JP2009045425A - Mri適合性を高めるために能動医療装置のリードワイヤ又は回路と直列にガイドワイヤと共に配置するように適応可能なタンクフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁干渉(EMI)タンクフィルタアセンブリを提供する。
【解決手段】能動医療装置(AMD)のリードワイヤのためのタンクフィルタ。タンクフィルタは、誘導子に並列のコンデンサを含む。並列コンデンサ及び誘導子は、AMDのリードワイヤと直列に配置され、キャパシタンス及びインダクタンスの値は、選択した周波数でタンクフィルタが共鳴するように選択される。タンクフィルタを通る通路は、リードワイヤを埋込み位置に配置するためのガイドワイヤの選択的かつ摺動可能な通過を可能にする。タンクフィルタの全Qを低減して、選択した周波数の範囲に沿ってリードワイヤを通る電流を減衰させるために、誘導子のQは、相対的に最大にすることができ、コンデンサのQは、相対的に最小にすることができる。好ましい形態では、タンクフィルタは、能動型埋め込み医療装置のためのTIP及び/又はRING電極内に統合される。
【選択図】図8
【解決手段】能動医療装置(AMD)のリードワイヤのためのタンクフィルタ。タンクフィルタは、誘導子に並列のコンデンサを含む。並列コンデンサ及び誘導子は、AMDのリードワイヤと直列に配置され、キャパシタンス及びインダクタンスの値は、選択した周波数でタンクフィルタが共鳴するように選択される。タンクフィルタを通る通路は、リードワイヤを埋込み位置に配置するためのガイドワイヤの選択的かつ摺動可能な通過を可能にする。タンクフィルタの全Qを低減して、選択した周波数の範囲に沿ってリードワイヤを通る電流を減衰させるために、誘導子のQは、相対的に最大にすることができ、コンデンサのQは、相対的に最小にすることができる。好ましい形態では、タンクフィルタは、能動型埋め込み医療装置のためのTIP及び/又はRING電極内に統合される。
【選択図】図8
Description
本発明は、一般的に、電磁干渉(EMI)タンクフィルタアセンブリに関し、より詳細には、望ましくない電磁干渉(EMI)信号から誘発される電流を減少又は消失させるために、選択した周波数で医療装置の内部の電子部品又は関連する配線要素のインピーダンスを上昇させる心臓ペースメーカー、除細動器、及び神経刺激器などのような能動型埋め込み医療装置(AIMD)に用いられる種類に関する。本発明は、ガイドワイヤが選択的に摺動可能に通ることができる帯域消去フィルタを通る改良通路を組み込んでいる。本発明はまた、様々な商業、遠隔通信、軍事、及び宇宙用途にも適用可能である。本発明はまた、外部着用薬物ポンプ、EKG/ECG電極、神経刺激器、及び心室補助装置などを含む広範囲の外部医療装置にも適用可能である。本発明はまた、患者の内部又は表面に一時的に挿入することができ、又はMRIのような医療診断処置中に患者が着用するか又は接続することができる広範囲のプローブ、カテーテル、及びモニタリングリードワイヤなどにも適用可能である。
心臓ペースメーカー、埋込み型除細動器、及び他の種類の能動型埋め込み医療装置の磁気共鳴映像法(MRI)及び他の種類の病院診断機器との適合性は、大きな問題となっている。「St.Jude Medical、Medtronic」及び「Boston Scientific CRM」(前Guidant)を含む米国の主要な心臓ペースメーカー製造業者のウェブサイトを参照すると、ペースメーカー及び埋込み型除細動器と共にMRIを用いることは、一般的に禁忌であることが分る。同様の禁忌は、Siemens、GE、及びPhillipsのようなMRI機器製造業者の使用説明書に見られる。また、Roger Christoph Luchingerにより「Swiss Federal Institute of Technology Zurich」に提出された学位論文である「磁気共鳴映像法における心臓ペースメーカーの安全性」;C.Gabriel、S.Gabriel、及びE.Cortoutによる「生物組織の誘電特性:I.文献調査」;S.Gabriel、R.W.Lau、及びC.Gabrielによる「生物組織の誘電特性:II.測定及び周波数の範囲0Hz〜20GHz」;S.Gabriel、R.W.Lau、及びC.Gabrielによる「生物組織の誘電特性:Ill.組織の誘電スペクトルの母数モデル」;及び「Advanced Engineering Electromagnetics」、C.A.Balanis、Wiley、1989年も参照されたい。この全ては、本明細書において引用により埋め込まれている。
しかし、文献を広範囲に再精査すると、MRIは、禁忌であるにも関わらず、実際にはペースメーカー患者に用いられることが多いことが示されている。心臓ペースメーカーを有する患者でのMRIの安全性及び実行可能性は、徐々に重要性が高まっている問題である。患者のペースメーカーシステムに及ぼすMRIの影響は、一部の症例報告で遡及的に分析されたのみである。新世代のペースメーカーに関するMRIは、0.5テスラ(T)までで行うことができることを示すいくつかの論文がある。他の論文では、非ペースメーカー依存性患者に対しては高い制御条件下で1.5Tに達する。MRIは、医学の最も価値のある診断ツールの1つである。MRIは、勿論、撮像に広く用いられているが、介入医学(外科手術)のような実時間処置にも徐々に用いられるようになっている。更に、MRIは、切除カテーテル、神経刺激器TIP、及び脳深部プローブなどを案内するために実時間で用いられる。ペースメーカー患者への絶対禁忌とは、ペースメーカー及びICD着用者にMRIが許されないことを意味する。これは、胸郭及び腹部領域を走査するのに特に当て嵌まる。しかし、臓器及び他の身体組織を撮像するための診断ツールとしてMRIには途方もない価値があるために、多くの医師は、単純に危険を冒して着手し、ペースメーカー患者にMRIを行う。文献には、この場合に医師が取る必要がある一部の事前注意が示されており、これには、特定の吸収率に関してMRIの印加電力を制限する段階と、ペースメーカーを固定又は非同期ペーシングモードにSARプログラムする段階と、救急職員及び救急蘇生機器を待機させる(「レベルII」プロトコル)段階と、処置が完了した後に注意して再プログラムしてペースメーカー及び患者を評価する段階とが含まれる。MRI処置後何日も後に起こる心臓ペースメーカーの潜在的な問題(例えば、ペーシングパルストラップの増大又は減少)が報告されている。
MRIユニットに用いられる電磁場には3種類ある。第1の種類は、B0と名付けられた主静磁場であり、これを用いて身体組織中の陽子を整列させる。磁場強度は、臨床に用いられる殆どの現在入手可能なMRIユニットでは、0.5〜3.0テスラまで変動する。新しいMRIシステム磁場の一部は、4〜6テスラほどの高さまで上げることができる。2005年11月5日及び6日に開催された最近の「国際磁気共鳴医学会議(ISMRM)」では、ある一定の研究システムが、11.7テスラ程の高さまで上がり、これは、2007年中には準備ができることになると報告された。1.5TのMRIシステムは、地球の磁場強度の100、000倍を超える。この規模の静磁場は、心臓ペースメーカー内のある一定の構成要素及び/又はそのリードワイヤシステムを含む患者に埋込まれたあらゆる磁性材料に強力な磁気力学的力を誘発することができる。静的MRI磁場が、ペースメーカーリードワイヤシステム、及び従ってペースメーカー自体内に電流(dB/dt)を誘発する可能性はなさそうである。電流を誘発するためには、導体を横切る時に磁場を時間変動性とするか(dB/dt)、又は導体自体が磁場内を移動するか(dB/dx)のいずれかとする必要があることは物理の基本原理である。
磁気共鳴映像機器により生成される第2の種類の場は、身体コイル又は頭部コイルにより生成されるパルスRF場であり、これは、B1とも呼ばれる。これは、組織の陽子のエネルギ状態及び違法なMRI信号を変えるのに用いられる。RF場は、中央領域では均一であり、2つの主要な要素を有する。すなわち、(1)磁場は、実際の平面で環状に分極し、(2)電界は、マクスウェル方程式により磁場に関連付けられる。一般的に、RF場は、測定の間にオン及びオフを切り換えられ、通常は、周波数は、静磁場強度に応じて21MHz〜64MHz〜128MHzである。パルス化されたRFの周波数は、以下に表されるように、主静磁場の磁場強度と共に変動する;Lamour方程式:パルスRF周波数(MHz)=(42.56)(静磁場強度(T);ここで、42.56MHz/テスラは、H+陽子に対するLamour定数である。
第3の種類の電磁場は、GX、Y、Zと呼ばれる時間変動性磁気勾配場であり、これは、空間的位置決めのために用いられる。勾配場により、異なる向き及び1〜2.2kHz程度の作動周波数に従ってその強度が変動する。X、Y、及びZ方向の磁場勾配のベクトルは、3つの組の互いに直交するように位置決めされたコイルにより生成され、これは、測定の間のみオンに切り換えられる。場合によっては、勾配場は、自然な心調律(心拍)を上昇させることが示されている。これは、完全には理解されていないが、再現性のある現象である。勾配場に誘発される命に関わる可能性がある心室性不整脈が一部報告されている。しかし、これと対照的に、勾配場は、何ら有意な有害影響を生じないと考える研究者もいる。
上述のように、第3の種類の電磁場は、時間変動性の磁気勾配場であり、GX、GY、及びGZと呼ばれる。GZ勾配は、z方向のB0場を歪め、それによって特定の厚みの身体「スライス」を生成するのに用いられる。GX及びGY場は、特定の陽子に位相及び周波数「標識」を導入し、x−y画像を生成することを可能にするのに用いられる。
これらの場は、ほぼ1〜2.2kHzで作動し、これは、3つの個別の互いに直交するように方向付けされたコイルにより生成される。これらの場は、画像生成プロトコルの間のみ活性であり、ヒト生理機能に有害な影響を及ぼすことが示されている。これらの影響は、主に、大きな領域に移動磁場を印加することによって誘導電圧が生成されるためである。次のものは、ファラデーの電磁誘導の法則:
V=A(dB/dt)
であり、Aがループの面積であり、dB/dtが時間に関する磁束の変化である場合には、勾配場により生成される誘導電圧が十分に高い場合には、末梢神経刺激(PNS)を誘発することができることが示されている。これは、比較的大きなMRI勾配で行う間の疼痛又は他の不快感の感覚として文献に報告されている。更に極端な動物試験では、心臓刺激が検出されるが、これは、達成するのに、PNSよりもほぼ80倍大きいエネルギを要する。PNS又は心刺激が起こらないようにするために、業界標準は、dB/dtをほぼ20T/秒に制限している。
V=A(dB/dt)
であり、Aがループの面積であり、dB/dtが時間に関する磁束の変化である場合には、勾配場により生成される誘導電圧が十分に高い場合には、末梢神経刺激(PNS)を誘発することができることが示されている。これは、比較的大きなMRI勾配で行う間の疼痛又は他の不快感の感覚として文献に報告されている。更に極端な動物試験では、心臓刺激が検出されるが、これは、達成するのに、PNSよりもほぼ80倍大きいエネルギを要する。PNS又は心刺激が起こらないようにするために、業界標準は、dB/dtをほぼ20T/秒に制限している。
関心が寄せられているのは、勾配場が、典型的に埋込みリードシステムを有するAIMDに及ぼす影響である。単極リードシステムを備えるAIMDの場合には、AIMDカン、リードシステム、遠位TIP、及び身体組織(帰り道として)の間に回路ループが形成される。このようなループにより生成される平均面積は、ほぼ225cm2であり、上限は、約350cm2である。20T/秒を最大にしてこれを考えると、ループの最大誘導電圧は、0.700Vであることが分る。誘導電圧をペーシングTIPで見ると、それは、一般的に、ループの誘導電圧よりも一桁小さい(リードシステム及び装置インピーダンスが比較的大きいことによる)。これは、AIMDが心臓組織を刺激するのに必要な典型的なペーシング閾値よりも遥かに低い。
電圧及びEMIが埋込み又は外部リードワイヤシステムに導かれる方法に注意することは有用である。非常に低い周波数(VLF)では、電流が患者の身体中に循環し、差動電圧降下が生じるために、電圧は、心臓ペースメーカーを投入した時に誘発される。単極システムでは、ペースメーカーハウジングと例えばTIP電極との間でベクトルが変位するために、身体組織にわたる電圧降下は、オームの法則及び循環RF信号により検知することができる。高周波数では、埋込みリードワイヤシステムは、実際に、電流がその長さに沿って誘発されるアンテナとして働く。これらのアンテナは、身体組織の減衰効果のためあまり効率的でない。しかし、これは、非常に高電力磁場及び/又は身体共鳴により相殺することができる。非常に高い周波数(例えば、携帶電話周波数)では、EMI信号は、リードワイヤシステムの第1の領域(例えば、心臓ペースメーカーのヘッダブロック)にのみ導かれる。これは、用いる信号の波長、及びそれがどこでシステムに効率的に結合されるかに関係がある。
埋込みリードワイヤシステム内への磁場結合は、ループ面積に基づいている。例えば、心臓ペースメーカーでは、心臓ペースメーカーハウジングから出て右心室に位置するその遠位TIPまでリードワイヤによって形成されるループが存在する。帰り道は、右心室のTIP電極から戻ってペースメーカーケース又はハウジングまでほぼ真っ直ぐに体液及び組織を通る。これは、患者のX線から平方センチメートルで測定することができる囲まれた領域を形成する。平均ループ面積は、200〜225平方センチメートルである。これは、平均であり、大きな統計的変動を免れない。例えば、腹部移植片を有する大きな大人の患者では、埋込みループ面積は、遥かに大きい(450平方センチメートルよりも大きい)。
ここで、MRIの特定の場合に関して、磁気勾配場は、囲まれたループ領域を通って誘発されると考えられる。しかし、身体コイルにより生成されるパルスRF場は、アンテナ影響により主にリードワイヤシステム内に誘発されるであろう。
MRIには、一部の潜在的な問題が存在し、それには、以下のものが含まれる。
(1)ペースメーカーリードスイッチの閉鎖。ペースメーカーリードスイッチは、「ホール効果」装置ともすることができ、患者の胸近くに保持されている永久磁石を検出するように設計される。この磁石配置により、医師は、又は患者でも、埋込み型医療装置を「磁石モード応答」として公知のものにすることができる。「磁石モード応答」は、製造業者によって変わるが、一般的に、それによってペースメーカーを定率又は非同期ペーシングモードにする。これは、通常は、短時間で行われ、診断目的には非常に有用である、しかし、ペースメーカーがMRIスキャナに近づくと、MRI静磁場が、ペースメーカーの内部リードスイッチを閉じる可能性があり、それによってペースメーカーが定率又は非同期ペーシングモードになる。更に悪いことには、リードスイッチは、反跳するか又は振動する可能性がある。非同期ペーシングは、患者の根底にある心臓調律と競合する可能性がある。これは、ペースメーカー/ICD患者が一般的にMRIを受けないように忠告される理由の1つである。殆どの患者に対しては、定率又は非同期ペーシングは問題ではない。しかし、心筋虚血のような不安定な状態の患者では、非同期ペーシングの間に生命に関わる心室細動に対する実質的な危険性がある。殆どの現代のペースメーカーでは、磁気リードスイッチ(又は、「ホール効果」装置)機能は、プログラマブルである。磁気リードスイッチ応答がオフに切り換わる場合には、同期的ペーシングは、強い磁場でも依然として可能である。勾配場により主磁場でリードスイッチが開放又は再閉鎖される可能性を除外することはできない。しかし、一般的に、リードスイッチは、強力な静磁場のために閉鎖されたままであると思われる。理論的には、勾配場で、ある一定のリードスイッチの向きによりリードスイッチを繰返し閉鎖及び再開放することができることが可能である。
(1)ペースメーカーリードスイッチの閉鎖。ペースメーカーリードスイッチは、「ホール効果」装置ともすることができ、患者の胸近くに保持されている永久磁石を検出するように設計される。この磁石配置により、医師は、又は患者でも、埋込み型医療装置を「磁石モード応答」として公知のものにすることができる。「磁石モード応答」は、製造業者によって変わるが、一般的に、それによってペースメーカーを定率又は非同期ペーシングモードにする。これは、通常は、短時間で行われ、診断目的には非常に有用である、しかし、ペースメーカーがMRIスキャナに近づくと、MRI静磁場が、ペースメーカーの内部リードスイッチを閉じる可能性があり、それによってペースメーカーが定率又は非同期ペーシングモードになる。更に悪いことには、リードスイッチは、反跳するか又は振動する可能性がある。非同期ペーシングは、患者の根底にある心臓調律と競合する可能性がある。これは、ペースメーカー/ICD患者が一般的にMRIを受けないように忠告される理由の1つである。殆どの患者に対しては、定率又は非同期ペーシングは問題ではない。しかし、心筋虚血のような不安定な状態の患者では、非同期ペーシングの間に生命に関わる心室細動に対する実質的な危険性がある。殆どの現代のペースメーカーでは、磁気リードスイッチ(又は、「ホール効果」装置)機能は、プログラマブルである。磁気リードスイッチ応答がオフに切り換わる場合には、同期的ペーシングは、強い磁場でも依然として可能である。勾配場により主磁場でリードスイッチが開放又は再閉鎖される可能性を除外することはできない。しかし、一般的に、リードスイッチは、強力な静磁場のために閉鎖されたままであると思われる。理論的には、勾配場で、ある一定のリードスイッチの向きによりリードスイッチを繰返し閉鎖及び再開放することができることが可能である。
(2)リードスイッチの損傷。リードスイッチに対する直接的な損傷は、理論的には可能であるが、公知の文献のいずれにも報告されていない。チューリッヒのRoger Christoph Luchingerが書いた論文では、リードスイッチが、MRI機器の静磁場に露出された試験を報告している。これらの静磁場に長時間露出された後、リードスイッチは、試験前と同じ磁場強度付近では正常に機能した。
(3)ペースメーカーの変位。電池及びリードスイッチのようなペースメーカーの一部の部品は、強磁性材料を含み、従って、MRIの間に機械的力を受ける(試験は、「ASTM規格」によって実行する)。ペースメーカー変位は、磁気力又は磁気トルクに応答して起こる可能性がある(新しいペースメーカー及びICDが有する鉄材料は少なく、これが起こりにくい)。
(4)高周波数場。MRIに関連するパルスRF周波数では、RFエネルギは、吸収されて熱に変換される可能性がある。MRIの間にRFパルスにより蓄積される力は複雑であり、RFパルスの動力継続時間及び形状、パルスの相対的長時間の平均、送信周波数、印加したRFパルス数/単位時間、及び用いたRF送信機コイルの構成の種類に依存する。比吸収率(SAR)は、どれだけ多くのエネルギが身体組織に導かれるかの尺度である。更に、加熱量も、撮像する様々な組織(すなわち、筋肉、脂肪など)の容積、組織の電気抵抗、及び撮像する解剖学的領域の構成に依存する。更に、AIMD及びその付随するリードワイヤのヒトの身体での配置に依存する一部の他の変数が存在する。例えば、それが左又は右胸移植片のいずれであるかに関して、どれだけの電流がペースメーカーリードワイヤシステムに導かれるかに違いが生じることになる。更に、リード及びリード長さの経路選択も、起こることになる誘導電流及び加熱の量に関して非常に決定的である。更に、遠位TIP自体がそれ自体のアンテナとして働くために、遠位TIP設計は、非常に重要である。更に、患者がMRI中腔中心線(ISO中心)から離れて動くと、RFを生成するのに必要な電界が指数関数的に増大するために、MRI中腔内の位置も重要である。MRI環境で加熱される原因は、2要素から成る。すなわち、(a)リードへのRF場結合が起こる可能性があり、これが有意な局所的加熱を引き起こすこと、並びに(b)RF送信の間に誘発される電流が身体組織に流入する可能性があり、埋込みリードの遠位TIP電極に隣接して局所的にオームの法則の加熱が引き起こされることである。MRIスキャナのRF場は、隣接する心筋組織の一部を破壊するのに十分なリードワイヤ電流を誘発するのに十分なエネルギを生じる可能性がある。更に、組織切除も観察されている。この加熱による影響は、MRIの間にモニタすることによっては容易に検出することができない。加熱が起こったことの指標には、ペーシング閾値の上昇、静脈切除、喉頭切除、心筋穿孔及びリード貫入、又は瘢痕組織により引き起こされる不整脈も含まれるであろう。MRIのこのような長期間加熱影響は、まだあまり研究されていない。
(4)高周波数場。MRIに関連するパルスRF周波数では、RFエネルギは、吸収されて熱に変換される可能性がある。MRIの間にRFパルスにより蓄積される力は複雑であり、RFパルスの動力継続時間及び形状、パルスの相対的長時間の平均、送信周波数、印加したRFパルス数/単位時間、及び用いたRF送信機コイルの構成の種類に依存する。比吸収率(SAR)は、どれだけ多くのエネルギが身体組織に導かれるかの尺度である。更に、加熱量も、撮像する様々な組織(すなわち、筋肉、脂肪など)の容積、組織の電気抵抗、及び撮像する解剖学的領域の構成に依存する。更に、AIMD及びその付随するリードワイヤのヒトの身体での配置に依存する一部の他の変数が存在する。例えば、それが左又は右胸移植片のいずれであるかに関して、どれだけの電流がペースメーカーリードワイヤシステムに導かれるかに違いが生じることになる。更に、リード及びリード長さの経路選択も、起こることになる誘導電流及び加熱の量に関して非常に決定的である。更に、遠位TIP自体がそれ自体のアンテナとして働くために、遠位TIP設計は、非常に重要である。更に、患者がMRI中腔中心線(ISO中心)から離れて動くと、RFを生成するのに必要な電界が指数関数的に増大するために、MRI中腔内の位置も重要である。MRI環境で加熱される原因は、2要素から成る。すなわち、(a)リードへのRF場結合が起こる可能性があり、これが有意な局所的加熱を引き起こすこと、並びに(b)RF送信の間に誘発される電流が身体組織に流入する可能性があり、埋込みリードの遠位TIP電極に隣接して局所的にオームの法則の加熱が引き起こされることである。MRIスキャナのRF場は、隣接する心筋組織の一部を破壊するのに十分なリードワイヤ電流を誘発するのに十分なエネルギを生じる可能性がある。更に、組織切除も観察されている。この加熱による影響は、MRIの間にモニタすることによっては容易に検出することができない。加熱が起こったことの指標には、ペーシング閾値の上昇、静脈切除、喉頭切除、心筋穿孔及びリード貫入、又は瘢痕組織により引き起こされる不整脈も含まれるであろう。MRIのこのような長期間加熱影響は、まだあまり研究されていない。
(5)印加した高周波数場によるペーシング速度の変更。RF場は、望ましくない高速心臓ペーシング(QRS群)速度を誘発する可能性があることが観察されている。急速ペーシングを説明するのに様々な機構が提唱されている。すなわち、直接組織刺激、ペースメーカー電子機器の干渉、又はペースメーカー再プログラミング(又はリセット)である。これらの全ての場合に、リードシステムインピーダンスを上昇させ(RF電流を低減し)、貫通コンデンサの有効性を高め、AIMD電子機器に非常に高度な保護を生じさせることが望ましいと考えられる。これは、ペースメーカーペーシング速度の変更及び/又はペースメーカー再プログラミングの可能性を遙かに低くすることになる。
(6)時間変動性磁気勾配場。時間変動性勾配のMRI磁場総強度に対する寄与は、無視することができるが、これらの場は、急速に印加されて除去されるために、ペースメーカーシステムは影響を受ける可能性がある。磁場の時間変化率は、どれだけの電磁気力(EMF)、及び従ってどれだけの電流がリードワイヤシステム内に導かれる可能性があるかに直接関連する。Luchingerは、時間変動性場が60テスラ/秒までの今日の勾配システムを用いても、誘発された電流は、心細動の生物学的閾値よりも下に留まりそうであることを報告している。時間変動性磁気勾配場による誘導電圧の理論的な上限は、20ボルトである。0.1ミリ秒を超える間のこのような電圧は、直接心臓の歩調をとるのに十分なエネルギとすることができる。
(7)加熱。時間変動性磁気勾配場により誘発される電流により、局所加熱が起こる可能性がある。研究者は、計算した勾配場の加熱効果は、RF場により引き起こされるものと比較すると遥かに小さいために無視することができると感じている。
埋込み型除細動器(ICD)には、付加的な問題が起こる可能性がある。ICDは、別の大きな電池を用い、これが、更に高い磁気力を引き起こす可能性がある。ICDのプログラマブル感度は、通常は、ペースメーカーに対するものよりも遥かに高く、従って、ICDは、心室性頻脈性不整脈を誤って検出し、不適切に治療を行う可能性がある。この場合、治療には、抗頻脈性不整脈ペーシング、電気除細動、又は除細動(高電圧ショック)療法を含むことができる。MRI磁場は、危険な心室不整脈の検出又は細動の検出を阻止する可能性がある。更に、ペースメーカーリードの加熱問題に同等のICDリードの加熱問題も存在する可能性がある。別の懸案事項は、血管壁の切除である。更に、古い型式のICDは、MRIパルスRF場によりも重大な影響を受けるという報告もある。この場合、複数のマイクロプロセッサがリセットされ、ICDがMRI処置の後に機能することができない永久的な損傷が起こる場合もあった。更に、ICDは、MRI磁場に露出される時に異なる種類の問題も示した。すなわち、MRIに露出される間、ICDは、不適切にMRIのRF場又は勾配場を危険な心室不整脈として検知することがある。この場合、ICDは、高エネルギストレージコンデンサを変化させ、心臓に高電圧ショックを与えようとすることになる。しかし、この充電回路には、高エネルギストレージコンデンサを完全に充電させるように機能するのに必要な変圧器が存在する。主静的場(B0)の場が存在すると、この変圧器のフェライトコアは、飽和する傾向があり、それによってその効率が低下する。これは、高エネルギストレージコンデンサは、完全に充電することができないことを意味する。低電圧ショックを繰り返すことが文献に報告されている。このようにショックを繰り返すこと及び電池を充電するこの非効率的な試みにより、時期尚早なICD電池の枯渇が引き起こされる可能性がある。電池寿命が短縮することは、勿論、非常に望ましくない状態である。
要約すると、心臓ペースメーカーのような能動型埋め込み医療装置を有するMRI患者は、有害な影響が起こる危険性がある可能性を示すいくつかの研究が存在する。しかし、MRIは、ペースメーカー患者の四肢を撮像する(すなわち、AIMDが中腔の外側にある)には安全であるとすることができるいくつかの事例の報告が存在する。これらの事例報告は、興味が持たれるものであるが、全てのMRIを安全とすることができると科学的に完全に確証されているわけではない。上述のように、ペースメーカーリードワイヤ長さを変化させるだけで、どれだけの熱が生成されるかに大きな影響が及ぼされる可能性がある。素人の観点から見ると、これは、携帶電話のアンテナの典型的な長さを古い自動車によく見られる垂直ロッドのアンテナに比較して観察することによって容易に説明することができる。携帯電話の比較的短いアンテナは、携帶電話信号の非常に高い周波数波長(ほぼ950MHz)と効率的に結合するように設計されている。自動車の典型的なAM及びFMラジオでは、これらの波長の信号は、携帯電話の比較的短いアンテナに効率的に結合することにはならない。このために、自動車のアンテナは比較的長い。これと同様の状況は、MRIシステムにも存在する。RFパルス周波数が128MHzになることになる例えば3.0テスラMRIシステムを考えると、128MHz波長の分数として効率的に結合することになるある一定の正確な埋込みリード長さが存在する。身体組織の影響を無視すると、例として、基本波長方程式(メートル)は、300を周波数(MHz)で割ったものである。従って、3.0テスラMRIシステムでは、波長は、2.34メートル又は234センチメートルである。次に、正確な%波長アンテナは、この%とされることになり、58.59センチメートルである。これは、ある一定のペースメーカーリードワイヤ移植片の長さの範囲に完全に含まれる。一般的に、病院は、様々なリードの在庫品目を維持することになり、移植する医師が、患者の大きさ、移植部位、及び他の因子により選択することになる。従って、埋込み又は有効なリードワイヤ長さは、かなり変動する可能性がある。別の変数は、過剰なリードワイヤに関するものである。一般的に、医師は、ペースメーカーリードワイヤを挿入した後、過剰なリードワイヤを全て胸筋ポケット内に巻き付けることになる。これは、過剰なリードの1巻回、2巻回、又は3巻回ともなることがある。それによってその特定の領域にループが形成されるが、得られる長さの長い線は、右心室に下がって入り、これが、次に、MRIのRFパルス周波数と効率的に結合することになる。ここで見られるように、繰り出されるリードの長さの量は、患者の幾何学形状によりかなり変動する可能性がある。MRI周波数と効率的に結合しないある一定の埋込みリードワイヤ長さもあり、非常に効率的に結合し、それによって加熱に対して最悪の場合になるものもある。埋込みリードワイヤの実際の状況は、身体組織の誘電率及び誘電特性が様々であり、それに伴って波長がシフトするために更に複雑である。
ペースメーカー、ICD、及び神経刺激器の機能に及ぼされるMRIシステムの影響は、静磁場の強度、パルスシーケンス(用いる勾配及びRF場)、撮像する解剖学的領域、及び多くの他の因子を含む様々な因子に依存する。これを更に複雑にしているのは、各製造業者のペースメーカー及びICD設計が、異なる挙動を示すという事実である。殆どの専門家は、ペースメーカー患者に対するMRIは、安全と考えるべきではないと今でもなお結論する。逆説的に、これは、患者がMRIを受けるべきではないことを意味するものでもない。医師は、ペースメーカー患者の状態を考えて評価し、MRIの可能な危険性をその強力な診断ツールの利益に対して比較考察すべきである。MRI技術が進歩するにつれ(急速撮像で薄い組織スライスに印加された高磁場勾配が時間と共に変化することを含む)、状況は、継続的に変化し、更に複雑になることになる。この逆説の例は、肺ガンの疑いがあるペースメーカー患者である。このような腫瘍のRF切除治療には、実時間の高精度焦点MRIによってのみ可能になる定位撮像を必要とする可能性がある。患者の寿命が文字通り危険に露出されており、患者のインフォームドコンセントが得られている場合には、医師は、上述のペースメーカーシステムに付随する全ての危険に関わらず、MRIを行う決断を下すことができる。
インシュリン薬物ポンプシステムは、有意なアンテナ構成要素(例えば、埋込みリードワイヤ)を持たないという事実により、主要な電流懸案事項には見えない。しかし、埋込み型ポンプは、この時、磁気蠕動システムに影響しており、MRIの前に非活性化すべきである。ソレノイドシステムに基づくことになる新しい(未公開の)システムが存在するが、これも同様の問題を有することになる。
MRIが、能動型埋め込み医療装置を有する患者に継続的に用いられることになるのは明らかである。電気焼灼手術及び砕石術などを含む一部の他の病院の処置が存在し、これも、ペースメーカー患者が受ける可能性がある。従って、MRIのような診断処置に対する能動型埋め込み医療装置システムの不感受性を改善することになる回路保護装置が必要とされている。
ここに見られるように、MRI及び他の医療診断処置により埋込みリードワイヤシステムに及ぼされる望ましくない影響の多くは、リードワイヤシステムの望ましくない誘導電流に関するものである。それによってリードワイヤ又は組織インタフェースの遠位TIPのいずれかが過熱されることになる可能性がある。2006年SMIT会議では、FDAは、埋込みリードが十分に加熱されたために重篤な火傷が起こり、複数の切断術が必要となった神経刺激器患者に関して報告した。ペースメーカー患者では、これらの電流は、心臓を直接刺激し、時に危険な不整脈が起こる可能性がある。ペースメーカー、ICD、又は神経刺激器患者がMRI又は同様の医療診断処置中に遭遇する可能性がある問題に関する以上の説明は、一般的な必要性の単なる例である。更に、外部薬物ポンプ、外部神経刺激器、EKGリード、(皮膚パッチ)又は心室補助装置のような外部装置を装着した患者も、MRI処置中に問題に遭遇する可能性がある。リードワイヤの過熱、遠位TIPの過熱、又は電磁干渉に関する以上の全ての説明は、全て、懸案事項である。本発明の新しい共鳴タンクフィルタは、全ての他の装置にも同様に適用可能である。更に、MRIのようなある一定の実時間医療撮像処置中に用いられるプローブ及びカテーテルにも適用可能である。本発明は、様々な埋込み及び外部医療装置システムの両方に適用可能である。一般的に、本発明は、高RF電力医療診断処置を受ける患者を保護する回路保護装置である。
更に、左心室(LV)リードワイヤ移植片は、医療業界で更に一般的になっている。右心房及び右心室にリードワイヤを配置することは比較的容易である。リードワイヤを左心室の外側の静脈系に配置することは著しく困難である。一般的に、リードワイヤの左心室への配置は、ガイドワイヤを下向きに右心房に、及び上向きに冠状静脈洞を通って経路を判断することによって行われる。従って、リードワイヤを静脈システムの左心室に配置するためにガイドワイヤがそれを通って選択的に摺動可能に通過することができる帯域消去フィルタを通る通路が必要とされている。
従って、医療装置リードワイヤシステムに沿った様々な位置に配置することができ、かつ電流が医学的治療装置の選択した周波数で循環しないようにもする新しい共鳴EMIタンクフィルタアセンブリが必要とされている。好ましくは、このような新しいタンクフィルタは、1.5テスラで作動するMRIシステムに用いるために64MHz又はその付近(又は、3テスラシステムでは128MHz)で共鳴し、かつ遠隔通信、軍事、及び宇宙などを含む他の磁場にも広く適用されるように設計されることになる。更に、このようなタンクフィルタは、左心室のような正確な移植可能位置に摺動可能にリードワイヤを配置するためにガイドワイヤも含む必要がある。本発明は、これらの必要性を満たし、他の関連する利点をもたらすものである。
本発明は、遠位TIP及び/又は医療装置リードワイヤ又は回路に沿う様々な位置に配置される新しい共鳴タンクフィルタから成る。これらのタンクフィルタは、電流が医療装置の選択した周波数で循環するのを阻害又は防止する。例えば、1.5テスラで作動するMRIシステムに対しては、Lamour方程式に説明するように、パルスRF周波数は64MHzである。本発明の新しいタンクフィルタは、64MHz又はその付近で共鳴し、従って、その選択した周波数でリードワイヤシステムに高インピーダンス(理想的には開回路)を生じるように設計することができる。例えば、本発明の新しいタンクフィルタは、ペースメーカーリードワイヤの遠位TIPに配置されると、RF電流が遠位TIPを通り、身体組織内に流れるのを有意に低減することになる。更に、新しいタンクフィルタは、例えば、EMIがペースメーカーのリードワイヤを流れるのも低減し、それによって敏感な電子回路に付加的な保護をもたらす。本明細書に説明する実施形態の全ては、脳深部刺激器、脊髄刺激器、薬物ポンプ、プローブ、及びカテーテルなどを含む広範囲の他の埋込み型及び外部医療装置にも等しく適用可能であることは当業者には明らかであろう。本発明は、医療装置及び/又はそれに付随するリードワイヤシステムに望ましくない電流及び付随する加熱を減少又は消失させることに関する必要性の全てを満たすものである。更に、本明細書に説明する新しいタンクフィルタ構造は、遠隔通信、軍事、及び宇宙などを含む他の学問分野にも広く適用される。
誘導子と並列にコンデンサを電気的に設計することは、タンクフィルタとして公知である。更に、ほぼ理想的なタンクフィルタが共鳴周波数である場合には、非常に高インピーダンスを示すことになることも公知である。MRI機器は、個別の周波数で作動される非常に大きなRFパルス磁場を生成するために、これは、特定の共鳴タンクフィルタには理想的な状況である。タンクフィルタは、1つの単周波数を消失させるのに広帯域通過フィルタよりも更に効率的である。タンクフィルタは、この1つの周波数を標的にするために遥かに小さくし、容積効率を上げることができる。更に、MRIがリードワイヤシステムに結合する方法により、様々なループ及び関連電流が生成される。例えば、心臓ペースメーカーの遠位TIPでは、直流電磁力(EMF)が生成される可能性があり、これが、遠位TIPを通って付随する心筋組織に入る電流ループになる。この電流システムは、能動型埋込み医療装置付近、例えば心臓ペースメーカー付近に導かれる電流から大部分が切り離される。ここに、MRIは、その関連電流で別のループを構成することができる。従って、1つ又はそれよりも多くのタンクフィルタは、リードワイヤシステムの様々な導かれたEMI及び関連電流の全てを完全に制御することが要求される場合がある。
ヒト移植片のためのタンクフィルタを設計する主な欠点は、大きさが非常に小さく、生体適合性があり、かつ信頼性が高い必要があることである。同軸性の幾何学形状が好ましい。同軸が好ましい理由は、リードワイヤが2つの主な方法のうちの一方でヒト身体の部位に配置されるからである。これには、ガイドワイヤリード挿入が含まれる。例えば、心臓ペースメーカーの用途では、胸筋ポケットが生成される。次に、医師は、肋骨の間を少し切り、鎖骨下静脈に接近する。ペースメーカーリードワイヤは、下向きにこの静脈システムを通り、大動脈弓を通り、右心房を通り、三又弁を通って、例えば、右心室内にスタイラスで案内/経路指定される。リードワイヤ(特に神経刺激器のためのもの)をヒト身体に導入する別の主な方法は、トンネリングである。トンネリングでは、外科医は、特別な道具を用いて皮膚の下及び筋肉を通り、例えば、上向きに首を通ってトンネルを作り、迷走神経又は脳深部に接近する。両方の技術では、リードワイヤ及び遠位TIPにおいてそれに付随する電極が非常に小さいことが非常に重要である。本発明は、インダクタンス要素で並列タンク回路を設けるように構成された最新の微小同軸又は直線的コンデンサを用いることによってこれらの問題を解決する。従来技術のコンデンサは公知であり、セラミック円板状貫通コンデンサ、及び同様に単層及び多層管状コンデンサ及び多層矩形コンデンサ、及び厚膜溶着コンデンサから成る。本発明は、新しい方法で並列誘導子を組み込むようにこれらの以前の管状、貫通、又は矩形技術の全てを適応させる設計手法を示すものである。いくつかの他のコンデンサ技術を本発明に適応させることができることは当業者には明らかであろう。これには、フィルムコンデンサ、ガラスコンデンサ、タンタルコンデンサ、電解コンデンサ、及び積層フィルムコンデンサなどが含まれる。
上述のように、キャパシタンスの値及び付随する並列誘導子を調節して特定の共鳴周波数(SRF)を達成することができる。本明細書に説明する新しいタンクフィルタは、埋込み型医療装置システム全体内のいくつかの部位に適応させることができる。すなわち、新しいタンクフィルタは、医療装置リードワイヤシステム又は遠位TIPのあらゆる部品に又はその付近に組み込むことができる。更に、新しいタンクフィルタは、リードワイヤシステムに沿うあらゆる部位に配置することができる。好ましい実施形態では、タンクフィルタは、AIMDリードワイヤの中腔内径及び遠位TIPをガイドワイヤを覆って摺動させることによって移植可能位置に配置される。従って、ガイドワイヤは、その配置後に遠位TIP及びAIMDリードワイヤから摺って除去される。ガイドワイヤを除去した後、AIMDリードワイヤは、所定位置に適切に残される。別の実施形態では、タンクフィルタは、実際にAIMDの内部に配置される。
本発明は、新しい同軸又は直線的タンクフィルタであり、一般的に能動型埋め込み医療装置のリードワイヤを進入及び退出させる時点で用いられるEMIフィルタと呼応して働くようにも設計される。例えば、2004年4月15日に提出された「ヒト移植用途のための誘導子コンデンサEMIフィルタ」という名称の米国特許第6、999、818号;2005年3月31日出願の「能動型埋め込み医療装置の磁気共鳴映像法のような医療的処置に対する脆弱性を低減するための装置及び方法」という名称の米国特許出願出願番号第11/097、999号;2005年11月3日出願の「磁気共鳴映像法のような医療的処置の間に埋込みリードワイヤに発生する熱量を低減するためにフィルタを調節させる方法」という名称の米国特許出願出願番号第11/163、915号;及び2006年4月3日出願の「能動型埋め込み医療装置のRF距離遠隔測定ピンアンテナのための低損失帯域通過フィルタ」という名称の米国特許出願第60/767、484号を参照されたい。この全ての内容は、本明細書において引用により埋め込まれている。これらの4つ全ての文書は、低域EMIフィルタ回路のための新しい誘導子コンデンサ組合せを説明している。AIMD密封貫通部での受動ローパスフィルタの回路要素の数を増大させることにより、AIMDの入力インピーダンスを主に規定する上述のフィルタの総キャパシタンス値を低減することができることに特に関心が寄せられている。キャパシタンス値を低減してAIMDの入力インピーダンスを上昇させることが重要である。AIMDの入力インピーダンスを増大させると、MRI機器のRFパルス周波数に伴うような高周波数でリードワイヤシステムを流れることになる電流量が減少することになる。従って、本発明の特徴は、新しいタンクフィルタが従来技術のローパスフィルタと協調して用いられるように設計されることである。
本発明はまた、プローブ及びカテーテルにも適用可能である。例えば、切除プローブは、心臓の外部又は内部の組織を選択的に焼灼するか又は焼いて、洞結節から又は房室結節外部からの不整脈を制御するのに用いられる。これらの処置は、実時間MRI撮像の間に最高の性能を発揮する。しかし、主な関心事項は、MRIシステムから導かれる電流のために不適切な時に遠位TIPが過熱されることである。本発明の新しいタンクフィルタは、ヒト身体内又はその表面に用いられるあらゆるプローブ、TIP、又はカテーテルに適応させることができることが当業者には明らかであろう。
本発明の他の特徴及び利点は、一例として本発明の原理を説明する添付図面と合わせて以下の更に詳細な説明から明らかになるであろう。
添付図面は、本発明を例示するものである。
添付図面は、本発明を例示するものである。
説明のために図に示すように、本発明は、能動型医療装置リードワイヤ又は回路と直列にタンクフィルタを配置し、患者及び/又は医療装置が、MRI及び他の医療処置中に発生するもののような望ましくない電磁干渉信号を受けないようにすることにある。本発明はまた、リードワイヤ又は能動型医療装置に用いられるこのようなタンクフィルタを設計、製造、及び調節することである。本明細書で更に完全に説明するように、本発明は、MRIのような医療診断処置中に患者に一時的に挿入される可能性があるか、又は患者が装着するか又は結合される可能性がある高範囲の外部医療装置、プローブ、カテーテル、及びモニタリングリードワイヤなどに適用可能である。
以下の説明では、多くの場合に、様々な実施形態に示す機能的に同等の要素を同じ参照番号を用いて言及することになる。
以下の説明では、多くの場合に、様々な実施形態に示す機能的に同等の要素を同じ参照番号を用いて言及することになる。
図1は、現在用いられている様々な種類の能動埋込み型及び外部医療装置100を示している。図1は、いくつかの埋込み医療装置を示す一般的なヒト身体のワイヤ形成図である。100Aは、移植蝸牛刺激装置及び圧電サウンドブリッジ変換器などの群を含むことができる一群の補聴装置を示している。100Bは、様々な神経刺激器及び脳刺激器を示している。神経刺激器は、迷走神経を刺激して、例えば、てんかん、肥満、及びうつ病を治療するのに用いられる。脳刺激器は、ペースメーカー状装置であり、てんかん発作の開始を検知するために、また、脳組織に電気刺激を与えててんかん発作が実際に起こることを防止するために、脳の深部に埋込まれた電極を含む。脳深部刺激器に付随するリードワイヤは、実時間MRI撮像を用いて配置されることが多い。最も一般的には、このようなリードワイヤは、実時間MRIの間に配置される。100Cは、当業技術で公知の心臓ペースメーカーを示している。100Dは、左心補助装置(LVAD)の群及び人工心臓を含み、これには、近年導入されたAbiocorとして公知の人工心臓を含む。100Eは、インシュリン、化学療法薬物、及び鎮痛剤などを分取するのに用いることができる薬物ポンプの群全体を含む。インシュリンポンプは、受動装置から、センサ及び閉ループシステムを有するものにまで進化している。すなわち、血糖レベルが実時間でモニタされることになる。これらの装置は、検知回路も外部埋込みリードワイヤも持たない受動ポンプよりもEMIに感受性が高い傾向がある。100Fは、骨折を迅速に治癒させるための様々な骨成長刺激器を含む。100Gは、尿失禁装置を含む。100Hは、疼痛寛解脊髄刺激器及び抗振戦刺激器の群を含む。更に、100Hは、疼痛を遮断する他の種類の神経刺激器の群全体も含む。100Iは、一群の埋込み型除細動器(ICD)装置を含み、また、うっ血性心不全装置(CHF)の群も含む。更に、これは、当業技術では心臓再同期療法装置としても知られ、そうでなければCRT装置として公知である。100Jは、外部着用パックを示している。このパックは、外部インシュリンポンプ、外部薬物ポンプ、外部神経刺激器、又は心室補助装置とすることができる。100Kは、外部プローブ又はカテーテルの挿入を示している。これらのプローブは、例えば、大腿動脈に挿入することができ、又はヒト身体のあらゆる他のいくつかの部位に挿入することができる。100lは、様々な部位に配置することができる様々な種類のEKG/ECG外部皮膚電極の1つを示している。100mは、頭に配置される外部EEG電極である。
今度は図2を参照すると、従来技術の能動型埋め込み医療装置(AIMD)100が示されている。一般的に、AIMD100は、例えば、図示のようにチタンハウジング102に封入された心臓ペースメーカー100Cとすることができる。チタンハウジングは、密封されているが、リードワイヤ104が密封シールに入りかつ出る必要がある点が存在する。これは、密封端子アセンブリ106を設けることによって達成される。密封端子アセンブリは公知であり、一般的に、AIMD100のチタンハウジング102にレーザ溶接されたフェルール108から成る。付随EMIフィルタを備える密封端子アセンブリ106は、図3に更に良好に示されている。再び図2を参照すると、リードワイヤ対104a及び104b及びリードワイヤ対104c及び104dから成る4つのリードワイヤが示されている。これは、典型的な二室二極式心臓ペースメーカーとして公知のものである。
ヘッダブロック112に差し込むように設計されているIS1コネクタ110は、ANSI/AAMI規格IS−1により覆われた低電圧(ペースメーカー)コネクタである。埋込み型除細動器(ICD)のような高電圧装置は、ANSI/AAMIのDF−1として公知の標準型で覆われる。高電圧及び低電圧コネクタの両方がIS−4シリーズとして公知の新しい微小コネクタシリーズに統合されることになる新しい標準型が開発中である。これらのコネクタは、一般的に、ペースメーカー用途では、心臓114の右心室及び右心房に下って経路指定される。更に、リードワイヤを左心室の外側に結合する新しい発生装置も市場に導入されている。これらは、2心室装置として公知であり、心臓の再同期及びうっ血性心不全(CHF)の治療に非常に有効である。
再び図2を参照すると、例えば右心室内に経路指定することができると考えられる双極リードワイヤ104a及び104bを例えば見ることができる。双極リードワイヤ104c及び104dは、右心房まで経路指定することができる。更に、IS−1又はDS−1コネクタブロックに結合されていないRF遠隔測定ピンアンテナ116も存在する。これは、装置100の外側から送信される遠隔測定(プログラミング)信号を拾うための短いスタブアンテナとして働く。
また、本明細書に説明するものの全ては、他の種類のAIMDにも等しく適用可能であることは、当業者には明らかである。これには、埋込み型除細動器(上述のDF−1コネクタを用いる)、神経刺激器(脳深部刺激器、脊髄刺激器、移植蝸牛刺激装置、及び失禁刺激器などを含む)、及び薬物ポンプが含まれる。本発明はまた、様々な低侵襲性AIMDに適用可能である。例えば、ある一定の病院カテーテル実験室処置では、ICDのようなものを挿入して一時的に用いることができる。更に、心室補助装置もこの種のカテゴリに含むことができる。このリストは、制限的であることを意味するものではなく、現在本明細書に説明している新しい技術の用途の例を示すのみである。
図3は、図2の全体的に線3−3に沿って取った拡大断片断面図である。ここでは、RF遠隔測定ピン116及び双極リードワイヤ104a及び104cの断面を見ることができ、これらのリードワイヤは、IS−1ヘッダブロック112(図2)の内部コネクタ118に結合することによって心室まで経路指定されるであろう。これらのコネクタは、プラグ110を受け入れるように設計され、それによって医師は、静脈システムを通って下り、適切な心室114内に入るようにリードワイヤを通すことができる。トンネルを作って脳深部電極又は神経刺激器リードを通しても同じであることは当業者には明らかであろう。
図3に戻ると、密封端子アセンブリ106に結合された従来技術の貫通コンデンサ120を見ることができる。これらの貫通コンデンサは、当業技術で公知であり、米国特許第5、333、095号、第5、751、539号、第5、905、627号、第5、959、829号、第5、973、906号、第5、978、204号、第6、008、980号、第6、159、560号、第6、275、369号、第6、424、234号、第6、456、481号、第6、473、291号、第6、529、103号、第6、566、978号、第6、567、259号、第6、643、903号、第6、675、779号、第6、765、780号、及び第6、882、248号に説明かつ例示されており、この全ては、本明細書において引用により埋め込まれている。この場合には、外部金属化端子面122を有し、埋込み電極板の組124及び126を含む矩形四極貫通コンデンサ120が示されている。電極板の組124は、接地電極板の組として知られ、コンデンサ120の外側の端子面122を終端とする。これらの接地電極板124は、熱硬化導電性ポリイミド又は同等の材料128(同等の材料には、半田、ろう付け、及び導電性エポキシなどを含むことになる)を用いて、密封端子アセンブリ106のフェルール108に電気的及び機械的に結合される。次に、密封シール端子アセンブリ106は、AIMD100のハウジング102全体にレーザ溶接130されたチタンフェルール108を有するように設計される。これは、連続密封シールを形成し、それによって体液がAIMDの電子に浸入して損傷を引き起こさないようにする。
また、金ろう付け132、134、及び138などにより、リードワイヤ104及び絶縁体136が密封されることは必須である。金ろう付け132は、チタンフェルール108からアルミナセラミック絶縁体136まで濡らす。次に、セラミックアルミナ絶縁体136は、各リードワイヤ104に134でも金ろう付けされる。更に、RF遠隔測定ピン116は、アルミナセラミック絶縁体136に138でも金ろう付けされる。このような密封端子を作る様々な他の方法も存在することは、当業者には明らかであろう。これには、金ろう付けを必要とすることなく、リードを直接フェルールにガラス密封する段階を含むであろう。
図3に示すように、RF遠隔測定ピン116は、貫通コンデンサ120の領域に含まれない。この理由は、貫通コンデンサ120が、非常に広帯域の単一要素の低域EMIフィルタであり、これが、典型的に400MHzを超える望ましい遠隔測定周波数を除去することになるからである。
図4は、図3の全体的に線4−4に沿って取った底面図である。密封端子絶縁体136をチタンフェルール108全体に完全に密封する金ろう付け132を見ることができる。更に、密封端子106を形成する金ろう付け132に接触する熱硬化導電性接着剤128として示されるコンデンサ取付材料の重なりも見ることができる。
図4は、図3の全体的に線4−4に沿って取った底面図である。密封端子絶縁体136をチタンフェルール108全体に完全に密封する金ろう付け132を見ることができる。更に、密封端子106を形成する金ろう付け132に接触する熱硬化導電性接着剤128として示されるコンデンサ取付材料の重なりも見ることができる。
図5は、貫通コンデンサ120の等角投影図である。ここに見られるように、端子面122は、コンデンサの内部接地板の組124に接続する。これは、図6に最も良く見られ、ここでは、典型的にセラミック層にスクリーン印刷される接地板の組124が取り出され、端子面122に露出される。図7には、コンデンサの活性電極板の組126を示している。図6では、リードワイヤ104が接地電極板の組124と非電気的に通信することが見られる。しかし、図7では、リードワイヤ104の各々が活性電極板の組126と電気的に接触することが見られる。キャパシタンスの量は、部分的には、接地電極板領域を覆う活性電極板領域126の重なりにより判断される。キャパシタンスの量は、活性電極板の組126の面積を増大させることによって増大させることができる。更に、付加的な層を加えることによってキャパシタンスを増大させることができる。この特定の用途では、6つの電極層、すなわち、3つの接地板124及び3つの活性電極板の組126(図3)のみを示している。しかし、10、60、又は100を超えるこのような組を並列に配置し、それによってキャパシタンス値を大幅に増大させることができる。更に、キャパシタンス値は、誘電厚み又は接地電極の組124と活性電極の組126との間の間隔にも関連する。誘電厚みを低減すると、キャパシタンスが有意に増大し、同時に電圧定格は減少する。これらの関係は、理想的には、次式:C=nκA/tにより表され、ここで、nは、板の組の数、κは、物質の誘電定数、Aは有効キャパシタンス面積、tは、対向する板の間の厚みである。これによって設計者がキャパシタンス値を選択する自由度が大きくなる。
図8は、単極能動型埋め込み医療装置システム100の全体図である。能動型埋め込み医療装置100のハウジング102は、一般的に、チタン、ステンレス鋼などであり、1つの導電性電極として働く。装置ハウジングの内部は、AIMD電子機器である。通常は、AIMDは、電池を含むが、必ずしもそうでなくてもよい。例えば、Bイオンは、外部パルス磁場からエネルギを受け取ることができる。リードワイヤ104は、身体組織に埋め込まれる点140までAIMDハウジングと絶縁する関係で経路指定される。脊髄刺激器100Hの場合には、遠位TIP140を脊髄内に置くことができる。脳深部刺激器1008の場合には、遠位電極140は、脳組織の深部などに配置されることになる。心臓ペースメーカー1000の場合には、単極遠隔電極140は、一般的に、心臓右心室に配置されることになる。
図9は、双極システムであることを除けば図8に非常に類似する。この場合、帰り道は、2つの遠位電極140と140’の間である。心臓ペースメーカー100Cの場合には、これは、双極リードワイヤシステムとして知られ、電極の1つは、遠位TIP142として公知であり、血液プールに浮遊することになる他方の電極は、RING144(図10参照)として公知である。これと対照的に、図8の帰り道は、遠位電極140から身体組織を通って埋込み型医療装置100の導電性ハウジング102までの間である。
図10は、典型的に心臓ペースメーカー100Cに用いられる遠位TIP142及びRING144を備える双極リードワイヤシステムを更に示している。これらの用途の全てで、患者は、MRIスキャナ又は医療診断処置中に用いられる他の強力なエミッタの磁場に露出される可能性がある。リードワイヤシステム104に直接導かれるRF電流は、リードワイヤシステムの抵抗(I2R)損によるか、又は身体組織を流れる電流により引き起こされる加熱により加熱を引き起こす可能性がある。これらの電流が過剰になった場合には、これに伴う加熱により、身体組織に損傷を与えることがあり、破壊的切除を引き起こすこともある。
遠位TIP142は、心臓の実際の心筋組織に隣接するか又はその内部に固定して埋込まれるように設計される。RING144は、血液プールに浮遊するように設計される。ペースメーカー心室には、血液が流れ(すなわち、潅流)、熱伝導性であり、従って、RING144構造は、実質的に冷却される。しかし、遠位TIP142は、周りの身体組織により熱的に絶縁されており、MRI磁場のRFパルス電流のため容易に加熱される可能性がある。従って、心臓ペースメーカー用途では、本発明の新しいタンク概念は、RING144電極とは対照的に、遠位TIP142により多く関するものであることになる(しかし、本発明の概念は、両方に適用することができる)。神経刺激器電極に典型的であるような潅流が不良な領域に対しては、TIP及びRING電極の両方が、本発明のタンク回路を有するべきである。
図11は、上述のリードワイヤシステム104に配置される誘導子L及びコンデンサCの理想的な並列組合せを示す概略図である。この組合せは、特定の周波数(fr)で共鳴することになる理想的な並列タンク回路フィルタ146を形成する。(理想的とは、簡単にするためにモデルから抵抗損失を省略していることを意味する。)
図12は、図11の並列L−Cタンク回路146での共鳴frの周波数を与え、この場合、frは共鳴周波数(ヘルツ)、Lはインダクタンス(ヘンリー)、Cはキャパシタンス(ファラド)である。臨床MRIシステムの静磁場強度は、0.5テスラから3テスラまで変動し、新しい研究用機械では、11.4T程の高さまで上がる。静磁場に伴うパルスRF場は、Lamour方程式:f=γHTにより与えられ、ここで、Tは磁場強度(テスラ)、γは水素の磁気回転比(42.58MHz/T)である。従って、3テスラMRIシステムのパルスRF場は、ほぼ128MHzである。
図12を参照すると、理想的なタンクフィルタの共鳴周波数frは、以下の方程式を用いることによって予測することができることが分る。
ここで、frは共鳴周波数、Lは、誘導子構成要素のインダクタンス(ヘンリー)、Cは、コンデンサ構成要素のキャパシタンス(ファラド)である。この方程式には、3つの変数fr、L、及びCがある。共鳴周波数frは、関連のMRIシステムの関数である。上述のように、1.5TのMRIシステムは、ほぼ64MHzで作動するRFシステムを用い、3.0Tシステムは、128MHzのRFを用いるなどである。関連のMRIシステムを判断することにより、L及びCのみが残る。これらのパラメータの一方を人為的に設定することによってフィルタ設計者は、残りの変数を解くだけでよい。これは、図12に示している。
しかし、この方程式は、理想的な誘導子及びコンデンサ要素にしか対応しない。実際の誘導子及びコンデンサ構成要素は、直列抵抗要素を示し、これは、図16の回路図に示されている。これらの抵抗構成要素は、材料及び設計を考慮するためのものであり、この構成要素のそれぞれの誘電及び容量値に独立である必要はない。
P−Spiceのような回路モデル化プログラムで、抵抗要素を反応要素と共にモデル化することにより、RL及びRCは、図16に示すように有意な寄与をもたらすことが分る。回路の合計の実際の抵抗が増大すると、タンクフィルタの3dB帯域幅が幅広くなる。3dB帯域幅が幅広くなることは、フィルタ周波数の範囲が広くなることに対応するために、これは、本発明では望ましい効果である。例えば、「理想的な」タンクフィルタは、64MHz(1.5TのMRIに対して)でのみ共鳴することになり、3.0TのMRI(128MHz)に減衰効果を持たない。しかし、実際の抵抗性に寄与するタンクフィルタは、3dB帯域幅が有意に増大することを示すことになり、設計者が適切な構成要素を選択すれば、タンクフィルタは、64MHz及び128MHzの両方でフィルタ処理することができる。
このようにフィルタ処理を増大させると、性能に欠点が生じる。タンクにより消散されるエネルギが有限であるために、タンクの帯域幅を広くすることも共鳴時の回路の最大減衰を鈍らせる効果を有する。減衰が低下しすぎると、MRIのRFパルス周波数でのフィルタ処理機能は、悪影響を受ける可能性がある。
更に、誘導子構成要素の直列抵抗にも関心が寄せられている。誘導子構成要素は、低周波数では電流経路として働くために、直列抵抗は、できるだけ小さくし、望ましい低周波数生物学的信号感知信号又は治療送出信号をフィルタで除去しないようにすべきである。このために、まず誘導性構造部品を選択し、次に、必要な容量性構成要素を計算することが好ましい。この場合、次に図12の左側を行い(共鳴方程式をCに関して解き)、回路に必要なコンデンサを判断する。
好ましい方法では、比較的高いインダクタンス(>100nH)を選択すべきである。タンクフィルタの選択性は、L/C比により決定される。従って、インダクタンス値が低すぎると、選択したMRIパルス周波数で適切な量の減衰も適切な3dBの帯域幅も得られない。図12の方程式を用いると、64MHzシステムを満たすのに必要なキャパシタンスは、41pFであることが分る。しかし、低周波数で保証するためには、誘導子には、比較的低い直列抵抗が必要であることは当業者には明らかである。誘導子の直列抵抗は、材料特性及びデザインの幾何学形状の関数であるために、構成要素を注意深く選択することが重大な意味を有する。
もう一度図12を参照すると、誘導子及びコンデンサの値を適切に選択すれば、並列タンク共鳴周波数は、21.3MHz(.05T)、64MHz(1.5T)、及び128MHz(3.0T)などとすることができることが分る。図12を参照すると、この計算では、最初に誘導子値Lが150ナノヘンリーに等しいと仮定することが分る。150ナノヘンリーは、ヒトの身体の内部の小さな幾何学形状に関する場合には、非常に大きな誘導子は実際的でないという事実から導かれる。これに加えて、このような誘導子にフェライト材料又は鉄コアを用いることは、2つの理由で好ましくない。すなわち、1)MRIスキャナの静磁場は、このようなフェライト内で磁気双極子を整列させ、従って、誘導子を無効化すると考えられ、2)フェライト材料が存在すると、MRI画像にアーチファクトが引き起こされることになる。これは、心臓の右心室を撮像する場合には、例えば、画像のかなり大きな面積が、これらのフェライト材料が存在するために及びMRI磁場と相互作用する様式のために消失することになる。更に、誘導子は、主静磁場が存在する間には変動しないことも重要である。
また、共鳴未満、特に、非常に低い生物学的周波数である場合には、リードワイヤシステム内の電流は、誘導子要素を通って流れることにも注意すべきである。従って、誘導子要素の直列抵抗は、かなり低いことが重要である。逆に、非常に低い周波数では、電流は、コンデンサ要素を通って流れない。しかし、高周波数では、コンデンサ要素のリアクタンスは、遥かに低い値まで低下するが、実際に、高周波数がタンクフィルタを通過することが望ましい場合はない(AIMDの遠隔測定ピンを除く)。従って、殆ど全ての用途で、コンデンサの抵抗損失が特に重要ということはない。これは、コンデンサの等価直列抵抗(ESR)としても公知である。コンデンサESRの成分は、コンデンサの消散率である(低周波数現象)。共鳴よりも遥かに高い周波数では、本明細書に説明するような並列タンク回路146の構成要素として用いる時に、コンデンサの消散率又はESR全体がどれだけ高いかは特に重要ではない。
再び図12を参照すると、図示の共鳴周波数fr方程式をCに関して解くことによるキャパシタンスの計算を見ることができる。インダクタンス値を150ナノヘンリーとすると、キャパシタンス41.3ピコファラドを必要とすることになることが分る。高誘電定数を与える適切なセラミック誘電体は、当業技術で公知であり、キャパシタンス解析的に非常に効率がよい。更に、それは、生体適合性材料で作ることができ、それによって本発明に用いるのに理想的な選択項目になる。
図13は、図11の理想的な並列タンク回路146に対するインピーダンス対周波数を示すグラフである。ここに見られるように、理想的な(ゼロ抵抗の)回路構成要素を用いると、図11に示す並列タンク回路146に対して点AとBの間で測定したインピーダンスは、共鳴周波数frに近づくまではゼロである。共鳴周波数では、これらの理想的な構成要素は、互いに組み合わせて無限インピーダンスに近づける。これは、図14に示すコンデンサと並列の誘導子のインピーダンスに対する方程式Zabから得られる。誘導リアクタンスが容量リアクタンスに等しい場合には、2つの虚数ベクトルが互いに相殺し、合計してゼロになる。図14及び図15の方程式を参照すると、Zabのためのインピーダンス方程式では、XL=XCである場合は、分母にゼロが現れることになることが分る。これは、分母がゼロに近づくとインピーダンスが無限に近づく効果を有する。これは、1つの特定の周波数では、図11の点Aと点Bの間のインピーダンスが、非常に高く現れる(スイッチを開くのに類似する)ことになることを意味する。従って、例えば、心臓ペースメーカーの場合には、心臓ペースメーカーを単一の一般的なMRIシステムと適合性があるように設計することができるであろう。例えば、患者用資料、及び場合によってはデジタル的に保存された埋込みRFIDチップ上の情報に含まれた装置使用説明書では、ペースメーカーリードワイヤシステムは、3テスラのMRIシステムと適合するように設計されていることにも注意することができるであろう。従って、この特定の装置では、遠位TIPのタンクフィルタ146は、L及びC値が、128MHzで共鳴するように注意深く選択され、MRIパルス周波数で高いか又はほぼ無限のインピーダンスを示す場所に組み込まれるであろう。
図16は、この場合には誘導子L及びコンデンサCが理想的でないことを除けば図11の並列タンク回路146の概略図である。すなわち、コンデンサCは、そうでなければ消散率又は等価直列抵抗(ESR)として業界で公知のそれ自体の内部抵抗RCを有する。更に、誘導子Lは、抵抗RLも有する。受動要素で受けるものに対しては、誘導子Lは、ある程度の並列キャパシタンス(CP)も有することになることは理解されるであろう。この寄生キャパシタンスは、隣接する巻回に付随するキャパシタンスから生じる。しかし、意図されるインダクタンス値が非常に低いために、MRIのRFパルス周波数では、誘導子の並列キャパシタンスは無視することができると想定することができる。更に、コンデンサCは、直列に現れることになるある程度の内部インダクタンスも有することができる。しかし、本明細書に説明する新しいコンデンサは、非常に小さいか又は同軸であり、直列インダクタンスは無視することができる。従って、図16に示す回路は、本明細書に説明する新しい並列タンク回路146のための非常に良好な近似モデルである。
これは、周波数極限で図16のタンク回路146を見ると最も良好に理解される。非常に低い周波数では、誘導リアクタンス方程式は、XL=2πfLである。周波数fがゼロに近づくと(DC)、これは、誘導子が短絡回路のように見えることを意味する。一般的に、生物学的信号は、低周波数、典型的に10Hzと1000Hzの間である。例えば、心臓ペースメーカー1000では、関連の生物学的周波数の全ては、10Hzと1000Hzの間に現れる。これらの低周波数では、誘導リアクタンスXLは、ゼロオームに近づくことになる。一方、この範囲にわたって、方程式XC=1/(2πfc)である容量リアクタンスXCは、無限又は開回路のように見えることになる。従って、低周波数では、図16の点Aと点Bの間のインピーダンスは、実質的にRLに等しい。従って、誘導子の抵抗(RL)は、できるだけ小さく維持し、生物学的信号の減衰又は身体組織への電気刺激パルスの減衰を最小限にすべきである。それによって生物学的信号及びペーシングパルスがタンクフィルタ146を自由に通過することができるようになる。それはまた、容量損失RCの量が特に重要ではないことを示している。実際、その損失が非常に高い周波数の信号(例えば、携帯電話からの望ましくないEMI)を自由に通過させないほどかなり高いことが望ましいであろう。更に、図16に示す回路のQは、タンク周波数帯域幅を少し広くすることができるように注意深く釣り合わせることが望ましい。言い換えると、好ましい実施形態では、64MHz及び128MHzの両方を遮断するのに十分な広いタンクを有し、それによって医療装置を1.5テスラ及び3テスラのMRIシステムの両方での使用に適合させることが可能であろう。
図17は、先に図8に示す単極AIMDリードワイヤシステムに遠位電極140付近に本発明のタンクフィルタ146を加えた図である。上述のように、タンク回路146が存在すると、1つ又はそれよりも多くの特定のMRIのRFパルス周波数で非常に高いインピーダンスが存在することになる。それによってこの選択した周波数で、電流が遠位電極140を通って身体組織内に循環することが防止される。これは、遠位TIP加熱により組織損傷が引き起こされないように、患者に対する非常に高度の重要な保護を提供することになる。
もう一度図17を参照すると、任意的なRFIDタグ260が能動型埋め込み医療装置の近くのリードワイヤに配置されているのが見られる。2006年1月25日出願の米国特許出願出願番号第11/307、145号は、その内容が本明細書に組み込まれており、RFIDタグを配置し、それらを心臓ペースメーカーなどのヘッダブロック内に密封する方法を説明している。埋込み型医療装置とリードワイヤシステムの間に「様々なものを組合せること」が続いて起こることは、当業技術ではよく見られる。これは、特に心臓ペースメーカーで事実である。例えば、St.JudeペースメーカーをMedtronicリードワイヤと共に用いること及びその逆は非常によく見られる。更に、リードワイヤが、実際の能動型埋め込み医療装置よりも遥かに長くヒト体内に埋め込まれたままとされることもよく見られる。例えば、ペースメーカー患者には、リードワイヤが40年以上埋め込まれる可能性があり、この場合、ペースメーカー自体は、5〜7年毎に胸筋ポケット内で交換されて差し込まれる。本発明のタンクフィルタは、あらゆるモデルペースメーカーと共に働いて、リードワイヤ及びその付随する遠位TIPのMRI処置中に過熱しないように設計される。従って、長期間にわたって、病院又はMRI実験室は、どの患者がMRI適合性のリードワイヤシステムを有していてどの患者が有していないかを識別することができることが非常に重要である。本発明の特徴は、適切に識別することができるように、RFIDタグ260を埋込み型装置に固定又はそれに隣接して配置するか、又は電極ワイヤシステム内に配置することができることである。更に、RFIDタグ260は、そのために遠位TIPタンクが設計された共鳴周波数のような重要な情報を含むことができる。例えば、RFIDタグ260は、1.5T(64MHz)でRFID適合性であることを示すパルスを放出することができる。更に、能動型埋め込み医療装置は、頑強なEMIフィルタも組込み、RFIDエミッタ(読取装置又はスキャナ)がAIMD自体の電子素子と干渉しないようにすることが重要である。本発明に理想的なRFID周波数は、身体組織を容易に穿通し、リードワイヤに取り付けられたRFIDタグ260により検出されることになる13.56MHzとされるであろう。RFIDタグ260をリードワイヤに取り付けるのに用いることができる様々な固定法が存在し、これには、リードワイヤ自体の封入材料内に結合するか、又は結束又は縫合取付けによるものが含まれる。RFIDタグ260は、リードワイヤ自体に直接取り付ける必要もない。例えば、当業技術では、RFIDグは、ヒト身体のあらゆる部位、例えば手首付近に注入することができる。この場合、RFIDタグ260は、リードワイヤシステム及び/又はAIMD自体の存在又はMRI適合性に関する重要な情報を含むことになる。Verichipと呼ばれる会社は、動物及びヒトの識別のための埋込み型RFIDタグを既に有している。Verichip及び他の従来技術のRFIDタグの問題点は、真に密封ではないことである。RFIDチップを保持するための新しい密封キャニスタは、2006年1月25日出願の米国特許出願出願番号第11/307、145号に開示されており、その内容は、本明細書において引用により埋め込まれている。移植片及びリードワイヤシステム(例えば、40年又はそれよりも長く埋込まれる可能性がある蝸牛又はペースメーカーリードワイヤ)の潜在的な長さのために、埋込みRFIDタグは、長期間にわたって信頼性があることが重要である。これは、少なくとも1×10-7cc/秒を超える漏出速度まで真に密封である必要があることを意味する。従って、米国特許出願出願番号第11/307、145号に説明するような密封アセンブリが好ましい実施形態である。
図18は、スイッチを用いてその機能を示す新しいタンクフィルタ146の理想的な代表例である。誘導子Lは、スイッチSLで置換した。誘導子のインピーダンスが非常に低い場合には、スイッチSLは閉じられることになる。誘導子のインピーダンス又は誘導リアクタンスが高い場合には、スイッチSLは開いて示されることになる。コンデンサ要素Cには、対応する類似性が存在する。容量リアクタンスが非常に低いインピーダンスに見える場合には、コンデンサスイッチSCは、閉じて示されることになる。容量リアクタンスが非常に高いインピーダンスとして示される場合には、スイッチSCは、開いて示されることになる。この類似性は、図19、図20、及び図21を参照すると最も良く理解される。
図19は、タンクフィルタ146の低周波数モデルである。低周波数では、コンデンサは、開回路のように見える傾向があり、誘導子は、短絡回路のように見える可能性が高い。従って、スイッチSLは閉じ、スイッチSCは開く。これは、タンクフィルタ146の共鳴周波数未満の周波数では、電流は、誘導子要素を通って流れることになるという指標である。これは、低周波数の生物学的信号が減衰しないという本発明の重要な考察である。例えば、心臓ペースメーカーでは、関連の周波数は、典型的に10Hzと1000Hzの間に収まる。ペースメーカーのペーシングパルスは、この典型的な周波数の範囲に収まる。更に、埋込み型医療装置は、同じ周波数の範囲で生物学的周波数も感知する。従って、このような信号は、タンクフィルタの誘導子要素を通って容易に流れることができることが必要である。品質係数(Q)が非常に高く、かつ寄生直列抵抗が低くなるように、誘導子設計には多大な注意を払う必要がある。
図20は、共鳴周波数での新しいタンクフィルタ146のモデルである。定義により、並列タンク回路が共鳴している時には、回路全体に対して非常に高いインピーダンスを示している。従って、スイッチSL及びSCの両方が開いて示される。例えば、このようにして、タンクフィルタ146が、選択したMRIのRFパルス周波数でMRI電流がペースメーカーリードワイヤを通り、及び/又は身体組織内に流れることを防ぐ。
図21は、高周波数でのタンクフィルタ146のモデルである。高周波数では、誘導子は、開回路のように見える可能性が高い。従って、スイッチSLは開いて示される。高周波数では、理想的なコンデンサは、短絡回路のように見える可能性が高いために、スイッチSCは閉じる。実際のコンデンサは、理想的でなく、高周波数での作動で劣化する可能性が高いことに注意すべきである。これは、コンデンサの等価直列インダクタンス及び等価直列抵抗によるものである。幸運なことには、本発明では、コンデンサ要素Cが高周波数でどれほど損失が多くなるかは重要でない。これは、例えば、携帯電話からの望まない電磁干渉がリードワイヤシステムを流れることを低減する働きのみをすることになる。従って、コンデンサ要素Cの品質係数は、誘導子要素Lの品質係数ほど重要でない。誘導リアクタンス(XL)の方程式は、図15に与えられる。更に、図15には、コンデンサリアクタンス方程式(XC)も与えられる。ここに見られるように、周波数にゼロを代入すると、非常に低い周波数では、誘導子は、短絡回路のように見える傾向があり、コンデンサは、開回路のように見える可能性が高いことが導かれる。同じ方程式に非常に高い周波数を代入することにより、非常に高い周波数では、理想的な誘導子は、無限又は開放インピーダンスのように見え、理想的なコンデンサは、非常に低いか又は短絡回路インピーダンスのように見えることが分る。
図22は、各リードワイヤ104、104’の2つの新しいタンクフィルタ146を示すために書き直した図9の双極システムである。この場合、双極リードワイヤ104、104’の両方のL1及びC1から成るタンク回路Fr1が存在し、これは、1つの選択した周波数で共鳴するように設計される。1.5テスラMRIシステムでは、これは、64MHzとされることになる。次に、これらは、Fr2で共鳴するように設計された第2の組のタンクフィルタ146’と直列に配置される。これらは、L2、C2並列誘導子コンデンサ組合せから成る。これらは、3テスラMRIシステムで作動するように設計することができ、従って、128MHzで共鳴するように設計されることになる。従って、電流は、両方の型のMRIシステムにより遮断されることになる。この例でのトレードオフは、必要な付加的な構成要素のために、遠位電極140、140’が物理的に伸長されると考えられることである。図17に関して説明したもののようなRFIDチップは、本発明によりタンクフィルタ146を組み込む時に各電極又はリードワイヤ104、104’を識別するために、各104、104’リードワイヤに付随することができる。代替的に、単一のRFIDチップは、リードワイヤ104、104’又は患者のあらゆる部位のいずれかに付随し、タンクフィルタ146を組み込む時にリードワイヤ104及び104’の両方を識別することができる。
図23は、本明細書の設計工程を良好に示す意志決定ツリーブロック図である。ブロック148は、設計者が行う必要がある初期意志決定段階である。説明のために、都合のよいキャパシタンス値から開始することにする。このキャパシタンス値は、一般的に、AIMDリードワイヤシステム及び他の因子に利用可能な空間量に関連することになる。実際的な目的では、これらの値は、一般的に、数十ピコファラドから約10、000ピコファラドまでのキャパシタンス値の範囲である。これは、本発明の範囲内で実質的に実施することができるキャパシタンスの量に実際的な境界を設ける。しかし、これは、本発明の一般的な原理を制限することは意図せず、ただ、好ましい実施形態を説明している。従って、好ましい実施形態では、一般的に10ピコファラドから約4000ピコファラドまでの範囲のキャパシタンス値が選択されることになり、次に、選択した遠隔測定周波数で自己共鳴するのに必要な対応するインダクタンス値に対して解く。図23に戻ると、設計がCを第1にするか又はLを第1にするかが決定される。キャパシタンス値Cを第1にするように想定することに決めた場合には、左のブロック150に向う。ブロック150では、遠位TIP142のタンクフィルタ146を全体的に実施する必要性の評価を行い、次に、実現可能なキャパシタンス値を考える。従って、意志決定ブロック150では、コンデンサ値を考える。次に、ブロック152で、インダクタンス(L)の必要な値について、図12の共鳴タンク方程式frを解く。次に、いくつかの誘導子設計を見て、空間及び他の設計の制約内にインダクタンス値が実現可能であるか否かを見る。インダクタンス値が実現可能であれば、ブロック154に進み、設計を最終判断する。インダクタンス値が物理的及び実際的な制約内に実現可能でなければ、ブロック150に戻り、新しいキャパシタンス値を考える必要がある。このループは、最終的に適合可能なコンデンサ及び誘導子設計に行き当たるまで何度も回ることができる。場合によっては、これのみを用いて最終的な設計を達成することはできないことになる。言い換えると、設計基準の全てを満たす結果を達成するために、特注コンデンサ値又は設計を用いる必要がある可能性がある。すなわち、タンクフィルタ146が必要な品質係数(Q)を有するように内部損失RCが十分に高いコンデンサ設計及び内部損失RLが小さい誘導子設計は、大きさが十分に小さく、十分な電流及び高電圧処理機能などを有するのに十分な帯域幅(しかし、大き過ぎない)を有する。言い換えると、この意志決定ツリーを行う時には、全ての設計基準を考慮する必要がある。
ブロック150、152、及び154から成る左手側の意志決定ツリーを多数回行い、「ノー」が出続ける場合には、インダクタンスの実現可能な値を考え、ブロック156で始まる右手側の意志決定ツリーへ行く必要がある。次に、それが確実に働き、設計空間及び指針に適合することになるように、誘導子RLに対して十分に低い等価直列抵抗でインダクタンス(L)の実現可能な値を考える。そのインダクタンスの値を考えた後、次に意志決定ブロック158に進み、図12の方程式Cを解いて必要なキャパシタンスの量を判断する。キャパシタンスCの望ましい量を見出した後、キャパシタンスのその特注値が設計パラメータに適合することになるか否かを判断する。段階160で判断したキャパシタンス値が実現可能である場合には、先に進み、設計を完成させる。しかし、実現可能でない場合には、段階156まで戻り、Lの異なる値を考え、再び意志決定ツリーを行うことができる。これは、設計全体に対して実際的なL及びCの組合せが見出されるまで何度も行われる。本発明においては、直列の個別の誘導子又は並列の個別のコンデンサを用いて同じ全体的な結果を達成することができる。例えば、誘導子要素Lの場合には、2つ、3つ、又はそれよりも多く(n)のそれぞれの誘導子要素を直列に用いることが可能とされることになる。並列タンクフィルタ146に見られるコンデンサ要素にも同じことが言える。更に、並列のコンデンサを加えるか又は減らすことにより、インダクタンスと並列に共鳴することになる総キャパシタンスを調節することができる。
また、その隣接する巻回の間に相当な寄生キャパシタンスを有する単一の誘導性構成要素を用いることも可能である。設計者は、注意深く複数の巻回を用いれば、コイルが所定の周波数で自己共鳴するように十分な寄生キャパシタンスを生成することができる。この場合、所定の周波数は、MRIパルス周波数とされることになる。
また、タンク回路146全体の効率も、品質係数Qに関して測定されるが、この係数は、個別のコンデンサ及び誘導子に対して上述したものとは異なって定められる。回路Qは、一般的に、次式:
Q=fr/(Δf3dB)
を用いて表され、ここで、frは共鳴周波数であり、図24の点a及びbで表されるΔf3dBは、タンクフィルタ146の帯域幅である。帯域幅は、一般的に、挿入損失図で測定した3dBの損失点での2つの測定した周波数f1及びf2の間の差として捕らえられ、共鳴周波数は、f1とf2の間の平均である。この関係に見られるように、Q値が高ければ、3dB帯域幅が狭くなる。
Q=fr/(Δf3dB)
を用いて表され、ここで、frは共鳴周波数であり、図24の点a及びbで表されるΔf3dBは、タンクフィルタ146の帯域幅である。帯域幅は、一般的に、挿入損失図で測定した3dBの損失点での2つの測定した周波数f1及びf2の間の差として捕らえられ、共鳴周波数は、f1とf2の間の平均である。この関係に見られるように、Q値が高ければ、3dB帯域幅が狭くなる。
タンクフィルタを設計する時には、材料及び印加パラメータを考慮すべきである。殆どのコンデンサ誘電体は、10年が経過する毎にキャパシタンス値が1%〜5%エージングするために、それによって共鳴周波数が、2.5%よりも大きくシフトすることになる可能性がある。高度Qフィルタでは、それによってタンク性能が有意に有害に低下することになる可能性がある。低度Qフィルタでは、共鳴シフト効果が最低になり、フィルタを通る周波数帯域を幅広くするであろう。しかし、低度Qフィルタでは、望ましいタンク周波数で望ましいものよりも低い減衰挙動も現れる(図24、曲線162参照)。このために、本発明のタンクフィルタに最適なQは、高度Q誘導子L及び比較的低度QコンデンサCを統合することになり、これは、図24の曲線164に示されている中程度Qタンクフィルタになることになる。
従って、タンク回路の「Q」又は品質係数は、非常に重要である。上述のように、低周波数で非常に低い損失回路を有し、生物学的信号が望ましくない減衰を起こさないようにすることが望ましい。品質係数は、フィルタの損失を判断するだけでなく、その3dB帯域幅にも影響を及ぼす。フィルタ応答曲線(ボード線図)をプロットすると、3dB帯域幅により、どれだけ急激にフィルタが上昇及び下降することになるかが判断される。図24の曲線166を参照すると、128MHzで共鳴するタンクに対して、理想的応答は、128MHzで無限に減衰するが、1KHz未満の低周波数でゼロ減衰するものとされることになる。空間が制限され、構成要素内の寄生損失が実在すれば、これは明らかに不可能である。言い換えると、(極低温以外で)内部抵抗ゼロの誘導子を構築することは不可能である。一方、完全な(理想的な)コンデンサを構築することも不可能である。コンデンサは、等価直列抵抗として公知の内部抵抗を有し、少量のインダクタンスも有する。従って、本発明の目的を達成するために回路を実際に実現化することは困難である。これは、タンク回路が微小であって高度に信頼性があり、完全に生体適合性があるようにする必要もあることも考慮する時に特に当て嵌まる。
回路の性能は、誘導子及びコンデンサの両方の効率に直接関係する。すなわち、各構成要素の効率が悪ければ、熱損失が大きくなることになり、これは、抵抗器要素を理想的な回路図に加えることによって表現することができる。タンク回路の低度Qの効果は、共鳴周波数周辺の共鳴ピークを広くすることである。低度Qコンデンサを故意に用いることにより、複数のMRIのRF周波数、例えば64MHz及び128MHzで比較的高いインピーダンス(高度減衰)を示すように共鳴の幅を広くすることができる。
再び図24を参照すると、高度Q誘導子が低度Qコンデンサとの組合せで用いられている曲線164を見ることができる。これは、非常に低い周波数では、タンク回路146のインピーダンスは、本質的にゼロ(1オーム未満)オーム(又は、ゼロdB損失)であるという点で非常に望ましい効果である。これは、生物学的周波数が望ましくないほど減衰しないことを意味する。しかし、3db帯域幅は、遥かに大きいことが分る。これは、複数のRF周波数を遮断することになるために望ましい。周波数を更に高くすると、曲線164は、携帶電話及び電子レンジなどから他の高周波数EMI信号を望ましく減衰することになる。従って、比較的高損失コンデンサと組み合わせて非常に低い損失誘導子を用い、中度又は低度Qタンクフィルタを達成することが望ましいことが多い。再び図24を参照すると、回路全体又はそれぞれの構成要素のQが低くなり過ぎていれば、タンクフィルタの全体的減衰が重大に劣化していることが分る。従って、構成要素設計とタンク回路Qとの間で注意深く均衡をとることが必要である。
図25は、「医療器具開発協会(AAMI)PC69ペースメーカーEMC作業部会」からの実際の患者のX線の写図である。この特定の患者は、心臓ペースメーカー1000及び埋込み型電気除細動器1001の両方が必要であった。対応するリードワイヤシステム104は、ここに見られるように、非常に複雑なアンテナ及びループ結合状況を発生させる。「AAMIペースメーカーEMC作業部会」により提供された「埋込み型パルス発生器及び埋込み型電気除細動器のための有効なリードループ領域の推定」という名称の論文を参照されたい。
再び図25を参照すると、ペースメーカー1000から右心房及び右心室の両方に電極が存在することが分る。これらの両方は、TIP及びRING電極を伴う。業界では、これは二室二極式リードワイヤシステムとして公知である。従って、最小でも、本発明のタンクフィルタ146は、心臓ペースメーカーから右心房の遠位TIP及び右心室の遠位TIPに配置される必要がある。更に、埋込み型電気除細動器(ICD)1001は、右心室内に直接埋込まれることも分る。更に、MRIに露出してもそのリードワイヤシステムに過剰な電流を誘発することができないように、そのショックTIP及び感知電極にもタンクフィルタを必要とする。最新の埋込み型電気除細動器(ICD)は、ペーシング及び電気除細動(ショック)機能の両方を組み込んでいる。従って、図25に示すように患者が2つの個別のAIMDシステムを有することは非常に稀になっている。しかし、電極の数は、同じのままである。更に、2心室ペースメーキング(左心室のペーシング)を含む新しい複合ペースメーカー/lCDシステムも存在する。これらのシステムは、9から更に12個程の多くのリードワイヤを有することができる。
図26は、新しい2心室リードワイヤシステムの1つの実際の患者の心臓X線の線図である。新しい2心室システムは、うっ血性心不全を治療するのに用いられており、リードを左心室の外側に埋込むことが可能になる。これは、非常に効率的なペーシングシステムになるが、リードワイヤシステム104は、非常に複雑である。図8、図9、図10、及び図11に示すようなリードワイヤシステム104は、RF場に露出されると、このようなリードワイヤシステム内に電流が誘発される可能性がある。2心室システムでは、タンクフィルタ146は、3つの遠位TIPの各々に必要とされることになる。
図27は、遠位TIP142及び遠位RING144電極を示す一室双極心臓ペースメーカーリードワイヤを示している。これは、RINGコイル104がTIPコイル104’の回りに巻き付けられた螺旋巻き(同軸)システムである。これらの2つのリードが互いに並列に置かれた他の種類のペースメーカーリードワイヤシステムも存在する(2本巻きリードシステムとして公知)。
図28は、図27の領域28〜28の概略図である。遠位TIP142及びRING144電極の領域では、タンクフィルタ146及び146’は、それぞれのRING及びTIP回路の各々と直列に配置される。RING回路ワイヤ104は、簡単にするために、コイル型の代わりに真っ直ぐに描かれている。従って、MRIパルスRF周波数では、高インピーダンスが示されることになり、それによって望ましくないMRI誘発RF電流の流れが減少又は停止することになる。
TIP142は、心筋組織と密接に接触して挿入されるように設計される。時間が経つと、それは、このような組織に封入されて完全に組み込まれか又は埋められるようになる。しかし、RING144は、血液プール、例えば、心室又は心房に浮遊するように設計される。血液が一定に潅流されると、RING144は、MRIのような医療診断処置中に幾分冷却される。しかし、心筋組織に埋め込まれたTIP142は、相対的に熱的に絶縁される。血液プールに浮遊するRING電極が血液の流れにより適切に冷却されることになると常に考えることはできない。非常に低い血流速度及び潅流の問題に至る疾病を有するある一定の種類の患者が存在する。従って、好ましい実施形態では、遠位TIP及びRINGの両方が、本発明のタンクで濾過されることになる。従って、新しいタンクフィルタ146の作動は、遠位TIPが加熱されて関連する組織が損傷を受けないようにするために、RING144でよりもTIP142での方が重要である。殆どの心臓用途では、TIPタンクフィルタのみが、MRI適合性のために必要とされる。
図29及び図30は、従来技術の管状貫通コンデンサ168を示している。当業技術では、これは、単一壁又は突出管状コンデンサとして知られ、市販のための電子用途には非常によく用いられる。このようなコンデンサ168は、引抜き−押出し工程で作られる。管は、望ましい長さで切断されて焼かれる(焼結される)。この場合の材料は、高Kセラミック誘電体170である。管170は、次に、図示のように外側172で金属化され、内側直径174でも金属化される。キャパシタンスは、内側及び外側直径金属被覆172、174(高K誘電体により分離された2つの同心円筒形)の間に形成される。フランジ176は、一般的に、隔壁に都合よく装着するために高温半田付着178によりコンデンサ168に結合させる。更に、貫通コンデンサ168を連続的に通過し、高温半田182を用いて内側直径金属被覆174に結合されたリードワイヤ180も存在する。この連続リードワイヤにより、全ての従来技術の貫通コンデンサは、新しい個別のリードを常に特徴とする本タンク発明から区別される。これらの従来技術の貫通コンデンサは、非常に効率的な低インダクタンスコンデンサであり、上述のように、様々な従来技術の電子低域EMIフィルタ用途に用いられている。
図31は、従来技術の多層管状コンデンサ184の断面図である。これは、管押出し工程によって形成されていないことを除けば、図30に示されているコンデンサ168と非常に類似する。このコンデンサ184は円筒形に巻かれ、埋込み電極板186、188を有し、円筒形である。次に、これを焼き、図示のようにその上端190及び底部端部192に金属被覆を配置する。リードワイヤ196まで電気結合194を作る。金属被覆192を電極の組188の断面の底部に付着させる。隔壁内に都合よく装着するために任意的なフランジ198を加える。このフランジは、高温半田及びろう付けなど200を用いて取り付けられる。
図32は、本発明の特徴を示す図29及び図30に示されている従来技術の単一壁管状コンデンサ168の修正である。図32では、能動型埋め込み医療装置100(図示せず)からのリードワイヤであるリードワイヤ180が存在することが分る。遠位TIP142は、身体組織と接触する。この場合、これは、心臓ペースメーカーの心室の遠位TIP142とすることができる。
図33は、図32に示す(受動固定翼は図示せず)高表面積遠位TIP142の逆転図である。当業技術でよく見られる遠位TIPがいくつか存在する。一般的に、これらは、非常に表面積を大きくし、身体組織との電気性能が最適にされる。これらは、低分極TIPとして公知である。これらのTIP設計の一部は、組織炎症、壊死などを最小限にするためにある一定の薬物を溶出するようにも設計される。
図34は、図33に先に示した逆転遠位TIPの変形を示している。図34は、当業技術では、その尖った点204及び螺旋コイルが、一般的に身体組織内に曲がりくねって入るように設計された能動固定螺旋TIP142’として公知である。TIP142’は、一般的にプラチナ又はチタンなどのような生体適合性材料から成るベース板202と、一般的にレーザ溶接206によりベース板に取り付けられた螺旋リードワイヤ204とを含む。
図32に示す新しい構造は、図32の線35〜35に沿って取った図35の断面図を見ると良く理解される。図35を参照し、図30と比較すると、2つの間には相当な違いがあることが分る。最初に、新しいリードワイヤ180は、貫通コンデンサ168の中心を通って全部は通過しないという点で不連続である。代替的に、それは、誘導性構造208により置換される。構造208は、空心巻線又は等価非強磁性誘導子とすることが望ましいが、必ずしもそうでなくてもよい。この場合、空心巻線コイルは、管状コンデンサ要素の内部にあり、従って、体液に直接露出されることから保護される。上述のように、誘導子コイルを体液に組み込むことは、体液の誘電率が変動するために、また、その導電性特性のために問題がある。しかし、この用途は、軍事、宇宙、及び様々な他の商業用途を含む様々な非医療移植用途にも広く応用される。従って、誘導子208は、環状誘導子、フェライト又は鉄又は他の強磁性コアの回りのソレノイド誘導子、及び様々な強磁性材料を含むフェライトチップ誘導子などから成る群を含むこともできる。上述のように、MRIシステムが存在する時にこれらの強磁性材料を用いることは、理想的ではない。この理由は、強磁性材料が履歴挙動を示すことであり、それによって高磁場での電気的性能が変化することになる。更に、実質的なMRI画像アーチファクトも誘発されることになる。しかし、非医療用途では、誘導子Lが様々な材料で作ることができない理由はない。更に、装置は、同軸TIP142と統合され、心臓病患者の心室又は心房に直ぐに移植することを可能にすることも分る。
図36には、図32及び図35の新しいタンクフィルタ146のための理想的な概略図が示されている。上述のように、C(168)及びL(208)の値は、共鳴するように注意深く選択され、選択したMRIパルス周波数又は周波数帯域で高インピーダンスL−Cタンクフィルタが達成されるようにする。
再び図35を参照すると、リードワイヤ180と、点182でコンデンサ内側直径金属被覆174に電気的に取り付けられた導電性末端キャップ210との間には、電気的結合が必要であることが分る。更に、点178で遠位TIP142とコンデンサ外部直径金属被覆172との間にも電気的結合が必要である。更に、誘導子渦巻208と導電性遠位TIP142の間にも電気的結合183が必要である。この電気的結合では、誘導子要素208をコンデンサ要素170と並列に配置することにより、本発明の新しいタンクを形成する。ここでもまた、リードワイヤ180は、遠位TIP142まで不連続であり、この不連続性は、誘導子渦巻208で置換される。電気的結合の全てが、適切な生体適合性材料であることが非常に重要である。例えば、電気的結合181は、適切なレーザ溶接とすることができる。電気的結合182及び183は、金又はプラチナ薄片負荷シリコーン、又はポリイミドなどのような生体適合性のある熱硬化導電性接着剤とすることができる。遠位TIP142と内側直径金属被覆174との間に示されている間隙212は、空気とすることができるが、生体適合性のあるプラスチック熱硬化ポリマーのような絶縁体であることが好ましい。
図37は、図31に上述の従来技術の多層コンデンサ184の断面図である。図37を参照すると、リードワイヤ196は不連続であることが分る。実際、リードワイヤ196は、点214で終端し、ここで、内部誘導子208に取り付けられるが、これは、他の用途で示すような空心巻線渦巻型誘導子とすることができ、又はフェライトチップ誘導子などとすることができる。更に、誘導子は、コンデンサ184の周りの外側に巻くことができる。上述のように、誘導子をコンデンサの外側に巻くということは、その巻回が直接体液に露出されることになり、これは望ましくないことになる。体液は、比較的導電性であり、電流が巻回間に流れるように導くことになる。更に、体液の誘電率は、巻回間の寄生キャパシタンスを変化させ、それによって並列タンクの共鳴周波数に影響を及ぼすことになる。リードワイヤ196とコンデンサ上部金属被覆層190との間には、電気的及び機械的取付け部194が存在する。この金属被覆は、電極板の組186に接触する。多層管状コンデンサ構造184の反対端には、遠位TIP電極142が存在する。これは、点216で、誘導子208に電気的に取り付けられる。更に、反対側の電極板の組188にもコンデンサ終端部層192を通る電気的接触部が存在する。これは、多層コンデンサ184により生成されたキャパシタンスを取ってインダクタンスと並列に置く効果がある。これは、図38の概略図を参照することによって最も良く理解される。特定の誘電率の材料では、キャパシタンス値は、電極板の組186及び188の相対重なり面積及びその間の誘電空間の厚みにより調節される。言い換えると、これは、特定の周波数で誘導子と自己共鳴するように、望ましいどのようなキャパシタンス値を有するようにも設計することができる。金属被覆192と遠位TIP142の間には、任意的に絶縁ワッシャ218が配置される。
図39は、従来技術の単極円板状貫通コンデンサ220を示している。これは、従来技術で公知の多層同軸コンデンサである。その利点の1つは、非常に高い周波数で作動することである。これは、同軸伝送線路の性質及び内部インダクタンスが非常に低いという事実によるものである。コンデンサ220は、重なる円形電極板の組222及び224を含む。電極板の組222は、活性電極板の組として公知であり、図示のように、コンデンサ内側直径金属被覆226に電気的に接続される。接地電極板の組224は、外側直径金属被覆228に取り付けられる。このような従来技術の貫通コンデンサは、能動型埋め込み医療装置のためのEMIフィルタと共に用いられることが多い。これらは、一般的に、米国特許第4、424、551号、第5、905、627号、第6、008、980号、第6、643、903号、第6、765、779号、及び他の多くに示されて説明されている。
図40は、能動型埋め込み医療装置ハウジング234の密封端子232のフェルール230に装着された図39の従来技術の貫通コンデンサ220を示している。全ての従来技術装置で、リードワイヤ238は連続である。密封端子232は、一般的に、例えば心臓ペースメーカーのチタンハウジング234に取り付けられる。アルミナセラミック又はガラスのような絶縁体236は、フェルール230内に配置され、体液に対する密封シールを形成する。端子ピン又はリードワイヤ238は、密封端子232を通って延び、絶縁体236及びコンデンサ220を通る整列した通路を通過する。金ろう付け240は、端子ピン238と絶縁体236の間に密封シール接合部を形成する。別の金ろう付け242は、アルミナ絶縁体236とチタンフェルール230の間に密封シール接合部を形成する。レーザ溶接244は、フェルール230とハウジング234の間に密封シール接合部を設ける。貫通コンデンサ220は、米国特許第5、333、095号により表面装着されているように示されており、内側直径金属被覆226間に、従って活性電極板の組222とリードワイヤ238との間に電気的結合246を有する。更に、外側直径電気的結合248も存在し、これは、コンデンサの外側直径金属被覆228、従って接地電極224をフェルール230に結合する。貫通コンデンサは、最小の直列インダクタンスを有する非常に効率的な高周波数装置である。このために、これは、非常に広い周波数の範囲にわたってEMIローパスフィルタとして作動することができる。
図41は、図39及び図40に示されている従来技術の貫通コンデンサ220の概略図である。
図42は、本発明による図39及び図40の従来技術の貫通コンデンサの新しい適応である。末端キャップ250は、点252でコンデンサの外側直径金属被覆228と電気的に接触するように、貫通コンデンサ220の上部に設置する。短絡回路が起こらないように、末端キャップ250をコンデンサの内側直径金属被覆226から分離する空間又は空隙254が存在する。好ましい実施形態では、間隙254は、非導電性エポキシ又は熱硬化ポリマーのような絶縁材料、又はシリコーン円板のようなスペーサ円板、又は他の生体適合性のある材料で充填されることになる。もう一度図42を参照すると、コンデンサ220内側直径内に含まれる新しい誘導子208が存在することが分る。本明細書で更に完全に以下に説明するように、誘導子208は、空心巻線渦巻及びチップ誘導子などとすることができる。この場合、リードワイヤシステム238及び238’は不連続である。すなわち、他の従来技術の貫通コンデンサと異なり、リードワイヤ238は、コンデンサ220の中心を通って全部は通過するわけではない。誘導子208は、部位256で端板250に結合される。更に、誘導子208は、反対端の点258で他のリードワイヤセグメント238’にも結合される。点256及び258での生体適合性のある電気的及び機械的な取付けは、レーザ溶接、ろう付け、及び機械的取付けなどにより達成することができる。一般的に、半田は、生体適合性があるとはほぼ考えられないという点で、半田を用いることは望ましくない。この例外は、図42に示す構造全体をガラス封入材料又はサファイアで囲み、アセンブリ全体を密封し、それによって体液がこのタンクフィルタ構造(例えば、図140参照)に到達しないようにすることであろう。もう一度図42の新しい貫通コンデンサ220の底部を参照すると、リードワイヤ238’からコンデンサの内側直径金属被覆226まで電気的結合246を作ることを可能にするように、リードワイヤ238’は、好都合な釘頭形で終端していることが分る。これは、図43の概略図に示すように、並列誘導子208及びコンデンサ220から成る新しいフィルタタンク回路146を形成する。図42に示す構造の特定の利点は、現在、セラミック貫通コンデンサに用いられている大量生産技術を用いることができることである。個別のリードを除けば、貫通コンデンサ自体に関しては、図39の従来技術のコンデンサ220に比較して構造的な違いは存在しない。言い換えると、これは、タンクフィルタ構成、例えば、埋込み型医療装置の遠位TIP142に都合よく用いるための貫通コンデンサの新しい適応である。このようなコンデンサの微小同軸構造は、例えば、静脈を通して挿入するか、又は身体組織にトンネルを掘って進むのに理想的である。
もう一度図42を参照すると、コンデンサ220及び誘導子208及び末端キャップ250は、全て体液に露出されることが分る。更に、これは、様々な電気的結合の全てにも当て嵌まる。米国特許第7、113、387号に説明されているように、これらの材料の全てが長期間生体適合性があることが非常に重要であり、この特許は、本明細書において引用により埋め込まれている。もう一度図42を参照すると、コンデンサ220は、米国特許第7、113、387号に説明するような生体適合性材料から構成されることになることが分る。好ましい実施形態では、コンデンサ電極は、高火度純プラチナか、又は金、プラチナ、及びパラジウムから成る三成分システムとされることになる。コンデンサの終端部228は、純金又はプラチナメッキ又は負荷ガラスフリットとされることになる。内側直径コンデンサ終端部226にも、同じことが当て嵌まるであろう。端板250は、プラチナ、プラチナイリジウム、チタン、又は他の適切な生体適合性材料とされる。個別のリードワイヤ238及び238’は、MP−35N又は均等物から成ると考えられる。電気的結合256は、一般的に、レーザ溶接から成り、何ら異物を導入しないであろう。電気的結合材料252及び246は、適切な熱伝導性の生体適合性材料とされる。この例は、金又はプラチナ薄片負荷のISO認定シリコーン、ポリイミド、及び熱硬化ポリマーなどであろう。
図44は、リードワイヤシステムの中又は他の部位に配置される代わりに、新しいL−Cタンクが、今度は遠位TIP142を終端部とすることを除けば、図42に非常に類似する。遠位TIP142は、心臓ペースメーカーの場合には、心筋組織と直接接触するように設計される。図44のタンクフィルタ146の他の特徴の全ては、図42のタンクフィルタ146の構造に非常に類似する。
図45は、図44に示す基板の遠位TIPタンク回路146の概略図である。
図46は、本明細書で上述のような新しいタンク回路146のいずれも能動型埋め込み医療装置のハウジング234の内部に入れることができる更に別の新しい配列を示している。これの利点は、タンク誘導子及びコンデンサ構成要素が、体液から完全に保護されることである。例えば、図42に上述のような新しい貫通コンデンサ配列は、能動型埋め込み医療装置の内部に入れることができる。これらの特定のLCタンクフィルタ146は、遠位TIP及び/又はリードワイヤシステムに沿うあらゆる部位、並びに能動型埋め込み医療装置自体の内部に配置することができる。更に、これは、図32、図35、又は図37に示すタンクフィルタ146にも当て嵌まる。言い換えると、本発明のタンクL−Cフィルタのいずれも、能動型埋め込み医療装置100の内部に都合よく配置することができる。実際に行う時には、AMIDの内部に設けられたタンクフィルタ146に加えて、遠位電極TIPタンクフィルタ146を有することが必要である場合がある。代替的な実施形態では、AIMDの内部に配置された遠位TIPタンクフィルタ、付随するリードワイヤに沿って配置された1つ又はそれよりも多くの遠位TIPタンク、及び遠位電極TIPに配置されたタンクを有することが可能であろう。この理由は、MRIが埋込みリードワイヤシステムに結合される独特な方法に関係がある。インダクタンスが典型的な埋込みリードワイヤシステムに分配されるために、遠位TIPは、MRIのRFパルス周波数で能動型埋め込み医療装置自体と大半は分断される。言い換えると、MRIからのパルスRF場は、遠位TIPに局所ループ電流を誘発する可能性があるが、同時に、リードワイヤシステムの他の部位にも電流を誘発する。更に、MRIのRFパルス磁場による高周波数電磁干渉が敏感なAIMD回路に入ることも防ぐことが望ましい。例えば、心臓ペースメーカー用途では、これは、MRI処置中にペースメーカーを誤作動させることによって患者の生命を危険に露出する可能性がある。従って、本発明の特徴は、本明細書に説明するようなタンクフィルタ146のいずれも、遠位組織電極と共にリードワイヤシステム内のどこにでも、及び/又はAIMD自体の内部に配置することができることである。
図47は、埋込みリードワイヤを組み込むか又はそうでなくてもよい従来技術の能動型埋め込み医療装置を示している。これは、業界では、Bion262として公知である。Bion262は、一般的に、2つの異なるカテゴリに入る。すなわち、ある一定のBionは、内部電池を有し、尿失禁及び他の用途に用いられる自立式刺激装置である。これらは、一般的に、大きな針の注入可能システムである。Bion262は、一般的に、末端キャップ電極266を有するセラミック管264に入れられる。末端キャップ電極266は、例えば、チタン又はプラチナとすることができ、一般的に、セラミック管264に溶接又はろう付けされて密封シールを作り、それによってセラミック管264内部にある敏感な電子素子を体液による損傷から保護する。更に、ここに示すような反対極性のRING電極268も存在する。この特定の装置は、キャップ電極266とRING電極268の間の身体組織を刺激する。
他の種類のBionは、電池を持たず、代わりに共鳴コイルを有する。この装置は、そのエネルギを外部着用されるか又は外部に配置されたパルス磁場パックから取得する。患者は、ウエスト又は肩周りに、例えば大きな電池及びこの磁場を生成する回路コイルを備えるいくつかの装置を着用することができる。Bionは、この磁場と結合することによってそのエネルギを得ることになる。Bion262が受動的であるか又は内部電池を有するかに関わらず、MRIシステムのRFパルス周波数による一時的又は永久的な誤作動からBionの内部回路を保護することは依然として重要である。更に、神経又は筋肉の正確な位置に実質的に接触するためには、Bion262の直径が大き過ぎる場合もある。この場合、Bion262は、遠位TIP142を備える付随するリードワイヤ270を有することができる。この場合、末端キャップ266及びリードワイヤは、絶縁されることになり、身体組織への電気的結合は、遠位TIP142で起こることになる。リードワイヤ270及び遠位TIP142の直径が小さければ、外科医は、正確な位置までトンネルを掘ってリードワイヤ270を進め、BionTIP142を筋肉、神経、又は他の身体組織内の位置に配置することができ、その位置は正確とすることができる。しかし、リードワイヤ270は、アンテナとして働き、望ましくないRF場をMRIから取得するという点でペースメーカーリードワイヤと非常に類似する挙動を示す可能性がある。従って、遠位TIP142と共にリードワイヤ270が過熱すること、及び/又は電磁干渉がBion262の回路内に結合することに関心が寄せられている。従って、本発明の特徴は、新しいタンクフィルタ146をリードワイヤ270と直列に配置することができ、及び/又は図48に示すようにBion262の内部に配置することができることである。
図48を参照すると、Bion装置262の内部で末端キャップ電極266に並列タンク回路146を配置することができる本発明の用途が見られる。それによって選択されたパルスRF周波数、例えば、3テスラMRIシステムから得られるものが、Bion262の敏感な電子素子に入って破損するか又は損傷を与えないようになっていると考えられる。このような配置は、内部回路を保護するだけでなく、MRIパルス電流が関連する身体組織に流入しないようにすることになるか、又は外部リードワイヤ270の場合には、RF電流がそのリードワイヤに流入しないことにもなるために、タンクフィルタのための好ましい実施形態である。代替的に、本発明の新しいタンク回路146は、接地電極268に配置することができる。更に、共鳴並列タンク回路は、キャップ266及び接地268電極の両方に配置することができる。好ましい実施形態では、これらは、異なる共鳴周波数とすることができる。例えば、それによってBion262は、それぞれパルスRF周波数が64MHz及び128MHzである1.5テスラ及び3テスラの両方のMRIシステムに抵抗性であると考えられる。Bion262は、埋込みリードワイヤがあってもなくてもよいAIMDの単に一例である。他の例には、薬物ポンプなどが含まれる。従って、本発明は、MRIのようなある一定の病院及び他の医療診断処置に伴う高磁場から、付随するリードワイヤを持たない活性医療装置の電子回路を保護するのに非常に有用である。
図49は、インラインBion262’の斜視図である。ガラスシールビーズ264’全体を通過する焼結タンタル電極266’は、タンタルステムを有する。ガラスシールビーズ264’は、電子構成要素の全てに体液が浸入するのを防ぐ。Bion262’は、外部パルス磁場と結合させるのに用いられる埋込み銅コイル274及びフェライト276に都合良く取り付けるために、ショットキーダイオードワイヤ結合パッド及び他の構成要素を含む回路基板272を含む。上述のように、パルス外部磁場は、Bion262’が電圧を印加される方法である。水分ゲッター278は、体液がガラス264’を通ってゆっくりと穿通することになるという問題を解決する。イリジウム電極268’は、ガラスを通してタンタル管280に結合される。図49のBion262’は、本発明の特徴により修正され、新しいタンク回路146及び146’を示している。Bion262’が一種類のMRIシステムとのみ適合することが望ましい場合には、1つの新しいタンク回路146のみを必要とすることになる。例えば、タンク回路146は、3テスラMRIパルス周波数である128MHzで共鳴するように設計することができる。これは、開回路を生成することにより、MRI電流が左手側電極266’から電子素子を通って右手側電極268’まで流れるのを防止することになる。一方、Bion262’が2つの種類のMRI磁場に適合することが望ましい場合には、図49に示すような2つのタンク回路146及び146’を含むことができる。この場合、タンク回路146’は、タンク回路146と異なる選択されたMRI周波数で共鳴するように設計されることになる。
図50は、複数のタンクの直列構成に本発明を用いることを示している。3つのタンク回路T1、T2、及びT3が存在することが分る。タンク回路T1は、L1及びC1の並列組合せから成り、タンクT2は、L2及びC2の並列組合せから成り、タンクT3は、L3及びC3の並列組合せから成る。患者が一種類のみではないMRIシステムに露出されることを可能にすることが望ましいであろう。例えば、0.5テスラMRIシステムでは、パルスRF周波数は、21MHzである。次に、L1及びC1が21MHzで自己共鳴するように設計することが望ましい場合がある。1.5テスラMRIシステムのパルスRF周波数は、64MHzである。従って、タンク回路T2は、64MHzで自己共鳴することになるL2及びC2から成る並列誘導子及びコンデンサ配列を有することができる。現在典型的な3テスラのMRIシステムのパルスRF周波数は、128MHzである。従って、L3及びC3の並列組合せは、128MHzで自己共鳴するように設計することができる。これは、図50のシステムのインピーダンスが、点Aと点Bの間を測定すると、これらの選択したMRIRFパルス周波数の3つ全てで非常に高く、これらの種類のMRIシステムのいずれでも、リードワイヤ又は遠位TIP電極を過熱する恐れなく患者がMRIを受けることができることになることを意味するであろう。図50に示す概略図の別の適応例は、例えば、MRIのために設計されたこれらの並列タンクフィルタ146の1つ又は2つ、及び場合によっては、患者を電気メス手術に対して保護するように設計された第3のタンクフィルタ146を有することになる。例えば、Boviナイフ手術は、主に1つの特定の周波数で作動する。従って、ある一定の種類の電気メス手術及び選択されたMRI周波数にも不感受性とされることになる能動型埋め込み医療装置を設計することができると考えられる。本明細書に説明するような新しい設計を用いてあらゆる数の直列タンクフィルタ146を構成することができることは当業者には明らかであろう。
図51は、先に示して説明した従来技術の空心巻線誘導子208の等角投影図である。空心巻線誘導子208は、複数の巻回を有し、最初にマンドレル(図示せず)の周りに巻かれる、次に、マンドレルを除去する。構造は、図示のように永久歪みを得る材料を選択することによってその形状を維持する。
図52は、図51の52−52の断面図から一般的に取った拡大図である。この拡大図は、空心巻線誘導子208の断面を示している。非強磁性誘導子を用いると、MRI信号が存在する場合には、MRIの主静磁場が強磁性コアを飽和させることができるために有利である。これは、図51に示す空心巻線誘導子の場合には当て嵌まらない。図51の誘導子は、強磁性材料が存在しないために、MRIの静磁場の効果に影響されない。更に、空心巻線誘導子は、MRI画像アーチファクトを殆ど生成しない。しかし、図51に示すような空心巻線誘導子は、体液から保護されることが重要である。体液に浸漬されると、巻回間が迷走漏電流に露出されることになる。更に悪いことには、巻回間寄生キャパシタンスが、体液自体の誘電特性により変化することになる。リードワイヤ208を絶縁すると、電流が循環するのを減少又は防止する役に立つであろう。しかし.このような絶縁は、巻回間キャパシタンスの量を殆ど又は全く低減しないことになる。巻回間キャパシタンスを図51に示すような誘導子構造と均衡させることにより、本発明のタンク回路を生成することができると主張することができるであろう。しかし、これに伴う問題に対処するのにいくつかの実際的な変形が存在する。1つは、巻回間空間のあらゆる変化(すなわち、機械的操作)が、キャパシタンスに及び従って共鳴周波数に影響を及ぼすことになることである。更に、生産する状況では、この装置を試験するのは非常に困難とされることになる。空気の誘電率又は誘電率は1であるために、空気中でこのような装置を試験しても確実に行えないことになる。誘導子が体液(血液、組織、及び髄液など)のどこに入るかにより、誘電率に及び従って分配されるキャパシタンスの量に影響が及ぼされるであろう。上述のように、分配キャパシタンスが変動すれば、タンクフィルタの共鳴周波数も変動することになる。誘電及び導電特性が後に装置が埋込まれる体液にほぼ一致する生理食塩水又はゲルタンク内で生産試験を行うことにより、この問題の一部を克服することができる。それによって状況が改善することになるが、全ての患者が同様であるわけではない。例えば、問題を抱える心臓の患者は、その電解質に及び従って体液誘電特性に相当な変動がある可能性があると考えられる。
図53は、高透磁率の従来技術の中空フェライトコア282を示している。このコアは、磁気双極子を含む。任意的な従来技術の中実フェライト又は粉末鉄コア282’は、図54に示している。中空コア282は、材料の重量及び体積に対して平均磁路が大きいために好ましい。
図55は、高透磁率フェライトコア282に巻き付けたワイヤ284を示している。得られる巻き誘導子286は、本明細書で上述の新しいコンデンサ要素のいずれに挿入するのにも適している。しかし、フェライト又は鉄コア材料が存在することは、MRIが存在する時には問題である可能性がある。この理由は、磁気双極子がMRIスキャナの静磁場内で整列し、飽和することになることである。
図56は、図55の巻き誘導子286に比較してワイヤ284の巻回が加えられたフェライトコア282を示している。
図57は、図56の断面57〜57に全体的に沿って取った断面図である。上述のように、MRI磁場にフェライトコア282を用いると、コアの飽和及び画像アーチファクトが引き起こされる可能性がある。しかし、プラスチック又はフェノールコアのような非磁化コアを用いることもできる。セラミック材料を用いることもできる。この場合、利用可能なインダクタンスの量が相当に低いことになるが、主静磁場が存在するとコア飽和又は画像アーチファクトは達成されないと考えられる。ここに示すような巻線、空心巻線、又はコア巻線誘導子のいずれかを本明細書に示すように円筒形コンデンサ構造のいずれかの外側直径の周りに巻くことができることは明らかであろう。これは、図35及び図37に戻ってそれを参照することにより理解することができる。巻線誘導子208は、コンデンサ要素168、184の外側の周りに巻き、その後、遠位TIP142に結合させることができる。これは、容積効率は低くなるが、誘導子の長さが長くなり、従って、全体的なインダクタンスが増大することになる。
図58は、上述の渦巻巻線誘導子のいずれの代わりにも用いることができるチップ誘導子288の等角投影図である。チップ誘導子288は、セラミック回路基板材料などとすることができる薄い基板290を含む。誘導子回路トレース292は、便利なワイヤ結合パッド294及び296を含む。これは、図59に示されている拡大部分図を見ると良好に更に理解される。ここでは、表面に装着された任意的なワイヤ結合パッド294aが示されている。それによって例えば金ワイヤ結合法によりリードワイヤに取り付けられる別の方法が提供される。更に、図59から明らかなのは、誘導子回路トレース292の厚みtである。比較的厚い回路トレース292を配置することにより、誘導子抵抗損(直列抵抗Rs)を最小にすることができる。Rsを最小にすることにより、望ましい低周波数の生物学的信号の減衰が少なくなる。例えば、心臓ペースメーカーの場合には、関連の生物学的信号は、10Hz〜1000Hzの周波数範囲にある。これらの周波数では、誘導リアクタンスは、無視することができる(ほぼゼロ)。しかし、誘導子の直列抵抗RSは、依然として存在し、高すぎれば、望ましい生物学的信号を減衰する可能性がある。更に、心臓ペースメーカー出力パルスは、誘導子抵抗損失が高すぎることによって減衰され、それによってAIMDエネルギが十分に利用されないこと及び心臓の電気捕捉(ペーシング)の潜在的な問題が示される可能性がある。図56及び図57に示されている誘導子286に戻ると、小さな直径のワイヤの複数の巻回を巻くことに伴う主要な問題は、得られることになるDC抵抗の値が比較的高いことである。このように抵抗が高いと、ペーシング又は刺激パルスを潜在的に減衰する可能性があり、また、生物学的信号の感知を低下させる可能性があるという点で低周波数では望ましくないことになる。細いワイヤの多くの巻回で作られた誘導子に伴う付加的な問題は、MRIが存在すると、それが、それ自体の加熱要素になる可能性があるということである。更に、これは、患者がタンク回路の共鳴周波数でないMRIシステムに露出された場合にも当て嵌まる。従って、高い直列抵抗の多くの小さな直径のワイヤを埋込み型装置リードワイヤシステムに入れることは、一般的にあまりよい考えではない。本発明の1つの態様は、タンク回路146に、比較的小さな値のインダクタンスを用いることである。図58及び図59の構造は、体積効率の良い誘導子を提供し、同時にDC抵抗を最小にすることによってこのような欠点を克服する。
図60は、図59の領域60〜60から取った分解等角投影図である。唯一の違いは、誘導子回路トレースと終端パッド294Aの間に小さな間隙297が残されていることである。これがセラミックコンデンサに相互結合される時、本質的に、並列誘導子要素は、機械的に取り付けられるがコンデンサ要素からは電気的に外されることになる。これは、誘導子と並列のコンデンサを示し、誘導子が間隙Gだけ電気的に切り離された図61に更に良好に描かれている。タンク回路を高信頼度で試験してスクリーニングするためには、高信頼性の電気試験及びタンク回路のスクリーニングを行うのにコンデンサを電気的に切断することができることが非常に重要である。高信頼性のコンデンサ試験及びスクリーニングは、一般的に、熱衝撃、高電圧バーンイン、及びキャパシタンス値、絶縁抵抗、消散率、及び等価直列抵抗を含むコンデンサの多くの電気的測定から成る。誘導子と並列に結合したコンデンサでは、これらの測定は、いずれも効率的に達成することはできない。コンデンサ測定は、通常低周波数で行われる。誘導子が並列に置かれている場合には、それによってこれらの周波数では、コンデンサが短絡する可能性が高いことになる。従って、誘導子をコンデンサから分離することにより、これらの重要な高信頼性のスクリーニング測定の全てを行うことが可能になる。これは、コンデンサロット集団から初期廃棄率を除去するのに重要である。誘導子をコンデンサから切り離すことの別の利点は、この時、誘導子要素に電気的試験を行うことができることである。後に見られるように、誘導子及びコンデンサ値は、適切な周波数で共鳴するように選択されることが重要である。それらを切り離すことにより、これらの値が正確に正しい周波数で共鳴することになるように選択して調節することも可能である。更に、高信頼性の試験が、アセンブリの可能な最高レベルで行われることも非常に重要である。すなわち、その後のアセンブリの作動により即時の又は潜在的な欠陥のいずれも構成要素集団に導入することは望まれないであろう。例えば、セラミックコンデンサは、熱衝撃に非常に感受性が高く、亀裂又は層剥離が導入される可能性がある。このような欠点を検出するために、熱衝撃及びバーンインを含む大規模な電気的スクリーニングが行われる。
従って、非常に小さな(非侵害性の)電気的取り付けを行い、間隙を充填してコンデンサ及び誘導子を並列に戻して接合し、本発明のタンクを形成する。この電気的結合は、タンクアセンブリのコンデンサ、誘導子、又は電気的結合要素に何ら熱的又は機械的に応力を加えないように行われることが非常に重要である。これは、一般的に、図60の領域62〜62を取った図62を参照すると最も良く見られる。図62は、電気的結合材料299の小さい領域を示している。上述のように、電気的材料299の付加は、簡単な方法で行われ、全体的な構成要素に何ら損傷を与えないことが重要である。従って、間隙299を充填する理想的な結合材料は、低温熱硬化導電性ポリマー、低エネルギレーザ溶接、低温ろう付け、低温半田(非生体適合性の用途に対して)、又は導電性インクも含む群から成ることになる。これらはいずれも、ロボット分取を含む自動工程、スクリーン印刷、又はステンシルなどにより付加することができる。熱硬化導電性接着剤の群には、ポリイミド、シリコーン、又は一部のエポキシなどのような生体適合性接着剤を含むことができる。
もう一度図62を参照すると、電気的充填材料299は、全ての場合で固体冶金接合材料とする必要はない。導電性ゴム片、導電性バネ、金属チップ、又は導電性毛羽材料は、タンクの共鳴周波数を測定(及びタンクを調節)することができるように一時的に間隙297に挿入することができる。この材料は、次に、コンデンサ及び誘導子要素をそれ自体によって上述の高信頼性のスクリーニング試験を行うために容易に除去することができる。これは、それが構築された後にタンクフィルタを調節する方法の説明時に更に完全に説明することにし、これは、図119〜123の説明に従うことになる。タンクに上述の調節が達成された後に、一時的な電気的結合チップを除去し、コンデンサの高信頼性スクリーニングを達成することができる。最終時点で、高信頼性試験が終わった後、永久的な(非侵害性の)電気的結合299を図62に示すように配置することができる。
図63は、本発明の新しい遠位TIPタンクフィルタ146を組み立てる方法を示す分解組立図であり、図35、図37、及び図42の単層管状コンデンサ、多層管状コンデンサ、及び貫通コンデンサを含む上述のいくつかのタンクフィルタ設計に適用可能である。
もう一度図63を参照すると、フェライトコア282を有する巻線誘導子286が存在することが分る。それによって高透磁率コアであるために比較的少ない巻回の大きなワイヤを用いることができる。しかし、上述のように、これは、コアが飽和する可能性があるという点で、MRI磁場では問題である。誘導子286は、MRIの主静磁場を遮蔽し、従って、誘導子コアが飽和しないようになっているニッケルスリーブ298に挿入される。この手法の欠点は、非常に大きなMRI画像アーチファクトが得られることになることである。製造に関しては、新しいニッケルスリーブ298を遠位TIP142に予め組み立てることが望ましい。図64に示すように、ニッケルスリーブ298は、遠位TIP142にレーザ溶接300される。この予備アセンブリの全ては、生体適合性のある医療等級プラスチック材料から成る任意的な絶縁ワッシャ302に挿入される。次に、単一壁押出し管状コンデンサ168がこのアセンブリ上に滑らせて配置される。次に、第2の絶縁プラスチックワッシャ304を管状コンデンサ168上に配置する。コンデンサ168は、ニッケルスリーブ298及び遠位TIP142の予備アセンブリを覆って配置される。次に、誘導子286がニッケルスリーブ298の内部に挿入される。これらの全ては、図65に示されている断面図に最も良く示されている。
図65を参照すると、遠位TIP142を通る穴が存在し、それによって誘導子ワイヤ284の端部を遠位TIP142に結合するレーザ溶接306が可能になる。誘導子構造286は、任意的な新しいニッケルスリーブ298に収容され、MRIの主静磁場が存在しても飽和しないようになっている。主静磁場を更に遮蔽するために、末端キャップ308は、金メッキニッケルとすることができ、更に遠位TIP142の一部としてニッケルを組み込むこともできるであろう。それによって誘導子286のフェライトコア282が完全に遮蔽される。従って、誘導子コア282は、MRI静磁場が存在しても飽和しないようになっている。上述のように、トレードオフは、ニッケル及び高透磁率コア材料が存在することから比較的大きなMRI画像アーチファクトが存在することになることである(従って、これは、好ましい実施形態ではない)。ニッケルスリーブ298とコンデンサ168の内側直径金属被覆174との間には電気的結合310が作られる。遠位TIP142には、図64に示されている予備アセンブリで先に完成されたレーザ溶接300の断面を見ることができる。
もう一度図65を参照すると、末端キャップ308は、管状貫通コンデンサ168の外側直径金属被覆172に金ろう付けされるか、又は別の方法で電気的に取り付けられる(312)。短絡回路を避けるために、導電性キャップ308をニッケルスリーブ298から離間させるための絶縁ワッシャ304が必要である。もう一度末端キャップ308を参照すると、誘導子リードワイヤ284が、所定位置にある末端キャップを通って能動型埋め込み医療装置からのリードワイヤ180に接するように軌道を定められているのが分る。例えば、リードワイヤ180は、心臓ペースメーカーからの双極リードワイヤの一部とすることができる。この場合、これは、心筋組織に接触するTIP142(固定クリップは図示せず)に結合するリードワイヤとされるであろう。レーザ溶接又は金ろう付け314を用いて、リードワイヤ180、導電性ワイヤ284、及び末端キャップ308を同時に電気的に接続させる。ここで、並列タンク構造の他端を参照すると、心筋組織を刺激するのに用いられる高表面積のTIP142が見られる。このような遠位TIPは、当業技術で公知であり、様々な形状及びコーティングを有することができる。更に、組織炎症を防ぐのに用いられる薬物を溶出することができる遠位TIPも本発明に利用可能である。遠位TIP142がコンデンサ外側直径金属被覆172に短絡しないようにする任意的な絶縁ワッシャ302が示されている。AIMD用途では、材料の全てが生体適合性であるべきであることに注意すべきである。ニッケルスリーブ298を特に参照すると、ニッケルそれ自体及びニッケル単独では生体適合性材料とは考えられないことに注意されたい。従って、AIMD用途には、金メッキ又は同等の生体適合性コーティング材料が必要である。ある一定のメッキ鉄含有材料又は高透磁率ナノ材料で置換することができると考えられる。
図66には、図63〜図65の新しいタンクフィルタ146に対する概略図が示されている。上述のように、L(286)及びC(168)の値は、フィルタ146の共鳴周波数が、MRI又は特定の周波数で高電力磁場を生成する他の電子システムの選択したRFパルス周波数で起こるように図12の方程式に従って注意深く選択される。
図67は、一般的に図65の領域67〜67を取った拡大部分断面図である。任意的な絶縁ワッシャ302が除去されていることが分る。これは、領域316に示すように、管状コンデンサ168の外部直径金属被覆172が引っ込められているために可能である。言い換えると、この非金属化部分により、遠位TIP142がコンデンサ外側直径金属被覆172に短絡しないようになっている。従って、ここに見られるように、これを達成するには2つの方法がある。すなわち、図65に示すような絶縁ワッシャ302によるか、又は図67に示すような選択的な金属被覆によるものである。
図63、図64、図65、及び図67は、誘導子286の高透磁率コア282が飽和しないようにすることになる任意的なニッケル遮蔽298を示すが、更に効率的にこれを達成する別の方法がある。図37を参照すると、多層管状コンデンサ184が示されている。ニッケル電極を用いることができることは、当業技術で公知である。更に、これは、ベース金属電極としても公知である。ニッケル電極は、比較的低価格であることによって商業用途で非常に一般的になった。従来のモノリシックセラミックコンデンサは、銀、パラジウム銀、及びプラチナなどから作られた電極を有するものであった。図37に説明するように本発明の多層管状コンデンサ184をニッケル電極で構築することにより、電極自体が、誘導子208をMRIシステムの主静磁場から遮蔽することになる。本発明の特徴は、ニッケルコンデンサ電極を本明細書の実施形態のいずれかと組み合わせて用い、埋込み誘導子をある程度遮蔽することができることである。金メッキニッケル末端キャップ又はその均等物を図37に示す新しい多層管状コンデンサ184に加えて、MRIからの主静磁場に対する付加的な遮蔽物を加えることができることは当業者には明らかであろう。上述のように、高透磁率材料が多すぎると、MRI信号を歪ませ、画像アーチファクトに重大な問題が生じる可能性がある。従って、好ましい実施形態では、電極は、ニッケルではなく、誘導子は、空心巻線誘導子とされることになる。それによって遠位TIPは、MRIに誘発される加熱に影響されないことになり、あらゆる画像アーチファクト問題も解決することになる。
本発明はまた、新しい管状セラミックコンデンサ構造320内に完全に埋め込まれる誘導性要素318も含む。図68は、このような構造の略透視図であり、これは、先に図31に説明した従来技術の多層管状コンデンサ184製造技術に特に適合性がある。このようなコンデンサは、一般的に、未加工誘電体が平らに置かれている間に、電極をスクリーン印刷することによって作られる。電極を置いた後、コンデンサは、巻き取って望ましい管状形状にされる。新しい管状コンデンサ320には、埋込み構成要素として誘導子要素渦巻318が含まれることになる。コンデンサが巻き取られる前に、誘導子トレースは、巻き取られると図68に示すような渦巻を形成するように、選択した層に対角線をスクリーン印刷することによって非燃焼セラミックウェーハ上に置かれる。
図69は、一般的に図68から線69〜69に沿って取った略断面図である。これは、誘導子要素318がコンデンサ誘電体322内に埋め込まれていることを明確に示している。
図70は、図68及び図69に関連して一般的に説明された埋込み誘導子要素318を備える混成コンデンサ320の更に詳細な断面図である。混成コンデンサ320は、図31及び図37に示すような多層管状コンデンサに典型的な内部電極板324及び326を含む。更に、上部及び底部金属被覆層328及び330も示されている。埋込み誘導子要素318は、コンデンサ320の上部から底部まで渦巻に巻かれる。誘導性要素318は、スクリーン印刷され、高誘電率材料322内で燃焼されるために、これは、巻回間寄生キャパシタンスを増大させることになる。このキャパシタンスは、並列タンク回路146に利用可能なキャパシタンスの量に加えられることになるために実際に望ましいものである。これは、誘導子要素L(318)がそれと並列に示されているいくつかの寄生容量性要素C1〜Cnを有する図71を参照すると良く理解される。誘導子の総寄生キャパシタンスは、CLと呼ばれる。このキャパシタンスCLは、主要タンク回路コンデンサC(320)と並列になることになり、そのキャパシタンス値を増大させる可能性が高い。CTOTAL=C+CLである。従って、これは、並列タンク回路146の全体的な容積効率の改善に役立つ。
図72は、図70に非常に類似する代替的な混成コンデンサ320’を示している。並列埋込み渦巻巻線誘導子L1(318)及びL2(318’)が存在することが分る。L1(318)は、管状コンデンサC(320’)の外側直径に近接し、L2(318’)は、コンデンサの内側直径に近接する。この実施形態を示す理由は、コンデンサが離層しないように、コンデンサ電極324及び326と同様の方法で誘導子トレースL1及びL2が比較的薄く堆積する必要があるためである。燃焼中に、これは、セラミックの粒を良好に成長させ、頑丈なモノリシック構造が作られる。しかし、誘導子パターンLに非常に薄いトレースを用いることの欠点は、これがDC抵抗を増大させる可能性が高いことになる点である。これを克服する方法は、図72に示すように並列トレースL1及びL2(又は、nトレース)を用いることである。勿論、並列構造を用いると、インダクタンスが誘導子渦巻L1及びL2から並列に置かれる。これは、並列インダクタンス式によりこの全体的インダクタンスを低減する。しかし、これは、2つの誘導子の抵抗を並列に置き、それによって新しい構造の全体的なDC抵抗を相当に低減するという利点がある。
図73は、再び図70に非常に類似する更に別の混成コンデンサ320”を示している。この場合、新しい埋込み誘導子渦巻L1(318)及びL2(318’)は、両方とも内側直径の近くに配置される。このような新しい誘導子渦巻構造は、コンデンサC(320”)内の文字通りどこにでも配置することができることは当業者には明らかであろう。誘導子渦巻を電極板324及び326の間に配置すると、静電磁場及びこのような板の間に生じる有効キャパシタンス領域(ECA)に干渉することになるために、これは、一般的に望ましくないであろう。
図74は、図73の線74〜74に沿って取った断面図であり、2つの誘導子渦巻L1(318)及びL2(318’)が示されている。更に、電極板の組324の上面図も示されている。ここに見られるように、コンデンサC(320”)が巻き取られると、電極324は、渦巻のように見えることになる。
図75は、図72の線75〜75に沿って取った断面図である。誘導子渦巻L1(318)及びL2(318’)の上部透視図が見られる。更に、渦巻に見える電極板の組324の上面図も見られる。
図76は、いくつかの並列誘導子渦巻L1〜Lnが示されることを除けば、図74及び図75と同様の断面図である。これらは、それぞれの端部金属被覆領域及び関連キャップに結合されるまで互いに絶縁されている。全体的なインダクタンスは、図77に示すようなLtotalに対する方程式により与えられる。複数の並列誘導子トレースは、コンデンサOD又はID又はその両方の近くに配置することができることは当業者には明らかであろう。
非移植用途では、従来のコンデンサ材料を本明細書に記載の新しいタンク回路の実施形態のいずれに用いることもできる。例えば、図35、図37、図42、図44、及び図68などを参照すると、工業、商業、軍事、及び宇宙用途には、従来のコンデンサ材料を用いることができる。これは、特に図37を参照することによって最も良く理解される。非医学的移植用途では、コンデンサ電極板186及び188は、パラジウム銀、ニッケル、又は他の低価格の市販の電極材料とすることができる。更に、コンデンサ電極板に取り付ける端子面190及び192は、従来の銀、パラジウム銀、又は市販のメッキ終端部とすることができる。更に、電気的結合194及び216は、半田又は他の非生体適合性のある材料とすることができる。例えば、リードワイヤ材料196は、従来の銅とすることができ、誘導子308も、銅又はあらゆる導電材料とすることができる。しかし、能動型埋め込み医療装置の用途では、新しいタンクフィルタ146を構築するのに用いられる材料の全てが、生体適合性材料であることが重要である。もう一度図37を参照すると、AIMD用途の好ましい実施形態では、電極板186及び188は、純プラチナ又は同等の貴金属とされることになる。金属被覆層190及び192は、例えば、純金又は純プラチナとすることができる。リードワイヤ196は、プラチナ、プラチナ−イリジウム合金、タンタル、又はニオブとすることができる。誘導子線材料308は、MP35、プラチナ、NITINOL、又はリードワイヤ196に対して上述した材料のいずれかからのものとすることができるであろう。電気的結合点194、214及び216は全て、正確な金属ろう付け又はレーザ溶接のいずれかにより行われると考えられる。
内容が本明細書に組み込まれている「直接体液露出のために設計されたEMIフィルタコンデンサ」という名称の米国特許第6、985、347号を参照する。この特許は、コンデンサ自体が体液に露出されることになる時に全ての材料が生体適合性である必要があることに関してより詳細に説明している。この代替案は、本明細書の新しいタンク回路を非生体適合性材料で構築し、それを完全に密封された構造に封入することであると考えられる。これは、全体的構造を例えば図37に示すようにガラス密封することによって達成することができる。更に、図37に示す全体的構造は、金ろう付け末端キャップを備えるアルミナセラミックハウジングに入れ、それによって全体的構造を密封することができることは当業者には明らかであろう。
図78は、従来技術の矩形モノリシックセラミックコンデンサ(MLCC)332の等角投影図である。これは、主要セラミック本体334を含み、回路基板又はリードワイヤなどに便利に装着するための端子面336及び338を有する。図79は、全体的に図78の線79〜79に沿って取ったコンデンサ332の断面図である。この断面図では、2つの重なった電極板の組340及び342が存在することが分る。これらの電極板の組の重なりは、コンデンサ332の活性領域を形成する。このようなコンデンサは、当業技術で公知であり、多くの商業、軍事、及び宇宙用途のために文字通り何億も生成されている。
図80は、本発明によるタンクフィルタ146を形成する新しい複合モノリシックセラミックコンデンサ並列共鳴タンク(MLCC−T)344の等角投影図である。外側から見ると、本発明のMLCC−T344と図78に示すような従来技術のMLCCコンデンサ332との間には何の違いも見ることはできない。しかし、新しいMLCC−T344は、その対向する端子面336及び338の間のコンデンサにわたって並列に結合された埋込み誘導子346を有する。
図81は、図80に示す新しいMLCC−Tタンクフィルタ344の様々な層の分解組立図を示している。本発明の新しいMLCCタンク(MLCC−T)344には、埋込み誘導子346が含まれる。低周波数では、埋込み誘導子346は、一端から他端までコンデンサを短絡する。しかし、高周波数では、これは、図82の概略図を参照することによって良好に理解される並列タンク回路146を形成する。もう一度図81を参照すると、コンデンサが上部から積み重なるために、無地のカバーシート348の領域と、続いて1つ又はそれよりも多くの埋込み誘導子層346とを有することが見られる。これらの誘導子蛇行形状は、図83に更に示すように様々な形状を有することができる。図83に示す蛇行形状は、例示的な例であり、完全に全てを含むものではない。用いることができる様々な任意的な形状が存在することは当業者には明らかであろう。従って、コンデンサ電極板の組340及び342に到達する前にいくつかの他の無地のインタリーフ350が存在する。左手側終端部336に結合するコンデンサ電極板の組340が見られ、右手側終端部338に結合するコンデンサ電極板の組342も見られる。図81では、340、342として単一の電極のみが示されている。しかし、望ましいキャパシタンス値を形成するためにあらゆる数の板nを積み重ねることができることは当業者には明らかであろう。次に、底部無地カバーシート352を加えて全体的タンクフィルタMLCC−T344に絶縁及び機械的強度を与える。蛇行誘導子トレース354をモノリシックセラミックタンクの別の層に堆積させるか又はスクリーン印刷する。これは、望む通りに単層又は多層とすることができる。上述のように、多くの誘導子層346が並列に置かれると、これは、全体的なインダクタンスを低減する可能性が高いが、誘導子トレースのDC抵抗も低減するので望ましい。埋込み誘導子層346は、MLCC−T344を通過する時に前後に蛇行する可能性が高いためにメアンダーとして公知である。
図83は、誘導子346に利用可能ないくつかの代替的な蛇行形状354を示している。誘導子層346を図81に示すようなスタックに加えた後、1つ又はそれよりも多くの無地セラミックカバーシート348を加える。無地カバーシートにより、埋込み誘導子及びセラミックコンデンサ電極層340及び342に機械的強度及び剛性と電気絶縁保護との両方が与えられる。典型的なモノリシックセラミックコンデンサ製造作業では、図81に示すような上述のスタックは、各セラミック層が下向きに液体として噴霧される湿潤積層工程又は落水工程の両方によって実行することができ、その後、予備乾燥してから電気層(他のコンデンサ電極又は誘導子トレース)を置いて乾燥させる。典型的なセラミックコンデンサ厚膜工程では、これらの層をセラミックテープに置き、次に、積み重ねて圧迫する。いずれの場合でも、モノリシック構造が形成され、これを、次に積み重ねて圧迫する。更に、図80〜図83までに示す方法は、タンタル、電解液、及びフィルムを含む様々な他の種類のコンデンサ技術に利用可能である。例えば、フィルムコンデンサは、MLCCのように積み重ねることができ、又は本明細書に示すようなあらゆる埋込み誘導子トレースを取り囲むように巻き取ることができる。図68〜図77に戻ると、同様に、巻かれたフィルムコンデンサを埋込み誘導子で構成することができることも見られる。従って、本発明の概念は、様々な同等のコンデンサ技術に利用可能である。この点で、未加工(非燃焼)コンデンサを比較的低温から高温まで上昇させる結合材全焼工程が存在する。この工程は、セラミックスラリ又はテープに含まれていた揮発分及び溶媒を揮発させてモノリシック構造からゆっくりと放出して消散させることができる。MLCC−T層が離層しないように、高温燃焼又は焼結する前にこれらの揮発分を消失させることが必要である。この工程の次の段階は、複合MLCC−T344を非常に高温で燃焼又は焼結させることである。それによってセラミック粒は、硬質のモノリシック構造を焼結形成することになる。最後の段階は、図80を参照すると、端子面336及び338の付加である。これらの端子面は、パラジウム銀又は金メッキなどのような厚膜インクとすることができ、当業技術で公知の多くの工程で付加することができる。ここでもまた、図80に示す全体的なMLCC−T344は、従来技術のMLCC332と同等に見える。しかし、本発明の新しい並列タンクフィルタ146を生成する新しい誘導子構造が、内部に埋め込まれている。
再び概略図である図82を参照すると、誘導子Lが、従来は図80に示されているモノリシック構造MLCC−T344内に全て配置されるコンデンサCと並列に配置されているのが分る。
図83は、図80の新しいセラミックMLCC−T344内に図81に示すように組み込むことができるいくつかの別の誘導子回路トレース層形状354を示している。これらの誘導子層346は、キャパシタンス値Cを形成するコンデンサ活性電極板340及び342の間に埋め込まれないことが望ましい。コンデンサ電極板の組340と電極板の組342との間に誘導子346を配置すると、望ましい容量性要素を形成する電界と干渉する可能性が高いことになる。このために、好ましい実施形態では、誘導子層346は、活性コンデンサ層に入る前の無地インタリーフシート領域350のスタックの上に示されている。
もう一度図81を参照すると、典型的な実施形態では、1〜5の誘導子層346(又はそれよりも多く)を有することができる。付加的な誘導子層346を並列に置くことによって全体的なDC抵抗RLを低下させることができ、これは、能動型埋め込み医療装置用途では好ましい。今度はコンデンサ電極板の組340及び342を参照すると、これらは、2〜4の板から数百程の多さの交互並列板までのいずれにも変動することができる。電極板の数及びその重なり領域は、(誘電率及び誘電厚みと共に)特定の共鳴タンク用途に対するキャパシタンス値を定める。もう一度図83を参照すると、埋込み蛇行誘導子要素346に対する様々な可能な形状の一部の例が見られる。これらは、一般的に、金属電極板の組340及び342を形成するのに用いられるのと同じ材料に類似することになる生体適合性材料を用いて置かれることになる。好ましい実施形態では、これらは、一般的に、生体適合性材料である純プラチナ又は金のような貴金属とされることになる。これらの遠位TIPタンクフィルタ146は、ヒト組織内に配置されることになる(ペースメーカーでは、文字通り血液流に浮いている)。プラチナ、金、パラジウム、タンタル、ニオブ、及びチタンを含む材料の全てに生体適合性があり、非常に信頼性があることが非常に重要である。プラチナは、このような生体適合性材料として優れた選択であり、高火度焼結システムとして公知の工程における本発明の新しいMLCC−T344に好ましい。プラチナは、チタン酸バリウム及びバリウムストロンチネートなどのようなセラミック層と優れた適合性を有するために好ましい実施形態である。これは、プラチナが高融点であるためである。
もう一度図83を参照すると、これらの誘導子346パターン354のいずれもスクリーン印刷又は同等の堆積工程方法により敷かれ、この場合、誘導子蛇行パターンが無地セラミック材料を覆って敷かれ、スキージが通過して望ましいプラチナインクパターン354を堆積させると考えられる。代替的なコンデンサ技術、例えば、積層フィルムコンデンサには、一般的に、図83に示す誘導子蛇行形状を敷く異なる方法が一般的に必要とされることになる。これには、フィルム上への金属メッキ又は堆積、及びフレーム溶射などを含むことができる。いくつかの他の可能なパターンが利用可能であることは当業者には明らかであろう。誘導子346を形成し、コンデンサの端部の1つを他端に結合する文字通りあらゆるパターン354で確実に行われるであろう。この点に関して、選択された埋込み誘導子の形状354が、MLCC−T344の端部金属被覆領域336及び338の間を電気的に接触させて結合させることが非常に重要である。もう一度図83を参照すると、図示の様々な誘導子蛇行トレース354には、技術的利点及び欠点が存在する(特別な順序又は優先はなし)。パターンCは、MLCC−T344を通って延びる直線堆積トレース354である。これは、非常に低いインダクタンスを有することになるが、非常に低いDC抵抗も有することになる。これは、DC抵抗がいくつかの因子によって形成されるという事実による。DC抵抗は、式RL=ρL/Aにより与えられ、ここで、ρは材料の抵抗性、Lは材料の長さ、Aは、その堆積厚み及び幅により判断される材料の断面積である。更に、この方程式は、代替的な形、RS=(ρ/t)(l/w)、又はRS=Ω/□で表すことができる。全てのトレースに対して標準的なtを仮定すると、この式を用いて、望ましいパターンを生成するのに必要な「正方形」の数を数えることによって直列抵抗と比較することができる。従って、パターンCの長さは、他の多くのものに比較して短く、従って、このDC抵抗は、非常に低いので望ましいと考えられることが分る。しかし、パターンCに示す誘導子の欠点は、誘導子の形状が非常に非効率的になることである。すなわち、この直線トレースは、図83の他の形状の一部に比較して非常に低いインダクタンスを有することになる。パターンDは、3つの並列の直線誘導子経路L1、L2、及びL3を含む。それによって図84に示す並列誘導子方程式に従って総インダクタンスが低下することになる。従って、3つの並列のトレース354の総インダクタンスは、単一のものよりも遥かに小さい。しかし、DC抵抗も、並列の抵抗器のように並列では低下するので望ましい。従って、望ましいインダクタンスとDC抵抗の量との間にはトレードオフが存在する。パターンEを参照すると、1つのコーナから別のコーナまで進んで対角線を形成することによって堆積誘導子トレース354の長さを増大させることができる。それによって長さが増大し、それによってそのインダクタンスが増大するが、同時に、望ましくないそのDC抵抗も増大させる。しかし、上述のように、複数の層を敷くことによってDC抵抗を低減することができる。パターンB及びGは、それを湾曲させることによって堆積誘導子回路トレース354の全体的長さを大幅に増大させる別の方法を示している。湾曲させることの利点は、誘導子の長さ及び従ってインダクタンスが大幅に増大することである。蛇行を前後に湾曲させることの別の利点は、隣接する巻回の間に相互インダクタンスが生じることである。更に、これは、全体的な誘導子蛇行を更に効率的にする傾向もある。ワイヤ又は回路トレースのインダクタンスは、その全体的な長さ及び相互インダクタンスに比例する。湾曲トレースは、長さ及び相互インダクタンスを増大させ、従って、総インダクタンスを増大させる効率的な方法である。パターンF及びIは、矩形パターンを前後に包むことにより、一方の端子面336と他方の端子面338の間の距離が大幅に増大するようにして全体的な長さ及び相互インダクタンスを増大させる更に効率的な方法を示している。パターンAは、ほぼデジタル波形に見える別の種類の誘導子パターンを示している。パターンjは、非常に効率的なΩパターンである。別の選択肢は、パターンHに示されており、ここでは、鋸歯パターンを形成することができる。鋸歯は、相互インダクタンスに関してはあまり効率的ではない。いくつかのパターンを用いて長さを増大させ、従って、インダクタンスを増大させることができることは当業者には明らかであろう。一般的に、他のパターンと比較すると、パターン形状A、B、F、I、及びJが好ましい実施形態である。これは、達成されるインダクタンス効率対DC抵抗の量の均衡を考慮している。
もう一度図83のパターンAを参照すると、新しい埋込み誘導子346の隣接する蛇行354間に生じる寄生キャパシタンスCPが存在することが分る。誘導子トレース354の形状が空中(誘電率=1)にあれば、CPのこの値は、比較的低いことになる。しかし、複合MLCC−T344では、誘導子トレース354は、非常に高い誘電率材料(例えば、Kが2000又はそれよりも高いチタン酸バリウム)内に埋め込まれている。このために、誘導子346の隣接する巻回間に分配されるキャパシタンスは、比較的高いことになる。しかし、本発明によれば、これは、並列キャパシタンスの総量に加えられる働きをすることになる。これは、図82に示されている並列タンク回路概略図を見ると最も良く理解される。誘導子346に生じることになる分配キャパシタンスは、並列タンク回路146を生成する時に、望ましいキャパシタンスCに並列に加えられるであろう。
実際、図83に示すように分配キャパシタンスCPの量を注意深く設計すれば、分離した別のコンデンサの必要性を完全に排除することができる。図80及び図81に戻ると、これは、誘導子346の分配キャパシタンスを制御するならば、コンデンサ電極層340及び342を省くことができることを意味する。これは、並列共鳴タンクフィルタ146が完全に誘導子自体の分配キャパシタンスを生成することができる本発明の好ましい実施形態であると考えられる。
図51に戻り、寄生キャパシタンスCpを見ると、空心巻線誘導子(又は何らかの他の誘電体に埋め込まれた誘導子)に同じ原理を当て嵌めることができることが分る。空心巻線誘導子では、分配キャパシタンスは、高誘電率材料内に埋め込まれて相互燃焼された誘導子ほど効率的でない(それほど高くないことになる)。しかし、密集した非常に多数の巻回が存在すれば、図51に示すような寄生キャパシタンスを用いて、全体的構造が本発明による共鳴タンク回路になるようにインダクタンスと共鳴させることも依然として可能であろう。本発明の方法の主な利点は、空心巻線誘導子が体液に入る時、空気と異なる誘電特性の媒体中にあることになることである。それによって分泌キャパシタンスが変化し、それによって共鳴周波数が変化することになる。更に悪いことには、体液が比較的高導電性であることにより、巻回間に漏えい電流が流れることになる。開放ソレノイド誘導子構造を用いる実際の1つの方法は、密封容器に入れることとされることになる。これは、非常に大きくなり、静脈挿入及び/又は組織トンネリング外科技術には非実用的であろう。従って、それ自体の巻回間寄生キャパシタンスと共鳴する開放ソレノイド誘導子は、あまり望ましい手法ではないことを意味する。
図85を参照すると、図83の上述の誘導子回路トレース354のいずれかを従来技術のMLCCコンデンサ332の真上に印刷又は堆積させ、MLCC−T344’を形成することができることが分る。この場合、これらは、全体的なセラミックコンデンサ内に組み込んで相互燃焼する必要はない。ここでの利点は、大キャパシタンス商業的コンデンサ作業から生成された低価格のMLCCを用いることができ、追加作業として誘導子トレース354を印刷することができることである。
図86は、図85の新しいMLCC−T344’の概略図である。コンデンサ332に刻印される誘導子354は、生体適合性があって体液に直接露出されるのに適することになるように純プラチナ又は純金で作ることができる。これは、神経刺激器、脳深部刺激器、及び脊髄刺激器などに典型的に用いられる電極に容易に適用可能であるという点で非常に有利な直線的(平坦な)幾何学形状である。上述の同軸並列タンク回路は、例えば、右心室に挿入するのに便利にするために、鎖骨下静脈のような静脈を通り、心臓の弁を下って挿入する場所に特に適応されている。更に、同軸の幾何学形状は、医師が電極を挿入するために外科的トンネリング技術を用いる必要がある場合に特に適合する。例えば、トンネリング技術は、一般的に、リードワイヤを挿入して麻痺患者の特定の神経又は筋肉を刺激するために神経刺激器に用いられる。
図87は、先に図83に説明されているような誘導子形状354のいずれかを別々の基板356に堆積する更に別の方法を示している。例えば、この基板356は、アルミナセラミック又は他の適切な回路基板材料とすることができる。これは、次に、薄い粘着層358で従来技術のMLCCコンデンサ332に結合することができる。対応する金属被覆表面336及び338を反対端に含む複合MLCC−T構造344”は、図88の電気回路図に示されており、ここでは、構造が本発明の並列L及びCタンク回路146を形成することが明らかである。
図89は、図87の線89〜89に沿って取った断面図である。図90は、2つの誘導子層354及び354’が基板356の反対側に堆積される別の構成を示している。図91は、表面誘導子層354及び354’と共に埋込み誘導子層354’を有する多層基板356を示している。図92は、表面上に何ら誘導子が存在しない完全埋込み多層基板356を示している。この場合、誘導子354”は、構造内に全て埋め込まれる。図89、図90、図91、及び図92を参照すると、これらの誘導子基板構造の全ては、図87に示すようなセラミックMLCCコンデンサ338に相互結合されるように設計される。
図93は、図28と類似しており、図10に示すような双極ペースメーカーリードワイヤシステムを示している。RING電極144及び心臓のTIP電極142にそれぞれ結合される2つの同軸リードワイヤ104及び104’が存在する。これらのリードワイヤは、能動型埋め込み医療装置100(図示せず)から経路指定される。ここに見られるように、リードワイヤ104及び104’は、互いに巻き付いている。殆どの心臓用途では、RING電極は、内側TIP電極のリードワイヤに同軸に巻かれる。TIPリードワイヤ104’を参照すると、リードワイヤ104’のコイルがその回りを包むように、従来技術のMLCCチップコンデンサ332が挿入されているのが見られる。これは、図93の全体的に領域94〜94を取った拡大図である図94を参照すると最も良く理解される。このような従来技術MLCCチップコンデンサ332は、非常に大規模に生産されるために、非常に廉価に広く入手可能である。電気的結合360及び362は、リードワイヤ104’をコンデンサ金属被覆表面336及び338に結合する。それによってリードワイヤ104’は、容量性要素と並列に置かれる。リードワイヤ104’は、コイル型の幾何学形状であるために、非常に効率的な誘導子要素になる。コイル型インダクタンスL及び従来技術のMLCCを組み合わせることにより、図95に示すような本発明の新しい並列共鳴タンクフィルタ回路146が生成される。当業者には明らかであろうが、MLCCチップコンデンサ332及びそのリードワイヤ104’への電気的取付けの構築に用いられる材料の全ては、生体適合性である必要がある。これは、それが体液又は身体組織のいずれかに直接露出されることになるためである。上述のように、高信頼性の試験及びスクリーニングの目的では、タンクコンデンサ要素332は、適切にバーンインして電気的測定することができることが望ましい。上述のように、これは、コンデンサ332と並列に結合した誘導子Lcoilで済ませるのは非常に困難か不可能である。図94に戻ると、例えば、電気的結合360は、上述のコンデンサの高信頼性スクリーニングが完了するまで切り離したままとすることができることが分る。次に、小さな非侵害性の電気的結合360を作ることができる。このような電気的結合により何ら潜伏性の欠点がコンデンサのロット集団に導入されなかったことを製造工程中に確認する必要があることになる。これを達成する方法は、例えば、aと印を付けた区域の近くを1対のカッターでLcoilをはさみ切り、その後、コンデンサの高信頼性スクリーニングに戻ってそれを行うことであろう。このようにはさみ切って切り離すと、試験中の装置を破壊することになる。これは、部品の大規模なサンプルに関する初期品質試験の間に行うことができる。これらの特定の部品は、商業又はヒト移植用途には決して予定されないであろう。コンデンサ要素が完全に構築された後にこの種類の試験を行うと、電気的結合360が、コンデンサに何ら損傷を与えなかったことが証明されることになる。この追跡高信頼性スクリーニング中には、コンデンサロット集団に不良品がないことが必要である。
図96は、本発明の並列タンク回路146の更に詳細な概略図である。誘導子要素Lが存在し、更に、抵抗性要素RLが存在することが分る。RLは、誘導子要素自体を形成するのに用いられる回路トレース354又は線の寄生抵抗を表している。更に、コンデンサ要素Cは、コンデンサ等価直列抵抗(ESR)又はRCとして公知の直列抵抗器を有することも分る。もう一度図96を参照すると、誘導子と直列に示されている抵抗RL及び/又はコンデンサと直列に示されているESR、RCは、寄生性(コンデンサ要素自体の誘導子の特性)とすることができ、別々の構成要素としての付加抵抗とすることができる。例えば、RLの値を増大させるのに望ましいことが見出されれば、小さな抵抗器チップ又は要素を直列に加えることができる。本発明では、RL、RC、L、及びCの間の関係は、非常に重要であり、タンクフィルタ146が実際の能動型埋め込み医療装置用途でどのように働くかを理解することによって最も良く理解される。
生物学的信号は、周波数が非常に低い。実際、心臓ペースメーカー用途では、全ての関心のある心臓の信号は、10〜1000ヘルツで生じる。しかし、MRIパルス周波数は、周波数が比較的高い傾向がある。例えば、0.5テスラシステムに対するMRI周波数は、21MHzである。これは、3テスラシステムでは128MHzまで上昇する。本発明の新しいタンクフィルタ146は、例えば、点XとY(図96参照)の間に結合した能動型埋め込み医療装置リードワイヤシステムと直列に配置されるように設計される。例えば、心臓ペースメーカーの場合には、心臓ペースメーカーからの出力パルス及びそれを感知する出力パルスは、点Xに結合されることになり、点Yは、心筋組織に結合するのに用いられる電極である遠位TIPに結合することができる。再び図96を参照すると、このタンクフィルタ回路146の全体的インピーダンスが生物学的周波数では非常に低くなるようにすることが非常に望ましいであろう。容量リアクタンスXC及び誘導リアクタンスXLに対する図15の式を考慮すれば、非常に低い周波数では、コンデンサは、開回路のように見える傾向があり、誘導子は、短絡回路として見える可能性が高いことが分る。携帯電話又はレーダー周波数のような非常に高い周波数では、誘導リアクタンスXLは、非常に高く(開回路)、容量リアクタンスXCは、非常に低い(短絡回路)傾向がある。従って、非常に低(生物学的)周波数の10〜1000Hzでは、コンデンサ要素Cを通る図96のタンクフィルタ回路146の右手側を通って流れる電流は、僅か又はゼロであることになる。従って、コンデンサのESR(RC)は、生物学的周波数では、全く重要でない。しかし、図96に示す概略図の左手側を参照すると、誘導リアクタンスXLは、周波数が低い時には相当低い。XL方程式から、fがゼロに近づくと、誘導リアクタンスもゼロに近づくことが分る。言い換えると、生物学的周波数(1kHz未満)では、事実上、誘導子要素LのリアクタンスXLはゼロである。従って、低周波数では、点XとYの間のインピーダンスは、誘導子の抵抗特性であるRLで完全に決まる。タンクフィルタ回路146の非常に低い周波数(生物学的)モデルが、図97に示されており、これは、完全にRLから成る。非常に高い周波数(タンクフィルタ回路共鳴よりも遥かに上)では、誘導リアクタンスは、非常に大きいか又はほぼ無限である可能性が高い。従って、タンクフィルタ共鳴よりも遥かに上の高周波数では、図96の概略図の左手側を通って殆どか全く電流が流れない。上述のように、非常に高い周波数では、容量リアクタンスXCは、短絡回路になる可能性が高い。従って、高周波数では、タンクフィルタ回路に対する等価回路モデルが図98に示されており、これは、専らコンデンサと等価の直列抵抗(ESR)、RCのみから成る。(注:これは、その寄生インダクタンスが無視することができるほど小さい高周波数同軸貫通コンデンサを想定している。)
AIMDリードワイヤ用途では、過剰な高周波数減衰に関して実際には注意が払われない。MRI高周波信号から導入されるRF電流の流れを遮断して停止させることに加えて、刺激信号又はパルスを感知する時及びそれを身体組織に送出する時の両方で、低周波数の生物学的信号を通過させることにしか実際に関心が寄せられない。例えば、心臓ペースメーカーの場合には、右心室に結合されるペーシング電極は、低周波数パルスを与え、心臓が適切に拍動することを可能にする。同時に、10Hz〜1kHzの周波数の範囲で心臓活動も感知し、適切な速度又は電力閾値に調節することを可能にする。しかし、タンクフィルタの共鳴周波数よりも遥かに上の高周波数では、リードワイヤシステムに大量のインピーダンスが存在するか否かはあまり気にされない。実際、高リードワイヤインピーダンスは、携帯電話等などから望ましくない電磁干渉(EMI)を減衰するのに望ましい。従って、図96に戻ると、EMIを考慮する時には、コンデンサのESR(Rc)がどれだけ高くなるかは(コンデンサは、比較的高い内部インダクタンスを有する可能性もある)、実際に気にされない。実際、このESR値は比較的高いことが望ましい。更に、誘導子の抵抗であるRLの値は、できるだけ小さいことも望ましい。RLを低く維持すると、望ましい刺激パルスの減衰が妨げられる(AIMDの電池に対するエネルギ損失が最小限になる)。更に、RLを相当低く維持すると、低周波数の生物学的信号が減衰するのも妨げられ、AMIDにより適切に感知することができる。しかし、帯域通過フィルタ特性及びその共鳴周波数でのタンクフィルタのインピーダンスを考慮すると、状況は、上述のように単純ではない。タンクの帯域幅が共鳴周波数で低くなり過ぎないように、誘導子及びコンデンサ要素には、ある程度の直列抵抗を有することが望ましい。帯域幅が狭すぎる場合には、用いる構成要素の実際的な許容誤差のために、タンクフィルタを構築するのは、文字通り不可能とされることになる。しかし、タンク回路の誘導子又はコンデンサ側に抵抗を加えすぎると、全体的なQが大幅に減少し、共鳴タンクフィルタの減衰が減少するか、又はその共鳴周波数がシフトすることにもなる。これは、共鳴周波数でタンクフィルタのインピーダンスを低減し、従って、MRIパルス周波数に対するその減衰を低減する効果を有するので望ましくない。従って、共鳴タンクフィルタの十分なインピーダンスを生じるこれらの因子全ての間で注意深く均衡をとり、埋込みリードワイヤ及びそれに付随する電極の過熱を防ぐようにすべきである。
図24に戻ると、本発明の新しいタンクフィルタ回路146の共鳴及びタンク特性を示す曲線の群が見られる。曲線トレース166は、非常に高度のQコンデンサ及び非常に高度のQ誘導子の利用を示している。これは、誘導子の抵抗損失RL及びコンデンサの抵抗損失RCが非常に低いことを意味すると考えられる。それによってここに示すような非常に狭い共鳴ディップ及び対応する非常に高い減衰(又はインピーダンスZ)を有する非常に高度のQタンクフィルタ回路になる。これは、曲線166の点a及びb(3dB下の点)が比較的近い間隔であることによって示されている。
本発明の特徴は、比較的高度のQ誘導子を用いることであり、これは、その抵抗損失RLが、比較的損失性が低度のQコンデンサ要素Cと相まって、非常に低くなることを意味する。これは、コンデンサ要素のESR又は抵抗損失RCが、比較的高くなることを意味する。このために、図24の曲線164に示されている中等Q共鳴タンク回路とされることになる。上述のように、それによって生物学的信号は、殆どか全く減衰せずにタンクフィルタを通過することができる。しかし、高周波数では、MRIパルス周波数及びそれよりも高い周波数(例えば、携帶電話)の両方で大幅な減衰が示されるであろう。これは、タンクフィルタの帯域幅を広げる望ましい効果を有する。これは、複数の種類のMRIシステムからのRFパルス周波数を減衰させることを可能にするという点で非常に重要である。例えば、古い0.5テスラMRI周波数では、21MHzでRFパルス周波数が具体的なものになる。非常によく用いられる1.5テスラで作動するMRIシステムのMRIパルス周波数は、64MHzである。新しいMRIシステムは、3テスラ及びそれ以上で作動し、MRIパルス周波数が128MHzから213MHz(及びそれ以上)の範囲になる可能性が高い。従って、誘導子及びコンデンサ品質係数(Q)を注意深く制御することにより、本発明の新しい並列タンクフィルタ回路146が、様々なMRIシステム及び他のエミッタからのRFパルス周波数を実質的に遮断するようにタンクフィルタ共鳴特性を広げることができる。図24に戻ると、曲線162のように本方法をやり過ぎる可能性がある。これは、全体的なタンクフィルタ回路のQが非常に低く、どの周波数でも十分に減衰させることができない状況である。従って、L及びC要素の成分損失と並列タンクフィルタ回路のタンク共鳴帯域幅との間は注意深く均衡を取ることが望ましい。実際の原型の測定値と関連してP−Spiceを用いてモデル化すると、本発明の共鳴タンクでは、次の組の値が確実に影響することが示されている。すなわち、これには、コンデンサ値が41.3pf、コンデンサ等価直列抵抗が10オーム、インダクタンス値が150ナノヘンリー、誘導子抵抗が1.0オームであることが含まれる。この組合せにより、装置を比較的容易に製造して較正するように帯域幅を十分広く維持しながら、インピーダンスが、共鳴周波数で50オームを超えることになる。
本発明のタンクフィルタ特性の幅を広くすることが非常に重要である別の理由が存在する。これは、構成要素の公差の実際的な制限と関係がある。非常に高度Qタンクフィルタでは、正しい周波数で共鳴するように誘導子及び並列コンデンサを製造することが非常に困難であると考えられる。例えば、64MHzのMRIシステムでは、キャパシタンス及び誘導子の公差が±0.1%未満の非常に高度Qコンデンサ−誘導子タンクを構築することが必要であろう。実際の構成要素製造に関しては、これは、非常に複雑で非常に高価であり、非常に困難であることになる。これらの構成要素を正確な周波数に調節するためにレーザトリミング法を必要とすることになる。時間が経つと、更に別の問題も起こるであろう。すなわち、殆どのコンデンサ誘電体は、エージングする傾向があり、これは、時間が経つとキャパシタンスを失うことを意味する。従って、正しい周波数で共鳴することになるように構成要素を正確に調節しても、典型的な能動型埋め込み医療装置の寿命にわたって時間が経つとキャパシタンス値は低下し、それによってタンクの共鳴周波数がシフトすることになる。これは、タンクの共鳴周波数が、MRIのRFパルス周波数ではもはや有効でないようにシフトする可能性があることを意味する。言い換えると、64MHzに正確に調節された共鳴回路で始めても、ヒト移植用途で5年後には、この共鳴周波数は、50MHzまでシフトする可能性があり、これは、タンクフィルタがもはや有効でないことを意味することになる。このエージングの概念及び帯域幅の制御は、「能動型埋め込み医療装置のRF遠隔測定ピンアンテナのための低損失帯域通過フィルタ」という名称の特許出願出願番号第60/767、484号に更に完全に説明されており、この内容は、本明細書に組み込まれている。
図99は、従来技術のMLCCコンデンサ332のための例示的な幾何学形状(形状因子)の1つを示しており、電極340及び342(図100及び図101)の間で長さ(l)対幅(w)比により、ESR(RC)が本質的に非常に低いことになるコンデンサを形成する。図100及び図101に示す電極のESRが相当低い理由は、長さを最小にし、かつ幅を最大にすることによって断面積を最大にしたという点で、長さLに比較して幅Wがかなり広いためである(参照:基本抵抗式R=ρL/A、ここで、ρ=抵抗率、L=電極の長さ、A=電極の面積(幅×厚み))。
コンデンサ等価直列抵抗及びコンデンサ消散率及び電極板損失の間の関係は、「消散率試験は、医療移植EMIフィルタ及び他の高周波数MLCコンデンサ用途のためには不適切である」という名称の(ESR)技術論文に最も良く説明されている。この論文は、Bob Stevenson(共同発明者)により著されており、「2003年コンデンサ及び抵抗器技術シンポジウム」、3月31日〜4月3日、アリゾナ州スコッツデール、2003年で与えられた。同じく引用するのは、「1999年コンデンサ及び抵抗器技術シンポジウム(CARTS−ヨーロッパ)」、ポルトガル、リスボン、10月19〜22日1999年で与えられた「コンデンサのインダクタンス」という名称の技術論文である。
図102は、図99に示されているものと比較して、従来技術のMLCCコンデンサ332”に対する別の幾何学的配置の実施形態(逆転形状因子)が示されている。この場合、幅(w)対長さ(l)比は逆転する。電極340及び342(図103及び図104)は、ここではその幅に比較して相当長い。それによって抵抗(RC)が増大する可能性が高いことになる。上述のように、本発明であるタンクのQを制御するある一定の設計では、MLCCコンデンサ332”のESRを増大させることが実際に望ましい。これは、並列共鳴タンクフィルタ回路146及び対応する(相対)帯域幅のQと関係がある。上述のように、並列タンク回路は、1つの特定の周波数で共鳴する。それによって周波数減衰特性にノッチ(タンク)が形成される。しかし、タンクフィルタ回路のQを低減するコンデンサESRを増大させることにより、このノッチの幅を広くすることができる。これは、例えば、MRIシステムの加熱を低減するように設計された並列タンクフィルタ回路の場合に重要である。例えば、RFパルス周波数が128MHzであることになる3テスラMRIシステムの場合には、並列誘導子及びコンデンサが128MHzで共鳴するように設計されることになる。並列タンクフィルタ回路146は、この1つの周波数でのみ開回路又は無限インピーダンスのように見えることになる。しかし、セラミックコンデンサ及び並列インダクタンスが、常に正確に128MHzで共鳴するほど十分に正確になるように製造するのは比較的困難である。更に、MLCCコンデンサは、時が経つとエージングする。典型的なMLCCコンデンサは、10年間毎にそのキャパシタンスの2%を失うことになる。例えば、1000時間で、セラミックコンデンサが1000ピコファラドを有していれば、次の10年間のエージングは、10、000時間で起こることになり、そのキャパシタンス値は、2%低下することになる(この10、000寿命期間の終わりに980ピコファラドまで低下する)。これは、もはや128MHzで完全には共鳴しないことを意味するであろう。しかし、全体的なシステムのQを低減することにより、それが実際に問題でないように帯域幅を広げることができる。コンデンサESRを制御することにより、タンクフィルタ146の有効帯域幅は、例えば、20MHzから213MHzまでのどこでも共鳴することになるように増大させることができ、それによってコンデンサ及び誘導子及びそのエージング特性の公差の偏差が説明される。これはまた、単一のL−C並列タンクフィルタ(MLCC−T)を備えるいくつかの種類のMRIシステムの減衰を可能にするであろう。例えば、0.5、1.5、及び3テスラMRIシステムのRFパルス周波数は、それぞれ、21、64、及び128MHzである。本発明のMLCC−Tタンクは、コンデンサESRを十分に高くして、これらのMRIパルス周波数の2つを適切に減衰させ、リードワイヤ又は遠位TIPが過熱することによる懸念を消失させるように設計することができる。図96を参照すると、コンデンサのESR(RC)は、付加的又は個別の抵抗器要素により捕捉(又は置換)することができるが、体積効率(及び費用及び信頼性)のためには、好ましい実施形態では、コンデンサのESRが調節される。従って、本発明の望ましい特徴は、コンデンサのQを低減し、それによって並列共鳴タンクフィルタ回路146の帯域幅を増大させることである。更に、全体的共鳴L−CタンクフィルタのQも誘導子の直列抵抗を増大させることによって制御することができる。しかし、低周波数では、望ましい生物学的電流の全てが誘導子を通って流れるために、これには限界がある。従って、望ましい生物学的周波数及びペーシングパルスも有意に減衰する可能性があるために、誘導子の抵抗を過剰に増大させることは望まれない。従って、その抵抗LRを過剰に増大させてQに影響を及ぼすことは、ペーシングパルスを望ましくなく減衰し、また、能動型埋め込み医療装置を感知して調節するのに用いられる生物学的又は神経学的活動を望ましくなく低下又は減衰させることになるために、非常に有害な事柄とされることになる。従って、本発明の特徴は、リードワイヤ及び遠位TIP加熱を減少又は排除するほど十分に帯域幅が広く、共鳴時のインピーダンスが十分である様式で並列タンクのタンクフィルタの帯域幅が共鳴周波数で広くなるようにコンデンサ及び誘導子要素のESR(RC)の均衡を取って調節することである。
図105は、コンデンサ電極の等価直列抵抗(RC)を更に増大させることができる新しい方法を示している。これは、非常に薄い電極340を堆積させることにより、及び/又は堆積した電極に穴364が見えるように電極シルクスクリーン印刷パターンにドットを配置することにより製造中に行われる。これらの穴364は、卵形か正方形か矩形のあらゆる形状を有することができることは当業者には明らかであろう。非常に薄い電極340を堆積させることにより、及び/又は電極に穴を加えることにより、電極の断面積を低減することができ、それによってその等価直列抵抗を増大させることができる。際立ったことには、実験により、静電磁場がその穴にわたって空間電荷を形成するために、キャパシタンス値自体には、殆どか全く影響を及ぼさないことが示されている。
図106は、様々な直径の穴364’を堆積させる別の方法を示しており、これは、コンデンサ電極340の静電磁場を更に遠くまで平滑にすることができ、同時に、ESRを増大させる。総コンデンサ損失は、誘電損失正接、コンデンサ電極板損失、コンデンサ終端部又は結合損失、及び表皮効果などによる損失を含むことに注意すべきである。しかし、本明細書に説明した目的では、現在のMRIシステムの自己共鳴周波数は、一般的に約10MHzの周波数で生じる。10MHzを超える周波数では、コンデンサの誘電損失(誘電損失正接)は、ゼロに近づく。従って、誘電損失は、本発明では支障なく無視することができる。これは、米国特許第6、765、779号に更に完全に説明されている。更に、本明細書で意図するMLCC−T構造344は非常に小さいために、表皮効果も無視することができる。表皮効果は、通常は、500MHzを超える周波数では重要な現象になる。更に、コンデンサにわたって並列に見える抵抗器とされることになるコンデンサの絶縁抵抗も無視することができる。これは、現在のコンデンサ製造技術では、この絶縁抵抗の値が10メガオームよりも大きいことが保証されるためである。千万オームは、絶縁抵抗を完全に無視することができる回路の他の構成要素のリアクタンス値に比較して非常に大きい。更に、コンデンサの終端部及びそれらの終端部への接触部は、頑強で信頼性が高い。従って、これらの結合部の抵抗は、些細な小さいものである。この全てから導かれることは、本発明で本当に重大な唯一の抵抗は、電極板340、342自体の抵抗であることである。言い換えると、電極板の高周波数抵抗を制御することにより、その共鳴周波数でのコンデンサのQを制御することができ、それによって並列共鳴タンクフィルタ146の帯域幅を制御することができる。コンデンサESR又はRCを制御する別の方法は、コンデンサ要素と直列の個別の抵抗器要素を用いることを含む。様々な従来技術の抵抗器チップなどが公知である。更に、抵抗性が比較的高いコンデンサに電気的取付材料を用いることができる。別の方法は、MRIパルス周波数の帯域内に特に高い誘電損失正接を有するコンデンサ誘電体を用いることであろう。高周波数誘電損失正接は、タンクフィルタ特性を広げる(Qを低減する)ことになる抵抗損失を示している。好ましい実施形態では、コンデンサESR(RC)を制御するための殆どの効率的な方法は、電極自体の抵抗性を増大させることである。これは、最も効率的なパッケージであることになる。しかし、上述及び他の方法の全てを用いることができる。更に、ある程度の直列抵抗を誘導子に加えることによってQの調節をすることができる。全ての誘導子は、ある程度の寄生直列抵抗を有するために、これを行うのは比較的容易である。誘導子トレース346を薄くすることにより、誘導子抵抗を増大させることができる。しかし、これは、生物学的信号又はペーシングパルスを望ましくなく減衰させたくないので、僅かに行うことができるのみである。設計者は、望ましい(十分に広い)タンク特性を達成するために、誘導子QとコンデンサQの間の均衡を注意深くとる。
図107は、特注又は市販の誘導子チップ368及び370を用いてここに示す構造を形成するMLCC−T366を示している。市販の誘導子チップは、一般的に、非常に低価格で入手可能である。例えば、Murata部品番号LQP15MN2N7B02Dは、Qが13であり、DC抵抗が非常に低くて最大0.3オームである2.7ナノヘンリー誘導子チップである。これらは、100個入りを各々僅か$.16(16セント)で入手可能である。これらは、広範囲のインダクタンス値及びDC抵抗Q値で入手可能である。他は、Murata部品番号LQP03TLQP03Tであり、これは、2.7ナノファラド±2ナノファラドでDC抵抗が僅か0.21オームである。
市販の既製誘導子チップ368、370を用いることの欠点は、それらが、一般的に強磁性材料を含むという事実に関係する。MRIシステムでは、あらゆる強磁性材料は、画像アーチファクトとして公知のものを生成することになるために、これは好ましくない。これは、遠位TIPの移植片の隣接領域のMRI画像を歪め、これは望ましくない。本発明の好ましい実施形態では、全ての誘導子は、強磁性材料を何ら用いないように、空心巻線又は回路トレース堆積誘導子渦巻又は蛇行のいずれかで完全に構成される。
MRI用途のためのフィルタを設計しようとする時に、MRIのRFバードケージコイルのみを用いるという誤りを犯している実験者もいる。すなわち、主静磁場(B0)を存在させずにRF場コイルを備えたMRIシステムである。MRIシステムを設置する時の主要な費用に関する1つは、強力な静磁場を生じる超電導コイル及び関連する極低温の費用に関するものである。従って、多くの研究者は、外部から見たらMRIシステムと同等に見えるものを設置することによって費用を大幅に抑えている。例えば、患者が通常挿入されることになるトロイド形が見られる。しかし、主静磁場を生成するのに必要な全ての極低温及び装置が欠落している。それによって特に僅かな量でもフェライト又は強磁性材料を含む場合には、静磁場が電子構成要素の性能に大きな影響を及ぼす可能性があるために、誤った結論に導かれる可能性がある。本明細書の新しいタンクフィルタの発明の好ましい実施形態の全てでは、誘導子要素及びコンデンサ要素は、完全に非強磁性材料から成る。本方法の別の利点は、これが画像アーチファクトの問題を殆どか全く有することにならないことである。画像アーチファクトは、非常に重要な問題である。本発明の目的は、リードワイヤ又は遠位電極インタフェースの領域を直接撮像する(それを通してMRIスライスをとる)ことができることになる範囲まで埋込み型医療装置のリードワイヤを保護することである。例えば、心臓ペースメーカー用途では、それによって例えば心臓の遠位TIPが配置される正確な場所である右心室の正確なMRI撮像が可能になる。この心臓の遠位TIPが大きな画像アーチファクトを生じる場合には、例えば、心室壁の動きを見るMRI画像スライスは役に立たなくなる。従って、本発明の非常に重要な特徴は、タンクフィルタがリードワイヤ及び遠位TIPが過熱しないように保護する必要があることだけでなく、殆ど画像アーチファクトがないことである。従って、本明細書で誘導子チップと言う場合には、内部フェライト材料を何ら含まない特製品の誘導子チップを意味する。
図87に戻ると、あらゆる市販の既製誘導子チップ368、370で基板356を置換することができることが分る。今度は図107に戻ると、ここに示す新しい構成には、これらのチップ368、370の2つ又はそれよりも多くを用いることができることが分り、これは、図104及び図105に示されている電極の組を参照すると良く理解される。図108の電極372は、金属被覆バンド374に現れる。これは、図108の電極372と図109の電極376、378との重なりであり、これは、新しい直列コンデンサ要素を形成する。それによって直列の2つのコンデンサ要素が得られ、これは、図110の概略図を参照すると良く理解される。誘導子368及び370は、図107に示すように機械的及び電気的に取り付けられ、これは、図110に示すような2つの直列の並列タンクFR1及びFR2を形成する。誘導子L1(368)及びL2(370)に対してコンデンサC1及びC2の値を調節することにより、2つのタンクFR1及びFR2を2つの異なる周波数で共鳴させることができる。例えば、FR1は、64MHzで共鳴させることができ、これは、1.5テスラMRIシステムのパルス周波数である。FR2は、128MHzで共鳴するように設計することができ、これは、3テスラシステムのパルスRF周波数である。従って、図107に示す構造は、能動型埋め込み医療装置リードワイヤシステムを1.5テスラ及び3テスラのMRIシステムの両方に適応させることになる。それによって患者の適応性が広くなることになり、これは望ましいことである。
図111は、更に別の実施形態のMLCC−T366’を示しており、ここでは、特別に形成されたMLCCチップ332にわたって単一の誘導子チップL1(368)を配置することができる。これは、図112及び図113に示されている新しい電極372’及び376’を参照すると良く理解される。複合構造は、図114の概略図に示すような本発明の並列タンクフィルタ146を形成する。
図115は、誘導子380が堆積され、取り付けられ、印刷され、又は埋め込まれた従来技術の単極同軸コンデンサ220(貫通)である。渦巻誘導子380は、それを組込んでセラミックコンデンサ220構造内で相互燃焼すること、コンデンサの上部に直接印刷すること、又は基板の上に印刷してその後コンデンサに相互結合することを含む上述の方法のいずれかにより配置することができる。これらの技術の全ては、上述の通りである。誘導子渦巻は、非常に効率的である。修正Wheeler方程式を用いて、このような渦巻のインダクタンスを予想することができる。相互インダクタンスにより非常に効率的であるために、誘導子渦巻は、本発明の好ましい実施形態である。
図116は、図115の並列誘導子及びコンデンサを示す概略図である。図117は、図115の線117〜117に沿って取った断面図であり、AIMDのリードワイヤ238システムのいずれかにどのように直列に配置することができるかを示している。
図118は、貫通コンデンサ220’であるという点で図115に非常に類似する構造を示している。しかし、この場合、正方形である。これは、多重孔平面アレイ装置を含むあらゆる貫通コンデンサの幾何学形状とすることができることは、当業者には明らかであろう。
もう一度従来技術の図2を参照すると、一般的に、ここに示すようなフィルタ処理されていないRF遠隔測定ピン116が存在することが分る。RF遠隔測定ピンは、埋込み装置から保存された波形を問い合わせるか、再プログラムするか、又は回収するのに用いられる個別周波数の非常に狭い帯域を捕捉するように設計される。望ましくないことには、このようなフィルタは、RF遠隔測定周波数を除去することになるために、RF遠隔測定ピンに従来技術の低域EMIフィルタ(貫通コンデンサ型)を用いることは不可能である。しかし、この非フィルタ処理アンテナ116が存在すると、非常に強力なEMI磁場が存在する場合の非常に深刻な問題を避けることができる。EMI磁場が埋込み型医療装置のハウジング102内に入ると、隣接する回路に交差結合及び/又は再放射することができる。これらの不適切なEMI信号は、心臓ペースメーカーにより、例えば危険又は不適正心室不整脈として感知される可能性がある。更に悪いことには、ペースメーカー依存性の患者では、このような心臓の信号は、正常な心拍として解釈される可能性があり、それによってペースメーカーが自動的に妨げられることになる(ペーサー依存性患者では、命に関わる状況である)。埋込み型装置患者が遭遇することになる最も強力なRF場の1つは、典型的なMRI装置の内腔の内部である。従って、RFピンアンテナ116を保護すべきである。本発明のタンクフィルタは、これに理想的である。
もう一度図115及び図118を参照すると、タンクフィルタを遠隔測定ピンに直接隣接して配置することができる場所の2つの理想的な例を見ることができる。これは、本発明のタンクフィルタをAIMDハウジングの内部のRF遠隔測定ピン116上に配置することによって最も容易に達成されることになる。従って、タンクフィルタは、体液から保護されることになる。この場合、タンクフィルタを形成するのに用いられる誘導子及びコンデンサのQは、両方とも比較的高い必要がある。これは、3dB帯域幅が比較的狭いことを望むためである。この理由は、関連の周波数と関係する。例えば、3テスラのMRIシステムでは、RFパルス周波数は、128MHzである。最低共通遠隔測定周波数は、402MHzである。従って、タンクフィルタ応答曲線は、非常に急速に低下して望ましい遠隔測定周波数が過度に減衰しないようにすることが非常に重要である。これを回避する別の方法は、例えば64MHzで共鳴させ、患者が1.5テスラのMRIだけに制限されるようにタンクフィルタを設計することである。これを回避する更に別の方法は、遠隔測定周波数を増大することである。更に、850MHzの範囲又は1GHzも超える遠隔測定周波数が一般的に用いられる。本発明の特徴は、新しいタンクフィルタをRF遠隔測定ピンアンテナに組み入れ、同時に、MRIパルス周波数と遠隔測定周波数の間のRF周波数をできるだけ広く分離させ続けることである。
新しいタンクフィルタ146の構造を示す上述の図面の全ては、様々な他の種類のコンデンサ材料で達成することができるは明らかであるべきである。すなわち、フィルムコンデンサ、金属化フィルムコンデンサ、タンタル、ガラス、磁器、及び一般的アルミナ電解質などである。例えば、フィルムコンデンサ用途では、セラミック誘電体をフィルムで置換することは明らかであろう。更に、金属又は金属化表面を誘電フィルムに堆積させることも当業技術で公知である。従って、主にモノリシックなセラミック又は厚膜堆積技術を示す上述の図は、全てのコンデンサ技術を含む全ての包括的なものであることを意味する。この特定の例は、図81に戻って参照すると理解される。無地カバーシート348及び352は、単純に、ある一定の種類の誘電フィルム、例えば、Mylar又はポリスチレンとすることができる。コンデンサ電極の組は、火炎溶射金属堆積で容易に作られ、電極層340及び342(非常に薄いか又はRCを制御するための穴付きのものを含む)を形成することができる。同様に、電極層340は、フィルムの別の層に配置することができる。次に、無地のフィルム片を無地インタリーフ350の代わりに置くことができる。更に、金属は、誘導子層346を形成するフィルムコンデンサの別の領域に堆積させることができる。次に、付加的なカバーシート352と共にフィルムオーバーレイを配置することができる。これは、全て圧縮して単一のパッケージに成形することができるが、これは、フィルムコンデンサ技術分野ではよく見られるものである。
図23及び図24に戻ると、タンクフィルタが正しい周波数で共鳴するようにL及びCの適切な値を選択する工程を見ることができる。更に、これは、このような構成要素のQをどのように調節して図24に示すような曲線形を達成することができるかを示している。上述のように、タンクを例えばMRIパルス周波数の共鳴周波数又はそれに適度に近接させることが非常に望ましい。その共鳴帯域幅が十分に広ければ、MRIパルス周波数でタンクを正確に共鳴させることは必ずしも必要でない。言い換えると、タンクの共鳴周波数が、例えば64MHzのMRIシステムで55MHzであっても、タンク共鳴周波数特性が十分に広い帯域幅を有する場合には、依然として十分な減衰が得られ、遠位TIPを実質的に冷却して患者に安全性をもたらすことになる。
図23の意思決定処理が行われた後でも、特に非常に高度のQ構成要素から成る場合には、タンクの何らかの微調整が依然として必要である可能性がある。ここでは、非常に低損失のコンデンサ及び非常に低損失の誘導子を用いる場合に、得られるタンクの帯域幅が非常に狭いことになるという点でトレードオフが存在する。当業技術では、これは、狭い3dB帯域幅として公知である。しかし、例えば、モノリシックセラミックコンデンサを製造する時には相当な製造の変動が存在する。この製造の変動はまた、公差としても公知である。例えば、50pfのセラミックコンデンサでは、キャパシタンス値に基づいて±20%の公差を有する可能性がある。更に、誘導子要素自体を製造するのにも変動が存在する。従って、非常に高度のQタンクフィルタでは、得られるタンクの共鳴周波数がMRIのRFパルス周波数又はその付近になるように最終的に調整することが必要である可能性があると予想される。
図119は、コンデンサC及び誘導子Lの並列組合せを示しており、これは、新しいL−Cタンク146を形成するための本発明のここで説明したあらゆる組合せの代表例である。図119を参照すると、ノズル600が見られる。このノズル600は、「Comco Corporation」で製造されているようなマイクロブラスタ(図示せず)からの特定の組の配管602に取り付けられる。マイクロブラスタは、粒子604を含む高圧空気の噴流をあらゆる表面に対して導くものである。マイクロブラスタは、当業技術で公知であり、様々な清浄化及びトリミング作業に用いられる。この場合、マイクロブラスタ600は、好ましい切断材料であるアルミナセラミックで充填することができる。もう一度図119を参照すると、電子計器606が、L−Cタンクフィルタ146の両端に取り付けられているのが分る。これは、タンクフィルタ146の共鳴周波数を常に測定することになるネットワーク又はインピーダンス分析器のような走査器具である。更に、マイクロブラスタ600は、ロボット的に分取され、電子計器606により調節をオン・オフさせるように自動化することができる。このような調節は、「Lab View」及び同様のプログラミング技術で容易に達成される。もう一度図119を参照すると、セラミックコンデンサCの上部カバー層を通して活性電極板610内に文字通り穴608が爆破されているのが分る。この穴は、電極板層の一部分を文字通り腐食して除去するのに必要なほど拡張又は深くすることができる。
マイクロブラスティングは、タンク146の望ましい共鳴周波数が達成されるまで続けられる。この調節の正確な共鳴周波数は、通常は、正確なMRIパルス共鳴周波数とはならないことに言及しておく必要がある。時間が経つとコンデンサ及び/又は誘導子構成要素が普通にエージングすることに対処するために、僅かに側部に外して調節するように判断することができる。すなわち、構成要素がエージングしても、高度の減衰をもたらすタンクフィルタ特性の領域内に留まることになる。
図120は、図119の断面120〜120から取った電極板層610を示している。活性電極610の一部分が侵食されているのが分る。図121は、図119の全体的に平面121〜121に沿って取った反対側の電極612の図である。この自動化工程は、電極板の重なり領域を低減し、それによって並列タンク146に望ましい正確な共鳴周波数が達成されるまでキャパシタンス値を低減する。
図122は、本発明のタンクフィルタ146を形成するコンデンサ614に相互結合する蛇行誘導子354を調節する方法を示している。隣接する巻回を短絡するのに必要とされる時に用いられる導体材料616の小さなドットを付加することができる。これは、インダクタンスの量を低減する効果を有し、それによって下流のインダクタンスを調節することによって並列L−Cタンクを調節することができる。上述のように、図119では、これは、一般的に、共鳴周波数を常に読み取ることになる電子計器606に結合されている間に行われるであろう。図123には、別の方法が示されている。この場合、誘導子パターン354は、スクリーン印刷、フォトリソグラフィ、及び電気メッキなどを含む様々な技術により堆積される。しかし、この場合、点618〜626に示すように、誘導子巻回の一部の間に故意に短絡路が製造されている。次に、複合L−Cタンクフィルタは、共鳴周波数を測定するのに用いられる自動電子計器606に結合することができる。レーザトリミング又は均等物を次に用いて、望ましい共鳴周波数が達成されるまで短絡回路618、620などを選択的に除去する。図124には、切断面124〜124に沿う123から全体的に取った近接図が示されている。もう一度図124を参照すると、レーザトリミングが行われて先に短絡された誘導子巻回が切り開かれ、それによってタンクのインダクタンスを増大させる領域618’及び620’が見られる。図119に戻ると、マイクロブラスティングは、完成されたコンデンサを調節する唯一の方法ではない。更に、この処置には、レーザトリミング並びに高速水噴射切断又は機械的研磨などを用いることもできる。図119によりトリミングが終わると、一般的に、エポキシ又はシリコーンなどのドットを用いて露出穴608を充填する。本明細書の本発明者は、コンデンサのみに関して従来技術におけるこれらのトリミング技術に精通している。本発明者は、このようなトリミング技術が本発明のタンクフィルタ146のような共鳴回路にかつて適用されたということを知らない。
図125は、本発明を具体的に示す新しい単極貫通コンデンサ−誘導子タンクフィルタ382を示している。図115〜図117に示すものに類似する貫通コンデンサタンク384(相互結合又は埋込み渦巻誘導子を備える)は、密封ハウジング386内に埋め込まれる。密封ハウジング386は、生体適合性のある端板から成り、これは、リードワイヤ104’(一般的にMP−35N合金)を便利にレーザ溶接で取り付けることを可能にするスタブ388を有する。これらのレーザ溶接取り付けは、390及び任意的に392に配置される。リードワイヤ104’は、埋込み型医療装置102の出力部に結合される(図17参照)。貫通コンデンサタンクフィルタ384は、非導電性絶縁層394を用いて端板386に嵌め込まれる。反対側に同様の絶縁層396が存在する。これらの絶縁層394及び396は、機械的にコンデンサ−誘導子貫通コンデンサタンク384を着座させ、それを所定位置に確実に保持し、並びにそれを電気的に単離するのに役立つ。シリンダ398は、絶縁性で密封のアルミナセラミック、ガラス、又はサファイア管などである。これは、生体適合性のある端板386に金ろう付け又はレーザ溶接400される。遠位TIP142(組織固定クリップは図示せず)は、次に、所定位置に挿入されてそこに着座させ、その後、絶縁シリンダ398にもレーザ溶接402される。絶縁シリンダ398は、以前に行われたスパッタリング又は同等の選択した材料堆積工程によりろう付け又は溶接材料を受け取る準備がされている。コンデンサ外側直径終端部404と導電性の端板386との間には、電気取付部403が存在する。更に、コンデンサ内側直径金属被覆406と遠位TIP142の間にも電気取付部405が存在する。これは、コンデンサ(220)を誘導子L(380)と並列に置くことによって本発明の新しいタンクフィルタ回路146を形成する。図125に示されている構造の利点は、非常に低価格の従来技術のコンデンサ及び効率的な渦巻誘導子を含むことである。従来の生体適合性のない材料を用いて、セラミックコンデンサ220を製造し、電気取付部も作ることができる。電気取付部は、半田及び熱硬化導電性接着剤を含むことができる。これは、セラミックコンデンサ220及びその対応する電気取付部が、全て密封されて体液から単離されているためである。従って、銀などのような生体適合性のない材料も容易に用いることができる。殆どの市販のモノリシックセラミックコンデンサは、ニッケルを含むベース金属電極(BME)で作られる。上述のように、ニッケルは、画像アーチファクトがあり、かつMRI磁場が存在すると加熱される可能性が高いという両方の理由のために望ましくない。他の一般的なコンデンサ電極は、銀又はパラジウム銀で作られる。しかし、銀及びパラジウム銀は、比較的低価格であるが、生体適合性がない。従って、図125の密封アセンブリは、このような低価格(低焼結温度)電極を用いることを可能にする。上述のように、非密封性コンデンサでは、プラチナ電極が用いられる。そのトレードオフは、プラチナがより高価であり、コンデンサも遥かに高い温度で燃焼(焼結)する必要があることである。
図126は、密封されたタンクフィルタアセンブリ408のための代替的な実施形態を示している。この場合、左側に示されている身体組織とぴったり接触するように設計された遠位TIP142が存在する。絶縁シリンダ410は、好ましくは機械加工又は加圧アルミナセラミックのいずれかであり、金ろう付けプレフォーム414を受け取るのに適するスパッタリング412(例えば、チタン−モリブデン層)を含む。シリンダ410は、ここに示すような生体適合性のある導電性(好ましくは金属)RING144及び144’に取り付けられる。RING144及び144’は、体液に露出されることになるために、生体適合性があり、チタン又はプラチナなどのような材料で作られる必要がある。遠位TIP142は、416で導電RING144にレーザ溶接される。図126に示されている密封パッケージは、図80、図81、図85、及び図87に関連して上述したもののような直線的MLCCタンク418に最も適している。電気取付部は、半田又は熱硬化導電性接着剤420によりMLCC−T418の遠位TIP142と端子面の間に作られる。金スパッタ層422又は均等物は、導電性取付材料420と遠位TIP142との間を良好に電気的に接触させる。MLCC−Tタンク端部終端部は、424及び426に示されている。熱硬化導電性接着剤、半田、又はろう付けなど428を用いて、タンクチップ終端部426と金属板430の裏側のスパッタ層422との間に電気的結合を形成する。一般的に、チタン又はプラチナ端板430は、図125に上述したものと同様である。これは、リードワイヤ104’間に取付部432を有する。端板430は、434で生体適合性導電性ハウジング部分又はRING144’にレーザ溶接されるように設計される。材料436は、非導電性熱硬化ポリマー又は接着剤である。その目的は、新しい誘導子コンデンサチップ418を機械的に支持することである。これは、密封された容器内部の全空間又は図示の部分のみを充填することができる。図125及び図126の構造の概略図が図127に示されており、この誘導子と並列のコンデンサの新しい組合せは、本発明のタンク回路フィルタ146を形成する。
図128は、新しい誘導子コンデンサMLCC−T438を含む別の密封されたパッケージを示している。この場合、中空のセラミック又はサファイア絶縁管440を用い、その中に、新しいMLCC−T438を挿入する。非導電性熱硬化ポリマー接着剤442を用いて、それを所定位置に機械的に保持する。この場合、身体組織にねじ込まれるように設計された螺旋能動固定電極444が存在する。この種類の電極は、従来技術で公知であり、遠位TIPを例えば心筋組織内に確実に固定するのに用いられる。448で絶縁管440にレーザ溶接され、450で螺旋TIPリードワイヤ444にもレーザ溶接された生体適合性の金属端板446が存在する。反対側の生体適合性の金属端部RING144は、密封ろう付け又はレーザ溶接により452で絶縁管440に予め取り付けられている。生体適合性の金属端板456は、一般的に、チタン又はプラチナなどで作られる。本明細書に説明する本発明では、いずれも、タンタル及びニオブなどのような他の生体適合性のある材料を用いることができることは当業者には明らかであろう。もう一度構造456を参照すると、高導電性で酸化物を含まない表面を設けるために、スパッタ領域45Bが存在することが分る。このスパッタ層は、一般的に、金又はプラチナなどであろう。スパッタの代わりに、これは、金ろう付け、メッキ、又は他の技術により付加することができる。端板456を着座させるために半田又は熱硬化導電性接着剤プレフォーム454が用いられる。端板456は、このプレフォーム454に対して着座し、次に、MLCC−T438の端板456と端部金属被覆表面458との間に電気的結合が作られるように硬化される。螺旋TIP444は、MLCC−T438の反対側の金属被覆表面461への電気取付部459を有する。端板456は、密封シールを形成する合わせRING144の内側直径(座ぐり)にレーザ溶接されるように設計される。埋込み型医療装置からのリードワイヤ104は、次に、レーザ溶接によりスタブの端板456上に点460及び任意的に点462で取り付けられる。付加的な取付部により、付加的な機械的強度を加えることができる。
図129は、様々な神経刺激器用途に適用可能な遠位電極パッド464を示している。神経刺激器には、移植蝸牛刺激装置、脳深部刺激器、脊髄刺激器、失禁刺激器、一般的な疼痛制御刺激器、迷走神経刺激器、及びパーキンソン振戦制御刺激器などが含まれる。典型的な従来技術の刺激器は、図129に示すような様々なパッドを伴うことが多い。3つの神経刺激電極466、466’、及び466”が示されているが、これらは、1、10、又は20でさえ、又はより多くの神経刺激電極のいずれにも変更することができる。例えば、蝸牛神経刺激器では、一般的に、16のワイヤが存在し、これが、電極の束に挿入されて聴覚神経に接触する。図129に戻ると、外部又は埋込み活性医療装置に結合した3つのワイヤを収容するリードワイヤの束468が存在することが分る。
図130は、図129の全体的に線130〜130に沿って取った断面図であり、本発明の新しい誘導子コンデンサMLCC−T470の1つの形態を示している。空心誘導子472がその中心を通って延びる円板状貫通コンデンサ220が存在することが分る。これらの概念は、図45及び図47に関して上述したものである。この場合、遠位TIP電極パッド466は、コンデンサ220の周囲の金属被覆へのレーザ溶接又は同等の生体適合性のある電気取付部474を有する。更に、反対側の誘導子472に結合して示される別の導電性板476も存在する。リードワイヤ478は、次に、機械的及び電気的にこの板476に結合される。リードワイヤ478は、次に、図129に示すような可撓性神経刺激器パッド464を通って経路指定される。リードワイヤ478は、AIMDまで経路指定されることになる468に含まれるワイヤの一部になる。
図131及び図132は、図115及び図118に先に示すような貫通コンデンサ構造を電極パッド465に用いて、同じことを達成する別の方法を示している。この場合、誘導子380は、コンデンサ220の上部に印刷されるか、又は追加基板によりコンデンサに取り付けられている。リードワイヤ478は、中間接触板480を用いて示すようにコンデンサの内側直径金属被覆406に結合される。電極466は、電気的及び機械的にコンデンサ外側直径金属被覆404に取り付けられるが、内部金属被覆406からは絶縁パッド又はライナ481などで電気的に分離される。これは、図129に比較して単純にするために逆に示している。
図133は、図129に先に示すような神経刺激器用途のために新しい並列誘導子タンクフィルタを層を成して積み上げる厚膜技術を用いる別の代替形態を示している。ここでもまた、この電極アセンブリ483は、単純にするために逆に示している。遠位TIP電極466は、様々なコンデンサ及び誘導子層の厚膜堆積に用いたような基板を形成する。図133の構造483は、図134の分解組立図を見ると良好に理解される。底部か見ていくと、神経刺激器用途のための遠位TIP電極パッド466がある。この導電性電極466上に最初に絶縁層482が刻印され、次に、1つ又はそれよりも多くの誘導子層484がその上に刻印される。次に、別の絶縁層486が、誘導子層484の上に置かれる。更に、コンデンサ内側直径電極488が印刷される。次に、別の絶縁層490が印刷される。次に、外側直径コンデンサ電極492が刻印される、必要に応じて多くの交替層の電極488及び492を積み上げ、必要なキャパシタンス値を達成することができる。次に、全体的な絶縁層494が置かれる。従来の厚膜又はテープ製造工程で公知のように、これらの各作業の間には、通常は、乾燥段階が存在する。全体構造は、次に高温で焼結され、凸凹のモノリシック構造が形成される。次に、適切な電気的結合材料を用いて電気的接触部496が挿入され、誘導子486の内側直径、及び内側直径コンデンサ電極板スタック488の内側直径の両方に接触する。次に、神経刺激器リードワイヤ478が、この接触パッド挿入部496に電気的に接続される。誘導子の外側直径は、神経刺激器パッド466と接触する。更に、コンデンサの接地電極板492は、遠位パッド電極482と電気的に接触する。これは、本発明のタンクフィルタにより、インダクタンスと並列にキャパシタンスを置く効果を有する。
表135は、図133及び図134に示されている厚膜タンク回路を製造するための様々な製造方法を示している。
図136は、本発明の厚膜タンクフィルタを構築するための別の直線的実施形態である。これも、図134及び図135に示すものと同様の製造技術を用いる。これは、基板498で開始され、更に、様々な層504〜514が刻印されるか又は置かれるかのいずれかである。神経刺激器リードワイヤを結合するのに適切な2つの便利なワイヤ結合パッド領域500及び502が存在する。
図137は、図136に上述した神経刺激器電極の概略図であり、等しく図130、図132、及び図133の一例になる。
図138は、図136の神経刺激器電極495の分解組立図であり、新しい遠位TIPタンク回路の様々な層がどのように置かれるかを示している。図示のように、基板層498で開始される。この場合、基板層は絶縁性であり、アルミナなどのようなあらゆる適切な回路基板材料とすることができる。コンデンサ電極層504は、基板498に印刷される。これには、絶縁層506を重ねる。次に、第2のコンデンサ電極508を置き、再び上部を覆って別の絶縁層510を置く。次に、並列タンクフィルタ回路146を形成する絶縁層に新しい誘導子形状512を刻印する。蛇行パターンが示されているが、上述のあらゆるパターンを用いることができる。この上部は、機械的及び審美的理由の両方のための最後の絶縁層514である。上述のように、望ましいキャパシタンス値を達成するのに必要なだけ多くのコンデンサ電極層504及び508を置くことができる。更に、複数の誘導子層512を置いて、望ましいインダクタンス及び望ましい誘導子抵抗損失(RL)を達成することができる。
図139は、図136に上述した新しい誘導子タンクフィルタを示している。この場合、厚膜誘導子コンデンサタンクは、適切なガラスシール516を重ねることによって密封されている。このガラス516は、フリット又は溶融体として堆積され、次に高温で焼結することができる。ガラスは、基板498及びワイヤ結合パッド500及び502に接着され、本発明の全タンクフィルタを覆って密封シールを形成するように設計される。材料516は、あらゆる数のホウケイ酸塩又は圧縮ガラスとすることができ、又はシリコーンなどのポリマーシーラントとすることさえできる。
図140は、本発明の新しいタンクフィルタのいずれかをガラス密封シール516することができる方法の説明である。例えば、図140に示すように密封シールパッケージ内に封入することができる新しい誘導子コンデンサタンクフィルタ146の単に数例の図35、図37、図42、図44、及び図58を参照する。密封シールは、セラミック、サファイア、ガラスとすることができ、体液がそれに埋め込まれた敏感なコンデンサ又は誘導子要素に侵入しない様々な方法で密封することができることは当業者には明らかであろう。図140に示す密封シール構造は、ガラスで行うのが最も容易である。コンデンサ及びダイオードなどに用いられるいくつかの従来技術のガラスシール工程が存在する。当業技術では、これらの多くは、DAPシーラーとして公知である。
図141は、本発明の相互結合誘導子渦巻基板518と共に従来技術の貫通コンデンサ220を利用することを示している。図示のように、基板520上に誘導子渦巻が刻印又は堆積されている。複合構造は、リードワイヤシステムに又は本明細書に説明するように遠位TIPとの組合せで便利に電気的に取り付けるための金属被覆表面226及び228を有する。互いに相互結合されると、図141に示す組合せは、本発明の新しい並列誘導子コンデンサタンクフィルタ146を形成する。図89〜図92を参照すると、図141に示す誘導子渦巻基板520は、いくつかの並列誘導子層118を有することができることが分る。
図142は、本発明の複合単極MLCC−T貫通部522の等角投影図である。これは、図143に示すような層のスタックを参照すると最も良く理解される。
上部から底部まで、ここに示すようないくつかの薄いセラミックカバーシート524が存在する。次に、セラミック絶縁体526で分離されたここに示すような1つ又はそれよりも多くの誘導子層518が存在する。次に、複数の内側直径電極528及び外側直径電極530が存在する。これらの交替層は、積み上げられて必要な望ましいキャパシタンスを達成することができる。これは、ここに示すような絶縁セラミックカバーシート532で終わりにされる。これらは、圧縮されて積層され、その後、高温で燃焼して図142に示されている頑丈なモノリシック構造を形成する。次に、便利な電気取付部のために金属被覆バンド534及び536を加える。図144には、図142の複合タンクフィルタ522の断面が示されている。
図145は、一般的に、心臓ペースメーカーと共に用いられる汎用性の従来技術の能動固定遠位TIP628の断面図である。これらの能動固定TIP628は、以下の特許を含む従来技術で公知であり、これらの全ては本明細書において引用により埋め込まれている。すなわち、米国特許第7、092、766号、第6、952、613号、第6、931、286号、第6、876、885号、第6、687、550号、第6、493、591号、第6、141、594号、第6、055、457号、第5、759、202号、第5、741、321号、第5、716、390号、第5、545、201号、第5、514、173号、第5、300、108号、第4、858、623号、第4、799、499号、及び第4、858、623号である。図145では、先端の鋭い遠位螺旋コイル632を含む金属ハウジング630が存在することが分る。この螺旋コイル632は、身体組織内に延びてねじ込まれるように設計される。これは、引込んだ位置で示されている。それによって医師は、いずれの組織にも引っ掛かったりそれを引き裂いたりしないように静脈系を通り、心房を通り、心室内に遠位TIPアセンブリ628を挿入することができる。それが適正な位置にある状態で、医師は、リードワイヤスプラインアセンブリ634を時計回りに回す。これは、本体からリードワイヤが突出する胸筋ポケットの外部で行われる。器具は、一般的に、医師が螺旋632を所定位置に捻るか又はねじ込むことができるように用いられる。突起636は、螺旋632が回転する時に前方にねじ込まれるように歯車として働く。これは、心筋組織に非常に信頼性のある固定をするのに役立つ。螺旋632は、一般的に、ここに示すようなスプライン634上の突起638にレーザ溶接される。勿論、図145に示されている材料の全ては、生体適合性がある。一般的に、螺旋632は、プラチナイリジウム合金で作られ、様々な材料で被覆して電気的性能を改善することになる。ハウジング630は、一般的に、チタン又は他の同等の生体適合性合金から成ることになる。スプライン634は、一般的に、プラチナイリジウム合金である。通常レーザ溶接によってスプライン634に取り付けられるのは、AIMDからのリードワイヤ640である。スプライン634上に任意的な形態642を配置し、医師がリードワイヤアセンブリを回転して螺旋632を身体組織にねじ込む時の確実な止めを生成する。2次的止めは、歯車特徴636がレーザ溶接部638の近くの巻回の端部に係合する時に生じる。
図146は、全体的に図145の切断面146〜146から取った断面図であり、止め642は、本発明の密封タンクフィルタ644で置換されている。一般的に、タンクフィルタは、図17のAIMDのリードワイヤと直列に配置されているのが分る。図42のタンクフィルタは、全て生体適合性のある構成要素を用いる限り、この位置で用いることができる。図65を参照すると、これは、リードワイヤを直列に配列することができるように遠位TIP形態142が同等の絶縁形態で置換される場合は、リードワイヤシステムと直列に配置することができる。言い換えると、遠位TIPは、308と同様のキャップで置換されることになる。更に、全て生体適合性材料332から成る新しいMLCCコンデンサを取り囲むコイルリードワイヤを組み入れた図94の新しいタンクを組み込むことができる。更に、形態644として図146に示すように、図115及び図117の新しい貫通コンデンサ同軸タンクを設置することができる。好ましい実施形態では、図140に上述したガラス密封された封入タンクを組み込むことができる。
図147は、本発明のMLCC−T646を含む図145の適応例である。図147は、図145に先に示す従来技術の能動固定遠位TIP628を示している。タンクフィルタMLCC−T646は、螺旋TIP632の近くに示されている。遠位TIPタンクフィルタ646を遠位TIP632にぴったり近接させることにより、MRI誘発RFパルス電流が心筋組織に流入するのを防止することができる。もう一度図147を参照すると、リードワイヤ640が埋込み型医療装置の出力部から経路指定されているのが見られる。一般的に、このリードワイヤ640は、生体適合性合金MP−35Nで構成され、図示のように点648及び650でレーザ溶接されることになる。任意的な止め642が示されており、これは、適所652にレーザ溶接することができる。これは、一般的に、組み立てた後に行われることになる。本発明の新しい特徴は、全MLCCタンクフィルタ646の組立てをそのハウジング630の外部の螺旋部628で行うことができることである。それによって電気的及び機械的結合(アセンブリ)が容易になり、タンク646に熱衝撃及びバーンインなどのような高信頼性スクリーニングを行うことができるようになる。これは、MLCCタンク646が、患者に適用する時に信頼性が高いことになるために非常に重要である。この試験の全てが終わった状態で、螺旋部632、MLCC−T646、フランジ654、及びスプライン634から成るアセンブリ全体は、シリンダ630の右手側からアセンブリ628にねじ込むことにより挿入することができる。次に、新しい末端キャップ656をスプラインシャフト634を覆って配置し、所定位置にレーザ溶接658される。レーザ溶接658は、360度であることは必ずしも必要でない(スポット取り付けのみを必要とする場合)。次に、止め642は、図示のようにシャフト634上の適所652にレーザ溶接することができる。次に、MP−35N合金から成るリードワイヤ640は、図示のように点648及び650でレーザ溶接することができる。これでアセンブリが完成する。
図148は、図147から全体的に切断面148〜148を取った部分断面図であり、一般的に、誘導子アセンブリ660及び貫通コンデンサ662から成るMLCCタンク646を示している。貫通コンデンサ662は、図39の図面の説明で先に示している。図148を参照すると、貫通コンデンサ662内側直径666がそれに電気的に接続668することができるように、スプラインシャフト634に突起664が加えられているのが分る。この電気的結合材料は、668として示されており、一般的に、熱硬化導電性生体適合性ポリマーの群であることになる。用いることができるいくつかの別の材料が存在し、これには、様々な生体適合性のある半田、ろう付け、溶接、及び導電性ガラスなどが含まれる。電気的結合668は、プラチナスプライン材料664と貫通コンデンサの内側直径金属被覆666との間にある。貫通コンデンサ662とスプラインフランジ664の間には、絶縁材料670が存在する。この理由は、コンデンサ外側直径金属被覆672とスプライン台領域654の間に短絡回路が起こらないことを保証することである。更に、コンデンサ外側直径金属被覆672と誘導子外側金属被覆676の間にも、電気的結合674が存在する。導電性スプライン突起664と誘導子金属被覆676の端部の反対側との間には、同等の電気取付部678が示されている。
任意的な絶縁管又はスリーブ680が示されている。この絶縁スリーブ680は、誘導子660、コンデンサ662、又は遠位螺旋632のいずれも金属ハウジング630に短絡(電気的に接触)しないことを保証するものである。この好ましい実施形態では、高信頼性試験の全てが完了した後に、スプライン台654、貫通コンデンサ662、相互取付誘導子660、及び螺旋632の最初の2つの巻回から成るアセンブリ全体は、全てパリレン被覆されることになる。パリレンは、一般的に、真空蒸着チャンバ技術により堆積される高度に生体適合性のある絶縁材料である。全表面を覆うパリレンのコーティングにより、優れた絶縁性及び体液に対する不感受性の程度が増大することの両方が得られる。パリレンコーティングが全表面に配置される場合には、任意的な絶縁層680を省くことができる。
もう一度図148を参照すると、末端キャップ656が所定位置にレーザ溶接658されていることも分る。これは、遠位TIPを含む新しいタンクアセンブリ646全体が高信頼性の試験をされ、次に、所定位置に縫うように進められた後に行われる。
新しい誘導子660の構成は、一般的に図148の切断面149〜149から取った図149を参照すると良好に理解されるであろう。これは、先に図148で貫通コンデンサ662に取り付けて示した新しい誘導子構造660の分解組立図である。誘導子660は、図示のように4つのスライスに分解されているのが分る。上部から開始すると、スライス682は、一般的に、ビア貫通穴684を備えるアルミナセラミック材料から成る。更に、ここに示すような金属化ワイヤ結合パッド表面686も有する。これは、スライス688に嵌合して相互燃焼されるように設計される。ここに見られるように、本発明の新しい誘導子渦巻690は、スライス688のアルミナ基板上に刻印されている。更に、ビア穴684は、嵌合された後に誘導子渦巻692の端部を覆って整列されることにも注意すべきである。それによってワイヤ結合パッド686と誘導子渦巻692の端部との間に電気的結合が作られるようにビア穴684を導電材料で充填することができる。今度はその誘導子渦巻により、ここに示すビア貫通穴694が見える。ビア穴694は、スライス700に示されている誘導子698の端部696を覆って整列されるように注意深く位置決めされる。それによってビア穴694は、導電材料で充填され、それによって694と696の間に電気的結合をもたらすことができる。次に、ビア貫通穴702でスライス700上の誘導性渦巻698をその端部まで辿ると、ビア穴702がスライス708の誘導子706の端部704と整列するように列にされているのが分る。ここでもまた、ビア穴702を適切な導電材料で充填すると、図示のように702と704の間に電気的結合が形成される。もう一度スライス708を参照すると、誘導子パターン706を外側直径まで回って辿ると完全周囲電極露出部710が存在することが分る。スライス682、688、700、及び708から成るこの完成アセンブリが組み立てられて相互燃焼されると、その完成した外側直径の周りに外部金属被覆712を付加することができる。この外側金属被覆712により、スライス708内に誘導子710の外側までの電気的結合ができる。あらゆる数の誘導子層nを用いることができることは当業者には明らかであろう。更に、巻回の数又は誘導子の形状も各スライスで同じにする必要はない。巻回の数、誘導子の幅、ピッチ、及び全長は、必要に応じて様々とし、特定の設計に必要な総インダクタンスを達成することができる。更に、図149に戻ると、材料の全て及びビアの全ては、適切な生体適合性材料であることが好ましいと考えられる。実際には、これは、好ましい実施形態において、基板(スライス682、688、700、及び708)が、超高純度アルミナセラミックであり、誘導子トレース690、698、及び706が、全て純プラチナ又は均等物であることを意味することになる。更に、ビア穴充填物は、純金又は同等な生体適合性材料とされる可能性が高いであろう。ビア穴を充填する別の方法は、図148に先に示すような熱硬化導電性生体適合性ポリマーを用いることであると考えられる。
図148及び図149の両方に戻ると、機械的に頑強な構造を用いることが必要であることが認められるであろう。これは、医師がスプラインシャフト634を回転させ、螺旋部632を心筋組織にねじ込む時に電気的構成要素上にかかることになるトルク及びせん断応力に負うところが大きい。更に、装置の寿命にわたって、螺旋部632は心筋組織に取り付けられるために、心臓の各拍動中に撓み、感電及び振動が起こる。従って、相当に機械的に頑強な誘導子構造660及び貫通コンデンサ662の両方が必要とされている。材料のkが高くなれば、その材料の機械的強度が低くなることは、セラミック業界では一般的な原則である。更に、逆も真である。非常に低誘電率(低k)セラミック材料を用いると、機械的強度が高くなる。アルミナの誘電率は、ほぼ6〜7である。非常に高kのセラミックコンデンサ誘電体の誘電率は、3000を超える可能性がある。しかし、これらの3000k誘電体は、機械的に非常に脆弱である。本発明の新しい特徴は、図148に示す貫通コンデンサ662及び誘導子660が、比較的低kのセラミック材料で構成されることである。「電子工業会(EIA)」は、様々なセラミック誘電体の電気的特性を特定する一連の基準を有する。EIA規格により特定され、従来技術で公知であり、kが60と90の間であるNPOは、この場合の理想的な選択であろう。図148、図149、及び図149Aに示すような誘導子660では、比較的kが低く、強靭でもあるために、アルミナセラミックを利用することが理想的であると考えられる。コンデンサ662又は誘導子660のいずれかに対する別の適切な材料は、チタン酸マンガン(磁器)を利用することである。チタン酸マンガンは、kが10と12の間であり、一般的にNPOコンデンサ特性を有する。この材料は、引張強度が非常に高く、降伏点が非常に高く、靭性係数も非常に高い。従って、チタン酸マンガンは、この用途で理想的な候補であろう。更に、3元電極システムに適合性があるいくつかの市販のNPO誘電体が存在する。3元電極システムは、金、プラチナ、及びパラジウムから成り、これらの全ては生体適合性がある。
もう一度図149を参照すると、好ましい実施形態では、基板層682、688、700、及び708は、全て、高純度アルミナであることが分る。この理由は、アルミナは、kが非常に低く(10未満)、非常に機械的に頑強でもあるためである。実際、アルミナは、リードワイヤが埋込み医療装置に出入りする埋込み型医療装置の密封シールによく用いられる。
別の好ましい実施形態では、先に図148に説明したように貫通コンデンサ662を完全に省くことが望ましい。これは、図149に示すような複数の誘導子渦巻が直列に加えられるという事実を利用することによって実行することができる。これは、図150の概略図を参照することによって良好に理解される。スライス688、700、及び708の誘導子渦巻が直列に加えられており、LTOTAL=690+698+706であることが分る。図150に戻ると、これらの渦巻誘導子の各々の隣接する巻回間には、分配キャパシタンスCp1が存在することになる。これは、空心巻線ソレノイド誘導子で生じると考えられるものよりも実質的に高いことになる。これは、アルミナ又は他の誘電体に比較して空気の誘電率が低いためである。更に、アルミナに比較すると、体液の誘電率も比較的低い。空心巻線誘導子を体液に入れたくない別の理由は、隣接する誘導子の巻回を短絡させる可能性が高いと考えられる体液自体の導電性である。
図150では、先に図149に示す渦巻誘導子690、698、及び706の各巻回間に実際に生じる寄生キャパシタンスCP1が存在することが分る。これらは、合計されて図150にCPとして示されるような総並列インダクタンスであると考えられる。好ましい実施形態では、この総並列キャパシタンスCpは、RFパルス周波数でLTOTAL(690+698+706)と共鳴することになるように調節することができることが分る。従って、貫通コンデンサ662を別々の要素として完全に省くことができる。この複合MLCC−T集積アセンブリ714は、図151に示されている。
図151は、先に図47及び図148に示されている新しいMLCCタンクアセンブリ646と同様であり、ここでは本発明のタンク及びフィルタが、能動固定遠位TIP628、例えば心臓ペースメーカーの同軸シリンダ630内に埋め込まれている。図151では、先に図149に説明したように同じ3つの誘導子渦巻スライス基板688、700、及び708が存在する。しかし、ワイヤ結合パッド領域716は、ワイヤ結合パッド領域718から電気的に分離されている。従って、690+698+706から成る総直列インダクタンスは、716と718の間にインダクタンスブリッジを結合することによって直接測定することができる。基板708を参照すると、寄生キャパシタンスCPを見ることができる。上述のように、寄生キャパシタンスは、これらの渦巻巻線の各巻回の間に生じる。これらの寄生キャパシタンスは、様々な渦巻巻回の幅、間隔、及び個数を制御することによって制御することができる。誘導子基板層688、700、708(又は、n基板層)の各々は、全て、キャパシタンスの総量及び総分配キャパシタンスに依存する(1次共鳴)自己共鳴周波数を有することになる。更に、2次共鳴も生じることになる(隣接巻回の共鳴)。
図152は、図151Aに示す構造714の電気回路図である。基板層688を参照すると、総インダクタンス690と最終的に並列になる寄生キャパシタンスCP1が存在することが分る。基板層700及び708にも同様な事柄が起こる。寄生キャパシタンス及び並列インダクタンスを注意深く制御することにより、複数の共鳴周波数を生じさせることができる。例えば、基板層688を64MHzで共鳴させ、基板700を128MHzで共鳴させ、基板708を216MHz付近で共鳴させることができる。更に、このように複数の共鳴が存在する場合には、各基板層が正確にMRIのRFパルス共鳴周波数で共鳴することは、重要でさえもないことに注意すべきである。本当に重要なことの全ては、この範囲内でインピーダンスを高く維持することである。これは、図153を見ることによって最も良好に考察される。図153は、図150のタンク回路のインピーダンス対周波数のグラフである。ここに見られるように、64MHz、128MHz、216MHz、及び更にそれよりも高い周波数の間に複数の共鳴が生じる。これは、インピーダンス、及び従ってMRI誘発RF電流に対する減衰を望ましい範囲内で非常に高く維持するという点で非常に望ましい。
図154は、本発明の独特の統合タンクフィルタ720の等角投影図である。これは、図155の概略図に更に示すように、並列誘導子及び並列コンデンサから成る。これは、図156に示されている分解組立図を参照することによって最も良好に理解される。図156では、様々な基板層722〜730が存在することが分る。基板層722は、ビア穴732及び金属被覆表面734を備えるカバーシートである。ビア穴732は、基板724のビア穴736と整列するように設計される。誘導子738は、基板724に形成され、740としても示される外周の全てを回って終端される。更に、アセンブリ720の外部又は外側直径は、図154に742で示される金属被覆も有する。キャパシタンスは、誘導子トレース738と基板層726に示されているコンデンサ接地電極744との重なり領域の間に形成される。更に、電極744から下の電極層728まで非導電性の関係で通過するビア穴746も存在することが分る。ビア穴732、736、及び746を充填すると、基板728に示されている誘導子渦巻750の中心で上部金属被覆層734から下の電極パッド748までの電気的結合を作る。第2のコンデンサ752は、誘導子トレース750と基板層730に示されているコンデンサ電極金属被覆752との重なりの間に形成される。基板層726に対して説明したように、コンデンサ電極金属被覆752は、外側直径に至り、そこで外側直径金属被覆742と接触する。この全ては、図155の概略図に示すような互いに並列の電極トレースの間に寄生キャパシタンスを置く効果がある。2つのコンデンサ744及び752を並列にすることは、並列のコンデンサが単純に互いに加えられるために非常に効率的である。しかし、2つの誘導子738及び750を並列にすることは、それによってインダクタンスの量が並列インダクタンス式に従って低減されるために特に効率的ではない。
もう一度図149を参照すると、誘導子を直列に配置する新しい技術が見られる。直列な誘導子は、単純に互いに加えられ、それによってインダクタンス全体を直接増大させる。図149から取った基板層688、700、及び708を参照すると、先に図156に示す基板層730をどのように置換することができるかを容易に想像することができる。従って、先に図149に説明したこれらの直列技術を用いて、図156の構造720のインダクタンスを大幅に増大させることができる。当業者には、図149から取った誘導子基板層688、700、及び708を用いて、必要なインダクタンスの総量を達成するために必要に応じて基板層730又は基板層726又はその両方を置換することができることが理解されるであろう。
図157は、コンデンサ接地電極板726及び730を挿入し、同時に直列誘導子要素688、700、及び708を有する両方の技術を統合した方法を示している。図157の底部に720’として複合構造が示され、これは、事実上、図154に示す新しいタンク720の等角投影図と同一である。
図158は、図151の新しいタンクフィルタ714を先に図147に説明した従来技術の能動固定遠位TIP628に付加する段階を示している。もう一度図158を参照すると、スプライン及びスプライン台634及び654に取り付けて示す図151の新しいタンクMLCC−T714の金属被覆718からの取付部が見られる。これは、一般的に、金ろう付けプレフォーム756bにより達成される。この場合、台654は、新しいMLCC−Tタンクフィルタ714の端部を受け取るように座ぐりされている。それによって金ろう付け材料756は、MLCC−T714の側部に沿って角度を付けることができ、それによってアセンブリ全体のせん断強度を増大させる。この同じ座ぐりは、螺旋台支柱アセンブリ758にも付けることができることは当業者には明らかであろう。それによって金ろう付け材料760は、新しいMLCC−Tタンクフィルタ714の側部を周り、この領域にもせん断強度を与えることになる。同様の金ろう付けプレフォーム760を用いて、遠位TIP螺旋台758を新しいタンクMLCC−T714の金属被覆716に取り付ける。図151に示す新しいMLCC−T基板を低kの非常に高強度セラミックで完全に構成することができることが独特の利点である。この場合、純アルミナ又は磁器が好ましい実施形態であろう。これらは、機械的に非常に頑丈であり、純金ろう付けにおけるように熱衝撃にも非常に頑丈であるという利点を有する。全て生体適合性材料を用いることにより、アセンブリは、密封性でなくてもよいために大幅に簡略化される。更に、金ろう付け756及び760を同等のレーザ溶接で置換することも可能であろう。もう一度図158を参照すると、末端キャップ656は、能動固定TIPアセンブリ630の外側直径と同一平面状になるように新しい方式で修正されていることが分る。それによって内側直径を増大させることができ、先に台654で説明したような新しい座ぐりのための余地ができる。金属末端キャップ656には、それが便利に固定されて着座するように段が付けられ、また、便利な金ろう付け又はレーザ溶接材料658のための皿穴762も付加される。
図159は、先に図145に示されている汎用従来技術の能動固定遠位TIP628’の適応例である。更に、図147、図148、及び図158も参照する。これらの先に示す図面の全ては、2つの事柄を共通に有する。すなわち、1)能動固定遠位TIP628の内側全表面に体液が自由に透過することができること、及び2)螺旋632が受けるトルクが、本発明のタンク及びそれに付属する電気的及び機械的結合部のようなあらゆる電子構成要素に伝達されることである。図159に戻ると、スプラインシャフト634は、本発明のタンクフィルタ146をその内部に挿入することができる比較的長い中空の円筒形部分654’を有するように修正されている。ここに見られるように、それによっていくつかの重要な機械的及び生体適合性の利点が生じることになる。図159に示すタンク146は、先に図68〜76に示す管状統合MLCCタンク320である。単純にするために、コンデンサ及び誘導子要素を形成する内部電極板324、326、及び328は、上述の実施形態のいずれかを組み込むことができるために図159には示されていない。更に、当業者には明らかであろうが、図32、図35、図37、図42、図44、図65、図80、図83、図85、図87、図115、図126、図128、及び図141に示す新しいタンクフィルタ146は、全て、図159に示すように新しいハウジング654’に容易に組み込むことができる。もう一度図159を参照すると、本発明のタンクフィルタ146は、最初に絶縁液体材料762に挿入されることが分る。次に、これを硬化すると、これは、タンクフィルタ146を所定位置に保持する。更に、これは、タンクフィルタ146の金属被覆表面764及び766が、654’の底部に短絡しないようにするという点で別の重要な機能も達成する。更に、材料762は、非導電性ワッシャ又は熱硬化非導電性ポリマーなどとすることができる。一般的に熱硬化導電性ポリマーで作られる電気的結合768が存在し、これは、一般的にプラチナスプライン634及びカップ654’アセンブリと、本発明の新しいタンク146の外側直径終端部766との間に電気的結合を作る。同様の材料770を用いる対応する電気的結合が存在し、これは、本発明の新しいタンク146の内側直径金属被覆764と台支柱リードワイヤ772との間を結合する。代替的な電気的結合材料768及び770はまた、従来技術で典型的な半田、ろう付け、及び溶接などの群のものとすることができるであろう。図159を参照すると、周囲のシリンダ654’には大きな利点があることが分る。誘導子及びコンデンサ要素から成る幾分敏感な電子装置は、今や周囲の金属材料で機械的に保護されている。これは、医師が移植中には、アセンブリ全体が捻られて螺旋TIP632が身体組織内にねじ込まれるが、その間に内部コンデンサ及び誘導子要素が完全に保護されてこれらの力に露出されないことを意味する。患者環境における現行の適用では、心臓の拍動毎に関連する応力が掛かり、これは、このアセンブリ全体を疲労させ、衝撃及び振動荷重が引き起こされる可能性が高い。ここでもまた、敏感なコンデンサ及び誘導子要素146を完全に封入することにより、それらは、このような力から保護される。図159に示すアセンブリには、それが完全に密封されている点で別の利点がある。密封端子アセンブリは、最初に、従来技術の金ろう付け又はガラス密封技術を用いて形成される。この密封シールサブアセンブリは、フェルール774と、アルミナセラミック絶縁体776(又は、ガラス又は均等物)と、形態772、778、及び780から成る独特の台支柱単体アセンブリ758’とで構成されることになる。典型的にアルミナから成る任意的なスペーサワッシャ782を用いて、台形態778がフェルール774に短絡するのを防止する。これらは、電気的に絶縁関係に維持されることが非常に重要である。全ての従来技術装置におけるように、身体組織にねじ込まれるように設計された螺旋632は、点638で台778にレーザ溶接で取り付けられる。
ここで、密封端子シールアセンブリに戻ると、アルミナセラミック776と金属継ぎ目772及び774との間を取り付ける金ろう付け784及び786により密封シールが形成されることが分る。典型的にチタンの層、次にモリブデンの層でスパッタリングすることによってアルミナセラミック776が最初に調製される典型的な第1の作業は示されていない。第1の層は、接着層であり、第2の層は、金ろう付けで良好に湿潤される。これは、全て、従来技術で公知である。全密封シールサブアセンブリは、次に、788に示すような連続的な360度レーザ溶接でレーザ溶接される。これは、本発明の新しいタンクフィルタを完全に密封する。
もう一度図159を参照すると、能動固定遠位TIPアセンブリのハウジング630の外側直径と同一平面状にある末端キャップ656’が存在することも分る。上述のように、これは、最後の段階としてアセンブリ全体を所定位置にネジ込んだ後に加えられることになる。図159は、完成アセンブリの外側直径の周りに654’から成る絶縁スリーブ(図示せず)も有することができることは明らかであろう。更に、アセンブリ全体は、上述のようにパリレン被覆することができると考えられる(これも図示せず)。末端キャップ656’に戻って参照すると、これは、所定位置658にレーザ溶接されることが分る。レーザ溶接658が360度であることは必ずしも必要ではない。実際、組立てを容易にするために、それを数箇所だけに点在させるであろう。
タンクフィルタ146のコンデンサ誘導子要素を能動固定TIP628のハウジング630内に有する別の利点は、それによってこれらの繊細な電子構成要素に相当な程度の保護が与えられることである。医師及び他の医療従事者は、多くの場合にリードシステムの取り扱いに評判が悪い。物をそれに落とし、移動し、又は置いたりする可能性がある。従って、これらの装置を金属ハウジング内に入れることは、非常に望ましい。
図160には、従来技術の神経刺激電極プローブ540又は従来技術で公知の共通切除プローブ又はカテーテルが示されている。図から分るように、多くの刺激電極542〜542”’が存在する。この特定の用途では、末端部544は、絶縁されている
図161は、従来技術のプローブ540、神経刺激TIP、又は図160のカテーテルであり、本発明の新しいMLCC−Tタンクフィルタ146及び146’(簡単にするために146”及び146’”は図示せず)を含めるために再度示したものである。この特定の場合では、これらのタンクフィルタは、図141又は図142に示すものに類似する。これらは、刺激電極542、542’と共に配置される等々であることが分る。図示のように、必要に応じていくらでも多く積み上げることができる。これは、本発明の新しいタンクフィルタを刺激リングの各々と直列に配置し、それによってMRI誘発RF電流が流れるのを制限/防止する効果を有する。
本発明の特徴は、従来の低域EMIフィルタ機能が、依然として非常に広帯域の性質のAIMDの入力部に提供されることである。しかし、戦略的にリードワイヤシステム内に配置された新しいタンクフィルタを用いることにより、特定のMRIパルス周波数を制御することも依然として非常に望ましい場合がある。これは、リードワイヤシステムに沿う遠位TIPにおけるものか、又はリードワイヤがAMIDハウジングに進入する点におけるものとすることができる。これは、本発明の新しいタンクフィルタ146〜146”’が、リードワイヤが進入する点に戦略的に配置されて示されている(図2と比較)図162を参照することによって最も良好に理解される。
ここで、図163を参照すると、先に図3に示したような従来技術の広帯域のローパス貫通コンデンサ120が見られる。この場合、リードワイヤ104aは、不連続な釘頭セグメント550及び552に分けられている。本発明の新しいMLCC−T344”は、図87から取ったように示されている。この新しいタンクフィルタ回路は、位置決め板554内に配置される。この位置決め板は、アルミナセラミック、プラスチック、又は新しい誘導子タンクチップMLCC−T344”を位置決めするのに適するあらゆる他の絶縁材料とすることができる。更に、この薄い板554は、米国特許第6、999、818号に説明するような誘導子スラブとすることができる。リードワイヤセグメント550及び552と新しいMLCC−T344”との電気取付部は、電気的結合材料556及び558により行われる。これらの電気的結合材料は、熱硬化導電性接着剤、半田、又はろう付けなどとすることができる。MLCC−T344”がリードワイヤと直列に存在すると、選択したMRIパルス周波数でのAIMDの敏感な内部電子素子に対する遥かに高度な保護が得られる。更に、これは、AIMDのリードワイヤシステム内に非常に高いインピーダンスを示す。これは、AIMDリードワイヤの等価回路が、複数のループである多くの直列インダクタンス要素、抵抗性要素、及び並列キャパシタンス要素から成り、リードワイヤシステム全体内で共鳴するためである。従って、本発明のMLCC−タンクフィルタを遠位TIPにのみ配置しても、AIMD近くのリードワイヤシステムが過熱する問題を防止しない可能性がある。例としてペースメーカーを用いると、AIMDに密接に隣接するリードワイヤが過熱すると、静脈切除(鎖骨下静脈の火傷)又は食道切除又は火傷が起こる可能性があることが文献に示されている。従って、AIMD近くのリードワイヤシステムに高いインピーダンスがあると、リードワイヤ電流及び関連する加熱が減少又は排除されることになるために特に利点が生じる。
図164は、従来技術の広帯域貫通コンデンサフィルタ120と直列に本発明のMLCC−Tタンクフィルタ146を設置する代替的な方法を示している。図165は、先に図65及び図68〜図73に説明した同軸コンデンサの全てが従来技術の貫通コンデンサ120と組み合わせて用いられ、図163及び図164に関連して上述の望ましい特性を達成することができる様子を示している。
図166は、先に図163〜165に示す新しいMLCC−Tタンクフィルタの概略図である。本発明のMLCC−タンクフィルタ回路146が、従来技術貫通コンデンサ120と直列に配置されているのが分る。これは、単極(1)、双極、三極、四極、又は必要に応じて多くのリードとすることができる。ある一定の心臓療法の用途では、これらの最大で12又はそれよりも多くが並列に存在することができるであろう。更に、新しいMLCC−Tタンクフィルタを組み込んだ本発明は、様々な種類のロボット的又は遠隔的に制御される外科的手術に対して非常に有用である。例えば、遠隔制御手術では、一般的に、BOVIナイフのような電気メス装置が用いられる。実時間MRIリッジが必要になる体内に配置されるあらゆるものは、その電子素子が過熱又は損傷する影響から保護されるべきである。従って、本発明は、ロボット的に制御される外科的手術のいずれにも適応可能である。
図167及び図168の背景として、左心室(LV)リードワイヤ移植片は、この業界では益々一般的になっている。リードワイヤを右心房及び右心室に配置することは比較的容易である。リードワイヤを左心室の外側の静脈系に入れるのはこれよりも困難である。これは、一般的に、ガイドワイヤを右心房まで下ろし、冠状静脈洞を通って上るように経路を形成し、次にガイドワイヤを配置する正しい血管を選択することによって行われる。能動型埋め込み医療装置リードワイヤは、次に、2つの技術のうちの1つにより経路指定される。「オーバー・ザ・ワイヤ」と呼ばれる1つの技術では、AIMDリードワイヤは、正しいLV位置になるまでガイドワイヤに沿って経路指定される。「ザ・スルー・ワイヤ」と呼ばれる別の技術では、AIMDリードワイヤの内側直径及び遠位TIPが中空であり、それによってガイドワイヤ上を滑って左心室の外側の位置まで全部を滑ることができる。ガイドワイヤは、次に引き出され、AIMDリードワイヤが適切に所定位置に残される。従って、本発明では、同様の中心内腔を有するリードワイヤと嵌合させるために、中空の中心内腔を有する新しい「MRI帯域消去フィルタ」を用いることが必要とされている。
図167は、図125の遠位TIPの修正を示している。遠位TIPを通り、本発明の帯域消去フィルタを通って進み、心臓ペースメーカー102のような埋込み型医療装置まで経路指定されることになるリードワイヤ104”まで延びる中心内腔穴103が加えられていることが分る。中心内腔103により、ガイドワイヤ105は、最初に、心室の1つに、又はLV移植の場合には冠状静脈洞を通って左心室の外側の静脈系内までのいずれかの適正な位置に配置することができる。中心内腔103により、その遠位TIPを含むリードワイヤシステム全体は、LVの外側の正しい位置まで経路指定されるまでガイドワイヤ105を覆って摺動させることができる。この点に関しては、ガイドワイヤ105は、最初に、医師が実時間蛍光透視法又は同様の撮像技術を用いて配置する。AIMDリードワイヤが適正な位置まで摺動された状態で、次に、医師がガイドワイヤ105を抜き出し(引き出し)、それによって遠位TIP142及び関連するリードワイヤを左心室の外側の適正な位置に残す。
今度は図168を参照すると、これは、先に図32及び図35に説明した管状セラミック遠位TIPアセンブリの適応例であることが分る。ガイドワイヤ105が中心を通って全部を滑ることができるように設けられた中心内腔103が存在する。これは、先に図167に示すものと同一の目的を有する。この場合、近接して離間し、管状コンデンサ168の周りに巻かれた外部リードワイヤのインダクタンスにより、並列L−C帯域消去フィルタが生成される。電気取付部405及び390により、本発明の並列L−C帯域消去フィルタを形成する回路が完成する。先に図167に説明したように、最初に、ガイドワイヤ105を所定位置に配置し、次に、リードワイヤ及びその遠位TIPを正しい位置になるまで摺動させ、次に、ガイドワイヤ105を抜き出す。
図169は、先に図32及び図35に説明した単一壁セラミック管状コンデンサから全体的に取った図167及び図168に類似する適応例の断面図である。図169では、単一壁管状セラミックコンデンサ220が存在することが分る。コンデンサ220の外側直径の周りには、誘導子渦巻380が配置されている。誘導子の渦巻は、薄い矩形形状を有し、フォトリソグラフィ、選択的電気メッキ、及び渦巻インク印刷などを含む様々な技術で付加することができる。内側直径全体は、従来技術により金属化406される。ガイドワイヤ105を配置するために、任意的な中心内腔103が設けられる。埋込み型医療装置からの遠位TIPリードワイヤ104’は、誘導子渦巻380の一端の配置点390に取り付けて示されている。これは、一般的にレーザ溶接などで行われる電気機械的な取り付けである。ポリイミド、シリコーン、又はパリレンのような絶縁保護コーティングを含む生体適合性のある電気絶縁層109が、ここに示す構造の外面を実質的に囲む。遠位TIPリードワイヤ104’は、一般的に、RING電極144の内部に巻かれる。例えば、心臓ペースメーカー用途では、RING電極線104が、位置390’でRING144に取り付けられる。RING電極リードワイヤ104は、リードワイヤ104及び104’が互いに電気的に分離するように第2の絶縁層107’の周りに巻かれる。RING144は、絶縁保護コーティング109の周囲表面の周りに配置されることに注意されたい。
渦巻状に巻かれた誘導子トレース層380は、先に図168に上述のものと同様の構造を形成する。しかし、図169では、誘導子トレース380は、比較的薄く、比較的幅が広い可能性が高い。それによって内側電極金属被覆406の間に有効に重なり領域が作られ、それによって故意に高度な分配キャパシタンスがもたらされる。これらの分配キャパシタンスは、図170に示されている概略図に見られる。これらの分配キャパシタンスが全て並列であるために、等価回路は、本発明のMRI帯域消去L−Cフィルタの実施形態である図171に示されている。当業者はまた、図68〜図77を参照して、これらのいずれも図169に示すような構造に容易に適応させることができることを見ることができる。
図169は、図8及び図17の原理を共に組み合わせている。図169を参照すると、能動型埋め込み医療装置100のハウジング102が見られる。能動型埋め込み医療装置の内部には、リードワイヤ104が絶縁密封貫通端子792を通って現れる電子回路基板790が含まれ、これには、先に図3、図4、図5、図6、及び図7にも示すような従来技術の貫通コンデンサが含まれる。リードワイヤ104は、遠位TIP142に直接隣接する本発明の新しいタンクフィルタ146に導かれる。図169に戻ると、これは、MRI適合性システムを形成する。この場合には、貫通コンデンサの値を十分に高いものとし、MRIパルスRF信号が、このようなEMIが回路基板790の適切な作動に干渉する可能性があるAIMDハウジング102の内部に入るのを妨げるようにすべきである。本発明を通して説明したように、遠位TIPタンク146は、MRI電流が遠位TIP近傍又はそれを流れるのを停止させる働きをし、それによって過熱を防止する。更に、このタンクは、リードワイヤ104に沿う他の位置に配置することができ、これには、先に図162〜図165に示すような貫通コンデンサ792に直接隣接するか又はその内部を含む。従って、本発明の遠位TIPタンク146は、ここに示すような受動貫通コンデンサローパスフィルタ792と協調したシステムとして作用することが分る。
説明のためにある程度詳細にいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。従って、本発明は、特許請求の範囲による以外は制限されないものとする。
100 能動型埋め込み医療装置システム
102 ハウジング
104 リードワイヤ
102 ハウジング
104 リードワイヤ
Claims (42)
- 能動医療装置(AMD)と、
前記AMDから延びるリードワイヤと、
誘導子に並列のコンデンサを含み、該並列コンデンサ及び誘導子が、前記リードワイヤと直列に配置され、キャパシタンス及びインダクタンスの値が、選択した周波数でフィルタが共鳴するように選択される、該選択した周波数で該リードワイヤを通る電流を減衰させるための該リードワイヤに関連する帯域消去フィルタと、
ガイドワイヤの選択的かつ摺動可能な通過を可能にする前記帯域消去フィルタを通る通路と、
を含むことを特徴とする医療装置。 - 前記AMDは、移植蝸牛刺激装置、圧電サウンドブリッジ変換器、神経刺激器、脳刺激器、心臓ペースメーカー、補助人工心臓、人工心臓、薬物ポンプ、骨成長刺激器、骨融合刺激器、尿失禁装置、疼痛寛解脊髄刺激器、抗振戦刺激器、胃刺激器、埋込み型電気除細動器、pHプローブ、うっ血性心不全装置、カプセルカメラ、神経調節器、心血管性ステント、整形外科用移植片、外部インシュリンポンプ、外部薬物ポンプ、外部神経刺激器、ホルターモニタ、外部プローブ、又はカテーテルを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記帯域消去フィルタの全Qを低減するために、前記誘導子のQは、相対的に最大にされ、前記コンデンサのQは、相対的に最小にされることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記誘導子の前記Qは、該誘導子における抵抗損失を最小にすることによって相対的に最大にされることを特徴とする請求項3に記載の装置。
- 前記コンデンサの前記Qは、該コンデンサの等価直列抵抗を上げることによって相対的に最小にされることを特徴とする請求項3に記載の装置。
- 前記帯域消去フィルタの前記全Qは、選択した周波数の範囲に沿って前記リードワイヤを通る電流を減衰させるために低減されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
- 前記選択した周波数の範囲は、複数のMRIパルス周波数を含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
- 前記コンデンサの前記等価直列抵抗は、
前記コンデンサの電極板の厚みを低減する段階、
高抵抗性コンデンサ電極材料を用いる段階、
誘電粉末を電極インクに加える段階、
前記コンデンサの前記電極板に開口、間隙、スリット、又はスポークを設ける段階、
別々の個別の抵抗器を前記コンデンサと直列に設ける段階、
抵抗性電気取付材料を前記コンデンサに対して用いる段階、又は
前記選択した周波数で高誘電損失正接を有するコンデンサ誘電体を用いる段階、
のうちのいずれか1つ又はその組合せによって増大される、
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。 - 前記帯域消去フィルタは、前記リードワイヤの遠位先端に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記帯域消去フィルタは、TIP電極内に統合されていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 前記帯域消去フィルタは、RING電極内に統合されていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
- プローブ又はカテーテルを含み、
前記帯域消去フィルタは、前記プローブ又はカテーテルのTIP又はRING電極に付随し、
前記帯域消去フィルタの前記全Qは、選択した周波数の範囲に沿って前記リードワイヤを通る電流を減衰させるために低減される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 前記通路は、前記帯域消去フィルタ及び遠位先端電極を通して延び、前記AMD及び前記リードワイヤの長さにわたる前記ガイドワイヤの摺動可能な通過を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記リードワイヤは、前記AMDの出力に接続していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記リードワイヤは、前記コンデンサの周りに緊密に巻かれ、遠位先端電極及び前記コンデンサと導電的に結合された時にL−C帯域消去フィルタを形成することを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記コンデンサの外径の周りに置かれた渦巻誘導子を更に含み、
前記渦巻誘導子及び前記コンデンサは、L−C帯域消去フィルタを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 前記渦巻誘導子は、薄い矩形形状を含むことを特徴と刷る請求項16に記載の装置。
- 前記渦巻誘導子及び前記コンデンサは、電気絶縁層によって電気的に隔離されていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
- 遠位先端リードワイヤが、前記電気絶縁層の周囲表面の周りに配置されたリングに装着されたRING電極の内側に巻かれていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
- 前記遠位先端リードワイヤ及び前記RING電極は、前記電気絶縁層を通じて電気絶縁状態に保たれていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
- 前記帯域消去フィルタは、体液から密封されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 導体と直列に置かれ、かつキャパシタンスと並列に電気インダクタンスを有し、それによって選択した周波数帯域で電流を減衰させるタンクフィルタ、
を含み、
前記タンクフィルタは、
前記導体及び電極に電気的に接続した管状コンデンサと、
前記導体及び前記電極と電気的に接続され、前記コンデンサ内に配置された強磁性コアの回りに巻かれた渦巻を含む誘導子と、
強磁場を生成して、静磁場の存在下で誘導子の飽和を低減又は防止するために該誘導子の上に配置されたスリーブと、
ガイドワイヤの選択的かつ摺動可能な通過を可能にする通路と、
を含む、
ことを特徴とする医学的治療装置。 - 前記スリーブは、ニッケルから成ることを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 前記コンデンサは、一端でTIP電極及び反対端でキャップに取り付けられ、前記誘導子及び前記スリーブを入れる密封ハウジングを作り出すことを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 能動医療装置(AMD)のリードワイヤのための帯域消去フィルタであって、
並列のコンデンサ及び誘導子の組合せが、リードワイヤと直列に置かれ、かつキャパシタンス及びインダクタンスの値が、選択された周波数で帯域消去フィルタが共鳴するように選択された、誘導子に並列のコンデンサと、
帯域消去フィルタを通って延び、ガイドワイヤの選択的かつ摺動可能な通過を可能にする通路と、
を含むことを特徴とするフィルタ。 - 前記AMDは、移植蝸牛刺激装置、圧電サウンドブリッジ変換器、神経刺激器、脳刺激器、心臓ペースメーカー、補助人工心臓、人工心臓、薬物ポンプ、骨成長刺激器、骨融合刺激器、尿失禁装置、疼痛寛解脊髄刺激器、抗振戦刺激器、胃刺激器、埋込み型電気除細動器、pHプローブ、うっ血性心不全装置、カプセルカメラ、神経調節器、心血管性ステント、整形外科用移植片、外部インシュリンポンプ、外部薬物ポンプ、外部神経刺激器、ホルターモニタ、外部プローブ、又はカテーテルを含むことを特徴とする請求項25に記載の帯域消去フィルタ。
- 前記リードワイヤは、外部着用リードワイヤを含むことを特徴とする請求項25に記載の帯域消去フィルタ。
- 前記リードワイヤの遠位先端に隣接して該リードワイヤの長さに沿って選択された位置に又は前記AMDのためのハウジングの内側に配置されていることを特徴とする請求項25に記載の帯域消去フィルタ。
- TIP電極内に統合されていることを特徴とする請求項28に記載の帯域消去フィルタ。
- RING電極内に統合されていることを特徴とする請求項28に記載の帯域消去フィルタ。
- 帯域消去フィルタの全Qを低減するために、前記誘導子のQは、相対的に最大にされ、前記コンデンサのQは、相対的に最小にされることを特徴とする請求項25に記載の帯域消去フィルタ。
- 前記誘導子の前記Qは、該誘導子における抵抗損失を最小にすることによって相対的に最大にされ、
前記コンデンサの前記Qは、該コンデンサの等価直列抵抗を上げることによって相対的に最小にされる、
ことを特徴とする請求項31に記載の帯域消去フィルタ。 - 帯域消去フィルタの前記全Qは、選択した周波数の範囲に沿って前記リードワイヤを通る電流を減衰させるために低減されることを特徴とする請求項32に記載の帯域消去フィルタ。
- 前記コンデンサの前記等価直列抵抗は、
前記コンデンサの電極板の厚みを低減する段階、
高抵抗性コンデンサ電極材料を用いる段階、
誘電粉末を電極インクに加える段階、
前記コンデンサの前記電極板に開口、間隙、スリット、又はスポークを設ける段階、
別々の個別の抵抗器を前記コンデンサと直列に設ける段階、
抵抗性電気取付材料を前記コンデンサに対して用いる段階、又は
前記選択した周波数で高誘電損失正接を有するコンデンサ誘電体を用いる段階、
のうちのいずれか1つ又はその組合せによって増大される、
ことを特徴とする請求項33に記載の帯域消去フィルタ。 - 前記選択した周波数の範囲は、複数のMRIパルス周波数を含むことを特徴とする請求項33に記載の帯域消去フィルタ。
- 能動医療装置(AMD)と、
前記AMDから延び、TIP、RING、又はPAD電極を有するプローブ又はカテーテルと、
前記プローブ又はカテーテルを通って延び、ガイドワイヤの摺動可能な通過を可能にする通路と、
選択した周波数で前記プローブ又はカテーテルを通る電流を減衰させるための該カテーテル又はプローブ電極に付随する帯域消去フィルタと、
を含み、
前記帯域消去フィルタは、誘導子に並列のコンデンサを含み、該並列コンデンサ及び誘導子は、前記プローブ又はカテーテル電極と直列に置かれ、
キャパシタンス及びインダクタンスの値は、前記選択した周波数で前記帯域消去フィルタが共鳴するように選択され、
前記帯域消去フィルタの全Qは、選択した周波数の範囲に沿ってリードワイヤを通る電流を減衰させるために低減される、
ことを特徴とする医療装置。 - 前記帯域消去フィルタの全Qを低減するために、前記誘導子のQは、相対的に最大にされ、前記コンデンサのQは、相対的に最小にされることを特徴とする請求項36に記載の装置。
- 前記誘導子の前記Qは、該誘導子における抵抗損失を最小にすることによって相対的に最大にされることを特徴とする請求項37に記載の装置。
- 前記コンデンサの前記Qは、該コンデンサの等価直列抵抗を上げることによって相対的に最小にされることを特徴とする請求項37に記載の装置。
- 前記選択した周波数の範囲は、複数のMRIパルス周波数を含むことを特徴とする請求項36に記載の装置。
- 前記コンデンサの前記等価直列抵抗は、
前記コンデンサの電極板の厚みを低減する段階、
高抵抗性コンデンサ電極材料を用いる段階、
前記コンデンサの前記電極板に開口、間隙、スリット、又はスポークを設ける段階、
抵抗性電気取付材料を前記コンデンサに対して用いる段階、又は
前記選択した周波数で高誘電損失正接を有するコンデンサ誘電体を用いる段階、
のうちのいずれか1つ又はその組合せによって増大される、
ことを特徴とする請求項40に記載の装置。 - 前記AMDは、移植蝸牛刺激装置、圧電サウンドブリッジ変換器、神経刺激器、脳刺激器、心臓ペースメーカー、補助人工心臓、人工心臓、薬物ポンプ、骨成長刺激器、骨融合刺激器、尿失禁装置、疼痛寛解脊髄刺激器、抗振戦刺激器、胃刺激器、埋込み型電気除細動器、pHプローブ、うっ血性心不全装置、カプセルカメラ、神経調節器、心血管性ステント、整形外科用移植片、外部インシュリンポンプ、外部薬物ポンプ、外部神経刺激器、ホルターモニタ、外部プローブ、又はカテーテルを含むことを特徴とする請求項36に記載の装置。
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