JP2009045677A - 携帯用収納容器の覆体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高所での作業中に携帯用収納容器から工具等の収納物を取り出す際に、他の工具等の収納物が落下したり、作業員の作業姿勢により工具等の収納物が誤って落下したりするのを防止して、柱上等の高所での作業の安全と効率化とを図る。
【解決手段】収納部2の人体への装着時において上方に向く工具等の取り出し用の開口部10を、放射状に延びる切れ目で互いに分離していると共に可撓性を有して成る複数の舌片12により構成されたシール部11で覆う。そして、シール部11に形成された放射状に延びる切れ目の収束点Pは、人体への装着時において開口部10の中心に対し人体の表面に沿った方向に偏ったものとする。さらに、シール部11は、閉塞部6から独立して開口部10の中心を軸心として回動し、さらに壁面部8の面及びシール部11の面が蛇腹構造の可変構造体9、13を有することで自在に傾くものとする。
【選択図】図1
【解決手段】収納部2の人体への装着時において上方に向く工具等の取り出し用の開口部10を、放射状に延びる切れ目で互いに分離していると共に可撓性を有して成る複数の舌片12により構成されたシール部11で覆う。そして、シール部11に形成された放射状に延びる切れ目の収束点Pは、人体への装着時において開口部10の中心に対し人体の表面に沿った方向に偏ったものとする。さらに、シール部11は、閉塞部6から独立して開口部10の中心を軸心として回動し、さらに壁面部8の面及びシール部11の面が蛇腹構造の可変構造体9、13を有することで自在に傾くものとする。
【選択図】図1
Description
この発明は、作業をするために必要な工具等の器具や材料が収納される構造をなし、作業員が電柱等の柱状体の柱上で作業する際に、作業員の腰部等に装着することで携帯可能である容器のうち、特に器具や材料を出し入れする開口部を有する覆体の構造に関する。
上部が開口して、道具或いは工具と称される器具や作業で用いる材料を収納可能な構造の容器としては、例えば特許文献1に示される腰袋や、特許文献2に示される工具袋等が既に公知となっている。
特開2004−306244号公報
実用新案登録第3110145号
しかしながら、電柱等の柱状体の柱上で作業中に腰袋、工具袋の中から工具等を取り出すときに、腰袋、工具袋が作業員の体に対しその背側に装着されている場合には、手の触覚だけを頼りに腰袋、工具袋内を探ることとなるので、工具等を腰袋、工具袋から取り出す際に、誤って他の工具等も腰袋、工具袋から引き出されて落下する危険性があった。
また、腰袋、工具袋の開口部が閉じられていないと、作業員の体が大きく傾いた等、作業員の作業中の姿勢によっては、腰袋、工具袋から工具等が落下するおそれがある。
このため、作業員に対し電柱の柱上等、高所での作業中にわたって緊張状態を強いることとなるので、作業効率も悪くなるという不具合を有していた。
そこで、本発明は、高所での作業中に、工具等の収納物を取り出す際に他の工具等の収納物が落下したり、作業員の作業姿勢により工具等の収納物が誤って落下したりするのを防止して、柱上等の高所での作業の安全と効率化とを図った構造の携帯用収納容器の覆体を提供することを目的とする。
この発明に係る携帯用収納容器の覆体は、収納部の開放口部を閉塞すると共に携帯用収納容器を人体に装着する時に上方に向く開口部が形成された閉塞部と、放射状に延びる切れ目で互いに分離していると共に可撓性を備えている複数の舌片とを有して、前記閉塞部に形成された開口部を覆うシール部とで構成されており、前記シール部に形成された放射状に延びる切れ目の収束点は、携帯用収納容器の人体への装着時において前記開口部の中心に対し人体の表面に沿った方向に偏っていることをとしている(請求項1)。この覆体は、収納部と別体であっても一体形成されていても良い。また、閉塞部の開口部は、例えば真円形状をなしている。さらに、シール部の各舌片は、例えばゴム等の弾性体により形成されている。
これにより、携帯用収納容器から工具、道具や材料等の収納物を出し入れする開口部はシール部により常時塞がれているので、作業員の作業姿勢が鉛直方向に対し大きく傾いた場合でも、収納部に収納された工具等の収納物が開口部から落下することがない。また、シール部が、放射状に延びる切れ目で互いに分離していると共に可撓性を有して成る複数の舌片により構成されているので、このシール部の切れ目に手を入れて所望の工具等の収納物を取り出す際に、他の工具等の収納物が一緒に引き出されようとしてもこのシール部の舌部で規制されるので、当該他の工具等の収納物が落下することがない。さらに、シール部の切れ目の収束点が、右利きの作業員用には開口部の中心に対し相対的に身体に沿った方向のうちの左側に偏り、左利きの作業員用には開口部の中心に対し相対的に身体に沿った方向のうちの右側に偏らせることで、作業中にシール部の切れ目に手を差込み、且つシール部の切れ目から手を抜く際に、その動作が円滑化される。
そして、この発明に係る携帯用収納容器の覆体のうち前記シール部は、前記閉塞部から独立した部材で構成されており、前記開口部の中心を回転の軸心として回転することが可能である(請求項2)。
これにより、シール部を回転させるのみで、携帯用収納容器を右利きの作業員用と左利きの作業員用とに変えることができるため、同じ携帯用収納容器を利き手に関係なく共通に使用することが可能となる。
また、この発明に係る携帯用収納容器の覆体は、前記シール部と前記開口部が形成された壁面部とが、前記開口部の軸方向に沿ってずれて位置していると共に、前記シール部と前記開口部が形成された壁面部とが自在に向きを可変することが可能な可変構造体を介して連接されている(請求項3)。さらに、この発明に係る携帯用収納容器の覆体は、前記開口部が形成された壁面部とこの壁面部の周縁に位置する周縁部とが、自在に向きを可変することが可能な可変構造体を介して連接されている(請求項4)。ここで、可変構造体とは、例えば蛇腹構造である。
これにより、シール部の切れ目に手を差し込む又は手を抜き取る際に、シール部の可変構造体若しくは閉塞部の可変構造体、又はこれらの可変構造体の双方が可変して、シール部の面及び壁面部の面の向きが手の差込み方向又は手の抜き取り方向と略直交するように変位するので、手のシール部への差込み動作及びシール部からの抜き取り動作が円滑化される。
以上のように、この発明によれば、携帯用収納容器の覆体に形成された、工具等の収納物を出し入れする開口部を、シール部により常時塞がれた状態とすることで、作業員の作業姿勢が鉛直方向に対し大きく傾いた場合でも、収納部に収納された工具等の収納物が開口部から落下することを防止し、且つ、そのシール部を、放射状に延びる切れ目で互いに分離していると共に可撓性を有して成る複数の舌片により構成することで、このシール部の切れ目に手を入れて所望の工具等の収納物を取り出す際に、他の工具等の収納物が一緒に引き出されようとしてもこのシール部の舌部で規制されるため、他の工具等の収納物が一緒に引きずり出されて落下することを防止することができるので、高所での作業の安全が図られると共に、作業員も作業中にわたって受ける過度の緊張から解放されることによる作業の効率化が図られる。
特に請求項2に記載の発明によれば、シール部を回転させるのみで、携帯用収納容器を右利きの作業員用と左利きの作業員用とに変えることができるため、同じ携帯用収納容器を利き手に関係なく共通に使用することが可能となるので、携帯用収納容器の製造コストの削減を図ることができる。
特に請求項3又は請求項4に記載の発明によれば、シール部の切れ目に手を差し込む際又は手を抜き取る際に、シール部の可変構造体若しくは閉塞部の可変構造体、又はこれらの可変構造体の双方が可変して、シール部の面及び壁面部の面の向きが手の差込み方向又は抜き取り方向と略直交するように変位するので、手のシール部への差込み動作及びシール部からの抜き取り動作が円滑化され、高所での作業全体の効率化を図ることが可能となる。
以下、この発明の実施形態について図面により説明する。
図1から図3において、例えば工具袋、腰袋等と称される携帯用収納容器1の一例が示されており、この携帯用収納容器1は、作業員が電柱等の柱状体の柱上で作業する際に、作業員の腰部等に装着することで携帯可能なもので、この実施形態では、例えば別の実施携帯であるが図4に示されるように、上方に開口した開放口部20を有する四角い箱状の収納部2と、この収納部2とは別体で、工具等の落下防止カバーとして機能する覆体3とによって構成されている。但し、携帯用収納容器1は、収納部2と覆体3とが一体的に形成されたものとしても良い。
このうち、収納部2は、柱上安全帯を構成するベルト(図示せず)が挿通可能な通し部4と、覆体3を収納部2に留めるための複数(この実施形態では2つ)の留め部5とが設けられている。この留め部5は、例えば面ファスナー等が用いられている。
これに対し、覆体3は、収納部2の開放口部20を閉塞するための閉塞部6を有し、この閉塞部6は、収納部2の開放口部の軸方向に沿って延びる周縁部7と、収納部2の開放口部20の形状と略同じ外形状の平坦なプレートで形成された壁面部8とから構成されている。そして、周縁部7と壁面部8とは、特に図3に示されるように、蛇腹構造の可変構造体9を介して連接されており、これによって、壁面部8は、周縁部7の上側面に沿った方向に対して全方位にむけて自在に傾くことが可能である。さらに、壁面部8の中央部位には、特に図3に示されるように、例えば大人男性の腕まで十分に挿入可能な内径寸法を有する開口部10が形成されている。
また、覆体3は、壁面部8の開口部10を常時において覆うシール部11を有している。このシール部11は、放射状に延びる切れ目で互いに分離している複数の舌片12を有することで構成されている。この舌片12は例えばゴム等の合成樹脂等の弾性体で形成されることにより開口部10の軸方向に沿って撓む可撓性を備えている。そして、シール部11を構成する各舌片12の相対的に鋭利な先端が集まる点(すなわち、放射状に延びる切れ目の収束点)Pは、図2に示されるように、携帯用収納容器1を人体に装着した際に開口部10の中心に対し人体の表面に沿った方向に偏った位置にある。
さらに、シール部11は、図3に示されるように、その面が壁面部8の面に対し開口部10の軸方向に沿って壁面部8よりも収納部2内側にずれて位置していると共に、この段段差で生じた範囲には、その一端が舌片12の基部側と連接した可変構造体13を有している。この可変構造体13は、図3に示されるように蛇腹構造となっている。これにより舌片12は、その面を壁面部8の上側面に沿った方向に対して全方位に向けて自在に傾けることが可能である。
このような構造により、シール部11を構成する各舌片12の相対的に鋭利な先端が集まる点Pが、図2に示されるように、携帯用収納容器1を人体に装着した際に開口部10の中心に対し図上相対的に左側に偏った位置にある場合には、この携帯用収納容器1を人体の背後に装着した際に右利きの作業員が右手をシール部11内に差し込み又は抜き出すにあたり、その動作を容易に行うことができる。しかも、作業員が右手をシール部11内に差し込む際又は抜き出す際には、可変構造体9及び可変構造体13は、シール部11の面及び壁面部8の面の傾きが右手の差込み方向又は抜き出す方向と略直交するように屈曲するので、より右手の差込み又は抜き出し動作を円滑に行うことができる。
そして、図示しないが、シール部11を構成する各舌片12の相対的に鋭利な先端が集まる点Pが、携帯用収納容器1を人体に装着した際に開口部10の中心に対し図上相対的に右側に偏った位置にある場合には、この携帯用収納容器1を人体の背後に装着した際に左利きの作業員が左手をシール部11内に差し込み又は抜き出すにあたり、その動作を容易に行うことができる。しかも、この場合でも、作業員が左手をシール部11内に差し込む際又は抜き出す際には、可変構造体9及び可変構造体13は、シール部11の面及び壁面部8の面の傾きが左手の差込み方向又は抜き出す方向と略直交するように屈曲するので、より左手の差込み又は抜き出し動作を円滑に行うことができる。
更にまた、シール部11は、この実施形態では、壁面部8とは独立の構成となっている。すなわち、図3に示されるように、壁面部8の開口部10の周縁から当該開口部10の軸方向に沿って突起部14を形成し、可変構造体13の先端に断面が略逆U字状の係合部15を形成して、この係合部15を突起部14に被せた構造とすることにより、シール部11は、開口部10の中心を軸心として回転可能となっている。
これにより、シール部11を回転させるのみで、シール部11を構成する各舌片12の相対的に鋭利な先端が集まる点Pを、携帯用収納容器1を人体に装着した際に開口部10の中心に対し右側に偏った位置と、携帯用収納容器1を人体に装着した際に開口部10の中心に対し左側に偏った位置とに可変することができるので、同一の覆体3を右利き用と左利き用との双方に共用することが可能である。
図4及び図5において、この発明に係る覆体3を用いた携帯用収納容器1の変形例が示されており、この携帯用収納容器1の変形例について当該図面を用いて以下に説明する。但し、先の実施形態と同様の構成については、上記図面に同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化し、異なる構成について詳述する。
図4に示される携帯用収納容器1は、開放口部20を有する収納部2と、上記実施形態と同様の閉塞部6及びシール部11から成る覆体3とで構成されている。そして、この覆体3は、閉塞部6の周縁部7の全周においてその下方側から伸縮自在なネット部16が延出されていると共に、このネット部16の延出方向の先端側には伸縮自在な環状のゴム等からなる固定部材17が設けられている。このような構成とすることにより、収納部2の開放口15側の大きさに差異があっても覆体3を装着することができるので、覆体3の汎用性を確保することが可能である。
また、図5に示される携帯用収納容器1は、図4に示されるような開放口部20を有する収納部2と、図1等に示される実施形態と同様の閉塞部6及びシール部11から成る覆体3とで構成されている点ではこれまでの実施形態と同じである。その一方で、覆体3は、収納部2と固定されるために、その固定手段として例えば伸縮自在なゴムバンド18、19を有している。このうちゴムバンド18はその先端が周縁部7のうち相対的に長く、相互に対峙している周縁辺7aの下側端と周縁辺7bの下側端とに連結されているもので、ゴムバンド19はその先端が周縁部7のうち相対的に短く、相互に対峙している周縁辺7cの下側端と周縁辺7dの下側端とに連結されている。このような構成とする場合でも、収納部2の開放口15側の大きさに差異があっても覆体3を装着することができるので、覆体3の汎用性を確保することが可能である。
1 収納容器
2 収納部
3 覆体
6 閉塞部
7 周縁部
8 壁面部
9 可変構造体
10 開口部
11 シール部
12 舌片
13 可変構造体
14 突起部
15 係合部
20 開放口部
P 放射状に延びる切れ目の収束点
2 収納部
3 覆体
6 閉塞部
7 周縁部
8 壁面部
9 可変構造体
10 開口部
11 シール部
12 舌片
13 可変構造体
14 突起部
15 係合部
20 開放口部
P 放射状に延びる切れ目の収束点
Claims (4)
- 収納部の開放口部を閉塞すると共に携帯用収納容器を人体に装着する時に上方に向く開口部が形成された閉塞部と、放射状に延びる切れ目で互いに分離していると共に可撓性を備えている複数の舌片とを有して、前記閉塞部に形成された開口部を覆うシール部とで構成されており、
前記シール部に形成された放射状に延びる切れ目の収束点は、携帯用収納容器の人体への装着時において前記開口部の中心に対し人体の表面に沿った方向に偏っていることを特徴とする携帯用収納容器の覆体。 - 前記シール部は、前記閉塞部から独立した部材で構成されており、前記開口部の中心を回転の軸心として回転することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の携帯用収納容器の覆体。
- 前記シール部と前記開口部が形成された壁面部とが、前記開口部の軸方向に沿ってずれて位置していると共に、前記シール部と前記開口部が形成された壁面部とが自在に向きを可変することが可能な可変構造体を介して連接されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯用収納容器の覆体。
- 前記開口部が形成された壁面部とこの壁面部の周縁に位置する周縁部とが、自在に向きを可変することが可能な可変構造体を介して連接されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3のいずれかに記載の携帯用収納容器の覆体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007212062A JP2009045677A (ja) | 2007-08-16 | 2007-08-16 | 携帯用収納容器の覆体 |
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JP2007212062A JP2009045677A (ja) | 2007-08-16 | 2007-08-16 | 携帯用収納容器の覆体 |
Publications (1)
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JP2009045677A true JP2009045677A (ja) | 2009-03-05 |
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JP2007212062A Pending JP2009045677A (ja) | 2007-08-16 | 2007-08-16 | 携帯用収納容器の覆体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180061865A (ko) * | 2016-11-30 | 2018-06-08 | 이다휘 | 휴대용 부품함 |
-
2007
- 2007-08-16 JP JP2007212062A patent/JP2009045677A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180061865A (ko) * | 2016-11-30 | 2018-06-08 | 이다휘 | 휴대용 부품함 |
KR101969834B1 (ko) * | 2016-11-30 | 2019-04-17 | 이다휘 | 휴대용 부품함 |
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