JP2009044271A - 無線受信回路、電子機器、クロック信号制御方法及び制御プログラム - Google Patents

無線受信回路、電子機器、クロック信号制御方法及び制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】無線受信回路に対してノイズ成分となるクロック信号の所定の高調波成分を確実に低減し、無線受信回路への悪影響を確実に防止する。
【解決手段】クロック信号制御手段は、クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の高調波成分を下げて、受信感度を高めるために用いられる。クロック信号制御手段において、デューティ比設定手段は、クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、受信帯域に重なる高調波成分の次数を求め、次数に基づいて、高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、無線受信回路、電子機器、クロック信号制御方法及び制御プログラムに係り、携帯電話機等の無線受信回路が搭載された電子機器において、CPU(Central Processing Unit)を含むデジタル回路を駆動するためのクロック信号の高調波成分の悪影響が防止される無線受信回路、該無線受信回路を備えた電子機器、クロック信号制御方法及び制御プログラムに関する。
移動中や外出先でも使用可能であるという高い利便性によって、携帯型の電子機器としての携帯電話機が、広く普及してきている。携帯電話機は、本来の通話機能のほか、例えば電子メールの送受信や、インターネットに接続してホームページの閲覧が可能なデータ通信機能、撮影機能等を有し、さらに多機能化が進んでいる。
すなわち、最近は、付属機能の高度化がさらに加速され、地上波デジタル放送の1SEG(1セグメント)放送の受信機能や、ゲーム機としての機能を備えた機種も普及してきている。さらに、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信するGPS受信機能や、無線LAN(Wireless Local area network)接続機能も追加され,さらに、表示部を構成する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)の大画面化も図られてきている。
したがって、携帯電話機を構成する各部をデジタル回路を駆動するためのクロック信号数も増加している。デジタル回路に供給されるクロック信号は、例えば、矩形形状のパルス波からなり、高次の高調波成分を多く含んでいる。クロック信号の高調波成分は、無線受信回路に悪影響を及ぼし、感度劣化を引き起こすという問題があった。
このため、クロック信号の高調波成分が、無線受信回路の周波数に当らないように、クロック信号の周波数を選択する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、制御用のクロック信号数が増大して、対応しきれなくなっており、無線受信回路をシールドしたり、磁性体シートを貼ったりしていた。したがって、上述した感度劣化の対策のために、構成部材及び部品が増加して、コストが嵩み、小型化の妨げともなっていた。
このため、クロック信号の立上りをなだらかな波形として高調波成分を下げる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、クロック信号のデューティ比を、このクロック信号の高調波成分が、受信波に対するノイズ波成分として、最小となるように設定する技術が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。
実開昭57−195257号公報 特開2001−077683号公報 特開2000−049576号公報 特開平09−081261号公報
解決しようとする問題点は、上記従来技術では、制御用のクロック信号の高調波成分の無線受信回路への悪影響を確実に防止することが困難であるという点である。
例えば、クロック信号のデューティ比を、高調波成分が、受信波に対するノイズ波成分として、最小となるように設定する場合に、上記デューティ比は、実測等によって求めなければならないので、正確かつ簡単に設定することが困難である。
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、無線受信回路に対してノイズ成分となるクロック信号の所定の高調波成分を確実に低減し、無線受信回路への悪影響を確実に防止することができる無線受信回路、電子機器、クロック信号制御方法及び制御プログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明の第1の無線受信回路は、CPUを内蔵し、上記CPUを含むデジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による受信妨害が防止されるように構成された無線受信回路に係り、上記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の上記高調波成分を下げて、受信感度を高めるためのクロック信号制御手段を備えてなり、上記クロック信号制御手段は、上記クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、上記受信帯域に重なる上記高調波成分の次数を求め、上記次数に基づいて、上記高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定するデューティ比設定手段を有してなることを特徴としている。
また、この発明の第2の無線受信回路は、CPUを内蔵し、上記CPUを含むデジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による受信妨害が防止されるように構成された無線受信回路に係り、上記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の上記高調波成分を下げて、受信感度を高めるためのクロック信号制御手段を備えてなり、上記クロック信号制御手段は、受信周波数に基づいて、上記高調波成分が下げられる上記クロック信号の立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定する立上り・立下り時間設定手段を有してなることを特徴としている。
また、この発明の第1の電子機器は、CPUを内蔵し、上記CPUを含むデジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による受信妨害が防止されるように構成された無線受信回路を備えた電子機器に係り、上記無線受信回路は、上記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の上記高調波成分を下げて、受信感度を高めるためのクロック信号制御手段を備えてなり、上記クロック信号制御手段は、上記クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、上記受信帯域に重なる上記高調波成分の次数を求め、上記次数に基づいて、上記高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定するデューティ比設定手段を有してなることを特徴としている。
また、この発明の第2の電子機器は、CPUを内蔵し、上記CPUを含むデジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による受信妨害が防止されるように構成された無線受信回路を備えた電子機器に係り、上記無線受信回路は、上記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の上記高調波成分を下げて、受信感度を高めるためのクロック信号制御手段を備えてなり、上記クロック信号制御手段は、受信周波数に基づいて、上記高調波成分が下げられる上記クロック信号の立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定する立上り・立下り時間設定手段を有してなることを特徴としている。
また、この発明の第1のクロック信号制御方法は、デジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による無線受信回路における受信妨害を防止するためのクロック信号制御方法に係り、上記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の上記高調波成分を下げて、受信感度を高めるための制御ステップを含み、上記制御ステップは、上記クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、上記受信帯域に重なる上記高調波成分の次数を求め、上記次数に基づいて、上記高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定するデューティ比設定ステップを含むことを特徴としている。
また、この発明の第2のクロック信号制御方法は、デジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による無線受信回路における受信妨害を防止するためのクロック信号制御方法に係り、上記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の上記高調波成分を下げて、受信感度を高めるための制御ステップを含み、上記制御ステップは、受信周波数に基づいて、上記高調波成分が下げられる上記クロック信号の立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定する立上り・立下り時間設定ステップを含むことを特徴としている。
また、この発明の第1の制御プログラムは、デジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による無線受信回路における受信妨害を防止するためのクロック信号制御方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムに係り、上記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の上記高調波成分を下げて、受信感度を高めるための制御ステップをコンピュータに実行させ、上記制御ステップは、上記クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、上記受信帯域に重なる上記高調波成分の次数を求め、上記次数に基づいて、上記高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定するデューティ比設定ステップを含むことを特徴としている。
また、この発明の第2の制御プログラムは、デジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による無線受信回路における受信妨害を防止するためのクロック信号制御方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムに係り、上記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の上記高調波成分を下げて、受信感度を高めるための制御ステップをコンピュータに実行させ、上記制御ステップは、受信周波数に基づいて、上記高調波成分が下げられる上記クロック信号の立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定する立上り・立下り時間設定ステップを含むことを特徴としている。
この発明の構成によれば、デューティ比設定手段が、クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の高調波成分の次数を求め、次数に基づいて、高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定することによって、又は立上り・立下り時間設定手段が、受信周波数に基づいて、高調波成分が下げられる立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定することによって、無線受信回路に対してノイズ成分となるクロック信号の所定の高調波成分を確実に低減し、無線受信回路への悪影響を確実に防止することができる。
デューティ比設定手段が、クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の高調波成分の次数を求め、次数に基づいて、高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定することによって、又は立上り・立下り時間設定手段が、受信周波数に基づいて、高調波成分が下げられる立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定することによって、無線受信回路に対してノイズ成分となるクロック信号の所定の高調波成分を確実に低減し、無線受信回路への悪影響を確実に防止するという目的を実現した。
図1は、この発明の第1の実施例である携帯電話機のクロック出力部の構成を示すブロック図、図2は、同携帯電話機の構成を示すブロック図、図3は、同携帯電話機のコントローラの構成を示すブロック図、また、図4は、同クロック出力部のデューティ比可変回路の出力波形を示す波形図である。
この例の携帯電話機1は、図2に示すように、携帯電話機本体の構成各部を制御するコントローラ2と、アンテナ3を介して無線電波の送受信を行い、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部4と、例えば受話音声を出力するスピーカからなる受話部5と、例えば着信時に着信音を出力する音声出力部6と、送話音声を入力するマイクロフォンからなる送話部7と、液晶表示装置からなり、例えば機能設定画面や待受画面等が表示される表示部8と、数字や文字の入力操作等を行うための多数の各種操作キー等からなる操作部9と、LED(Light Emission Diode)を有し、例えば着信時や通話時に発光する発光部11と、例えば周囲の風景や人物等を撮影するための電子カメラ部12と、例えばメモリカードから情報を読み取り、かつ、書き込むためのカード読取書込部13とを備えてなっている。
コントローラ2は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)等からなり、記憶部16に記憶された所定の制御プログラムに従って構成各部を制御する主制御部15と、ROMやRAM等の半導体メモリからなり、主制御部15が実行する制御プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部16と、入出力制御部17とを有している。
無線通信部4は、RF回路や、変復調回路、ベースバンド処理回路等からなり、音声やデータを変調してアンテナ3を介して無線電波として送信すると共に、無線電波をアンテナ3を介して受信し音声やデータに復調し、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる。
この例の無線通信部4は、図1に示すように、記憶部22に記憶された所定の制御プログラムに従ってクロック信号を制御するクロック制御部21と、クロック制御部21が実行する制御プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部22と、所定の周波数f0のマスタクロック信号p0を発生させるクロック信号発生回路23と、クロック信号発生回路23から出力されたマスタクロック信号p0を分周し、かつ、デューティ比Dを変化させて、図4に示すように、所定の周波数f1及びデューティ比Dの矩形状のクロック信号p1を出力するデューティ比可変回路25とから概略構成されたクロック出力部26を有している。
デューティ比可変回路25から出力されたクロック信号p1は、無線通信部4を構成するデジタル回路に供給される。
なお、図4において、横軸の時間t、及び縦軸のクロック信号p1の出力電圧gの目盛りの数値について、それぞれ定数倍した値が実際の値(時間t[s]、出力電圧g[V])を示す。また、Lは、半周期(L=T/2)を示す。
クロック制御部21は、記憶部22に記憶された制御プログラムに従って、例えば、デューティ比設定処理や、デューティ比制御処理等を実行する。
デューティ比設定処理は、対象次数算出処理と、デューティ比候補選定処理と、最適デューティ比抽出処理と、マスタクロック周波数選定処理とを含んでいる。
クロック制御部21は、対象次数算出処理で、無線通信部4の無線受信回路での受信周波数frと、クロック信号p1の周波数f1とに基づいて、受信波に対するノイズ成分としてのクロック信号p1の高調波の次数を算出する。
ここで、受信周波数frや、クロック信号p1の周波数f1は、予め設定情報として、記憶部22に記憶された値を用いても良いし、操作部9を介して入力された設定情報を、主制御部15を介して受け取って用いても良い。
クロック制御部21は、受信周波数frをクロック信号p1の周波数f1で除して得られた整数を、対象の周波数成分の次数として求める。例えば、受信周波数frが、(fr=880[MHz])、クロック信号p1の周波数f1が、(f1=4[MHz])の場合は、対象次数は、220となり、輻射される220次の高調波が、受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分として低減対象となる。
また、クロック制御部21は、デューティ比候補選定処理で、対象次数の約数(但し、「1」を除く)mを全て求め、デューティ比候補として、1/m、(m−1)/mを選定する。
例えば、対象次数が、220の場合には、1/2,1/4,3/4,1/5,4/5,…,1/10,9/10,…,1/220,219/220がデューティ比候補として選定される。
また、クロック制御部21は、最適デューティ比抽出処理で、デューティ比候補選定処理で選定された複数のデューティ比候補のなかから、ノイズ成分としての高調波の低減のために最適な1つのデューティ比を選定する。
ここで、クロック信号p1のデューティDを最適に制御することで、無線受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分としてのクロック信号p1の高次の高調波が下げられる理由について説明する。
一般に、クロック信号g(t)は、周期関数であるために、フーリエ展開が可能であり、式(1)のように表すことができる。
Figure 2009044271
但し、nは、自然数(n=1,2,…)である。
ここで、式(1)において、an、bnは、それぞれ、式(2)、式(3)のように表すことができる。なお、a0は、矩形状のクロック信号g(t)の振幅を示す。
Figure 2009044271
Figure 2009044271
クロック信号g(t)は、縦軸(y軸)に対して対称の場合は、デューティ比Dに依らず、縦軸に対して対称となり、偶関数として表すことができる。この場合、クロック信号g(t)は、式(4)のように表すことができる。
Figure 2009044271
例えば、デューティ比Dが、(D=1/2(50%))の場合について考え、式(4)を展開すると、式(5)のように表すことができる。
Figure 2009044271
式(5)において、a1,a2,a3,a4、a5は、それぞれ、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)のように表すことができる。
Figure 2009044271
Figure 2009044271
Figure 2009044271
Figure 2009044271
Figure 2009044271
式(5)に、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)のa1,a2,a3,a4、a5を、それぞれ代入すると、2n次の項が消去され、クロック信号g(t)は、式(11)のように表すことができる。
Figure 2009044271
同様にして、例えば、デューティ比Dが、(D=1/3)、又は(D=2/3)の場合は、3n次の項が消去され、(D=1/4)、又は(D=3/4)の場合は、4n次の項が消去される。
一般に、デューティ比Dが、(D=1/m)、又は(D=(m−1)/m)の場合に、mn次の項が消去される。
したがって、クロック信号p1のデューティDを最適に制御することで、受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分としてのクロック信号p1の所定の次数の高調波を下げることが可能となる。
例えば、受信周波数frが880[MHz]、クロック信号p1の周波数f1が4[MHz]の場合は、220次の高調波が輻射されて、受信回路で感度劣化を引き起こす虞がある。
そこで、クロック信号p1のデューティ比Dを、次数の約数mを求め、(D=1/m)、又は(D=(m−1)/m)として、1/2,1/4,3/4,1/5,4/5,1/10,9/10,…のなかからデューティ比Dを選択することで、理論上、220次の高調波を消去することが可能となる。これにより、クロック信号p1が、受信周波数frが880[MHz]の受信回路に対して悪影響を及ぼすことが回避される。
クロック制御部21は、マスタクロック周波数選定処理で、クロック信号発生部23から出力されるマスタクロック信号p0の周波数f0を、その高調波が、受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分を含まないように選定する。
すなわち、クロック制御部21は、マスタクロック信号p0の周波数f0を、クロック信号p1の周波数f1と、対象次数の約数mではない自然数と、最適デューティ比抽出処理で選定したデューティ比Dに対応する約数mとの積として求める。
例えば、デューティ比Dとして1/4(25%)を選択した場合に、周波数(f1=4[MHz])のクロック信号p1のデューティ比Dを1/4(25%)とするためには、マスタクロック信号p0を用いてデューティ比Dを制御することが可能である。
この場合、クロック信号p1の周波数f1が、(f1=4[MHz])で、対象次数が「220」のとき、マスタクロック信号p0の高調波を、fr=880[MHz]に当らないようにするためには、選定したデューティ比Dに対応する約数mとして「4」、対象次数の約数ではない自然数として「3」を選択すると、(f0=4[MHz]×3×4=48[MHz])と算出される。
クロック制御部21は、算出したマスタクロック信号p0の周波数f0、クロック信号p1の周波数f1及びデューティ比Dを、設定情報として、記憶部22の情報記憶部に記憶させる。
クロック制御部21は、デューティ比制御処理で、デューティ比可変部25を制御して、選定されたデューティ比Dに基づいて、クロック信号p0のデューティ比を制御して、周波数f1及びデューティ比Dのクロック信号p1を出力させる。
記憶部22は、デューティ比設定処理プログラムや、デューティ比制御処理プログラム等の制御プログラム等が記憶されたプログラム記憶部と、設定情報等の各種情報が記憶された情報記憶部とを有してなっている。
次に、図1を参照して、この例の携帯電話機のクロック出力部の動作について説明する。
まず、デューティ比設定処理について説明する。
クロック制御部21は、対象次数算出処理で、無線通信部4の無線受信回路での受信周波数frと、クロック信号p1の周波数f1とに基づいて、受信波に対するノイズ成分としてのクロック信号p1の高調波の次数を算出する。
ここで、受信周波数frや、クロック信号p1の周波数f1は、予め設定情報として、記憶部22に記憶された値を用いても良いし、操作部9を介して入力された設定情報を、主制御部15を介して受け取って用いても良い。
すなわち、クロック制御部21は、受信周波数frをクロック信号p1の周波数f1で除して得られた整数を、対象の周波数成分の次数として求める。例えば、受信周波数frが、(fr=880[MHz])、クロック信号p1の周波数f1が、(f1=4[MHz])の場合は、対象次数は、220となり、輻射される220次の高調波が、受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分として対象となる。
次に、クロック制御部21は、デューティ比候補選定処理で、対象次数の約数(但し、「1」を除く)mを全て求め、デューティ比候補として、1/m,(m−1)/mを選定する。
例えば、対象次数が、220の場合には、1/2,1/4,3/4,1/5,4/5,…,1/10,9/10,…,1/220,219/220がデューティ比候補として選定される。
次に、クロック制御部21は、最適デューティ比抽出処理で、デューティ比候補選定処理で選定された複数のデューティ比候補のなかから、ノイズ成分としての高調波の低減のために最適な1つのデューティ比を選定する。
例えば、受信周波数frが880[MHz]、クロック信号p1の周波数f1が4[MHz]の場合は、220次の高調波が輻射されて、受信回路で感度劣化を引き起こす虞がある。
そこで、クロック信号p1のデューティ比Dを、次数の約数mを求め、(D=1/m)、又は(D=(m−1)/m)として、1/2,1/4,3/4,1/5,4/5,1/10,9/10,…のなかからデューティ比Dを選択することで、理論上、220次の高調波を消去することが可能となる。これにより、クロック信号p1が、受信周波数frが880[MHz]の受信回路に対して悪影響を及ぼすことが回避される。
次に、クロック制御部21は、マスタクロック周波数選定処理で、クロック信号発生部23から出力されるマスタクロック信号p0の周波数f0を、その高調波が、無線受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分を含まないように選定する。
すなわち、クロック制御部21は、マスタクロック信号p0の周波数f0を、クロック信号p1の周波数f1と、対象次数の約数mではない自然数と、最適デューティ比抽出処理で選定したデューティ比Dに対応する約数mとの積として求める。
例えば、クロック信号p1の周波数f1が、(f1=4[MHz])で、対象次数が「220」のとき、マスタクロック信号p0の高調波を、fr=880[MHz]に当らないようにするために、選定したデューティ比Dに対応する約数mとして「4」、対象次数の約数ではない自然数として「3」を選択すると、(f0=4[MHz]×3×4=48[MHz])と算出される。
クロック制御部21は、算出したマスタクロック信号p0の周波数f0、クロック信号p1の周波数f1及びデューティ比Dを、設定情報として、記憶部22の情報記憶部に記憶させる。
デューティ比Dの設定処理後、クロック制御部21は、図1に示すように、デューティ比制御処理で、デューティ比可変部25を制御して、選定されたデューティ比Dに基づいて、クロック信号p0のデューティ比を制御して、周波数f1及びデューティ比Dのクロック信号p1を出力させる。
通信時に、例えば、周波数fr(=880[MHz])の受信波を受ける場合に、クロック信号発生回路23から、例えば、周波数f0(=48[MHz])のクロック信号p0が出力されると、デューティ比可変回路25では、周波数f1が4[MHz]で、次数220の約数について、(D=1/m)、又は(D=(m−1)/m)として、1/2,1/4,3/4,1/5,4/5,1/10,9/10,…のなかから選択されたデューティ比Dのクロック信号p1を出力する。
これにより、クロック信号p1の220次の高調波が輻射されて、受信周波数frが880[MHz]の受信回路で感度劣化を引き起こすことが回避される。
このように、この例の構成によれば、受信周波数frとクロック信号p1の周波数f1とから、クロック信号p1のうち、受信波に対するノイズ成分としての対象の高調波成分の次数を求め、次数の約数から、1/約数又は(約数−1)/約数を、対象の高調波成分の低減が可能なクロック信号p1のデューティ比として求め、このデューティ比のクロック信号p1を用いることで、クロック信号p1の高調波成分の受信回路への影響を確実に防止することができる。
すなわち、理論上消去可能な高調波成分に対応するデューティ比を、実測によることなく正確に、かつ、1/約数又は(約数−1)/約数として、簡単に求めることができる。
これにより、クロック信号p1の高調波成分が受信帯域に当っていても、この高調波成分の生成自体を低減することができる。
このように、実測によることなく正確に求められることにより、一旦求めたデューティ比のクロック信号p1を用いることによって、携帯電話機が置かれた環境によらず、クロック信号p1の高調波成分の無線受信回路への影響を確実に防止することができる。したがって、移動端末としての携帯電話機に適用して好適である。
また、デューティ比を、1/約数又は(約数−1)/約数として、簡単に求めることができるので、例えば、受信周波数が変更となっても、デューティ比設定処理プログラムを用いて簡単に設定し直すことができる。
また、プログラムを含むデューティ比設定処理機能や、デューティ比制御処理機能は、クロック信号の所定の高調波成分を低減したい電子機器において、共通に利用可能であり、高い汎用性を有している。
また、例えば、シールドのための部材を必要としないので、クロック信号p1の高調波成分の受信回路への影響を確実に防止しつつ、コスト低下及び機器の小型化に寄与することができる。
また、クロック制御部21は、マスタクロック周波数選定処理で、クロック信号発生回路23から出力されるマスタクロック信号p0の周波数f0を、その高調波が、受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分を含まないように、マスタクロック信号p0の周波数f0を、クロック信号p1の周波数f1と、対象次数の約数ではない整数と、最適デューティ比抽出処理で選定したデューティ比に対応する約数との積として求めるので、マスタクロック信号p0の高調波成分の無線受信回路への影響も確実に防止することができる。
図5は、この発明の第2の実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
この例の構成が上述した第1の実施例の構成と大きく異なるところは、第1の実施例では、受信回路が単一であったのに対して、2種類の受信回路を備える場合に、異なる受信周波数について、2つの次数の公約数から、クロック信号のデューティ比を選択するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、第1の実施例と同一の構成要素については、図5において、図2で用いた符号と同一の符号を付して、その説明を簡略にする。
この例の携帯電話機1Aは、図5に示すように、コントローラ2と、アンテナ3を介して無線電波の送受信を行い、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部4Aと、アンテナ31を介して、複数(例えば、4基)のGPS衛星からの信号を受信するためのGPS受信部32と、受話部5と、音声出力部6と、送話部7と、表示部8と、操作部9と、発光部11と、電子カメラ部12と、カード読取書込部13とを備えてなっている。
例えば、無線通信部4Aにおいて、クロック出力部のクロック制御部は、対象次数算出処理と、デューティ比候補選定処理と、最適デューティ比抽出処理と、マスタクロック周波数選定処理とを含むデューティ比設定処理や、デューティ比制御処理等を実行する。
このクロック制御部は、対象次数算出処理では、2種類の受信波に対するデューティ比可変回路から出力されるクロック信号の高調波の2つの次数を算出する。
また、このクロック制御部は、デューティ比候補選定処理では、2つの次数の公約数mを全て求め、デューティ比候補として、1/m、(m−1)/mを選定する。
また、このクロック制御部は、マスタクロック周波数選定処理では、マスタクロック信号の周波数を、デューティ比可変回路から出力されるクロック信号の周波数と、いずれの対象次数の約数mでもない自然数と、最適デューティ比抽出処理で選定したデューティ比Dに対応する公約数mとの積として求める。
この例の構成によれば、上述した第1の実施例と略同様の効果を得ることができる。
加えて、デューティ比を、1/約数又は(約数−1)/約数として、簡単に求めることができるので、2種類の受信波についても、約数として公約数を用いることによって、共通のデューティ比を求め、2種類の受信波に対するノイズ成分としてのクロック信号p1の高調波成分を低減して、2つの受信回路への影響を確実に防止することができる。しかも、この共通のデューティ比を簡単に設定することができる。
図6は、この発明の第3の実施例である携帯電話機のクロック出力部の構成を示すブロック図、図7は、同クロック出力部の立上り・立下り時間可変回路の構成を示す回路図、図8は、同立上り・立下り時間可変回路の出力波形を示す波形図、また、図9は、同立上り・立下り時間可変回路からのクロック信号の出力波形のスペクトルを説明するための説明図である。
この例の構成が上述した第1の実施例の構成と大きく異なるところは、クロック信号のデューティ比に加えて、立上り・立下り時間を制御して、所定の高調波を低減するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、第1の実施例と同一の構成要素については、図6において、図1で用いた符号と同一の符号を付して、その説明を簡略にする。
この例の携帯電話機のクロック出力部26Bは、図6に示すように、クロック制御部21Bと、記憶部22Bと、マスタクロック信号q0を発生させるクロック信号発生部23と、クロック制御部21Bの制御によって、クロック信号発生部23Bから出力された周波数f0のマスタクロック信号p0を分周し、かつ、デューティ比Dを変化させて、所定の周波数f1及びデューティ比Dのクロック信号q1を出力するデューティ比可変部25と、クロック信号q1の立上り・立下り時間trを変化させて、図8に示すように、所定の周波数f1及びデューティ比Dの台形状のクロック信号q2を出力する立上り・立下り時間可変回路41とを有している。
なお、図8において、横軸の時間t、及び縦軸のクロック信号q2の出力電圧hの目盛りの数値について、それぞれ定数倍した値が実際の値(時間t[s]、出力電圧h[V])を示す。また、Tは、台形状のクロック信号q2の周期、dは、クロック信号q2のパルス幅(立上り期間の半分の時刻(h=0)から立下り期間の半分の時刻(h=0)までの時間)を示す。
クロック制御部21Bは、記憶部22Bに記憶された制御プログラムに従って、デューティ比設定処理や、デューティ比制御処理のほか、例えば、立上り・立下り時間設定処理や、立上り・立下り時間制御処理等を実行する。
立上り・立下り時間設定処理は、立上り・立下り時間候補選定処理と、最適立上り・立下り時間比抽出処理とを含んでいる。
クロック制御部21Bは、立上り・立下り時間候補選定処理で、受信周波数frの約数mを求め、立上り・立下り時間trの候補として、(tr=1/m)を選定する。
例えば、受信周波数frが、(fr=880[MHz])、クロック信号q2の周波数f1が、(f1=4[MHz])の場合には、1/220[μs],1/110[μs],1/55[μs],…が立上り・立下り時間候補として選定される。
また、クロック制御部21Bは、最適立上り・立下り時間抽出処理で、立上り・立下り時間候補選定処理で選定された複数の立上り・立下り時間候補のなかから、1つの立上り・立下り時間を選定する。
クロック信号q2の立上り・立下り時間を最適に制御することで、受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分としてのクロック信号q2の高次の高調波が下げられる。
台形状のクロック信号h(t)は、周期関数であるために、フーリエ展開が可能であり、式(12)のように表すことができる。
Figure 2009044271
なお、c0は、台形状のクロック信号h(t)の振幅、nは、自然数(n=1,2,…)を示す。
式(12)によって示されるクロック信号h(t)のスペクトルは、図9に示すように表され、立上り・立下り時間の逆数の成分毎に、スプリアスを低減できることがわかる。したがって、クロック信号q2の立上り・立下り時間を制御することによって、無線受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分としての所定の次数の高調波が低減される。
なお、同図において、横軸上の逆山形の記号は、出力の周波数成分のうち、理論上「0」となる周波数(座標位置)を示す。
また、クロック制御部21Bは、立上り・立下り時間制御処理で、立上り・立下り時間可変回路41を制御して、選定された立上り・立下り時間に基づいて、クロック信号の立上り・立下り時間trを変化させて、所定の周波数f1、デューティ比D、及び立上り・立下り時間trのクロック信号q2を出力させる。
記憶部22Bは、デューティ比設定処理プログラムや、デューティ比制御処理プログラム、立上り・立下り時間設定処理プログラム、立上り・立下り時間制御処理プログラム等の制御プログラム等が記憶されたプログラム記憶部と、設定情報等の各種情報が記憶された情報記憶部とを有してなっている。
立上り・立下り時間可変回路41は、図7に示すように、ゲート同士が接続されたpMOSFET42及びnMOSFET43と、電源とpMOSFET42との間に配置された定電流回路44と、nMOSFET43とグランドとの間に配置された定電流回路45とを有している。
pMOSFET42は、そのソースがnMOSFET43のドレインに、ドレインが電源に接続され、入力されたクロック信号によって、オン又はオフとなり、オンとなるときに、pMOSFET42のソースとnMOSFET43のドレインとの接続点で出力波形が立ち上がる。
また、nMOSFET43は、そのドレインがpMOSFET42のソースに、ソースがグランドに接続され、入力されたクロック信号によって、オン又はオフとなる。
クロック制御部21Bから供給される電流値設定信号によって、定電流回路44,45に流れる電流が一定値に保たれる。
例えば、定電流回路44を流れる電流値を比較的大きく設定した場合には、立上り時間は、比較的短くなり、電流値を比較的小さく設定した場合には、立上り時間は、比較的長くなる。
また、定電流回路45を流れる電流値を比較的大きく設定した場合には、立下り時間は、比較的短くなり、電流値を比較的小さく設定した場合には、立下り時間は、比較的長くなる。
次に、図6を参照して、この例の携帯電話機のクロック出力部の動作について説明する。
クロック制御部21Bは、第1の実施例と同様にデューティ比設定処理を実行する。
次に、クロック制御部21Bは、立上り・立下り時間設定処理を実行する。
クロック制御部21Bは、まず、 立上り・立下り時間候補選定処理で、立上り・立下り時間候補として、(tr=1/m)を選定する。
例えば、受信周波数frが、(fr=880[MHz])、クロック信号q2の周波数f1が、(f1=4[MHz])の場合には、1/220[μs],1/110[μs],1/55[μs],…が立上り・立下り時間候補として選定される。
次に、クロック制御部21Bは、最適立上り・立下り時間抽出処理で、立上り・立下り時間候補選定処理で選定された複数の立上り・立下り時間候補のなかから、1つの立上り・立下り時間を選定する。
クロック信号q2の立上り・立下り時間を最適に制御することで、受信回路で感度劣化を引き起こすノイズ成分としてのクロック信号q2の高次の高調波が下げられる。
クロック制御部21Bは、算出したマスタクロック信号q0の周波数f0、クロック信号q1,q2の周波数f1、デューティ比D、立上り・立下り時間trを、設定情報として、記憶部22Bを情報記憶部に記憶させる。
デューティ比D及び立上り・立下り時間trの設定処理後、クロック制御部21Bは、図6に示すように、デューティ比制御処理で、デューティ比可変部25を制御して、選定されたデューティ比Dに基づいて、クロック信号q0のデューティ比を制御して、周波数f1及びデューティ比Dのクロック信号q1を出力させる。
また、クロック制御部21Bは、立上り・立下り時間制御処理で、立上り・立下り時間可変回路41を制御して、選定された立上り・立下り時間に基づいて、クロック信号の立上り・立下り時間trを変化させて、所定の周波数f1、デューティ比D、及び立上り・立下り時間trのクロック信号q2を出力させる。
通信時に、例えば、周波数fr(=880[MHz])の受信波を受ける場合に、クロック信号発生回路23から、例えば、周波数f0(=48[MHz])のクロック信号q0が出力されると、デューティ比可変回路25は、周波数f1が4[MHz]で、次数220の約数について、(D=1/m)、又は(D=(m−1)/m)として、1/2,1/4,3/4,1/5,4/5,1/10,9/10,…のなかから選択されたデューティ比Dのクロック信号q1を出力する。
さらに、立上り・立下り時間可変回路41は、1/220[μs],1/110[μs],1/55[μs],…のなかから選択された立上り・立下り時間trのクロック信号q2を出力する。
これにより、クロック信号q2の220次の高調波が輻射されて、受信周波数frが880[MHz]の受信回路で感度劣化を引き起こすことが回避される。
この例の構成によれば、上述した第1の実施例と略同様の効果を得ることができる。
加えて、対象の高調波成分の低減が可能なクロック信号q2のデューティ比と、立上り・立下り時間とを求め、所定のデューティ比、及び立上り・立下り時間のクロック信号q2を用いることで、クロック信号q2の所定の高調波成分の受信回路への影響を一段と確実に防止することができる。
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施例では、無線通信部を構成するクロック信号発生回路から出力されるクロック信号を制御対象とする場合について述べたが、このほか、無線通信部の外部に設けられたクロック発生回路から出力されるクロック信号を、無線受信回路において受信波に対するノイズ成分が低減されるように制御する場合等に適用できる。
すなわち、クロック信号発生回路や、デューティ比可変回路又は立上り・立下り時間可変回路、クロック制御部は、それぞれ、無線通信部の内部に配置されていても良いし、外部に配置されていても良い。
この場合、無線通信部を構成するデジタル回路に供給されるクロック信号であるか否かを問わず、一般に、無線受信回路に影響を与えるクロック信号を制御対象とする場合に適用できる。例えば、コントローラを構成する主制御部で用いられるクロック信号も制御対象とされる。また、例えば、クロック制御部を廃して、主制御部がクロック制御部の機能を兼ねても良い。
また、デューティ比は、必ずしも厳密に次数の約数に設定してなくても、この値を中心として所定の範囲内で設定しても良い。すなわち、約数の近似値であっても良い。また、次数は、受信周波数に対するクロック信号の周波数の比の近似値として求めても良い。
同様に、立上り・立下り時間は、厳密に受信周波数の約数の逆数に設定してなくても、この値を中心として所定の範囲内で設定しても良い。すなわち、約数の逆数の近似値であっても良い。
また、立上り・立下り時間として、受信周波数の近似値の約数の逆数を求めても良い。ここで、例えば、有効数字の桁数を設定して整数化してから約数を求めても良いし、上記桁数分の有効数字を整数として扱って、この整数の約数を求めてから受信周波数の約数を求めても良い。また、受信周波数の約数の逆数に限らず、受信周波数を所定の自然数で除した値の逆数を、立上り・立下り時間として求めても良い。いずれも、クロック信号の所定の高調波を下げる効果を得ることができる。
なお、上述したデューティ比制御処理や立上り・立下り時間制御処理を、必ずしも常時実行しなくても、例えば、受信時にのみ、実行するようにしても良い。
また、第1の実施例で、最適なデューティ比を自動的に設定するようにしても良いし、選定されたデューティ比候補を表示させて、操作者が選択操作によって最適なデューティ比を設定するようにしても良い。また、必ずしも全てのデューティ比候補を求めなくても良い。
また、第1の実施例で、主制御部が、クロック制御部の一部又は全部を兼ねて良い。すなわち、クロック制御部のデューティ比設定処理機能、又は/及びデューティ比制御処理機能を実行しても良い。
また、第1の実施例で、小型TVアンテナを介して地上波デジタル放送の1SEG(1セグメント)放送を受信するTV受信部を設けるようにしているも良い。
また、第2の実施例で、無線LANに接続するための無線通信部を設けるようにしているも良い。この場合、3つの次数の公約数に基づいて、デューティ比を選定するようにしても良い。また、3つと限らず、4つ以上でも適用することができる。
また、第3の実施例で、クロック信号のデューティ比に代えて、立上り・立下り時間のみを制御して、高調波を低減するように構成しても良い。すなわち、デューティ比可変回路と、クロック制御部のデューティ比設定処理機能や、デューティ比制御処理機能等を廃しても良い。
また、第3の実施例で、両定電流回路を制御して、立上り時間と立下り時間とを別々に変化させても良いし、略同一値としても良い。
また、第3の実施例で、高調波の次数の公約数を用いて、2種類の受信波についても対応可能なようにしても良い。
また、第3の実施例で、立上り時間及び立下り時間を変化させるとともに、デューティ比も独立に変化させて、複数種の受信波に対応させるようにしても良い。すなわち、所定の立上り時間及び立下り時間に対応する高調波と、所定のデューティ比に対応する高調波とを、別々に設定しても良い。
携帯型の電子機器としては、携帯電話機のほか、簡易型携帯電話(PHS)端末や、携帯情報端末(PDA)、携帯型のコンピュータに対して適用できる。また、電子機器として、携帯型のもののほか、無線通信機能を有するコンピュータ等に対して適用できる。
この発明の第1の実施例である携帯電話機のクロック出力部の構成を示すブロック図である。 同携帯電話機の構成を示すブロック図である。 同携帯電話機のコントローラの構成を示すブロック図である。 同クロック出力部のデューティ比可変回路の出力波形を示す波形図である。 この発明の第2の実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図である。 この発明の第3の実施例である携帯電話機のクロック出力部の構成を示すブロック図である。 同クロック出力部の立上り・立下り時間可変回路の構成を示す回路図である。 同立上り・立下り時間可変回路の出力波形を示す波形図である。 同立上り・立下り時間可変回路からのクロック信号の出力波形のスペクトルを説明するための説明図である。
符号の説明
1,1A 携帯電話機(電子機器)
4 無線通信部(無線受信回路)
21 クロック制御部(クロック信号制御手段、デューティ比設定手段)
21B クロック制御部(クロック信号制御手段、立上り・立下り時間設定手段)
22,22B 記憶部
23 クロック信号発生回路
25 デューティ比可変回路
26,26B クロック出力部
32 GPS受信部(無線受信回路)
41 立上り・立下り時間可変回路

Claims (13)

  1. CPUを内蔵し、前記CPUを含むデジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による受信妨害が防止されるように構成された無線受信回路であって、
    前記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の前記高調波成分を下げて、受信感度を高めるためのクロック信号制御手段を備えてなり、
    前記クロック信号制御手段は、前記クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、前記受信帯域に重なる前記高調波成分の次数を求め、前記次数に基づいて、前記高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定するデューティ比設定手段を有してなることを特徴とする無線受信回路。
  2. 前記デューティ比設定手段は、前記次数の約数の逆数、又は1と前記逆数との差を、前記デューティ比として求めて設定することを特徴とする請求項1記載の無線受信回路。
  3. 前記デューティ比設定手段は、前記受信周波数に対する前記クロック信号の周波数の比、又は前記比の近似値を、前記受信帯域に重なる前記高調波成分の前記次数として求めて設定することを特徴とする請求項1又は2記載の無線受信回路。
  4. 前記クロック信号制御手段は、前記受信周波数に基づいて、前記高調波成分が下げられる前記クロック信号の立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定する立上り・立下り時間設定手段を有してなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の無線受信回路。
  5. CPUを内蔵し、前記CPUを含むデジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による受信妨害が防止されるように構成された無線受信回路であって、
    前記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の前記高調波成分を下げて、受信感度を高めるためのクロック信号制御手段を備えてなり、
    前記クロック信号制御手段は、受信周波数に基づいて、前記高調波成分が下げられる前記クロック信号の立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定する立上り・立下り時間設定手段を有してなることを特徴とする無線受信回路。
  6. 前記立上り・立下り時間設定手段は、前記受信周波数の逆数と、所定の自然数との積、又は前記積の近似値を、前記立上り時間、又は/及び前記立下り時間として求めて設定することを特徴とする請求項4又は5記載の無線受信回路。
  7. 前記立上り・立下り時間設定手段は、前記受信周波数の近似値の約数の逆数、又は前記逆数の近似値を、前記立上り時間、又は/及び前記立下り時間として求めて設定することを請求項4又は5記載の特徴とする無線受信回路。
  8. CPUを内蔵し、前記CPUを含むデジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による受信妨害が防止されるように構成された無線受信回路を備えた電子機器であって、
    前記無線受信回路は、前記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の前記高調波成分を下げて、受信感度を高めるためのクロック信号制御手段を備えてなり、
    前記クロック信号制御手段は、前記クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、前記受信帯域に重なる前記高調波成分の次数を求め、前記次数に基づいて、前記高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定するデューティ比設定手段を有してなることを特徴とする電子機器。
  9. CPUを内蔵し、前記CPUを含むデジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による受信妨害が防止されるように構成された無線受信回路を備えた電子機器であって、
    前記無線受信回路は、前記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の前記高調波成分を下げて、受信感度を高めるためのクロック信号制御手段を備えてなり、
    前記クロック信号制御手段は、受信周波数に基づいて、前記高調波成分が下げられる前記クロック信号の立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定する立上り・立下り時間設定手段を有してなることを特徴とする電子機器。
  10. デジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による無線受信回路における受信妨害を防止するためのクロック信号制御方法であって、
    前記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の前記高調波成分を下げて、受信感度を高めるための制御ステップを含み、
    前記制御ステップは、前記クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、前記受信帯域に重なる前記高調波成分の次数を求め、前記次数に基づいて、前記高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定するデューティ比設定ステップを含むことを特徴とするクロック信号制御方法。
  11. デジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による無線受信回路における受信妨害を防止するためのクロック信号制御方法であって、
    前記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の前記高調波成分を下げて、受信感度を高めるための制御ステップを含み、
    前記制御ステップは、受信周波数に基づいて、前記高調波成分が下げられる前記クロック信号の立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定する立上り・立下り時間設定ステップを含むことを特徴とするクロック信号制御方法。
  12. デジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による無線受信回路における受信妨害を防止するためのクロック信号制御方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムであって、
    前記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の前記高調波成分を下げて、受信感度を高めるための制御ステップをコンピュータに実行させ、
    前記制御ステップは、前記クロック信号の周波数と、受信周波数とに基づいて、前記受信帯域に重なる前記高調波成分の次数を求め、前記次数に基づいて、前記高調波成分が下げられるデューティ比を求めて設定するデューティ比設定ステップを含むことを特徴とする制御プログラム。
  13. デジタル回路を駆動するためのクロック信号の周波数又はその高調波成分の干渉による無線受信回路における受信妨害を防止するためのクロック信号制御方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムであって、
    前記クロック信号の高調波成分のうち、受信帯域に重なるn(nは、2以上の自然数)次の前記高調波成分を下げて、受信感度を高めるための制御ステップをコンピュータに実行させ、
    前記制御ステップは、受信周波数に基づいて、前記高調波成分が下げられる前記クロック信号の立上り時間、又は/及び立下り時間を求めて設定する立上り・立下り時間設定ステップを含むことを特徴とする制御プログラム。
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