JP2009043875A - 電気二重層コンデンサ - Google Patents

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Abstract


【課題】 小型・大容量化の障害とならずに、電気二重層コンデンサ素子の位置ズレを生じさせず、電気二重層コンデンサ自体の形状不良を発生させない絶縁ケースを有する電気二重層コンデンサの提供。
【解決手段】 組み立て電極18は、プラス側板状リード端子1、マイナス側板状リード端子2及び絶縁ケース3で構成する。絶縁ケース3をプラス側板状リード端子1とマイナス側板状リード端子2の間に配置し、プラス側電極とマイナス側電極の間に絶縁を確保させる。前記絶縁ケース3には、前記絶縁ケース3に応力が加わった時に前記絶縁ケース3内に設置される電気二重層コンデンサ素子の位置ズレを生じさせないために、複数カ所の切りかき部16と電気二重層コンデンサ素子5を位置決めするための位置決め部11を設ける。位置決め部11は前記絶縁ケース3の円心中央方向に傾斜させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気二重層コンデンサに関し、特にその絶縁ケースに関するものである。
図4は、電気二重層コンデンサ基本セルの断面図である。基本セル12は、集電体14、ガスケット15、セパレータ17、活性炭電極19により構成される。一般に、電気二重層コンデンサの素子の基本単位である基本セル12には、電極として活性炭が用いられている。活性炭電極19は、電極間のショートを防止するために、電解液中のイオンを透過するセパレータ17を介して配置される。また、この両電極の背面に導電性の集電体14が配置され、電解液の封止および導電性材料の絶縁のために、ゴム等の封止用弾性体(ガスケット15)を電極の両側面に配置している。
図5は、電気二重層コンデンサ素子の断面図である。電気二重層コンデンサの耐電圧は、電解液の電気分解電圧によって制限されているため、通常、求められる耐電圧に応じて、例えば図5に示すように、基本セル12が必要な枚数だけ複数枚積層され、直列接続されることにより、電気二重層コンデンサ素子5が構成される。また、電気二重層コンデンサは、基本セル12の間の電気的な接続の安定を保つために、積層された基本セル12からなる電気二重層コンデンサ素子5が積層方向に一定の圧力を加えられた状態で外装ケースに封止されている。
図9は、従来の電気二重層コンデンサ用の組み立て電極の外観斜視図であり、図10は、従来の電気二重層コンデンサ用の組み立て電極の外観斜視図のB−Bによる断面図である。図9と図10に示すように、組み立て電極18は、プラス側板状リード端子1とマイナス側板状リード端子2、および底を有する円筒型の絶縁ケース13から構成される。図10に示すように、絶縁ケース13はプラス側板状リード端子1とマイナス側板状リード端子2の間に配置され、プラス電極とマイナス電極の絶縁を確保する。図10に示す組み立て電極18には、図5に示す電気二重層コンデンサ素子5が収容され、外装ケースによって覆われる。
図11は、従来の電気二重層コンデンサの断面図である。図11に示すように、電気二重層コンデンサ200は、図9の組み立て電極18、電気二重層コンデンサ素子5、底を有する円筒型の外装金属ケース7、絶縁スリーブ9から構成される。
電気二重層コンデンサ素子5は、前記電気二重層コンデンサ素子5の一方の電極面が組み立て電極18の内側の底面にあるプラス側板状リード端子1と接するように内蔵される。電気二重層コンデンサ素子5を内蔵した組み立て電極18の上部開口部は、マイナス側板状リード端子2と電気接合する外装金属ケース7にて封口される。外装金属ケース7の内側の底面は、電気二重層コンデンサ素子5の組み立て電極18に接している面とは逆の面と電気的に接合される。また、外装金属ケース7の側面と電気二重層コンデンサ素子5の側面との間は、絶縁ケース13を挟むことで、接触やショートが防止される。なお、絶縁ケース13は電気二重層コンデンサ素子5の電極面に接続された一対のプラス側板状リード端子1とマイナス側板状リード端子2の接触やショートをも防止している。さらに、外装金属ケース7をカシメ封口することにより、電気的な接合部を一定圧力で保持する構造となっている。
外装金属ケース7をカシメ封口する際には、図11のCの方向(電気二重層コンデンサ素子5の積層方向)に一定の圧力を加え、外装金属ケース7の開口部の縁を同図のDの方向の内側に向かって絞める。ここで、図11では隙間が空けられて示されているが、このC方向の圧力によって隙間はなくなり、外装金属ケース7の内側の底面は、電気二重層コンデンサ素子5の組み立て電極18のプラス側板状リード端子1に接している面と逆の面と接し、電気的に接合される。また、このC方向の圧力で、電気二重層コンデンサ素子5を構成する基本セル12の間の電気的な接合の安定も保たれる。ただし、電気二重層コンデンサ素子5を絶縁ケース13に設置し、カシメ封口の際に電気二重層コンデンサ素子5が変形するとともに、絶縁ケース13にも応力が加わるため、電気二重層コンデンサ素子5の位置ズレが生じると、電気二重層コンデンサ200自体の形状不良が発生する恐れがあるので、カシメ封口前に、電気二重層コンデンサ素子5の位置ズレを生じさせないように制御する必要がある。
例えば、特許文献1では、電気二重コンデンサのガスケット内でのセパレータの位置決めと場所は上記と異なるが、ガスケットの内側面に波形面を形成して、波形面をセパレータに接触させてセパレータを支持し、位置決めする方法が記載されている。このように、絶縁ケース13と電気二重層コンデンサ素子5の位置決めのために、絶縁ケース13の内側面に波形面を設けて位置決めを行うことにより位置ズレを生じさせないようにすることも可能である。
特開平3−6009号公報
しかしながら、特許文献1のようなガスケットの内側面に位置決め用の波形面を設ける方法では、内部に入るものは波形面の大きさで規定されることになる。例えば、絶縁ケース13と電気二重層コンデンサ素子5の位置決めのために、絶縁ケース13の内側面に波形面を設けて位置決めを行うことを想定してみる。この場合、絶縁ケース13の大きさが一定の場合、前記絶縁ケース13内に構成される電気二重層コンデンサ素子5の容積は、位置決め用の波形面を入れない時と入れる時とでは差があり、前記波形面を入れた時の電気二重層コンデンサ素子5の容積は、前記波形面を入れない時と比べて小さくなるため、電気二重層コンデンサの小型・大容量化の障害となる。
また、従来の製造工程では、特に位置決め用の波形面等がないので、電気二重層コンデンサ素子5を前記絶縁ケース13内に位置決め・圧着する場合には、手作業の工程が必要なため、作業工数が多くかかるという問題があった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、小型・大容量化の障害とならずに、電気二重層コンデンサ素子の位置ズレを生じさせず、電気二重層コンデンサ自体の形状不良を発生させない製造容易な絶縁ケースを有する電気二重層コンデンサの提供を目的とする。
本発明は、プラスのリード端子とマイナスのリード端子と、前記2つのリード端子の間に配される底を有する円筒型の絶縁ケースを有し、前記絶縁ケース内に電気二重層コンデンサ素子を収納した電気二重層コンデンサであって、前記絶縁ケースは、側面部に複数カ所の切りかき部と、前記電気二重層コンデンサ素子を位置決めするための位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記絶縁ケースの円心中央方向に傾斜し、前記位置決め部は、前記円心中央方向から外側に広げられた場合に、前記切りかき部に納まることを特徴とする電気二重層コンデンサである。
また、本発明は、前記絶縁ケースの側面部の切りかき部と位置決め部が3カ所以上設けられたことを特徴とする電気二重層コンデンサである。
また、本発明は、前記位置決め部が前記電気二重層コンデンサ素子と接して固定されることにより、前記電気二重層コンデンサ素子は外装金属ケースと接することのない構造となっている。
本発明によれば、カシメ封口時の電気二重層コンデンサ素子の変形による応力等から生ずる絶縁ケース内に設置された電気二重層コンデンサ素子の位置ズレを防ぐことができ、また電気二重層コンデンサ自体の形状不良を防止でき、かつ電気二重層コンデンサの小型・大容量化の障害とならない絶縁ケースを有する製造容易な電気二重層コンデンサを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る絶縁ケースについて、図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサ用の組み立て電極の斜視図であり、図2は、本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサ用の組み立て電極のA−Aによる断面図である。図1と図2に示すように、組み立て電極8は、プラス側板状リード端子1、マイナス側板状リード端子2及び絶縁ケース3で構成する。プラス側板状リード端子1はプラス電極側の端子、マイナス側板状リード端子2はマイナス電極側の端子である。
絶縁ケース3は、プラス側板状リード端子1とマイナス側板状リード端子2の間に配置することで、プラス側電極とマイナス側電極の間に絶縁部を確保させる。絶縁ケース3の材料には、ポリアセタール、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマー)等のエンジニアリングプラスチックが好適に使用可能である。
絶縁ケース3には、電気二重層コンデンサ(図示せず)の組み立て時に前記絶縁ケース3内に設置される電気二重層コンデンサ素子(図示せず)の位置決めを容易にし、外装金属ケース7(図示せず)のカシメ封口時に位置ズレを生じさせないために、複数カ所の位置決め部11を設ける。図1に示すように、切りかき部16と位置決め部11が絶縁ケース3の3カ所に設けられ、位置決め部11は前記絶縁ケース3の円心中央方向に傾斜しており、切りかき部16の方が位置決め部11と同形状もしくは大きく形成され、位置決め部11が絶縁ケース3の中心中央から外方に力が加えられた時に切りかき部16に納まるようになっている。また、位置決め部11と切りかき部16がほぼ同じ大きさであれば、電気二重層コンデンサ素子5と外装金属ケース7との接触も起こり難い。
図3は、本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの断面図である。電気二重層コンデンサ100は、組み立て電極8の絶縁ケース3内に電気二重層コンデンサ素子5が収納され、外装金属ケース7を被せられて、絶縁スリーブ9で覆われている。電気二重層コンデンサ素子5およびこれを構成する基本セル12は、従来と同じものを用いることができる。
図4は、図5の基本セル12を拡大したものであるが、セパレータ17を対になった電解液を含む活性炭電極19で挟み、その両端をガスケット15で支持し、上下の両背面に、対になった電気的接合のための集電体14をサンドイッチ状に配置する。次いで、図5に示すように、図4の基本セル12を複数枚積層し、直列接続することによって電気二重層コンデンサ素子5を構成する。この電気二重層コンデンサ素子5が、図3に示されるように、絶縁ケース3内に収納される。このように、電気二重層コンデンサ素子5は従来と同じ物を用いればよい。
図6は、本発明の実施の形態に係る絶縁ケースの位置決め部と切りかき部の拡大した説明図である。図6に示すように、絶縁ケース3は、位置決め部端部11aで切断された形状の位置決め部11と切りかき部16を有する。前記位置決め部11は、前記絶縁ケース3から前記位置決め部端部11aを境に切り離され、前記絶縁ケース3の外側から円心中央方向に傾斜するように押し込まれた形状に成形するとよい。このような形状とすると、カシメて素子が膨らんだ時に、位置決め部11が切りかき部16にちょうど納まることになる。
例えば、位置決め部11は、本発明の実施の形態に係る絶縁ケース3の成形時に、始めから金型を用いて樹脂成形することで、前述の前記絶縁ケース3の外側から円心中央方向に傾斜するように押し込まれた形状として作製し、電気二重層コンデンサ素子(図示せず)が前記位置決め部11と接して位置決めされるようにする。なお、前記絶縁ケース3の前記位置決め部11は、電気二重層コンデンサ素子を設置する際に、位置決めのために仮固定されていればよく、外装金属ケース(図示せず)が取り付けられ、カシメ封口する時には、前記位置決め部11で電気二重層コンデンサ素子を強固に固定しなくてもよく、位置決め部11は押し込まれて切りかき部16にちょうど納まるようになっていれば、圧力が加わって前記絶縁ケース3が破れるようなことや、電気二重層コンデンサ素子が外装金属ケース(図示せず)と接するようなことがなく、ショート等の不良が生じない。
図7は、本発明の実施の形態に係る絶縁ケースに電気二重層コンデンサ素子を設置した電気二重層コンデンサの上観図である。図7に示す例では、切りかき部16と位置決め部11を3カ所設け、前記位置決め部11の3カ所で前記電気二重層コンデンサ素子5を固定している。また、位置決め部11は切りかき部16に納まる大きさになっているので、押し広げられても余裕があり、絶縁ケース3の破れにつながらない。また、位置決め部11により、内部に入る電気二重層コンデンサ素子の容積を大きく減少させることにならない。これにより、前記電気二重層コンデンサ素子5は外装金属ケースと接することのない構造となる。
図7では、切りかき部11は絶縁ケース3の側面部に3カ所設ける場合について説明をしたが、切りかき部11は複数あってもよい。図8は、本発明の実施の形態に係る絶縁ケースに位置決め部と切りかき部を4カ所設けた絶縁ケースに電気二重層コンデンサ素子を設置した電気二重層コンデンサの上観図である。図8に示すように、絶縁ケース3の側面部に切りかき部16と位置決め部11の組を4カ所設けることで、前記電気二重層コンデンサ素子5の位置ズレを防いでもよい。これ以上設けても構わないが、位置決めのバランスを取るためには回転対称に設けることが望ましい。
本発明の実施例における電気二重層コデンサ素子は、直径8.2mm素子を用い、絶縁ケースは6Tナイロンを用い、電気二重層コデンサ素子が接触する底面が直径8.7mmの製品を選定してカシメ封口を行い、製品形状不良の発生数を比較した。本発明の実施例における絶縁ケースは、従来の絶縁ケースに6カ所を切断し、3カ所の位置決め部と3カ所の切りかき部を設けて製作し、位置決め部を絶縁ケースの円心中央部に傾けた状態で加熱して製作した。
このようにして製作した電気二重層コンデンサと従来の電気二重層コンデンサを各1000個ずつカシメ封口したところ、従来の電気二重層コンデンサは4個の製品形状不良が発生したのに対し、本発明における絶縁ケースを使用した電気二重層コンデンサは、カシメ封口時の製品形状不良が1000個中0個と不良の発生は確認されなかった。また、位置決め部が設けられているため、実施例の場合は電気二重層コンデンサ素子をはめ込んだだけで位置決めされるので、作業性は非常に良好であった。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る絶縁ケースの好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサ用の組み立て電極の斜視図。 本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサ用の組み立て電極のA−Aによる断面図。 本発明の実施の形態に係る電気二重層コンデンサの断面図。 電気二重層コンデンサの基本セルの断面図。 電気二重層コンデンサ素子の断面図。 本発明の実施の形態に係る絶縁ケースの位置決め部と切りかき部の拡大した説明図。 本発明の実施の形態に係る絶縁ケースに電気二重層コンデンサ素子を設置した電気二重層コンデンサの上観図。 本発明の実施の形態に係る絶縁ケースに位置決め部と切りかき部を4カ所設けた絶縁ケースに電気二重層コンデンサ素子を設置した電気二重層コンデンサの上観図。 従来の電気二重層コンデンサ用の組み立て電極の外観斜視図。 従来の電気二重層コンデンサ用の組み立て電極の外観斜視図のB−Bによる断面図。 従来の電気二重層コンデンサの断面図。
符号の説明
1 プラス側板状リード端子
2 マイナス側板状リード端子
3,13 絶縁ケース
5 電気二重層コンデンサ素子
7 外装金属ケース
8,18 組み立て電極
9 絶縁スリーブ
11 位置決め部
11a 位置決め部端部
12 基本セル
14 集電体
15 ガスケット
16 切りかき部
17 セパレータ
19 活性炭電極
100,200 電気二重層コンデンサ

Claims (2)

  1. プラスのリード端子とマイナスのリード端子と、前記2つのリード端子の間に配される底を有する円筒型の絶縁ケースを有し、前記絶縁ケース内に電気二重層コンデンサ素子を収納した電気二重層コンデンサであって、前記絶縁ケースは、側面部に複数カ所の切りかき部と、前記電気二重層コンデンサ素子を位置決めするための位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記絶縁ケースの円心中央方向に傾斜し、前記位置決め部は、前記円心中央方向から外側に広げられた場合に、前記切りかき部に納まることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
  2. 前記絶縁ケースの側面部の切りかき部と位置決め部が3カ所以上設けられたことを特徴とする請求項1記載の電気二重層コンデンサ。
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JP2013058665A (ja) * 2011-09-09 2013-03-28 Taiyo Yuden Co Ltd 電気化学デバイス

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