JP2009046961A - 曲線を円弧で近似的に描き、設計する構造物等の設計・施工法とその構造物 - Google Patents

曲線を円弧で近似的に描き、設計する構造物等の設計・施工法とその構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】任意な曲線を円弧で近似的に描き、設計する構造物等の設計・施工法とその構造物に関する。
【解決手段】所望の曲線において、曲線の一端の点と他端の点を結ぶ直線を設定し、その中点からの垂線がその曲線と交わる点を設定し、その間の垂線の間隔と、前記中点に至る前記曲線の一端の点および他端の点間のそれぞれの直線の長さを得、これらの間隔、長さに関連して前記所望の曲線に近似する円弧の曲率半径を設定して円弧の半径の中心点を求め、これを中心として、曲線の一端の点から他端の点までの円弧を設定することを特徴とする任意な曲線を円弧で近似的に描き、設計する建造物等の設計・施工法。
【選択図】図6

Description

この発明は、任意な曲線を円弧で近似的に描き、設計する構造物等の設計・施工法とその構造物に関するものである。
断面が楕円形状の筒体からなる構造物は、その形がたいへん優美であり、また強度を有することから、建築物としては、斬新感と美観をもたらすものとしてその普及がおおいに期待されるものであり、このような観点、要請から、先に本件出願人は特願2002−371121「楕円形状構造物の設計・施工法とその構造物」[特開2004−169527)について出願をしている。
図1に示すのは周囲が全周として楕円形をなす楕円形状構造物(A)[前記出願の図1として図示した]であり、図2はその外形の楕円形状を、手作業、あるいはコンピュータなどの手段で、数学的に計算された楕円形、すなわち楕円方程式によって得られる楕円形を、平面図として表したものであって、それは座標軸x,y[中心線となる]において、長軸(M)と短軸(N)とを備え、第1象限(I)、第2象限(II)、第3象限(III)、第4象限(IV)の各一部の外形線(b),(b),(b),(b)を合わせて、全周として楕円形状の外形曲線を形成する[全体の]外形線(B)からなるもので、長軸(M)と短軸(N)において上下、左右が対称である。
しかし上記のような楕円形状を形成する楕円曲線は、曲線上の座標点と二つの焦点までの距離の和が一定であるという性質があり、それは二つの焦点を有する二次曲線のため、作図に当たり楕円曲線上のある軌跡をとった二つの座標間をつなぐ手段は、便宜的に直線で結ぶか、曲線で繋ぐかである。しかし曲線で繋ごうとすると、二点の座標間の距離を限りなく微分して繋ぎ合わせることとなる。したがってこのような楕円曲線を得るには、複雑な計算や操作を要する。そして楕円形状構造物の構築に当たって、このような楕円曲線をそのまま用いることは、いきおい設計にあたり複雑な計算を要し、それによって作図することや、現場での測地、あるいは建物の部材を作成するにも、能率的、経済的、実際的ではない。
そこで楕円曲線を円弧の合成として、正規の楕円形状に近似的な楕円形状に作図すれば、円はその中心と半径によって定まり、設計、製図は容易であり、建物を施工することでも現実的、経済的であることを指摘して、その手法を開示した。
すなわち図3(前掲特開2004−169527の図3として掲示した図の要部を示す)において、前記外形線(B)に近似する外形線(B)を求めるに当たり、楕円形状構造物(A)の外側に第1定点(C)を定め、ここを中心として、短軸(N)と長軸(M)の交点の中心(o)を通り、短軸(N)の最端の点(P)に至るところの、予め定めた一定長さの直線(L)と同じ長さの第1直線(L)を半径として、第1定点(C)より角αを設定して、前記点(P)より点(P)に至る第1円弧(d)を設定し、つぎに、前記の第1直線(L)上に第2定点(C)を設定し、この第2定点(C)より角αを設定して、第1円弧(d)に続く点(P)から点(P)に至る半径が第2直線(L)の第2円弧(d)を設定する。
同様に順次、前記手法によって円弧を設定してゆくと、第n−1直線(Ln−1)となる(Pn−1),(Cn−1)上に定める第n定点(C)は長軸(M)の交点となり、第n−1直線(Ln−1)を半径とする円は長軸(M)と交わり、その点が図3の例では点(P)となる。
特開2004−169527
この発明は、楕円形状構造物を構築するに当たり、それを設計、製図、測地、製作、施工に資するための効率的、経済的な手段を提供するとともに、そこで開示した円弧を繋いで近似楕円を得るという手法をさらに発展させて、任意の曲線の円弧による設計、製図、測地、製作、施工などに役立つ技術を提供するものである。
円弧の曲率(曲線または曲面の曲がりの程度を示す値;曲線の二点間の変化の割合;その曲線の半径を曲率半径と云う)は一定である。図4の曲線X,Y上でX,P=P,Pとした場合、点Xの接線の傾きと点Pの接線の傾き(の変化率)と、点Pの接線の傾きと点Pの接線の傾き(の変化率)は同じとなる。建築には各種の曲線の設計や曲線部材が求められるが、一般の曲線は各点の接線の変化率が異なるため、建築の設計やそれに応じる部材を作り難い。そこでそれらの曲線を円弧に置き換えることが必要となる。
図5の自由な曲線または弧[以下曲線として代表]XYにおいて、ほぼ真中あたりをこの曲線XYの曲率の中心として、直線X,Yの中点をQとし、その垂線と曲線XYとの交点をSとしたとき、そこで生じた曲線XSYを円弧で近似的に表すことについては、直線X,Sの中点をTとし、この中点Tの垂線と前記符号S,Qの延長上の点をCとする、また直線S,Yの中点をUとし、この中点Uの垂線と同じく符号S,Qの延長上の点をC’とすると、△TSC≡ △USC’となり、SC=SC’で点Cと点C’は一致する。そこでXC=SC=CYとなり、Cは円弧XSYの中心であり、前記の曲線XYに近似する円弧となる。eは前記中点Qと交点Sの間隔である。
図5で述べたように曲線XYを表す要素は、図6によれば点X,Y間の直線X,Yの中点Qからの垂線と曲線XYとの交点をSとしたとき、直線XYの長さ2fと、点Sと中点Qの間隔e の関係(比率)である。すなわち図5で示す自由な曲線XYの曲面の形を決める要素は、図6で示すように点X,Yを結ぶ直線X,Yの中点Qまでのそれぞれの長さfと、その中点Qからの垂線が曲線X,Yと交わる点Sまでの間隔e に関連して定まることは重要である。前記のように曲線XYを円弧(の曲線)XSYに置き換えることは、円弧で曲率を平均化し、一定にすることになり、円弧XSYの点X,S,Yを通る曲線を描けばよいわけである。それにはこの円弧XSYを形成する円弧の半径r を求め、その中心Cを得、この中心Cによって半径r の円を描けばよいこととなる。なおこの円弧XSYの中心Cの作図上の出し方は、図5で示すように直線XSの中点Tを通る垂線と、直線SYの中点Uを通るの垂線との交点で求められ、それは直線X,Yの中点Qを通る垂線の延長上にある。
要約すれば曲線XYを円弧で近似的に描くとき、その円弧の曲率は、前記直線X,Yと、直線X,Yの中点Qを通る垂線が、曲線XYに達して交点Sとなるとき、それら中点Qと交点Sの間隔e との関係で定まる。 そして円弧XSYの中心である前記符号Cを定めると、CX=CY=CS=半径=r となる。 すなわち、
Figure 2009046961
円弧XSYの半径 rは、数1として表される。
Figure 2009046961
さらに詳細にはつぎのとおりである。
QC+f=r・・・・・(1)[ピタゴラスの定理による]
e+QC=r ・・・・・(2)
QC=r−e ・・・・・(3)
ここで、式(3)を式(1)に代入すると、
(r−e)+f=r
−2er+e+f=r
+f =2er となり、前記の数1の
Figure 2009046961
上式に具体的な数値を入れれば、たとえば XY=20,SQ=1 のときに、
e=1, f=10 となり、
Figure 2009046961
となり、明確に数字的に半径r を捉え、規定することができる。
この発明は前述の原理に基づき、所望の曲線において、曲線の一端の点と他端の点を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線がその曲線と交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と、前記中点(Q)に至る前記曲線の一端の点および他端の点間のそれぞれの直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して、前記所望の曲線に近似する円弧の曲率半径(r)を設定して円弧の半径の中心点(C)を求め、これを中心として、曲線の一端の点から他端の点までの円弧(d)を設定することを特徴とする任意な曲線を円弧で近似的に描き、設計する建造物等の設計・施工法であり、また、
所望の連続してS状をなす曲線XYにおいて、曲線上に任意の点(P)を定め、点Xと点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線が曲線X,Pと交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と、前記中点(Q)に至る前記の点Xと点(P)間の直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して、前記曲線X,Pに近似する円弧の曲率半径(r)を設定し、円弧X,S,Pの半径の中心を第1定点(C)とし、この第1定点(C)を中心として、点Xから点(P)までの第1円弧(d)を設定し、
前記曲線X,Pに続き、横軸の反対側にある曲線上に任意の点(P)を定め、点(P)と点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線が曲線P,Pと交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と、前記中点(Q)に至る前記の点(P)と点(P)間の直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して前記曲線P,Pに近似する円弧の曲率半径(r)を設定し、前記第1定点(C)の延長上に円弧P,S,Pの半径の中心の第2定点(C)を設定し、この第2定点(C)を中心として、点(P)から点(P)までの第2円弧(d)を設定し、
必要によりこれらの手法を順次繰り返して、つぎに連なる円弧を設定することを特徴とする任意な曲線を円弧で近似的に描き、設計する建造物等の設計・施工法であり、
前記記載の設計・施工法により設計、製作された建築材により施工された建造物とし、
長軸(M)、短軸(N)において対称であり、全周として楕円形状の外形線(B)を有する筒状体からなる楕円形状建造物(A)の近似する外形線(B’)を設定するに当たり、
所望の楕円曲線Fを表示設定し、その短軸(N)の上端の点(P)から始まる楕円曲線Fの楕円弧上に任意の点(P)を定め、前記の点(P)と点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線が楕円弧との交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と前記中点(Q)に至る前記の点(P),(P)間の直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して前記楕円弧に近似する円弧の曲率半径(r)を求め、短軸上にこの曲率半径(r)を設定して第1定点(C)とし、第1定点(C)を中心として、点(P)から点(P)までの所望の楕円曲線F上に重ねて、第1円弧(d)を設定し、
楕円曲線Fの楕円弧上に任意の点(P)を定め、前記の点(P)と点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)を求め、その中点(Q)からの垂線が楕円弧との交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と前記中点(Q)に至る前記の点(P),(P)間の直線の長さ(f)を設定し、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して前記楕円弧に近似する円弧の曲率半径(r)を求め、前記曲率半径(r)上にこの曲率半径(r)が交わる点を設定して第2定点(C)とし、この第2定点(C)を中心として、点(P)から点(P)までの所望の楕円曲線F上に重ねて、第2円弧(d)を設定し、
同様に、この手法を繰り返して続け、楕円曲線F上に順次、任意の点(P),(P)を求め、曲率半径(r)と、長軸(M)との交点の第5定点(C)を中心に第5円弧(d)を長軸(M)に交わるところまで設定し、
一般には最終的に曲率半径(rn−1)と長軸との交点の第n定点(C)を中心に、第n円弧(d)を長軸(M)に交わるところまで設定して点(P)とし、
これらの手法により第I象限〜第IV象限において、近似する外形線(B’)を形成する一部の外形線(b’),(b’),(b’),(b’)を設定し、全体の外形線(B)を設定することを特徴とする楕円形状構造物(A)の設計・施工法であり、前記に記載の設計・施工法により設計、製作された建築材により施工された、全周として楕円形状の外形曲線を有する外形線からなる楕円形状建造物の構成とする。
一般の任意な自由に表された曲線を円弧によって描くことにより、また所望の楕円(計算上求められ作図される楕円,形状として理想的である楕円形)を計算上求め、それを「真楕円」とすると、この「真楕円」を予め表示し、この「真楕円」を円弧を繋いで近似的楕円として作図することにより、楕円形状の作図が「真楕円」に近く効率的となり、それらは円弧による部材が計数的に把握でき、それを製作することにより、建築部材を得るに当たってたいへん便利となる。そしてそれら円弧による部材により、効率よく建造物の建築を行うことができる。
図7においては、前記したところにより、所望の曲線X,Yにおいて、当初の曲線の一端の点Xと点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線がその曲線X,Pと交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と、前記中点(Q)に至る前記曲線の一端の点および他端の点間のそれぞれの直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して、前出の、数1の
Figure 2009046961
前記所望の曲線X,Yに近似する円弧の曲率半径(r)は、
Figure 2009046961
それを設定して円弧の半径の中心点(C)を求め、これを中心として、曲線の一端の点Xから点(P)までの円弧(d)を設定し、このように任意な曲線を円弧で近似的に描き、設計することができる。
さらに図7に示すように、所望の連続してS状をなす曲線XYとして、前記したように、曲線上に任意の点(P)を定め、点Xと点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線が曲線X,Pと交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と、前記中点(Q)に至る前記の点Xと点(P)間の直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して前記曲線X,Pに近似する円弧の曲率半径(r)を設定し、円弧X,S,Pの半径の中心を第1定点(C)とし、この第1定点(C)を中心として、点Xから点(P)までの第1円弧(d)を設定し、さらに前記曲線X,Pに続き、横軸の反対側にある曲線上に任意の点(P)を定め、点(P)と点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線が曲線P,Pと交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と、前記中点(Q)に至る前記の点(P)と点(P)間の直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して前出の、数1の
Figure 2009046961
前記曲線P,Pに近似する円弧の曲率半径(r)は、
Figure 2009046961
となり、それを設定し、前記第1定点(C)の延長上に円弧P,S,Pの半径の中心の第2定点(C)を求め、この第2定点(C)を中心として、点(P)から点(P)までの第2円弧(d)を設定する。ここで第2定点(C)は第1定点(C),点(P)の延長上にあるので、点(P)において円弧X,S,Pと円弧P,S,Pとは接線を共有するので、くびれずに円滑に接続される。なお曲線XYにおいて、Y点はX点に対する終点であり、すでに確定している点であり、その点は変動しない。
このように図7で示した曲線XY間の曲線を円弧で近似的に得ることは、建造物に用いる大きな部材を求めたり、また土面に設計して位置出しするとき、作業上において非常に簡便となり、費用の上からも経済的となる。
これらの手法を順次繰り返して、つぎに連なる様々な任意な曲線を円弧に近似して、くびれず滑らかに連続して設計することができ、これは大きな建造物を設計し、またその部材を作るのに非常に有効となる。
図8の所望の楕円曲線Fの楕円形で、当初の楕円弧を形成する点(P),(P)間において、点(P),(P)を結ぶ直線を設定し、その直線の中点(Q)からの垂線と、前記楕円弧との交点を(S)とし、Sの長さを(e)とし、P、Qの長さを夫々(f)とする。つまり、Q=Q=fとすると、この点(P),(P)間の第1円弧(d)の半径(r)は、数1により
Figure 2009046961
となる。この半径(r)は第1円弧(d)の曲率半径である。そして楕円形では、半径(r)と等しい長さの半径(r)は楕円形の短軸上にあり、それによって第1定点(C)が設定される。ここでPの長さは、Pの長さと等しく、つまりr=rとなり、第1円弧(d)は第1定点(C)を中心とした半径(r)の円弧となる。
同様に点(P),(P)間の曲線と、点(P),(P)間の直線との関係を、点(P),(P)の中点(Q)からの垂線と曲線(P),(P)との交点を(S)として、S=eとし、Q=Q=fとすると、
この曲線(P),(P)の半径(r)は、数1により
Figure 2009046961
となり、この半径(r)は第2円弧(d)の曲率半径である。
この半径(r)の、前出、半径(r)との交点を第2定点(C)とすると、P=Pとなり、半径(r)は半径(r)にさを異にして存在して重なり(オーバーラップ)し、第2円弧(d)は第2定点(C)を中心とした半径rの円弧となる。
同様の操作を繰り返し、後続するそれぞれの楕円弧をなぞらえる第3円弧(d)、第4円弧(d)を描くことができる。
そして半径(r)の半径(r)との交点の第4定点(C)と、楕円弧上の点Pを結ぶ直線が楕円の長軸(M)と交わる点を第5定点(C)とし、この第5定点(C)を中心として、半径(r)と等しいところの半径(r)と、長軸(M)との交点を点(P)とすると、予め設定されている長軸(M)の最終端内側に近似して第5円弧(d)が描かれる。
このように「真楕円」として長軸(M)と短軸(N)を定め、その当初の楕円曲線P,Pを近似的に円弧で描くときにおいて、その円弧の半径の中心点(C)はその短軸(N)上に定める。つまりP=P=r=rとする。
そしてこの図8のように「真楕円」の各一象限を五区分の円弧に分けて描くことにより、円弧による近似楕円は、「真楕円」に近く描くことが可能である。このように円弧による「真楕円」の近似的描法は、図示の当初のX,Cの線を楕円の短軸(N)に一致させて開始し、第1円弧(d)の半径(r)上に、つぎの第2円弧(d)の半径(r)が重なるので、第1円弧(d)と第2円弧(d)とはくびれずに滑らかに接続し、以下同様であり、最終に第5円弧(d)の長軸(M)上の交点(P)は、「真楕円」より内側に入る。
これらの手法により第I象限〜第IV象限において、前述の所望の楕円曲線Fに近似する外形線(B’)を形成する一部の外形線(b’),(b’),(b’),(b’)を同様に設定し、「真楕円」に近い全体の近似楕円形状の全体の外形線(B)を得、これによって形よい楕円形状構造物(A)の設計、施工とそれによる建築物を効率よく得ることができる。
なお「真楕円」を円弧で近似して設計することは、前記の自由な曲線を円弧で連続して設計する場合の特殊例となる。それはいずれの象限においても「真楕円」の短軸(N)に当初の曲率半径を一致させることであり、そこで形成される最終の円弧は、「真楕円」の前記所望の楕円曲線Fの末端よりも長軸(M)の内側、つまり「真楕円」の中心に近ずいて定まる。
産業上の利用分野
この発明は、楕円形状構造物および任意の曲線の構造物を設計、製図、測地、製作、施工に資するための、効率的、経済的な手段を提供することができる。それは円弧の組み合わせにより、たとえば任意な曲線の構造物の外形線および「真楕円」の楕円形状体の外形線により近く、それを能率よく形成することができ、各円弧の接合部が円滑に形成され、各円弧を作成するための作図、計算が容易となり、これらによって直ちに建築部材の製作に役立つことができ、効率よく任意の曲線を持つ構造物、楕円形状体の構造物を施工することができる。
楕円形状構造物の全体図。 「真楕円」の作図例を説明する図。 先行例の楕円形状構造物の作図を説明する図。 円弧の形成を説明する図。 この発明における円弧の作成を説明する図。 図5の円弧を作成をさらにくわしく説明する図。 この発明の一般の曲線を円弧により近似的に作図する実施例の説明図。 この発明の楕円形状構造物の作図の実施例を説明する図。
付号の説明
(A) 楕円形状構造物
(B) 外形線
(B’) 近似する外形線
F 所望の楕円曲線
(b’)〜(b’) 一部の外形線
(C) 第1定点
(C) 第2定点
(C) 第3定点
(C) 第4定点
(C) 第5定点
(d)〜(d) 第1円弧〜第5円弧
(L) 延長線
(L)〜(L) 第1直線〜第5直線
α〜α
(N) 短軸
(M) 長軸
(k),(k) 第1接線、第2接線
(P)〜(P) 点
Q 中点
S 交点
(e) 間隔
(f) 長さ
(r) 半径
XY 曲線
X,Y 直線

Claims (5)

  1. 所望の曲線において、曲線の一端の点と他端の点を結ぶ直線を設定し、その中点からの垂線がその曲線と交わる点を設定し、その間の垂線の間隔と、前記中点に至る前記曲線の一端の点および他端の点間のそれぞれの直線の長さを得、これらの間隔、長さに関連して前記所望の曲線に近似する円弧の曲率半径を設定して円弧の半径の中心点を求め、これを中心として、曲線の一端の点から他端の点までの円弧を設定することを特徴とする任意な曲線を円弧で近似的に描き、設計する建造物等の設計・施工法。
  2. 1.所望の連続してS状をなす曲線XYにおいて、曲線上に任意の点(P)を定め、点Xと点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線が曲線X,Pと交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と、前記中点(Q)に至る前記の点Xと点(P)間の直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して前記曲線X,Pに近似する円弧の曲率半径(r)を設定し、円弧X,S,Pの半径の中心を第1定点(C)とし、この第1定点(C)を中心として、点Xから点(P)までの第1円弧(d)を設定し、
    2.前記曲線X,Pに続き、横軸の反対側にある曲線上に任意の点(P)を定め、点(P)と点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線が曲線P,Pと交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と、前記中点(Q)に至る前記の点(P)と点(P)間の直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して前記曲線P,Pに近似する円弧の曲率半径(r)を設定し、前記第1定点(C)の延長上に円弧P,S,Pの半径の中心の第2定点(C)を設定し、この第2定点(C)を中心として、点(P)から点(P)までの第2円弧(d)を設定し、
    3.必要によりこれらの手法を順次繰り返して、つぎに連なる円弧を設定することを特徴とする任意な曲線を円弧で近似的に描き、設計する建造物等の設計・施工法。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載の設計・施工法により設計、製作された建築材により施工された建造物。
  4. 長軸(M)、短軸(N)において対称であり、全周として楕円形状の外形線(B)を有する筒状体からなる楕円形状建造物(A)の近似する外形線(B’)を設定するに当たり、
    1.所望の楕円曲線Fを表示設定し、その短軸(N)の上端の点(P)から始まる楕円曲線Fの楕円弧上に任意の点(P)を定め、前記の点(P)と点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)からの垂線が楕円弧との交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と前記中点(Q)に至る前記の点(P),(P)間の直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して前記楕円弧に近似する円弧の曲率半径(r)を求め、短軸上にこの曲率半径(r)を設定して第1定点(C)とし、第1定点(C)を中心として、点(P)から点(P)までの所望の楕円曲線F上に重ねて、第1円弧(d)を設定し、
    2.楕円曲線Fの楕円弧上に任意の点(P)を定め、前記の点(P)と点(P)を結ぶ直線を設定し、その中点(Q)を求め、その中点(Q)からの垂線が楕円弧との交わる点(S)を設定し、その間の垂線の間隔(e)と前記中点(Q)に至る前記の点(P),(P)間の直線の長さ(f)を得、これらの間隔(e)、長さ(f)に関連して前記楕円弧に近似する円弧の曲率半径(r)を求め、前記曲率半径(r)上にこの曲率半径(r)が交わる点を設定して第2定点(C)とし、この第2定点(C)を中心として、点(P)から点(P)までの所望の楕円曲線F上に重ねて、第2円弧(d)を設定し、
    3.同様に順次、この手法を繰り返して続け、楕円曲線F上に順次、任意の点(P),(P)を求め、曲率半径(r)と、長軸(M)との交点の第5定点(C)を中心に第5円弧(d)を長軸(M)に交わるところまで設定し、
    4.一般的には最終的に曲率半径(rn−1)と長軸(M)との交点の第n定点(C)を中心に、第n円弧(d)を長軸(M)に交わるところまで設定して点(P)とし、
    5.これらの手法により第I象限〜第IV象限において、近似する外形線(B’)を形成する一部の外形線(b’),(b’),(b’),(b’)を設定し、全体の外形線(B)を設定することを特徴とする楕円形状構造物(A)の設計・施工法。
  5. 請求項4に記載の設計・施工法により設計、製作された建築材により施工された、全周として楕円形状の外形曲線を有する外形線からなる楕円形状建造物。
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