JP2009045034A - 耐久力向上剤および耐久力向上剤配合食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷が与えられた後における瞬発力および同負荷の運動を実行し続け得る持久力の向上、すなわち耐久力の向上を図ることができる耐久力向上剤を提供する。
【解決手段】γ−アミノ酪酸を含むことを特徴とする耐久力向上剤。また、γ−アミノ酪酸を配合可能な飲食品とからなることを特徴とする耐久力向上剤配合食品、具体的には、スポーツドリンクである。γ−アミノ酪酸の、耐久力向上が求められる運動において摂取される摂取量としては、具体的な運動量、年齢等によって適宜調節されるが、通常、成人であれば、50mg以上であることが好ましく、なかでも50mg〜3gの範囲内であることが好ましく、特に、50mg〜1gの範囲内であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】γ−アミノ酪酸を含むことを特徴とする耐久力向上剤。また、γ−アミノ酪酸を配合可能な飲食品とからなることを特徴とする耐久力向上剤配合食品、具体的には、スポーツドリンクである。γ−アミノ酪酸の、耐久力向上が求められる運動において摂取される摂取量としては、具体的な運動量、年齢等によって適宜調節されるが、通常、成人であれば、50mg以上であることが好ましく、なかでも50mg〜3gの範囲内であることが好ましく、特に、50mg〜1gの範囲内であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、負荷が与えられた後における瞬発力および同負荷の運動を実行し続け得る持久力の向上、すなわち耐久力の向上を図ることができる耐久力向上剤に関するものである。
運動時において、負荷が与えられた後における瞬発力および同負荷の運動を実行し続け得る持久力の向上、すなわち耐久力の向上は、耐久力を必要とする運動や筋肉労作を繰り返し行う必要のある労働等を始めとする広義の運動を行うに際して強く求められている。
このような要求に対して、食品として簡単に摂取することで、持久力の向上を図る素材がいくつか報告されている。その内容の多くは、長時間に渡る運動で消耗した栄養成分を補うことを目的としたものである。例えば、特許文献1では、エネルギー源として補給する飲料について開示されている。また、特許文献2では、エネルギー源として脂質からの代謝を促進する栄養補給組成物について開示されている。
しかしながら、負荷が与えられた後における瞬発力および同負荷の運動を実行し続け得る持久力の向上、すなわち耐久力の向上を図ることができる素材については報告されていない。
しかしながら、負荷が与えられた後における瞬発力および同負荷の運動を実行し続け得る持久力の向上、すなわち耐久力の向上を図ることができる素材については報告されていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、負荷が与えられた後における瞬発力および同負荷の運動を実行し続け得る持久力の向上、すなわち耐久力の向上を図ることができる耐久力向上剤を提供することを主目的とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、γ−アミノ酪酸を摂取することにより、運動時において耐久力の向上効果を発揮すること見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、γ−アミノ酪酸を含むことを特徴とする耐久力向上剤を提供する。
本発明によれば、γ−アミノ酪酸を摂取することにより、中枢神経に作用し、耐久力を向上させることができる。
本発明は、上記耐久力向上剤と、上記耐久力向上剤を配合可能な飲食品とからなることを特徴とする耐久力向上剤配合食品を提供する。
本発明によれば、上記耐久力向上剤を含有する食品とすることにより、上記耐久力向上剤を手軽に摂取することができる。
本発明によれば、上記耐久力向上剤を含有する食品とすることにより、上記耐久力向上剤を手軽に摂取することができる。
本発明においては、上記耐久力向上剤を配合可能な飲食品が、スポーツドリンクであることが好ましい。上記耐久力向上剤を配合可能な飲食品が、スポーツドリンクであることにより、スポーツ時など耐久力の向上が求められるシーンで、上記耐久力向上剤を手軽に摂取することができるからである。
本発明においては、負荷が与えられた後における瞬発力および同負荷の運動を実行し続け得る持久力の向上、すなわち耐久力の向上を図ることができる耐久力向上剤を提供できるという効果を奏する。
本発明は、耐久力向上剤およびそれを含む耐久力向上剤配合食品に関するものである。
以下、本発明の耐久力向上剤および耐久力向上剤配合食品について詳細に説明する。
以下、本発明の耐久力向上剤および耐久力向上剤配合食品について詳細に説明する。
A.耐久力向上剤
まず、本発明の耐久力向上剤について説明する。本発明の耐久力向上剤は、γ−アミノ酪酸を含むことを特徴とするものである。
まず、本発明の耐久力向上剤について説明する。本発明の耐久力向上剤は、γ−アミノ酪酸を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、γ−アミノ酪酸を摂取することにより、中枢神経に作用し、負荷が与えられた後における瞬発力および同負荷の運動を実行し続け得る持久力、すなわち耐久力の向上を図ることができる。このような耐久力の向上が図られることにより、運動により負荷が与えられた後においても、瞬発力の低下を抑制することができ、高い瞬発力を発揮することができる状態を維持することができると共に、同一負荷の運動をより長時間実施することを可能とする。
これまでの知見により、γ−アミノ酪酸は、中枢神経の中でも自律神経系に作用するであろうと考えられている。またその作用により、α波(脳波)が優位に発現し、リラックス効果がもたらされることも公知とされているが、本発明者らは、この自律神経系も含めた中枢神経への作用が、他の新効果をもたらすことを見出した。その新効果とは、運動時において、負荷が与えられた後における瞬発力および同負荷の運動を実行し続け得る持久力を向上させる効果である。
すなわち、γ−アミノ酪酸を摂取することにより、運動時において、γ−アミノ酪酸が視床下部の体温調節中枢に作用し、体の深部での体温の上昇が抑えられると推定される。また一方γ−アミノ酪酸が自律神経系に作用し、血圧、心拍数の上昇が抑えられると推定される。また、このようなことから、発汗量の減少、カロリー消費の減少や、疲労の低減等の好ましい効果が期待でき、運動時における持久力の向上を図ることができる。
また、明確ではないが、運動時における自律神経系も含めた中枢神経への作用により、運動後においても高負荷に耐え得る肉体的環境および集中力維持を可能とする精神的環境を得ることができると推定される。このようなことから、負荷が与えられた後においても瞬発力の低下を抑制し、高い瞬発力を維持するといった効果を発揮することができる。
(1)γ−アミノ酪酸
本発明に用いられるγ−アミノ酪酸は、野菜類、果物類、穀類、発酵食品等に幅広く含まれるアミノ酸の一種である。本発明に用いられるγ−アミノ酪酸としては、特に限定されるものではなく、例えば野菜類、果物類、穀類などから抽出されたγ−アミノ酪酸、醗酵食品から生産されるγ−アミノ酪酸、有機合成から生産されたγ−アミノ酪酸等を用いることができる。
本発明に用いられるγ−アミノ酪酸は、野菜類、果物類、穀類、発酵食品等に幅広く含まれるアミノ酸の一種である。本発明に用いられるγ−アミノ酪酸としては、特に限定されるものではなく、例えば野菜類、果物類、穀類などから抽出されたγ−アミノ酪酸、醗酵食品から生産されるγ−アミノ酪酸、有機合成から生産されたγ−アミノ酪酸等を用いることができる。
本発明に用いられるγ−アミノ酪酸の、耐久力向上が求められる運動において摂取される摂取量としては、具体的な運動量、年齢等によって適宜調節されるが、通常、成人であれば、50mg以上であることが好ましく、なかでも50mg〜3gの範囲内であることが好ましく、特に、50mg〜1gの範囲内であることが好ましい。上記範囲とすることにより、耐久力の向上を効果的に図ることができるからである。
また、本発明においては、一日のうちに耐久力向上が求められる運動が複数回実施される場合には、それぞれの運動毎にγ−アミノ酪酸が摂取されるものであっても良いが、一日に摂取されるγ−アミノ酪酸の総量が3g以内であることが好ましい。
また、本発明においては、一日のうちに耐久力向上が求められる運動が複数回実施される場合には、それぞれの運動毎にγ−アミノ酪酸が摂取されるものであっても良いが、一日に摂取されるγ−アミノ酪酸の総量が3g以内であることが好ましい。
(2)耐久力向上剤
本発明の耐久力向上剤の提供形態としては、上述したγ−アミノ酪酸単体であっても良いが、上記耐久力向上剤にでんぷんや乳糖等の賦形剤を添加し、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤としたものであっても良い。また、本発明の耐久力向上剤を、食品に添加して提供することもできる。
本発明の耐久力向上剤の提供形態としては、上述したγ−アミノ酪酸単体であっても良いが、上記耐久力向上剤にでんぷんや乳糖等の賦形剤を添加し、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤としたものであっても良い。また、本発明の耐久力向上剤を、食品に添加して提供することもできる。
本発明の耐久力向上剤の一日のうちの摂取タイミングについては、耐久力向上が求められる運動において摂取されるものであれば良いが、一日のうちに上記運動が複数回実施される場合には、それぞれの運動毎であっても良く、一日のうちで最初に実施される運動時のみの一回であっても良い。本発明においては、なかでも、上記耐久力向上剤がそれぞれの運動毎に摂取されるものであることが好ましい。耐久力向上効果を効果的に発揮することができるからである。
また、本発明の耐久力向上剤の、耐久力向上が求められる運動における摂取タイミングとしては、運動の開始前であることが好ましく、なかでも、運動開始時より0分前〜60分前の範囲内であることが好ましく、特に20分前〜30分前の範囲内であることが好ましい。上記範囲であることにより、摂取したγ−アミノ酪酸が、運動開始時には全身に行き渡らせることができ、効果的に耐久力向上を図ることができるからである。
B.耐久力向上剤配合食品
次に、本発明の耐久力向上剤配合食品について説明する。本発明の耐久力向上剤配合食品は、上記耐久力向上剤と、上記耐久力向上剤を配合可能な飲食品とからなることを特徴とするものであり、上記耐久力向上剤を配合可能な飲食品に、上記耐久力向上剤を配合することにより得ることができる。
次に、本発明の耐久力向上剤配合食品について説明する。本発明の耐久力向上剤配合食品は、上記耐久力向上剤と、上記耐久力向上剤を配合可能な飲食品とからなることを特徴とするものであり、上記耐久力向上剤を配合可能な飲食品に、上記耐久力向上剤を配合することにより得ることができる。
本発明によれば、上記耐久力向上剤を含有する食品とすることにより、耐久力の向上に効果のある耐久力向上剤を手軽に摂取することができる。
(1)耐久力向上剤を配合可能な飲食品
本発明において用いられる耐久力向上剤配合食品としては、上記耐久力向上剤を含有することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えばコーヒー、牛乳、果汁、茶類抽出液、ココア、炭酸飲料、スポーツドリンク、スープ等の飲料や、錠菓、チョコレート、ガム、ゼリー、パン等の菓子類、ヨーグルト、チーズ等の乳製品類、アイスクリーム、シャーベット等の氷菓、ジャム、マーマレード等の果実、野菜の加工食品類、醤油、味噌、マヨネーズ、ソース、砂糖等の調味料類、ハム、ソーセージ等の畜肉製品類、魚肉ソーセージ、かまぼこ等の魚肉製品類などが挙げられる。また、ガムシロップやミルク等のポーションタイプの飲料用携帯濃縮液や、サプリメント等の健康食品なども挙げることができる。なお、上述した例示は、加工食品の一例を挙げたものであり、本発明に用いられる耐久力向上剤を配合可能な食品としては、あらゆる加工食品を用いることができる。
本発明において用いられる耐久力向上剤配合食品としては、上記耐久力向上剤を含有することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えばコーヒー、牛乳、果汁、茶類抽出液、ココア、炭酸飲料、スポーツドリンク、スープ等の飲料や、錠菓、チョコレート、ガム、ゼリー、パン等の菓子類、ヨーグルト、チーズ等の乳製品類、アイスクリーム、シャーベット等の氷菓、ジャム、マーマレード等の果実、野菜の加工食品類、醤油、味噌、マヨネーズ、ソース、砂糖等の調味料類、ハム、ソーセージ等の畜肉製品類、魚肉ソーセージ、かまぼこ等の魚肉製品類などが挙げられる。また、ガムシロップやミルク等のポーションタイプの飲料用携帯濃縮液や、サプリメント等の健康食品なども挙げることができる。なお、上述した例示は、加工食品の一例を挙げたものであり、本発明に用いられる耐久力向上剤を配合可能な食品としては、あらゆる加工食品を用いることができる。
本発明においては、上述した中でも飲料であることが好ましく、特にスポーツドリンクであることが好ましい。飲料であることで、上記耐久力向上剤の摂取が容易になるからである。また、スポーツドリンクは、発汗により失われた水分・電解質をスムーズに補給する目的で、生活のあらゆるシーンで利用されている飲料であり、特にスポーツ時において好適に摂取されるものである。このため、上記耐久力向上剤を配合可能な食品が、スポーツドリンクであることにより耐久力の向上が求められる運動前に耐久力向上剤の摂取が容易になるからである。
このようなスポーツドリンクの成分としては、一般に市販されているスポーツドリンクに含有される成分と同様または同類の成分であれば特に限定されるものではなく、例えば水、果汁、糖分、香料、酸味料、甘味料、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、タンパク質等を含有するものとすることができる。
(2)耐久力向上剤配合食品
上記耐久力向上剤配合食品は、上述した耐久力向上剤を配合可能な飲食品に上記耐久力向上剤を添加することによって得ることができるものである。
上記耐久力向上剤配合食品は、上述した耐久力向上剤を配合可能な飲食品に上記耐久力向上剤を添加することによって得ることができるものである。
本発明に用いられる耐久力向上剤配合食品に含まれる、上記耐久力向上剤の含有量としては、運動量等にもよるが、上記耐久力向上剤配合食品を摂取することにより摂取されるγ−アミノ酪酸の摂取量が、上記「A.耐久力向上剤」の項に記載したものとなるような含有量であることが好ましい。
また、本発明において、上記耐久力向上剤配合食品の一日のうちの摂取タイミングおよび耐久力向上が求められる運動における摂取タイミングとしては、上記「A.耐久力向上剤」の項に記載したものと同様とすることができる。
本発明における上記耐久力向上剤配合食品の提供方法としては、例えば、上記飲食品が、スポーツドリンクである場合には、ペットボトル、缶等の携帯・破棄が容易な容器に入れて提供する提供方法を挙げることができる。また、通常、スポーツドリンクは、冷たいスポーツドリンクとして提供する提供方法が用いられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するもの、またはそれらの均等物は、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
1.耐久力向上剤配合スポーツドリンクの調製
水をベースとして、糖類3%、甘味料0.01%、酸味料0.10%、香料(適量)、電解質(適量)を含むスポーツドリンクを調製する。このスポーツドリンク200mlに耐久力向上剤(γ−アミノ酪酸)を1g添加し、耐久力向上剤配合スポーツドリンクを得た。
1.耐久力向上剤配合スポーツドリンクの調製
水をベースとして、糖類3%、甘味料0.01%、酸味料0.10%、香料(適量)、電解質(適量)を含むスポーツドリンクを調製する。このスポーツドリンク200mlに耐久力向上剤(γ−アミノ酪酸)を1g添加し、耐久力向上剤配合スポーツドリンクを得た。
2.被験者の準備
持久力評価、瞬発力評価に用いる被験者として、下記表1に示す、健常な運動鍛錬者である男性10名を準備した。表1では、被験者の各項目における平均値±標準偏差を示す。
持久力評価、瞬発力評価に用いる被験者として、下記表1に示す、健常な運動鍛錬者である男性10名を準備した。表1では、被験者の各項目における平均値±標準偏差を示す。
[評価]
下記に示す実施手順により、実施例1で得た耐久力向上剤配合スポーツドリンクを被験者に飲用させ、「1.持久力評価」、「2.瞬発力評価」を行った。
下記に示す実施手順により、実施例1で得た耐久力向上剤配合スポーツドリンクを被験者に飲用させ、「1.持久力評価」、「2.瞬発力評価」を行った。
(実施手順)
(1)実施例1で調製した飲料を200ml飲用。
(2)人工気候室へ入室(35℃、湿度40%)。
(3)準備(各種センサーの取り付け)
(4)約20分間安静(安静時)。
(5)運動開始。自転車エルゴメーターで30分間の運動負荷(運動負荷:140〜150W(60%VO2max))を行った(運動時)。
(6)試験の終了。人工気候室を退室。
(7)25分間安静。
(8)自転車エルゴメーターで、体重の7.5%に相当する負荷をかけたペダルを30秒間全力ペダリングした。
(1)実施例1で調製した飲料を200ml飲用。
(2)人工気候室へ入室(35℃、湿度40%)。
(3)準備(各種センサーの取り付け)
(4)約20分間安静(安静時)。
(5)運動開始。自転車エルゴメーターで30分間の運動負荷(運動負荷:140〜150W(60%VO2max))を行った(運動時)。
(6)試験の終了。人工気候室を退室。
(7)25分間安静。
(8)自転車エルゴメーターで、体重の7.5%に相当する負荷をかけたペダルを30秒間全力ペダリングした。
1.持久力評価
上記の実施手順により負荷を与え、体温測定、心拍数の測定、発汗量測定、RPE測定を実施した。
上記の実施手順により負荷を与え、体温測定、心拍数の測定、発汗量測定、RPE測定を実施した。
(a)体温測定
安静時〜運動開始時〜回復時(実施手順(4)〜(7))の間、深部体温を測定した。深部体温(℃)としては、食道部(Tes)に温度センサーを接触させ温度を測定した。結果を図1に示す。図1中、横軸(時間軸)は、20分間の安静開始時を0分とし、運動終了時を50分とした。なお、図中の実線は、被験者全員の平均温度である。
安静時〜運動開始時〜回復時(実施手順(4)〜(7))の間、深部体温を測定した。深部体温(℃)としては、食道部(Tes)に温度センサーを接触させ温度を測定した。結果を図1に示す。図1中、横軸(時間軸)は、20分間の安静開始時を0分とし、運動終了時を50分とした。なお、図中の実線は、被験者全員の平均温度である。
(b)心拍数の測定
安静時〜運動時〜回復時(実施手順(4)〜(7))の間、心拍数(HR、単位bpm)を測定した。結果を図2に示す。図2において、横軸は、時間軸であり、20分間の安静開始時を0分とし、運動終了時を50分とした。なお、図中の実線は、被験者全員の平均心拍数である。
安静時〜運動時〜回復時(実施手順(4)〜(7))の間、心拍数(HR、単位bpm)を測定した。結果を図2に示す。図2において、横軸は、時間軸であり、20分間の安静開始時を0分とし、運動終了時を50分とした。なお、図中の実線は、被験者全員の平均心拍数である。
(c)発汗量測定
実施手順(1)後、および実施手順(6)後に体重を測定し、その体重の差から、発汗量の測定を行った。結果を図3に示す。なお、図中のグラフの棒は、被験者全員の平均発汗量(g)である。
実施手順(1)後、および実施手順(6)後に体重を測定し、その体重の差から、発汗量の測定を行った。結果を図3に示す。なお、図中のグラフの棒は、被験者全員の平均発汗量(g)である。
(d)RPE測定
実施手順(5)の自転車エルゴメーターで30分間の運動負荷時(運動時)において、運動開始から10分後、20分後、30分後に、被験者が感じる運動強度を、下記表2に記載の6〜20の数字を選択することによって、主観的運動強度(RPE:Rating of Perceived Exertion)の評価を行った。その結果を、図4に示す。なお、図中のグラフの棒は、被験者全員が感じたPREの平均値である。
実施手順(5)の自転車エルゴメーターで30分間の運動負荷時(運動時)において、運動開始から10分後、20分後、30分後に、被験者が感じる運動強度を、下記表2に記載の6〜20の数字を選択することによって、主観的運動強度(RPE:Rating of Perceived Exertion)の評価を行った。その結果を、図4に示す。なお、図中のグラフの棒は、被験者全員が感じたPREの平均値である。
2.瞬発力評価
実施手順(8)の30秒間の全力ペダリングを行い、被験者の体重あたりのピークパワー(W/kg)、ファティーグインデックス(FI:Fatigue index)を求めることにより瞬発力の評価を実施した。
実施手順(8)の30秒間の全力ペダリングを行い、被験者の体重あたりのピークパワー(W/kg)、ファティーグインデックス(FI:Fatigue index)を求めることにより瞬発力の評価を実施した。
ここで、被験者の体重あたりのピークパワー(W/kg)は、ウィンゲートテストにおける30秒間において発揮された最大のパワーを、被験者の体重あたりに換算したものでありW/kgで表される。
また、ファティーグインデックス(FI:Fatigue index)は、パワーの減少率を示すものであり、ウィンゲートテストにおける30秒間において発揮された、最大のパワー(PeakPower)と、PeakPower観測後の最低のパワー(LowestPower)とから、下記計算式により得られるものである。得られた結果を表3に示す。
FI(%)=100×(PeakPower−LowestPower)/PeakPower
なお、表3におけるコントロール(Control)は、スポーツドリンクとして耐久力向上剤非配合スポーツドリンクを摂取し、かつ実施手順(5)の30分間の運動負荷(一定負荷運動)を行わず、実施手順(8)のWingate testを行った場合における結果である。また、表3では、測定結果として、被験者全員の測定値の平均値±標準偏差で示す。
また、ファティーグインデックス(FI:Fatigue index)は、パワーの減少率を示すものであり、ウィンゲートテストにおける30秒間において発揮された、最大のパワー(PeakPower)と、PeakPower観測後の最低のパワー(LowestPower)とから、下記計算式により得られるものである。得られた結果を表3に示す。
FI(%)=100×(PeakPower−LowestPower)/PeakPower
なお、表3におけるコントロール(Control)は、スポーツドリンクとして耐久力向上剤非配合スポーツドリンクを摂取し、かつ実施手順(5)の30分間の運動負荷(一定負荷運動)を行わず、実施手順(8)のWingate testを行った場合における結果である。また、表3では、測定結果として、被験者全員の測定値の平均値±標準偏差で示す。
[比較例1]
耐久力向上剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてスポーツドリンクを調製したものを耐久力向上剤非配合スポーツドリンクとし、上述した「1.持久力評価」、「2.瞬発力評価」を行った。
なお、「1.持久力評価」として実施した体温測定、心拍数の測定、発汗量測定、PRE測定の測定結果を、それぞれ、図1、図2、図3、図4に示す。また、「2.瞬発力評価」として実施した被験者の体重あたりのピークパワー(W/kg)、ファティーグインデックス(FI:Fatigue index)の測定結果を表3に示す。
耐久力向上剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてスポーツドリンクを調製したものを耐久力向上剤非配合スポーツドリンクとし、上述した「1.持久力評価」、「2.瞬発力評価」を行った。
なお、「1.持久力評価」として実施した体温測定、心拍数の測定、発汗量測定、PRE測定の測定結果を、それぞれ、図1、図2、図3、図4に示す。また、「2.瞬発力評価」として実施した被験者の体重あたりのピークパワー(W/kg)、ファティーグインデックス(FI:Fatigue index)の測定結果を表3に示す。
図1より、耐久力向上剤非配合スポーツドリンク(比較例1)と比較して、実施例で調製した耐久力向上剤配合スポーツドリンクを摂取することにより、運動時における温度上昇が緩やかで、運動終了直後の体温は低い値を示した。
また、図2および図3より、心拍数および発汗量も少ないものとなった。
さらに、図4より、同負荷の運動時であっても、疲労感が少ないといった効果が確認された。
また、図2および図3より、心拍数および発汗量も少ないものとなった。
さらに、図4より、同負荷の運動時であっても、疲労感が少ないといった効果が確認された。
また、表3より、比較例において調製した耐久力向上剤非配合スポーツドリンクを摂取した場合に比べ、実施例1で調製した耐久力向上剤配合スポーツドリンクを摂取することにより、ピークパワーが高いものとなり、また、FIが低いものとなった。これより、耐久力向上剤配合スポーツドリンクを摂取することにより、運動負荷後においても、瞬発力が高い状態を維持する効果を発揮することが確認できた。
[実施例2]
1.耐久力向上剤配合スポーツドリンクの調製
耐久力向上剤(γ−アミノ酪酸)を50mg添加した以外は、実施例1と同様にしてスポーツドリンクを調製し、耐久力向上剤配合スポーツドリンクとした。
1.耐久力向上剤配合スポーツドリンクの調製
耐久力向上剤(γ−アミノ酪酸)を50mg添加した以外は、実施例1と同様にしてスポーツドリンクを調製し、耐久力向上剤配合スポーツドリンクとした。
2.被験者の準備
持久力評価、瞬発力評価に用いる被験者として、健常な運動鍛錬者である20代前半の男性2名を準備した。
持久力評価、瞬発力評価に用いる被験者として、健常な運動鍛錬者である20代前半の男性2名を準備した。
[評価]
実施例1で得た耐久力向上剤配合スポーツドリンクを被験者に飲用させ、上述した実施例1の実施手順(持久力評価)と同様の実施手順により負荷を与え、体温測定、心拍数の測定、発汗量測定を測定することにより、持久力の評価を行った。
なお、体温測定、心拍数の測定、発汗量測定は、実施例1と同様の方法により行い、結果をそれぞれ、図5〜7に示す。また、測定結果の値は、被験者2名の平均値であり、図5〜6に示す深部体温測定、心拍数測定の結果の横軸は、実施手順(5)の運動開始時を0秒として表したものである。
実施例1で得た耐久力向上剤配合スポーツドリンクを被験者に飲用させ、上述した実施例1の実施手順(持久力評価)と同様の実施手順により負荷を与え、体温測定、心拍数の測定、発汗量測定を測定することにより、持久力の評価を行った。
なお、体温測定、心拍数の測定、発汗量測定は、実施例1と同様の方法により行い、結果をそれぞれ、図5〜7に示す。また、測定結果の値は、被験者2名の平均値であり、図5〜6に示す深部体温測定、心拍数測定の結果の横軸は、実施手順(5)の運動開始時を0秒として表したものである。
[比較例2]
耐久力向上剤を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にしてスポーツドリンクを調製し、耐久力向上剤非配合スポーツドリンクとし、持久力の評価を行った。
なお、持久力の評価として実施した体温測定、心拍数の測定、および発汗量測定の測定結果は、それぞれ、図5〜7に示す。また、測定結果の値は、被験者2名の平均値であり、図5〜6に示す深部体温測定、心拍数測定の結果の横軸は、実施手順(5)の運動開始時を0秒として表したものである。
耐久力向上剤を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にしてスポーツドリンクを調製し、耐久力向上剤非配合スポーツドリンクとし、持久力の評価を行った。
なお、持久力の評価として実施した体温測定、心拍数の測定、および発汗量測定の測定結果は、それぞれ、図5〜7に示す。また、測定結果の値は、被験者2名の平均値であり、図5〜6に示す深部体温測定、心拍数測定の結果の横軸は、実施手順(5)の運動開始時を0秒として表したものである。
以上より、耐久力向上剤(γ−アミノ酪酸)の含有量が50mgであっても、持久力の向上を図ることが確認できた。
3.まとめ
以上より、耐久力向上剤を含む耐久力向上剤配合スポーツドリンクを摂取することにより、瞬発力および持久力向上効果を発揮することが確認できた。
以上より、耐久力向上剤を含む耐久力向上剤配合スポーツドリンクを摂取することにより、瞬発力および持久力向上効果を発揮することが確認できた。
Claims (3)
- γ−アミノ酪酸を含むことを特徴とする耐久力向上剤。
- 請求項1に記載の耐久力向上剤と、前記耐久力向上剤を配合可能な飲食品とからなることを特徴とする耐久力向上剤配合食品。
- 前記耐久力向上剤を配合可能な飲食品が、スポーツドリンクであることを特徴とする請求項2に記載の耐久力向上剤配合食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007216132A JP2009045034A (ja) | 2007-08-22 | 2007-08-22 | 耐久力向上剤および耐久力向上剤配合食品 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|---|
JP2011103857A (ja) * | 2009-11-20 | 2011-06-02 | Enseki Aojiru Kk | γ−アミノ酪酸含有食品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH03128318A (ja) * | 1989-06-14 | 1991-05-31 | Rikagaku Kenkyusho | 筋力持続剤,滋養強壮剤,輸液用剤,栄養補給剤,疲労回復剤及び乳酸生成調節剤 |
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-
2007
- 2007-08-22 JP JP2007216132A patent/JP2009045034A/ja active Pending
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