JP2009045559A - 膜エレメント、膜エレメントの製造方法および膜分離装置 - Google Patents

膜エレメント、膜エレメントの製造方法および膜分離装置 Download PDF

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憲司 酒井
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真 一ノ瀬
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Abstract

【課題】下廃水を処理する膜分離装置の膜エレメントは、運転中の曝気によって継続的に応力を受ける。そのため、膜エレメントの基材である支持板に張着された分離膜は、下方から上方に向かう応力を受ける。この応力は分離膜の上方に集中し、支持板と分離膜の接着部で破断が生じる場合がある。
【解決手段】支持板11に分離膜20を張着する際に、支持板上に接着剤を塗布し、分離膜を張着した後、超音波振動を与え、接着剤を分離膜の基材である不織布22に深く浸透させ、接着剤の含浸層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水や生産工場、レストラン、水産加工工場、食品工場から生じる廃水を処理槽内で浄化する際に用いられる膜エレメントおよびそれを用いた膜分離装置に関する。
生活廃水や産業廃水(以下「下廃水」という。)は、そのまま環境に放流してしまっては、環境汚染につながる。そのため一定のレベルまで浄化した後に放流する。従来は下廃水を処理槽(活性汚泥槽)に入れ、空気を通しながら微生物によって下廃水中の汚濁物質を分解処理して活性汚泥液にし、次いで、活性汚泥液を、別途設けた沈殿池にて汚濁分を沈降分離させた後、上澄み水を放流する。これは活性汚泥法と呼ばれる。
近年、高分子膜技術や膜分離技術の向上によって、膜分離活性汚泥法という方法が使われてきている。この方法では、処理槽(膜浸漬槽)内の被処理水中に膜分離装置を沈め、微生物による分解と、膜による活性汚泥液からの浄化水の取り出しとを同時に行う。膜ろ過されて取り出された水はそのまま放流できるため、沈降分離用の沈殿池を設置しなくてよいという利点がある。
ここで、膜浸漬槽内には、下廃水と共に、それを微生物処理するための微生物及び微生物処理により生成された活性汚泥液が貯留しており、この処理槽内に存在する液体を被処理水という。
ここで用いられる膜分離装置1は、図5に示すように主として、支持板の表裏両面に分離膜を貼り合わせた膜エレメント10を多数並べてなるエレメントブロック3から構成される。このエレメントブロックの下方には散気装置4が配設されている。膜エレメントにはろ過水を取り出す吸水管13が配設されていて、この吸水管13にはチューブ5を介して集水管8が接続され、その下流側に吸引ポンプ6が接続され、膜エレメント10内部に陰圧をかけ、ろ過水を取り出す。散気装置4はブロワ7に連結されている。膜浸漬槽2内の被処理水中に沈められた膜分離装置(エレメントブロック)3に向けて下方の散気装置4から空気が噴出される。これを曝気と称する。曝気は微生物に酸素を供給して活性化させ、汚濁物質の分解を促進させる。
散気装置4からの曝気はまた、各膜エレメント10の両面に配置された分離膜の外表面に付着しようとする汚泥を剥ぎ取って、膜への汚泥付着堆積を抑制すると共に、槽内の被処理水を膜エレメント間に循環させる流れをも作る。すなわち、膜エレメント間には、曝気による被処理水の上昇流が生じていて、この上昇流が膜の表面に衝突することで、膜表面が洗浄されて膜の目詰まりが抑制され、固液分離性能の経時的低下が抑制される。
しかし、この曝気は膜エレメントの分離膜を押し上げる方向に力を加えることにもなる。この力は膜分離装置の運転中は継続的に加えられるため、分離膜と支持板の間の接着部分若しくは分離膜の部分で破断が生じるおそれがある。
このような問題に対して従来から、支持板と分離膜の間の接着力を高める方法が検討されてきた。例えば支持板と分離膜を接着剤で固定するのではなく、超音波を用いて融着させる発明として、特許文献1や特許文献2のような発明が開示されている。特許文献1に開示されている発明は、支持板と分離膜を超音波で溶着した際に、支持板自体が溶融してしまい、膜エレメント自体が変形してしまうという課題を解決するために融着棒を支持板と分離膜の間に挟んで超音波で溶着する。
また、特許文献2に開示されている発明は、不織布を支持材とした分離膜を支持板に強固に接着するために、分離膜と支持板を重ねて超音波を照射し、支持板の溶融樹脂を不織布に含浸させる。いずれの発明も支持板の一部と分離膜を構成する不織布を超音波によって溶着させることで、支持板と分離膜の接着性を高めようとするものである。
特許3028899号公報 特許3028900号公報
特許文献1に記載された発明のように、超音波により融着棒を溶融し、分離膜と支持体を確実に融着させるためには、溶融樹脂と支持板を密着させるために高い圧力をかけなければならない。すると、分離膜が圧縮されるので、分離膜内部の空隙がつぶれてしまい、却って樹脂を分離膜に含浸させるのが困難になる。
また、超音波の強度を上げ、強行に溶融樹脂を分離膜に含浸させようとすると、分離膜自体が溶融してしまう。このような状態の分離膜は、使用中に分離膜の溶融部分で破壊が生じるおそれが高い。
一方、融着棒が溶融して支持板が溶融しなかった場合は、支持板と融着棒の部分での接合が不十分となり剥がれ易いという問題が残る。
また、特許文献2に記載された発明のように、支持板の不織布に溶融させた支持板の樹脂を含浸させると、支持板は比較的高強度の樹脂を用いるため、柔軟な不織布と硬い樹脂の界面で膜の破壊が発生するという問題が生じる。本発明は以上のような課題に鑑み想到されたものである。
上記の課題を解決するために、本発明は、分離膜を構成する不織布に比較的硬度の低い接着剤を、超音波を用いて含浸させた含浸層を形成し、支持板との間に弾力を有する接着部分を形成する。
具体的には、
分離膜と、
前記分離膜を保持する支持板と、
前記分離膜と前記支持板の間に位置する接着剤からなる接着層を有し、
前記分離膜は接着剤がしみこんだ含浸層を有する膜エレメントおよびこの膜エレメントを用いた膜分離装置を提供する。
また、
支持板上に接着剤を塗布する工程と、
不織布上にポリマー層を有する分離膜の前記不織布面を前記接着剤に押し付けて過熱する工程と、
前記分離膜のポリマー層側から超音波振動を加える工程を有する膜エレメントの製造方法を提供するものである。
本発明では、支持板と分離膜を強固に固定するのではなく、幾分弾性を有した状態で接着を行う。このような接着は、曝気による継続的な応力の付加に対しては、硬く接着された状態よりも破断が生じにくいという効果を有する。
より詳細には、本発明では、支持板と分離膜の接着は基本的に接着剤で行い、超音波振動は、接着剤を分離膜の不織布に含浸させるために用いる。従って、支持板や分離膜を溶融させるほどの超音波を用いる必要がない。そのため、本発明で用いる超音波は低圧力、低強度の超音波振動でよい。これは、分離膜を構成する不織布の空隙をつぶすことがないので、接着剤は容易に不織布に含浸される。そのため、以下のような効果を得ることができる。
まず、分離膜の不織布を溶融させることがないので、使用中の分離膜の不織布部分での破壊が回避できるという効果を得ることができる。
また、支持板と分離膜は基本的に接着剤での固定であるので、超音波の条件によって支持板と分離膜の接着強度が左右されることがない。
また、接着剤には硬度が比較的低く柔らかいものを用いるため、分離膜と接着剤との界面での応力を緩和する。このため、曝気により常時応力を受け続ける分離膜と支持板の接着部では、硬く固定された接着よりも破断しにくい接着を得ることができる。
(実施の形態1)
本発明の実施形態を図面により説明する。図1は本発明の膜エレメント10の一実施態様を示す斜視図である。膜エレメント10は、両側縁部にスペーサ部12を配置した支持板11に、分離膜20を張り合わせてある。なお、ここで張り合わせるとは張着するともいう。
なお、本明細書の説明において、分離膜の上辺とは、使用される際に曝気の発生源から遠い方の辺をいう。図1の場合では、吸水管13がある方向である。また、符号14は膜エレメント同士を結合させる際に用いる固定用溝である。
分離膜20には、下廃水や活性汚泥液をろ過することができる平膜状の分離膜が用いられ、多孔質樹脂の分離機能層が形成された平膜が一般的に使用される。その樹脂材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリスルホンサン樹脂などを用いたり、主成分とすることができる。ただし、これらに限定されるものではない。これらの多孔質樹脂の分離機能層は、基材となる不織布上に形成される。従って分離膜20は少なくとも不織布の基材層と多孔質樹脂の分離機能層との2層構造を有する。また、不織布の基材層は不織布層と呼び、多孔質樹脂の分離機能層をポリマー層とも呼ぶ。なお、基材となる不織布としては、ポリエステル繊維製不織布等の合成繊維製不織布が用いられる。
支持板11には、分離膜20が張着される。分離膜を通過したろ過水は支持板と分離膜との間の集水路(図示せず)を流れて、ろ過水出口へと向かう。支持板11には、ろ過水を吸い出す吸水管13が配設され、集水路を経て集められたろ過水は吸水管13からエレメント外に取り出される。支持板と分離膜との間の集水路は、支持板の表面に形成された流路用の溝であってもよい。なお、分離膜は支持板11の両面に張着されていてもよい。
略平板状の形状からなる支持板11を構成する材質としては、ASTM試験法のD790におけるヤング率が300MPa程度以上の剛性を持つ材質であれば特に限定されるものではない。例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、塩化ビニル樹脂などの樹脂、繊維強化樹脂(FRP)などの複合材料、その他の材質などを適宜選択して使用することができる。また、スペーサ部12にも支持板と同等の材質を使用すればよい。
分離膜と支持板の接着部分には、接着剤を塗布した部分30と、さらに超音波振動を与えた部分29がある。図1では、これらの部分を実線で囲んで表したが、実際には分離膜20の裏側になるので、表からは見えない。
図2には、膜エレメントの上辺の隅の部分(図1の符号100の部分)を拡大した図を示す。図2(a)は、平面図で図2(b)は図2(a)のA−A’の断面図である。
支持板11には分離膜20が張着される面15がある。面15の周囲には分離膜の貼り付け位置を示す縁16を示したが、この縁16はなくても良い。分離膜20は、多孔質樹脂のポリマー層21と不織布層22が積層されている。面15上の周囲部分には接着剤からなる接着層30が形成されている。支持板11と分離膜20はこの接着層で接着されている。
なお、図2(a)の平面図では、接着層30は分離膜20と区別して描いたが、実際の接着層30は分離膜20の下にあって、目視では見えない。
さらに、本発明の膜エレメントは、この接着層30の接着剤が不織布に含浸した含浸層29を有する。この含浸層は、接着剤が分離膜の基材となる不織布層22に深くしみ込んでいるため、不織布層の部分で、破断が生じることを防止する。図2(a)では、含浸層29は、接着層30の場合と同様に、分離膜20とは区別して描いたが、実際の含浸層29は分離膜20のポリマー層21の下にあるので、目視では見えない。
含浸層29の厚みは、不織布層22の厚みの半分以上であることが望ましく、不織布層の厚み全部について浸透していれば、より好ましい。ここで含浸層の厚みとは、不織布層が接着層に接している部分25から不織布層中で接着剤が最も深く染み込んでいる部分26までをいう。従って、含浸層はその断面が図2(b)のように方形である必要はなく、浸透するに従って幅が変ってもよい。すなわち、含浸層の幅28は、不織布層の表面からの深さによって変ってもよい。
また、図2では、含浸層29は分離膜の上辺だけにある場合を示しているが、含浸層29は、それ以外の部分に形成されていてもよい。しかし、分離膜の上辺には形成されてあるのが好ましい。曝気による応力は結局分離膜を膜エレメントの上方に押し上げ、分離膜への応力は、上辺部に多く発生するからである。
本発明の含浸層29に用いる接着剤には、超音波により低粘性化する樹脂組成の接着剤を用いる。また、この接着剤は、硬化後の硬度がタイプAデュロメーターによる硬度で30以上80以下であることが望ましい。硬化後のタイプAデュロメーター硬度が30より小さくなると、やわらかすぎて、接着性が十分でなくなるからである。また硬度が80より大きくなると硬くなりすぎ、含浸層29の下方33の付近で分離膜(ポリマー層+不織布層)が鋭利に破断するからである
このような特性を発揮できる接着剤としては、シリコーン系、ウレタン系、二トリルゴム系、ポリエステル系、エポキシ系、オレフィン系、等を主体とした接着剤を用いることができる。また、その形態も1液型、2液混合型、ホットメルト型、のいずれのタイプでも利用することができる。
なお、含浸層29の有無および硬さに関しては、以下のように確認することができる。まず支持板から分離膜を剥ぎ取る。この場合は接着層から剥ぎ取るのが好ましい。そして、接着層の部分から微小厚みを削り取る。これは例えば、鉋(カンナ)で削っても良いし、荒いサンドペーパーで削っても良い。接着層を含めて不織布層を1/4乃至1/3ほど削り取った後に、接着剤がしみ込んでいる不織布層の部分の硬さを、タイプAデュロメーターで測定する。この際の測定値が含浸層の接着剤の硬化後の硬度としてよい。なお、接着剤がしみ込んだ不織布の硬さは接着剤の硬さと同じと考えてよく、不織布自体の硬さを考慮する必要はない。
また、接着層から剥ぎ取るのが困難な場合には、分離膜表面からサンドペーパー等でポリマー層および不織布層を削り取り、含浸層が露出してきた時点で、分離膜表面側から測定してもよい。
このように、支持板と比べると比較的やわらかい接着剤によって接着層30および含浸層29を形成すると、分離膜20と支持板11の間の接着部分は、弾性を有することとなり、分離膜が運転中に曝気から受ける力を緩和することができ、分離膜の破断を回避することができる。
図3には、本発明の膜エレメントの製造方法の一例を示す。図3(a−1)は支持板11の平面図であり、図3(a−2)は、図3(a−1)のB−B’部分の断面図である。分離膜を張着する前であるので、分離膜を張着する面15が直接見える。
この支持板11の分離膜張着面15に接着剤を塗布して接着層30を形成する(図3(b))。接着剤を塗布する部分は少なくとも、分離膜の四辺にあたる部分に塗布するのが望ましい。もちろん、膜エレメントの大きさによって中央部分に適宜接着剤を塗布してよい。
接着剤は、均一の厚みで塗布してよいが、含浸層を形成する部分だけ厚く塗布してもよい。不織布層にしみ込む分があるからである。
次に分離膜20を支持板11に張着する(図3(c))。分離膜20の張着は不織布層22を接着層30に押しあてて、しわがよらないように貼り付ける。ホットメルト系の接着剤を用いる場合には、張着後に加熱処理をし、接着剤の粘度を下げて接着剤を不織布層の表面にいきわたるようにすることが好ましい。この時の温度は80℃乃至160℃程度が好適である。また、ポリマー層側から圧力をかけてもよいが、分離膜にへこみが残らない程度にかけるのが好適である。強い圧力をかけすぎると、分離膜中の空隙がなくなるからである。
次に含浸層を形成する部分に超音波振動を与える(図4(d))。超音波振動は、ホーン50を押し当てて行うが、この方法に限定されるものではない。例えば、超音波融着ローラー等を用いても良い。本発明の製造方法で用いる超音波振動は、分離膜の不織布層や支持板自体を溶融させる目的でなく、接着剤を不織布層にしみ込ませるのが目的である。
従って、不織布層22や支持板11が溶融するほどの超音波をあてる必要はない。例えば、ホーン50を30kPa程度の圧力で分離膜の表面に押し当て、0.5kW〜10kWの超音波を0.5秒から3秒照射すればよい。
この程度の超音波は、不織布層中の気泡を追い出し、接着剤が毛細管現象で不織布層22中に浸透することを促進させる。接着剤が不織布層に浸透することで含浸層29が形成される。
接着剤が不織布層中に浸透するには、接着剤の粘度は低い方が好ましい。従って、超音波振動を与える工程では、同時に加熱を行ってもよい。加熱温度は分離膜のポリマー層21、不織布層22、支持板11が溶融しない程度の温度であって、接着剤の粘度低下に効果がある程度の温度がよく、具体的には80℃乃至160℃程度であるのが好ましい。
以上のようにして、含浸層29を形成することができる。本発明の膜エレメントを得ることができる。この膜エレメントを複数個並べて固定し、膜エレメントブロックとして、膜分離装置を作製することで本発明の膜分離装置を得ることができる。
(実施の形態2)
次に本発明の膜エレメントの製造方法の他の実施の形態を説明する。図4は、本実施の形態の膜エレメントの製造方法を説明する図である。図4(a)は、分離膜の不織布層に接着剤を含浸させる工程を示す。分離膜の不織布層側を接着剤の溜り40にのせ、上から超音波振動を付与する。溜り40は固定された平面42上に設けられている様子を示しているが、特に図4(a)の状態に限定されるものではない。この際、接着剤の溜り40は接着剤が低粘度になるように加熱してあればより好ましい。なお、予め接着剤を含浸させておいた不織布にポリマー層を形成しても良い。
予め接着剤を含浸させておく厚みは、不織布層の全厚みでなくてもよい。厚み方向に加圧されない状態で接着剤を含浸させられると、不織布層は膨潤する。そのため不織布層の全厚みに接着剤をしみ込ませると、必要以上の接着剤が不織布層にしみ込むことになるからである。
次に支持板には接着剤を塗布しておく(図4(b))。この時塗布する接着剤は、含浸層に用いた接着剤以外の接着剤であってもよい。含浸層を形成する接着剤と支持板に塗布された接着層が十分強く接着すればよいからである。
例えば、接着層の硬度を高くし、含浸層側の硬度を接着層より低くすれば、支持板と分離膜の接着部分に、より弾性を与える事ができる。なお、接着層と含浸層の接着剤を別々にする場合であっても、どちらもタイプAデュロメーター硬度が30以上80以下であることが望ましい。
そして、含浸層を形成した分離膜を支持板にのせ(図4(c))、超音波振動を付与する(図4(d))。この際に加熱してもよいのは実施の形態1と同じである。この加熱によって、不織布層内に接着剤が浸透し、含浸層が形成されると同時に、支持板上に塗布された接着剤と、含浸層の接着剤が一体となり本発明の膜エレメントを得ることができる。
この膜エレメントを複数個並べて固定し、膜エレメントブロックとして、本発明の膜分離装置を得ることができる。
本発明は、下水や生産工場、レストラン、水産加工工場、食品工場から生じる廃水を処理槽内で浄化する際に用いられる膜エレメントおよびそれを用いた膜分離装置の作製に好適に利用することが出来る。

本発明に関する膜エレメントを示す斜視図である。 本発明の膜エレメントの部分拡大図である。 膜エレメントの製造方法を示す図である。 膜エレメントの他の製造方法を示す図である。 膜分離装置の構成を示す図である。
符号の説明
3 エレメントブロック
10 膜エレメント
20 分離膜
21 多孔質樹脂のポリマー層(分離機能層)
22 不織布層
29 含浸層
30 接着層
40 接着剤の溜り
50 ホーン


Claims (9)

  1. 分離膜と、
    前記分離膜を保持する支持板と、
    前記分離膜と前記支持板の間に位置する接着剤からなる接着層を有し、
    前記分離膜は接着剤がしみこんだ含浸層を有する膜エレメント。
  2. 前記接着層を構成する接着剤と、前記含浸層に染み込んだ接着剤は同一の接着剤である請求項1に記載された膜エレメント。
  3. 前記接着剤は硬化後の硬度がタイプAデュロメータ30以上、かつタイプAデュロメータ80以下である請求項1または2の何れかの請求項に記載された膜エレメント。
  4. 前記分離膜は不織布層とポリマー層が積層されており、前記含浸層は前記不織布層の厚みの半分以上である請求項1乃至3の何れかの請求項に記載された膜エレメント。
  5. 前記含浸層は前記分離膜の上辺に施されている請求項1乃至4のいずれかの請求項に記載された膜エレメント。
  6. 請求項1乃至5の何れかの請求項に記載された膜エレメントを用いた膜分離装置。
  7. 支持板上に接着剤を塗布する工程と、
    不織布上にポリマー層を有する分離膜の前記不織布面を前記接着剤に押しあて加熱する工程と、
    前記分離膜のポリマー層側から超音波振動を加える工程を有する膜エレメントの製造方法。
  8. 不織布上にポリマー層を有する分離膜の前記不織布に接着剤を含浸させる工程と、
    支持板上に接着剤を塗布する工程と、
    前記分離膜の前記不織布面を前記支持板上の前記接着剤に押しあて加熱する工程を有する膜エレメントの製造方法。
  9. 前記接着剤は、硬化後の硬度がタイプAデュロメータ30以上、かつタイプAデュロメータ80以下である請求項7乃至8の何れかの請求項に記載された膜エレメントの製造方法。
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