JP2009039410A - 画像品質管理支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】QCファントムの取り扱いに起因する画質評価の不良を発見でき、QCファントムの取り扱いに対する対策を講じさせ得ること。
【解決手段】設置判別部材と評価用部材とが内在されたQCファントムが撮影された放射線画像を取得し、当該QCファントムのQC識別情報を取得し、また、取得された放射線画像に基づいて設置判別部材の位置を特定し、特定した設置判別部材の位置に基づいてQCファントムの設置情報を算出し、また、放射線画像に基づいて評価用部材毎に対応する評価演算を行って評価結果情報を生成し、評価結果情報とQC識別情報と設置情報とが対応付けられた評価レポートを記憶する画像品質管理支援方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像品質管理支援方法に関する。
近年、医療分野において、患者の病状の診断のための画像を得るために放射線画像読取システムが用いられている。放射線画像読取システムでは、放射線撮影により被写体を透過した放射線エネルギーの一部を輝尽性蛍光体シートの内部に一旦蓄積し、放射線エネルギーが蓄積された輝尽性蛍光体シートを励起光で2次元的に走査して輝尽発光を生じさせ、この輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得て、これをA/D変換してデジタルの画像データを取得する。
このような放射線画像読取システムにおいて得られた画像の画質が悪いと、適正な診断を行うことができなくなる。そのため、オペレータやサービスマンによって、画像読取装置やカセッテのQA(Quality Assurance:品質保証)やQC(Quality Control:品質管理)を行なうための検査方法がある。
この検査方法としては、放射線透過性の基板に放射線を遮蔽する部材や吸収する部材が配置されたQCファントムを撮影してQCファントムの放射線画像を得て、この放射線画像を検査対象となる画像読取装置で読み取り、読み取った放射線画像の画像データに品質評価結果を取得するための演算(以下、QC演算という)を施す検査が知られている。
検査精度の信頼性を確保するためには、QC演算時にQCファントムに内在された各種部材の位置を特定とする必要がある。従って、検査対象領域に対応する位置にQCファントムを設置しなくてはならず、また、QCファントムの位置決めや位置ズレの補正を行なう技術が開示されている。
例えば、X線システムの評価を行なうシステムにおいて、X線ファントムを使用して、X線システム・パラメータの測定を行なう場所である関心領域(ROI)を予測する場合、X線ファントムに設けられた位置決め用タブを用いて、X線ファントムの位置決めを行なう方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、画質測定パターンの画像の位置を検出するために用いられるマーカが複数配置されたファントムを用いて撮影を行い、撮影で得られた画像データに基づいて、マーカ画像の位置を検出し、検出されたマーカ画像の位置と、予め記憶されているファントム画像におけるマーカ画像の基準位置とを比較することにより、ファントム画像の基準位置からの平行方向及び回転方向のズレ(位置ズレ)量を算出し、当該位置ズレ量に基づいてファントム画像の位置ズレ量を補正する技術が開示されている(特許文献2参照)。
更に、検査精度の信頼性を確保するために、画質劣化を早期に認識して、画質劣化の原因の対応を指示する必要がある。
そこで、端末より送信されたファントムを撮影して得られた画像及び当該画像の解析結果である画質パラメータを記憶する画質パラーメータデータベースに記憶し、画質パラメータが所定の基準値内に含まれるか否かの判定結果のレポートを端末に送信する画質管理システムが開示されている(特許文献3参照)。
特開2001−54514号公報 特開2004−298617号公報 特開2005−205193号公報
しかしながら、QCファントムは、1施設に1つ以上設置されることが一般的であるが、多数のカセッテ型放射線撮影装置(CR)及び読取装置を設置している施設では、定期的に実施される画質評価において、放射線撮影装置と読取装置との組み合わせに相当する回数のQCファントムの撮影が必要となり、QCファントムの使用回数が非常に多くなる傾向にある。このQCファントムの撮影における設置作業は、技師の手作業により行なわれており、当該設置作業においてQCファントムが破損したり、傾いて設置されたり、放射線源に対向する規定面に設置されていないと、位置合せが良好に行なわれなくなることが想定される。
特許文献1及び2のように、QCファントムの撮影時に位置ズレが生じないように、位置決めタブが設けたり、撮影時の位置ズレを補正するために位置合せマークが付与されたりしたとしても、撮影後になっては、QCファントムが破損していたり、不良な設置であったりする等のQCファントム自体や取り扱いに起因するものであるかの識別が困難である。特に、特許文献2のように、QCファントムの画像に対して補正を行なう場合、補正が行なわれた画像で画質評価が行なわれることとなり、QCファントムの取り扱いに起因する評価不良の識別が遅れる恐れがある。また、特許文献3のように、画質パラメータの評価結果に基づいて、画質の劣化の要因を早期に発見する方法では、QCファントム自体や取り扱いに起因する劣化であるかの識別ができない。
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、QCファントムの取り扱いに起因する画質評価の不良を発見でき、QCファントムの取り扱いに対する対策を講じさせ得ることである。
請求項1に記載の発明によれば、左右非対称及び上下非対称の形状を有する設置判別部材と、画質評価項目に対応した大きさ又は形状を有する評価用部材とが内在されたQCファントムが撮影された放射線画像を取得する画像取得工程と、前記QCファントムを個別的に識別する識別情報を取得する識別情報取得工程と、前記画像取得工程により取得された放射線画像に基づいて前記設置判別部材の位置を特定する位置特定工程と、前記位置特定工程により特定された前記設置判別部材の位置に基づいて、前記QCファントムの設置情報を算出する設置情報算出工程と、前記画像取得工程により取得された放射線画像に基づいて前記評価用部材に対応する評価演算を行い、当該評価演算に基づく評価結果情報を生成する評価演算工程と、前記評価演算工程により生成された評価結果情報と、前記識別情報取得工程により取得された前記識別情報と、前記設置情報算出工程により算出された前記設置情報とが対応付けられた画像品質評価情報を記憶する記憶工程と、を含む画像品質管理支援方法が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の画像品質管理支援方法において、前記記憶工程により記憶された複数の前記画像品質評価情報を読み出す読出工程と、読み出された前記複数の画像品質評価情報に含まれる前記設置情報に基づいて、前記QCファントムに対する取り扱いの注意喚起情報を報知するか否かを判定する報知判定工程と、前記報知判定工程により前記注意喚起情報を報知すると判定された場合、当該注意喚起情報を報知する報知工程と、を含む。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の画像品質管理支援方法において、前記設置情報は、前記QCファントムの撮影時における前記QCファントムの基準位置からの傾き量、又は、前記QCファントムの撮影時において前記QCファントムが照射線源に対向する規定面と対向する面に設置されて撮影されたことを示す非規定面情報を含む。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の画像品質管理支援方法において、前記報知判定工程は、所定の前記QCファントムに対する複数の画像品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数以上の場合、前記注意喚起情報を報知すると判定する。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の画像品質管理支援方法において、前記報知判定工程は、所定の前記QCファントムに対する複数の画像品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数以上の場合、且つ、前記記憶工程により記憶された複数の画総品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数以上の場合、前記QCファントムの撮影時の取り扱い手順の見直しを指示する前記注意喚起情報を報知すると判定する。
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の画像品質管理支援方法において、前記報知判定工程は、所定の前記QCファントムに対する複数の画像品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数以上の場合、且つ、前記記憶工程により記憶された複数の画総品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数未満、及び、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数未満の場合、前記QCファントムの破損確認を指示する前記注意喚起情報を報知すると判定する。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像品質管理支援方法において、前記QCファントムは、自己の識別情報を示す識別部材を内在しており、前記識別情報取得工程は、画像取得工程により取得された放射線画像に基づいて前記識別部材が示す識別情報を取得する。
本発明によれば、放射線画像の被写体であるQCファントムを識別する識別情報と当該QCファントムの設置情報とを当該放射線画像の評価結果情報に対応付けて画像品質評価情報として記憶することができるため、各QCファントムの撮影時における設置傾向を把握することが可能となり、QCファントムの取り扱いに起因する画質評価の不良において、QCファントムの取り扱いに対する対策を講じさせ得ることができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、放射線画像読取システムNSの全体構成図を示す。
図1に示すように、放射線画像読取システムNSは、撮影装置10と、読取装置20と、コンソール30と、イメージャ40と、サービスセンタ50と、を備えて構成される。読取装置20、コンソール30及びイメージャ40は、通信ネットワークN1を介して互いにデータ送受信可能に接続され、また、コンソール30とサービスセンタ50とは、通信ネットワークN2を介して互いにデータ送受信可能に接続されている。なお、各装置の台数は、特に限定されない。
通信ネットワークN1、N2は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット等の様々な回線形態を適用可能である。なお、病院等の医療機関内で許可されるのであれば、無線通信や赤外線通信であってもよいが、重要な患者情報を含むため、送受信される情報は暗号化することが好ましい。また、病院内の通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格が用いられており、上述した通信ネットワークN1、N2上の各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。
以下、放射線画像読取システムNSの各構成装置について説明する。
撮影装置10は、放射線照射スイッチ(図示せず)や、X線源などの放射線源11等を有し、被写体Mに放射線を照射して撮影を行う。撮影装置10において撮影を行う際には、被写体Mの放射線源11と反対方向に、輝尽性蛍光体シートを収容したカセッテ12が配置される。
カセッテ12は、放射線エネルギーを蓄積する輝尽性蛍光体シートを備える放射線画像変換シートが収容された持ち運び可能な放射線変換媒体であり、撮影装置10の放射線源11からの照射放射線量に対する被写体Mの放射線透過率分布に従った放射線量を内設された輝尽性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に蓄積し、この輝尽性蛍光体層に被写体Mの放射線画像情報を記録する。また、カセッテ12表面には、カセッテ12を個々に識別するためのカセッテID(カセッテ識別情報)が貼付されている。
読取装置20は、輝尽性蛍光体シートを収容したカセッテ12が装填されると、装填されたカセッテ12に記録された放射線画像を読み取る装置であり、プログラムに従って装置全体を制御するとともに各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムやデータを記憶するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる制御部、操作部、装填されたカセッテ12に収容された或いは内蔵された輝尽性蛍光体シートに記録された被写体Mの放射線画像を読み取って画像データを得る読取部、読取部による読取後に輝尽性蛍光体上の残像を消去する消去部、装填されたカセッテ12に貼付されたバーコードを読み取るバーコードリーダ、通信ネットワークN1上の各装置とのデータ送受信を制御する通信部等を備えて構成される。輝尽性蛍光体シートは、放射線画像を記録する記録媒体である。
読取部は、撮影により被写体Mを透過した放射線エネルギーが蓄積された輝尽性蛍光体シートを励起光で2次元的に走査して輝尽発光を生じさせ、この輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、これをA/D変換してデジタルの画像データを取得するものである。例えば、レーザービームを励起光として用い、レーザービームを主走査方向に偏向して輝尽性蛍光体シートに入射するとともに、輝尽性蛍光体シートを副走査方向に走査搬送することにより励起光で輝尽性蛍光体シートを二次元的に走査し、生じた輝尽性発光光を光伝播器で伝播して、CCD(Charge Coupled Device)やフォトマルチプライヤ等の光検出器で検出することにより、輝尽性蛍光体に記録された放射線画像を読み取る。
コンソール30は、撮影メニュー(品質評価処理用の撮影を行うQCメニューと、患者を撮影する一般撮影メニューとがある)の選択、撮影に使用するカセッテ12等の登録、一般撮影における撮影対象となる患者の患者情報や撮影部位等の撮影オーダ情報の登録、読取装置20で読み取られた画像データと撮影オーダ情報との対応付け及び保存、画像データに対する画像処理、画像データのイメージャ40への送信及び出力制御等を行い、更に、本実施の形態においては、品質評価処理を行なった際に生成される各種レポートをサービスセンタ50に送信するための装置である。
図2に、コンソール30の機能構成例を示す。図2に示すように、コンソール30は、CPU31、操作部32、表示部33、第1通信部34、第2通信部35、バーコードリーダ36、RAM37、記憶部38、HDD(Hard Disk Drive)39等を備えて構成され、各部はバスN3により接続されている。
CPU31は、記憶部38に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM37内に形成されたワークエリアに展開し、該プログラムに従った処理を実行することにより各部の動作を集中制御する。
操作部32は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU31に出力する。また、操作部32は、表示部33の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号をCPU31に出力する。
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT等のモニタにより構成され、CPU31から入力される表示信号の指示に従って、操作部32からの入力指示やデータ等を表示する。また表示部33は、CPU31から入力される表示信号の指示に従って、後述する品質評価処理において生成された各種レポートを画面上に出力する。
第1通信部34は、LANアダプタやルータやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークN1に接続された各装置との間の通信を制御する。即ち、第1通信部34は、通信ネットワークN1を介して読取装置20で得られた画像データが入力され、さらに読取装置20の装置IDが通信ネットワークN1を介して入力される。
第2通信部35は、LANアダプタやルータやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークN2に接続されたサービスセンタ50との間の通信を制御する。即ち、第2通信部35は、生成した各種レポートがサービスセンタ50に出力され、また、サービスセンタ50に蓄積され各種レポートが通信ネットワークN2を介して入力される。
バーコードリーダ36は、カセッテ12上に貼付されたバーコードの表すカセッテIDを読み取ってCPU31に出力する。
RAM37は、CPU31により実行制御される各種処理において、記憶部38から読み出されたCPU31で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部38は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU31で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメータ、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
HDD(Hard Disc Drive)39は、読取装置20から送信された一般撮影の画像データを撮影オーダ情報と対応付けて記憶し保存する。また、HDD39は、読取装置20から送信されたQCファントムを撮影して得られた放射線画像の画像データに、当該画像データから取得したQC識別情報、読み取りを行った装置の装置ID、撮影に使用したカセッテID、読取時刻(日付を含む)情報等を対応付けて記憶し保存する。
QC識別情報とは、QCファントムを個別的に識別する識別情報である。
また、HDD39は、QC撮影管理情報ファイル391、一般撮影管理情報ファイル392、画像ファイル記憶領域393を有している。
QC撮影管理情報ファイル391は、QCファントムの画像データ毎の、管理NO、装置ID、カセッテID、QC識別情報、読取時刻情報、処理済みフラグ(デフォルトはOFF)、画像IDを対応付けて1レコードとして記憶するファイルである。
一般撮影管理情報ファイル392は、登録された撮影オーダ情報と当該撮影オーダ情報に従って撮影された画像データの画像ID等を対応付けて記憶するファイルである。
画像ファイル記憶領域393は、読取装置20から受信した画像データを記憶、保存するために設けられた領域である。
なお、読取装置20から送信される画像データは、DICOM形式の画像ファイルであり、画像IDを含む付帯情報が付帯されている。本実施の形態において、画像データは、この画像IDにより、QC撮影管理情報ファイル391に保存されている当該画像データに関する情報や、一般撮影管理情報ファイル392に記憶されている当該画像データに関する撮影オーダ情報と対応付けられている。
HDD39の記憶容量は、有る程度余裕を持って準備する必要がある。
通常、撮影が行われ、読取装置20等から画像データが受信された後、遅くとも1週間以内には医師による読影が開始され、又は、後述の品質評価処理が実行される。従って、画像データが受信されてから少なくとも1週間は保存が可能な記憶容量としなければならない。
例えば、コンソール30が取り扱う画像データが一画像につき2000画素×2500画素で、1日100画像程度が生成されるとすると、容量40GBのHDD(画像保存用の記憶容量は20GBとする)であれば2000画像を約20日保存することができる。
放射線画像読取システムNSにおいては、少なくとも一台のコンソール30に、QCツール301が搭載されている。QCツール301は、品質評価用の演算プログラムであり、QCツール301が搭載されたコンソール30のCPU31は、QCツール301との協働によるソフトウエア処理により、品質評価処理を実現する。また、QCツール301を搭載したコンソール30は、品質評価処理により生成される各種レポートを記憶するQC評価結果ファイル394を有している。以下、QCツール301が搭載されたコンソール30をコンソール30aとして説明する。
QCツール301により品質評価処理を実行するコンソール30aは、評価部材と設置判別部材と識別部材とが内在されたQCファントム(試験用模擬被写体模型)が撮影された放射線画像を読取装置20から取得し、当該放射線画像に対応するQC識別情報を取得し、取得した放射線画像に基づいて設置判別部材の位置を特定し、特定した設置判別部材の位置に基づいて、QCファントムの設置情報を算出する。また、取得した放射線画像に基づいて評価部材毎に対応する評価演算を行い、当該評価演算に基づく評価結果情報を生成する。そして、評価結果情報、QC識別情報、設置情報を対応付けた画像品質評価情報(評価レポート)を作成し、サービスセンタ50に送信して記憶させる。
図3に、QCファントムPの一例を示す。図3に示すQCファントムPは、放射線源11に対向する規定面(以下、表面)から内部を透過して見た図である。
QCファントムPは、2枚のアクリル板などの放射線透過性の基板の間に、互いに異なる大きさ又は形状を有し放射線を遮蔽する材料や吸収する材料によって読取装置の線形性、表示寸法性精度、鮮鋭性、読取レーザ走査性、低コントラスト分解能等の各画質評価項目用の評価部材が複数封入された品質評価用の被写体である。
また、本実施の形態のQCファントムPは、設置判別部材6と識別部材7とが基板の間に封入されている。
評価部材としては、表示寸法精度評価用の金属円板1a〜1c、鮮鋭性評価用のエッジパターン2、線形性評価用のステップウエッジ3a〜3d、読取レーザ走査性評価用のジッタ4a、4b、低コントラスト分解能評価用のバーガーファントム5a〜5jとする。
本実施の形態においては、金属円板1a〜1c、エッジパターン2、ステップウエッジ3a〜3d、ジッタ4a、4bを第1の評価部材とし、第1の評価部材よりも低コントラストであるバーガーファントム5a〜5jを第2の評価部材とする。
金属円板1a〜1cは、円状の銅板で構成されており、図3に示すように、QCファントムPの三隅に配置されている。金属円板1a〜1cの画像データは、読取装置の表示寸法精度を定量評価するために用いられる。
エッジパターン2は、辺縁が鮮鋭なエッジ部が形成されたタングステン板で形成され、エッジ部を読取装置20による読み取りの主走査方向及び副走査方向に対して、若干、傾けた状態で配置されている。エッジパターン2の画像データは、読み取り装置の鮮鋭度(MTF;Modulation Transfer Function)を定量評価するために用いられる。
ステップウエッジ3a〜3dは、段階的に互いに厚さの異なる4つの矩形の銅板で校正されている。図3に示すステップウエッジ3a〜3dは、ステップウエッジ3aからステップウエッジ3dに向かって、順次、厚さが薄くなるものであり、放射線透過量のステップウエッジとなっている。ステップウエッジ3a〜3dの画像データは、読取装置の線形性やダイナミックレンジを定量評価するために用いられる。
ジッタ4a、4bは、直線状のエッジ部が形成された長方形状の銅板で形成されており、ジッタ4a、4bのいずれか一方の長辺は、読取装置20による読み取りの主走査方向Xに平行になるように配置され、他方の長辺は、副走査方向Yに平行になるように配置されて構成されている。ジッタ4a、4bの画像データは、各走査方向についての読取レーザの走査性能(スキャニング精度)を評価するために用いられる。
バーガーファントム5a〜5jは、所定の直径を有する互いに高さ(厚さ)が異なるアクリル製の円柱で構成されており、図3に示すように、例えば、時計周り方向に、順次、高さ(厚さ)が段階的に低く(薄く)なり、直径が小さくなるように並べて配置されている。バーガーファントム5a〜5jの画像は、読取装置の低コントラスト分解能を目視評価又は定量評価するために用いられる。
設置判別部材6は、左右非対称及び上下非対称の形状を有する銅板で形成されている。本実施の形態においては、設置判別部材6として、QCファントムの表面において、主走査方向Xが副走査方向Yよりも短いL字状の銅板とする。
識別部材7は、識別部材7が封入されたQCファントムPのQC識別情報を示す銅板で形成されている。本実施の形態においては、識別部材7としてQC識別情報を示す番号が放射線画像として表示される銅板である。
なお、本実施の形態において利用可能なQCファントムは、図3に示すQCファントムPに限定されない。
イメージャ40は、コンソール30から受信された画像データに基づきフィルム等の記録媒体上に画像を記録し、可視像として再生したハードコピーを出力する装置である。イメージャ40としては、例えば、画像データに基づいて、透過型記録媒体(フィルム)にレーザ露光することによって潜像を記録し、熱現象処理により潜像を可視化する光熱銀塩方式のイメージャや、インクジェット方式或いはレーザ方式で反射型記録媒体(紙媒体、シール等)に記録するイメージャ等を用いることができる。
サービスセンタ50は、コンソール30から通信ネットワークN2を介して入力される各種レポートを蓄積し、蓄積した複数のレポートに基づいてQCファントムの取扱判定処理を行う装置である。
図4に、サービスセンタ50の機能構成例を示す。図4に示すように、サービスセンタ50は、CPU51、操作部52、表示部53、通信部54、RAM55、記憶部56、HDD(Hard Disk Drive)57等を備えて構成され、各部はバスN4により接続されている。
CPU51は、記憶部56に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM55内に形成されたワークエリアに展開し、該プログラムに従った処理を実行することにより各部の動作を集中制御する。
操作部52は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU51に出力する。また、操作部52は、表示部53の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号をCPU51に出力する。
表示部53は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT等のモニタにより構成され、CPU51から入力される表示信号の指示に従って、操作部52からの入力指示やデータ等を表示する。また、本実施の形態において、表示部53は、CPU51から入力される表示信号の指示に従って、後述する取扱判定処理において生成されたメッセージを画面上に出力する。
通信部54は、LANアダプタやルータやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークN2に接続された各コンソール30との間の通信を制御する。即ち、通信部54は、コンソール30から送信される各種レポートが通信ネットワークN2を介して入力される。
RAM55は、CPU51により実行制御される各種処理において、記憶部56から読み出されたCPU51で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部56は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU51で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメータ、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU51は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。また、本実施の形態においては、取扱判定処理の実行に必要なプログラムやデータ等を記憶する。
HDD(Hard Disc Drive)57は、レポートファイル571を有している。
レポートファイル571は、コンソール30から送信された各種レポートを施設毎に記憶し保存するファイルである。
次に、上記放射線画像読取システムNSにおいて、カセッテ12及び読取装置20の組み合わせを品質評価対象とした場合の品質評価処理に用いる画像データを取得する画像取得処理を説明する。
ここで、放射線画像読取システムNSにおいて得られる画像データの品質は、放射線画像を記録する輝尽性蛍光体シートやFPD等の記録媒体及び記録媒体から画像データを読み取る読取装置に依存する。即ち、撮影済みのカセッテ12を読取装置20に装填して読み取りを行う場合、得られる画像データの品質は使用するカセッテ12及び読取装置20の組み合わせによって決まるものである。
画像取得処理は、読取装置20とコンソール30とにより実行される。読取装置20側処理は、読取装置20のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現され、コンソール30側処理は、CPU31と、記憶部38に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。
コンソール30において、オペレータ(撮影技師等)による操作部32からの操作に応じて表示部33に撮影メニュー画面が表示され、当該撮影メニュー画面からQCメニューが選択される。そして、品質評価対象となるカセッテ12のバーコードがバーコードリーダ36から読み取られてカセッテIDが入力される。入力されたカセッテIDと品質評価処理用の撮影であることを示す情報が登録され、自己のコンソールID等が対応付けられ、通信ネットワークN1に接続された全ての読取装置20に通知(送信)される。
読取装置20において、通信部を介してコンソール30からカセッテID等が通知されると、通知されたコンソールID、カセッテID等が対応付けられてRAMに記憶される。オペレータにより、コンソール30で登録された品質評価対象のカセッテ12に冶具を付けたり、予め定められた位置に配置したりして、QCファントムを予め定められた位置に固定し、放射線撮影が行われる。
品質評価対象とする何れかの読取装置20にカセッテ12が装填されると、読取装置20のバーコードリーダにより装填されたカセッテ12のカセッテIDが読み取られ、RAMにおいて読み取られたカセッテIDに対応付けて記憶されているコンソールID等が検索される。
そして、検索により得られた情報に従って、装填されたカセッテ12に記録されたQC用の画像の読み取りが行われ、得られた画像データに、自己の装置ID、読み取ったカセッテ12のカセッテID、読取時刻情報等が付帯情報として付帯され、通信部を介してカセッテ12を登録したコンソール30(検索により得られたコンソールIDのコンソール30)に送信される。
コンソール30において、第1通信部34を介して読取装置20から画像データ及びその付帯情報が受信されると、受信された画像データにその付帯情報が対応付けて保存され、本処理は終了する。
なお、上述した画像取得処理において、カセッテ12として校正用として定められたカセッテを用いることとすれば、読取装置20を品質評価対象とし、読取装置20の品質変動等を評価するための画像データを取得することができる。また、カセッテ12を読み取る装置として校正用として定められた読取装置20を用いることとすれば、カセッテ12を品質評価対象とし、カセッテ12の品質変動等を評価するための画像データを取得することができる。
図5、図6を参照して、QCツール301が搭載されたコンソール30aにおいて実行される品質評価処理について説明する。図5、図6に、品質評価処理のフローチャートを示す。当該品質評価処理は、操作部32の所定の操作により品質評価処理の実行が指示された際に、CPU31とQCツール301等との協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。
まず、第1通信部34を介して読取装置20から撮影されたQCファントムの画像データが取得される(ステップS1)。
即ち、ステップS1は、設置判別部材6、識別部材7、各画質評価項目に対応した複数の評価部材が内在されたQCファントムが撮影された放射線画像としての画像データを取得する画像取得工程に相当する。
ステップS1において取得された画像データにOCR処理(光学式文字読取処理)が施され、識別部材7に対応する画像から文字情報が取得される。そして、取得された文字情報は、画像データに対応するQCファントムの識別情報として取得される(ステップS2)。
即ち、ステップS2は、取得された画像データに基づいて識別部材が示す識別情報(QC識別情報)を取得する識別情報取得工程に相当する。
ステップS1において取得された画像データから、品質評価対象となるQCファントムが写された領域の画像データ(以下、QC画像データ)が抽出される(ステップS3)。なお、ステップS3において抽出される領域は、QCファントムが撮影時に所定位置に固定して撮影されることから、予め設定することができるものである。
抽出されたQC画像データの信号値の変換が行われ、画像データからQC画像データが抽出できたか否かが判別され(ステップS4)、QC画像データが抽出できない場合(ステップS4;No)、QC画像データが抽出できなかった旨を示すエラーレポート(異常発生情報)が生成され、当該エラーレポートがQC評価結果ファイル394に記憶されると共に、第2通信部35を介してサービスセンタ50に送信され(ステップS5)、本処理は終了される。
QC画像データが抽出できた場合(ステップS4;Yes)、信号値の変換が行なわれたQC画像データからヒストグラムが作成される(ステップS6)。作成されたヒストグラムに基づいて閾値が決定され(ステップS7)、決定された閾値を基準としてQC画像データが二値化され、第1の二値化画像が生成される(ステップS8)。
即ち、各画素のピクセル値が閾値のピクセル値を超えているか否かに基づいて、各画素に2つのバイナリ・レベルのうち一方が割り当てられる。
例えば、閾値のピクセル値が145である場合、ピクセル値が200(閾値よりも暗いピクセル値)の画素に対しては1が設定され、一方、ピクセル値が100(閾値よりも明るいピクセル値)の画素に対しては0が設定される。これにより、QC画像データ内の画素を、設置判別部材、識別部材、評価部材が存在しない領域(1に設定された画素の領域)と、設置判別部材、識別部材、評価部材が存在する領域(0に設定された画素の領域)と、の2つの領域に分類することができる。
第1の二値化画像の0に設定された画素がカウントされ、0に設定された画素の総数、即ち、評価部材が存在する領域に分類された画素の総面積が算出される。この算出された総面積と、予め定められた金属円板1a〜1c、エッジパターン2、ステップウエッジ3a〜3d、ジッタ4a、4b、設置判別部材6、識別部材7の平面状の総面積(基準面積)とが比較され、算出された総面積が基準面積の予め定められた範囲内であるか否かが判別される(ステップS9)。
ステップS8において、基準面積にバーガーファントム5a〜5jの平面状の総面積が加えられていないのは、バーガーファントム5a〜5jは、他の部材よりもコントラストが非常に低いため、バーガーファントム5a〜5jに対応する画素は、ステップS8おいてQC画像データを二値化した際に1に設定、即ち、存在しないと判定されるからである。
算出された総面積は基準面積の所定範囲内でない場合(ステップS9;No)、QC画像データが適切でない等を示すエラーレポートが生成され、当該エラーレポートがQC評価結果ファイル394に記憶されると共に、第2通信部35を介してサービスセンタ50に送信され(ステップS5)、本処理は終了される。
ステップS9において算出された総面積と基準面積とを比較することにより、二値化処理が成功したか否か、即ち、検出されるべき部材(金属円板1a〜1c、エッジパターン2、ステップウエッジ3a〜3d、ジッタ4a、4b、設置判別部材6、識別部材7)の領域が検出されたか否かが判別できる。例えば、算出された総面積が基準面積の所定範囲内よりも小さい場合、検出されるべき部材のいずれかが検出されていないと判別され、QCファントムの撮影時の設置不良やQCファントムの破損が発生していると判断される。また、算出された総面積が基準面積の所定範囲内よりも大きい場合、QC画像データに異物が写りこんでいたりQCファントムの破損が発生していたりすることが判断される。このように、算出された総面積が基準面積の所定範囲外である場合には、QC画像データは正常な品質評価を行うことができるデータではないため、以後の処理は実行されず、当該判断結果がエラーレポートとして生成される。
算出された総面積は基準面積の所定範囲内である場合(ステップS9;Yes)、第1の二値化画像に点在する0に設定された画素が隣接する画素と連結した複数の領域を第1の二値化領域として抽出してラベリングを行なうラベリング処理が実行される(ステップS10)。
図7に、ラベリング処理のフローチャートを示す。当該ラベリング処理は、CPU31とQCツール301等との協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。
ラベリング処理は、まず、第1の二値化画像が走査され、ラベル(例えば、各第1の二値化領域を識別する番号)が付されていない0に設定された画素を検出し(ステップS31;Yes)、当該画素に対してラベルを付す(ステップS32)。そして、当該ラベルを付した画素に隣接する画素のうち0に設定されている画素があるか否かが判別され(ステップS33)、0に設定されている隣接する画素がある場合(ステップS33;Yes)、当該隣接する画素に対して同一のラベルを付す(ステップS34)。更に、このラベルを付した画素に着目して、同様に隣接する画素のうち0に設定された画素の有無が判別されラベル付けが実行される。このように同一のラベルを付すべき画素が無くなるまで(ステップS35;Yes)繰り返し実行されることにより、同一のラベルが付された画素の集まり、即ち、一つの第1の二値化領域が形成される。
以後、同様の処理を繰り返すことにより、二値化処理により抽出された0に設定された画素の集まり毎に異なるラベルが付された複数の第1の二値化領域が抽出される。
ステップS10後、ラベル毎に各ラベルに対応する第1の二値化領域の特徴量が算出され、当該特徴量から重心座標が算出される(ステップS11)。特徴量としては、各ラベルに対応する第1の二値化領域の大きさ及び形状であり、形状としては、周囲長、円形度又はアスペクト比等である。
まず、第1の二値化領域の大きさとして面積が算出される。面積は、同一のラベルが付された画素の総数が計数されることにより求められる。次に、周囲長が算出される。周囲長は、第1の二値化領域の最も外側に位置する画素の数を計数することにより求められる。そして、算出された面積及び周囲長に基づいて円形の度合いを示す円形度(0〜1に正規化された値)が算出される。円形度eは、面積をS、周囲長をLとして、
e=4πS/L
の算出式により求められる。円形度は、例えば、円では1.0の値、正方形では0.79、長方形では0.79未満の値を示し、円に近いほど大きくなり1に近づく。
また、アスペクト比が算出される。更に、算出された特徴量に基づいて、第1の二値化領域の重心座標が算出される。
ラベル毎の特徴量と重心座標が算出された後(ステップS11後)、ラベル毎の特徴量と、部材(金属円板1a〜1c、エッジパターン2、ステップウエッジ3a〜3d、ジッタ4a、4b、設置判別部材6、識別部材7)毎に予め設定されている特徴量とが相互に比較される(ステップS12)。
例えば、特徴量と評価部材との関係は、表1のようになる。ステップS12において、全ての特徴量が比較されるものに限らず、評価部材によって特定の特徴量が比較されるようにすることが好ましい。
Figure 2009039410
部材(金属円板1a〜1c、エッジパターン2、ステップウエッジ3a〜3d、ジッタ4a、4b、設置判別部材6、識別部材7)毎に予め設定されている特徴量の所定範囲内の特徴量を有するラベルの有無が判別され、全ての各部材(金属円板1a〜1c、エッジパターン2、ステップウエッジ3a〜3d、ジッタ4a、4b、設置判別部材6、識別部材7)に対応するラベルが有るか否かが判別される(ステップS13)。なお、ステップS13における判別にあたっては、ラベルの特徴量は二値化した際の閾値の影響を受けるため、適切な所定範囲を設定することが好ましい。
いずれかの部材に対応するラベルが無い場合、即ち、全ての各部材に対応するラベルが判別されなかった場合(ステップS13;No)、QC画像データが適切でない等を示すエラーレポートが生成され、当該エラーレポートがQC評価結果ファイル394に記憶されると共に、第2通信部35を介してサービスセンタ50に送信され(ステップS5)、本処理は終了される。
全ての各部材に対応するラベルが判別された場合、即ち、ラベル毎に対応する部材が特定された場合(ステップS13;Yes)、ステップS11において算出された重心座標が各評価部材の中心座標として設定される。このことにより、各部材(金属円板1a〜1c、エッジパターン2、ステップウエッジ3a〜3d、ジッタ4a、4b、設置判別部材6、識別部材7)の位置が特定されたこととなる。そして、各部材の中心座標に基づいて各評価部材の評価を行なう際の基準となる解析中心座標が算出される(ステップS14)。
従って、ステップS3〜14は、取得された画像データに基づいて設置判別部材6の位置を特定する位置特定工程に相当する。
図8(a)にエッジパターン2の中心座標と解析中心座標と解析領域の位置関係の例、図8(b)にステップウエッジ3a〜3dの中心座標と解析中心座標と解析領域の位置関係の例、図8(c)にジッタ4a、4bの中心座標と解析中心座標と解析領域の位置関係の例を示す。なお、中心座標を黒丸、解析中心座標を黒星、解析領域を破線で囲む領域として示す。
図8(a)〜(c)に示すように、各評価部材の中心座標と解析中心座標とは異なる座標となっており、解析中心座標を基準として予め定められた範囲が解析領域となっている。中心座標と解析中心座標との位置関係は、評価部材の大きさや配置方法(傾き)が予め定められているため、中心座標が決定されることにより、当該中心座標に基づいて解析中心座標を算出することができる。
ステップS14において設置判別部材6の位置が特定された後、QCファントムの撮影時におけるQCファントムの基準位置からの傾き量を算出する傾き量算出処理が実行される(ステップS15)。
ステップS15において実行される傾き量算出処理は、まず、ステップS14において特定された重心位置と、二値化されたQC画像データとに基づいて、設置判別部材6の予め定められた3点の座標が検出される。
図9に、設置判別部材6に予め定められた3点(A、B、C)の例を示す。
図9に示すように、設置判別部材6は、読取装置20の主走査方向Xに延在する辺(短辺)と主走査方向Xに延在する辺よりも長い副走査方向Yに延在する辺(長辺)とにより直角が形成されるように、両辺の端部が接続されたL字状の部材である。本実施の形態における予め定められた3点は、両辺の端部が接続された箇所に設定されたB点、B点から副走査方向Yに延在する長辺の端部に設定されたA点、B点から主走査方向Xに延在する短辺の端部に設定されたC点である。また、B点からA点までの長さをlとする。
次に、検出された3点は、B点の座標(x1、y1)が基準座標(0,0)の位置になるように平行移動される。そして、平行移動された後のA点の座標(x2、y2)が検出される。QCファントムの傾き量をθとした場合、
(x2、y2)=(lcosθ、lsinθ)
の関係が成立する。この関係式に基づいて、θが算出される。
ステップS15後、QCファントムの撮影時においてQCファントムが放射線源11と対抗する規定面(表面)と対向する面(裏面)に設置されて撮影されたことを示す非規定面情報を生成する裏向き判定処理が実行される(ステップS16)。
ステップS16において実行される裏向き判定処理は、まず、ステップS14において特定された重心位置と、QC画像データとに基づいて、設置判別部材6の予め定められた3点の座標が検出される。
次に、検出された3点は、B点の座標(x1、y1)が基準座標(0,0)の位置になるように平行移動される。B点が基準座標(0,0)に固定された状態で、A点の座標(x2、y2)が(0,l)となるようにA点、C点が回転移動される。回転移動された後のC点の座標が検出され、当該C点のX座標が0よりも小さい場合、QCファントムは、撮影時に非規定面(裏面)に設定されたと判別する非規定面情報が生成される。一方、C点のX座標が0以上である場合、QCファントムは、撮影時に表面に設定されたと判別される。
従って、ステップS15及びS16は、設置判別部材6の位置に基づいて、QCファントムの設置情報(傾き量、非規定面情報)を算出する設置情報算出工程に相当する。
次に、低コントラスト分解能の評価部材であるバーガーファントム5a〜5jの位置認識についての処理が実行される。
バーガーファントム5a〜5jは、その材質や画質評価項目の性質上、周辺領域とのコントラストが低く、金属性の第1の評価部材と同時に位置認識を行なうことは困難である。そこで、第1の評価部材とは分けてバーガーファントム5a〜5jの位置認識を行なうものとする。
まず、ステップS14において中心座標が設定された部材うち、いずれかの部材の中心座標から予め定められた位置且つ予め定められた領域(小領域)の画像データが、ステップS3において抽出したQC画像データから抽出される(ステップS17)。
ステップS17において、例えば、金属円板1aとバーガーファントム5aとの位置関係は、QCファントム上において大きく位置がずれることが少ない。そこで、金属円板1aからバーガーファントム5aが存在すべき位置を中心とし、バーガーファントム5aの平面的な面積を含む予め設定された領域の画像データがステップS2において抽出したQC画像データから抽出される。
このように、小領域の画像データが抽出されることにより、この小領域にはバーガーファントムに対応する画像と当該バーガーファントム周辺の画像データのみが抽出される、即ち、他の部材に対応する画像データが含まれない画像データが抽出される。従って、二値化する際、バーガーファントムを抽出可能な閾値の設定を行なうことができる。
ステップS17において抽出された小領域の画像データからヒストグラムが作成される(ステップS18)。作成されたヒストグラムに基づいて閾値が決定され(ステップS19)、決定された閾値を基準として小領域の画像データが二値化され、第2の二値化画像が生成される(ステップS20)。
そして、第2の二値化画像に存在する0に設定された画素が連結した領域を第2の二値化領域として抽出してラベリングを行なうラベリング処理が実行される(ステップS21)。
ステップS21後、ラベルに対応する第2の二値化領域の特徴量が算出され、当該特徴量から重心座標が算出される(ステップS22)。
ラベルの特徴量と重心座標が算出された後(ステップS22後)、当該ラベルの特徴量と、予め設定されているバーガーファントムの特徴量とが相互に比較される(ステップS23)。
ラベルの特徴量は、予め設定されている第2の評価部材としてのバーガーファントムの特徴量の所定範囲内か否かが判別される(ステップS24)。なお、ステップS24における判別にあたっては、ラベルの特徴量は二値化した際の閾値の影響を受けるため、適切な所定範囲を設定することが好ましい。
ラベルの特徴量は、予め設定されているバーガーファントムの特徴量の所定範囲内でない場合(ステップS24;No)、QC画像データが適切でない等を示すエラーレポートが生成され、当該エラーレポートがQC評価結果ファイル394に記憶されると共に、第2通信部35を介してサービスセンタ50に送信され(ステップS5)、本処理は終了される。
ラベルの特徴量は、バーガーファントムの特徴量の所定範囲内である場合、即ち、ラベルが付された第2の二値化領域がバーガーファントムが存在する領域として特定された場合(ステップS24;Yes)、ステップS22において算出された重心座標がバーガーファントムの中心座標として設定される。このことにより、バーガーファントムの位置が特定されたこととなる。そして、バーガーファントムの中心座標に基づいてバーガーファントムの評価を行なう際の基準となる解析中心座標が算出される(ステップS25)。
そして、ステップS14及びステップS25において算出された各評価部材の解析中心座標に基づいて、各評価に用いる解析領域が抽出される(ステップS26)。抽出された各解析領域に対して各画質評価項目の演算(QC演算)が実行される(ステップS27)。
ステップS27において実行される各画質評価項目としては、表示寸法精度評価、鮮鋭性評価、線形性評価、読取レーザ走査性評価、低コントラスト分解能評価である。
表示寸法精度評価は、金属円板1a〜1cを用いて、読取装置20の主走査方向及び副走査方向の表示寸法精度、即ち、予め定められている金属円板1a〜1cの相互間の距離との誤差(評価結果値)が算出される。
例えば、算出された金属円板1a〜1cの夫々の中心座標に基づいて、まず、QC画像データ上の金属円板1a〜1b間の距離が演算され、得られた値と実際にQCファントムを測定して得られた金属円板1a〜1b間の距離(予め記憶されている)の実測値とに基づき、予め定められた演算式により評価結果値(%)が算出される。また、QC画像データ上の金属円板1b〜1c間の距離が演算され、得られた値と実際にQCファントムPを測定して得られた金属円板1b〜1c間の距離の実測値とに基づき、予め定められた演算式により評価結果値が算出される。なお、QC画像データ上の2点間の距離は、画像データの2点間の画素数×読取画素サイズで表される。
鮮鋭性評価は、エッジパターン2を用いて、読取装置の主走査方向及び副走査方向の鮮鋭度の指標となるMTFが算出される。
このMFTは、エッジパターン2の解析中心位置を基に抽出された主走査方向のエッジ部の解析領域の画像と副走査方向のエッジ部の解析領域の画像が微分されて得られるラインスプレッドファンクションがフーリエ変換されることにより算出される。
線形性評価は、ステップウエッジ3a〜3dを用いて、読取装置の線形性が算出される。例えば、QC画像データ上のステップウエッジ3a〜3dのそれぞれに相当する領域の画像データの各画素の信号値の平均値が算出され、当該平均値から換算される透過線量と、ステップウエッジ3a〜3dの理論透過線量との関係が評価されることにより、線形性が算出される。
読取レーザ走査性評価は、ジッタ4a、4bを用いて、読取装置の主走査方向及び副走査方向の画素ズレ量が評価される。
この画素ズレ量は、例えば、QC画像データ上のジッタ4aのエッジ部分から最小二乗誤差直線が算出され、ジッタ4bの最小二乗誤差直線の理論値との画素ズレ量が算出され、また、QC画像データ上のジッタ4bのエッジ部分から最小二乗誤差直線が算出され、ジッタ4bの最小二乗誤差直線の理論値との画素ズレ量が算出される。
低コントラスト分解能評価は、バーガーファントム5a〜5jを用いて、読取装置の低コントラスト分解能が評価される。
例えば、バーガーファントム内の平均信号値と周辺領域の平均信号値とのコントラスト及びノイズ量に基づいて、コントラスト対のノイズ比が算出され、算出されたコントラスト対ノイズ比に基づいて低コントラスト分解能が評価される。
ステップS27の各画質評価項目のQC演算終了後、画質評価項目毎に算出された評価結果値と予め画質評価項目毎に定められた評価基準値との比較が行なわれ、予め画質評価項目毎に設定されている許容範囲と照合し、許容範囲内であれば合格、許容範囲外であれば不合格の各画質評価項目に対する合否の判定が行なわれる(ステップS28)。
本処理が実行されたQC画像データに対するステップS28において判定された結果(評価結果情報)に、ステップS2において取得された識別情報と、ステップS15、16において生成されたQC設置情報(傾き量、非規定面情報)とが対応付けられた評価レポート(画像品質評価情報)が生成され、当該評価レポートがQC評価結果ファイル394に記憶されると共に、第2通信部35を介してサービスセンタ50に送信され(ステップS29)、本処理は終了される。サービスセンタ50に送信された評価レポートは、レポートファイル571に保存され記憶される。
従って、ステップS27〜29は、取得された画像データに基づいて評価部材毎に対応する評価演算を行い、当該評価演算に基づく評価結果情報を生成する評価演算工程に相当する。また、ステップS29は、評価結果情報、識別情報、設置情報が対応付けられた画像品質評価情報(評価レポート)が記憶される記憶工程に相当する。
図10を参照して、サービスセンタ50において実行されるQCファントムの取扱判定処理について説明する。図10に、取扱判定処理のフローチャートを示す。当該取扱判定処理は、操作部52の所定の操作により取扱判定処理の実行が指示された際に、CPU51と記憶部56等との協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。
まず、操作部52を介して指定された施設内におけるコンソール30から送信された全ての評価レポートがレポートファイル571から読み出される(ステップS41)。
従って、ステップS41は、レポートファイル571に記憶された複数の評価レポートを読み出す読出工程に相当する。
読み出された評価レポートは、評価レポートに対応付けられたQC識別情報毎に分別される。そして、任意のQC識別情報に対応するQCファントムが撮影された画像データに基づいて生成された複数の評価レポートの誤設置頻度解析処理が実行される(ステップS42)。
ステップS42において実行される誤設置頻度解析処理は、所定のQCファントムに対する複数の評価レポートに含まれる設置情報に基づいて、QCファントムの撮影時における誤設置の頻度(誤設置頻度)が算出される処理である。
このステップS42における誤設置頻度は、所定のQCファントムに対する複数の評価レポートにおいて、当該QCファントムの評価レポートの総数に対する傾き量が所定値以上である評価レポートの数の割合(以下、QC傾き頻度)、又は、当該QCファントムの評価レポートの総数に対する非規定面情報を含む評価レポートの数の割合(以下、QC非規定面頻度)である。
ステップS42の誤設置頻度解析処理により算出された誤設置頻度が所定値以上であるか否かが判別される(ステップS43)。ステップS43における判別は、QC傾き頻度が予め設定された頻度以上であるか否か、又は、QC非規定面頻度が予め設定された頻度以上であるか否かが判別される。
なお、ステップS42、43においては、QC傾き頻度又はQC非規定面頻度を算出して判別しているが、所定のQCファントムの評価レポートにおいて、傾き量が所定値以上である評価レポートの数、又は、非規定面情報を含む評価レポートの数を算出し、傾き量が所定値以上である評価レポートの数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む評価レポートの数が予め設定された数以上か否かを判別してもよい。
ステップS42の誤設置頻度解析処理により算出された誤設置頻度が所定値以上でない場合、即ち、QC傾き量頻度が予め設定された頻度未満、かつ、QC非規定面頻度が予め設定された頻度未満である場合(ステップS43;No)、QC識別情報毎に分別された全ての各QCファントムの複数の評価レポートに対する誤設置頻度解析処理が完了しているか否か判別される(ステップS44)。
誤設置頻度解析処理が完了していないQCファントムの評価レポートがある場合(ステップS44;No)、ステップS42に戻り、誤設置頻度解析処理が完了していないQCファントムの評価レポートがない場合(ステップS44;Yes)、本処理は終了される。
ステップS42の誤設置頻度解析処理により算出された誤設置頻度が所定値以上である場合、即ち、QC傾き量頻度が予め設定された頻度以上、又は、QC非規定面頻度が予め設定された頻度以上である場合(ステップS43;Yes)、ステップS41において読み出された指定された施設内の全ての評価レポートの誤差設置頻度解析が実行される(ステップS45)。
このステップS45における誤設置頻度は、施設内の全ての評価レポートにおいて、当該施設内の全ての評価レポートの総数に対する傾き量が所定値以上である評価レポートの数の割合(施設傾き頻度)、又は、当該施設内の全ての評価レポートの総数に対する非規定面情報を含む評価レポートの数の割合(施設非規定面頻度)である。
ステップS45の誤設置頻度解析処理により算出された誤設置頻度が所定値以上であるか否かが判別される(ステップS46)。ステップS46における判別は、施設傾き頻度が予め設定された頻度以上であるか否か、又は、施設非規定面頻度が予め設定された頻度以上であるか否かが判別される。
なお、ステップS45、46においては、施設傾き頻度又は施設非規定面頻度を算出して判別しているが、施設内の全評価レポートにおいて、傾き量が所定値以上である評価レポートの数、又は、非規定面情報を有する評価レポートの数を算出し、傾き量が所定値以上である評価レポートの数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む評価レポートの数が予め設定された数以上か否かを判別してもよい。
ステップS45の誤設置頻度解析処理により算出された誤設置頻度が所定値以上でない場合、即ち、施設傾き量頻度が予め設定された頻度未満、かつ、施設非規定面頻度が予め設定された頻度未満である場合(ステップS46;No)、QCファントム位置決めタブが欠損したり位置決めマークが消失したりする等の破損が生じているものと判断して、QCファントムの破損確認を指示する注意喚起情報を示すメッセージが表示部53に表示されることにより報知され(ステップS47)、本処理は終了される。
ステップS47において表示されるメッセージに従い、サービスセンタ50から当該施設のサービスマンにQCファントム交換の指示が出され、サービスマンは、QCファントムを交換する。
ステップS45の誤設置頻度解析処理により算出された誤設置頻度が所定値以上である場合、即ち、施設傾き量頻度が予め設定された頻度以上、又は、施設非規定面頻度が予め設定された頻度以上である場合(ステップS46;Yes)、当該設置施設におけるQCファントムの設置・取り扱い手順に不備があると判断して、QCファントムの撮影時の取り扱い手順の見直しを指示する注意喚起情報を示すメッセージが表示部53に表示されることにより報知され(ステップS48)、本処理は終了される。
ステップS48においてメッセージの報知を受けたサービスマンは、当該施設におもむいて、QCファントムの設置状況を検分し、必要に応じて取り扱いの改善指導、あるいは位置決めタブや位置決めマークの付与されたQCファントムへ交換を行なう。
以上のように、本実施の形態によれば、放射線画像の被写体であるQCファントムを識別するQC識別情報と当該QCファントムの設置情報とを当該放射線画像の評価結果情報に対応付けて評価レポートとしてサービスセンタ50のレポートファイル571に記憶することができるため、各QCファントムの撮影時における設置傾向を把握することが可能となり、QCファントムの取り扱いに起因する画質評価の不良において、QCファントムの取り扱いに対する対策を講じさせ得ることができる。
更に、評価レポートに含まれるQC設置情報に基づいて判定された注意喚起情報としてのメッセージを表示して報知することができるため、当該メッセージが報知されたユーザは、QCファントムの取り扱いに対する適切な対策を講じ得ることができる。
メッセージとしては、QC傾き量頻度が所定頻度以上、又は、QC非規定面頻度が所定頻度以上である場合、且つ、施設傾き量頻度が所定頻度以上、又は、施設非規定面頻度が所定頻度以上である場合、QCファントムの撮影時の取り扱い手順の見直しを指示する注意喚起情報を報知することができ、QCファントムの撮影時の取り扱いによる画像品質の低下の是正を促すことができる。また、QC傾き量頻度が所定頻度以上、又は、QC非規定面頻度が所定頻度以上である場合、且つ、施設傾き量頻度が所定頻度未満、及び、施設非規定面頻度が所定頻度未満の場合、QCファントムの破損確認を指示する注意喚起情報を報知することができ、QCファントムの破損による画像品質の低下の是正を促すことができる。
また、QCファントムに自己の識別情報を示す識別部材7が内在されているため、放射線画像に基づいてQC識別情報を取得することにより、ユーザがQCファントムのQC識別情報の入力する手間を省き作業性を向上できると共に、誤って他のQCファントムのQC識別情報の入力が行なわれることを防止できるため、評価結果情報とQC識別情報との対応付けの信頼性を向上できる。従って、QCファントムの取り扱いに対する正確な対策を講じさせ得ることができる。
なお、本実施の形態においては、QCファントム毎、施設毎に誤設置頻度を算出してメッセージを報知するものであるが、QCファントムの撮影時において、当該QCファントムを撮影した技師の識別情報を当該放射線画像に対応付けて記憶しておくことにより、技師毎に誤設置頻度を算出して各技師に対してメッセージを報知することにより、QCファントムの取り扱いの改善を図ることができる。
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
放射線画像読取システムの全体構成図である。 コンソールの機能構成例を示す図である。 QCファントムの一例を示す図である。 サービスセンタの機能構成例を示す図である。 品質評価処理のフローチャートである。 品質評価処理のフローチャートである(図5の続き)。 ラベリング処理のフローチャートである。 図8(a)は、エッジパターンの中心座標と解析中心座標と解析領域の位置関係の例、図8(b)は、ステップウエッジの中心座標と解析中心座標と解析領域の位置関係の例、図8(c)は、ジッタの中心座標と解析中心座標と解析領域の位置関係の例を示す図である。 設置判別部材6に予め定められた3点(A、B、C)の例を示す図である。 取扱判定処理のフローチャートである。
符号の説明
1a、1b 金属円板
2 エッジパターン
3a〜3d ステップウエッジ
4a、4b ジッタ
5a〜5j バーガーファントム
6 設置判別部材
7 識別部材
10 撮影装置
11 放射線源
12 カセッテ
20 読取装置
30、30a コンソール
31 CPU
32 操作部
33 表示部
34 第1通信部
35 第2通信部
36 バーコードリーダ
37 RAM
38 記憶部
39 HDD
391 QC撮影管理情報ファイル
392 一般撮影管理情報ファイル
393 画像ファイル記憶領域
301 QCツール
394 QC評価結果ファイル
40 イメージャ
50 サービスセンタ
51 CPU
52 操作部
53 表示部
54 通信部
55 RAM
56 記憶部
57 HDD
571 レポートファイル
M 被写体
N1、N2 通信ネットワーク
N3、N4 バス
NS 放射線画像読取システム
P QCファントム
X 主走査方向
Y 副走査方向

Claims (7)

  1. 左右非対称及び上下非対称の形状を有する設置判別部材と、画質評価項目に対応した大きさ又は形状を有する評価用部材とが内在されたQCファントムが撮影された放射線画像を取得する画像取得工程と、
    前記QCファントムを個別的に識別する識別情報を取得する識別情報取得工程と、
    前記画像取得工程により取得された放射線画像に基づいて前記設置判別部材の位置を特定する位置特定工程と、
    前記位置特定工程により特定された前記設置判別部材の位置に基づいて、前記QCファントムの設置情報を算出する設置情報算出工程と、
    前記画像取得工程により取得された放射線画像に基づいて前記評価用部材に対応する評価演算を行い、当該評価演算に基づく評価結果情報を生成する評価演算工程と、
    前記評価演算工程により生成された評価結果情報と、前記識別情報取得工程により取得された前記識別情報と、前記設置情報算出工程により算出された前記設置情報とが対応付けられた画像品質評価情報を記憶する記憶工程と、
    を含む画像品質管理支援方法。
  2. 前記記憶工程により記憶された複数の前記画像品質評価情報を読み出す読出工程と、
    読み出された前記複数の画像品質評価情報に含まれる前記設置情報に基づいて、前記QCファントムに対する取り扱いの注意喚起情報を報知するか否かを判定する報知判定工程と、
    前記報知判定工程により前記注意喚起情報を報知すると判定された場合、当該注意喚起情報を報知する報知工程と、
    を含むこと、
    を特徴とする請求項1に記載の画像品質管理支援方法。
  3. 前記設置情報は、前記QCファントムの撮影時における前記QCファントムの基準位置からの傾き量、又は、前記QCファントムの撮影時において前記QCファントムが照射線源に対向する規定面と対向する面に設置されて撮影されたことを示す非規定面情報を含むこと、
    を特徴とする請求項2に記載の画像品質管理支援方法。
  4. 前記報知判定工程は、
    所定の前記QCファントムに対する複数の画像品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数以上の場合、前記注意喚起情報を報知すると判定すること、
    を特徴とする請求項2又は3に記載の画像品質管理支援方法。
  5. 前記報知判定工程は、
    所定の前記QCファントムに対する複数の画像品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数以上の場合、
    且つ、
    前記記憶工程により記憶された複数の画総品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数以上の場合、
    前記QCファントムの撮影時の取り扱い手順の見直しを指示する前記注意喚起情報を報知すると判定すること、
    を特徴とする請求項4に記載の画像品質管理支援方法。
  6. 前記報知判定工程は、
    所定の前記QCファントムに対する複数の画像品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数以上、又は、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数以上の場合、
    且つ、
    前記記憶工程により記憶された複数の画総品質評価情報において、前記傾き量が所定値以上である画像品質評価情報の数が予め設定された数未満、及び、前記非規定面情報を含む画像品質評価情報の数が予め設定された数未満の場合、
    前記QCファントムの破損確認を指示する前記注意喚起情報を報知すると判定すること、
    を特徴とする請求項4又は5に記載の画像品質管理支援方法。
  7. 前記QCファントムは、自己の識別情報を示す識別部材を内在しており、
    前記識別情報取得工程は、
    画像取得工程により取得された放射線画像に基づいて前記識別部材が示す識別情報を取得すること、
    を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像品質管理支援方法。
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