JP2009045524A - 電解ユニット管および液体電解装置 - Google Patents

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▲しげ▼夫 堀田
Takeshi Miyagawa
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Abstract

【課題】
液体の流通によって電極体との接触を常時更新する電解ユニット管を提供し、さらに工場内や船舶内などの設置場所に応じて任意の形状に配列できる循環型の液体電解装置を提供する。
【解決手段】
電解ユニット管は、少なくとも1本を接続して配列自在の液体電解装置を構成し、両端が開口している管本体と、軸方向に沿って管本体の内部で平行に近接収納する少なくとも1対の電極体と、管本体の両端部に形成した接続用のフランジ部とを備え、液体の内部流通によって電極体との接触を常時更新して電解反応を促進させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体の流通によって電極体との接触を常時更新する電解ユニット管に関し、さらに工場内や船舶内などの設置場所に応じて任意の形状に配列できる循環型の液体電解装置に関する。
印刷機を含む写真プラントは、刷版の加工時において写真感光材料を現像・定着する際に水洗することが必要である。写真処理液は、この水洗において使用するものであり、ガム液と称する所定の光化学薬品を含み、水洗後にその中に水銀イオンとハロゲン化銀が溶解し、その溶解量が刷版加工機内を通過するとともに次第に増加する。写真処理液が一定量以上の銀イオンとハロゲン化銀とを含有して黒く変色すると、写真処理廃液として系外へ排出することになる。この写真処理廃液は、そのまま河川に放流すると水質を著しく汚染することになるから、近年では、環境保全のために銀の排出基準が厳しく規制されている。このため、写真処理廃液である銀含有液は、許諾限度を越える汚濁物質を除去し、さらに適切に脱色処理を行って下水道へ放流しなければならない。
厳しい銀の排出基準をクリアするために、特開平7−331350号などの銀除去方法が提案されている。これらの方法では、単純に濾過するだけでは銀イオンとハロゲン化銀を殆ど除去できないため、写真処理廃液に高分子キレート剤などの化学薬品を添加することが一般的である。薬品添加の場合には、通常、化学反応の時間が写真処理廃液の増加に比べてかなり遅く、印刷機さらに刷版加工機の高速化に伴う廃液増加とともに排水処理装置の大型化および排水コストの上昇が顕著になり、しかも排出銀を1ppm以下のレベルまで除去することは実質的に不可能であった。
一方、電気化学的イオン交換方法は、1対の作用電極によって写真処理廃液に直流電圧を加え、該作用電極は樹脂バインダによって粒状のイオン交換樹脂を保有する。特開平7−310195号は、写真処理廃液が細長い装置を通過すると銀イオンを完全に除去できるように構成し、写真処理廃液を流す陽極と陰極との間に電位差を加えるとともに、該処理廃液が陽極の近傍へ移動することを阻止するイオン交換樹脂のバリヤを設けることにより、写真処理廃液は陰極の近傍を流れる。
一般的な濾過技術において、特許第3236570号は、金属イオンである流体中の不純物を除去する際に、流体を電界中において凝集・粗粒化して濾過する。特開2006−255602号は、工場廃水や生活排水を処理する際に、処理液を強制的に撹拌しながら両電極間を通過させることにより、電解処理に要する消費電力を増加させることなく、従来よりも数倍の効率で接触反応を行っている。
特開平7−331350号公報 特開平7−310195号公報 特許第3236570号公報 特開2006−255602号公報
特開平7−310195号において、写真処理廃液は、陽極と陰極を有するセルついでフィルタの中を流れ、該廃液中の銀イオンは、その大部分が硫化銀の不溶解粒子の状態でセルを出て行き、フィルタによって写真処理廃液から分離される。この装置では、写真処理廃液を0.1ppm以下の銀イオン含有量に減らすことが可能であるけれども、処理廃液の流路が縦5×横65×長さ340mmにすぎず、写真処理廃液の処理能力が低いためにごく小規模の印刷プラントにおいて実施可能であるにすぎない。
特許第3236570号または特開2006−255602号で写真処理廃液を処理すれば、該処理廃液が電界中を流通することにより、銀イオンが一部凝集して黒い液状粉状物が発生し、該廃液の濾過が可能になるようである。しかしながら、この廃液処理法では、2次電解処理を加えても銀イオンを含む汚濁物質を完全には除去できず、且つ廃液の脱色も不十分であるので、処理廃液をそのまま河川に放流することができない。また、液状粉状物が残存する処理廃液をフィルタで濾過した場合には、緻密なフィルタが数時間足らずで目詰まりを起こしてしまい、煩雑なフィルタ交換作業が激増することにより、実際には濾過処理が不可能であった。
本発明は、写真処理液のような除去困難な廃液の処理に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、廃液である液体を撹拌しながら流通することで接触反応を増進させ、反応生成物が陰極体に付着することが少ない電解ユニット管を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、少なくとも1本の電解ユニット管を組み込んで環状に組み立てることにより、工場内や船舶内などの設置場所に応じて任意の循環路を構築できる液体電解装置を提供することである。本発明の別の目的は、電解ユニット管ごとに取り外しできることにより、その部分的な洗浄が非常に容易である液体電解装置を提供することである。
本発明に係る電解ユニット管は、少なくとも1本を用いて配列自在の液体電解装置を構成する。本発明の電解ユニット管は、両端が開口している管本体と、軸方向に沿って管本体の内部で平行に近接収納する少なくとも1対の電極体と、管本体の両端部に形成した接続用のフランジ部とを備え、液体の内部流通によって電極体との接触を常時更新して電解反応を促進させる。
本発明の電解ユニット管では、2本の端子を管本体の外周壁に取り付け、一方の端子を管本体内部の陽極体と、且つ他方の端子を管本体内部の陰極体とそれぞれ接続すればよい。また、ストレート管であるかまたは分岐管を管本体の周壁上方に設け、該分岐管を上方で収束する排気管路と接続することが可能である。
本発明の電解ユニット管では、邪魔板を管本体の内周壁において軸方向に沿って左右交互に取り付け、液体が流通する際に撹拌を生じさせると好ましい。望ましくは、陽極体は、両面に二酸化鉛または白金族金属の導電層を形成したチタン合金プレートであり、陰極体は、ステンレス鋼のパンチングプレートである。
本発明に係る循環型の液体電解装置は、液体を循環させながら所定の電解反応を達成し、据え付けタンクが不要である。本発明の液体電解装置は、少なくとも1対の電極体を軸方向に沿って管本体内部に収納する少なくとも1本の電解ユニット管と、電解ユニット管を環状に配列するためのフランジ管継手と、循環路内に介在させて液体を電解ユニット管を経て流通させる循環ポンプと、循環路内に設置する開閉バルブとを備え、電解ユニット管は分岐管付き管またはストレート管であり、電解ユニット管相互の接続はフランジ部直接またはフランジ管継手を介して行い、電解ユニット管の口径と組み込み本数を設置場所と電解処理量に応じて調整する。
本発明の液体電解装置において、電解ユニット管を環状に配列するためのフランジ管継手として、少なくとも枝管付きエルボおよび通常のエルボを含む。液体の処理量に応じて、電解ユニット管と同寸のフランジ直管継手の組み込み本数を増減させる。また、海水をバラスト水として使用する船舶において、少なくとも1本の電解ユニット管、循環ポンプおよび開閉バルブをタンク内および甲板上に導設して循環型の液体電解装置を構築すると好ましく、開閉バルブを操作し且つ循環ポンプを駆動することにより、バラストタンク内の海水を順次殺菌していく。
本発明を図面によって説明すると、電解ユニット管1は、図1のように、管本体2の両端部に接続用のフランジ部3,3を形成した筒状体であり、該電解ユニット管の寸法は任意であり、一般に内径は50〜500mmおよび長さは20〜1000mm程度である。管本体2は、ステンレス鋼のような金属製または耐圧製のプラスチック製である。管本体2の内部には、軸方向に沿って少なくとも1対の電極体5,7を平行に近接収納し、通常では陽極体5と陰極体7を対で配置するけれども、陽極体5のように両面に導電層が形成されている場合には、1枚の陽極体5の両側に陰極体7,7を配置すればよい。
陽極体5は、母材がチタンまたはチタン合金であり、その表面に、二酸化鉛、白金族金属、炭素と導電性ダイヤモンドの2層などの導電層を電着している。白金族金属は、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの1種または2種以上からなる。このチタン合金には、金、銀および白金族元素から選択される少なくとも1種の合金元素を含有する。陽極体5には、表面積を大きくするためにメタルラスなどを用いると好ましい。一方、陰極体7は、通常、ステンレス鋼からなり、図7に示すように管本体65自体を陰極体にすることも可能である。陰極体7は、その表面に反応生成物が滞留すると接触反応が低下し、反応生成物が付着しやすくなるので、反応生成物を流動させるための多数の小孔18(図1)を設けたパンチングプレートなどであると好ましい。
陽極体5および陰極体7,7は、図3から図5、図8または図9に例示するように、ほぼ同一の平面形状のプレートであると安価であるので好ましい。電解ユニット管1において、該管の直径が比較的小さい場合には、図1のように1枚の陽極体5の両側に陰極体7,7を1組配置し、該管の直径が大きい場合には、図4に示すように陽極体5と陰極体7,7の組の両側に、さらに陽極体66と陰極体68,68の組を加え、例えば全体で3組配置すると効率的な電解反応を達成できる。陽極体と2枚の陰極体の組は、全体で2組または4組以上を配置することも可能である。
陽極体5および陰極体7,7は、図3では管本体の内部で鉛直方向に設置し、図5では任意の角度、例えば陽極体70および陰極体72,72を鉛直線に対して60度傾斜させ、または図5の一点鎖線で示すように120度傾斜させることも可能である。図5に示す電解ユニット管74は、電解ユニット管1と組み合わせて接続し、例えば、3本連結する場合に鉛直設置、60度傾斜、120度傾斜の順に連結すると、陰極体への反応生成物の付着が少なくなり、ショートパスを解消することができる。このような傾斜設置は、ストレート管である別の電解ユニット管22(図12)では、取付時に軸線を中心に回すことができるので不要である。
図6に示す電解ユニット管94では、陽極体96および陰極体98は角筒形であり、陽極体96に比べて陰極体98は内寸が大きい。陽極体96および陰極体98は、管本体100の軸線を中心にして入れ子式に配置する。陽極体94および陰極体96は2本1対で使用する。
図7に示すように、電極体は湾曲状に成形することも可能であり、図7において陽極体76はほぼ1/3円形断面を有し、内側の陰極体78は円形断面の筒材であり、外側の陰極体80はステンレス鋼の管本体65である。図8では、陽極体82は軸心から半径方向に延設され、4枚の板部の間隔は横断面において90度である。陰極体84は、4枚の板部のそれぞれに両側から近接配置した板材からなる。図示しないけれども、陽極体および陰極体は、入れ子状に配置した矩形断面の筒材であっても、矩形断面の筒材に近接配置するL形材などでもよい。
図9と図10に示す電解ユニット管102では、同寸法の陽極体104と両側配置の2枚の陰極体106,106の組を全体で3組配置し、これらを管本体108の内部でそれぞれ鉛直方向に並列に設置する。管本体108において、一端の内部に各陽極体104と接続する水平導体110を上方に配列し、該導体は一方の端子12(図1)と連結させ、且つ他端の内部に各陰極体106と接続する水平導体112を下方に配列し、該導体は他方の端子14(図1)と連結させる。
電解ユニット管1において、邪魔板15(図2,図3)を管本体2の内周壁面に設置することにより、液体の一部が邪魔板15で流通方向を変更し、陰極体7の小孔18を通過させ、陰極体7の表面に反応生成物が滞留することを防ぐと好ましい。邪魔板15は、図2に示すように軸方向と直交させ且つ交互に配置すればよい。この邪魔板は、軸方向に対して所定の角度傾斜するように配置したり、または管内壁から部分的または環状に突設させることも可能である。
図9と図10に示す電解ユニット管102において、一方の邪魔板は、左右側114では管内壁と最外側の陰極体106との間に斜めに設置し、上下側115では管内壁と各陽極体104の上端縁および管内壁と各陰極体106の下端縁との間にそれぞれ斜めに設置する。他方の邪魔板も一方の邪魔板と同様に左右側116および上下側に取り付け、双方の邪魔板の上下側後端を水平の邪魔板(図示しない)と接続することにより、処理すべき液体はすべて陽極体104または陰極体106の近辺を流通し、反応生成物が滞留することを防止する。
陽極体5と陰極体7,7との間隔は、通常、10mm以下のように近接しているので、邪魔板15を設け且つ陰極体7がパンチングプレートであっても、定速流通する液体が陽極体5と陰極体7,7との間に流入することが少ない場合がある。このため、所望に応じて、図11に示すように、陰極体86に多数の凸状部88を外方へ形成し、該凸状部の側面90を液体の流通方向に向かって開口させる。この場合、図11の矢印で示すように、液体の一部が陰極体86の凸状部88から該陰極体と陽極体92との間に流入しやすい。また、液体電解装置を船舶のバラスト水の殺菌のために搭載させる場合には、海水にはMgやCaが多量に含まれ、これらの反応生成物が陰極体表面に付着しやすいので、陽極体と陰極体とで電解処理しながら、流通する液体自体で陰極体表面を自動洗浄するような構造にするといっそう好ましい。
電解ユニット管1において、系外の整流器(図示しない)と接続する端子12,14(図1)は、管本体2の周壁を通過する導体を介して陽極体5または陰極体7,7と接続し、ガスケット(図示しない)などで両端子を管本体2と絶縁する。端子12,14は、系外の整流器(図示しない)と接続する際には、ワンタッチ式に連結できる金具を使用すると好ましい。これらの端子は、図示のような細片状のほかに、管本体2のフランジ端面上に突出可能に形成し、フランジ部3,3の連結と同時に相互に接続できるように構成してもよい。
管本体2の両フランジ部3,3は、図14に示すようなワンタッチ式の締め付け金具26で連結でき、この連結を行う場合には、両フランジ部3にボルト孔を穿孔しなくてもよい。フランジ部間をボルトとナットで連結できることを保証するならば、各フランジ部に所定数のボルト孔(図示しない)を穿孔しておき、この際には、電解ユニット管1や管継手のフランジ部のボルト孔にボルトを挿通して連結することもできる。
電解ユニット管1は、図1に示すように管本体2の周壁上方に排気用の分岐管20を有していても、または図12に示すようなストレート管でもよい。電解ユニット管1において、分岐管20は、管本体2に対して中央または片側に寄せて直交状に配置し、該分岐管の内径は管本体2の内径よりも小さい。図12に示す別の電解ユニット管22は、分岐管のないストレート管であり、該電解ユニット管22の内部構造は実質的に電解ユニット管1のそれと同一である。
別の電解ユニット管22は、図12に示すように、分岐管20を有する電解ユニット管1と直接接続するならば、管22内で発生した排ガスを電解ユニット管1の分岐管20を経て脱気できるので、電解ユニット管1と併設可能である。また、図13に例示するように、枝管付きエルボ56を用いて組み立てすれば、排ガスをエルボ56の枝管57から真空ポンプなどで吸引・排出できるため、ストレート管単独で使用することも可能である。フランジ直管継手60(図15)は、電解ユニット管1と同寸のダミー管であり、該直管継手を装置構築の際に適宜使用すると、廃液処理量が多くても液体電解装置の構築が可能になる。
液体電解装置38は、少なくとも1本の電解ユニット管1を組み込んだ循環路45を形成することによって構成され、図12や図15,図16に例示するように電解ユニット管1の接続本数と配列態様は設置場所および処理条件に応じて任意に定めることができる。また、電解ユニット管1の寸法も任意であり、フランジ直管継手60やエルボ40などの管継手を増やして循環路45を長くすると、1回の電解処理量を容易に増大できる。この液体電解装置は、例えば、一直線状に配列して壁内部や壁面に沿わせたり、中空側壁の内部に嵌め込むことが可能である。この液体電解装置では、同一口径のフランジ管継手やフランジパイプに加えて、オゾン処理機、活性炭充填塔、気液接触塔などの他の装置を組み込むことも可能である。
この液体電解装置は、バイオ処理装置や活性汚泥装置などと組み合わせると、写真処理廃液である銀含有液から汚濁物質を排出許容限度以下まで除去し、さらに該廃液を脱色し下水道へそのまま放流できる。また、織物工場で発生するポリビニルアルコール廃液について、廃液中のPVA量を1%以下、COD値を4%以下に削減できる。さらに、本発明の液体電解装置を大型油送船などの船舶内に組み込むと、海洋汚染が問題になっているバラスト水について、COD値およびBOD値を放流許容値まで低減させながら海へ放流することが可能になる。
本発明に係る電解ユニット管は、口径と長さが任意に選定され、同一口径のフランジ管継手やフランジパイプなどと組み合わせて少なくとも1本を環状に配列されることにより、床面設置のタンクを用いずに、所望の処理性能を有する液体電解装置を構築でき、省スペースになる。本発明の電解ユニット管では、処理すべき液体が管本体内部を常に撹拌されながら循環することにより、接触反応を増進させて液体の処理効率が良化して省エネになり、且つ薬品添加量も減らすことができる。
本発明に係る液体電解装置は、フランジ接続した少なくとも1本の電解ユニット管によって構成され、電解ユニット管の接続本数と配列態様は任意に定めることができる。本発明の液体電解装置は、設置場所および処理条件に応じて最適の循環路を構築できる。
本発明の液体電解装置は、少なくとも1本の電解ユニット管を循環状に組み立てるだけであるから、比較的短期間の工事で設置を完了でき、装置の設置経費自体も安価である。本発明の液体電解装置において、電極体の洗浄が必要である場合には、洗浄が必要な電解ユニット管だけを装置から取り外せばよく、部分的な洗浄が容易である。また、この取り外した後に予備の電解ユニット管に交換すれば、洗浄のために装置を停止する時間を著しく短縮できる。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。電解ユニット管1は、図1に示すように、両端が開口した円筒形の管本体2からなり、該管本体の両端部に接続用のフランジ部3,3を形成する。管本体2は、例えば、ステンレス鋼製である。
管本体2の内部には、軸方向に沿って中央に細長い陽極体5(図2)を収納し、該陽極体の長さは管本体2のそれよりも多少短く、その高さは管本体2の内径よりもわずかに短い。陽極体5は、チタン合金製のメタルラスであり、その表面に二酸化鉛の導電層を電着し、その両面に二酸化鉛の導電層が形成されているので、図2に示すように、該陽極体の両側に陰極体7,7を平行に近接配置すると効率的な電解を達成できる。陰極体7は、例えば、ステンレス鋼製のパンチングプレートである。
陽極体5および陰極体7,7は、両端部において陰極体7、絶縁スペーサ8,陽極体5、絶縁スペーサ8,陰極体7の順で通過するボルト10,10によって相互に平行に絶縁固定され、且つ支持枠体11(図3)によって電極全体を鉛直方向に設置し、且つ軸方向に水平に設置する。陽極体5と陰極体7との間隔は、例えば3〜10mmである。端子12,14は、管本体2の周壁を通過する導体を介して陽極体5または陰極体7,7と接続し、ガスケット(図示しない)などで両端子を管本体2と絶縁する。
管本体2には、その内周壁面から邪魔板15(図3)を軸方向と直交するように設置し、該邪魔板の先端辺16は垂直で陰極体7から所定の間隔を置く。邪魔板15は、図2に示すように、軸方向に沿って左右内壁に交互に配列させ、電解ユニット管1内を液体が流通する際に撹拌を生じさせる。邪魔板15により、液体の一部が陰極体7の小孔18(図1)を通過して反応生成物を移動させることにより、陰極体7の表面で反応生成物が滞留して付着することを防ぐ。
電解ユニット管1は、図1に示すような分岐管付きであり、管本体2の周壁中央の上方に分岐管20を直交状に設ける。分岐管20の内径は、管本体2の内径よりも相当に小さくてよい。一方、図12に示す別の電解ユニット管22は、ストレート管であり、その内部構造が電解ユニット管1のそれと同一であるが、前記の分岐管を管本体24に設けていない。別の電解ユニット管22は、図12に例示するように、分岐管付き電解ユニット管1と対で用い、該ユニット管22内で発生したガスは、電解ユニット管1の分岐管20を経て排気する。ユニット管1,22の相互連結またはフランジ管継手との連結には、図14に示すワンタッチ式の締め付け金具26を用いると好ましい。
締め付け金具26は、ほぼ全体で円環状を構成する半割り体28,28または三割り体を有する。両半割り体28,28は、接合した双方のフランジ部3,3に嵌合するU字形の横断面を有する。両半割り体28,28は、その後端部をピン30やボルトなどで相互に回転可能に枢着する。締め付け金具26には、その前端部において直線状の延長部32,34を直径方向の外方へそれぞれ延設し、一方の延長部32にボルト35の後端部を枢着し、該ボルトを矢印方向に旋回して延長部34の二股部間に配置してから,蝶ナット36で締め付け、双方のフランジ部3,3を圧着して気密性を保つ。
図12は、分岐管付き電解ユニット管3本と、別の電解ユニット管3本とを用いて組み立てた液体電解装置38を例示する。装置38において、3組のユニット管1,22を組別に水平且つ上下方向に配置し、それぞれをエルボ40などのフランジ管継手によって連結し、さらに循環ポンプ42および開閉バルブ44を組み込んで循環路45を構築する。循環路45では、開閉バルブ44の流入側で排液路46が分岐し、該分岐路において操作バルブ48を経て公知のオゾン発生器50などに接続する。原水および他の薬品は、コック52付きの分岐路53から導入する。また、各ユニット管1の分岐管20を排気管路54と接続し、電解反応で発生した気体を排気管路54から系外へ放出するかまたは他の処理装置へ送出すればよい。
また、ストレート管である別の電解ユニット管22は、図13に示すように単独で使用することも可能であり、液体電解装置55では、図12と同じ部材に同一の図番を用いる。電解ユニット管22は、2本ずつ3組を組別に水平且つ上下方向に配置し、それぞれを枝管付きエルボ56および通常のエルボ40によって連結する。電解反応で発生した気体は、上側のエルボ56の枝管57から真空ポンプなどで吸引し、排気管路を経て系外へ放出すればよい。電解ユニット管22内の処理液が常圧で循環する場合には、処理液が上側のエルボ56から下方へ落下する際に多量の反応気体が液体と分離するので、発生気体を各エルボ56から系外へスムースに排出できる。排気用の枝管57は、上側のエルボ56の上方部に垂直または斜め上向きに取り付け、エルボ56の下方部および下側のエルボ40には設置しないので、処理液が枝管57から流出することはない。
図15および図16は、それぞれ循環型の液体電解装置の変形例を示し、図12と同じ部材には同一の図番を用いる。図15に示す液体電解装置58は、図12の液体電解装置38と同様に3本ずつのユニット管1,22を用いて組み立てられ、処理すべき廃液の汚染度はほぼ同じであっても、廃液処理量が5割近く多い場合に適用すると好ましい。液体電解装置58では、3組のユニット管1,22は組別に水平に並べ且つ上下に配置し、さらにユニット管1と同寸のダミー管である2本のフランジ直管継手60を2組上下に配置し、それぞれをエルボ40などのフランジ管継手によって連結し、さらに循環ポンプ42および開閉バルブ44を組み込んで循環路61を構築する。
図16に示す液体電解装置62は、分岐管付き電解ユニット管1を6本用いて組み立てられ、図12の液体電解装置38に対して、処理すべき廃液の汚染度および廃液処理量がほぼ同じであっても、装置の設置場所に余裕がない場合に適用すると好ましい。液体電解装置62では、6本の分岐管付きユニット管1を個別に上下に配置し、それぞれをエルボ40などのフランジ管継手によって連結し、さらに循環ポンプ42および開閉バルブ44を組み込んで循環路64を構築する。このため、装置62は、装置38と比べて設置場所が半分近くになる。
写真処理廃液の電解実験を行うために、図12の液体電解装置38について、1組のユニット管1,22を同寸の2本のフランジ直管継手60(図15参照)に交換し、さらに2本で57.5リットルの処理能力があるオゾン発生器50を付設した。この液体電解装置において、24時間電解処理し、さらに24時間オゾン処理を行った。使用電流値は廃液1リットル当たり5A/dm・時である。電極体5,7に通電する整流器は電流250A、電圧10Vであり、循環ポンプ42は送水量30リットル/分、消費電力0.2KW、40Aである。陽極体5と陰極体の寸法は、120×500mmであり、管本体2は内径125mm、長さ500mmである。
写真処理廃液は次のように処理した。50リットルの写真処理廃液に食塩および消泡剤を添加し、ついで希硫酸を加えて廃液を中和する。この液体電解装置において、開閉バルブ44を開き、操作バルブ48を閉じておく。得た原水をコック52を開いて循環路45内に投入し、投入後にコック52を閉じる。ついで循環ポンプ42を稼動し、さらに整流器を稼動する。24時間後に整流器を停止し、操作バルブ48を開き、開閉バルブ44を閉じて原水をオゾン発生器50を移送する。オゾン発生器50のブロアを24時間稼動させ、その後に下水に放流する。この液体電解装置により、1日50リットルの写真処理廃液を電解およびオゾン処理できる。
この液体電解装置は、写真処理廃液のCOD値とBOD値を1000mg/l未満に軽減し、さらに黒色を脱色するからそのまま下水に放流できる。この液体電解装置は、凝集した銀イオン錯体を分解し、廃液の殺菌および脱臭効果があるから、別個に活性炭充填塔を付設している場合には、活性炭の延命効果がある。
図示しないけれども、この液体電解装置は、大型油送船のバラスト水の洗浄殺菌に使用できる。例えば、20万トンの油送船の場合には、バラスト水は約7万トンであり、この7万トンが14台のバラストタンクに分配されているから、タンク1台当たり5000トンになる。タンク内および甲板上に導設された荷油管および荷油ポンプを有する油送船において、荷油管の一部に少なくとも1本の電解ユニット管および開閉バルブを接続して循環型の液体電解装置を構築し、開閉バルブを荷油ポンプを循環ポンプとして駆動させる。
バラスト水である海水は、各槽ごとに水中ポンプで汲み上げられ、約30秒間電解すると殺菌でき、使用電流値は海水1リットル当たり5A/dm・時である。5000トンを3日間で殺菌するには、船上に9mの液体電解装置であるパイプラインを延設し、タンク1台分の5000トンを全量パイプラインに入れ、3日間連続で電解処理した後に元のバラストタンクに戻す。これを14台のタンクについて14回繰り返すと、航海日数に含まれる42日間で7万トンのバラスト水を全量殺菌できる。
本発明に係る電解ユニット管の縦断面図である。 図1の電解ユニット管の水平断面図である。 図1のA−A線に沿って切断した電解ユニット管の横断面図である。 電解ユニット管の変形例を示す概略横断面図である。 電解ユニット管の第2変形例を示す概略横断面図である。 電解ユニット管の第3変形例を示す概略横断面図である。 電解ユニット管の第4変形例を示す概略横断面図である。 電解ユニット管の第5変形例を示す概略横断面図である。 電解ユニット管の第6変形例を示す概略横断面図である。 図9の電解ユニット管の概略水平断面図である。 電解ユニット管において陰極体の変形例を拡大して示す部分水平断面図である。 分岐管付き電解ユニット管3本と別の電解ユニット管3本とを用いて組み立てた液体電解装置の循環回路図である。 ストレート管である別の電解ユニット管6本を用いて組み立てた液体電解装置の循環回路図である。 電解ユニット管などの連結に用いる締め付け金具の正面図である。 分岐管付き電解ユニット管3本と別の電解ユニット管3本とで組み立てた別の液体電解装置の循環回路図であり、フランジ直管継手だけを断面で示している。 分岐管付き電解ユニット管6本で組み立てた液体電解装置の循環回路図である。
符号の説明
1 電解ユニット管
2 管本体
3,3 フランジ部
5 陽極体
7,7 陰極体
8 絶縁スペーサ
12,14 端子
15 邪魔板
20 分岐管
22 別の電解ユニット管
26 締め付け金具
38 液体電解装置
40 エルボ
42 循環ポンプ
44 開閉バルブ
46 循環路

Claims (10)

  1. 少なくとも1本で配列自在の液体電解装置を構成する電解ユニット管であって、両端が開口している管本体と、軸方向に沿って管本体の内部で平行に近接収納する少なくとも1対の電極体と、管本体の両端部に形成した接続用のフランジ部とを備え、液体の内部流通によって電極体との接触を常時更新して電解反応を促進させる電解用ユニット管。
  2. 2本の端子を管本体の外周壁に取り付け、一方の端子を管本体内部の陽極体と、且つ他方の端子を管本体内部の陰極体とそれぞれ接続する請求項1記載の電解ユニット管。
  3. ストレート管であるかまたは分岐管を管本体の周壁上方に設け、該分岐管を上方で収束する排気管路と接続する請求項1記載の電解ユニット管。
  4. 邪魔板を管本体の内周壁において軸方向に沿って左右交互に取り付け、液体が流通する際に撹拌を生じさせる請求項1記載の電解ユニット管。
  5. 陽極体は、両面に二酸化鉛または白金族金属の導電層を形成したチタン合金プレートである請求項1記載の電解ユニット管。
  6. 陰極体は、ステンレス鋼のパンチングプレートである請求項1記載の電解ユニット管。
  7. 液体を循環させながら所定の電解反応を達成する据え付けタンク不要の液体電解装置であって、少なくとも1対の電極体を軸方向に沿って管本体内部に収納する少なくとも1本の電解ユニット管と、電解ユニット管を環状に配列するためのフランジ管継手と、循環路内に介在させて液体を電解ユニット管を経て流通させる循環ポンプと、循環路内に設置する開閉バルブとを備え、電解ユニット管は分岐管付き管またはストレート管であり、電解ユニット管相互の接続はフランジ部直接またはフランジ管継手を介して行い、電解ユニット管の口径と組み込み本数を設置場所と電解処理量に応じて調整する循環型の液体電解装置。
  8. 電解ユニット管を環状に配列するためのフランジ管継手として、少なくとも枝管付きエルボおよび通常のエルボを含む請求項7記載の液体電解装置。
  9. 液体の処理量に応じて、電解ユニット管と同寸のフランジ直管継手の組み込み本数を増減させる請求項7記載の液体電解装置。
  10. 海水をバラスト水として使用する船舶において、少なくとも1本の電解ユニット管、循環ポンプおよび開閉バルブをタンク内および甲板上に導設して循環型の液体電解装置を構築し、開閉バルブを操作し且つ循環ポンプを駆動することにより、バラストタンク内の海水を順次殺菌していく請求項7記載の液体電解装置。
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