JP2009035819A - Dlc製膜方法及び製膜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】真空チャンバ4を減圧して原料ガスを導入した後、電極2,3間に高周波電圧を印加して目標膜厚より薄い膜厚のDLC膜10を形成する製膜工程と、高周波電圧の印加を停止して電極2,3に蓄積された熱を逃がす放熱工程を交互に行うことにより、目標膜厚に達するまで段階的にDLC膜を製膜する。
【選択図】図1
Description
これらの材料として、長期保存に耐えるように、高ガスバリア性・高耐薬品性が要求されるだけでなく、ピストンの周囲に取り付けられたシリコンゴムなどのOリングとシリンジ内周面との摩擦が小さくして高摺動性を有することが要求される。
また、化学実験などで使用されるマイクロシリンジや、サンプリングチューブ、試験管、実験用中口ボトルなどもガラス製のものに加え、樹脂製のものが普及しており、やはり高耐薬品性が要求されている。
DLC膜は、炭素間のSP3結合を主体としたアモルファスな硬質炭素膜で、高ガスバリア性・低摩擦性・高硬度・高電気絶縁性・高屈折率・高放熱性・高耐食性等の優れた物理的・化学的特性を有している。
この種の樹脂含有物成形品としては、ガラス製注射器に替わり予め薬液が充填されるプレフィールドシリンジと称するプラスチック製の注射器や、開口端を栓にて密封した樹脂製チューブ内に予め検査薬を充填した減圧採血器などがある。
そして、DLC製膜装置51は、被処理物を載置する下部電極52と、当該下部電極52に対向する上部電極53が配された真空チャンバ54と、該真空チャンバ54を所定の真空度まで減圧する排気系55と、減圧された真空チャンバ54内に原料ガスを導入する原料ガス供給系56と、原料ガス導入後、前記上部電極及び下部電極の間に所定の高周波電圧を印加するプラズマ用電源57と、製膜後真空チャンバ54内に大気を導入する開放バルブ58を備えている。
まず、減圧工程P21では、排気系55により真空チャンバ54内を所定の真空度まで減圧させ、原料ガス供給工程P22で原料ガス供給系56から原料ガスの供給が開始された後、製膜工程P23で下部電極52及び上部電極53の間にプラズマ用電源57から供給される高周波電圧を印加し、プラズマを発生させることにより所定の製膜温度以下でシリンジ61の内周面に目標膜厚のDLC膜63が形成される。
そして最後に、加圧工程P24で大気開放バルブ58を開いて大気を導入することにより真空チャンバ54内を大気圧まで加圧し、DLC膜を形成したシリンジ61を取り出すようにしている。
また、シリンジ61の外周面に装着された金属カバー62の上部電極53に近い上端部では、上下の電極52及び53間に高周波電圧を印加することにより電界集中を起こすため、その温度が、図6下段に示すように上昇傾向にある。
そして、条件によっては、製膜終了までに相当な高温(例えば120℃程度)に達する場合があり、樹脂含有物成形品であるシリンジ61の適正な製膜温度を超えてさらに耐熱温度近くまで達すると、シリンジ61が変質したり変色したりするという問題も生じた。
真空チャンバを減圧して原料ガスを導入した後、電極間に高周波電圧を印加して目標膜厚より薄い膜厚のDLC膜を形成する製膜工程と、高周波電圧の印加を停止して電極に蓄積された熱を逃がす放熱工程を交互に行うことにより、目標膜厚に達するまで段階的にDLC膜を製膜することを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1記載のDLC製膜方法において、前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、当該中空状樹脂含有物成形品を金属カバーと共にその開口部を上に向けて下部電極に載置し、その内面にDLC膜を形成する場合に、前記下部電極を強制冷却することにより、製膜工程中に加熱される金属カバーの温度を製膜温度以下に抑えることとしている。
請求項3の発明は、請求項1記載のDLC製膜方法において、前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、当該中空状樹脂含有物成形品を金属カバーと共にその開口部を上に向けて下部電極に載置し、その内面にDLC膜を形成する場合に、前記真空チャンバ内を強制冷却することにより、製膜工程中に加熱される金属カバーの温度を製膜温度以下に抑えることとしている。
請求項4の発明は、請求項1記載のDLC製膜方法において、前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、当該中空状樹脂含有物成形品を金属カバーと共にその開口部を上に向けて下部電極に載置し、その内面にDLC膜を形成する場合に、前記下部電極を強制冷却すると共に前記真空チャンバ内を強制冷却することにより、製膜工程中に加熱される金属カバーの温度を製膜温度以下に抑えることとしている。
請求項5の発明は、被処理物となる樹脂含有物成形品を載置する下部電極と、当該下部電極に対向する上部電極が配された真空チャンバと、該真空チャンバを所定の真空度まで減圧する排気系と、減圧された真空チャンバ内に原料ガスを導入する原料ガス供給系と、原料ガス導入後、前記上部電極及び下部電極の間に所定の高周波電圧を印加するプラズマ用電源を備え、所定の真空度まで減圧した真空チャンバ内に原料ガスを導入させ、上部電極及び下部電極の間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させることにより所定の製膜温度以下で被処理物に目標膜厚のDLC膜を形成するDLC製膜装置において、
高周波電圧の印加と停止を交互に行って目標膜厚に達するまで段階的にDLC膜を製膜する給電コントローラを備えると共に、該コントローラによる高周波電圧の印加時間が目標膜厚より薄い膜厚のDLC膜を形成する所定時間に選定され、高周波電圧の印加を停止している時間が、被処理物に接触する電極に蓄積された熱を逃がす所定時間に選定されたことを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項5記載のDLC製膜装置において、前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、中空状樹脂含有物成形品の内面にDLC膜を形成する場合に、高周波電圧印加中に加熱される金属カバーの温度が製膜温度以下に抑えられるように前記下部電極を強制冷却する冷却機構を備えている。
請求項7の発明は、請求項5記載のDLC製膜装置において、前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、中空状樹脂含有物成形品の内面にDLC膜を形成する場合に、高周波電圧印加中に加熱される金属カバーの温度が製膜温度以下に抑えられるように前記真空チャンバ内を強制冷却する冷却機構を備えている。
請求項8の発明は、請求項5記載のDLC製膜装置において、前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、中空状樹脂含有物成形品の内面にDLC膜を形成する場合に、高周波電圧印加中に加熱される金属カバーの温度が製膜温度以下に抑えられるように前記下部電極を冷却する電極冷却機構と、真空チャンバ内を強制冷却するチャンバ内冷却機構を備えている。
なお、本明細書中、「樹脂含有物成形品」というときは、樹脂のみで成形された樹脂成形品に限らず、樹脂に金属粉末や鉱物粉末その他の材料を混入した複合材料により成形された成形品や、金属粉末や金属粒子その他の材料のバインダとして樹脂が使用された複合材料により成形された成形品も含む。
また、連続して高周波電圧を印加したときにはピンホールと称する透孔欠陥が形成される場合でも、薄膜を積層する場合に夫々の薄膜でピンホールが形成されたとしても、その形成場所が分散されるため樹脂含有物成形品まで貫通するピンホールが形成され難く、良好な膜質が得られる。
さらに、電極間に高周波電圧を印加してDLC膜を形成する製膜工程と、高周波電圧の印加を停止して電極に蓄積された熱を逃がす放熱工程を交互に行うことにより、薄膜が形成されるたびに電極が冷却されるので、電極が製膜温度以上に加熱されることがなく、下部電極に接する被処理物(樹脂含有物成形品)が変色したり、変質することもない。
特に、被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、当該中空状樹脂含有物成形品を金属カバーと共にその開口部を上に向けて下部電極に載置し、その内面にDLC膜を形成する場合は、金属カバーの上端が加熱されやすいため、放熱時間を確保することにより、金属カバー加熱による悪影響を排除することができる。
請求項3及び7の発明によれば、真空チャンバ内が強制冷却されているので、製膜中に加熱される金属カバーの温度上昇が抑えられる。
請求項4及び8の発明によれば、下部電極及び真空チャンバ内の双方が冷却されるので、金属カバーの温度上昇をより確実に抑えることができる。
そして、前記排気系5により真空チャンバ4内を所定の真空度まで減圧して、前記原料ガス供給系6から原料ガスを導入し、下部電極2及び上部電極3の間にプラズマ用電源7から供給される高周波電圧を印加してプラズマを発生させることにより、所定の製膜温度以下で被処理物に目標膜厚のDLC膜10を形成することができるようになっている。
なお、樹脂含有物成形品11は、樹脂のみで成形された成形品に限らず、樹脂に金属粉末や鉱物粉末その他の材料を混入した複合材料により成形された成形品や、金属粉末や金属粒子その他の材料のバインダとして樹脂が使用された複合材料により成形された成形品も含む。
本例では、樹脂含有物成形品11として例えば注射器用シリンジを用い、その内周面に、ピストンの摺動性を向上させると共に薬液の酸化防止のためにDLC膜10を形成する。
この冷却機構13は、その下部電極2の内部に形成された冷媒循環流路14と、当該循環流路14に冷媒を供給するポンプ15と、還流された冷媒を冷却する冷却機16を備えており、冷却機構13を介して下部電極2に印加された高周波電圧がリークしないように、全体が絶縁支持されている。
冷媒循環流路14は、図2(a)及び(b)に示すように下部電極2を所定厚さで水平に切断した切断面2sに刻設され、その両側に冷媒漏れを防止するOリング14s…が設けられている。
なお本例では、下部電極2が8℃に維持されるように冷媒温度が調整されている。
これにより、高周波電圧が印加されたときに、下部電極2に載置された金属カバー12の上端側に電界集中を生じて加熱されたとしても、金属カバー12と下部電極2に大きな温度勾配が生じるので、金属カバー12に蓄積された熱を逃がしやすい。
また、真空チャンバ4は、その内部を強制冷却する冷却機構17を備えている。
この冷却機構17は、真空チャンバ4の側壁部に形成された冷媒循環流路18と、当該循環流路18に冷媒を供給するポンプ19と、還流された冷媒を冷却する冷却機(図示せず)を備えている。
冷媒循環流路18は、図3(a)及び(b)に示すように、円筒状に形成された真空チャンバ4の胴部4Aに上下に貫通する複数の平行流路18a…が形成されると共に、底板4B及び天板4Cには隣接する平行流路18aを順次連通させて蛇行流路を形成する連結流路18b…、18c…が形成されている。
そして、本例では、真空チャンバ4内が8℃に維持されるように冷媒温度が調整されている。
また、原料ガス供給系6は、メタン(CH4)などの炭化水素系ガスを供給する炭素系ガスボンベ21Aと、クリーニング用の水素ガス(H2)を供給する水素ガスボンベ21Bを備え、必要に応じて夫々を真空チャンバ4内に供給する。
さらに、プラズマ用電源7からは、周波数約13.56MHz、電圧350V〜2kV、出力500W〜1kWの高周波電圧が供給される。
高周波電圧が印加されている間、樹脂含有物成形品11の内面にDLC膜が製膜され、高電圧の引火を停止している間、金属カバー12に蓄積された熱が放熱される。
すなわち、高周波電圧の一回の印加時間は、目標膜厚より薄い膜厚のDLC膜を形成する時間に選定されている。高周波電圧を例えば10秒連続印加することにより100nmのDLC膜が形成される場合に、高周波電圧の印加時間2秒、放熱時間2秒を交互に繰り返しながら高周波電圧を5回印加させ、DLC膜を膜厚20nmずつ形成していく。
もちろん、高周波電圧の印加時間は一定である必要はなく、任意に選択しうる。
まず、樹脂含有物成形品11の外周面に金属カバー12を装着させて下部電極4に載置し、真空チャンバ4を密封した状態で製膜処理を開始させる。
まず、減圧工程P1では排気系5により真空チャンバ4内を数秒程度で数十Paまで減圧し、原料ガス供給工程P2では原料ガス供給系6から炭化水素系ガスの供給が開始され、製膜工程が終了するまで供給される。
この場合に、電極2,3間に高周波電圧を印加して目標膜厚より薄い膜厚のDLC膜を形成する製膜工程Q1〜Q5と、高周波電圧の印加を停止して電極に蓄積された熱を逃がす放熱工程R1〜R4を交互に行う。
これは、高周波電圧を連続印加したときにDLC膜の膜厚が目標膜厚である100nmに達するまでの時間が約10秒であったため、合計製膜時間が10秒となるように設定したもので、このとき各製膜工程Q1〜Q5でDLC膜が20nmずつ形成される計算になる。
これにより、急激に膜厚の厚いDLC膜が形成されるのではなく、膜厚の薄いDLC膜が積層されて目標膜厚のDLC膜が形成される。
積層される個々のDLC膜は薄いので、その内部応力が小さく、また、上下に積層されるDLC膜の内部応力は各層ごとに分断されるものと考えられる。
したがって、結果的に、製膜時に発生する内部応力が逃がされることとなり、全体として大きな内部応力が生成されることがなく、マイクロクラックが生じ難い。
したがって、各層のDLC膜同士でピンホールが覆われ、樹脂含有物成形品11まで貫通するピンホールが形成されることがなく良好な膜質が得られる。
これにより、製膜完了時の金属カバー12の上端部の温度上昇を、上限製膜温度である75℃以下に抑えることができる。
各製膜工程Q1〜Q5においては、高周波電圧を連続印加するときと略同じ加熱速度で温度上昇するものの、2秒経過するたびに実行される放熱工程R1〜R4により加熱が中断され、その間、熱容量の大きい下部電極2に熱が逃がされるため温度が低下し、このように温度が変動しながら最終的に72℃程度に達する。
加圧工程P4では、開放バルブ8を開いて大気を真空チャンバ4内へ導入し、チャンバ4内を大気圧に戻す。
これにより、真空チャンバ4の蓋(図示せず)を開いて、DLCの製膜が完了した樹脂含有物成形品11を取り出すことができる。
この場合、各製膜工程Q1〜Q5において高周波電圧を印加することにより生ずる電極カバー12上端の熱がより多く下部電極2に逃がされるので、冷却機構13を稼動させない場合に比して加熱速度が小さい。
また、放熱工程R1〜R4における冷却速度は、冷却機構13を稼動させない場合に比して大きくなる。
したがって、製膜工程Q1〜Q5及び放熱工程R1〜R4で温度が変動しながらも最終的には55℃程度に抑えることができた。
この場合、各製膜工程Q1〜Q5において高周波電圧を印加することにより生ずる電極カバー12上端の熱がより多く下部電極2に逃がされるので、冷却機構13のみを稼動させた場合に比して加熱速度がより小さい。
また、放熱工程R1〜R4における冷却速度は、冷却機構13のみを稼動させた場合に比してさらに大きくなる。
したがって、製膜工程Q1〜Q5及び放熱工程R1〜R4で温度が変動しながらも最終的に40℃程度に抑えることができた。
したがって、温度が変動しながらも最終的には55℃程度に抑えることができた。
2 下部電極
3 上部電極
4 真空チャンバ
5 排気系
6 原料ガス供給系
7 プラズマ用電源
8 給電コントローラ
11 樹脂含有物成形品
12 金属カバー
13 冷却機構
17 冷却機構
Claims (8)
- 真空チャンバ内に、ステージとなる下部電極と、当該下部電極に対向する上部電極が配され、被処理物となる樹脂含有物成形品を下部電極に載置し、所定の真空度まで減圧した真空チャンバ内に原料ガスを導入した後、前記上部電極及び下部電極の間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させることにより所定の製膜温度以下でその被処理物に目標膜厚のDLC膜を形成するDLC製膜方法において、
真空チャンバを減圧して原料ガスを導入した後、電極間に高周波電圧を印加して目標膜厚より薄い膜厚のDLC膜を形成する製膜工程と、高周波電圧の印加を停止して電極に蓄積された熱を逃がす放熱工程を交互に行うことにより、目標膜厚に達するまで段階的にDLC膜を製膜することを特徴とするDLC製膜方法。 - 前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、当該中空状樹脂含有物成形品を金属カバーと共にその開口部を上に向けて下部電極に載置し、その内面にDLC膜を形成する場合に、前記下部電極を強制冷却することにより、製膜工程中に加熱される金属カバーの温度を製膜温度以下に抑える請求項1記載のDLC製膜方法。
- 前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、当該中空状樹脂含有物成形品を金属カバーと共にその開口部を上に向けて下部電極に載置し、その内面にDLC膜を形成する場合に、前記真空チャンバ内を強制冷却することにより、製膜工程中に加熱される金属カバーの温度を製膜温度以下に抑える請求項1記載のDLC製膜方法。
- 前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、当該中空状樹脂含有物成形品を金属カバーと共にその開口部を上に向けて下部電極に載置し、その内面にDLC膜を形成する場合に、前記下部電極を強制冷却すると共に前記真空チャンバ内を強制冷却することにより、製膜工程中に加熱される金属カバーの温度を製膜温度以下に抑える請求項1記載のDLC製膜方法。
- 被処理物となる樹脂含有物成形品を載置する下部電極と、当該下部電極に対向する上部電極が配された真空チャンバと、該真空チャンバを所定の真空度まで減圧する排気系と、減圧された真空チャンバ内に原料ガスを導入する原料ガス供給系と、原料ガス導入後、前記上部電極及び下部電極の間に所定の高周波電圧を印加するプラズマ用電源を備え、所定の真空度まで減圧した真空チャンバ内に原料ガスを導入させ、上部電極及び下部電極の間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させることにより所定の製膜温度以下で被処理物に目標膜厚のDLC膜を形成するDLC製膜装置において、
高周波電圧の印加と停止を交互に行って目標膜厚に達するまで段階的にDLC膜を製膜する給電コントローラを備えると共に、該コントローラによる高周波電圧の印加時間が目標膜厚より薄い膜厚のDLC膜を形成する所定時間に選定され、高周波電圧の印加を停止している時間が、被処理物に接触する電極に蓄積された熱を逃がす所定時間に選定されたことを特徴とするDLC製膜装置。 - 前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、中空状樹脂含有物成形品の内面にDLC膜を形成する場合に、高周波電圧印加中に加熱される金属カバーの温度が製膜温度以下に抑えられるように前記下部電極を強制冷却する冷却機構を備えた請求項5記載のDLC製膜装置。
- 前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、中空状樹脂含有物成形品の内面にDLC膜を形成する場合に、高周波電圧印加中に加熱される金属カバーの温度が製膜温度以下に抑えられるように前記真空チャンバ内を強制冷却する冷却機構を備えた請求項5記載のDLC製膜装置。
- 前記被処理物となる上下片端又は両端が開口された中空状樹脂含有物成形品の外周面に外部電極となる金属カバーを装着した状態で、中空状樹脂含有物成形品の内面にDLC膜を形成する場合に、高周波電圧印加中に加熱される金属カバーの温度が製膜温度以下に抑えられるように前記下部電極を冷却する電極冷却機構と、真空チャンバ内を強制冷却するチャンバ内冷却機構を備えた請求項5記載のDLC製膜装置。
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