JP2009036415A - 地中熱利用ヒートポンプサイクル装置 - Google Patents

地中熱利用ヒートポンプサイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な構成でシステムCOPを高めて地球温暖化防止に寄与でき、かつ採熱性能を向上させて、地中熱を高効率で融雪、暖房、給湯等に利用可能な地中熱利用ヒートポンプ装置を実現する。
【解決手段】地中に埋設された採熱管から地中熱を採取して人工施設の熱源として利用する地中熱利用ヒートポンプサイクル装置において、地中eに上下方向に埋設された二重管又はU字形チューブからなる採熱管1と、採熱管1で採取した地中熱を取り込み、取り込んだ熱を熱交換器を介して人工施設の熱負荷に与えるヒートポンプ3と、採熱管1とヒートポンプ3とを接続するとともに、ブラインを強制循環するポンプ2が介設されたブライン循環路4とからなり、ブラインとしてCOを用い、COブラインを採熱管1を循環させて顕熱熱交換又は潜熱熱交換により地中熱hを吸収させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば寒冷地において、地中熱を採取して、暖房、給湯、融雪等に利用するヒートポンプサイクル装置に関し、詳しくは、COをブラインとして用いることにより、ブライン循環ポンプの搬送動力を低減し、ヒートポンプ装置のCOPを向上可能とし、あるいは、COを冷媒としたヒートポンプサイクル装置を用い、地中採熱管をCO冷媒の蒸発器として利用することにより、冷媒循環ポンプをなくしてCOPを向上可能とした地中熱利用ヒートポンプサイクル装置に関する。
近年地球温暖化防止のため、二酸化炭素の排出量の削減が国際的に大きな課題となっており、太陽エネルギや風力エネルギ等の自然エネルギや未利用エネルギの活用が国や地方自治体等の取り組みとして盛んに行われている。
この中で、地中熱は比較的低温の熱エネルギであるが、冬季の寒冷地では温暖熱源として有効な熱源であることから、融雪や暖房用ヒートポンプの熱源として利用する研究開発が行われており、一部地域では実用化もなされている。
たとえば特許文献1(特開2006−10137号公報)には、地中に採熱管を埋設し、冷媒としてCO2を用いたヒートポンプを用い、ブラインとして温水を該採熱管に循環させて地中熱を採熱するヒートポンプシステムが開示されている。
特開2006−10137号公報
特許文献1に開示されたヒートポンプシステムでは、ブラインとして温水を採熱管に循環させているが、冬季に凍結するという問題がある。
地中熱を熱源としたヒートポンプシステムは、空気熱源ヒートポンプシステムに比べて圧縮機の高効率な運転が可能であるが、地中から採熱を行う熱交換井の循環ポンプ動力が比較的大きく、システムCOPの低下を招いている。すなわち凍結防止のため、熱交換井に高濃度のブラインを使用し、そのため粘度が高くなり、循環ポンプの動力が増加してしまうという問題がある。
従って地中熱源ヒートポンプシステムの普及には、圧縮機以外の動力を極力減らしてシステムCOPを向上させる必要があり、また地中熱交換井のコストを下げる必要もある。
一方冬季の気温が低い北海道においては、特許文献1のヒートポンプシステムや空気熱源のヒートポンプシステムは使用が困難なところが多く、地中採熱を用いたCOPの高いヒートポンプシステムを実現する必要性が高まっている。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、簡易な構造で、COPを高めて地球温暖化防止に寄与でき、かつ採熱性能を向上させて、地中熱を高効率で融雪、暖房、給湯等に利用可能な地中熱利用ヒートポンプサイクル装置を実現することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するもので、第1の本発明の地中熱利用ヒートポンプサイクル装置は、
地中に埋設された採熱管から地中熱を採取して人工施設の熱源として利用する地中熱利用ヒートポンプサイクル装置において、
地中に上下方向に埋設された二重管又はU字形チューブからなる採熱管と、該採熱管で採取した地中熱を取り込み、取り込んだ熱を熱交換器を介して人工施設の熱負荷に与えるヒートポンプと、該採熱管と該ヒートポンプとを接続するとともに、ブラインを強制循環するポンプが介設されたブライン循環路と、からなり、
ブラインとしてCOを用い、COブラインを該採熱管を循環させて顕熱熱交換又は潜熱熱交換により地中熱を吸収させるようにしたものである。
前記第1の本発明装置においては、採熱管を二重管構造又はU字形チューブ構造とする。好ましくは、外管に鋼管を、内管に樹脂管又は銅管を用いた二重管構造、又は鋼管や銅管を用いたU字形チューブ構造とする。これによって、他の構造、たとえばダブルU字形チューブタイプと比べて、地中内の熱抵抗がダブルU字形チューブタイプの60%となり、地中から採熱管への伝熱が1.67倍良くなり、採熱性能が向上する。
また採熱媒体として粘性係数が非常に小さいCOブラインを用いる。これにより、前記採熱ポンプの搬送動力を低減し、COPを向上させることができる。
図2に示す表は、プロピレングリコールとCOとの物性値を比較したものである。表から、COは、プロピレングリコールに比べて、粘性係数が約100分の1であり、圧力損失係数も小さいため、循環ポンプ動力の低減が可能となる。また低流速で乱流に遷移しやすく、熱交換器にて良好な伝熱性能が得られる。
なお表の各係数は以下のものである。
ρ・Cp:単位体積当たりの熱容量(J/(m・K)。この値が大きいほど同じ熱量を運ぶのに少ない流量で済む。この値は、プロピレングリコールのほうがCOより大きい。
Re(0.01/ν):流速×配管径=0.01m/sのときのレイノルズ数(配管内径0.01mの中にブラインを1m/sで流したときのレイノルズ数に相当する)。この値が大きいほど乱流になりやすく、熱伝達率を大きくすることができる。この値は、COのほうがプロピレングリコールよりもはるかに大きい。
Fhturb:乱流域における熱伝達係数、熱伝達率α=Fhturb×V0.8/d0.2(W/m・K)であり、Fhturb=0.023λ2/3(ρ・Cp)1/3ν(1/3−0.8)である。この値が大きいと、乱流域における熱伝達率が大きくなり、伝熱性能が上がる。これもCOのほうがプロピレングリコールより大である。
Fhlam:層流域における熱伝達係数、熱伝達率α=Fhlam×{V/(d・L)}1/3(W/m・K)であり、Fhlam=1.86λ2/3(ρ・Cp)1/3である。この値が大きいと層流域における熱伝達率が大きくなり、伝熱性能が上がる。この値はCOよりプロピレングリコールのほうが大である。
Fpturb:乱流域における圧力損失係数、圧力損失=Fpturb×V1.8・L/d1.2(Pa)であり、Fpturb=0.092ρ・ν0.2である。この値が小さいほど乱流域における圧力損失が小さくなる。この値はCOのほうがプロピレングリコールより小さい。
Fplam:層流域における圧力損失係数、圧力損失=Fplam×V・L/d(Pa)であり、Fpturb=32μである。この値が小さいほど層流域における圧力損失が小さくなる。この値もCOのほうがプロピレングリコールより小さい。
以上から、単位体積当りの熱容量はCOよりプロピレングリコールのほうが大であるが、総じて、COのほうが熱伝達率が大で、かつ圧力損失が小である。
また第1の本発明装置によれば、万一ブラインが漏洩した場合でも、COブラインを用いることにより、環境に与える影響が少なくて済む。また、COブラインの顕熱のみならず潜熱を利用することにより、採熱量を増大して採熱性能を一層向上でき、COブラインの流量低減が可能となる。
次に第2の本発明の地中熱利用ヒートポンプサイクル装置は、
地中に埋設された採熱管から地中熱を採取して人工施設の熱源として利用する地中熱利用ヒートポンプサイクル装置おいて、
地中に上下方向に埋設された二重管又はU字形チューブからなる採熱管と、該採熱管に接続された冷媒循環路と、該採熱管入口側の冷媒循環路に介設された膨張弁と、該採熱管出口側の冷媒循環路に介設された圧縮機と、該膨張弁と該圧縮機間の冷媒循環路に介設されたガスクーラと、を備え、
冷媒としてCOを用い、CO冷媒を該採熱管内で蒸発させる直接膨張方式によりCO冷媒に地中熱を吸収するようにしたものである。
前記第2の本発明装置によれば、採熱管入口側の冷媒循環路に介設された膨張弁に冷媒を通して減圧することにより、地中熱によりCO冷媒を蒸発させ、蒸発した冷媒を圧縮機の吸入側に導入することにより、ブラインを循環供給するポンプを不要とすることができる。これにより採熱ポンプの搬送動力をなくし、COPを向上させることができる。
第2の本発明装置によれば、CO冷媒を採熱管内で蒸発させる直接膨張方式としたことにより、地中からの採熱量を増大できるので、冷媒循環量をCOブライン方式よりも低減できる。従って、採熱管の口径を小さくでき、冷媒保有量を減少できる。
一方、小口径化により採熱管の伝熱面積が減少することによる採熱量の低下を防ぐため、採熱管の周囲に伝熱促進構造物を配置するのが好ましい。
また、第2の本発明装置において、直接膨張方式としたことにより、採熱管を循環するブラインと冷媒との間の熱交換が不要になるため、COブライン方式よりも地中からの熱吸収量が多くなり、COPをさらに向上させることができる。
前記第1の本発明装置又は第2の本発明装置において、採熱管を小口径とし、該採熱管の周囲に伝熱促進構造物を配置するとよい。これによって、冷媒保有量と設備コストを低減することができる。
また好ましくは、採熱管を熱伝導率の大きい材質で構成する。これによって、地中熱に対する熱伝導抵抗を減らし、さらに採熱性能を向上させることができる。
以上のように、第1の本発明装置によれば、地中に上下方向に埋設された二重管又はU字形チューブからなる採熱管を採用したことにより、地中から熱交換井への熱伝導性を向上して、採熱性能を向上できるとともに、採熱媒体として粘性係数が非常に小さいCOブラインを用いることにより、採熱ポンプの搬送動力を低減し、COPを向上させることができる。
一方COは、比熱や密度が小さいため、顕熱のみの利用では流量が多く必要であり、好ましくは、蒸発潜熱を利用した採熱手段とすることにより、採熱性能を向上させ、流量の低減が可能となる。
また万一ブラインが漏洩した場合でも、COブラインを用いることにより、環境に与える影響が少なくて済むという利点がある。
さらに好ましくは、採熱管を熱伝導率の大きい材質で構成することにより、地中熱に対する熱伝導抵抗を減らし、さらに、採熱性能を向上させることができる。
さらに、COをブラインとして採熱管を循環させる場合、油が不要であるため、油回収装置が不要であり、伝熱面の劣化が生じない。また、地中からの採熱性能を向上できるため、一次冷媒量を低減できるという利点がある。
また、第2の本発明装置によれば、地中に上下方向に埋設された二重管又はU字形チューブからなる採熱管を採用したことにより、地中から熱交換井への熱伝導性を向上して、採熱性能を向上できるとともに、採熱媒体として粘性係数が非常に小さいCOブラインを用い、CO冷媒を該採熱管内で蒸発させる直接膨張方式でCO冷媒に地中熱を吸収するようにしたことにより、冷媒循環ポンプを不要とすることができ、かつ地中からの採熱性能を向上できるので、ヒートポンプサイクルのCOPを向上させることができる。
また、ブラインを介さず直接地中熱とヒートポンプサイクルのCO冷媒との間で熱交換するため、熱吸収効率を向上でき、COPをさらに向上させることができる。
さらに冬季には地中熱を熱源とした給湯、暖房、融雪運転ができ、夏季には地中に放熱する冷房運転又は冷房と給湯との併用運転が可能となる。
さらに前記直膨式として採熱性能を向上できるため、冷媒循環量がCOブライン方式よりも少なくできる。従って、採熱管の口径を小さくした二重管又はUチューブを使用できるため、冷媒保有量を減少できる。一方採熱管の伝熱面積が減少することによる採熱量の低下を防ぐため、好ましくは、採熱管の周囲に伝熱促進構造物を配置することにより、高い採熱量を得ることができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1実施形態に係る地中熱利用ヒートポンプサイクル装置の概要図である。本実施形態は、冬季に地中熱を屋内の暖房に利用する場合に適用される。図1において、地中eに略垂直方向に二重管構造の採熱管1が埋設されている。採熱管1は、熱伝導率の大きい鋼管又はステンレス管で製造されており、採熱ポンプ2によってCOブラインが循環管路4を通り、矢印c方向に採熱管1内を循環される。循環管路4は、ヒートポンプ装置3に接続されている。
ヒートポンプ3は、冷媒循環路に、圧縮機と、膨張弁と、COブラインから蒸発潜熱を吸収する蒸発器と、膨張弁と、水配管7を循環する熱媒水を加熱する凝縮器とからなり、COブラインから地中熱を吸収し、家屋5の暖房としてその吸収熱を利用する。家屋5には水配管7が接続された暖房設備の室内ユニット6が設けられている。ヒートポンプ3の凝縮器で水配管7を循環する熱媒水を加熱し、該熱媒水を暖房設備の熱源として利用する。なお、hは熱の流れを示す矢印である。
かかる構成の本実施形態において、採熱ポンプ2によって採熱管1内を流れるCOブラインが地中熱を吸収し、ヒートポンプ3に循環供給される。ヒートポンプ3では、COブラインから地中熱hを吸収し、水配管7を循環する熱媒水を加熱し、加熱した熱媒水を室内ユニット6に送り、家屋5の暖房用熱源として利用させる。なお、ヒートポンプ3の凝縮器を室内ユニット6に配設し、ヒートポンプ3と該凝縮器とを冷媒配管で接続して、該凝縮器と熱負荷とを直接熱交換させるようにしてもよい。
本実施形態によれば、熱伝導率の大きい鋼管又はステンレス管からなる二重管構造の採熱管1を用いることにより、地中での熱抵抗を低減して、地中熱の採取性能を高めることができる。また、粘性係数及び圧力損失係数が小さいCOブラインを採熱管1とヒートポンプ3との間を循環させているので、採熱ポンプ2の動力を低減できる。さらに、COブラインは、低流速で乱流に遷移しやすく、地中熱の採熱時及びヒートポンプ3の図示しない蒸発器との熱交換時に、良好な伝熱性能が得られる。
加えて、万一ブラインが漏洩した場合でも、COブラインを用いることにより、環境に与える影響が少なくて済むという利点がある。
なお本実施形態は、冬季に地中熱を家屋内の暖房用として利用する例であるが、本発明は、冬季に地中熱を融雪用、あるいは給湯用として利用する場合にも適用可能である。
(実施形態2)
図3は、本発明の第2実施形態に係る地中熱利用ヒートポンプ装置の概要図である。図3に示す第2実施形態は、前記第1実施形態と比べて、二重管構造の採熱管1の代わりに、Uチューブ構造の採熱管11を用いた例である。その他の構成は前記第1実施形態と同一である。
この第2実施形態によれば、Uチューブ構造の採熱管11を用いたことにより、前記第1実施形態で用いた二重管構造の採熱管1と同等の熱抵抗低減効果を得ることができる。その他、本実施形態は、前記第1実施形態で得られる作用効果と同等の作用効果を得ることができる。
(実施形態3)
次に本発明装置の第3実施形態を図4及び図5に基づいて説明する。図4及び図5は、本実施形態のヒートポンプサイクル装置の系統図であり、図4は、冬季に地中熱を給湯、暖房及び融雪に利用した場合を示し、図5は夏季に地中熱を給湯及び冷房に利用する場合を示す。
まず図4において、CO冷媒の循環ライン22に、地中eに埋設された、鋼管又はステンレス管からなる二重管構造の採熱管21a、21b、CO冷媒の圧縮機23、ガスクーラ24、及び採熱用膨張弁25a、25bが設けられている。
冷媒循環ライン22に対して、2基の採熱管21a及び21bが並列に接続され、各採熱管の入口側に2個の採熱用膨張弁25a及び25bが並列に設けられている。また、冷媒循環ライン22に対して、採熱用膨張弁25a、25bと並列に開閉弁26a、26bが接続されている。採熱管21と圧縮機23との間には、三方弁27を介して分岐した分岐ライン30が設けられている。分岐ライン30には、冷房用膨張弁31及び冷房用蒸発器32が介設され、冷房用蒸発器32は、図示を省略した冷房設備に接続されている。
本実施形態において、冬季運転では、低圧液状態で採熱管21に流入したCO冷媒は、採熱管21内で地中熱hを取り込んで蒸発する。そして、低圧蒸気となったCO冷媒は、圧縮機23の吸入側に吸入され、圧縮機23により圧縮される。そして、CO冷媒は、圧縮機23の吐出側で臨界圧力及び臨界温度を越えた超臨界状態となる。その後、CO冷媒はガスクーラ24に供給される。ガスクーラ24には給水ポンプ28により9℃の水wが供給され、CO2冷媒と熱交換してお湯となる。
CO冷媒は、熱伝達率が良く、また、圧縮機23の吐出側で超臨界状態となることにより、水wに熱を奪われて温度低下しても凝縮することなく、ガスクーラ24全体でCO冷媒と水wとの間で温度差を形成できる。従って、高いCOPが得られ、90℃程度のお湯を製造することができる。このお湯は給湯・暖房・融雪等の設備29に供給される。
水wと熱交換して冷却されたCO冷媒は、各採熱管21a、21bの入口に設けた膨張弁25a、25bを経て冷媒液となり、採熱管21a、21bに供給される。
なお冬季には分岐ライン30へはCO冷媒を供給しない。
CO冷媒は、プロピレングリコールに比べて、粘性係数が約100分の1であり、圧力損失係数も小さく、かつ採熱管21の内部で地中熱により蒸発させるようにしているので、採熱管内で蒸発したCO冷媒の上昇力により、CO冷媒を循環させるポンプを不要とし、そのため、COPを向上できる。本実施形態のように、2重管式の採熱管21を用い、CO冷媒を採熱管21内で蒸発させる方式の場合、4.5近くのCOPを得ることができた。
図5は、本実施形態のヒートポンプサイクル装置で、夏季における給湯と冷房の併用運転を示したものである。この場合、圧縮機23の吐出側のCO冷媒は、ガスクーラ24にて24℃の水wと熱交換し、90℃の給湯用温水が製造される。該給湯用温水は給湯設備33に供給される。
この場合、膨張弁25a、25bが閉、開閉弁26a、26bが開となっている。ガスクーラ24を出たCO冷媒は、開閉弁26a、26bを通って採熱管21に供給され、採熱管21から地中に放熱して冷却される。
その後、CO冷媒は、三方弁27を介して分岐ライン30に流入した後、冷房用膨張弁31を経て減圧される。そして、冷房用の冷水cを製造する蒸発器32に供給される。CO冷媒は蒸発器32で冷水cと熱交換して冷水cを冷却するとともに、CO冷媒自体は、冷水cから蒸発潜熱を得て蒸発する。例えば、図5に示すように、4℃のCO冷媒で12℃の冷水cを7℃に冷却する。蒸発器29で冷却された冷房用冷水cは、冷水ポンプ34により冷房設備35に供給されて冷房設備35の冷熱源となる。
その後、蒸発したCO冷媒は圧縮機23に供給される。この夏季運転においては、給湯と冷房および、地中への放熱により、大気中に放熱を行なわないCOPの高い運転が可能となる。
図6はCO直膨方式の採熱管21において、採熱管21の周囲に伝熱促進構造物41を配置した例を示したものである。図6において、伝熱促進構造物41は、外管が20mmの圧力配管用炭素鋼からなる採熱管21の周りに等辺山形鋼43からなる伝熱促進構造物41を配置したものである。なお、コストを抑えるために、採熱管21と等辺山形鋼43は溶接などにより固定されていない。また、等辺山形鋼43同士の固定は、図6ではボルト・ナットによりなされているが、針金等の簡易的な方法でも良い。
なお、採熱管21と伝熱促進構造物41は、グラウト材42により地中に固定される。この構造により、採熱管21が小径であり、採熱管21と地中との熱伝達が促進され、伝熱面積が減少する場合でも高い採熱量を得ることができる。また、採熱管21に溶接を行なわないため、製造コストを抑えることもできる。
本発明によれば、地中熱を採取するヒートポンプサイクル装置において、毒性のない自然冷媒であるCOを冷媒又はブラインとして使用することにより、万一COが漏洩しても、地球環境に悪影響を及ぼすことがなく、地中熱を採取し利用する場合に、簡単な構造で、採熱性能を高め、かつヒートポンプサイクル装置のCOPを向上できて、冷暖房用、融雪用並びに給湯用等に適用することにより、地球温暖化防止に寄与できる。
本発明装置の第1実施形態に係る概要図である。 プロピレングリコールブラインとCOブラインとの物性値を比較した表である。 本発明装置の第2実施形態に係る概要図である。 本発明装置の第3実施形態に係る冬季運転の場合の系統図である。 前記第3実施形態に係る季運転の場合の系統図である。 前記第3実施形態において採熱管21の周囲に伝熱促進構造物41を配置した場合の横断面図である。
符号の説明
1、11、21a、21b 採熱管
2 採熱ポンプ
3 ヒートポンプ装置
4 COブライン循環管路
5 家屋
6 室内ユニット
22 CO冷媒循環ライン
23 圧縮機
24 ガスクーラ
25a、25b 採熱用膨張弁
26a、16b 開閉弁
30 分岐ライン(第2の冷媒循環路)
27 三方弁
31 冷房用膨張弁(第2の膨張弁)
32 冷房用蒸発器
h 熱の流れ
w 水

Claims (5)

  1. 地中に埋設された採熱管から地中熱を採取して人工施設の熱源として利用する地中熱利用ヒートポンプサイクル装置において、
    地中に上下方向に埋設された二重管又はU字形チューブからなる採熱管と、該採熱管で採取した地中熱を取り込み、取り込んだ熱を熱交換器を介して人工施設の熱負荷に与えるヒートポンプと、該採熱管と該ヒートポンプとを接続するとともに、ブラインを強制循環するポンプが介設されたブライン循環路と、からなり、
    ブラインとしてCOを用い、COブラインを該採熱管を循環させて顕熱熱交換又は潜熱熱交換により地中熱を吸収させるようにしたことを特徴とする地中熱利用ヒートポンプサイクル装置。
  2. 地中に埋設された採熱管から地中熱を採取して人工施設の熱源として利用する地中熱利用ヒートポンプサイクル装置おいて、
    地中に上下方向に埋設された二重管又はU字形チューブからなる採熱管と、該採熱管に接続された冷媒循環路と、該採熱管入口側の冷媒循環路に介設された膨張弁と、該採熱管出口側の冷媒循環路に介設された圧縮機と、該膨張弁と該圧縮機間の冷媒循環路に介設されたガスクーラと、を備え、
    冷媒としてCOを用い、CO冷媒を該採熱管内で蒸発させる直接膨張方式によりCO冷媒に地中熱を吸収するようにしたことを特徴とする地中熱利用ヒートポンプサイクル装置。
  3. 前記採熱管を小口径とし、該採熱管の周囲に伝熱促進構造物を配置したことを特徴とする請求項2に記載の地中熱利用ヒートポンプサイクル装置。
  4. 前記採熱管を熱伝導率の大きい材質で構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の地中熱利用ヒートポンプサイクル装置。
  5. 前記採熱管入口側の冷媒循環路に膨張弁と開閉弁とを並列に設けるとともに、採熱管と前記圧縮機間の冷媒循環路に第2の冷媒循環路を切換え可能に接続し、
    該第2の冷媒循環路では、上流側から順に第2の膨張弁と蒸発器が介設され、該蒸発器で熱負荷を冷却するように構成され、
    冬季には前記膨張弁を介してCOを採熱管に流入させて地中熱を吸収させ、夏季には前記開閉弁を介してCOを採熱管に流入させて地中に熱を放出するとともに、第2の冷媒循環路にCOを導入して前記熱負荷を冷却するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の地中熱利用ヒートポンプサイクル装置。
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