JP2009038313A - 積層型フィルタ - Google Patents

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亮太 中西
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裕 阿部
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Abstract

【課題】ワンセグ放送に対応した携帯電話等の通信端末に好適な減衰特性を有する積層フィルタを提供すること。
【解決手段】コイル部10は、非磁性体層11と、非磁性体層11を少なくとも挟むように配置された磁性体層13と、非磁性体層11内に配置されると共に互いに磁気的に結合する第1及び第2のコイル導体15,17と、を有している。容量発生部20は、誘電特性を有する機能層21と、機能層21内に配置されると共に、互いに対向する複数の内部電極23,25,27と、を有している。磁性体層13の比透磁率が35〜120の範囲であり、コイル部10の共振周波数が470〜770MHzの範囲であり、容量発生部20の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲であり、ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数が100MHz以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイル部と容量発生部とを備える積層型フィルタに関する。
非磁性体層と、非磁性体層を少なくとも挟むように配置された磁性体層と、非磁性体層内に配置されると共に互いに磁気的に結合する第1及び第2のコイル導体と、を有する積層型コモンモードチョークコイルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−268455号公報
日本の地上デジタルテレビジョン放送(ISDB−T)では、13のセグメントのうちの1つのセグメントのみを部分受信することが可能であり、1セグメントデジタル放送、いわゆるワンセグ放送として携帯電話向けや移動体端末向けにサービス(携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)が開始されている。
したがって、ワンセグ放送に対応した携帯電話等の通信端末にEMC対策部品等として搭載される積層型フィルタには、ワンセグ放送での搬送周波数である470〜770MHzでのコモンモードノイズの減衰特性を高く設計する必要がある。また、携帯電話等の通信端末での通信周波数である800〜950MHz及び1.8〜2.3GHzでの減衰特性も必要とされる。
また、韓国やヨーロッパの一部の国で採用されている地上デジタルメディア放送(T−DMB)に対応させるためには、174〜245MHzでのコモンモードノイズの減衰特性を高く設計する必要がある。
本発明は、ワンセグ放送又は地上デジタルメディア放送に対応した携帯電話等の通信端末に好適な減衰特性を有する積層フィルタを提供することを目的とする。
本発明は、コイル部と容量発生部とを備えた積層型フィルタであって、コイル部は、非磁性体層と、非磁性体層を少なくとも挟むように配置された磁性体層と、非磁性体層内に配置されると共に、該非磁性体層内において互いに磁気的に結合する第1及び第2のコイル導体と、を有し、容量発生部は、誘電特性を有する機能層と、機能層内に配置されると共に、互いに対向する複数の内部電極と、を有し、磁性体層の比透磁率が35〜120の範囲であり、コイル部の共振周波数が470〜770MHzの範囲であり、容量発生部の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲であり、ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数が100MHz以上であることを特徴とする。
本発明では、磁性体層の比透磁率が35〜120の範囲であり、コイル部の共振周波数が470〜770MHzの範囲であり、容量発生部の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲であり、ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数が100MHz以上であるので、ワンセグ放送に対応した携帯電話等の通信端末に好適な減衰特性を有する積層フィルタを実現することができる。
また、本発明は、コイル部と容量発生部とを備えた積層型フィルタであって、コイル部は、非磁性体層と、非磁性体層を少なくとも挟むように配置された磁性体層と、非磁性体層内に配置されると共に、該非磁性体層内において互いに磁気的に結合する第1及び第2のコイル導体と、を有し、容量発生部は、誘電特性を有する機能層と、機能層内に配置されると共に、互いに対向する複数の内部電極と、を有し、磁性体層の比透磁率が380〜755の範囲であり、コイル部の共振周波数が174〜245MHzの範囲であり、容量発生部の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲であり、ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数が100MHz以上であることを特徴とする。
本発明では、磁性体層の比透磁率が380〜755の範囲であり、コイル部の共振周波数が174〜245MHzの範囲であり、容量発生部の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲であり、ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数が100MHz以上であるので、地上デジタルメディア放送に対応した携帯電話等の通信端末に好適な減衰特性を有する積層フィルタを実現することができる。
ところで、174〜245MHzや470〜770MHzといった周波数帯域において減衰特性を良好なものとするためには、コイル部のインダクタンス値を高くする必要がある。コイル部が非磁性体層のみを有する場合、インダクタンス値を高くするためには、コイル導体の巻数を増やすという手法が考えられる。しかしながら、この場合には、コイル導体の直流抵抗の増加や、積層型フィルタのコストが嵩む、外形寸法が大きくなるといった問題点が生じてしまう。一方、コイル部が磁性体のみを有する場合、インダクタンス値が高くなるものの、漏れ磁束が増加してしまうという問題点が生じてしまう。
これらに対して、本発明のいずれも、コイル部が、非磁性体層と、非磁性体層を少なくとも挟むように配置された磁性体層と、を有し、第1及び第2のコイル導体が非磁性体層内に配置されるので、上述したような問題点が生じることなく、インダクタンス値を高く設定することが可能となる。また、第1及び第2のコイル導体が磁性体層に接していないので、コイル部に発生する渦電流損を低減することができる。
好ましくは、第1及び第2のコイル導体が、積層された複数の渦巻状の導体パターンが電気的に接続されることにより構成されている。
好ましくは、機能層が、誘電材料又はバリスタ材料からなる。
好ましくは、複数の内部電極が、第1の内部電極と、第1の内部電極に対向する第2及び第3の内部電極と、を含んでおり、第1のコイル導体の両端に接続される第1及び第2の端子電極と、第2のコイル導体の両端に接続される第3及び第4の端子電極と、第1の内部電極に接続される第5の端子電極と、を更に備え、第2の内部電極が、第1の端子電極に接続され、第3の内部電極が、第3の端子電極に接続されている。
好ましくは、コイル部が、第1及び第2のコイル導体を複数対有し、容量発生部が、複数の内部電極を複数対有している。この場合、積層型フィルタのアレイ化を図ることができる。
好ましくは、磁性体層は、第1及び第2のコイル導体の内側に配置されている。
好ましくは、磁性体層は、非磁性体層を覆うように配置されている。
本発明によれば、ワンセグ放送又は地上デジタルメディア放送に対応した携帯電話等の通信端末に好適な減衰特性を有する積層フィルタを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1〜4を参照して、本実施形態に係る積層型フィルタMF1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る積層型フィルタの斜視図である。図2は、本実施形態に係る積層型フィルタを構成する素体の分解斜視図である。図3は、本実施形態に係る積層型フィルタを構成する素体の断面構成を示す模式図である。図4は、本実施形態に係る積層型フィルタの等価回路を示す図である。
積層型フィルタMF1は、コモンモードフィルタ機能および容量発生機能を備えるアレイタイプの積層型複合電子部品であって、略直方体形状を呈した素体EB1と、第1〜第5の端子電極1〜5を備えている。第1及び第3の端子電極1,3は、素体EB1の長手方向に伸びる一方の側面側に配置され、第2及び第4の端子電極2,4は、素体EB1の長手方向に伸び且つ一方の側面に対向する他方の側面側に配置されている。第5の端子電極は、素体EB1の長手方向における両端部に配置されている。第1〜第4の端子電極1〜4は、入出力端子として機能し、第5の端子電極は、グランド端子として機能する。
素体EB1は、コイル部10と、容量発生部20と、中間部30と、を含んでいる。
コイル部10は、非磁性体層11と、一対の磁性体層13と、それぞれ複数対(本実施形態では、2対)の第1及び第2のコイル導体15,17と、を有している。
非磁性体層11は、非磁性体からなる複数の層12a〜12fが積層されてなる部分であり、容量発生部20及び中間部30と一体的に焼成されることにより形成されている。第1及び第2のコイル導体15,17は、複数の層12a〜12fの間、すなわち非磁性体層11内に配置されている。非磁性体層11(複数の層12a〜12f)は、例えばCu−Zn系のフェライト材料からなる。
第1のコイル導体15は、積層された導体パターン16a,16bを含んでいる。導体パターン16aは層12aと層12bとの間に位置し、導体パターン16bは層12bと層12cとの間に位置している。導体パターン16a,16bは、中心から縁に向かって渦巻状に形成されている。導体パターン16aは、その外側端部が素体EB1の上記一方の側面に引き出され、第1の端子電極1に接続されている。導体パターン16bは、その外側端部が素体EB1の上記他方の側面に引き出され、第2の端子電極2に接続されている。導体パターン16aの内側端部と導体パターン16bの内側端部とは、層12bを貫通して配置されたビア導体16cを通して電気的に接続されている。
第2のコイル導体17は、積層された導体パターン18a,18bを含んでいる。導体パターン18aは層12eと層12fとの間に位置し、導体パターン18bは層12dと層12eとの間に位置している。導体パターン18a,18bは、中心から縁に向かって渦巻状に形成されている。導体パターン18aは、その外側端部が素体EB1の上記一方の側面に引き出され、第3の端子電極3に接続されている。導体パターン18bは、その外側端部が素体EB1の上記他方の側面に引き出され、第4の端子電極4に接続されている。導体パターン18aの内側端部と導体パターン18bの内側端部とは、層12eを貫通して配置されたビア導体18cを通して電気的に接続されている。
第1及び第2のコイル導体15,17は、層12c,12dを介して積層されている。これにより、第1及び第2のコイル導体15,17は、非磁性体層11内において、互いに磁気的に結合する。本実施形態では、第1及び第2のコイル導体15,17の結合係数は、0.6以上に設定されている。また、コイル部10のインダクタンス値は、10〜200nHに設定されている。
導体パターン16a,16b,18a,18b及びビア導体16c,18cに用いる導電材料は、非磁性体層11と同時焼成できる金属材料を用いる。すなわち、フェライトの焼成温度は通常800℃〜1400℃程度であるため、その温度で融解しない金属材料を用いる。例えば、Ag、Pdこれらの合金等を好適に使用することができる。
一対の磁性体層13は、非磁性体層11を少なくとも挟むように配置されている。すなわち、一対の磁性体層13は、複数の層12a〜12fの積層方向で、非磁性体層11を挟んでいる。各磁性体層13は、磁性体からなる複数の層14a,14bが積層されてなる部分であり、非磁性体層11と一体的に焼成されることにより形成されている。磁性体層13(複数の層14a,14b)は、例えばNi−Cu−Zn系のフェライト材料からなる。磁性体層13の比透磁率は、35〜120の範囲に設定されている。
容量発生部20は、誘電特性を有する機能層21と、第1〜第3の内部電極23,25,27と、を有している。容量発生部20は、第2及び第3の内部電極25,27を複数対(本実施形態では、2対)有している。第1の内部電極23は、グランド電極として機能し、第2及び第3の内部電極25,27は、ホット電極として機能する。
機能層21は、誘電体からなる複数の層22a〜22iが積層されてなる部分である。第1〜第3の内部電極23,25,27は、複数の層22b〜22gの間、すなわち機能層21内に配置されている。機能層21(複数の層22a〜22i)は、例えば誘電体セラミック(BaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系等の誘電体セラミック)材料からなる。
第1の内部電極23は、層22bと層22cとの間、層22dと層22eとの間、及び層22fと層22hとの間に、それぞれ位置している。第1の内部電極23は、素体EB1の長手方向に伸びる主電極部23aと、主電極部23aと一体に形成された引き出し部23bを含んでいる。引き出し部23bは、素体EB1の長手方向における端面に引き出され、第5の端子電極5にそれぞれ接続されている。
第2の内部電極25は、層22cと層22dとの間に位置している。第2の内部電極25は、第1の内部電極23の主電極部23aと層22c,22dをそれぞれ挟んで対向する主電極部25aと、主電極部25aと一体に形成された引き出し部25bを含んでいる。引き出し部25bは、素体EB1の上記他方の側面に引き出され、第2の端子電極2に接続されている。
第3の内部電極27は、層22eと層22fとの間に位置している。第3の内部電極27は、第1の内部電極23の主電極部23aと層22e,22fをそれぞれ挟んで対向する主電極部27aと、主電極部27aと一体に形成された引き出し部27bを含んでいる。引き出し部27bは、素体EB1の上記他方の側面に引き出され、第4の端子電極4に接続されている。
層22c〜22fのうち、第1の内部電極23の主電極部23aと、第2及び第3の内部電極25,27の主電極部25a,27aとに重なる部分は、それぞれが静電容量成分を実質的に発生させる領域である。したがって、第1の内部電極23の主電極部23aと、第2の内部電極25の主電極部25aとにより、静電容量成分が形成される。また、第1の内部電極23の主電極部23aと、第3の内部電極27の主電極部27aとにより、静電容量成分が形成される。容量発生部20の静電容量は、4〜100pFに設定されている。
第1〜第3の内部電極23,25,27に用いる導電材料は、機能層21を構成するセラミックス材料と同時焼成できる金属材料を用いる。すなわち、誘電体セラミックの焼成温度は通常800℃〜1400℃程度であるため、その温度で融解しない金属材料を用いる。例えば、Ag、Pdこれらの合金等を好適に使用することができる。
中間部30は、コイル部10と容量発生部20との間に位置しており、層31からなっている。中間部30は、コイル部10と容量発生部20との縮率を調整する目的で設けられた部分である。層31は、例えば、Fe及び上記誘電体セラミックを主成分としたセラミックス材料からなる。
実際の積層型フィルタMF1では、各層12a〜12f,14a,14b,22a〜22i,31は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。
次に、上述した積層型フィルタMF1の製造方法について説明する。
まず、層12a〜12fを構成することとなる非磁性体グリーンシートを用意する。非磁性体グリーンシートは、例えば、Cu−Zn系のフェライト粉末を原料としたスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布して形成したものを用いることができる。
また、層14a,14bを構成することとなる磁性体グリーンシートを用意する。磁性体グリーンシートは、例えば、Ni−Cu−Zn系のフェライト粉末を原料としたスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布して形成したものを用いることができる。
また、層22a〜22iを構成することとなる誘電体グリーンシートを用意する。誘電体グリーンシートは、例えば、BaTiO系の誘電体セラミック粉末を原料としたスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布して形成したものを用いることができる。
また、層31を構成することとなる絶縁体グリーンシートを用意する。絶縁体グリーンシートは、例えば、Fe及び上記誘電体セラミック粉末の混合粉末を原料としたスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布して形成したものを用いることができる。
次に、層12b,12eを構成することとなる各非磁性体グリーンシートの所定の位置、すなわちビア導体16c,18cを形成する予定位置に、スルーホールを形成する。スルーホールはレーザー加工機等により形成することができる。
次に、層12b,12c,12e,12fを構成することとなる各グリーンシートに、導体パターン16a,16b,18a,18bに対応するペーストパターンを形成する。各ペーストパターンは、例えば、Ag、Pd、これらの合金等を主成分として含む導体ペースト(導電体材料)をスクリーン印刷した後、乾燥することによって形成される。各スルーホールには、各ペーストパターンを形成する際に、導体ペーストが充填されることとなる。
また、層22c〜22gを構成することとなる各誘電体グリーンシートに、第1〜第3の内部電極23,25,27に対応するペーストパターンを形成する。各ペーストパターンは、例えば、Ag、Pd、これらの合金等を主成分として含む導体ペースト(導電体材料)をスクリーン印刷した後、乾燥することによって形成される。
次に、所定のペーストパターンが形成された非磁性体グリーンシートと、所定のペーストパターンが形成されていない非磁性体グリーンシートと、所定のペーストパターンが形成された誘電体グリーンシートと、所定のペーストパターンが形成されていない誘電体グリーンシートと、絶縁体グリーンシートと、を所望の順序にて積層し、更にプレスした後に、所定形状に切断してグリーン積層体を得る。その後、グリーン積層体を所定の条件(例えば、大気中で1100℃〜1200℃)で焼成を行うことで、素体EB1を得る。
次に、素体EB1の長手方向における端部及び長手方向における両側面中央に導電ペーストを塗布し、所定の条件(例えば、大気中で700℃〜800℃)にて熱処理を行い、外部電極を焼き付ける。導電ペーストは、Agを主成分とする粉末を含むものを用いることができる。その後、外部電極表面にめっきを施し、第1〜第5の端子電極1〜5が形成された積層型フィルタMF1を得ることができる。なお、めっきは電解めっきが好ましく、その材料は、例えばNi/Sn、Cu/Ni/Sn、Ni/Pd/Au、Ni/Pd/Ag、Ni/Ag等を用いることができる。
続いて、図5及び図6を参照して、積層型フィルタMF1のコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズに対する減衰特性について説明する。
図5に示される特性は、磁性体層13の比透磁率を83に設定し、コイル部10のインダクタンス値を72nHに設定し、容量発生部20の静電容量を22pFに設定し、結合係数を0.85に設定したときの減衰特性である。図6に示される特性は、磁性体層13の比透磁率を83に設定し、コイル部10のインダクタンス値を72nHに設定し、容量発生部20の静電容量を35pFに設定し、結合係数を0.85に設定したときの減衰特性である。特性ccがコモンモードノイズに対する減衰特性を示し、特性ddがノーマルモードノイズに対する減衰特性を示す。
図5及び図6から分かるように、積層型フィルタMF1では、コイル部10の共振周波数が470〜770MHzの範囲にあり、容量発生部20の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲にある。また、ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数(挿入損失が−3dBとなる周波数)が100MHz以上である。
以上のように、本実施形態によれば、磁性体層13(複数の層14a,14b)の比透磁率が35〜120の範囲であり、コイル部の共振周波数が470〜770MHzの範囲であり、容量発生部の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲であり、ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数が100MHz以上であるので、ワンセグ放送に対応した携帯電話等の通信端末に好適な減衰特性を有する積層型フィルタMF1を実現することができる。
本実施形態においては、コイル部10が、非磁性体層11と、非磁性体層11を少なくとも挟むように配置された磁性体層13と、を有し、第1及び第2のコイル導体15,17が非磁性体層11内に配置されるので、コイル導体の直流抵抗の増加や、積層型フィルタのコストが嵩む、外形寸法が大きくなるといった問題点が生じることなく、インダクタンス値を高く設定することが可能となる。また、第1及び第2のコイル導体15,17が磁性体層13に接していないので、コイル部10に発生する渦電流損を低減することができる。
本実施形態においては、コイル部10が、第1及び第2のコイル導体15,17を複数対有し、容量発生部20が、複数の内部電極23,25,27を複数対有している。この場合、積層型フィルタMF1のアレイ化を図ることができる。
本実施形態の変形例に係る積層型フィルタとして、磁性体層13の比透磁率が380〜755の範囲であり、コイル部10の共振周波数が174〜245MHzの範囲であり、容量発生部20の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲であり、ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数が100MHz以上であってもよい。この場合、地上デジタルメディア放送に対応した携帯電話等の通信端末に好適な減衰特性を有する積層フィルタを実現することができる。
本実施形態の変形例に係る積層型フィルタとして、図7に示されるように、磁性体層13が第1及び第2のコイル導体15,17の内側に配置されると共に、非磁性体層11を覆うように配置されていてもよい。なお、変形例として、磁性体層13が非磁性体層11を覆うことなく、第1及び第2のコイル導体15,17の内側に配置されていてもよく、また、磁性体層13が第1及び第2のコイル導体15,17の内側に配置されることなく非磁性体層11を覆うように配置されていてもよい。
本実施形態の変形例に係る積層型フィルタとして、容量発生部20の機能層21(複数の層22a〜22i)は、ZnOを主成分とするセラミックス材料により構成されていてもよい。このセラミックス材料中には、添加成分としてPr、Bi、Co、Al等を含んでいてもよい。Prに加えてCoを含むと、優れたバリスタ特性を有するものとなるほか、高い誘電率(ε)を有するものとなる。また、Alを更に含むと低抵抗となる。また、必要に応じて他の添加物、例えば、Cr、Ca、Si、K等の元素が含まれてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
各層12a〜12f,14a,14b,22a〜22i,31の積層数、第1及び第2のコイル導体15,17のターン数及び形状、第1〜第3の内部電極23,25,27の形状及び積層数等は、上述した実施形態のものに限られない。
本実施形態に係る積層型フィルタの斜視図である。 本実施形態に係る積層型フィルタを構成する素体の分解斜視図である。 本実施形態に係る積層型フィルタを構成する素体の断面構成を示す模式図である 本実施形態に係る積層型フィルタの等価回路を示す図である。 本実施形態に係る積層型フィルタの減衰特性を示す線図である。 本実施形態に係る積層型フィルタの減衰特性を示す線図である。 本実施形態の変形例に係る積層型フィルタを構成する素体の分解斜視図である。
符号の説明
1〜5…第1〜第5の端子電極、10…コイル部、11…非磁性体層、13…磁性体層、15…第1のコイル導体、16a,16b…導体パターン、17…第2のコイル導体、18a,18b…導体パターン、20…容量発生部、21…機能層、23…第1の内部電極、25…第2の内部電極、27…第3の内部電極、EB1…素体、MF1…積層型フィルタ。

Claims (8)

  1. コイル部と容量発生部とを備えた積層型フィルタであって、
    前記コイル部は、
    非磁性体層と、
    前記非磁性体層を少なくとも挟むように配置された磁性体層と、
    前記非磁性体層内に配置されると共に、該非磁性体層内において互いに磁気的に結合する第1及び第2のコイル導体と、を有し、
    前記容量発生部は、
    誘電特性を有する機能層と、
    前記機能層内に配置されると共に、互いに対向する複数の内部電極と、を有し、
    前記磁性体層の比透磁率が35〜120の範囲であり、
    前記コイル部の共振周波数が470〜770MHzの範囲であり、
    前記容量発生部の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲であり、
    ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数が100MHz以上であることを特徴とする積層型フィルタ。
  2. コイル部と容量発生部とを備えた積層型フィルタであって、
    前記コイル部は、
    非磁性体層と、
    前記非磁性体層を少なくとも挟むように配置された磁性体層と、
    前記非磁性体層内に配置されると共に、該非磁性体層内において互いに磁気的に結合する第1及び第2のコイル導体と、を有し、
    前記容量発生部は、
    誘電特性を有する機能層と、
    前記機能層内に配置されると共に、互いに対向する複数の内部電極と、を有し、
    前記磁性体層の比透磁率が380〜755の範囲であり、
    前記コイル部の共振周波数が174〜245MHzの範囲であり、
    前記容量発生部の共振周波数が0.8〜2.3GHzの範囲であり、
    ノーマルモードノイズに対するカットオフ周波数が100MHz以上であることを特徴とする積層型フィルタ。
  3. 前記第1及び第2のコイル導体が、積層された複数の渦巻状の導体パターンが電気的に接続されることにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層型フィルタ。
  4. 前記機能層が、誘電材料又はバリスタ材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層型フィルタ。
  5. 前記複数の内部電極が、第1の内部電極と、前記第1の内部電極に対向する第2及び第3の内部電極と、を含んでおり、
    前記第1のコイル導体の両端に接続される第1及び第2の端子電極と、前記第2のコイル導体の両端に接続される第3及び第4の端子電極と、前記第1の内部電極に接続される第5の端子電極と、を更に備え、
    前記第2の内部電極が、前記第2の端子電極に接続され、
    前記第3の内部電極が、前記第4の端子電極に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層型フィルタ。
  6. 前記コイル部が、前記第1及び第2のコイル導体を複数対有し、
    前記容量発生部が、前記複数の内部電極を複数対有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層型フィルタ。
  7. 前記磁性体層は、前記第1及び第2のコイル導体の内側に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層型フィルタ。
  8. 前記磁性体層は、前記非磁性体層を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層型フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014053765A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Panasonic Corp コモンモードノイズフィルタ

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