JP2009042212A - RM2抗体で規定されるハプトグロビンβ鎖を利用した癌の評価方法 - Google Patents
RM2抗体で規定されるハプトグロビンβ鎖を利用した癌の評価方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009042212A JP2009042212A JP2008106074A JP2008106074A JP2009042212A JP 2009042212 A JP2009042212 A JP 2009042212A JP 2008106074 A JP2008106074 A JP 2008106074A JP 2008106074 A JP2008106074 A JP 2008106074A JP 2009042212 A JP2009042212 A JP 2009042212A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cancer
- haptoglobin
- antibody
- chain
- prostate cancer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/574—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
- G01N33/57407—Specifically defined cancers
- G01N33/57434—Specifically defined cancers of prostate
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/574—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
- G01N33/57407—Specifically defined cancers
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/574—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
- G01N33/57407—Specifically defined cancers
- G01N33/57438—Specifically defined cancers of liver, pancreas or kidney
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2333/00—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
- G01N2333/435—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
- G01N2333/46—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans from vertebrates
- G01N2333/47—Assays involving proteins of known structure or function as defined in the subgroups
- G01N2333/4701—Details
- G01N2333/4713—Plasma globulins, lactoglobulin
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2333/00—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
- G01N2333/795—Porphyrin- or corrin-ring-containing peptides
- G01N2333/805—Haemoglobins; Myoglobins
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Immunology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Hematology (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Hospice & Palliative Care (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Oncology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Pathology (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
Abstract
【解決手段】被験者から単離した組織あるいは体液中における、RM2抗体が特異的に結合するハプトグロビンβ鎖あるいはその断片のレベルを指標として、当該被験者の泌尿生殖器系癌の罹患可能性あるいは悪性度を評価する。
【選択図】なし
Description
本発明では、RM2抗体が特異的に結合するハプトグロビンβ鎖あるいはその断片のレベルを指標として、被験者の泌尿生殖器系癌の罹患可能性、予後あるいは悪性度を評価する。以下、本発明の方法にかかる用語について、説明する。
本発明にかかる「RM2抗体」とは、腎癌組織から単離された新規ガングリオシドDSGb5 (disialosyl globopentaosylceramide)を標的として確立されたモノクローナル抗体であり、その後の研究過程で新規糖鎖β1,4-GalNAc-disialyl Lc4を特異的に認識することが判明した抗体である。
本発明にかかる「ハプトグロビンβ鎖」は、血漿糖蛋白ハプトグロビンを構成するペプチド鎖である。ハプトグロビンは、1938年にPolonovskiによって発見された血漿糖蛋白で、ヘモグロビンと特異的に結合する特性を有している。ハプトグロビンは主に肝臓で産生され(最近、癌からも産生されることが示されている)、α鎖と糖が結合したβ鎖の大小2つのペプチドが2個ずつSS結合して成り立っている。α鎖はα1、α2の2種類、β鎖は1種類で、その組み合わせにより1-1型、2-1型、2-2型の3つの遺伝子型が存在し、それぞれHp1-1((α1β)2: 分子量約100,000)、Hp2-1((α1β)2 + (α2β)n: 分子量約200,000以上)、Hp2-2((α2β)n: 分子量約400,000以上)の蛋白に対応する。最近では、このハプトグロビンの遺伝型と各種疾患の難易罹患性との関係等が報告されている。
本発明にかかる「RM2抗体が特異的に結合するハプトグロビンβ鎖(RM2抗体結合性ハプトグロビンβ鎖)」とは、前記したRM2抗体が特異的に認識して結合するハプトグロビンβ鎖であって、RM2抗体の反応性において、健常人にみられる通常のハプトグロビンβ鎖と質的及び量的に区別される。
上述のとおり、本発明で評価対象となる癌は、「泌尿生殖器系癌」であり、たとえば、前立腺癌、腎癌、尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂尿管癌)、精巣癌等を挙げることができる。
2.1 試料の調製
本発明の評価方法は、被験者から採取した組織、末梢血(血清)、尿、組織抽出液等の体液、排泄物(喀痰、糞便)を用いて非侵襲的に行われる。
抗ハプトグロビンポリクローナル抗体及びRM2抗体それぞれによるウエスタンブロッティングの結果から、RM2抗体は癌由来のハプトグロビンβ鎖により選択的に反応するという性質が明らかにされた。これは、すなわちRM2抗体が、癌由来と良性由来のハプトグロビンβ鎖の質的違いを認識することを示している。したがって、このRM2抗体の特異性を利用することにより、高感度で特異度の高い癌の診断が可能になると考えられる。
(1)質量分析法
SELDI-TOF-MS
SELDI(Surface-Enhanced Laser Desorption/Ionization:表面増強レーザー脱離イオン化)は、チップ(プロテインチップ)表面に工程した化学官能基や分子を利用して、サンプル中に存在する特定の分子をチップ上に補足・精製した後、レーザー照射することで補足分子の脱離、イオン化を行なう手法である。このイオン化された分子を飛行時間型質量分析法(TOF-MS)を用いて分析するのが、SELDI-TOF-MSである。
MALDI(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization:マトリックス支援レーザー脱離イオン化)は、サンプルとマトリックスの混合結晶を調製し、それにレーザー光を照射する事でイオン化を行う方法である。このイオン化された分子を飛行時間型質量分析法(TOF-MS)を用いて分析するのが、MALDI-TOF-MSである。レーザー源として、窒素レーザー(波長337nm)やYAGレーザー(波長355nm)が一般的に用いられるため、マトリックスにはこの波長領域に吸収帯を持つ物質が使用される。MALDI-TOF-MSによる検出は、あらかじめ試料(血清)をRM2抗体で免疫沈降した後、前述のSELDI-TOF-MSにしたがって実施できる。
ELISA−サイズ分画を利用したELISA法
血清をナノセップ遠心濾過デバイスでサイズ分画を行い、40kDa付近の分子量を溶出する。ついで、溶出液を2分して、市販のELISAプレートに吸着させる。各々のwellに対して抗ハプトグロビンポリクローナル抗体及びRM2抗体で反応させ、反応強度を比較することにより、RM2抗体結合性ハプトグロビンβ鎖を検出することができる。
免疫沈降法による検出の場合、例えば、被験者から単離した血清をサイズ分画した後、標識したRM2抗体及び/又は抗ハプトグロビン抗体を加えて放置し、遠心分離等によってRM2抗体及び/又は抗ハプトグロビン抗体とハプトグロビンβ鎖の複合体を沈殿として回収する。回収された沈殿について、用いた標識の蛍光あるいは放射活性を測定することにより、RM2結合性ハプトグロビンβ鎖の検出を行なう。
被験者から単離したサンプル中からRM2抗体結合性ハプトグロビンβ鎖あるいはその断片が健常人に比較して有意に高いレベル(たとえば、p<0.05)で検出された場合、当該被験者は泌尿生殖器系癌の罹患可能性が高いと判定・評価できる。また、同一被験者について、そのレベルの変化をみることにより、癌の悪性度(進行)や予後(癌の残存や再発の有無)を評価することができる。
ウエスタンブロッティングでは半定量的な測定法を施行した。すなわちRM2抗体の75kDa蛋白に対する反応が、前立腺癌と良性前立腺疾患との間で殆ど変化がないため、RM2抗体のハプトグロビンβ鎖に対する反応をRM2抗体の75kDa蛋白に対する反応で標準化したところ(Scion imageで測定)、ROC(receiver operating characteristics)曲線上、感度-(1-特異度)の最大値となる値が0.59であった。したがって、これ以上の値を有する場合に感度、特異度ともに高く前立腺癌の診断を行うことができる。したがって、SELDI-TOF-MS、MALDI-TOF-MSやELISA assayでも同様に、評価することが可能である。
まだ多数の症例数ではないが、悪性度の低い移行帯領域由来の前立腺癌は有意にハプトグロビンβ鎖/75kDa蛋白の値が低いため、悪性度判定にも用いられる可能性がある。
前述したとおり、RM2が特異的に結合するハプトグロビンβ鎖の高発現は、癌(とくに泌尿生殖器係癌)に特異的ではあるが、前立腺等の特定の臓器に特異的なものではない。そこで、目的とする癌の特異的診断のためには、臓器特異的な他のマーカーと組み合わせることにより、ある特定の癌については、より正確な診断が可能となる。
本発明はまた、泌尿生殖器系癌の評価用キットを提供する。本発明のキットは、必須の構成要素としてRM2抗体及び抗ハプトグロビン抗体を含む。
1.対象と方法
(1)血清サンプル
前立腺生検により診断された前立腺癌あるいは良性前立腺疾患の患者血清、及びその他の泌尿生殖器系癌の患者血清は、東北大学病院泌尿器科より得られた。臨床病期(TNM)は、1997年版を用い、すべてのスライドのGleason scoreは一人の病理医によって診断された。
(2)細胞株
PC3, LNCaP, DU145はヒューマンサイエンス研究資源銀行より得た。正常ヒト前立腺上皮細胞のPrECは、Cambrex Bioscienceより購入した。
(3)抗体
モノクローナル抗体RM2は、既報に従い、腎細胞癌株TOS1を免疫源として用いることにより以下のようにして確立した(Saito S, et al., J Biol Chem 269: 5644-5652, 1994.)。ハプトグロビンに対するポリクローナル抗体はDako社から購入した。
1) ガングリオシドに対するモノクローナル抗体スクリーニング用抗原の調製
ハイブリドーマのスクリーニングに用いる糖鎖抗原の抽出は、以下に示す方法で調製した。複数患者より採取した腎癌細胞組織に対して、癌組織容量の19容量のクロロフォルム/メタノール混合溶液(2:1)、クロロフォルム/メタノール混合溶液(1:1)、イソプロパノール/ヘキサン/水混合溶液(55:25:20)でそれぞれ抽出し、それらを混合後、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。抽出物を元の癌組織容量の10倍容量のクロロフォルム/メタノール混合溶液(2:1)に溶解し、これに1/6容量の水を加えてFolch分配した。次いで理論的上相(theoretical upper phase)を回収し、これに元の(回収前の)容量になるまでクロロフォルム/メタノール/0.1% NaCl水溶液混合溶液(1:10:10)を加え、Folch分配を3回行った。上相をあわせ、エバポレーターで10mLまで濃縮後、蒸留水に対して4℃、3日間透析を行った。透析した液をロータリーエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥を行った。得られた凍結乾燥物を少量のクロロフォルム/メタノール/水混合溶液(30:60:8)に溶解し、同溶媒で平衡化したDEAE-Sephadex A-25にかけた。ガングリオシド画分はクロロフォルム/メタノール/0.5M酢酸ナトリウム水溶液混合溶液(30:60:8)で溶出し、蒸留水に対して4℃、3日間透析を行った後、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥物を少量のクロロフォルム/メタノール(2:1)に溶解し、高分解能薄層クロマトグラフィープレート(Merck社)に載せ、クロロフォルム/メタノール/0.05%CaCl2水溶液の混合溶液(50:40:10)で展開した。展開後、0.01%プリムリン(Aldrich社)を含む80%アセトン水溶液及びUV照射によりガングリオシド画分を検出した。構造中にシアル酸をそれぞれ1つおよび2つ含むガングリオシド(モノシアロガングリオシド画分、ジシアロガングリオシド画分)の位置を確認後、UV照射下、それぞれのガングリオシド画分を含む薄層クロマトグラフィープレート上のシリカゲルを剃刀で別々に削りだし試験管に移した。これにイソプロパノール/ヘキサン/水混合溶液(55:25:20)を加え、超音波をかけてガングリオシドを抽出した。この操作を計3回行い、抽出液を合わせて濃縮、凍結乾燥し、使用時まで乾燥状態で冷蔵保存した。
腎細胞癌株TOS1(1〜2x107細胞)をPBSに懸濁し、本懸濁液をBALB/Cマウスの腹腔内に注射した。同一量の懸濁液を同様に14日後に追加免疫、35日目に最終免疫を実施し、3日後にマウスの脾臓を摘出し、脾臓細胞とマウスミエローマ細胞株NS1とを定法に従い細胞融合を実施しハイブリドーマを得た。
ハイブリドーマのスクリーニングは、ハイブリドーマ培養上清のRM2抗原への反応性をELISA法で評価することにより実施した。具体的には前述の方法にて調製したモノシアロガングリオシド画分、ジシアロガングリオシド画分をそれぞれ別のELISAプレートに1ウエル当り10ng加え固定化し、ハイブリドーマの培養上清を反応させた。抗原との反応性をELISA法にて評価した。酵素標識抗マウスイムノグロブリン抗体で反応性を検出し、モノシアロガングリオシド画分には反応せずジシアロガングリオシド画分にのみ反応が確認されたハイブリドーマの繰り返し限界希釈を実施しモノクローナル化した。
Bio-Rad社のAurum Serum Protein Mini Kitを用いてIgG及びアルブミンを除去した後、20μLの血清を10%SDS-PAGE上で電気泳動し、Hybond P PVDF膜に移した。血清中の分子量40kDa (GPX)の糖蛋白に対するRM2反応の濃度測定はScion imageを用いて施行し、40kDa (GPX)の糖蛋白の測定値は、同一レーン上の分子量75kDaの測定値に対して標準化した。
アジレント社の複数分子吸着除去システムカラムは、ヒト血清中に存在する6種類の豊富な蛋白(アルブミン、免疫グロブリンのIgG及びIgA、トランスフェリン、ハプトグロビン、アンチトリプシン)の98-99%を吸着するが、そのカラムと蛋白の吸着ならびに溶出用のA及びB液をアジレント社より購入した。二次元電気泳動、アルキル化、ウエスタンブロッティング、ゲル消化は以前に記載したように施行した。
トリプシン消化物は、アジレント社の質量分析計が組み込まれた110 capillary HPLC (high performance liquid chromatography)を用いて分析した。データはTurboSEQUESTを用いてNCBIのヒト配列データベースを探索した。
Total RNAをPC3、LNCaP、DU145、PrECよりTrizol試薬を用いて抽出した。Total RNAをExScript逆転写キットを用いてfirst strand cDNAに逆転写した。PCRをハプトグロビンβ鎖及びβアクチンに対するプライマーを用いて施行した。
ハプトグロビンβ鎖に対する特異的抗体は存在しないため、抗ヒトハプトグロビンポリクローナル抗体を用いた。以前述べた前立腺全摘術標本のうちの20例を抗ハプトグロビンポリクローナル抗体により免疫染色した。
統計解析はSAS研究所のソフトウエアを用いて行った。
2.1 前立腺癌及び良性前立腺疾患の血清に対するRM2反応
43名の良性前立腺疾患患者と比較して62名の早期前立腺癌患者の大部分で、分子量40kDaの血清糖蛋白(GPXと名付ける)上でRM2反応が増加していた(図1a, 1b, 4b右)。IgMを陰性コントロールとして用いた場合、血清蛋白上に反応は認められなかった(データは示していない)。これらの患者はすべて生検による組織診断を受けており、PSA値は10 ng/mL未満であった。2つのグループ間で年齢とPSAに有意差はなかった。Scion imageにより計算したGPXに対するRM2反応は、内部コントロールとして用いた75kDaに対するRM2反応に対して標準化した。前立腺癌におけるGPXに対するRM2反応レベル (0.96 ± 0.43)は、良性前立腺疾患における反応レベル(0.35 ± 0.32)よりも有意に高かった (p < 0.0001)(図1c)。
GPXの分子学的パラメーターを解析し、その分子の同定を行なった。まず、GPXをアジレントカラムで分離した後、二次元電気泳動、ゲル消化、HPLC、イオン化質量分析を行った。その結果、GPXはハプトグロビンβ鎖であることが明らかになった(図3)。
RM2による血清に対する反応プロフィールは、抗ハプトグロビンポリクローナル抗体によるそれと非常に似ていた(図4a, 4b)。この知見は、上述したプロテオミクス解析の結果を支持するものである。さらに、RM2は良性由来よりむしろ癌由来のハプトグロビンβ鎖に対して選択的な反応を示した(図4a, 4b, 図3a)。ハプトグロビンβ鎖mRNAのレベル増加は、ヒト正常前立腺上皮のPrECに比較した場合、LNCaP、PC3、DU145においても観察された(図4c)。また、良性腺管や間質と比較して、前立腺癌細胞において抗ハプトグロビンポリクローナル抗体による反応増加が、観察された(図4d)。これらの結果は、ハプトグロビンβ鎖が前立腺癌患者と良性前立腺疾患患者との間で量的にも質的にも異なることを示唆している。
モノクローナル抗体RM2は、そもそもジシアロガングリオシドに対して確立され、後日糖鎖抗原(β1, 4-GalNAc-disialyl Lc4)を認識することが判明した。本研究において、われわれはRM2が、ハプトグロビンβ鎖にも反応することを見いだした。さらに、RM2は前立腺癌患者血清由来のハプトグロビンβ鎖により選択的に反応した。ハプトグロビンβ鎖の量的な変化に加えて質的な変化が前立腺癌と良性前立腺疾患との間におけるRM2反応の有意な違いの根拠であることが示唆される。
1.対象と方法
血清サンプルは尿路上皮癌37例(膀胱癌26例、腎盂尿管癌11例、すべて男性)より得られた。平均年齢は65.2 ± 10.9歳であった。RM2による血清との反応及び定量的測定は、実施例1と同様に施行した。
表在癌(浸潤が粘膜下層までの癌, n=18)か浸潤癌(筋層浸潤, n=16)あるいは進行癌(手術不能な局所浸潤あるいは転移を有する尿路上皮癌,n=3)かで、ハプトグロビンβ鎖に対するRM2反応に有意な違いがみられた(図5)。すなわち、浸潤癌/進行癌において明らかにRM2反応が上昇していた(RM2反応(75kDa蛋白に対するRM2反応により標準化した値):表在癌0.31 ± 0.33, 浸潤/進行癌0.96 ± 0.49, p < 0.0001)(図6)。
これまで、尿路上皮癌に有用な血清マーカーは存在しなかったため、RM2が特異的に結合するハプトグロビンβ鎖は非特異的癌マーカーではあるが、尿路上皮癌の進行を客観的に評価できることを示した。また、筋層へ浸潤する癌は通常尿路上皮癌のGrade 3に相当するため、浸潤癌はすなわち高悪性度の癌であることを意味する。このことは、尿路上皮癌患者に対してより適切な治療法を施行する上で役立つ可能性を示している。さらに、手術後の癌の残存や再発を非侵襲的に見いだす手段としても有用である可能性があるため、術後補助化学療法の適応や、再発を早期にチェックする上で役立つことが期待される。
1.定義
PSA再発とは前立腺癌に対し前立腺全摘術等の治療により血清PSA濃度が正常域に低減された後に、再度血清PSA値が規定濃度を超えた場合に用いられる。「PSA再発」は、CTやMRIなどの画像では検出できない前立腺癌再発のごく初期の段階であり、別名「生化学的再発」ともいわれる。PSA再発を放置しておくといずれ「臨床再発」とよばれる、画像で検出することのできる局所(前立腺摘出部)の腫瘤形成や骨転移へ進行する。
ハプトグロビンβ鎖に対するRM2反応レベルを調査した62例の前立腺癌患者のうち、前立腺全摘術を施行した24例について、RM2反応レベルの違いによりPSA再発率に差がないかを調べた。本研究ではPSA再発を0.1ng/mLを超えた時、術後に0.1ng/mL以下にならないときは手術時と定義した。
結果を図7に示した。縦軸にPSA非再発率、横軸は観察期間(単位;月)を表す。前立腺癌におけるRM2反応レベルの平均値は、0.96であったため、それ以上(>0.96)及び以下(<0.96)に分類し、Kaplan-Meier curveによりPSA非再発率を算定したところ、>0.96症例(11例)は<0.96症例(13例)に比較してPSA非再発率が低く、Log-rank testでp=0.0527と殆ど有意に近い差が観察された。これらの結果から、RM2により規定されるハプトグロビンβ鎖は、そのレベルにより前立腺全摘術後のPSA再発予測因子となることが示された。すなわち、RM2が規定する血清ハプトグロビンβ鎖レベルは早期前立腺癌の悪性度を反映することが示唆された。
1.材料及び方法
糖脂質の抽出に使用した株化された前立腺癌細胞はPC3、LNCaP、AICaP1(東北大学泌尿器科学教室で新たに樹立されたアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株)及び腎癌細胞株(TOS1;東北大学泌尿器科学教室で以前に樹立された腎癌細胞株)を用いた。糖脂質の抽出法は以下のように実施した。3x107の各細胞株(約200mgに相当)を遠心分離により集め、これに2mLのイソプロパノール/ヘキサン/水混合溶液(55:25:20, v/v/v)を加え、抽出操作を2回行った。抽出液を合わせ窒素パージにより濃縮乾固した。次いで乾固物中のリン脂質は2mLの0.1M濃度のNaOHを含むメタノール溶液に溶解し、40℃で2時間保持することで加水分解を行い、その後200μLの1N-塩酸で中和した。生成した脂肪酸は繰り返しヘキサン抽出(2mL/抽出)することにより除去した。下相中の糖脂質はSepPak C18カートリッジ(ミリポア社)により脱塩・精製した。回収した総糖脂質は凍結乾燥し、クロロフォルム/メタノール混液(2:1)に再溶解し、各細胞株15mg相当量をTLC(Merck)にスポットし、クロロフォルム/メタノール/0.5%CaCl2水溶液の混合溶液(50:40:10)で展開した。TLCのプレートは風乾後、0.5%濃度のポリイソブチルメタクリレートを溶解したヘキサン/クロロフォルム(9:1)に1分間浸漬し、3%牛血清アルブミンを含むPBS溶液に室温1時間浸漬しブロッキングを行った。TLCをPBSで軽く洗浄した後、1次抗体としてRM2抗体を2時間反応させた後、2次抗体として西洋ワサビペルオキシダーゼ標識 ウサギ抗マウスIgM抗体(Zymed社)を1時間反応させ、コニカイムノステインHRP1000(コニカ社)を用いて検出した。
結果を図8に示した。TLCには各前立腺癌細胞PC3、LNCaP、AICaP1、各15mg相当から抽出した糖脂質をスポットし、RM2抗体を用いた免疫染色による検出を行ったが、β1, 4-GalNAc-disialyl Lc4(GalNAcDSLc4)発現が確認されているTOS1(陽性コントロール)のみにRM2抗体との反応性が認められ、何れの前立腺癌細胞株において発色バンドは認められなかった。従って、これら前立腺癌細胞中ではRM2抗体の認識ガングリオシドであるβ1, 4-GalNAc-disialyl Lc4は発現していないか、検出限界以下の僅かな量であると考えられた。また、データは示していないが、これら前立腺癌細胞株ならびにTOS1の何れの培養上清中においてもβ1, 4-GalNAc-disialyl Lc4は検出されなかった。
実施例1でRM2反応性タンパク質がイオン化質量分析の結果ハプトグロビンβ鎖である事を示した。本実験では、ハプトグロビンはヘモグロビンに吸着する性質を利用して、前立腺癌細胞株DU145の細胞抽出液のヘモグロビンカラム処理を行い、処理前後の試料を電気泳動にかけ、ウエスタンブロットにより、RM2反応性のタンパク質の挙動を調べることで、RM2反応性のタンパク質がハプトグロビンであることを検証した。
(1) ヘモグロビンカラムの調製
弱陰イオン交換樹脂(DEAE樹脂)で精製されたヒトヘモグロビンはシグマ社より購入した。CNBr活性化Sepharose(GEヘルスケアバイオサイエンス)5g(乾燥重量)を膨潤させた後、1mM HCl溶液にて3回洗浄した。次いでゲルを固定化溶液(0.5M NaClを含む0.1M NaHCO3溶液(pH8))で洗浄し、同溶液に再懸濁(約25mL)し脱気を行った。これに予め固定化溶液に対して透析した2mLのヘモグロビン溶液(濃度25mg/mL)を加え室温で1時間反応させた。反応後、ゲルは前述の固定化溶液で3回洗浄(計200mL)した。未反応の活性基は0.1M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)で2時間反応させ、ブロッキングを行った。ヘモグロビンの固定化率は98%であった。ヘモグロビン固定化ゲル懸濁液は脱気後、カラム(1.5cm IDx20cm)に充填し、PBS溶液(0.15M NaCl、20mM Na2HPO4/NaH2PO4 pH7.2)、と0.15M NaCl溶液(pH11)の洗浄のサイクルを2回行った後、PBS溶液で平衡化した。
100μLのDU145細胞抽出液を前述のヘモグロビン固定化担体充填カラムにかけ、溶離液としてPBSを流し、UV280nmをモニターしながら素通り画分を回収した(レーン2。インキュベーション無し)。同様に100μLのDU145細胞抽出液をヘモグロビン固定化担体と4℃で24時間バッチ反応させた後、空カラムに充填し5分静置後、同様にPBSを流し素通り画分を回収した(レーン3)。ヘモグロビン固定化カラムをPBSで洗浄し、次いで0.15M NaCl溶液(pH11)で吸着画分を溶出させた(レーン4)。それぞれ回収した分画は脱塩後、真空乾燥にて濃縮し、50μLのサンプルブッファーに溶解し、煮沸処理5分を行った後、SDS-PAGEにかけ、RM2抗体を用いて、定法に従ってウエスタンブロット分析をおこなった。なお、陽性コントロールとして未処理の細胞抽出液を用いた(レーン1)。
結果を図9に示した。レーン1は未処理のDU145細胞抽出液、レーン2はDU145細胞抽出液のインキュベーションをしないヘモグロビンカラムの素通り分画、レーン3はDU145細胞抽出液の24時間インキュベーション後のヘモグロビンカラムの素通り分画、レーン4はインキュベート後のカラムのPBS溶出分画である。コントロールに対しレーン2では、ハプトグロビンβ鎖(40kDa)並びにα鎖との複合体(50kDa)の分子量に相当するバンドの強度が弱い。またレーン3に示す通り、24時間反応させたサンプルでは、さらにバンド強度が弱くなっておりハプトグロビンβ鎖(40kDa)並びにα鎖との複合体(50kDa)と考えられる分画に対するRM2との反応性がほとんど消失する(レーン3)。一方、24時間反応後のハプトグロビン固定化担体カラムをPBSにて溶出することにより回収された分画には、RM2との反応性が認められた。(レーン4)。これら結果は、DU145細胞に存在するRM2反応性抗原がハプトグロビンであることを強く示唆する。また図8に示したように、株化された前立腺癌細胞(PC3、LNCaP、AICaP1及び腎癌細株TOS1から抽出したガングリオシド画分のTLCによる免疫染色分析では、陽性コントロールのTOS1以外はRM2抗体との反応性が認められず、またRM2抗体の認識構造であるβ1, 4-GalNAc-disialyl Lc4は、前述の前立腺癌細胞株ならびにTOS1のどちらの培養上清中においても検出されなかった。これらの結果から、RM2が認識するガングリオシドが癌細胞より血清に放出されてハプトグロビンβ鎖に結合して、それをRM2が認識するという可能性は否定されると考えられる。前立腺癌細胞に対するRM2反応の殆どはハプトグロビンβ鎖に付加した糖鎖構造あるいは糖鎖付加により生じたハプトグロビンβ鎖の構造変化に依存することを示していると考えられる。
1.材料及び方法
PSAの値が2.1〜4.8ng/mLの前立腺癌患者及び前立腺肥大患者の血清をSDS-PAGEにかけ、定法に従ってタンパク質をPVDF膜に転写した。転写した膜(3枚準備)は室温にて2時間1%牛血清アルブミン溶液を用いブロッキングし、次いで0.05%Tween 20を含むPBS溶液で洗浄した。洗浄後膜を、プラスチック製の袋に移し、一つは2Uのジャック豆由来のβ−ヘキソサミニダーゼ(Sigma社)を加え37℃一晩反応させた。もう一つは25mUのニューカッスル病ウイルス由来のシアリダーゼ(Glyko社)を加え37℃一晩反応させた。さらにもう一つはジャック豆由来のβ−ヘキソサミニダーゼ処理(37℃一晩)に続いて25mUのニューカッスル病ウイルス由来のシアリダーゼ(Glyko社)を加え37℃一晩反応させた。コントロール膜(未処理)は酵素を含まない溶液に反応させ上記と同様に処理した。いずれの膜も0.05%Tween 20を含むPBS溶液で洗浄した後、RM2抗体を用いて、定法に従ってウエスタンブロット分析をおこなった。
結果を図10に示した。図中1〜4が前立腺癌患者血清、5〜8が前立腺肥大患者の血清である。aは未処理、bはジャック豆由来のβ−ヘキソサミニダーゼ処理、cはβ−ヘキソサミニダーゼに続いてニューカッスル病ウイルス由来のシアリダーゼ処理を行ったものである。それぞれ単独処理ではRM2反応は低下しないが(パネルb、シアリダーゼ単独処理もbと同様のため図には示さず)、ジャック豆由来のβ−ヘキソサミニダーゼに続いてニューカッスル病ウイルス由来のシアリダーゼ処理により40kDa(ハプトグロビンβ鎖)に対するRM2反応はほぼ消失する。これにより、ハプトグロビンβ鎖に対するRM2反応はハプトグロビンβ鎖上への糖鎖付加が関与していることが示された。
1.材料と方法
1)ELISAプレート調製及び操作手順
PBSにてヤギ抗マウスIgM抗体(KPL社)を5μg/mLの濃度に希釈し、ELISA用96穴マイクロプレート(ファルコン社製)に100μL分注し4℃で一晩吸着させた。0.05%Tween 20 PBS溶液で2回洗浄した後、5μg/mLのRM2抗体を含むPBS溶液を各ウエル当り100μL加え37℃で1時間反応させた。0.05%Tween 20 PBS溶液で2回洗浄後、1%BSAを含むPBS溶液を各ウエル当り200μLを加え、ブロッキングを行った。続いて0.05%Tween 20 PBS溶液で2回洗浄した後、PBSで希釈した検体100μL(検体8μL+PBS 92μL)を加え、37℃で1時間反応させた。0.05%Tween 20 PBS溶液で5回洗浄し、0.1%BSAを含むPBS溶液で1000倍希釈したウサギ抗ハプトグロブリンポリクローナル抗体(Dako社)100μLを加え、37℃で1時間反応させた。0.05%Tween 20 PBS溶液で5回洗浄した後、1000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗ウサギ抗体(Santa cruz社)100μLを37℃で1時間反応させた。西洋ワサビペルオキシダーゼの基質TMB溶液(Sigma社T8665)を各ウエル当り100μLを加えて、室温で5分反応させた後、100μLの反応停止液(0.5M-H2SO4)を加えた後、450nmの吸光値を測定した。
結果を図11に示した。前立腺癌患者血清12例、良性前立腺疾患患者12例についてELISAを施行したところ、良性前立腺疾患患者12例測定値の平均±標準偏差は0.58±0.48であるの対し、前立腺癌患者血清12例の平均値±標準偏差は1.1±0.64と高値を示し(P=0.0352)、反応性に明らかな有意差が認められた。
1.材料と方法
(1)尿サンプルのウエスタンブロット
尿路上皮癌患者(内訳;膀胱癌 n=3、腎盂癌+膀胱癌 n=2)及び健常人(n=2)の尿、40μLに10μLの5Xサンプルバッファー(125mM Tris-HCl、25% グリセロール、5% SDS、0. 5% ブロモフェノールブルー、5% 2−メルカプトエタノール pH6.5)を加え、5分間煮沸後、20-30μLを10% SDS−ポリアクリルアミド電気泳動をかけ、15Vで45分間、エレクトロブロット法により、ゲル中のタンパク質をHybond P PVD膜に転写した。TBST溶液(50mM Tris-HCl、0.15M NaCl、0.05% Tween 20 pH7.6)にて室温10分間洗浄し、続いて1%BSAを含むTBST溶液で37℃30分ブロッキングを行った。膜をプラスチックバッグに入れTBST溶液で希釈したRM2抗体(最終濃度10μg/mL)を加え4℃で一晩反応させた。膜はTBST溶液にて10分間、計3回洗浄した。4000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ウサギ抗マウスIgM抗体(Zymed社)を37℃30分間反応させた後、TBST溶液にて10分間、計3回洗浄した。RM2抗体と反応した蛋白質は、ECLPlusキット(GEヘルスケアバイオサイエンス社)を用いて化学発光させ、VersaDoc3000(Bio-Rad社)を用いて画像化した。
RM2抗体を用いたウエスタンブロット分析の結果を図12に示した。図中、1−3は膀胱癌、4、5は腎盂癌+膀胱癌、6、7は健常人である。尿路上皮癌5例中3例で、約75kDaのバンドがRM2抗体で陽性に検出された。健常人2名はRM2抗体に対する反応が全く見られなかった。
Claims (10)
- 被験者から単離した組織、体液、又は排泄物中における、RM2抗体が特異的に結合するハプトグロビンβ鎖あるいはその断片のレベルを指標として、当該被験者の泌尿生殖器系癌の罹患可能性、予後あるいは悪性度を評価する方法。
- RM2抗体のハプトグロビンβ鎖あるいはその断片への結合が、糖鎖のβ1,4-GalNAc-disialyl Lc4を介したものではない、請求項1記載の方法。
- 前記泌尿生殖器系癌が、前立腺癌、腎癌、尿路上皮癌、及び精巣癌から選ばれるものである、請求項1又は2記載の方法。
- 前記泌尿生殖器系癌が前立腺癌である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 被験者から単離した血清を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- RM2抗体が特異的に結合するハプトグロビンβ鎖あるいはその断片のレベルが、SELDI-TOF-MS、及びMALDI-TOF-MSを含む質量分析法、又はウエスタンブロット、ドットブロット、スロットブロット、ELISA、RIA及びこれらの変法を含む固相免疫法あるいは免疫沈降法から選ばれる免疫学的手法を用いて行なわれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- RM2抗体が特異的に結合するハプトグロビンβ鎖あるいはその断片のレベルが、SELDI-TOF-MS、MALDI-TOF-MS又はELISAを用いて行なわれる、請求項6に記載の方法。
- さらに他の臓器特異的癌マーカーと併せて評価を行なうことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 評価対象とする癌が前立腺癌であり、前記臓器特異的マーカーがPSAである、請求項8に記載の方法。
- 以下を含む、泌尿生殖器系癌の評価用キット。
1)RM2抗体
2)抗ハプトグロビン抗体
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008106074A JP5193663B2 (ja) | 2007-07-19 | 2008-04-15 | RM2抗体で規定されるハプトグロビンβ鎖を利用した癌の評価方法 |
EP08791705.0A EP2182360B1 (en) | 2007-07-19 | 2008-07-18 | Cancer evaluation method using haptoglobin beta-chain defined by antibody rm2 |
US12/669,691 US9046521B2 (en) | 2007-07-19 | 2008-07-18 | Cancer evaluation method using haptoglobin β chain defined by antibody RM2 |
PCT/JP2008/063467 WO2009011466A1 (ja) | 2007-07-19 | 2008-07-18 | RM2抗体で規定されるハプトグロビンβ鎖を利用した癌の評価方法 |
CA2696458A CA2696458A1 (en) | 2007-07-19 | 2008-07-18 | Cancer evaluation method using haptoglobin .beta. chain defined by antibody rm2 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007188516 | 2007-07-19 | ||
JP2007188516 | 2007-07-19 | ||
JP2008106074A JP5193663B2 (ja) | 2007-07-19 | 2008-04-15 | RM2抗体で規定されるハプトグロビンβ鎖を利用した癌の評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009042212A true JP2009042212A (ja) | 2009-02-26 |
JP5193663B2 JP5193663B2 (ja) | 2013-05-08 |
Family
ID=40259782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008106074A Active JP5193663B2 (ja) | 2007-07-19 | 2008-04-15 | RM2抗体で規定されるハプトグロビンβ鎖を利用した癌の評価方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9046521B2 (ja) |
EP (1) | EP2182360B1 (ja) |
JP (1) | JP5193663B2 (ja) |
CA (1) | CA2696458A1 (ja) |
WO (1) | WO2009011466A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017204295A1 (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 和光純薬工業株式会社 | 消化器癌の判定方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5977174B2 (ja) * | 2010-12-13 | 2016-08-24 | Jcrファーマ株式会社 | スフィンゴ糖脂質の定量法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007530977A (ja) * | 2004-03-30 | 2007-11-01 | 財団法人北海道科学技術総合振興センター | 前立腺癌関連抗原としてのRM2抗原(β1,4−GalNAc−ジシアリル−Lc4) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20070065954A1 (en) * | 2005-09-15 | 2007-03-22 | Minoru Taya | Surface plasmon resonance biosensor system for detection of antigens and method for determining the presence of antigens |
-
2008
- 2008-04-15 JP JP2008106074A patent/JP5193663B2/ja active Active
- 2008-07-18 US US12/669,691 patent/US9046521B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2008-07-18 EP EP08791705.0A patent/EP2182360B1/en not_active Not-in-force
- 2008-07-18 WO PCT/JP2008/063467 patent/WO2009011466A1/ja active Application Filing
- 2008-07-18 CA CA2696458A patent/CA2696458A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007530977A (ja) * | 2004-03-30 | 2007-11-01 | 財団法人北海道科学技術総合振興センター | 前立腺癌関連抗原としてのRM2抗原(β1,4−GalNAc−ジシアリル−Lc4) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017204295A1 (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | 和光純薬工業株式会社 | 消化器癌の判定方法 |
JPWO2017204295A1 (ja) * | 2016-05-27 | 2019-05-30 | 富士フイルム和光純薬株式会社 | 消化器癌の判定方法 |
JP7064121B2 (ja) | 2016-05-27 | 2022-05-10 | 富士フイルム和光純薬株式会社 | 消化器癌の判定方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2182360B1 (en) | 2013-07-10 |
US20100173334A1 (en) | 2010-07-08 |
JP5193663B2 (ja) | 2013-05-08 |
EP2182360A4 (en) | 2010-09-01 |
EP2182360A1 (en) | 2010-05-05 |
US9046521B2 (en) | 2015-06-02 |
WO2009011466A1 (ja) | 2009-01-22 |
CA2696458A1 (en) | 2009-01-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7811772B2 (en) | Apolipoprotein A-II isoform as a biomarker for prostate cancer | |
Tian et al. | Altered expression of sialylated glycoproteins in breast cancer using hydrazide chemistry and mass spectrometry | |
US9423401B2 (en) | Compositions and methods for detecting cancer | |
US20110306049A1 (en) | Method for detecting gynecologic cancer | |
US20050221397A1 (en) | RM2 antigen (beta1,4-GalNAc-disialyl-Lc4) as prostate cancer-associated antigen | |
WO2012129408A2 (en) | Biomarkers for aggressive prostate cancer | |
WO2008039774A1 (en) | Extracellular and membrane-associated prostate cancer markers | |
EP1410022B1 (en) | Detection and treatment of prostate cancer | |
CA2756396A1 (en) | Cancer diagnostics | |
AU2017260806A1 (en) | Markers of endometrial cancer | |
JP5193663B2 (ja) | RM2抗体で規定されるハプトグロビンβ鎖を利用した癌の評価方法 | |
KR20150129932A (ko) | 보체인자 b 단백질에 특이적으로 결합하는 항체를 포함하는 췌장암 진단용 키트 | |
EP3102600B1 (en) | Composition and method for detecting malignant neoplastic disease | |
KR102131860B1 (ko) | 아르기닌이 메틸화된 ggt1에 특이적으로 결합하는 대장암 진단용 바이오마커 조성물 | |
WO2021246153A1 (ja) | 膵臓がんの検出方法及び検出試薬 | |
KR101594287B1 (ko) | 보체인자 b 단백질에 특이적으로 결합하는 항체를 포함하는 췌장암 진단용 키트 | |
RU2818471C2 (ru) | Новый раковый антиген для раннего выявления рака, способ его получения, выделения и детекции | |
JP7709703B2 (ja) | 膵臓がんの検出方法及び検出試薬 | |
US20230305012A1 (en) | Cancer antigen for early cancer detection | |
US20130143231A1 (en) | MST1/STK4 PHOSPHO-THREONINE 120 (pMST-T120) ANTIBODY |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110415 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130204 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5193663 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160208 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |