JP2009044898A - 高分子アクチュエータユニットおよび高分子アクチュエータ - Google Patents

高分子アクチュエータユニットおよび高分子アクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP2009044898A
JP2009044898A JP2007208805A JP2007208805A JP2009044898A JP 2009044898 A JP2009044898 A JP 2009044898A JP 2007208805 A JP2007208805 A JP 2007208805A JP 2007208805 A JP2007208805 A JP 2007208805A JP 2009044898 A JP2009044898 A JP 2009044898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer actuator
film
conductive
case
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007208805A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Hayashi
好典 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2007208805A priority Critical patent/JP2009044898A/ja
Publication of JP2009044898A publication Critical patent/JP2009044898A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】効率よく力(伸張力)を取り出せるようにするとともに、歩留まりが向上した高分子アクチュエータユニットおよびその集合体を提供する。
【解決手段】本発明の高分子アクチュエータユニット20は絶縁性エラストマー膜11と絶縁性エラストマー膜11の両面に配設された第1導電性エラストマー膜12と第2導電性エラストマー膜13とからなるモジュール10を備えている。そして、開口を有するケース21と開口21を覆う蓋体22とからなる容器は一方向に伸縮可能に形成されていて、この容器内に高分子アクチュエータモジュール10の複数層と、複数層の高分子アクチュエータモジュール10の層間に配設された導電性を有する潤滑23膜とを備えており、ケース21の一対の側壁に他のユニットと接合可能な接合部26a,26bと導電性を有する潤滑膜23に電気的に接続された外部端子25a,25bとを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、一対の電極間に高電圧を印加することにより変形して伸張する高分子アクチュエータに係わり、特に、絶縁性エラストマー膜と、この絶縁性エラストマー膜の一方の面に配設された第1導電性エラストマー膜と他方の面に配設された第2導電性エラストマー膜とからなる高分子アクチュエータモジュールを備えた高分子アクチュエータユニット、およびこれらの高分子アクチュエータユニットの複数個を備えた高分子アクチュエータに関する。
近年、絶縁性高分子膜の両面に導電膜からなる一対の電極を形成し、これらの電極間に高電圧を印加することにより、電気エネルギーを運動エネルギーに変換することができる高分子アクチュエータが、例えば、特許文献1(特表2003−506858号公報)にて開示されるようになった。この特許文献1にて開示された高分子アクチュエータの作動原理は、図5に示す通である。なお、図5は特許文献1にて開示された高分子アクチュエータを模式的に示す斜視図であり、図5(a)は高電圧が印加される前の状態を示す図であり、図5(b)は高電圧が印加された状態を示す図である。
即ち、図5(a)に示すように、絶縁膜となるポリマ51の両面に導電膜からなる一対の電極52,53を配置することにより高分子アクチュエータ50が構成される。そして、これらの両電極52,53間に高電圧を印加することにより、両電極52,53間にクーロン力による吸引力が作用する。これにより、図5(b)に示すように、一対の電極52,53間に配置された絶縁膜となるポリマ51は厚み方向(z方向)に押圧されて、長さ方向(x方向)および幅方向(y方向)に伸張することとなる。
なお、上述した特許文献1においては、〈0076〉〈0076〉段落および図2Mに示されるように、ポリマを積層して一方向へ伸張させる例が示されている。また、上述した特許文献1においては、〈0129〉〜〈0132〉段落および図7B〜図7Fに示されるように、多層ポリマの高分子アクチュエータを製造する例が示されている。
特表2003−506858号公報
ところが、上述した特許文献1において提案された高分子アクチュエータのように、一対の電極とポリマからなる積層体を積層して多層構造体とし、一方向へ伸張可能な高分子アクチュエータを作製しようとした場合には多層構造体は一体構造となる。このため、多層構造体の1つの積層体(1層)でも不具合が生じると、多層構造体の全体を交換しなければならないという問題を生じた。
また、多層構造体の各積層体(1層毎)に伸張率などのバラツキがあると、伸張率が小さい積層体が伸張率が大きい積層体に悪影響を及ぼすため、多層構造体全体としては効率よく力(伸張力)を取り出せないという問題も生じた。
さらに、多層積層体とするために全てが同一のプロセス上で積層された膜を使用することとなる。このため、これらの積層された膜に欠陥があると、多層積層体としての欠陥となるため、歩留まりに悪影響を及ぼすという問題も生じた。
そこで、本発明は上述したような問題点を解消するためになされものであって、変位(伸張)の方向が一次元的となるように積層しても、各層が個別に伸張できるようにすることにより、効率よく力(伸張力)を取り出せるようにするとともに、各層を交換可能とすることにより、歩留まりが向上した高分子アクチュエータユニットを提供し、かつこれらの高分子アクチュエータユニットを集合させて、大きな力が取り出せたり変位が大きい高分子アクチュエータを提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決するため、本発明の高分子アクチュエータユニットは、絶縁性エラストマー膜と、この絶縁性エラストマー膜の一方の面に配設された第1導電性エラストマー膜と他方の面に配設された第2導電性エラストマー膜とからなる高分子アクチュエータモジュールを備えている。そして、開口を有するケースと該開口を覆う蓋体とからなる容器を備え、かつこの容器は一方向に伸縮可能に形成されていて、この容器内に高分子アクチュエータモジュールの複数層と、複数層の高分子アクチュエータモジュールの層間に配設された導電性を有する潤滑膜とを備えており、ケースの一対の側壁に他のユニットと接合可能な接合部と導電性を有する潤滑膜に電気的に接続された外部端子とを備えていることを特徴とする。
このように複数層の高分子アクチュエータモジュールの層間に導電性を有する潤滑膜を備えるように構成すると、隣接する高分子アクチュエータモジュール間の摩擦力が低減する。このため、各高分子アクチュエータモジュールに性能のバラツキがあっても、アクチュエータとして効率よく力(伸張力)を取り出すことが可能となる。この場合、隣接して配置された高分子アクチュエータモジュールに不具合が生じて当該高分子アクチュエータモジュールが可動不能となったとしても、潤滑膜の存在により、正常なモジュールは容易に移動(伸縮)することが可能であるので、アクチュエータとして機能することが可能となる。
また、不良となった高分子アクチュエータモジュールのみを交換することにより正常に動作するようになるので、この種の高分子アクチュエータユニットのランニングコストを安価にすることが可能となる。また、モジュール化しているので、取り扱いも容易になり、駆動計算も容易になるとともに、その製造も簡単、容易になる。さらに、モジュール化することを基本としているため、製造プロセスにおける高度な多層化技術が不要となり、製造を容易に簡略化することが可能となる。
この場合、導電性を有する潤滑膜は絶縁性エラストマーに導電性粉末を均一に分散させて形成した導電性膜に潤滑オイルを塗布あるいは含浸させたものであるのが望ましい。そして、高分子アクチュエータモジュールの複数層が電気的に並列接続されるように導電性を有する潤滑膜は導電性を有する接続用潤滑膜で接続されていると、各高分子アクチュエータモジュールに過大な高電圧が印加されることが防止されるようになって好ましい。
また、容器内の残余の空間部に低ヤング率で伸縮可能な絶縁材からなる充填材が充填されていると、高電圧の印加により高分子アクチュエータモジュールに付与された伸張力をケースの伸張方向の側壁に容易に付与することが可能となる。この場合、ケースと蓋体の少なくとも1箇所に蛇腹部を備えるようにすると、この蛇腹部により容器は一方向に容易に伸縮することが可能となるので望ましい。
ここで、上述した1つの高分子アクチュエータユニットにおいては、取り出せる力を大きくする場合には高分子アクチュエータモジュールの積層枚数を多くすればよい。ところが、大きな力を取り出せるために積層枚数を変えた多品種の高分子アクチュエータユニットを用意する必要がある。このため、この種の高分子アクチュエータユニットの製品コストが高くなるという問題を生じる。このため、取り出せる力を大きくする場合には、高分子アクチュエータユニットのケースの一対の側壁に形成された接合部を機械的に並列接続するとともに外部端子を電気的に並列接続して形成するのが望ましい。
一方、高分子アクチュエータユニットのストローク(伸張長さ)を大きくしたい場合は、高分子アクチュエータモジュールを長さ方向に連結するようにすればよい。ところが、高分子アクチュエータモジュールを長さ方向に連結した高分子アクチュエータユニットにおいては、取り出せる力は非常に小さいものとなる。このため、ストローク(伸張長さ)を大きくする場合には、高分子アクチュエータユニットのケースの一対の側壁に形成された接合部を機械的に直列接続するとともに外部端子を電気的に並列接続して形成するのが望ましい。
本発明の高分子アクチュエータユニットにおいては、各高分子アクチュエータモジュールに性能のバラツキがあっても、アクチュエータとして効率よく力(伸張力)を取り出すことが可能になるとともに、隣接して配置された高分子アクチュエータモジュールに不具合が生じて当該高分子アクチュエータモジュールが可動不能となったとしても、潤滑膜の存在により、正常なモジュールは容易に移動(伸縮)することが可能であるので、アクチュエータとして機能することが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて詳細に説明する。なお、図1は、本発明の高分子アクチュエータを構成する高分子アクチュエータモジュールを模式的に示す図であり、図1(a)は全体構成を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’断面を示す断面図である。図2は、図1に示す高分子アクチュエータモジュールを積層して構成した高分子アクチュエータユニットを模式的に示す図であり、図2(a)は全体構成を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)のA−A’断面を示す断面図である。
図3は、図2に示す高分子アクチュエータユニットの代表的な作製過程を模式的に示す図であり、図3(a)はケースと蓋体とからなる容器を模式的に示す断面図であり、図3(b)は高分子アクチュエータモジュールを積層した状態を模式的に示す断面図であり、図3(c)は、容器内に高分子アクチュエータモジュールの積層体を収容した状態を模式的に示す断面図である。図4は多数の高分子アクチュエータユニットの集合体からなる高分子アクチュエータを示す図であり、図4(a)は機械的に並列接続して形成された高分子アクチュエータを示す側面図であり、図4(b)は機械的に直列接続して形成された高分子アクチュエータを示す側面図である。
1.高分子アクチュエータモジュール
本発明の高分子アクチュエータモジュール10は、図1に示すように、中心部に配置されたポリマー絶縁膜11と、このポリマー絶縁膜11の一方面に配設されたポリマー導電膜からなる第1電極12と、ポリマー絶縁膜11の他方面に配設されたポリマー導電膜からなる第2電極13とから構成される。ここで、ポリマー絶縁膜11は抵抗率が1018Ωcmの絶縁性エラストマー(絶縁シリコンゴム)により形成されている。
また、第1電極12および第2電極13となるポリマー導電膜は、ポリマー絶縁膜11に用いられる絶縁性エラストマー(絶縁シリコンゴム)に金属粉末や炭素粉末(鱗片状炭素が望ましい)を均一に分散させて抵抗率が101〜106Ωcmになるように形成されている。この場合、ポリマー絶縁膜11の厚みは15μmで、ポリマー導電膜からなる第1電極12および第2電極13の厚みは10μmとなるように形成されている。
2.高分子アクチュエータモジュールの作製法
ついで、上述のような構成となる高分子アクチュエータモジュール10の作製方法を以下に説明する。まず、抵抗率が1018Ωcmの絶縁性エラストマー(絶縁シリコンゴム)を用いて、この絶縁性エラストマーを押し出し成形することによりポリマー絶縁膜11を作製する。ついで、抵抗率が1018Ωcmの絶縁性エラストマー(絶縁シリコンゴム)に炭素粉末(鱗片状炭素が望ましい)を均一に分散させて抵抗率が101〜106Ωcmになるように調整した導電性エラストマーを用意する。なお、炭素粉末に代えて金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等の金属粉末を用いるようにしても良い。
ついで、スピンコート法、印刷法、スプレー法などにより得られた導電性エラストマーをポリマー絶縁膜11の一方の表面に均一に塗布した後、乾燥させて第1電極12となるポリマー導電膜を形成する。この後、ポリマー絶縁膜11の他方の表面に導電性エラストマーを均一に塗布した後、乾燥させて第2電極13となるポリマー導電膜を形成する。この後、所定の寸法になるように切断して、高分子アクチュエータモジュール10を作製する。
3.高分子アクチュエータユニット
本発明の高分子アクチュエータユニット20は、図2および図3に示すように、上部に開口を有するケース21と、この開口を覆う蓋体22とからなる容器20aを備えている。そして、この容器20a内に、上述のようにして作製された高分子アクチュエータモジュール10の複数個(なお、図2および図3においては3個の高分子アクチュエータモジュール10を示しているが、必要とする個数を選択して用いるようにすればよい)が導電性を有する潤滑膜23を介して積層されて収容されており、かつ容器20a内の残余の空間部に低ヤング率で伸縮可能な絶縁材からなる充填材24が充填されていて、これにより高分子アクチュエータユニット20が形成されている。
この場合、ケース21および蓋体22は、金属(例えば、鉄、銅、アルミニウムなど)等の変形しにくい材料により形成されている。また、ケース21の底壁および一対の側壁(この場合は幅方向の側壁)の複数箇所に蛇腹部21aが形成されているとともに、蓋体22の複数箇所にも蛇腹部22aが形成されている。これらの蛇腹部21a,22aにより、ケース21と蓋体22からなる容器20aにその内部から圧力が付与されることにより所定の方向(この場合は長さ方向となる)に伸張し、圧力が解除されることにより伸張とは逆方向に収縮するようになされている。なお、ケース21の長さ方向の一対の側壁の一方には第1外部端子25aと第1接合部26aが形成されているとともに、他方には第2外部端子25bと第2接合部26bとが形成されている。
導電性を有する潤滑膜23は、抵抗率が1018Ωcmの絶縁性エラストマー(絶縁シリコンゴム)にカーボンブラックや炭素繊維や金属粉末を均一に分散させて抵抗率が101〜106Ωcmになるように調整した導電性エラストマーに、潤滑オイルを塗布または分散させたもの、あるいは潤滑性を有する黒鉛シートから形成されている。これらの潤滑膜23は各高分子アクチュエータモジュール10の間と、最上部に配置された高分子アクチュエータモジュール10の上部と、最下部に配置された高分子アクチュエータモジュール10の下部とに配置されている。また、低ヤング率で伸縮可能な絶縁材からなる充填材24は液状あるいはスポンジ状の絶縁物(例えば、発泡ウレタン等)や絶縁オイル(例えば、シリコンオイルやフッ素系オイル等)からなる。
そして、これらの高分子アクチュエータモジュール10同士が並列接続されるように、潤滑膜23同士が接続用潤滑膜23a,23bにて接続されている。この場合、ケース21の長さ方向の一対の側壁の一方に形成された第1外部端子25aに一方の接続用潤滑膜23aが接続され、他方にに形成された第2外部端子25bに他方の接続用潤滑膜23bが接続されるようになされている。そして、第1外部端子25aと第2外部端子25bとの間に高電圧源(HV)を接続することにより、これらの第1外部端子25aと第2外部端子25bとの間に高電圧が印加されるようになされている。
そして、第1外部端子25aと第2外部端子25bとの間に高電圧(例えば、6000V)が印加されると、対向する潤滑膜23間に吸引力が作用して、各高分子アクチュエータモジュール10が圧縮されることとなる。この場合、ケース21と蓋体22からなる容器20aの高さ方向および幅方向の伸びはケース21および蓋体22に規制されることとなる。このため、ケース21に形成された蛇腹部21aと蓋体22に形成された蛇腹部22aにより、ケース21と蓋体22からなる容器20aは長さ方向に伸張することとなる。
一方、第1外部端子25aと第2外部端子25b間の高電圧の印加が解除されると、対向する潤滑膜23間に作用する吸引力が解除されることとなる。これにより、各高分子アクチュエータモジュール10はポリマー絶縁膜11および第1電極12、第2電極13のポリマー導電膜のヤング率で決定される復元力により元の厚さおよび面積に復帰するようになる。
上述のような構成となる高分子アクチュエータユニット20においては、複数層の高分子アクチュエータモジュール10の層間に導電性を有する潤滑膜23を備えているので、隣接する高分子アクチュエータモジュール10間の摩擦力が低減する。このため、各高分子アクチュエータモジュール10に伸張率などの性能にバラツキがあっても、アクチュエータとして効率よく力(伸張力)を取り出すことが可能となる。
また、隣接して配置された高分子アクチュエータモジュール10に不具合が生じて当該高分子アクチュエータモジュール10が可動不能となったとしても、潤滑膜23の存在により、正常な高分子アクチュエータモジュール10は移動(伸縮)することが可能であるので、高分子アクチュエータユニット20全体としてはアクチュエータとして機能することが可能となる。また、不良となった高分子アクチュエータモジュール10のみを交換することにより正常に動作するようになるので、この種の高分子アクチュエータユニット20のランニングコストを安価にすることが可能となる。
4.高分子アクチュエータユニットの作製法
ついで、上述のような構成となる高分子アクチュエータユニット20の作製方法を図3に基づいて以下に説明する。まず、図3(a)に示すように、底壁および一対の側壁(この場合は幅方向の側壁)の複数箇所に蛇腹部21aが形成されているケース21と、複数箇所に蛇腹部22aが形成された蓋体22とからなる容器20aを用意する。この場合、ケース21および蓋体22は金属(例えば、鉄、銅、アルミニウムなど)等の変形しにくい材料により形成されている。なお、ケース21の長さ方向の一対の側壁の一方には第1外部端子25aと第1接合部26aが形成されているとともに、他方には第2外部端子25bと第2接合部26bとが形成されている。
一方、図3(b)に示すように、複数個(この場合、図においては3個の高分子アクチュエータモジュール10を示しているが、その個数は何個でもよく用いる容器20aの大きさに応じて選択すればよい)の高分子アクチュエータモジュール10を導電性を有する潤滑膜23を介して積層する。この場合、最上部に配置された高分子アクチュエータモジュール10の上部と、最下部に配置された高分子アクチュエータモジュール10の下部にも潤滑膜23を配置する。
この後、これらの高分子アクチュエータモジュール10が電気的に並列接続なるように潤滑膜23同士を接続用潤滑膜23a,23bにより接続する。これにより、高分子アクチュエータモジュール10同士が電気的に並列接続された積層体10bが形成されることとなる。このような準備の後、ケース21の内底部に、ゼリー状の絶縁物や絶縁オイルなどからなる低ヤング率で伸縮可能な絶縁材からなる充填材24を充填する。ついで、ケース21の内底部に充填された充填材24の上に積層体10bを配置した後、接続用潤滑膜23aと第1外部端子25aとを導電接続するとともに、接続用潤滑膜23bと第2外部端子25bとを導電接続する。
この後、ケース21内の残余の空間部に、再度、充填材24を充填した後、ケース21の上に蓋体22を配置し、蓋体22を押圧して積層体10bをケース21内に加圧した後、蓋体22をケース21の開口部に固着(この場合、後に蓋体22を取り外すことができるようにねじ止め等により固着する)して密閉する。ついで、図2(b)に示すように、第1外部端子25aと第2外部端子25bとの間に高電圧源(HV)を接続して、これらの第1外部端子25aと第2外部端子25bとの間に高電圧(例えば、6000V)が印加されることにより、高分子アクチュエータとして作動する高分子アクチュエータユニット20が作製される。
上述のようにして作製される高分子アクチュエータユニット20においては、隣接して配置された高分子アクチュエータモジュールに不具合が生じた場合、不良となった高分子アクチュエータモジュール10のみを交換することにより正常に動作するようになる。このため、この種の高分子アクチュエータユニット20のランニングコストを安価にすることが可能となる。また、高分子アクチュエータモジュール10を積層してユニットとしているので、取り扱いも容易になり、駆動計算も容易になるとともに、その製造も簡単、容易になる。さらに、ユニット化することを基本としているため、製造プロセスにおける高度な多層化技術が不要となり、製造を容易に簡略化することが可能となる。
5.多数の高分子アクチュエータユニットの集合体からなる高分子アクチュエータ
(1)発生力が大きい高分子アクチュエータ
上述した1つの高分子アクチュエータユニット20においては、取り出せる力を大きくする場合には高分子アクチュエータモジュール10の積層枚数を多くすればよい。ところが、大きな力を取り出せるために積層枚数を変えた多品種の高分子アクチュエータユニット20を用意する必要がある。このため、この種の高分子アクチュエータユニット20の製品コストが高くなるという問題を生じる。
そこで、取り出せる力を大きくする場合には、図4(a)に示すように、高分子アクチュエータユニット20が並列するように配置する。そして、第1外部端子25a同士および第2外部端子25b同士を導電接続する。また、上部接続枠31および下部接続枠32を用意して、各第1接合部26aを上部接続枠31に接合するとともに、各第2接合部26bを下部接続枠32に接合して多数の高分子アクチュエータユニット20が電気的および機械的に並列接続された高分子アクチュエータ30を形成すればよい。
(2)ストロークが大きい高分子アクチュエータ
一方、高分子アクチュエータユニット20のストローク(伸張長さ)を大きくしたい場合は、高分子アクチュエータモジュール10を長さ方向に連結するようにすればよい。ところが、高分子アクチュエータモジュール10を長さ方向に連結した高分子アクチュエータユニット20においては、取り出せる力は非常に小さいものとなる。
そこで、ストローク(伸張長さ)を大きくする場合には、図4(b)に示すように、高分子アクチュエータユニット20が直列するように配置する。そして、第1外部端子25a同士および第2外部端子25b同士を導電接続して、多数の高分子アクチュエータユニット20が電気的に並列接続する。また、上部に配置された高分子アクチュエータユニット20の第2接合部26bと、その下部に配置された高分子アクチュエータユニット20の第1接合部26aを接合するようにして、多数の高分子アクチュエータユニット20が機械的に直列接続された高分子アクチュエータ40を形成すればよい。
なお、上述した実施の形態においては、絶縁性エラストマーとしてシリコーン樹脂を用いる例について説明したが、シリコーン樹脂以外の絶縁性エラストマーとしてアクリル樹脂やウレタン樹脂などを用いるようにしてもよい。
本発明の高分子アクチュエータを構成する高分子アクチュエータモジュールを模式的に示す図であり、図1(a)は全体構成を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’断面を示す断面図である。 図1に示す高分子アクチュエータモジュールを積層して構成した高分子アクチュエータユニットを模式的に示す図であり、図2(a)は全体構成を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)のA−A’断面を示す断面図である。 図2に示す高分子アクチュエータユニットの代表的な作製過程を模式的に示す図であり、図3(a)はケースと蓋体とからなる容器を模式的に示す断面図であり、図3(b)は高分子アクチュエータモジュールを積層した状態を模式的に示す断面図であり、図3(c)は、容器内に高分子アクチュエータモジュールの積層体を収容した状態を模式的に示す断面図である。 多数の高分子アクチュエータユニットの集合体からなる高分子アクチュエータを示す図であり、図4(a)は機械的に並列接続して形成された高分子アクチュエータを示す側面図であり、図4(b)は機械的に直列接続して形成された高分子アクチュエータを示す側面図である。 従来例の高分子アクチュエータを模式的に示す斜視図であり、図5(a)は高電圧が印加される前の状態を示す図であり、図5(b)は高電圧が印加された状態を示す図である。
符号の説明
10…高分子アクチュエータモジュール、10b…積層体、11…ポリマー絶縁膜、12…第1電極、13…第2電極、20…高分子アクチュエータユニット、20a…容器、21…ケース、21a…蛇腹部、22…蓋体、22a…蛇腹部、23…潤滑膜、23a…第1接続用潤滑膜、23b…第2接続用潤滑膜、24…充填材、25a…第1外部端子、25b…第2外部端子、26a…第1接合部、26b…第2接合部、30…高分子アクチュエータ、31…上部接続枠、32…下部接続枠、40…高分子アクチュエータ

Claims (7)

  1. 絶縁性エラストマー膜と、該絶縁性エラストマー膜の一方の面に配設された第1導電性エラストマー膜と他方の面に配設された第2導電性エラストマー膜とからなる高分子アクチュエータモジュールを備えた高分子アクチュエータユニットであって、
    開口を有するケースと該開口を覆う蓋体とからなる容器を備え、かつ該容器は一方向に伸縮可能に形成されていて、
    前記容器内に前記高分子アクチュエータモジュールの複数層と、前記複数層の高分子アクチュエータモジュールの層間に配設された導電性を有する潤滑膜とを備えており、
    前記ケースの一対の側壁に他のユニットと接合可能な接合部と前記導電性を有する潤滑膜に電気的に接続された外部端子とを備えていることを特徴とする高分子アクチュエータユニット。
  2. 前記導電性を有する潤滑膜は前記絶縁性エラストマーに導電性粉末を均一に分散させて形成した導電性膜に潤滑オイルを塗布あるいは含浸させたものであることを特徴とする請求項1に記載の高分子アクチュエータユニット。
  3. 前記高分子アクチュエータモジュールの複数層が電気的に並列接続されるように前記導電性を有する潤滑膜は導電性を有する接続用潤滑膜で接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高分子アクチュエータユニット。
  4. 前記容器内の残余の空間部に低ヤング率で伸縮可能な絶縁材からなる充填材が充填されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の高分子アクチュエータユニット。
  5. 前記ケースと蓋体の少なくとも1箇所に蛇腹部を備え、該蛇腹部により前記容器は一方向に伸縮可能になされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の高分子アクチュエータユニット。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の複数の高分子アクチュエータユニットを備えた高分子アクチュエータであって、
    前記高分子アクチュエータユニットの前記ケースの一対の側壁に形成された前記接合部を機械的に並列接続するとともに前記外部端子を電気的に並列接続して形成したことを特徴とする高分子アクチュエータ。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の複数の高分子アクチュエータユニットを備えた高分子アクチュエータであって、
    前記高分子アクチュエータユニットの前記ケースの一対の側壁に形成された前記接合部を機械的に直列接続するとともに前記外部端子を電気的に並列接続して形成したことを特徴とする高分子アクチュエータ。
JP2007208805A 2007-08-10 2007-08-10 高分子アクチュエータユニットおよび高分子アクチュエータ Withdrawn JP2009044898A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007208805A JP2009044898A (ja) 2007-08-10 2007-08-10 高分子アクチュエータユニットおよび高分子アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007208805A JP2009044898A (ja) 2007-08-10 2007-08-10 高分子アクチュエータユニットおよび高分子アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009044898A true JP2009044898A (ja) 2009-02-26

Family

ID=40445030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007208805A Withdrawn JP2009044898A (ja) 2007-08-10 2007-08-10 高分子アクチュエータユニットおよび高分子アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009044898A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011036861A1 (ja) * 2009-09-24 2011-03-31 パナソニック株式会社 平板積層型導電性高分子アクチュエータ
CN104188740A (zh) * 2009-04-09 2014-12-10 国立大学法人筑波大学 穿着式动作辅助装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104188740A (zh) * 2009-04-09 2014-12-10 国立大学法人筑波大学 穿着式动作辅助装置
WO2011036861A1 (ja) * 2009-09-24 2011-03-31 パナソニック株式会社 平板積層型導電性高分子アクチュエータ
JP4777488B2 (ja) * 2009-09-24 2011-09-21 パナソニック株式会社 平板積層型導電性高分子アクチュエータ
US8143764B2 (en) 2009-09-24 2012-03-27 Panasonic Corporation Flat stacked-type conductive polymer actuator
CN102474206A (zh) * 2009-09-24 2012-05-23 松下电器产业株式会社 平板层叠型导电性高分子致动器
CN102474206B (zh) * 2009-09-24 2014-08-13 松下电器产业株式会社 平板层叠型导电性高分子致动器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11616455B2 (en) Electrostatic actuator
US8250732B2 (en) Method for fabricating an actuator
US7679268B2 (en) Polymer actuator having active member layer that expands or contracts upon application of electric field
US8391520B2 (en) Flat speaker unit and speaker device therewith
US7436099B2 (en) Electroactive polymer pre-strain
US7259495B2 (en) Conductive polymer actuator
JP2011530715A5 (ja)
CN103201868A (zh) 具有双层基底元件的机电转换器和这种机电转换器的制造方法
JP2008251833A (ja) アクチュエータおよびアクチュエータ集束体
US7719164B2 (en) Patterned dielectric elastomer actuator and method of fabricating the same
US20200287478A1 (en) Actuator
JP2009044898A (ja) 高分子アクチュエータユニットおよび高分子アクチュエータ
JP6073697B2 (ja) アクチュエータ素子及びアクチュエータ素子の製造方法
JP2014217238A (ja) アクチュエータ
KR100862464B1 (ko) 고분자 유전체 엑츄에이터 및 이를 이용한 선형 구동기
JP5129998B2 (ja) 電歪素子
JP2009032773A (ja) 繊維状高分子アクチュエータおよびその製造方法ならびにこれらの多数の繊維状高分子アクチュエータの集合体からなる高分子アクチュエータ
JP6468646B2 (ja) 積層型アクチュエータ
JP5618013B2 (ja) 積層型アクチュエータ
CN107408622A (zh) 压电发电机、按钮、无线电模块和制造压电发电机的方法
JP5138691B2 (ja) 静電アクチュエータ
EP3257148B1 (de) Elektrostatischer mikrogenerator und verfahren zur erzeugung elektrischer energie mittels eines elektrostatischen mikrogenerators
Chuc et al. Linear artificial muscle actuator based on synthetic elastomer
JP6212365B2 (ja) 高分子アクチュエータ
JP5751044B2 (ja) 電歪アクチュエータ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20101102