JP2009045711A - 主軸監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】過負荷が生じてワークの加工精度が低下する事態が生じた場合に、加工精度が低下した原因を容易に特定することができ、修理やメンテナンス等の対策を迅速かつ適切に講じることを可能とする主軸の監視装置を提供する。
【解決手段】主軸装置を有する数値制御方式の工作機械には、制御装置、位置検出器、センサ等によって構成される主軸監視装置が設けられており、その主軸監視装置の制御装置には、記憶手段が内蔵されている。そして、主軸モータあるいは送り軸モータに所定の閾値を超えた高い負荷が加わった場合には、主軸の位相角と、主軸モータおよび各送り軸モータに加わった負荷の値とを、記憶手段内に記憶するようになっている。
【選択図】図4
【解決手段】主軸装置を有する数値制御方式の工作機械には、制御装置、位置検出器、センサ等によって構成される主軸監視装置が設けられており、その主軸監視装置の制御装置には、記憶手段が内蔵されている。そして、主軸モータあるいは送り軸モータに所定の閾値を超えた高い負荷が加わった場合には、主軸の位相角と、主軸モータおよび各送り軸モータに加わった負荷の値とを、記憶手段内に記憶するようになっている。
【選択図】図4
Description
本発明は、数値制御方式の工作機械において主軸の状態を監視するための監視装置(システム)に関するものである。
回転軸(主軸)を軸受で回転可能に支えた主軸装置を有する数値制御方式の工作機械においては、ワーク(被加工物)の材質や形状、工具の摩耗等により主軸モータあるいは各送り軸モータに高い負荷が加わること(過負荷)がある。そのように主軸モータや各送り軸モータに高い負荷が加わる状態が続くと、ワークの加工精度が悪くなったり、機械の耐久性に悪影響を及ぼしたりする。それゆえ、主軸モータおよび各送り軸モータの負荷状態を数値制御装置により監視してリアルタイムで表示するとともに、過負荷が生じた場合にアラームにより事態を報知して機械を停止させる技術が開発されている。また、主軸を取り囲むようにリング部材を設けることにより、高い負荷が加わって主軸が変形しそうな場合に、主軸をリング部材に接触させて変形を抑えるようにした工作機械も開発されている(特許文献1)。
上記した主軸モータおよび各送り軸モータの負荷状態をリアルタイムで表示する技術によれば、オペレータが、常時、工作機械のそばにいれば、主軸モータや各送り軸モータへの負荷の状態や工作機械の稼動状態を把握することが可能となる。しかしながら、実際に工作機械を稼働させる場合には、無人で稼働させることやオペレータが工作機械から離れていることが多く、モータへの負荷状態や稼動状態を常時リアルタイムで確認することはできない。それゆえ、過負荷が生じてワークの加工精度が低下する事態が生じた場合に、そのときの各モータへの負荷の値や、過負荷が生じた際の工作機械の作動状況を確認することができないために、加工精度が低下した原因を特定することができず、修理やメンテナンス等の対策を迅速かつ適切に講じることができなかった。また、特許文献1の技術によれば、リング部材によってワークの加工精度の低下を防止できるものの、過負荷が生じた原因を特定することはできなかった。
本発明の目的は、上記従来の主軸の監視技術の問題点を解消し、過負荷が生じてワークの加工精度が低下する事態が生じた場合に、加工精度が低下した原因を容易に特定することができ、修理やメンテナンス等の対策を迅速かつ適切に講じることを可能とする主軸の監視装置を提供することにある。
本発明の内、請求項1に記載された発明は、回転軸を軸受で支持した数値制御方式の主軸装置に設置される監視装置であって、主軸を駆動する主軸モータあるいは送り軸モータに所定の閾値を超えた高い負荷が加わった場合に、主軸の位相角と、前記主軸モータおよび/または前記各送り軸モータに加わった負荷の値とを記憶する記憶手段が設けられていることを特徴とするものである。なお、本発明の送り軸モータとは、数値制御方式の主軸装置において、主軸の位置やテーブルの位置等を調整するために用いられる送り軸機構を作動させるためのモータのことである。
請求項2に記載された発明の構成は、主軸モータあるいは送り軸モータに所定の閾値を超えた高い負荷が加わった場合に、記憶手段が、主軸の位相角およびモータに加わった負荷の値を、前記閾値を超えた高い負荷が加わった時刻に関連付けて記憶することを特徴とするものである。
請求項1に記載の主軸監視装置によれば、主軸モータあるいは各送り軸モータに高い負荷が加わったときの工作機械の作動状況を容易に把握することができるので、過負荷が加わった原因を推定することができる。それゆえ、本発明の主軸監視装置によれば、主軸装置の修理や交換の必要がある場合に迅速に対応することが可能となる。
請求項2に記載の主軸監視装置によれば、主軸モータあるいは各送り軸モータに高い負荷が加わったときの工作機械の作動状況を明確に把握することが可能となるため、過負荷が加わった原因を精度良く推定することができる。
以下、本発明の主軸監視装置の一実施形態について、図面にしたがって詳細に説明する。図1は、数値制御方式の工作機械に設置された主軸装置1の断面(主軸に沿った鉛直断面)を示す説明図である。主軸装置1は、主軸3、ハウジング4a,4b、軸受5、工具ホルダ7、サーボモータ9、位置検出器6等によって構成されている。主軸3は、ハウジング4a,4b内に設けられた軸受5,5・・により回転可能に軸支された状態になっている。そして、その主軸3の先端には、工具8を取り付けるための工具ホルダ7が着脱自在に設置されている。また、主軸3の外周は、ハウジング4a,4bによって覆われており、そのハウジング4aの後部の内側および対向する主軸3外周には、主軸3を回転させるためのビルトイン方式のサーボモータ9のステータおよびロータが取り付けられている。一方、ハウジング4bの後方には、主軸3の回転位置を検出するための位置検出器6が取り付けられている。また、サーボモータ9には、加わった負荷を検出するためのセンサ22が設けられている。
また、図2は、主軸装置1に装着される送り軸機構の一例を示したものであり、送り軸機構2aは、サーボモータ10、ボールネジ11、ボールネジナット12、カップリング13、支持軸受14等によって構成されている。ボールネジ11は、両端の部分が支持軸受14,14によって回転可能に支持されおり、カップリング13を介してサーボモータ10に連結されている。また、ボールネジ11には、ボールネジナット12が螺合されており、そのボールネジナット12に、主軸装置1が固定された状態になっている。そして、サーボモータ10が回転すると、ボールネジ11が回転し、その回転によって、主軸装置1がボールネジナット12とともに、軸方向(X方向、すなわち、図2における左右方向)に移動するようになっている。また、サーボモータ10には、加わった負荷を検出するためのセンサ23が設けられている。なお、数値制御方式の工作機械には、主軸装置1をY方向において位置決めするための送り軸機構2b、主軸装置1をZ方向において位置決めするための送り軸機構2cも設けられている。
図3は、主軸装置1が設けられた数値制御方式の工作機械の制御機構を示すブロック図である。数値制御方式の工作機械には、制御装置15が設けられており、当該制御装置15には、CPU21、記憶手段18が内蔵されている。また、制御装置15には、インターフェイス19を介して、位置検出器6、入力手段20、モニタ17、サーボモータ9,10、センサ22,23等が接続されている。なお、数値制御方式の工作機械においては、制御装置15、位置検出器6、入力手段20、モニタ17、サーボモータ9,10、センサ22,23等によって主軸監視装置24が構成されている。
図4は、上記の如く構成された数値制御方式の工作機械の作動内容を示すフローチャートであり、工作機械を作動させる場合には、ステップ(以下、単にSで示す)1で、入力手段20を用いて、主軸モータであるサーボモータ9および送り軸モータであるサーボモータ10の負荷の閾値を予め入力する。そのように負荷の閾値が入力されると、その値が制御装置15の記憶手段18に記憶される。そして、負荷の閾値の設定を終えた後に、主電源が投入されると、S2で、工作機械が作動を開始する。
工作機械の作動中に、サーボモータ9,10に負荷が加わると、その負荷の値がセンサ22,23によって検出され、S3で、その負荷の値が予め設定された閾値内か否か判断される。そして、閾値内であると判断された場合には、工作機械は稼働を継続する。一方、負荷の値が予め設定された閾値外であると判断された場合には、制御装置15からの指令に基づいて、S4で、位置検出器6によって主軸3の位相角を検出する。なお、位置検出器6は、主軸3と同期して回転する検出体16の位置(0°〜360°の回転角度)を電圧にて出力し、その電圧出力からオペレータの位置を基準とした位相を検出する。
また、主軸3の位相角の検出と同時に、制御装置15からの指令に基づいて、サーボモータ9,10に加わった負荷の値を記憶手段18内に記憶する。さらに、閾値を超える高い負荷がサーボモータ9,10に加わった時刻(過負荷が生じた時刻)、および、サーボモータ9,10に加わった負荷の値を、図5の如く、モニタ17に表示する。さらに、S5で、警報装置を作動させるとともに、工作機械の作動を強制的に停止させる。
工作機械は上記の如く作動するため、モニタ17に、たとえば、図5の如く、「主軸位相角=90°、主軸のモータ負荷=0%、X軸のモータ負荷=100%、Y軸のモータ負荷=10%、Z軸のモータ負荷=30%」と表示されている場合には、主軸3の負荷が0%であることから、ワークの加工中以外のタイミングで過負荷が生じたものと推測することができる。また、表示されたX軸のモータ負荷が高く、主軸3の90°という位相角がオペレータの位置を基準としたX方向と一致するため、主軸3の回転停止中にX軸方向において何らかの衝突が起こったものと推測することができる。さらに、モニタ17に表示された「過負荷が生じた時刻」(すなわち、2007/4/15 12:00)における工作機械の作動状態(オートあるいはマニュアル)を確認することが可能であり、その情報を考慮することにより、過負荷の原因を一層精度良く推定することが可能となる。
主軸監視装置24は、上記の如く、主軸モータ(サーボモータ9)あるいは送り軸モータ(サーボモータ10)に所定の閾値を超えた高い負荷が加わった場合に、主軸3の位相角と、主軸モータおよび各送り軸モータに加わった負荷の値とを記憶する記憶手段18が設けられているため、主軸モータあるいは各送り軸モータに高い負荷が加わったときの工作機械の作動状況を容易に把握することができるので、過負荷が加わった原因を推定することができる。それゆえ、制御装置15によれば、主軸装置1の修理や交換の必要がある場合に迅速に対応することが可能となる。
また、主軸監視装置24は、主軸モータあるいは送り軸モータに所定の閾値を超えた高い負荷が加わった場合に、記憶手段18が、主軸3の位相角およびモータ(サーボモータ9,10)に加わった負荷の値を、閾値を超えた高い負荷が加わった時刻に関連付けて記憶する。したがって、制御装置15によれば、主軸モータあるいは各送り軸モータに高い負荷が加わったときの工作機械の作動状況を明確に把握することが可能となるので、過負荷が加わった原因を精度良く推定することができる。
なお、本発明の主軸監視装置の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、制御装置、位置検出器(主軸の位相角を検出する検出器)、センサ(主軸モータや送り軸モータに加わる負荷を検出するセンサ)等の形状、構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。また、主軸監視装置を設ける数値制御方式の工作機械の構成も、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、主軸装置、位置検出器、送り軸機構等の形状、構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
たとえば、上記実施形態においては、送り軸機構によって主軸装置のX,Y,Z方向における位置を位置決めする数値制御方式の工作機械について説明したが、本発明の工作機械は、加工されるワークを固定するためのテーブルのX,Y,Z方向における位置を送り軸機構によって位置決めするものに変更することも可能である。
また、送り軸機構は、上記実施形態の如く、ボールネジによって主軸装置やテーブルをスライドさせるものに限定されず、その他の機構によって主軸装置やテーブルを位置決めするものに変更することも可能である。
本発明の主軸監視装置は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、各種の工作機械において主軸の状態を監視するための監視装置として好適に用いることができる。
1・・主軸装置
2・・送り軸機構
3・・主軸
5・・軸受
6・・位置検出器
9,10・・サーボモータ
15・・制御装置
18・・記憶手段
22,23・・センサ
2・・送り軸機構
3・・主軸
5・・軸受
6・・位置検出器
9,10・・サーボモータ
15・・制御装置
18・・記憶手段
22,23・・センサ
Claims (2)
- 主軸を軸受で支持した主軸装置を有する数値制御方式の工作機械において、前記主軸への負荷の状態を監視するために設置される監視装置であって、
主軸を駆動する主軸モータあるいは送り軸モータに所定の閾値を超えた高い負荷が加わった場合に、主軸の位相角と、前記主軸モータおよび/または前記各送り軸モータに加わった負荷の値とを記憶する記憶手段が設けられていることを特徴とする主軸監視装置。 - 主軸モータあるいは送り軸モータに所定の閾値を超えた高い負荷が加わった場合に、記憶手段が、主軸の位相角およびモータに加わった負荷の値を、前記閾値を超えた高い負荷が加わった時刻に関連付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の主軸監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007215139A JP2009045711A (ja) | 2007-08-21 | 2007-08-21 | 主軸監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007215139A JP2009045711A (ja) | 2007-08-21 | 2007-08-21 | 主軸監視装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009045711A true JP2009045711A (ja) | 2009-03-05 |
Family
ID=40498417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007215139A Pending JP2009045711A (ja) | 2007-08-21 | 2007-08-21 | 主軸監視装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009045711A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101123395B1 (ko) * | 2011-08-18 | 2012-03-23 | (재)대구기계부품연구원 | 고속 주축의 절삭 부하값을 이용한 절삭 가공 장치의 상태 모니터링 및 제어 방법 |
US9696152B2 (en) | 2015-11-18 | 2017-07-04 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Position measuring apparatus |
-
2007
- 2007-08-21 JP JP2007215139A patent/JP2009045711A/ja active Pending
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