レンズ23の出射端側には左旋回コレステリック液晶材料39aが設けられているので、光線46の左旋回波成分である散乱光a,bは、その左旋回コレステリック液晶材料39aを通過でき、光線46a,46bが、対応する1つの凸レンズ23からの出射光として出射される。
一方、隣りの凸レンズの出射端側には右旋回コレステリック液晶材料38aが設けられているので、光線46の右旋回波成分である散乱光cは、隣りの凸レンズから光線46cとして射出されるが、当該隣りの凸レンズに対応する右旋回コレステリック液晶材料38aを通過できず、光線46cが、当該隣りの凸レンズからの出射光として出射されない。
このように、或る1つの凸レンズ23において、隣りの凸レンズに対応する画像が見えてしまうというクロストークの発生が防止される。
以上のように、本実施の形態2によれば、透明な画像投影用スクリーン35では、レンチキュラーレンズアレイ10と光散乱層13との配置間隔をレンチキュラーレンズアレイ10の焦点距離と同じ長さに維持すべく配置するスペーサ基板36をほぼ一様な屈折率の可視域において透明の材料で構成し、当該画像投影用スクリーン35の出射側および入射側に、右旋回コレステリック液晶材料38a,38bと左旋回コレステリック液晶材料39a,39bとが、レンチキュラーレンズアレイ10のレンズピッチに対応する形態で交互に配置される円偏光フィルタ37a,37bをそれぞれ設けたので、レンチキュラーレンズアレイ10を使用した場合に、或る1つの凸レンズ23において、自凸レンズに対応する画像だけでなく、隣りの凸レンズに対応する画像も見えてしまい、三次元立体画像の臨場感を著しく損なうクロストークの発生を防止することができる。
そして、光散乱層13が、実施の形態1にて説明したようにホットバンドの発生を防止する作用を営み、平面基板11が、実施の形態1にて説明したようにレンチキュラーレンズアレイ10を変形させることなく平面上に安定的に配置できる。
したがって、本実施の形態2による画像投影用スクリーン35を表示部に備える図1に示す投影型の三次元画像表示装置では、投影デバイス3が投影する三次元立体画像を、臨場感あふれる高精度な三次元映像8として、空中に浮遊しているかのような感覚を損なわないで表示できるようになる。
そして、実施の形態1,2による画像投影用スクリーン5,35を表示部に備える図1に示す投影型の三次元画像表示装置では、画像投影用スクリーン5,35に20°以上の仰角を与え、この20°以上の仰角を与えた画像投影用スクリーン5,35に対する投影デバイス3の投射角を垂直線から±15°以内に設定することができる。
なお、実施の形態1,2において、レンチキュラーレンズアレイ10のレンズ面とスペーサ基板5,36との間、または、レンチキュラーレンズアレイ10の平面側と平面基板11との間には、反射防止膜を介在させてもよい。
また、実施の形態2において、円偏光フィルタ37a,37bは、それぞれ、反射防止膜で被覆してもよい。
以上のように、本発明にかかる画像投影用スクリーン及び三次元画像表示装置は、レンチキュラーレンズアレイを使用して臨場感あふれる高精度な三次元体画像を、空中に浮遊しているかのような感覚を損なわないで表示するのに有用であり、特に、映像技術分野、アミューズメント分野、エンターテイメント分野、インターネット分野、情報分野、マルチメディア分野、コミュニケーション分野、広告・宣伝分野、医療分野、芸術分野、教育分野、設計支援分野、シミュレーション分野、バーチャルリアリティ分野、などで使われる三次元表示、立体像再生装置の表示部で使用するのに適している。
本発明の実施の形態1による画像投影用スクリーンを表示部に備える投影型の三次元画像表示装置の要部である光学系の系統構成を示す図 図1に示す画像投影用スクリーンの構成を説明する図 インテグラルフォトグラフィ方式の原理を説明する図 図1に示す画像投影用スクリーンの動作を説明する図 本発明の実施の形態2による画像投影用スクリーンの構成を説明する図 図5に示す画像投影用スクリーンの動作を説明する図
符号の説明
1 光源
2 偏光ビームスプリッタ
3 投影デバイス
4 投影レンズ
5 画像投影用スクリーン
6 出射光
7 投影画像情報
8 三次元映像
10 レンチキュラーレンズアレイ
11 平板基板
12 スペーサ基板
12a 凸部分に対応する領域
12b 谷部分に対応する領域
12c 低屈折率層
13 光散乱層
20 再生画素画像
21 表示素子
22 フライアイレンズアレイ
23 1つの凸レンズ
24 結像点
25 光線
26 観察者の瞳
27 三次元再生画像
30 凸部分に対応する領域12aへの入射光線
31 凸部分に対応する領域12aへの入射光線
35 画像投影用スクリーン
36 スペーサ基板
37a,37b 円偏光フィルタ
38a,38b 右旋回コレステリック液晶材料
39a,39b 左旋回コレステリック液晶材料

Claims (18)

  1. かまぼこ状円筒レンズの複数を並置したレンチキュラーレンズアレイと、
    前記レンチキュラーレンズアレイの平面側に接着され可視域において透明で剛直性を有する平面基板と、
    可視域において透明な所定厚さの層の複数を互いの屈折率を異ならせて積層した構造で可視光を散乱する光散乱層と、
    前記レンチキュラーレンズアレイのレンズ面側と前記光散乱層との間に、前記レンチキュラーレンズアレイの焦点距離と等しい長さの間隔を維持すべく配置される透明なスペーサ基板であって、前記レンチキュラーレンズアレイのレンズ面の谷部分に対応する第1の領域での屈折率が前記レンズ面の凸部分に対応する第2の領域での屈折率よりも低屈折率となるように形成されている透明なスペーサ基板と、
    を備えていることを特徴とする画像投影用スクリーン。
  2. かまぼこ状円筒レンズの複数を並置したレンチキュラーレンズアレイと、
    一方の板面が前記レンチキュラーレンズアレイの平面側に接着され、可視域において透明で剛直性を有する平面基板と、
    前記レンチキュラーレンズアレイの焦点距離と等しい長さの厚さを有し、一方の板面が前記レンチキュラーレンズアレイのレンズ面に接着される透明なスペーサ基板と、
    可視域において透明な所定厚さの層の複数を互いの屈折率を異ならせて積層した構造で可視光を散乱する光散乱層であって、一方の端面が前記スペーサ基板の他方の板面に接着される光散乱層と、
    前記平面基板の他方の板面に、前記レンチキュラーレンズアレイのレンズピッチ幅と同じ長さを有する右旋回波フィルタおよび左旋回波フィルタが前記レンチキュラーレンズアレイのレンズピッチの態様と1対1の関係で交互に配置される第1の円偏光フィルタと、
    前記光散乱層の他方の端面に、前記レンチキュラーレンズアレイのレンズピッチ幅と同じ長さを有する右旋回波フィルタおよび左旋回波フィルタが前記レンチキュラーレンズアレイのレンズピッチの態様と1対1の関係で、かつ前記第1の円偏光フィルタとも1対1の関係で交互に配置される第2の円偏光フィルタと、
    を備えていることを特徴とする画像投影用スクリーン。
  3. 前記平面基板の屈折率は、前記レンチキュラーレンズアレイの屈折率よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の画像投影用スクリーン。
  4. 前記スペーサ基板における前記第2の領域での屈折率は、前記レンチキュラーレンズアレイの屈折率よりも低く、前記スペーサ基板における前記第1の領域での低屈折率は、屈折率の異なる複数層を、その層面を当該スペーサ基板の板面に平行にして当該スペーサ基板の厚さ方向に積み重ねる、または、その層面をかまぼこ状円筒レンズ長手方向に垂直にして前記谷部分の全長に渡って並べることで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像投影用スクリーン。
  5. 前記スペーサ基板の屈折率は、前記レンチキュラーレンズアレイの屈折率よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の画像投影用スクリーン。
  6. 前記光散乱層の屈折率は、前記レンチキュラーレンズアレイの屈折率よりも低く、屈折率の異なる複数層を、その層面を前記レンチキュラーレンズアレイの配置面に平行にして積み重ねる、または、その層面をかまぼこ状円筒レンズの長手方向に垂直にしてその長手方向全長に渡って並べることで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像投影用スクリーン。
  7. 前記レンチキュラーレンズアレイのレンズ面と前記スペーサ基板との間、または、前記レンチキュラーレンズアレイの平面側と前記平面基板との間には、反射防止膜が介在していることを特徴とする請求項1または2に記載の画像投影用スクリーン。
  8. 前記レンチキュラーレンズアレイと、前記平面基板と、前記スペーサ基板における前記第1の領域と、前記光散乱層とは、それぞれ、可視域において透明なガラスまたは樹脂材料を用いて形成され、前記スペーサ基板における前記第2の領域は、可視域において透明なガラスまたは樹脂材料もしくはセラミック材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像投影用スクリーン。
  9. 前記レンチキュラーレンズアレイと、前記平面基板と、前記スペーサ基板と、前記光散乱層とは、それぞれ、可視域において透明なガラスまたは樹脂材料もしくはセラミック材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像投影用スクリーン。
  10. 前記第1および第2の円偏光フィルタにおける右旋回波フィルタおよび左旋回波フィルタは、ぞれぞれ、可視光域において円偏光の選択透過性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像投影用スクリーン。
  11. 前記可視光域において円偏光の選択透過性を有する材料は、コレステリック液晶材料であることを特徴とする請求項10に記載の画像投影用スクリーン。
  12. 前記第1および第2の円偏光フィルタは、それぞれ、反射防止膜で被覆されていることを特徴とする請求項2に記載の画像投影用スクリーン。
  13. 前記反射防止膜の屈折率は、前記第1および第2の円偏光フィルタの屈折率よりも低いことを特徴とする請求項12に記載の画像投影用スクリーン。
  14. 前記第1および第2の円偏光フィルタの屈折率は、それぞれ、前記レンチキュラーレンズアレイの屈折率よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の画像投影用スクリーン。
  15. 前記第1および第2の円偏光フィルタの屈折率は、それぞれ、前記スペーサ基板の屈折率よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の画像投影用スクリーン。
  16. 前記第1および第2の円偏光フィルタの屈折率は、それぞれ、前記光散乱層の屈折率よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の画像投影用スクリーン。
  17. 像を撮影するカメラを備える画像入力部と、前記画像入力部が出力する撮影された像を三次元画像情報に変換する演算部と、前記演算部にて変換された三次元画像を投影画像として射出する投影部と、前記投影部が射出する投影画像を三次元画像として表示する表示部とを投影型の三次元画像表示装置において、
    前記表示部は、請求項1〜16のいずれか一つに記載の画像投影用スクリーンを備えている、
    ことを特徴とする三次元画像表示装置。
  18. 前記画像投影用スクリーンは、20°以上の仰角が与えられ、前記投影部は、20°以上の仰角が与えられた前記画像投影用スクリーンに対して垂直線から±15°以内の投射角で前記投影画像を射出するように設定されていることを特徴とする請求項17に記載の三次元画像表示装置。
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