JP2009046556A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、DBUをビフェニルアラルキル型フェノール樹脂との塩を形成させた硬化促進剤を用いることにより、常温保存特性、速硬化性、耐リフロー性に優れた、エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール性水酸基を2個以上有するフェノール樹脂、(C)無機充填材、(D)硬化促進剤として、DBUとイオン対を形成するフェノール性水酸機を2個以上有するビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる塩を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール性水酸基を2個以上有するフェノール樹脂、(C)無機充填材、(D)硬化促進剤として、DBUとイオン対を形成するフェノール性水酸機を2個以上有するビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる塩を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、常温保存特性、速硬化性および耐リフロー性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するものである
IC本体を機械的、化学的作用から保護するために半導体封止用エポキシ樹脂樹脂組成物(以下、樹脂組成物という)が開発、生産されてきた。この樹脂組成物に要求される項目は、ICチップの種類、封止されるパッケージの構造、使用される環境等によって変化しつつある。現在、最も大きな要求項目は、パッケージを実装する際に発生するクラック、いわゆる半田クラックの改善であり、この要求に対し種々検討された結果、無機充填材を多く含む樹脂組成物ではかなり改善された。この無機充填材の高充填の手法としては、無機充填材の粒度分布や形状の変更、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の粘度低減等があり、これらの手法を同時に用いる場合が殆どである。
しかし、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の粘度低減によって以下の様な問題が発生している。樹脂粘度の低減は、樹脂の分子量を小さくすることであり、これにより分子が動きやすくなっているため、樹脂混練時にすでに硬化促進作用を示す1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUと略記する、)、トリフェニルホスフィン(以下、TPPと略記する、)等の硬化促進剤を用いた場合、樹脂混練時に一部の架橋反応が速やかに進行し、所定の流動性が発現しない。又、同様の理由から、常温でも硬化反応が徐々に進行し、樹脂組成物の常温保存特性が低下するという欠点があった。
この問題を解決すべく、常温では反応しないといった潜在性硬化促進剤の開発が検討されてきた。この一例として、常温で液状であるDBUとフェノールノボラック型フェノール樹脂を溶融混合し、DBUに潜在性を持たせた硬化促進剤が開発された。すなわち、DBUの二つの環を構成する炭素原子のいずれかに低級アルキル基を置換した誘導体およびDBUのフェノールノボラック塩などが知られている。(例えば、特公平6−57745号公報、特開平4−369254号公報参照)しかし、DBUおよびその塩類を用いた封止材は配合系の水分などの影響を受けやすいため、得られた硬化促進剤を用いた樹脂組成物は吸水率が高くなるといった欠点があった。従って、使用にあたっては厳密な工程管理が要求され、更に半導体封止材の保存安定性あるいは成形時の流動性が不充分であるという欠点を有する。
これらの問題を解決するために、DBUまたはその塩類と、他の硬化促進剤、例えばイミダゾール類、2、3級アミン類、トリフェニルホスフィン、またはテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(以下、TPP−Bと略記する。)などを併用する方法もすでに多く知られている(例えば、特開平3−157447号公報参照)。しかし、これらの併用もまた、それぞれの硬化促進剤の欠点を付随することとなっている。例えば、イミダゾール類などの併用は少量の併用であっても信頼性の低下が大きく、またTPP−Bは潜在性を特徴とする硬化促進剤として古くから知られているものであるが、これを併用した場合も安定した性能を発揮させるための工程の管理が極めて困難である。
さらに、TPP−Bとフェノールノボラック類を併用したもの(例えば、特開昭54−58795号公報)では、配合方法などの違いによる熱履歴の差異で触媒活性などに変化を起こす欠点があった。また、6−アルキル−DBUと有機酸類の塩からなる硬化促進剤(特開平9−136944号公報)も上記のDBUの欠点を改良する硬化促進剤としてよく知られているが、基本となる半導体の電気特性を低下させる欠点があった。
10〜20重量%のDBU、6〜18重量%のTPPおよび62〜84重量%のフェノールノボラック類を、160〜220℃の温度で均一に溶融混合してなる硬化促進剤(特開平9−216936号公報)も知られている。
10〜20重量%のDBU、6〜18重量%のTPPおよび62〜84重量%のフェノールノボラック類を、160〜220℃の温度で均一に溶融混合してなる硬化促進剤(特開平9−216936号公報)も知られている。
したがって、本発明の目的は水分などの影響を受けにくく、半導体封止材の保存安定性または成形時の流動性に優れ、半導体の電気特性を損なうことのない、エポキシ樹脂の硬化促進剤を提供するものである。
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
特公平6−57745号公報
特開平4−369254号公報
特開平3−157447号公報
特開昭54−58795号公報
特開平9−136944号公報
特開平9−216936号公報
本発明は、これらの問題を解決するために種々の検討の結果なされたものであり、DBUをビフェニルアラルキル型フェノール樹脂と塩を形成させた硬化促進剤を用いることにより、常温保存特性、速硬化性、耐リフロー性に優れた、エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール性水酸基を2個以上有するフェノール樹脂、(C)無機充填材、(D)硬化促進剤として、DBUとイオン対を形成するビフェニルアラルキル型フェノール樹脂とからなる塩を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物に配合した場合、潜在性が高く、保存性が良好でありながら、硬化時において優れた硬化性を発揮し、得られたエポキシ樹脂組成物は硬化物強度に優れ、半導体封止用として好適であることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
本発明の粉末硬化促進剤は、DBUとビフェニルアラルキル型フェノール樹脂との安定な塩からなり、その適正な軟化点と低い吸湿性とから、保存安定性、作業性などに優れており、硬化促進剤として実用上極めて有用なものである。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
[(A)エポキシ樹脂]
前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂としては特に限定されないが、一般的な例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
[(A)エポキシ樹脂]
前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂としては特に限定されないが、一般的な例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
なお、上記エポキシ樹脂は液状のものから固形のものまでいずれのものも使用可能であるが、軟化点が50〜120℃でエポキシ当量が100〜400を有するものが好ましい。軟化点が50℃より低いエポキシ樹脂を用いた場合、硬化物のガラス転移温度が低下するばかりか、成形時にバリやボイドが発生し易くなり、軟化点が120℃より高い場合には、粘度が高くなりすぎて成形できなくなるおそれがある。
また、上記エポキシ樹脂を半導体封止用に用いる場合、加水分解性塩素が1000ppm以下、特に500ppm以下、ナトリウム及びカリウムはそれぞれ10ppm以下とすることが好適である。加水分解性塩素が1000ppmを超えたり、ナトリウム及びカリウムが10ppmを超える樹脂で半導体装置を封止し、長時間高温高湿下に該半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
[(B)硬化剤]
硬化剤も特に限定されず、フェノール樹脂系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等、公知のものが挙げられるが、半導体封止等の目的ではフェノール樹脂が好適に用いられる。
硬化剤も特に限定されず、フェノール樹脂系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等、公知のものが挙げられるが、半導体封止等の目的ではフェノール樹脂が好適に用いられる。
この場合、フェノール樹脂としては、1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個以上有するフェノール樹脂を使用する。このような硬化剤として具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、パラキシリレン変性ノボラック樹脂、メタキシリレン変性ノボラック樹脂、オルソキシリレン変性ノボラック樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール型樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型樹脂及びその重合体等のフェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂などが例示され、いずれのフェノール樹脂も使用可能である。
なお、これらのフェノール樹脂系硬化剤は、軟化点が60〜150℃、特に70〜130℃であるものが好ましい。また、水酸基当量としては90〜250のものが好ましい。更に、このようなフェノール樹脂を半導体封止用に用いる場合、ナトリウム、カリウムは10ppm以下とすることが好ましく、10ppmを超えたものを用いて半導体装置を封止し、長時間高温高湿下で半導体装置を放置した場合、耐湿性の劣化が促進される場合がある。
硬化剤の配合量は特に制限されないが、エポキシ樹脂を硬化する有効量であり、好ましくはエポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モルに対して、硬化剤中に含まれる反応性官能基(例えばフェノール性水酸基)とのモル比が0.5〜1.5、特に0.8〜1.2であることが好ましい。
[(C)無機質充填剤]
本発明に用いる(C)無機質充填剤としては、通常、樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。具体的には、例えば、球状の溶融シリカ、破砕状の溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、ムライト、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、シリカ、特には球状の溶融シリカが望ましく、その平均粒径が5〜30μmで、湿式篩い法で測定した75μmを超える粒径が0.2質量%以下であるものが、成形性、流動性の面からより望ましい。
なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による粒度分布測定により得ることができ、重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。
本発明に用いる(C)無機質充填剤としては、通常、樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。具体的には、例えば、球状の溶融シリカ、破砕状の溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、ムライト、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、シリカ、特には球状の溶融シリカが望ましく、その平均粒径が5〜30μmで、湿式篩い法で測定した75μmを超える粒径が0.2質量%以下であるものが、成形性、流動性の面からより望ましい。
なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による粒度分布測定により得ることができ、重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。
なお、硬化物の低膨張化と成形性とを両立させるために、球状と破砕品のブレンド、或いは球状品のみを用いることが推奨される。また、上記無機質充填剤は予めシランカップリング剤で表面処理して使用することが好ましい。
この無機質充填剤の配合量としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量100質量部に対し、700〜1,100質量部とすることが好ましい。700質量部未満では樹脂の割合が高く、十分な耐リフロークラック性が得られない場合がある。また1,100質量部を超える量では粘度が高くなるために成形できなくなるおそれがある。
なお、硬化物の低膨張化と成形性とを両立させるために、球状と破砕品のブレンド、或いは球状品のみを用いることが推奨される。また、上記無機質充填剤は予めシランカップリング剤で表面処理して使用することが好ましい。
このカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類;N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン類;イミダゾール化合物とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応物等のシランカップリング剤を用いることが好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
このカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類;N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン類;イミダゾール化合物とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応物等のシランカップリング剤を用いることが好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
[(D)硬化促進剤]
本発明のエポキシ樹脂組成物の(D)硬化促進剤として、DBUとイオン対を形成するビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる塩は従来のDBUとフェノールノボラック型フェノール樹脂の塩の吸水率が高いという問題点を解決させるため、塩を形成させるフェノール樹脂を吸水率の低いビフェニルアラルキル型にしたものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物の(D)硬化促進剤として、DBUとイオン対を形成するビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる塩は従来のDBUとフェノールノボラック型フェノール樹脂の塩の吸水率が高いという問題点を解決させるため、塩を形成させるフェノール樹脂を吸水率の低いビフェニルアラルキル型にしたものである。
ここで、本発明のDBUとビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の塩の合成法について説明する。本発明のDBUとビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の塩の合成法としては、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂を加熱溶融し、そこにDBUを滴下することにより、容易に得ることができる。なお、DBUとビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の塩の合成法としては上記合成反応ルートが一般的ではあるが、これらに何ら限定されるものではない。
例えば軟化点以上の温度、窒素気流中100〜220℃で溶融したビフェニルアラルキル型フェノール樹脂に、撹拌下にDBUを添加し、100〜220℃で1〜5時間程度均一に混合して取り出し、冷却後、通常微粉砕して製造することができる。混合温度が100℃以下では安定した性能が得られず、一方220℃を超えると一般にビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の熱分解が起こり始めるため好ましくない。より好ましい反応温度は160〜200℃である。均一混合後の温度、例えば取出し時の温度については、安全性および収量などの点から 200℃以下のできるだけ低い、生成物の軟化点より20℃以上高い温度であることが好ましい。なお、本発明は、前記の方法でDBUを用いて別個に製造した硬化促進剤を、封止材の製造時に併用することを妨げるものではない。本発明の利点の一つは、かかる少量の硬化促進剤を併用するような、封止材の工程管理の面から弊害となる煩雑な作業を避けることにもある。
本発明の硬化促進剤におけるDBUの量は10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%で、これはビフェニルアラルキル型フェノール樹脂と安定な塩を形成する目安となる量であり、最適な量はビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の種類などによって設定される。このようにして得られたDBUとビフェニルアラルキル型フェノール樹脂の塩の軟化点は、60〜150℃、好ましくは70〜130℃である。
本発明の硬化促進剤で用いられるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂としては、封止材の硬化剤であるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂と同じものが使用でき、例えば軟化点60〜70℃の明和化成(株)社製のMEH−7851SSなどが挙げられ、具体的には、下記一般式で示されるものがあげられる。
この硬化促進剤の配合量としては、(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール樹脂硬化剤との合計配合量100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、更に0.5〜2質量部が特に好ましい。
また、本発明において、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるため、(D)成分に公知の硬化促進剤を併用してもよい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものであれば特に制限はなく、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(p−ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ(p−メチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンの付加物等のリン系化合物;トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の第三アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。特にテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等が好ましい。
上記した任意成分としての硬化促進剤の配合量は有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)及び(B)成分の合計配合量100質量部に対して、通常、0〜10質量部、特に0〜5質量部とすることが好ましい。
[他の配合成分]
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲において、上記(A)〜(D)成分に加えて他の成分を配合しても差し支えない。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲において、上記(A)〜(D)成分に加えて他の成分を配合しても差し支えない。
本発明の組成物には、必要に応じて、該組成物の硬化物に可撓性や強靭性を付与させたり、接着性を付与するため、シリコーン変性共重合体や各種有機合成ゴム、スチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体などの熱可塑性樹脂、シリコーンゲルやシリコーンゴムなどの微粉末を添加することができる。また、二液タイプのシリコーンゴムやシリコーンゲルで無機質充填剤の表面を処理してもよい。なお、上述したシリコーン変性共重合体やスチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体はエポキシ樹脂の低応力化に効果を発揮する。
上述した低応力化剤としてのシリコーン変性共重合体及び/又は熱可塑性樹脂の使用量は、通常エポキシ樹脂組成物全体の0.2〜10重量%、特に0.5〜5重量%とすることが好ましい。0.2重量%より低い配合量では、十分な耐熱衝撃性を付与することができない場合があり、一方10重量%を超える配合量では、機械的強度が低下する場合がある。
更に、本発明の組成物には、カーボンブラック等の着色剤、ブロム化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン等の難燃剤、離型剤、カップリング剤などを配合することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、その他の添加物を所定の組成比で配合し、これを乾式ミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混練りを行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
[エポキシ樹脂組成物の調製等]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、その他の添加物を所定の組成比で配合し、これを乾式ミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混練りを行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、その他の添加物を所定の組成比で配合し、これを乾式ミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混練りを行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
なお、組成物をミキサー等によって十分均一に混合するに際して、保存安定性をよくする為に、或いはウエッターとしてシランカップリング剤等で予め表面処理等を行うことが好ましい。
ここで、シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。ここで、表面処理に用いるシランカップリング剤量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置、特にTSOPなどの薄型パッケージやBGAなどの片面成形パッケージの封止用に有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、成形温度は、通常160〜190℃で60〜120秒間処理し、後硬化(ポストキュア)を140〜200℃で3〜5時間の条件で行うことが望ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示す。
[実施例1]
窒素雰囲気下で1Lのセパラフラスコに、下記式で示されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(MEH−7851SS:明和化成(株)製商品名)800gを仕込み、徐々に加熱溶融して140〜150℃とし、攪拌混合下DBU(サンアプロ(株)製)200gを滴下し、温度175〜185℃で1時間均一混合後、バツトに取り出し、冷却後、粉砕して固形物を得た。
窒素雰囲気下で1Lのセパラフラスコに、下記式で示されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(MEH−7851SS:明和化成(株)製商品名)800gを仕込み、徐々に加熱溶融して140〜150℃とし、攪拌混合下DBU(サンアプロ(株)製)200gを滴下し、温度175〜185℃で1時間均一混合後、バツトに取り出し、冷却後、粉砕して固形物を得た。
[実施例2〜5および比較例1、2]
下記の(A)〜(D)を表1に示す配合割合で用い、エポキシ樹脂組成物を製造した。
(A)エポキシ樹脂
下記式で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、商品名YX−4000HK、軟化点105℃、エポキシ当量190)
ここでGはグリシジル基を示す。
(B)フェノール樹脂
ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(明和化成(株)製、商品名MEH−7851SS、軟化点67℃、フェノール性水酸基当量203)
(C)無機充填剤
球状シリカ粉末(平均粒径30μm、龍森(株)製)
(D)硬化促進剤
硬化促進剤a:テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(北興化学工業(株)製、商品名TPP−K)
硬化促進剤b:実施例1の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)のフェノールアラルキル塩
硬化促進剤c:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)のフェノールノボラック塩(サンアプロ(株)製、商品名U−CAT SA841、DBU含有量30質量%)
(E)その他添加剤
離型剤:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ(株)製)
シランカップリング剤:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名KBM−803)
調整法
上記各成分をロールで混練を行い、樹脂組成物を得た。
以上のエポキシ樹脂組成物につき、下記方法で諸特性を測定した。
上記各成分をロールで混練を行い、樹脂組成物を得た。
以上のエポキシ樹脂組成物につき、下記方法で諸特性を測定した。
《スパイラルフロー値》
EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、6.86Mpa、成形時間90秒の条件で測定した。
EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、6.86Mpa、成形時間90秒の条件で測定した。
《ゲル化時間》
表面温度175℃の熱版上にエポキシ樹脂組成物を溶融塗布し、スパチュラで増粘、硬化時間を測定してゲル化時間とした。
表面温度175℃の熱版上にエポキシ樹脂組成物を溶融塗布し、スパチュラで増粘、硬化時間を測定してゲル化時間とした。
《成型硬度》
JIS−K6911に準じて175℃、6.86Mpa、成形時間60秒の条件で10×4×100mmの棒を成形した時の熱時硬度をバーコール硬度計で測定した。
JIS−K6911に準じて175℃、6.86Mpa、成形時間60秒の条件で10×4×100mmの棒を成形した時の熱時硬度をバーコール硬度計で測定した。
《耐リフロー性》
各組成物を用いて、175℃、6.86MPa、成形時間90秒の条件でQFP(14mm×20mm×1.4mm、6キャビティー)を成形した。更に、180℃で4時間ポストキュアした後、リード部で切り離して6個のサンプルを得た。次いで、各サンプルを、125℃の温度で2時間乾燥した後、85℃/80%RHの条件で、24時間放置して吸湿させた。その後、IRリフロー炉(最高温度:260℃、炉内通過時間:10秒間)に3回通したサンプルについて、パッケージの状態を超音波探傷装置を用いて剥離発生状況を観察した。
各組成物を用いて、175℃、6.86MPa、成形時間90秒の条件でQFP(14mm×20mm×1.4mm、6キャビティー)を成形した。更に、180℃で4時間ポストキュアした後、リード部で切り離して6個のサンプルを得た。次いで、各サンプルを、125℃の温度で2時間乾燥した後、85℃/80%RHの条件で、24時間放置して吸湿させた。その後、IRリフロー炉(最高温度:260℃、炉内通過時間:10秒間)に3回通したサンプルについて、パッケージの状態を超音波探傷装置を用いて剥離発生状況を観察した。
Claims (4)
- (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール性水酸基を2個以上有するフェノール樹脂、(C)無機充填材、(D)硬化促進剤として、DBUとイオン対を形成するフェノール性水酸機を2個以上有するビフェニルアラルキル型フェノール樹脂からなる塩を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- (D)成分の硬化促進剤を、(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール樹脂硬化剤との合計配合量100質量部に対し、0.1〜10質量部配合することを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- (D)成分の硬化促進剤中のDBUの量が10〜30重量%であることを特徴とする請求項1乃至2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- (D)成分の硬化促進剤が、窒素気流中100〜220℃で溶融したビフェニルアラルキル型フェノール樹脂に、撹拌下にDBUを添加し、100〜220℃で1〜5時間程度均一に混合して取り出し、冷却後、微粉砕したものであることを特徴とする請求項1乃至3に記載のエポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
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JP2007212874A JP2009046556A (ja) | 2007-08-17 | 2007-08-17 | エポキシ樹脂組成物 |
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---|---|---|---|---|
JP2013234303A (ja) * | 2012-05-11 | 2013-11-21 | Panasonic Corp | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物と半導体装置 |
CN112480847A (zh) * | 2020-10-21 | 2021-03-12 | 江苏科化新材料科技有限公司 | 一种高耐热、低应力环氧塑封料及其制备方法 |
-
2007
- 2007-08-17 JP JP2007212874A patent/JP2009046556A/ja active Pending
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