JP2009042517A - レーザー光遮蔽フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】カレンダー、インフレーション、押出しなどによる加工性が良好で、耐久性や耐候性(耐UV性)に優れ、近赤外線領域から遠赤外線領域まで幅広く吸収できるレーザー光遮蔽フィルムを提供する。
【解決手段】合成樹脂からなるレーザー光遮蔽フィルムであって、酸化タングステン粒子および/または6ホウ化ランタン粒子を1.0〜18g/m2含み、波長1000〜20000nmの領域における光学濃度(ODレベル)が2以上である。 また、可視光線透過率は30%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、カレンダー、インフレーション、押出しなどによる加工性が良好で、耐久性や耐候性(耐UV性)に優れたレーザー光遮蔽フィルムであって、特に、近赤外線領域から遠赤外線領域まで幅広く吸収できるレーザー光遮蔽フィルムに関する。
現在、紫外線レーザー、可視光線レーザー、赤外線レーザーなどが様々な分野で使用されており、その中でも780nm以上のレーザー光を出力する赤外線レーザーは数多く使用されている。
赤外線レーザーは、多くの物質で吸収され熱となり、様々な材料を溶かすことができるため、鋼板の切断や金属の溶接をはじめとして、レーザーマーキング、各種レーザー加工、医療分野などに幅広く使用されている。
この赤外線レーザーとしては、LD励起固体レーザー、ランプ励起固体レーザー、ファイバーレーザー、ディスクレーザー、ハイブリッドレーザー、CO2レーザー等の780nm以上のレーザー光を出力するレーザーが知られているが、これらレーザー光は、一般的に、非常にエネルギーが大きく、人の目にあたると危険である。したがって、レーザーを発生する装置は、安全性の観点から密閉された区域で使用されることが多い。このような密閉区域内部の作業状況が外部から確認できないことは安全上好ましいものではないため、通常、透明性のあるガラス板、パーテーション、カーテン等で仕切ることにより該密閉区域を設けることが好ましい。
そこで、透明性があり、かつ上記レーザー光線を遮蔽し得るフィルムの開発が進められている。しかしながら、近赤外線領域から遠赤外線領域まですべての波長を吸収できるレーザー光遮蔽フィルムはなく(非特許文献1参照)、単一波長対応のものが主流であり、レーザーごとに(そのレーザーの発振波長を吸収できる)フィルムを選択しなければならない問題があった。
従来、近赤外線遮蔽フィルムとしては、1)樹脂に赤外線吸収色素を配合した練り込み型フィルム、2)屈折率の異なる層を積層し、透過率を干渉させることで特定波長を透過させる干渉フィルム、3)金属粉(粒子)を分散させた層を有するフィルム、などが提案されている。
上記提案の中で、1)のような赤外線吸収色素を使用したレーザー光遮蔽フィルムが数多く流通しているが、これらの赤外線吸収色素としては、有機系のシアニン色素等が良く用いられており、耐候性(耐UV性)に問題があった。
加えて、上記赤外線吸収色素は、1000nm付近のレーザー光遮蔽性については良好であるが、1200nm以上の波長まで幅広く吸収することが出来ないという問題もあった。
さらに、上記赤外線吸収色素は、一般的に熱に弱いということが知られており、カレンダー、押出機などで樹脂へ練りこむ際には加工温度が上げられず(加工性が悪く)、得られたフィルムの外観が良好でない場合が多く見られた。
2)のようなレーザー光遮蔽フィルムでは、各層の屈折率と透過光の波長との調整が必要であり、実用できる干渉フィルムを製造するには多大のコストがかかると思料される。
3)のようなITO(インジウム含有酸化錫)やATO(アンチモン含有酸化錫)などの金属粒子を使用したレーザー光遮蔽フィルムでは、それら金属粒子の添加量や付着量を増やす必要があった。しかしながら、添加量や付着量を増やすと近赤外線領域の反射率も大きくなってしまい、作業者にレーザー光が跳ね返るおそれや、可視光線透過率が極端に低下してしまう問題があった。
また、先に、本発明者は、可視光線は透過し赤外線を遮断する熱線吸収シートを提案している(特願2006−351005《特許文献1》参照)。
LASER EYE PROTECTOR AND FILTER 山本光学株式会社 04,7,10発行のカタログ 特願2006−351005 WO2005/037932公報 特開2005−187323公報
本発明は、以上のような現状を考慮し、カレンダー、インフレーション、押出しなどによる加工性が良好で、耐久性や耐候性(耐UV性)に優れ、近赤外線領域から遠赤外線領域まで幅広く吸収できるレーザー光遮蔽フィルムを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために検討を重ねたところ、6ホウ化ランタンや、上記した本発明者による先提案の熱線吸収シートで使用した酸化タングステンが、近赤外線領域から遠赤外線領域まで幅広い領域のレーザー光を効果的に吸収し得るとの知見を得た。
本発明は、この知見の下でなし得たものであり、以下を要旨とする。
(1)合成樹脂からなるレーザー光遮蔽フィルムであって、酸化タングステン粒子および/または6ホウ化ランタン粒子を1.0〜18g/m2含み、1000〜20000nmの波長領域における光学濃度(ODレベル)が2以上であるレーザー光遮蔽フィルム。
(2)可視光線透過率が30%以上であることを特徴とする前記(1)に記載のレーザー光遮蔽フィルム。
本発明のレーザー光遮蔽フィルムによれば、赤外線レーザーにおける近赤外線から遠赤外線領域までいずれの波長も有効に吸収することができる。このため、本発明のレーザー光遮蔽フィルムを使用することによって、LD励起固体レーザー、ランプ励起固体レーザー、ファイバーレーザー、ディスクレーザー、ハイブリッドレーザー、CO2レーザー等、多種多様な赤外線レーザーに対応でき、異なる発振波長ごとにフィルムを替える必要が無い。
また、本発明のレーザー光遮蔽フィルムは、カレンダー、インフレーション、押出しなどによる加工に問題がない。よって、長尺物を外観良好に製膜することができるため、広幅カーテンへの応用も可能であり、また自己粘着性を付与できるためシールドやパネル用途だけでなく、窓などにも容易な操作で直接そのまま貼着し得、劣化した際などに随時容易な操作で貼りかえるなどの用途も可能である。
さらに、本発明による酸化タングステンおよび/または6ホウ化ランタンを使用したレーザー光遮蔽フィルムは、従来の有機系赤外線吸収色素や金属紛などを使用したフィルムに比べると、より高い可視光線透過率を維持できるうえ、光学特性の経時変化が少なく耐久性や耐候性(耐UV性)に優れているため、産業上の利用価値は極めて大きい。
本発明のレーザー光遮蔽フィルムの母体である合成樹脂(基材樹脂)は、通常のフィルムやシートに用いられるものであれば、どのような合成樹脂であってもよく、レーザー光遮蔽フィルムの用途により適宜選択される。
本発明に使用される合成樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、特に耐候性や加工性の点で、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂を好適に使用することができる。用途により適宜、上記の樹脂を2種類以上組み合わせて使用することもできる。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合樹脂、これらの2種以上を混合したもの、あるいは塩化ビニルの単独重合樹脂や共重合樹脂と他の樹脂をブレンドしたもの等も使用できる(以下、これらを纏めて塩化ビニル系樹脂と称す)。
塩化ビニルと共重合させる他のモノマーとしては、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、マレイン酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、高級ビニルエーテル等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用することもできる。
塩化ビニル樹脂にブレンドする他の樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリウレタン樹脂、ポリメタクリレート樹脂等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上をブレンドすることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体であり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を併用することもできる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用することもできる。
本発明のレーザー光遮蔽フィルムは、上記のような合成樹脂中に酸化タングステン粒子および/または6ホウ化ランタン粒子を1.0〜18g/m2含み、波長1000〜20000nmにおける光学濃度(ODレベル)が2以上であることを特徴とする。
酸化タングステン粒子および/または6ホウ化ランタン粒子の含有量は、レーザー光遮蔽フィルムの厚さによらず、1m2あたり1.0〜18gである。1.0g/m2未満であると、エネルギーの大きいレーザー光を十分に吸収できない。また、18g/m2を超えてもこの効果は飽和するばかりか、酸化タングステン粒子および/または6ホウ化ランタン粒子が凝集して外観不良になるおそれがある。
レーザー従事者の安全性と作業性の向上を目的として、各作業における対象物の観察ができる程度の視認性を確保するために、本発明のレーザー光遮蔽フィルムでは、JIS−A−5759の規定を基に算出される可視光線透過率が30%以上であることが好ましい。
このような可視光線透過率を得るためには、レーザー光遮蔽フィルム1m2における酸化タングステン粒子の含有量を2.5〜6.0gとするとよい。2.5〜6.0g/m2の範囲内であると、レーザー光遮蔽効果を有し且つ可視光透過率が30%以上と良好であるため、安全性と視認性を充分に確保することができる。
本発明では、1000〜20000nmの波長領域における光学濃度(Optical Densityレベル)が2以上であることが重要であり、好ましくは4以上である。
光学濃度(以下、「ODレベル」とも言う)とはOD=-log(I0/I)(I:透過光強度、I0:入射光強度)で求められるもので、透過する光の減衰率(%)を表すものである。ODレベルは入射する光の波長に依存し、OD=0のとき減衰率は0(すなわち、透過率100%)、OD=1のとき減衰率は1/10(すなわち、透過率10%)、OD=2のとき減衰率は1/100(すなわち、透過率1%)のように、ODが整数分増加するごとに減衰率が10倍ずつ増加するものである。したがって、レーザー光遮蔽に関する分野ではODレベルが大きいほどレーザー光の遮蔽性が大きいとされている。
ODレベルの上限は、特に限定されず、より高いほうが好ましい。遮蔽フィルムのODレベルが2以上であれば、レーザー光の強さや出力される位置からの距離を考慮しても、本発明で所望する優れた遮蔽性を有するフィルムとすることができる。
本発明のレーザー光遮蔽フィルムは、赤外線レーザー光遮蔽を要する箇所に使用でき、例えば、レーザー光使用領域を区画するパーティション(間仕切り)や該領域を覗くための窓などに貼着して使用してもよい。
このとき、可塑剤の配合量を増加したり、粘着性付与剤を添加したりすることで、レーザー光遮蔽フィルム自体に、自己粘着性を付与してもよい。あるいは、レーザー光遮蔽フィルムのいずれかの面に粘着剤層を設けてもよい。
レーザー光遮蔽フィルムの厚みについては、一般的なレーザー光遮蔽フィルムとして使用される厚みであれば特に問題なく、例えば0.1〜2.0mm程度であるが、上記のようなフィルム自体に自己粘着性を付与する際には、操作の容易性や、自己粘着機能の発現性などの観点から、0.2〜0.3mmが好ましい。
本発明に使用される酸化タングステン粒子としては、例えば、WO2005/037932(特許文献2)、特開2005−187323(特許文献3)等に記載されるような、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表されるタングステン酸化物の微粒子、または、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物の微粒子である。
本発明に使用される6ホウ化ランタン粒子としては、通常、熱線吸収シートに使用されているものが好適に使用される。
このような酸化タングステン粒子および/または6ホウ化ランタン粒子をフィルム1m2あたりに特定量含有させることで、YAGレーザー等が出力する1000nm付近の波長はもとより、CO2レーザー等が出力する10000nm付近の遠赤外線領域まで幅広く吸収することが出来る。
しかも、ITOやATOなどの金属粉に比べて、少量添加にも拘わらず、赤外線レーザー光をより効率的に遮蔽でき、得られるフィルムの可視光線透過率を向上させることができる。
特に、酸化タングステン粒子は、多量に添加しても可視光線透過率が低下しにくいため、視認性を確保する上で好ましく使用される。また、酸化タングステン粒子自体が、耐候性に優れているため、屋外や外気に曝される場所等の使用にも支障がない。
酸化タングステン粒子および6ホウ化ランタンのレーザー光遮蔽フィルム中での分散粒子径については、平均粒径D(50)において800nm以下が好ましい。
これ(D(50)=800nm)より大きいものを用いると、可視光線透過率が低下し、透明性が低下する可能性があると共に、フィルムに対して異物状の存在となりやすく外観上好ましくない。
レーザー光遮蔽フィルム中に酸化タングステン粒子や6ホウ化ランタン粒子が均一に分散していないと、入射するレーザー光の多様な波長(1000〜20000nmという幅広い波長領域)を遮蔽する性能が充分に発揮されない虞がある。加えて、遮蔽フィルムを使用している間に変形したり、分散が充分でないと、酸化タングステン粒子や6ホウ化ランタン粒子が凝集したりする虞があり好ましくない。
母体である合成樹脂への分散性を高めるためには、例えば、酸化タングステン粒子や6ホウ化ランタン粒子の表面を、被覆剤にてコーティングしてもよいし、または適宜分散剤等を粒子と共に母体合成樹脂に添加してもよい。
この被覆剤としては、Si、Ti、Zr、Alなどの元素を含有するカップリング剤が用いられ、例えばトリメトキシシランのようなシランカップリング剤が好適に使用される。
また、分散剤としては、各種の界面活性剤、リン酸エステル化合物等が適宜使用される。
また、母体である合成樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂等の場合、通常、該合成樹脂に対して分散性のよい可塑剤を添加することが一般的である。
本発明では、必要量の酸化タングステン粒子を、予め可塑剤などの添加剤に分散させ、その分散処理した添加剤を(レーザー光遮蔽フィルムの母体である)合成樹脂に添加することで均一分散を達成してもよい。
以上のような方法で、酸化タングステン粒子や6ホウ化ランタン粒子の合成樹脂への均一な分散性を高めることができる。
可塑剤としては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジイソノニルフタルート(DINP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)等のフタル酸エステル系可塑剤、トリクレジルホスフェート(TCP)等のリン酸エステル系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)等のアジピン酸エステル系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルセバケート(DOS)等のセバシン酸エステル系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)等のアゼライン酸エステル系可塑剤、ポリプロピレンアジペート(PPA)等のポリエステル系可塑剤、塩化パラフィン等の塩素化脂肪族エステル系可塑剤等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用することもできる。
さらに、本発明のレーザー光遮蔽フィルムには、前記したような酸化タングステン粒子、6ホウ化ランタン粒子と共に必要に応じて、分散剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、(光)安定剤、滑剤、着色剤、粘度調整剤、その他各種の添加剤を配合することができる。着色剤等の添加に関しては、可視光線領域の透過性を損なわないように考慮する必要がある。
レーザー光遮蔽フィルムの形成方法としては、前述のように得られた酸化タングステン粒子や6ホウ化ランタン粒子及びその他の添加剤が配合された合成樹脂組成物を、一般的なシート又はフィルム成形に使用されているカレンダー成形、押出成形、インフレーション成形、キャスト成形等の各種成形方法により形成することができる。
帯電防止剤をレーザー光遮蔽フィルムに含有させることで、クリーンルームなどでの使用に好適なものとすることができる。
帯電防止剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が使用される。
難燃剤をレーザー光遮蔽フィルムに含有させることで、レーザー光が蓄熱することによってフィルムを貫通したり、フィルムが炭化してしまうことを効率的に防止できる。
難燃剤としては、塩素系化合物、臭素系化合物、リン系化合物、その他各種無機系化合物等が使用される。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、トリアジン系化合物、ヒンダードアミン系化合物から選択される1種類以上であればよい。
本発明のレーザー光遮蔽フィルムは、少なくとも1層が合成樹脂に酸化タングステン粒子および/または6ホウ化ランタン粒子が添加された合成樹脂シートであれば、2層以上の積層体であってもよい。
このように、本発明のレーザー光遮蔽フィルムでは、通常のシートを積層し、遮熱性能以外の他の機能を付与したものであってもよい。
例えば、表面の傷付き防止を目的とした保護層等を設けることができる。
この保護層については、例えば、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂等の単体、2種以上の共重合体、2種以上の混合体等からなる通常使用されている表面処理剤をレーザー光遮蔽フィルム表面上に塗布することで設ければよい。
〔ODレベルと光線透過率の検討〕
表1に示す組成の配合に従い、事前に赤外線遮蔽剤を可塑剤に分散させた後に、他の化合物と共にバンバリーミキサーで混練を行い、次いで最終ロール温度175℃のカレンダーで、それぞれ表1に示す厚みのフィルムを得た。
得られた各フィルムについて、A)780〜2100nmにおけるODレベル、B)10000nmにおけるODレベル、C)可視光線透過率(%)、D)ヘイズ、E)表面外観を測定し、その結果を併せて表1に示す。
Figure 2009042517
(使用原料)
・ポリ塩化ビニル(平均重合度1050)―カネカ社製 商品名“S1001”
・セシウム酸化タングステン(Cs0.33WO3
・6ホウ化ランタン
・可塑剤:シージーエスター社製 商品名“DHP”
・エポキシ化大豆油:大日本インキ化学工業社製 商品名“W−100EL”
・Ba−Zn系複合安定剤:アデカ社製 商品名“AC−255”
・滑剤:日本化成社製 商品名“ビスアマイド”
・光安定剤:ベンゾトリアゾール系化合物(昭島化学社製 商品名“MAF−613”)
ODレベルは、下記の式と表2に示すとおり、透過する光の減衰率を対数表示した値である。
A)波長780〜2100nmにおけるODレベル、B)波長10000nmにおけるODレベルは、自記分光光度計(日本分光社製 商品名“V−570”)にて、入射光強度、透過光強度を測定し、下記式で求めた。本発明では、ODレベルの値が2以上のフィルムを、十分なレーザー光遮蔽性があるものとみなす。
OD=-log(I0/I) I:透過光強度 I0:入射光強度
Figure 2009042517
C)可視光線透過率は、380〜780nm領域における平均光線透過率であり、自記分光光度計(日本分光社製 商品名“V−570”)にて測定した。
D)ヘイズ(単位%)は、JIS K6714に基づき測定を行った。
E)表面外観は目視により評価した。
〇:外観不良なし
×:表面に異物が見られる
表1から、実施例1〜5は、780〜2100nm、10000nmのいずれの波長領域においてもODレベルが2以上であり、本発明のレーザー光遮蔽フィルムとして満足する遮蔽性が得られた。
特に、実施例1〜3においては、可視光線透過率が高く、ヘイズが小さいため、透明性のあるレーザー光遮蔽フィルムが得られたことがわかる。
本発明のレーザー光遮蔽フィルムは、YAGレーザー等が出力する1000nm付近の波長からCO2レーザーが出力する10000nm付近の遠赤外線領域の波長まで幅広く吸収できる多波長兼用タイプとして、広範な分野に好適に使用され得る。
例えば、シールドやパネル用途はもとより、外観良好な長尺ものを製膜できるため、広幅なカーテンや、パーティション(間仕切り)や覗き窓などへの貼着フィルムとしても好適である。

Claims (2)

  1. 合成樹脂からなるレーザー光遮蔽フィルムであって、酸化タングステン粒子および/または6ホウ化ランタン粒子を1.0〜18g/m2含み、1000〜20000nmの波長領域における光学濃度(ODレベル)が2以上であるレーザー光遮蔽フィルム。
  2. 可視光線透過率が30%以上であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー光遮蔽フィルム。
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