JP2009046135A - 搬送パレット - Google Patents

Abstract

【課題】簡易構造でありながら軽量で機械的強度に優れた搬送パレットを提供する。
【解決手段】搬送パレットは、積載面に凹条が形成されるとともに側面および前記凹条の側壁に複数個の孔を形成した断面略Ｌ字型のデッキボードと、前記孔にデッキボードの長手方向に直角な方向に挿通して複数個のデッキボードを連結する連結棒と、からなり、前記デッキボードは、中空の直方体からなる脚部と、前記脚部の積載面と面一に水平方向に伸延させた平板部と、前記平板部の長手方向に平行に形成された凹条と、前記凹条の先端を伸延して形成した折返し積載面と鉤条側壁とからなる鉤条部と、からなる構成である。
【選択図】 図１

Description

本発明は、荷物の運搬の際に用いる荷物搬送パレットに関し、特に簡易構造でありながら高い強度を有し、高荷重に耐える軽量で安価な耐久性のある搬送パレットに関する。

従来から、工場や倉庫などでは、パレット上に載置して保管した荷物群をフォークリフトでパレット毎持ち上げて運送用トラックに積み込むことが一般的に行われている。
パレットに関する発明としては、特許文献１に開示されているように断面が矩形となるように折り曲げて形成した金属加工による平パレットが開発されている。金属製パレットは強度が高く、重量物を搬送するために適しているが、パレット自体が重くなるという問題がある。さらに、鋼製パレットは、さび易く、また、フォークリフトの爪部と接触したときに火花が発生するという問題もある。

これに対し、樹脂製パレットは軽量であることから、近年その需要が増加している。しかしながら、樹脂製パレットは一般に、金属製パレットと比較して機械的強度が不足するという問題があった。また、合成樹脂製パレットは、火気等を扱う場所では不向きであり、紫外線による劣化が促進されると衝撃特性が低下するという問題点も内在している。

また、強度を高めるために、特許文献２で示すように、角形鋼材で補強することが提案されている。しかしながら、樹脂製パレットを角形鋼材で補強すると、その重量が増加するだけでなく、そのパレット自体の持ち上げが煩雑となるという問題があった。
特開２００６−１４３３１０号公報 特開平１０−１１４３３７号公報

本発明は、上記問題を解決するために、簡易構造でありながら軽量で機械的強度に優れた搬送パレットを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明に係る搬送パレットは、複数個のデッキボードを連結してなる搬送パレットにおいて、前記搬送パレットは、積載面に凹条が形成されるとともに側面および前記凹条の側壁に複数個の孔を形成した断面が略Ｌ字型のデッキボードと、前記孔にデッキボードの長手方向に直角な方向に挿通して複数個のデッキボードを連結する連結棒と、からなる構造である。

また、前記デッキボードは、中空の直方体からなる脚部と、前記脚部の積載面と面一に水平方向に伸延させた平板部と、前記平板部の長手方向に平行に形成された凹条と、前記凹条の先端を伸延して形成した折返し積載面と鉤条側壁とからなる鉤条部と、からなる構造である。さらに、前記デッキボードの脚部は中空上部に突条を設けた構造であり、一枚の薄板を折曲して形成した構造でもある。

また、前記搬送パレットは、脚部により側面が構成されるように、隣接するデッキボードを外側壁で接合させて対称になるように組み合わせた１対のデッキボードを２組接合した４つのデッキボードを連結棒で結合した構造である。
また、前記連結棒は、断面形状が、丸みを帯びた長方形の対向する長辺を削設したような断面ダンベル型の棒材の構造である。

また、前記デッキボードはポリプロピレンとグラスファイバーの複合材を押出および／または引抜して成形される一枚の薄板を折曲して形成された構造である。
さらに、前記搬送パレットは、デッキボードの脚部の中空にカバー材を嵌装した構造でもある。

本発明に係る搬送パレットは、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果がある。
１．一つのデッキボードの構造が簡易であり、製造および連結も容易である。各デッキボードを連結棒により連結しているため強度が高く、高荷重に耐えることができる。また、部材の点数も少なく、安価で耐久性があり、かつ、連結構造も簡易で重量の増加が少ない。
２．鉤条側壁により連結棒を挿入する孔が増加し、連結棒によるデッキボードの固定が確実である。また、凹条底面で連結棒を支えることができる。ズレや破損をなくし、より大きな荷重に耐えることができる。
３．脚部の中空に設けられた突条により連結棒が下方から支えられる構造であるため、軽量でありながら大きな荷重に耐えることができる。
４．デッキボードが一枚の薄板により形成されているため、軽量で簡易な構造であり、屈曲成形が容易である。

５．連結されたデッキボードの脚部と隣接するデッキボードの脚部との間にできる空間にフォークを挿入して搬送移動することができる。
６．連結棒の断面が略ダンベル型であるため、孔から抜け落ちることなく確実に、かつ強固にデッキボードを連結できる。
７．パレット全体の重量軽減を図り、コストダウンを実現させることができる。軽量でありながら、耐衝撃性が高く、高荷重に耐えられ、耐熱性に優れた搬送パレットを提供することができる。
８．中空にパッキンが嵌装されることで、より強度を増すことができる。

以下本発明にかかる搬送パレットを図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。図１は本発明の搬送パレットの斜視図であり、図２は本発明の搬送パレットを構成するデッキボードの斜視図である。
本発明の搬送パレット１０は、デッキボード２０と、連結棒３０と、からなる構成である。

デッキボード２０は、複数個連結されて搬送パレット１０を構成するボードである。載置面５０には凹条が形成されている。デッキボード２０は、脚部２２と、平板部２４と、凹条２６と、鉤条部２８と、からなる。また、脚部２２、凹条２６および鉤条部２８により形成される側面５２、外側壁５４および鉤条側壁５６には孔４０が設けられている。

脚部２２は、中空２１を有する直方体をした搬送パレットの脚である。中空２１とすることにより軽量なパレットとなっている。また、図２に示すように中空２１に突条２３を設ける構造とすることも可能である。突条２３によって形成される突条面４３により連結棒３０が下方から支持されるためパレットの強度が増す。側面５２および側面に対向する面には、連結棒を挿入する孔４０が形成されている。

平板部２４は、脚部の上面となる脚部積載面５２と面一に水平方向に伸延させて形成され、上面が積載面の一部を形成する平板である。脚部２２の直方体の長手方向に平行に形成されている。

凹条２６は、平板部２４に平行に形成されるとともに、両側壁に孔４０を設けた構造である。搬送パレット１０は、図１に示すようにデッキボード２０の外側に位置する凹条２６の外側壁４６を、反対向きにした他のデッキボードの外側壁と接合させて連結することにより構成される。

鉤条部２８は、凹条の外側壁４６の先端を伸延し折曲して形成される。鉤条部２８は凹条を伸延して平板部方向に折り返して形成した折返し積載面５８と、折返し積載面５８を凹条の底面側に折曲して形成した鉤条側壁４８と、からなる。鉤条側壁４８には連結棒３０を挿通する孔４０が設けられている。

連結棒３０は、複数個のデッキボード２０を連結する棒材であり、デッキボード２０の側面および側壁に穿設された複数個の孔４０に、長手方向に対して直角な方向に挿入される。連結棒３０の形状は特定されず、デッキボード２０の孔４０に挿入して、各デッキボードを固定、連結できる形状であればよい。例えば、断面が円形、楕円形、四角形の連結棒や、多角形、曲面を組み合わせた断面を有する形状の連結棒とすることが可能である。孔４０の形状は、連結棒３０の断面形状に合わせて適宜変更される。連結棒３０を挿入でき抜け落ちることなく確実にデッキボード２０を固定できる形状であればよい。図１に示す実施例では、連結棒３０が抜け落ちることを防止するため、断面形状が、丸みを帯びた長方形の対向する長辺を削設したように凹ませた断面略ダンベル型をした棒材を使用している。

搬送パレット１０は、デッキボード２０の脚部２２が搬送パレットの側面を構成するように、デッキボード２０の外側壁４６で隣接するデッキボードと接合させて対称となるように組み合わせた１対のデッキボードを、２組以上接合して連結棒で連結することによって構成される。脚部２２の上面である脚部積載面５２と、平板部２４と、鉤条部２８の上面である折返し積載面５８により構成された積載面５０に荷物を積載する。
図１に示す実施例では、搬送パレット１０は４つのデッキボード２０を連結棒３０で連結することにより構成されているが、デッキボード２０の個数は特に制限されない。１対のデッキボードを複数組み合わせることにより、載置面の大きな搬送パレットとすることができる。

また、図示していないが、脚部２２の中空２１には、カバー材を嵌装する構成とすることが可能である。脚部２２の両端にカバー材を嵌装することで、搬送パレット１０の強度を上げることができる。デッキボードを連結した搬送パレットでは、１対のデッキボードを接合することによって隣接される２つの脚部２２を同時に嵌装する１つカバー材を使用することも可能である。

連結棒３０によるデッキボード２０の連結は、鉤条側壁４８を設けて挿通する孔４０の数を増加することで強固になる。また、脚部２２に突条２３を設けることで、連結棒３０が突条面４３と凹条の形成する凹条底面４６によって下方から支える構造となり、積載面５０にかかる大きな荷重に耐え得る強度を確保することができる。

搬送パレット１０を構成するデッキボード２０および連結棒３０は、ポリプロピレンとグラスファイバーによる複合材で形成することが可能である。グラスファイバー素材を使用することにより、製造時のコストを削減することができる。さらに、グラスファイバーは耐衝撃性、剛性、耐熱性に優れており、重量も軽いという利点がある。また、ポリプロピレン等の樹脂素材を複合させることにより、紫外線や熱の影響、雨水による侵食等に対する劣化を防ぎ、耐候性を向上することが可能となる。

デッキボード２０は、図２に示すように、一枚の薄板を折曲して形成した構造とすることが可能である。ポリプロピレンとグラスファイバーの複合材を押出し成形、または引抜き成形することにより、若しくは、押出しおよび引抜き成形を行うことにより、一枚の薄板を成形し、成形された薄板を折曲して突条２３、脚部２２、平板部２４、凹条２６および鉤条部２８を一体的に形成することが可能である。

図２に示す一枚の薄板を折曲して形成されたデッキボード２０の構造を詳説する。デッキボード２０は、薄板を断面が四角形となるように直方体に折り曲げて脚部２２を形成し、脚部に形成された直方体の上面（脚部積載面４２）と面一の高さで水平方向に伸延して平板部２４を形成し、さらに、積載面５０と平行に（凹条）底面４６を形成しつつ断面凹型に折曲して凹条２６を形成し、凹条の外側壁５６の上端を断面Ｌ字となるように平板部方向に垂直に折曲して、さらに垂直下方向に折曲することにより鉤条部２８を形成した構造である。
脚部２２は、上面の一端を伸延して断面Ｌ字となるように内方向に折曲して、直方体の内部上方に突条２３を形成した構造とすることも可能である。

本発明の搬送パレットの斜視図 本発明のデッキボードの斜視図

符号の説明

１０ 搬送パレット
２０ デッキボード
２１ 中空
２２ 脚部
２３ 突条
２４ 平板部
２６ 凹条
２８ 鉤条部
３０ 連結棒
４０ 孔
４２ 脚部積載面
４３ 突条面
４６ 凹条底面
４８ 折返し積載面
５０ 積載面
５２ 側面
５６ 外側壁
５８ 鉤条側壁

Claims (8)

1. 複数個のデッキボードを連結してなる搬送パレットにおいて、前記搬送パレットは、
   積載面に凹条が形成されるとともに側面および前記凹条の側壁に複数個の孔を形成した断面が略Ｌ字型のデッキボードと、
   前記孔にデッキボードの長手方向に直角な方向に挿通して複数個のデッキボードを連結する連結棒と、
   からなることを特徴とする搬送パレット。
2. 前記デッキボードは、中空の直方体からなる脚部と、前記脚部の積載面と面一に水平方向に伸延させた平板部と、前記平板部の長手方向に平行に形成された凹条と、前記凹条の先端を伸延して形成した折返し積載面と鉤条側壁とからなる鉤条部と、からなることを特徴とする請求項１記載の搬送パレット。
3. 前記デッキボードの脚部は中空上部に突条を設けたことを特徴とする請求項２記載の搬送パレット。
4. 前記デッキボードは、一枚の薄板を折曲して形成したことを特徴とする請求項２または３記載の搬送パレット。
5. 前記搬送パレットは、脚部により側面が構成されるように、隣接するデッキボードを外側壁で接合させて対称になるように組み合わせた１対のデッキボードを２組接合した４つのデッキボードを連結棒で結合したことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の搬送パレット。
6. 前記連結棒は、断面形状が、丸みを帯びた長方形の対向する長辺を削設したような断面ダンベル型の棒材であることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項に記載の搬送パレット。
7. 前記デッキボードはポリプロピレンとグラスファイバーの複合材を押出および／または引抜して成形される一枚の薄板を折曲して形成されることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか一項に記載の搬送パレット。
8. 前記搬送パレットは、デッキボードの脚部の中空にカバー材を嵌装したことを特徴とする請求項２乃至７のいずれか１項に記載の搬送パレット。
   

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