JP2009039043A - 組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】β−1,3−1,4−グルカンを9〜89.9質量%、及び澱粉を10〜70質量%含有し、糊化度が25%以上であることを特徴とする組成物。胚乳部分を50質量%以上含む大麦を、粒子径500μm以上の粒子が10体積%以下且つ粒子径40μm以下の粒子が30〜95体積%となるように粉砕する工程A、該工程Aで得られた粉砕物から粒子径50〜500μmの粒子が80体積%以上の画分を得る工程B、該工程Bで得られた画分を糊化度が25%以上となるように糊化処理する工程C、及び、該工程Cで得られた糊化処理物を乾燥する工程Dを有する、上記組成物を製造する方法。
【選択図】なし
Description
しかし、このイネ科植物のβグルカンは、分子量は250万ともいわれているように高分子量であるため、水溶性が低く、水に高濃度に溶解させるためには長時間の加熱や超音波処理等を行なわなければならないという問題がある。
しかし、大麦に含まれるβグルカンの含有量は約5%程度と極めて少ない上に、大麦粉の約70〜80%を占める澱粉は水不溶性であるため、大麦粉は当然にして水不溶性であり、広範な飲食品へ適用することはできないという問題がある。
上記方法としては、大麦粉よりβグルカン含有組成物を抽出する方法がある。例えば、大麦精麦工程で発生する大麦糠を熱水抽出することを特徴とする大麦糠由来βグルカンを主成分とする水溶性食物繊維の製造法(特許文献1参照)、オーツ麦又は大麦をアルカリ性水溶液で抽出し、抽出液を酸性にして蛋白質を沈澱除去したのち、残液にアルコールを加えて沈澱させるか、あるいは残液を脱塩後、乾燥させて、βグルカンを主成分とする穀物ガム質を得る方法(特許文献2参照)、大麦又はオーツ麦の精麦工程で発生する糠を温水抽出することを特徴とする大麦又はオーツ麦由来水溶性βグルカンの抽出方法(特許文献3参照)が提案されている。
しかし、これらの方法は、βグルカン含有量の高い組成物を得ることはできるが、抽出効率が高いものではなく、そのため、操作時間がかかりすぎる問題や、コストがかかりすぎる問題があった。
また、特許文献3に記載の方法で得られた組成物は、もともと大麦粉に含まれる低分子量のβグルカン(分子量10万以下)のみを抽出したものであるため、水溶性自体は極めて良好であるものの、低分子量のβグルカンは、高分子量のβグルカンに比べて血糖値抑制効果が低いことから、保健機能性を目的とした飲食品に使用する場合、その効果が低くなってしまうという問題があった。
また、本発明の目的は、上記組成物を、簡単な操作で短時間で得ることができる製造方法を提供することにある。
しかし、上記大麦粉は、βグルカン自体の分子量には変化がないことに加え、βグルカンから完全には澱粉粒が除去されていないため、水不溶性であり、可溶性が改良されたものではなかった。
本発明の組成物は、β−1,3−1,4−グルカンを9〜89.9質量%、好ましくは10〜50質量%含有する。
上記β−1,3−1,4−グルカンは、β−1,3−グルコシド結合及びβ−1,4−グルコシド結合を有するβグルカンであれば特に限定されるものではなく、イネ科植物等の植物由来でも、担子菌類由来でも、微生物由来でもよい。
上記澱粉としては、特に限定されるものではないが、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、米澱粉、大麦澱粉、サゴ澱粉、ハイアミロースコーンスターチ、緑豆澱粉等を例示することができる。また、上記澱粉として加工澱粉を使用することもでき、該加工澱粉としては、漂白澱粉、架橋澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化架橋澱粉、エーテル化架橋澱粉等を例示することができる。また、これらの澱粉は、単独で使用してもよく、又は2種以上を使用することもできる。
大麦の胚乳部としては、大麦粒を外周部より削って質量を90質量%以下としたもの、特に80%質量以下としたものが好ましい。また、原料としてβ−1,3−1,4−グルカン含量の高い大麦品種を使用するのがよく、例えば、米澤モチ、坊主モチ、カシマムギ、ダイシモチ、ウルチミノリムギ、ミノリムギ、ファイバースノウ、シュウライ、シルキースノウ、LT26、ウルチJENA84−1、Godiva、ベニハダカ、ウルチH−HOR4097/66、Nepa11684、Riso86、四R系1164等の品種や、これを母本とした派生品種が好ましく使用できる。
本発明の組成物は、上記のβ−1,3−1,4−グルカン及び糊化度が上記の範囲内である糊化澱粉をそれぞれ別々に調製し、また必要なら常法によって濃縮し、β−1,3−1,4−グルカン及び糊化度の含量が上記の範囲となるように混合すれば得ることができるが、以下に説明する本発明の製造方法によれば、本発明の組成物を簡便に製造することができる。
工程Aにおいては、原料である大麦、好ましくは「カシマムギ」、「ミノリムギ」、「ダイシモチ」、「ファイバースノウ」及び「米澤モチ」のいずれかを粉砕するが、該大麦としては、胚乳部分を50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上含むものを使用する。尚、この胚乳部分の含量は、個々の大麦粒自体における胚乳部分の割合ではなく、用いる原料全体としての割合である。
その特定の粉砕条件とは、粉砕物の粒度分布において、粒子径500μm以上の粒子が10体積%以下、好ましくは5体積%以下、より好ましくは0体積%であり、且つ粒子径40μm以下の粒子が30〜95体積%、好ましくは40〜70体積%、より好ましくは48〜60体積%となるように粉砕するものである。
ここで、粉砕が足りないと、次に行なう工程Bで不要な澱粉等が多く混入して、β−1,3−1,4−グルカンの濃度が低下してしまう。また、必要以上に粉砕してしまうと、β−1,3−1,4−グルカンを含む粒子が更に細粒化して、工程Bにおいて得られる分画物の量、ひいては最終的に得られる組成物中のβ−1,3−1,4−グルカンの量が減ってしまい、工業化適性が低下してしまう。
上述のとおり、本出願人は、上記粉砕条件で大麦粒を粉砕して得られた粉砕物を、特定の分画条件で分画することで、その結果として、β−1,3−1,4−グルカンを濃縮できることを見出している。
その特定の分画条件とは、上記工程Aで得られた粉砕物から粒子径50〜500μmの粒子が80体積%以上、好ましくは90体積%以上、より好ましくは99体積%以上の画分を得るものである。
この分画の際には、粒子径50〜500μmの粒子が得られればよく、粒子径50〜500μmの範囲外の粒子径の粒子が多少混入していても支障はない。従って、粒子径50〜500μmの粒子が上記体積割合の画分を得ればよい。
また、得られた画分は、工程Cに供する前に、さらに粉砕してもよい。
工程Cにおいては、上記工程Bで得られた粒子径50〜500μmの粒子が80体積%以上の画分を、糊化度が25%以上、好ましくは30%以上となるように糊化処理する。なお、糊化度の上限は100%であるが、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下である。この糊化度の範囲とする理由は上述のとおりである。
加熱処理の具体的な方法としては、ジェットクッカーやドラム式加熱機等の加熱処理機械を使用する方法、ニーダー、エクストルーダー等の加熱可能な混合機を使用する方法、加熱殺菌機を使用して加熱殺菌する方法、蒸し機等を使用して蒸成する方法等を挙げることができる。加熱処理する際、その好ましい温度は60〜200℃、より好ましくは60〜120℃である。
工程Dにおいては、上記工程Cで得られた糊化処理物を乾燥して、本発明の組成物を得る。乾燥する方法は、特に限定されず、凍結乾燥、熱風乾燥、スプレードライ等の公知の方法から選択することができる。乾燥後の好ましい水分含量は1〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%である。
また、得られた組成物は、必要に応じて、常法により所望の粒子径の粉体となるように粉砕してもよく、また所望の粒子径の顆粒状となるように造粒してもよい。
本発明の組成物は、水溶性が良好であるため、水や水分の多い飲食品に添加する際も、ダマができにくく、均一に分散させることが可能であることから、加工油脂製品、ベーカリー製品、菓子類、麺類、穀類加工品、乳製品、スープ類、飲料、調味料類、畜肉加工品、水産加工品、調理食品、健康食品、低カロリー食品、アレルギー患者用食品、乳児用食品、老人用食品、美容食品、薬用食品、あるいはそれらの冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品、缶詰等の広範な飲食品に広く使用することができる。また、化粧品、医薬品にも広く使用することができる。
本発明の飲食品は、本発明の組成物を含有するものであり、従来公知の飲食品に本発明の組成物を添加・混合するか、従来公知の飲食品の製造時に本発明の組成物を配合してなるものである。
β−1,3−1,4−グルカン含量の測定は、McCleary法(酵素法)を採用した。具体的にはβグルカン測定キット(型番K−BGLU)(メガザイム社製)を使用した。まず、500μm(30メッシュ)のふるいにかけた測定サンプルについて、予め水分含量を測定(赤外線水分計、型番FD−230、Kett社製)した。この測定サンプル10mgを17mlチューブに取り、50%(v/v)エタノール溶液を200μl加え、分散させた。次に4mlの20mMリン酸緩衝液(pH6.5)を加え、よく混合した後、煮沸した湯浴中にて1分間加温した。よく混合し、さらに2分間、湯浴中で加熱した。遠心分離にて上清を得て、50℃に冷却後、5分間放置してから、各チューブにリケナーゼ酵素溶液(キットに付属するバイアルを20mlの20mMリン酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)の200μl(10U)を加え、50℃にて1時間反応させた。チューブに200mM酢酸緩衝液(pH4.0)を5ml加えて、静かに混合した。室温に5分間放置し、遠心分離にて上清を得た。上清100μlを3本のチューブに取り、1本には100μlの50mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、他の2本には100μl(0.2U)のβグルコシターゼ溶液(キットに付属するバイアルを20mlの50mM酢酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)を加え、50℃にて10分間反応させた。3mlのグルコースオキシターゼ/ペルオキシターゼ溶液を加えて、50℃にて20分間反応させ、各サンプルの510nmにおける吸光度(EA)を測定した。β−1,3−1,4−グルカン含量は、次式により求めた。
水溶性β−1,3−1,4−グルカン含量(%,w/w)=(EA)×(F/W)×8.46
F=(100)/(グルコース100μgの吸光度)
W=算出された無水物質量(mg)
2分間湯浴中で加熱後の遠心分離を行なわない以外は、水溶性β−1,3−1,4−グルカン含量の測定方法と同様の方法で、総β−1,3−1,4−グルカン含量を求めた。
澱粉含量の測定は、食品分析法のアルカリ抽出法、グルコアミラーゼ+ソモジー・ネルソン法により行った。まず、測定サンプル50gに0.5mol/l水酸化ナトリウム5mlを加え、ホモジナイズした。室温で10分放置後、0.5mol/酢酸で中和し、遠心分離(8000回転/分・10分)した。得られた上清0.5mlにグルコアミラーゼ液(2.63単位)0.5mlを加え、30℃で1時間酵素反応を行った。この上清中の遊離グルコースをソモジー・ネルソン法により求めた。上清中のグルコースをソモジー・ネルソン法により求め、先に求めた遊離グルコースを差し引き、0.9を乗じて澱粉量とした。
アラビノキシラン含量の測定は、溶媒沈殿で得られた多糖を酸加水分解して遊離したアラビノースとキシロースを、イオン交換クロマトグラフィー及びパルスドアンペロメトリ検出(HPAE−PAD)を用いて定量することにより行った。
乾燥させた粉末状サンプルを1mg精秤し、70%(v/v)エタノールを1mL加えて室温で30分間撹拌した後、4℃で1時間冷却した。遠心分離(8000回転/分・10分)によって上清を除去し、得られた沈殿を凍結乾燥した。乾固したサンプルに72%(v/v)硫酸を0.1mL加えて撹拌し、1時間氷冷した。水を0.8mL加えて100℃で4時間加熱した。粉末状BaCO3を50mg加えて中和し、遠心分離(8000回転/分・10分)して上清を回収した。イオン交換樹脂(Dowex50−X80 H+型)を用いて脱塩し、凍結乾燥した。乾固したサンプルに蒸留水を1mL加えて完全に溶解して単糖が遊離した水溶液とし、これを超純水で1000倍希釈した水溶液を分析試料とした。
単糖の定量は、イオン交換クロマトグラフィー装置(Dionex社製)を用いて以下の分析条件で行なった。カラムはCarboPac PA1(Dionex社製)、検出器は作用電極を金としたパルスドアンペロメトリ検出器(Dionex社製)を用い、流速1.0mL/min.、カラム温度35℃、溶出液Aとして100mM NaOH水溶液、溶出液Bとして超純水を用い、溶出液Aの初期濃度20質量%から終濃度35質量%まで0.75質量%/min.の直線勾配によるグラジェントで行なった。L(+)−Arabinose(010−04582 和光純薬工業社製)、D(+)−Xylose(244−00302 和光純薬工業社製)を超純水により1.0μg/mLとした水溶液を標準品とし、分析試料50μL注入したときの溶出時間とピーク面積値から定量した。検出されたアラビノースとキシロースの総含量をアラビノキシラン含量とし、それぞれの含量から構成比を算出した。
糊化度の測定は、食品分析法のグルコアミラーゼ法により行った。まず、測定サンプル20gにエタノール200mlを加え、1分間撹拌した後、遠心分離(8000回転/分・5分)し、得られた沈殿にエタノール200mlを加えた。これを1分間撹拌した後、再度遠心分離(8000回転/分・5分)し、得られた沈殿にエーテル200mlを加えた。これを、1分間撹拌した後、再度遠心分離(8000回転/分・5分)し、得られた沈殿を乾燥した。得られた沈殿の乾燥物100mgに蒸留水8mlを加えて均一な懸濁液とした。2mlを2本の試験管に取り、1本には1.6mlの2mol/l酢酸緩衝液(pH4.8)と0.4mlの蒸留水を加え、測定サンプル液とした。もう1本には0.2mlの10mol/l水酸化ナトリウムを加えて完全に溶解させた後、1.6mlの2mol/l酢酸、4mlの酢酸を加え、完全糊化サンプル液とした。これらのサンプル液に1mlのグルコアミラーゼ液(2.63単位)を加えて、37℃で60分間反応させた。反応終了後、反応液0.5mlに、25mmol/l塩酸20mlを加えて撹拌し、ソモジー・ネルソン法によりグルコース量を定量した。糊化度を次式から算出した。
糊化度(%)=(サンプル液中の糖量/完全糊化サンプル液中の糖量)×100
粘度測定は、VISCOMETER(TOKIMEC社製)を使用した。
測定サンプル10gに蒸留水100mlを加え、室温にて15分間撹拌し、1mlを回転数10rpm、温度25℃で測定した。
粒度分布は、レーザ回折式粒度分布測定装置 SALD−2100(島津製作所社製)により行なった。分散溶媒EtOH 150mL中に、超音波照射後の吸光度が0.1となるように十分に乾燥させたサンプルを添加して1分間超音波照射した。撹拌しながら対流させて検出される粒子径とその相対粒子量(体積割合)を測定した。
平成18年度新潟県産のミノリムギを外周部より削り、とう精歩合60%とした大麦粒(胚乳部分含量100質量%)をローラー式粉砕機で粉砕し、大麦粉砕物Aを得た。
大麦粉砕物Aにおける、粒子径500μm以上の粒子は0体積%であり、粒子径40μm以下の粒子は56.3体積%であった。
大麦粉砕物Aの2kgを140メッシュの篩にて60分間処理し、篩上に残った画分430g(粒子径50〜500μmの粒子が97.1体積%の画分であった。)を得た。これを粉砕機(商品名:ミクロパウダー、ウエスト社製)の粒度つまみを10ミクロンにセットしてさらに粉砕し、大麦分級粉砕物Aを得た。
大麦分級粉砕物Aを、ニーダー(ベンチニーダーPNV-1(入江商会))に投入し、水分含量20質量%となるまで加水した後、90℃にて90分加熱処理し、これを、水流ポンプでの減圧乾燥により水分含量7.0%まで乾燥した後、粉砕機(商品名:ミクロパウダー、ウエスト社製)の粒度つまみを10ミクロンにセットしてさらに粉砕し、サンプルNo.1とした。
実施例1の加熱処理時の加水条件を、水分含量20質量%から55質量%に変更した以外は実施例1と同様の製法で、サンプルNo.2を得た。
実施例1の加熱処理時の加水条件を、水分含量20質量%から80質量%に変更した以外は実施例1と同様の製法で、サンプルNo.3を得た。
実施例1における大麦粉砕物Aを、そのままサンプルNo.4とした。
実施例1における大麦粉砕物Aを、分級操作を通さず、そのままニーダーに供した以外は実施例1と同様の製法で、サンプルNo.5を得た。
実施例1における大麦分級粉砕物Aを、そのままサンプルNo.6とした。
精麦した市販の押し麦(精麦した大麦を蒸気で加熱し、押しつぶしたもの;原料大麦は「ファイバースノウ」で、胚乳部分含量100質量%)を市販の電動コーヒーミルで1分間粉砕後、粉砕機(商品名:ミクロパウダー、ウエスト社製)の粒度つまみを45ミクロンにセットしてさらに粉砕し、糊化大麦粉砕物Aを100g得た。糊化大麦粉砕物Aにおける、粒子径500μm以上の粒子は1体積%であり、粒子径40μm以下の粒子は52.1体積%であった。
糊化大麦粉砕物Aを100メッシュ(目の径は150μm)の分析用篩にて45分間処理し、篩上に残った画分15g(粒子径50〜500μmの粒子が96.4体積%の画分であった。)を得た。これを粉砕機(商品名:ミクロパウダー、ウエスト社製)の粒度つまみを10ミクロンにセットしてさらに粉砕し、サンプルNo.7とした。
実施例4における糊化大麦粉砕物Aを、そのままサンプルNo.8とした。
また、澱粉含量、糊化度、アラビノキシラン含量及び10%水溶液の粘度について測定を行い、その結果を表1に記載した。
また、糊化度が85%以下であるサンプルNo.1、No.2及びNo.7は、糊化度が85%を超えるサンプルNo.3に比べ、水溶液粘度が低く、飲食品に含有させるのに特に良好な物性であることがわかる。
また、本発明の製造方法である実施例1〜3で得られたサンプルNo.1〜3は、糊化工程を分級前に行なった実施例4で得られたサンプルNo.7に比べてβ−1,3−1,4−グルカン含量が高いことから、本発明の製造方法は、より高濃度のβ−1,3−1,4−グルカンを含有する組成物を製造可能な点で優れた製造方法であることがわかる。
また、β−1,3−1,4−グルカン含量は9〜89.9質量%であり、澱粉を10〜70質量%含有するが、糊化度が25%未満である、比較例3で得られたサンプルNo.6は、水溶性が低いものであった。
さらに、糊化度は25%以上であるが、β−1,3−1,4−グルカン含量が9質量%未満であり、澱粉含量が70質量%超である、比較例4で得られたサンプルNo.8は、水溶性が低く、水溶液粘度も極めて高くなってしまった。
Claims (5)
- β−1,3−1,4−グルカンを9〜89.9質量%、及び澱粉を10〜70質量%含有し、糊化度が25%以上であることを特徴とする組成物。
- さらにアラビノキシランを0.1〜50質量%含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 粉末状又は顆粒状であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
- 胚乳部分を50質量%以上含む大麦を、粒子径500μm以上の粒子が10体積%以下且つ粒子径40μm以下の粒子が30〜95体積%となるように粉砕する工程A、該工程Aで得られた粉砕物から粒子径50〜500μmの粒子が80体積%以上の画分を得る工程B、該工程Bで得られた画分を糊化度が25%以上となるように糊化処理する工程C、及び、該工程Cで得られた糊化処理物を乾燥する工程D、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を製造する方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を含有することを特徴とする飲食品。
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