JP2009047685A - 光弾性測定方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の層からなる透過性を有する測定対象物から、所定層に作用している主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを高速、かつ、精度よく求めることのできる光弾性測定方法およびこれを用いた装置を提供する。
【解決手段】水晶8で所定の回転角を与えた偏光を測定対象物Wに照射し、反射して戻る反射光に光弾性変調器7で変調をかけ、BDP6で初期光である第1偏光Aと弾性信号を含む第2偏光Bとに分離する。この第2偏光Bを回折格子18で分光し、1次元の第1ラインセンサ20で検出する。検出したスペクトル信号から交流成分のみ抽出して複屈折の変化量を求め、その分布から主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶パネルやプラズマディスプレイパネルなどのような透過性を有する測定対象物に作用する応力や歪みなどを測定するための光弾性測定方法およびその装置に係り、特に、微小間隙をおいて配備された少なくとも2枚の貼り合せ基板のそれぞれの基板に作用している主応力の差とその方向および当該主応力が圧縮であるか引っ張りであるかを精度よく測定する技術に関する。
ガラス基板のような透過性を有する測定対象物に作用している応力を求める方法として、次のような方法が知られている。第1の方法として、平坦なテーブルに平面保持された測定対象物に光を照射し、測定対象物の表面および裏面から反射して戻る反射光を測定し、その反射光の変化から測定対象物に作用している主応力の差とその方向を求めている。また、第2の方法として、測定対象物に向けて照射した光のうち、測定対象物を透過した透過光の変化から測定対象物に作用している主応力の差とその方向を求めている(非特許文献1参照)。
また、共焦点方式で、かつ反射方式の光学系が提案されている(非特許文献2)。
最新 応力・ひずみ測定・評価技術(第49頁−第66頁) 監修:河田幸三 発行:株式会社 総合技術センター 2003年度博士論文 反射型レーザ光弾性実験装置の開発と皮膜の応力評価への応用 東京電機大学大学院研究科・機械システム工学専攻博士課程 島 靖郁
しかしながら、従来の各方法では次のような問題がある。
第1の方法では、1枚の透過性を有する測定対象物である基板に対しては、有効に機能するが、光学特性、特に屈折率の異なる複数の素材が積層された基板、特に微小間隙をおいて配備された2枚の貼り合せ基板について主応力の差とその方向などを測定する場合、2枚の基板のいずれの基板に、または両方の基板に作用する主応力の差とその方向を精度よく求めることができないといった問題がある。
すなわち、上記貼り合せ基板について、2枚の基板のいずれの基板、または両方の基板に作用する主応力の差とその方向を測定するために第1の方法を適用した場合、貼り合せ基板から反射して戻る反射光は、各基板の表面および裏面から戻るものが全て合成される。そのため、主応力の差とその方向を知るのに必要なそれぞれの基板の裏面からの反射光のみを取得したくても、個々に容易に分離することができない。また、第2の方法を適用した場合、貼り合せ基板を透過した透過光は、全てが合成され、基板ごとに透過した透過光を個々に分離することができない。
また、非特許文献2で示される第2の方法では、測定に中心的な役割を担った素子として非偏光ビームスプリッタを使わざるをえず、その事が光弾性信号(複屈折)の消光比を著しく劣化させており、微少な複屈折を検出できないといった問題点がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光学特性として屈折率の異なる複数の素材が積層された基板、特に微小間隙をおいて積層された貼り合せ基板について、応力の作用している基板を正確に分別するとともに、その基板に作用する応力で生じる複屈折の変化量から主応力の差とその方向を精度よく、かつ、高速に求めることのできるとともに、当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを精度よく特定することのできる光弾性測定方法およびその装置を提供することを主たる目的としている。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、第1の発明は、照射手段から所定周波数帯域の照射光を直線偏光にする過程と、
前記直線偏光に変調をかける第1変調過程と、
旋光性を有する光学部材に変調のかかった前記直線偏光を透過させて所定の角度に回転させる回転過程と、
透過性を有する複数の層からなる測定対象物にレンズを介して前記偏光を照射し、レンズと測定対象物を光軸方向に沿って相対的に前後移動させて層同士が接触する複数の接触界面のうち所定の接触界面に焦点を合せる焦点合せ過程と、
前記測定対象物から反射して戻る反射光に変調をかける第2変調過程と、
前記反射光のうち反射前と同じ状態の第1偏光と、当該第1偏光と直交する弾性信号成分を含む第2偏光を光学手段を介して別光路に分離して出力する分離過程と、
分離された前記第2偏光のうち焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて分光手段によってスペクトル変換する変換過程と、
前記スペクトルを検出手段で検出する検出過程と、
前記検出手段から出力されるスペクトル信号に含まれる直流成分を除去して交流成分にする除去過程と、
交流成分となった前記スペクトル信号から周波数ごとの複屈折の変化量を求め、当該複屈折の変化量の周波数に対する分布の振幅と位相角から測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを特定する演算の少なくともいずれかを行う演算過程と、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) 第1の発明に係る光弾性測定方法によれば、所定周波数帯域の直線偏光は、変調をかけられた後に旋光性を有する光学部材を透過する過程で所定の角度に回転させられた状態で測定対象物の所定の接触界面(焦点面)に向けて照射される。この直線偏光は、接触界面と、それ以外の界面などから反射する射光とが合わさって分離手段に向う過程で、さらに変調がかけられる。
その後、反射光は分離手段によって初期の光路に戻る第1偏光と、第1偏光とは個別光路に出力される第1偏光と直交する第2偏光とに分離される。そして分離手段から出力される弾性信号を含む第2偏光は、ピンホールを通過するときに所定の接触界面の焦点面から反射して戻る偏光のみが抽出される。換言すれば、所定層のみを透過して戻る偏光のみが抽出される。
当該第2偏光は、分光手段によってスペクトル変換され、当該スペクトルが検出手段によって検出される。この検出手段から出力される信号から直流成分が除去され交流成分のみとなる。この交流成分のスペクトル信号から周波数ごとの複屈折の変化量が求められ、当該複数の複屈折の変化量の周波数に対する分布の振幅と位相角が求められ、測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを特定する演算の少なくともいずれかを行う。
すなわち、所定周波数帯域の直線偏光が測定対象物に照射される前に、光学手段で所定の角度に回転させるとともに、弾性信号成分を含む第2偏光をスペクトル変換することにより、初期の直線偏光から所定回転角まで連続的に回転させながら弾性信号を含む第2偏光を1回の測定で検出することができる。したがって、測定処理を高速で行うことができる。
また、反射光に変調をかけるとともに、スペクトル変化した信号から直流成分を除去した交流成分のみを抽出するので、複屈折の変化量の周波数に対する分布を精度よく求めることができる。したがって、当該分布の振幅から主応力の差とその分布の位相角からその方向を精度よく求めることができるとともに、当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを精度よく特定することができる。
第2の発明は、第1の方法発明において、
前記回転過程は、所定周波数帯域の直線偏光の上限周波数成分が前記光学手段で回転する角度と下限周波数成分が前記光学手段で回転する角度との差が90°以上になるように設定することを特徴とする。
(作用・効果) この方法発明によれば、直線偏光の上限周波数と下限周波数とによって生じる偏光の回転角の差が90°以上に設定されているので、求まる位相も90°以上の範囲で求まる。したがって、交流波形として求まる位相のsinカーブを容易に近似することができる。また、当該分布の凹凸が、例えば0から90°の領域で判別できるので、凹凸状態によって測定対象物の所定層に作用している主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを特定することが容易となる。
第3の発明は、第1または第2の方法発明において、
前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて検出する反射光検出過程を備え、
前記演算過程は、さらに予め求めた前記照射手段からの反射光の光強度に対する前記偏光検出過程で検出された偏光および前記反射光検出過程で検出された偏光の両光強度の変化量を求め、この変化量に応じて実測により求まる第2偏光から検出した偏光の光強度を補正することを特徴とする。
(作用・効果) この方法発明によれば、光学手段で分離された第1偏光のうち焦点面で反射して戻る偏光のみが抽出される。したがって、第1偏光と第2偏光から抽出した両偏光の光強度の変化量が分かる。そこで、弾性信号成分を含む第2偏光の減衰した変化量を補正する補正量を求めて補正処理をすることができる。また、測定対象物の照射側を第1層の第1面と定義し、この順で番号付けすると、第1層の第1面からの反射光の光強度の変化量は、複屈折の変化量を含まないので、この第1面から反射する反射光の光強度を利用して光量で実測により求まる第2偏光を補正でき、測定精度を上げられる。
第4の発明は、第1または第2の方法発明において、
前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて分光手段でスペクトル変換する変換過程と、
前記スペクトルを検出する反射光検出過程を備え、
前記演算過程は、さらに前記検出過程で検出した第2偏光のスペクトルの周波数ごとに前記反射光検出過程で検出したスペクトルで除算し、周波数ごとに複屈折の変化量を補正することを特徴とする。
(作用・効果) この方法発明によれば、光学手段で分離された第1偏光のうち焦点面で反射して戻る偏光のみが抽出される。この第1偏光をスペクトル変換することにより、第2偏光をスペクトル変換したときのスペクトル信号の減衰量が分かる。したがって、この減衰量を補正する補正量を求めて補正処理をすることができる。
第5の発明は、第1ないし第4のいずれかの方法発明において、
前記測定対象物の最外側の層に押圧をかけた押圧状態と非押圧状態のときの各主応力の差を求め、両値の偏差に基づいて、測定対象物に作用している主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定することを特徴とする。
(作用・効果) この方法発明によれば、測定対象である所定層に作用している応力が圧縮応力であるか引張応力であるかを容易に特定することができる。例えば、ガラス基板などの板状物に応力が作用している場合、通常、反りが発生している。この状態で凹入湾曲している内側には圧縮応力が作用しており、反り返っている外側には引張応力が作用している。また、複数層が積層されている場合は、同じような現象が発生している。つまり、凹入湾曲側に位置する層に圧縮応力が作用し、外側の層に引張応力が作用する。
ここで、非押圧状態で求めた所定層の主応力の差の方向については、π/2度の不定性がある。そこで、最外側の層を押圧状態で測定したとき、その層の応力差が大きくなれば、その層は、引っ張り状態あることが分かる。逆に、応力差が小さくなれば、圧縮状態であると分かる。
なお、上記第1ないし第4のいずれかの方法発明において、光学手段は、水晶であることが好ましい(請求項6)。水晶には、旋光性がある。この水晶に直線偏光を透過させ、往路で偏光角をθ回転させたとすれば、復路では−θ回転する。したがって、往復で偏光角は変化しない。また、旋光による回転角は、光の周波数に依存するので広帯域光を用いると、装置を回転させることなく、広い範囲の角度で複屈折の計測ができる。
したがって、本発明において、測定対象物で反射して戻る反射光は、弾性信号を含んだ状態のまま、加工させることなく下流側に導いてゆくことができる。したがって、主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを精度よく求めることができる。
第7の発明は、透過性を有する複数の層からなる測定対象物を保持する保持手段と、
前記測定対象物に向けて所定周波数帯域の光を照射する照射手段と、
前記光を透過させる第1光学手段と、
前記偏光に変調をかける第1変調手段と、
変調のかかった前記偏光を透過させる過程で所定の角度に回転させる旋光性を有する第2光学手段と、
前記偏光を透過させて前記測定対象物の所定層の界面に焦点を合せるレンズと、
前記レンズと保持手段を偏光の光軸方向に沿って相対的に前後移動させる移動手段と、
前記測定対象物の焦点面から反射して戻る反射光に変調をかける第2変調手段と、
前記反射光のうち初期の光路を戻る第1偏光と、当該第1偏光と直交する第2偏光を別光路に分離して出力する分離手段と、
分離された前記第2偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、
前記ピンホールを通過した第2偏光をスペクトル変換する分光手段と、
前記スペクトルを検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段から出力されるスペクトル信号に含まれる直流成分を除去して交流成分にする除去手段と、
交流成分となった前記スペクトル信号から周波数ごとの複屈折の変化量を求め、当該複屈折の変化量の周波数に対する分布の振幅と位相角から測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを特定する演算の少なくともいずれかを行う演算手段とを備えたことを特徴とする
(作用・効果) この構成によれば、保持手段に保持された測定対象物に向けて照射手段から照射された所定周波数帯域の光が、第1光学手段を通過した後に第1変調手段により変調がかけられる、さらに、第2光学手段によって光軸回りに所定の角度に回転させられる。この偏光を照射しながら移動機構によって保持手段と測定対象物とが光軸方向に沿って前後に移動させられることにより、所定の界面に焦点が合わされる。その焦点面および他の界面などで反射して戻る反射光は、第2変調手段により変調がかけられ分離手段を透過する過程で、測定対象物の各層を透過するときに複屈折による変化量の作用していない偏光が第1偏光として初期光路に戻される。複屈折による変化量の作用して生じた反射光は、第2偏光として第1偏光とは別光路に出力される。
分離手段から出力された第2偏光がピンホールを通過するときに、焦点の合わされた所定の界面から反射して戻る偏光のみが抽出され、分光手段によってスペクトル変化される。このスペクトルが検出手段により検出されてスペクトル信号が演算手段に送られる。すなわち、第2光学手段によって直線偏光が回転した回転角の影響を受けて、直線偏光を光軸周りの所定の角度だけ連続的に回転させたときと同じ分量の検出データを取得することができる。
演算手段は、スペクトル信号に含まれる直流成分を除去して交流成分のみを抽出し、当該スペクトル信号から複屈折の変化量の周波数に対する分布を求めるとともに、当該分布の振幅とその位相角を求めて測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを求める。すなわち、第1の方法発明を好適に実現することができる。
なお、この装置発明によれば、第2光学手段は、所定周波数帯域の直線偏光の上限周波数成分が光学手段で回転する角度と下限周波数成分が光学手段で回転する角度との差が90°以上であることが好ましい(請求項8)。
この構成によれば、直線偏光の上限周波数と下限周波数とによって生じる回転角の差が90°以上に設定されているので、求まる位相も90°以上の範囲で求まる。すなわち、第2の方法発明を好適に実現することができる。
また、この装置発明によれば、前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、
前記ピンホールを通過した第1偏光を検出する第2検出手段とを備え、
前記演算手段は、さらに予め求めた前記照射手段からの反射光の光強度に対する前記偏光検出過程で検出された偏光および前記反射光検出過程で検出された偏光の両光強度の変化量を求め、この変化量に応じて実測により求まる第2偏光から検出した偏光の光強度を補正することが好ましい(請求項9)。
この構成によれば、光学手段で分離された第1偏光のうち焦点面で反射して戻る偏光のみが抽出される。したがって、第1偏光と第2偏光から抽出した両偏光の光強度の変化量が分かる。そこで、弾性信号を含む第2偏光の減衰した変化量を補正する補正量を求めて補正処理をすることができる。また、測定対象物の照射側を第1層の第1面と定義し、この順で番号付けすると、第1層の第1面からの反射光の光強度の変化量は、複屈折の変化量を含まないので、この第1面から反射する反射光の光強度を利用して光量で実測により求まる第2偏光を補正でき、測定精度を上げられる。すなわち、第3の方法発明を好適に実現することができる。
同様に前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、
前記ピンホールを通過した第1偏光をスペクトル変換する変換手段と、
前記スペクトルを検出する第3検出手段とを備え、
前記演算過程は、さらに前記検出過程で検出した第2偏光のスペクトルの周波数ごとに前記反射光検出過程で検出したスペクトルで除算し、周波数ごとに複屈折の変化量を補正することが好ましい(請求項10)。
この構成によれば、光学手段で分離された第1偏光のうち焦点面で反射して戻る偏光のみが抽出される。この第1偏光をスペクトル変換することにより、第2偏光をスペクトル変換したときのスペクトル信号の減衰量が分かる。したがって、この減衰量を補正する補正量を求めて補正処理をすることができる。すなわち、第4の方法発明を好適に実現することができる。
上記構成は、さらに、以下の構成を含むことにより、測定対象物に作用する主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定することができる。
すなわち、上記構成は、押圧部材の先端を測定対象物の最外側の層に接触させて押圧する作用位置と非接触状態で離間した待機位置とにわたって押圧部材を移動させる移動機構をさらに備え、
前記演算手段は、測定対象物の最外側の層に押圧をかけた押圧状態と非押圧状態のときの各主応力の差を求め、両値の偏差に基づいて測定対象物に作用している主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定することが好ましい(請求項11)。この構成によれば、第5の方法発明を好適に実現できる。
また、上記構成は、前記分離手段で分離された第1偏光をピンホールに向う偏光と他の方向に向う偏光に分離する第1偏光分離手段と、
前記第1偏光分離手段で他の方向に分離された偏光を検出する複数個の受光素子を2次元アレー状に配備して構成した第4検出手段と、
前記保持手段を傾斜させる駆動手段と、
前記検出手段によって検出された偏光の位置に応じて保持手段に保持された測定対象物の傾斜量が前記演算手段により求められ、この傾斜量にしたがって前記駆動手段を作動させて前記保持手段の平行度を維持させる駆動制御手段とを備えることが好ましい(請求項13)。
この構成によれば、保持手段に保持された測定対象物の平行度が維持されるので、測定対象物で反射して戻る第1偏光が、初期の直線偏光と光路と重なり合う。すなわち、光路ズレなく、焦点面から反射して戻る第1および第2偏光を各ピンホールに確実に通過させることができ、測定対象の偏光を精度よく検出することができる。
本発明に係る光弾性測定方法およびその装置によると、所定周波数帯域の偏光を旋光性を有する光学部材に透過させることにより、1回の測定処理で偏光の光軸回りに所定角度回転させた範囲と同じ分量の検出データを取得することができる。したがって、測定処理を高速化することができる。また、弾性信号を含む偏光に変調をかけるとともに、スペクトル変換後に直流成分を除去して交流成分のみを抽出するので、求める演算式が簡素化される。さらに、直流成分による不要なノイズを除去することができるので、主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるかを精度よく求めることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の光弾性測定方法を利用した実施例装置の概略構成を示す図である。
この実施例装置は、液晶パネルやプラズマディスプレイのように2枚の透過性を有するガラス基板W1,W2を、微小間隔をおいて重ね合わせた測定対象物Wと、中央に開口Hの形成された載置台11に平面保持した測定対象物Wに向けて光を照射する光源1とが配備されている。また、この光源1から測定対照物Wまでの光路上に第1偏光検出部2、ファラデーローテータ3、1/2波長板4、反射ミラー5、BDP(Beam Displacing Prism)6、光弾性変調器7、水晶8、対物レンズ9を備えて前後に移動する可動台10、および第2偏光検出部13が配備されている。以下、これら各構成について詳述する。
光源1は、近赤外域のSLD(Super Luminescent Diode)や半導体レーザや白色LED(Light emitting diode)などの所定周波数帯域を有するランダム偏光のものが利用される。なお、光源1は、本発明の照射手段に相当する。なお、上記の「光」に関する周波数は、光速/波長と同じ意味であり、周波数と波長は、本実施例における演算において、同意味で用いている。
第1偏光ビームスプリッタ12は、光源1からの光を直進方向と直交方向に2分する。この場合、照射光は、水平偏光成分になるよう調整しておく。一方、極僅か含まれる垂直偏光成分は測定系の外に出る。また、この実施例では、測定対象物Wから反射して初期と同一光路に戻る反射光を1/2波長板4とファラデーローテータ3により垂直偏光成分に変換し、第1偏光検出部2のフォトダイオード25に向かわせる。そのため、水平成分は、含まない。
つまり、第1偏光ビームスプリッタ12は、測定対象物Wから反射した垂直成分からなる偏光成分を直角方向に分岐して第1光検出部2のフォトダイオード25に向かわせる。換言すれば、測定対象物Wの各ガラス基板W1,W2の各表面および各裏面で反射して初期の直線偏光と同じ光路を戻る反射光と直交した直線偏光(以下、適宜「第1偏光A」という)が第1偏光ビームスプリッタ12に戻される。
ファラデーローテータ3は光源側からの水平偏光を透過させたときに偏光面を45°回転させる。また、測定対象物Wで反射して同一光路を戻る垂直の偏光成分を後述する1/2波長板で回転させた偏光面に対して、往路とは逆の45°方向に回転し、結果として垂直方向の偏光成分の直線偏光にする。
1/2波長板4は、往路では、ファラデーローテータ3で偏光面が45°回転した直線偏光に対して所定の傾斜角を持たせる。本実施例の場合、45°程度傾けて垂直偏光にする。なお、1/2波長板4は、本発明の第1光学手段に相当する。また、復路では、垂直成分の偏光を45°回転させる。
反射ミラー5は、その鏡面を測定対象物Wに向けた傾斜姿勢で配置されている。つまり、測定対象物Wで反射して戻る直線偏光のうち、測定対象物Wを透過する過程で応力の影響により偏光状態が変化した成分を後述するBDP6を通過させたとき、初期状態の第1偏光Aと異なる方向に出力される他方の第2偏光Bを反射させて第2偏光検出部24に向かわせる。
BDP6は、到達した直線偏光を全透過させて下流側に向かわせる。また、測定対象物Wから反射して戻る偏光を透過させたとき、入射時と同じ偏光面を有する直線偏光(垂直成分である第1偏光A)を同一光路に戻し、測定対象物Wを透過する過程で測定対象物Wに作用している応力の影響を受けて偏光状態が変化した成分(水平成分の第2偏光B)のみを抽出し、第1偏光Aとは異なる方向に出力する。つまり、第2偏光Bは、上流側に配備された反射ミラー5に向けて出力される。なお、BDP6は、本発明の分離手段に相当する。
光弾性変調器7は、予め決まった複屈折の変化量を有し、第2偏光検出部24で検出される第2偏光Bの検出信号の値を測定対象物Wの光弾性量に対して、線形に出力する機能を有する。つまり、光弾性変調器7は、測定対象物Wを構成するガラス基板W1,W2や対物レンズ9などの残留複屈折よりも小さい複屈折を変調をかけた状態で与え、交流成分のみを抽出する。具体的には、対物レンズ9や光学系の複屈折による位相遅延(リターデーション)をφ0、その方向をθ0とし、光弾性変調器7の複屈折による位相遅延をδ0とすると、交流成分は、次式のようになる。ただし、|φ0/δ0|<0.1とし、(φ0)2は無視できる量とする。
[δ0sin2πft +(1/2)φ0sin(2(θ0-θr))]2 から
→[δ0+(1/2)φ0sin(2(θ0-θr))]2 - [-δ0+(1/2)φ0sin(2(θ0-θr))]2
= δ0φ0sin(2(θ0-θr))
と計算される。詳細は後述する。
ここで、変調周波数fを100Hzとした変調をかけて測定する。上記式のパラメータθrは、水晶8の旋光性によるもので、波長に依存して変わる。すなわち、旋光性による回転角θrは、波長λに対して、A+B/λ2となり、波長の2乗分の1に比例し、θrと波長は1対1の関係を持つ。これを分光し、後述する1次元の第1ラインセンサ20で検出すると、各画素位置が波長に対応する。上述の周波数に対する分布とは、このθrを変数とする分布を意味する。なお、光弾性変調器7は、本発明の第1および第2変調手段に相当する。
水晶8は、偏光を往復透過させた場合、往路を透過した周波数(=光速/波長)に対して光軸回りに所定の回転角を与える旋光性を有するものである。また、回転角は、光源1から照射される光の周波数帯域の上限と下限によって異なる。したがって、本実施例では、後述する演算処理部29によって求める位相を近似して求めやすいように、両周波数の回転角の差が90°以上になる光路長が得られる長さに設定される。例えば、直線偏光面を180°の範囲で変化させるには、次のようになる。波長帯域が770−820nmである場合、下限の770nmで回転角が12.3°/mm、上限の820で回転角が10.8°/mmとなるので、水晶8の長さ(光路長)は120mmになる。
対物レンズ9は、可動台10に装着されている。すなわち、可動台10の前後移動に連動して測定対象物Wに向かわせる偏光の焦点位置を変位可能に構成されている。
載置台11は、矩形状の測定対象物Wの端縁部分を保持しつつ、中央部分では光を通過させるように開口が形成されている。なお、載置台11は、本発明の保持手段に相当する。
第2偏光検出部13は、レンズ14、ピンホール15の形成された板状物16、レンズ17、回折格子18、対物レンズ19、および第1ラインセンサ20から構成されている。
板状物16のピンホール15は、測定対象物Wの前に配備された対物レンズ9を光軸に沿って前後に移動させ、測定対象物Wを構成するガラス基板W1,W2の各層の表面や裏面に焦点を合せたされたときの各焦点面から反射して戻る反射光のうち、BDP6で分離された第2偏光のみが通過するようになっている。なお、この実施例の焦点面は、ガラス基板W1の表面とその表面に接する空気層との接触界面、ガラス基板W1,W2の間隙にある空気層と接触するガラス基板W1の裏面やガラス基板W2の表面との接触界面、および、ガラス基板W2の裏面と載置台11の表面との接触界面とがある。
回折格子18は、反射型であり反射ミラー5から第1ラインセンサ20に第2偏光を分光して照射する。なお回折格子18は、本発明の分光手段に相当する。
第1ラインセンサ20は、複数個の検出素子を1次元アレー状に整列配備して構成したものである。第1ラインセンサ20としては、例えば、512,1024,2048画素などに対応したものが挙げられる。なお、第1ラインセンサ20は、本発明の第1検出手段に相当する。
次に、第1偏光検出部2は、第1偏光ビームスプリッタ12、レンズ21、ピンホール22の形成された板状物23、第2非偏光ビームスプリッタ24、およびフォトダイオード25から構成されている。
レンズ21は、第1偏光ビームスプリッタ12から到達した直線偏光を集光して板状物23に形成されたピンホール22に焦点が合わされている。
フォトダイオード25は、ピンホール22を通過した第1偏光Aを受光して、光強度の検出信号に変換して後述する制御ユニット27に送信する。なお、フォトダイオード25は、本発明の第2検出手段に相当する。
第2非偏光ビームスプリッタ24は、無極性のものであり、光を直進方向と直交方向に2分する。つまり、ピンホール22を通過した光を分岐する。各光をフォトダイオード25と平行度検出器26に向わせる。
平行度検出部26は、載置台11に保持された測定対象物Wの撓みや反りの発生状態を検出する。図2に示すように、平行度検出部26は、4個のフォトダイオード26a〜26dが2次元アレー状に隣接配備されており、第2非偏光ビームスプリッタ24から到達する直線偏光の光軸が互いに隣接し合う中心点Cに位置し、4個のフォトダイオード26a〜26dにまたがって均等に受光されるようになっている。各フォトダイオード26a〜26dで受光した直線偏光を光強度の検出信号に変換して制御ユニット27に送信する。つまり、平行度検出部26は、反射光の光路のズレを検出している。なお、平行度検出部26は、本発明の第4検出手段に相当する。
制御ユニット27は、ロックインアンプ28、演算処理部29、駆動制御部30、および操作部31などを含む。以下、各構成について具体的に説明する。
ロックインアンプ28は、第1ラインセンサ20から送られてくる第2偏光Bのスペクトル信号から直流成分を除去して交流成分のみを抽出する。当該処理については、以下の動作説明で詳述する。なお、ロックインアンプ28は、本発明の除去手段に相当する。
演算処理部29は、主として2通りの処理を行っている。第1の処理として、載置台11に保持された測定対象物Wの反りなどの影響によって、焦点面から反射して戻る偏光が、第1および第2偏光検出部2、13のフォトダイオード25および第1ラインセンサ20で受光されるように光路のズレの補正量を算出する。第2の処理として、測定対象物Wの所定のガラス基板W1またはW2に作用している応力によって発生する複屈折の変化量、所定のガラス基板に作用する主応力の差とその方向、および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを求める。これら具体的な処理については、以下の動作説明で詳述する。なお、演算処理部29は、本発明の演算手段に相当する。
駆動制御部30は、操作部31によって設定された条件に基づく駆動信号をアクチュエータ32に送信する。つまり、載置台11を平面上でチルトさせる。なお、アクチュエータ32は、本発明の駆動手段にそれぞれ相当する。
これら各構成を含む制御ユニット27は、上記の処理以外に初期の設定条件に基づいて各駆動機構などの動作を総括的に制御する。
次に、上記実施例装置を用いて、測定対象物Wの各ガラス基板W1,W2に作用する主応力の差と主応力の差の作用している方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを測定する一巡の動作および処理について、図3に示すフローチャートに沿って説明する。なお、測定対象物Wを構成するガラス基板W1,W2の両方に応力が作用している場合を例にとって説明する。
オペレータは、操作部31を操作して測定対象物Wの総厚み、光源1から照射される周波数帯域、変調周波数などの測定条件を設定入力する(ステップS1)。なお、この実施例の場合、波長帯域として770−820nm、変調周波数である共振周波数として100Hzに設定する。
条件設定が完了すると、載置台11に測定対象物Wが載置保持されるとともに、各駆動機構が作動制御されて測定開始できる状態となる。この時点で可動台10が作動し、対物レンズ9による焦点位置が、測定対象物Wの最表面に合せられる。これら測定条件が整うと、オペレータは、テスト照射をする(ステップS2)。このとき、光源1から測定対象物Wに向けて直線偏光が照射され、反射して戻る第1偏光Aを平行度検出器26で受光し、フォトダイオード26a−26dごとの光強度の検出信号を制御ユニット27の演算処理部29に送信する。
演算処理部29は、フォトダイオード26a−26dごとの光強度値と平均値から光源1から測定対象物Wまでの光路のズレの有無を判断する(ステップS3)。光路のズレがあることが確認できた場合、演算処理部29は、測定対象物Wの反りなどの影響で起こる煽りを補正するための補正量を求めて信号変換する(ステップS4)。この補正信号が駆動制御部30に送られる。駆動制御部30は、この信号に基づいてアクチュエータ32を作動させて載置台11をチルトさせ、反射光が平行度検出器26の各フォトダイオード26a−26dに均等に照射させるようにする(ステップS5)。
光路ズレの煽り補正処理が完了すると、再度テスト照射を行う。この時点で光路ズレが解消されていれば、測定を開始する(ステップS6)。光路ズレが解消されていなければ、ステップS2からの煽り補正処理が繰り返し行われる。
測定が開始されると光源1から測定対象物Wに向けて光が照射される。この光は、第1偏光ビームスプリッタ12で分岐されて直進し、ファラデーローテータ3で45°に回転され、1/2波長板4でさらに傾斜角45°が与えられ、垂直成分からなる直線偏光にされる。
この直線偏光は、BDP6を全透過して光弾性変調器7を透過する。このとき、100Hzの変調がかけられる。変調のかかった直線偏光は水晶8を透過する。このとき、設定された周波数帯域の上限と下限によって生じる回転角の差によって決められた所定の回転角が直線偏光に与えられる。すなわち、本実施例の場合、回転角の差が180°となる。水晶8を透過した直線偏光は、測定対象物Wに到達する。
この光を照射しながら測定対象物Wの厚み分だけ可動台10を前進させ、ガラス基板W1,W2の各表裏面で反射して戻る第1偏光Aと第2偏光Bを第1ラインセンサ20およびフォトダイオード25に向かわせる。
このとき、ガラス基板W1,W2に応力が作用している場合、各焦点面で反射して戻る反射光に第2偏光Bが含まれている。つまり、図4に示すように、ガラス基板1の表面と空気層との接触界面(焦点面P1)で反射して戻る反射光R1、ガラス基板W1とガラス基板W2との微小間隙の空気層とガラス基板W1の裏面との接触界面(焦点面P2)で反射して戻る反射光R2、空気層とガラス基板W2の表面との接触界面(焦点面P3)で反射して戻る反射光R3、およびガラス基板W2と載置台11との接触界面(焦点面P4)で反射して戻る反射光R4のそれぞれに、第2偏光Bの検出信号である弾性信号が含まれている。
各焦点面P1〜P4で反射して戻る反射光は、初期光と同一光路に戻され、光弾性変調器7で再び変調がかけられてBDP6を透過する。このとき、応力の影響を受けて生じた第2偏光Bと影響のない第1偏光Aとに分離される。分離された第1偏光Aは、上流側のフォトダイオード25で受光される。第2偏光Bは、第1偏光Aとは別光路に出力され、反射ミラー5でピンホール15に導かれて通過し、回折格子18に到達する。
回折格子18に到達した第2偏光Bは、スペクトル変換されて反射し、第1ラインセンサ20に向かう。第1ラインセンサ20で検出された第2偏光Bのスペクトル信号は、制御ユニット27のロックインアンプ28に入力される。
なお、この実施例では焦点面P1〜P4の4箇所あるので、フォトダイオード25で検出したときの光強度は4つのピークが発生するはずであるが、図5に示すように、3つのピークとなって現れる。この現象は、空気層の前後のガラス面で反射する光で干渉が生じて光強度が高められ焦点面P2およびP3で反射して戻る反射光R2およびR3が合成されたものとなっている。
次に、ロックインアンプ28と演算処理部29は、検出されたスペクトル信号から直流成分を除去したスペクトル信号を求めるとともに、このスペクトル信号に基づいて各焦点面の複屈折の変化量を求める(ステップS7)。なお、ガラス基板W1の表面、ガラス基板W1とW2の境界、ガラス基板W2の裏面をおのおのP1、(P2+P3)、P4とし、そこにおける検出信号のそれぞれをI0x,I0y,I1x,I1y,I2x,I2y とする。ここで、xの記号で示したものは、フォトダイオード25で検出される成分、yの記号で示したものは、第1ラインセンサ20で検出される成分とする。
先ず、位置P1からの第2偏光Bをスペクトルの形の信号として取得する。位置P1からの信号は、次式で表すことができ、式(2)は変調信号がδ0のとき、図6に示す周波数(=光速/波長)に関する曲線となる。
I0x = K0 … (1)
I0y (t,θr) = K0 K0(θr ) [δ0sin2πft + (1/2)φ0sin(2(θ0-θr))]2 … (2)
なお、K0は反射強度で、K0(θr )は分光器で得られる波長による強度分布のスペクトル、φ0は対物レンズなど装置を構成する光学部材の影響による複屈折であり、θ0はその向き、θrは波長に依存した直線偏光の回転角とする。K0(θr)を決める手段は、後述する。δ0は、変調信号の振幅とする。また、ガラス基板W1,W2の複屈折の大きさφ1,φ2、およびδ0は|φ1|<0.1 ラジアン、|φ2|<0.1 ラジアンとする。したがって、(φ1)2,(φ2)2 は小さいと見なして、無視する。
ここで、ロックインアンプ28に検出信号を入力することにより、検出信号から直流成分が除去され、交流成分が得られる。つまり、次式のように表すことができる。
I0L(θr) = I0y(δ0) − I0y(-δ0)
= K0K0(θr )((2δ0)(φ0sin(2(θ0-θr)))) … (3)
ここで、変調信号δ0×sin2πftに対して、δ0、−δ0を与える時刻をt1、t2、とし、
I0y(t1, θr) を I0y(δ0)=I0y(t1, δ0) と表記する。以降もI0y(δ0)の表記については、同じ考えの表記とする。また、δ0 は1nm程度の位相遅延を生じる大きさの既知の値とする。
また、測定対象物Wに作用している応力によって初期光から分離されて減衰した分を各焦点面からの反射光に含まれる検出信号について補正する。すなわち、焦点面P1で反射して戻る反射光のうちフォトダイオード25で検出された検出信号I0xを抽出して式(3)を除算して補正する。すなわち、当該式をI0xで除算すると、(2 K0(θr )・δ0) (φ0sin(2(θ0-θr))) が求まる。
次に、位置(P2+P3)からの第2偏光Bをスペクトル変化したときの信号は、次式で表すことができる。式(4)、(5)の記号の説明については後述する。
I1x = K1 … (4)
I1y (t,θr) = K1 K1(θr ) [δ0sin2πft + (1/2)φ0sin(2(θ0-θr))
+(1/2)φ1sin(2(θ1-θr)) … (5)
ここで、ロックインアンプ28に検出信号を入力することにより、検出信号から直流成分が除去され、交流成分が得られる。つまり、次式のように表すことができるとともに、図7に示すように、複屈折の変化量の分布が得られる。
I1yL (θr) = I1y(δ0) − I1y(-δ0)
= 2K1 K1(θr )δ0[φ0sin(2(θ0-θr)) + φ1sin(2(θ1-θr))] … (6)
ここで、本発明は、最初の測定時に、まず対物レンズなど装置を構成する光学部材の複屈折φ0が省略できる程度に、光弾性変調器7による光弾性変調の振幅δ’0を大きく設定(|δ’0/φ0|>100)して波長に依存した反射強度を測定しておく。それは、P1の位置では、次式の関係が得られる。この時は変調せず、厚み方向に走査してデータを取得する。
[δ’0+(1/2)φ0sin(2(θ0-θr))]2≒δ’02
この信号が光弾性信号δ’0として、分光器に取り込まれるスペクトル(=δ’0(θr))であり、各位置の補正データとして、保存しておく。他の位置(P2+P3),P4でも同様の近似が成り立つが、表示は省略する。位置P1を含めて3個のスペクトルを上記各式では以下のようにした。
K0(θr),K1(θr),K2(θr) … (7)
なお、定数K0、K1、K2は式(7)のスペクトルを使用周波数間で積分したものに対応しており、フォトダイオード25で得られる信号である。
ここで、この場合のδ’0は大きな光弾性信号で、付加する応力から前もって解っている。例えば、この光弾性信号を複屈折の遅延距離で表現して20nmとする。
上記式(7)と測定対象物Wに作用している応力によって初期光から分離されて減衰した分を各焦点面からの反射光に含まれる検出信号によって第1ラインセンサ20からの検出信号を補正する。すなわち、両辺を式(7)とI1xで除算する。その結果、次式が得られる。
[I1yL(θr)/I1x/ K1(θr) − I0L(θr)/I0x/ K0(θr)] =2δ0[φ1sin(2(θ1-θr))] … (8)
次に、位置P4からの第2偏光Bをスペクトル変化したときの信号は、次式で表すことができる。また、上記同様に図7に類似する複屈折の変化量の分布が得られる。
式(9)、(10)の記号の説明については後述する。
I2x = K2 … (9)
I2y(t, θr) = K2 K2(θr) [δ0sin2πft + (1/2)φ0sin(2(θ0-θr))
+ (1/2)φ1sin(2(θ1-θr))+(1/2)φ2sin(2(θ2-θr))]2 …(10)
ここで、ロックインアンプ28に検出信号を入力することにより、検出信号から直流成分が除去され、交流成分が得られる。つまり、次式のように表すことができる。
I2yL (θr) = I2y(δ0) −I2y(-δ0)
= 2K2 K2(θr)δ0[φ0sin(2(θ0-θr)) +φ1sin(2(θ1-θr))
+φ2sin(2(θ2-θr))] … (11)
さらに、上記式(7)と測定対象物Wに作用している応力によって初期光から分離されて減衰した分を各焦点面からの反射光に含まれる検出信号によって第1ラインセンサ20からの検出信号を補正する。すなわち、両辺を式(7)とI2xで除算する。その結果、次式が得られる。
[I2yL(θr)/I2x/K2(θr)−I0L(θr)/I0x/K0(θr)] = 2δ0[φ1sin(2(θ1-θr))
+φ2sin(2(θ2-θr))] …(12)
上記式(3)よりφ0、θ0を求め、ついで(8)、(11)からφ1、φ2、θ1、θ2を求める。
なお、上記各式において、I0x,I1x,I2xは反射成分、I0y,I1y,I2yは複屈折の変化分、すなわち、応力に依存する量、δ0は変調の振幅、θ1はガラス基板W1の応力の方向、θ2はガラスW2の応力の方向、θrは直線偏光の回転角で、770〜820nmの波長に対応し、K0,K1,K2,K3は反射係数による反射光量である。sin2πftは光弾性変調器の変調部で、周波数fは100Hzである。
上記式(3)、(8)、(11)から求めて各焦点面におけるスペクトル信号のうち、実際に応力の影響を受けた弾性信号を含んでいるガラス基板W1とW2の境界からのスペクトル信号(8)から弾性信号を含まないガラス基板W1のスペクトル信号(3)を減算する。同様に、ガラス基板W2の裏面からのスペクトル信号についても同様に、当該スペクトル信号(11)以外の信号である式(3)、(8)減算する。これにより、各ガラス基板W1,W2に含まれる弾性信号のみを抽出することができる。
求まる各スペクトル信号に基づいて、複屈折の変化量の分布から位相を求める。つまり、図7または図8に示す交流成分からなるsinカーブが得られる。この振幅Vから主応力の差を求められる。またsinカーブの0〜90°の範囲で図7中の破線で囲んだ原点0を通る角度を算出し、そのときの傾きから主応力の方向を求める。
さらに、測定対象物Wと同じ試料を用いて予め実験で求めた主応力の差の圧縮と引っ張りの基準モデルと、実測により求まる図7または図8に示すsinカーブとのフィッティングにより、測定対象物Wの各ガラス基板W1,W2に作用している主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを求める。なお、本実施例の場合、図7に示す状態が引っ張りであり、図8に示す状態が圧縮である。
上述の構成を有する光弾性測定装置によれば、測定対象物Wに光を照射しながら対物レンズ19を移動させて焦点を変位させる1回の動作で、各ガラス基板W1,W2に作用している主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを短時間で測定することができる。なお、対物レンズ19の焦点間の移動距離が短いこともあり、各ガラス基板W1,W2の測定時間としては0.1sec程度で実現できる。
すなわち、旋光性を有する光学部材である水晶8を利用して予め所定の回転角を偏光に与えた状態で測定対象物Wに照射することにより、位相(sinカーブ)を近似するのに有効な第2偏光Bの検出データ量を得ることができる。
また、偏光に変調をかけるとともに、ロックインアンプ28により直流成分を除去して交流成分からなるスペクトル信号のみを抽出するので、予め求めた主応力差の圧縮および引っ張りの基準モデルの位相、すなわち例えば、0から90°の範囲で応力差0を横切る角度の微分係数の正負から圧縮、引っ張りの区別が付けられる。
また、第2偏光Bをピンホール22に通過させることにより、各焦点面から戻る応力の影響を受けた第2偏光Bのみを抽出することができる。換言すれば、共焦点を利用することにより、任意のガラス基板(層)に作用している応力の影響を受けた第2偏光を測定できる。
また、平行度検出器26を利用することにより、測定光の光路ズレを補正することができ、第1偏光Aおよび第2偏光Bを第1ラインセンサ20で精度よく受光できる。
なお、本発明は上述した実施例に限らず、次のように変形実施することができる。
(1)上記実施例装置において、第1偏光検出部2を第2偏光検出部13と同様に第1偏光Aのスペクトル信号を得ることのできる構成にすることもできる。具体的には、図9に示すように、光源1側から順に光路上に第1非偏光ビームスプリッタ12、レンズ21、ピンホール22の形成された板状物23、レンズ33、第2非偏光ビームスプリッタ24、回折格子34、対物レンズ35、および第2ラインセンサ36を配備する。また、第2非偏光ビームスプリッタ24で分離された偏光の一方を検出する平行度検出器26を配備する。
この構成によれば、各焦点面から戻る第1偏光Aについてもスペクトル変化させてスペクトル信号を得ることができる。したがって、第2偏光Bの分離よって減衰した変化量を周波数単位で比較して補正することができる。すなわち、補正精度を向上させることができる。
(2)上記実施例装置において、主応力の方向を次にようにして求めてもよい。
図10に示すように、測定対象物Wの最外側から加える応力の向きを変える測定を複数回行ない、強度が最小となるところを検出することにより、応力の方向を求めることができる。
(3)上記各実施例では、測定対象物Wの平行度が保たれている場合には第2非偏光ビームスプリッタ24および平行度検出器26を省いた構成であってもよい。
(4)上記各実施例では、中央に開口Hの形成された載置台11を利用したが、開口Hの形成されていない平坦な物で構成してもよい。
実施例1に係る光弾性測定方法を実現する装置の概略構成を示す図である。 平行度検出部による偏光の受光状態を示す平面図である。 主応力の差とその方向を測定する一巡の処理および動作を示すフローチャートである。 測定対象物の各焦点面で反射する反射光の状態を示す図である。 第1偏光の光強度の検出状態を示す図である。 第1ラインセンサで検出したスペクトル信号を変換表示した図である。 測定結果から求める複屈折の変化量の位相を示す図である。 本実施の測定対象物に圧縮力が作用している状態を示す図である。 変形例装置の構成を示す図である。 主応力の方向を求める模式図である。
符号の説明
1 … 光源
2 … 第1偏光検部
3 … ファラデーローテータ
4 … 1/2波長板
5 … 反射ミラー
6 … BDP
7 … 光弾性変調器
8 … 水晶
9 … 対物レンズ
10 … 可動台
11 … 載置台
13 … 第2偏光検出部
15 … ピンホールを有する板状物
18 … 回折格子
20 … 第1ラインセンサ
27 … 制御ユニット
28 … ロックインアンプ
29 … 演算処理部
30 … 駆動制御部
32 … アクチュエータ

Claims (13)

  1. 照射手段から所定周波数帯域の照射光を直線偏光にする過程と、
    前記直線偏光に変調をかける第1変調過程と、
    旋光性を有する光学部材に変調のかかった前記直線偏光を透過させて所定の角度に回転させる回転過程と、
    透過性を有する複数の層からなる測定対象物にレンズを介して前記偏光を照射し、レンズと測定対象物を光軸方向に沿って相対的に前後移動させて層同士が接触する複数の接触界面のうち所定の接触界面に焦点を合せる焦点合せ過程と、
    前記測定対象物から反射して戻る反射光に変調をかける第2変調過程と、
    前記反射光のうち反射前と同じ状態の第1偏光と、当該第1偏光と直交する弾性信号成分を含む第2偏光を光学手段を介して別光路に分離して出力する分離過程と、
    分離された前記第2偏光のうち焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて分光手段によってスペクトル変換する変換過程と、
    前記スペクトルを検出手段で検出する検出過程と、
    前記検出手段から出力されるスペクトル信号に含まれる直流成分を除去して交流成分にする除去過程と、交流成分となった前記スペクトル信号から周波数ごとの複屈折の変化量を求め、当該複屈折の変化量の周波数に対する分布の振幅と位相角から測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを特定する演算の少なくともいずれかを行う演算過程と、
    を備えたことを特徴とする光弾性測定方法。
  2. 請求項1に記載の光弾性測定方法において、
    前記回転過程は、所定周波数帯域の直線偏光の上限周波数成分が前記光学手段で回転する角度と下限周波数成分が前記光学手段で回転する角度との差が90°以上になるように設定することを特徴とする光弾性測定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光弾性測定方法において、
    前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて検出する反射光検出過程を備え、
    前記演算過程は、さらに予め求めた前記照射手段からの反射光の光強度に対する前記偏光検出過程で検出された偏光および前記反射光検出過程で検出された偏光の両光強度の変化量を求め、この変化量に応じて実測により求まる第2偏光から検出した偏光の光強度を補正することを特徴とする光弾性測定方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光弾性測定方法において、
    前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみをピンホールに通過させて分光手段でスペクトル変換する変換過程と、
    前記スペクトルを検出する反射光検出過程を備え、
    前記演算過程は、さらに前記検出過程で検出した第2偏光のスペクトルの周波数ごとに前記反射光検出過程で検出したスペクトルで除算し、周波数ごとに複屈折の変化量を補正することを特徴とする光弾性測定方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光弾性測定方法において、
    前記測定対象物の最外側の層に押圧をかけた押圧状態と非押圧状態のときの各主応力の差を求め、両値の偏差に基づいて、測定対象物に作用している主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定することを特徴とする光弾性測定方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光弾性測定方法において、
    前記光学手段は、水晶であることを特徴とする光弾性測定方法。
  7. 透過性を有する複数の層からなる測定対象物を保持する保持手段と、
    前記測定対象物に向けて所定周波数帯域の光を照射する照射手段と、
    前記光を透過させる第1光学手段と、
    前記偏光に変調をかける第1変調手段と、
    変調のかかった前記偏光を透過させる過程で所定の角度に回転させる旋光性を有する第2光学手段と、前記偏光を透過させて前記測定対象物の所定層の界面に焦点を合せるレンズと、前記レンズと保持手段を偏光の光軸方向に沿って相対的に前後移動させる移動手段と、前記測定対象物の焦点面から反射して戻る反射光に変調をかける第2変調手段と、前記反射光のうち初期の光路を戻る第1偏光と、当該第1偏光と直交する第2偏光を別光路に分離して出力する分離手段と、分離された前記第2偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、
    前記ピンホールを通過した第2偏光をスペクトル変換する分光手段と、
    前記スペクトルを検出する第1検出手段と、
    前記第1検出手段から出力されるスペクトル信号に含まれる直流成分を除去して交流成分にする除去手段と、交流成分となった前記スペクトル信号から周波数ごとの複屈折の変化量を求め、当該複屈折の変化量の周波数に対する分布の振幅と位相角から測定対象物の各層に作用している主応力の差とその方向および当該主応力の差が圧縮であるか引っ張りであるかを特定する演算の少なくともいずれかを行う演算手段と、を備えたことを特徴とする光弾性測定装置。
  8. 請求項7に記載の光弾性測定装置において、
    前記第2光学手段は、所定周波数帯域の直線偏光の上限周波数成分が光学手段で回転する角度と下限周波数成分が光学手段で回転する角度との差が90°以上である
    ことを特徴とする光弾性測定装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載の光弾性測定装置において、
    前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、
    前記ピンホールを通過した第1偏光を検出する第2検出手段とを備え、
    前記演算手段は、さらに予め求めた前記照射手段からの反射光の光強度に対する前記偏光検出過程で検出された偏光および前記反射光検出過程で検出された偏光の両光強度の変化量を求め、この変化量に応じて実測により求まる第2偏光から検出した偏光の光強度を補正することを特徴とする光弾性測定装置。
  10. 請求項7または請求項8に記載の光弾性測定装置において、
    前記分離過程で分離されて初期の光路を戻る第1偏光のうち前記焦点面から反射して戻る偏光のみを通過させるピンホールの形成された部材と、
    前記ピンホールを通過した第1偏光をスペクトル変換する変換手段と、
    前記スペクトルを検出する第3検出手段とを備え、
    前記演算過程は、さらに前記検出過程で検出した第2偏光のスペクトルの周波数ごとに前記反射光検出過程で検出したスペクトルで除算し、周波数ごとに複屈折の変化量を補正することを特徴とする光弾性測定装置。
  11. 請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の光弾性測定装置において、
    押圧部材の先端を測定対象物の最外側の層に接触させて押圧する作用位置と非接触状態で離間した待機位置とにわたって押圧部材を移動させる移動機構をさらに備え、
    前記演算手段は、測定対象物の最外側の層に押圧をかけた押圧状態と非押圧状態のときの各主応力の差を求め、両値の偏差に基づいて測定対象物に作用している主応力の差が圧縮か引っ張りかを特定することを特徴とする光弾性測定装置。
  12. 請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の光弾性測定装置において、
    前記分離手段で分離された第1偏光をピンホールに向う偏光と他の方向に向う偏光に分離する第1偏光分離手段と、
    前記第1偏光分離手段で他の方向に分離された偏光を検出する複数個の受光素子を2次元アレー状に配備して構成した第4検出手段と、
    前記保持手段を傾斜させる駆動手段と、
    前記検出手段によって検出された偏光の位置に応じて保持手段に保持された測定対象物の傾斜量が前記演算手段により求められ、この傾斜量にしたがって前記駆動手段を作動させて前記保持手段の平行度を維持させる駆動制御手段と、
    を備えたことを特徴とする光弾性測定装置。
  13. 請求項7ないし請求項12のいずれかに記載の光弾性測定装置において、
    前記第2光学手段は、水晶であることを特徴とする光弾性測定装置。
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