JP2009035462A - 焼結フェライト及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インダクタやトランスに最適な、高い比抵抗、高い初透磁率、高い飽和磁束密度の全てを満足する焼結フェライトの提供。
【解決手段】 組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,z,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0.005≦z≦0.03、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを0.75質量%以上3質量%以下を含有し、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上を満足する焼結フェライト。
【選択図】 図13

Description

この発明は、電源回路用などに用いられるインダクタ、トランス等のコア材に用いられるフェライト材料に関し、特に、高い比抵抗、高い初透磁率、高い飽和磁束密度の全てを満足する焼結フェライトに関する。
近年、DC−DCコンバータの電源回路用などに用いられるインダクタ、トランスの材料には、導体との電気的な絶縁を確保するために、高比抵抗を有するNi系フェライトが用いられていた。
しかし、Ni系フェライトは、主成分となるNiが高価であるとともに、磁歪定数が大きいため、樹脂モールドタイプのインダクタでは樹脂を硬化させる際、コアにかかる応力によって軟磁気特性が変化するという問題があった。
高価なNiを含まない材料として、Li系フェライト材料が知られている。しかし、Li系フェライト材料は1000℃以上の高温で焼成するとインダクタなどの用途に適した高初透磁率、高飽和磁束密度は得られるものの、高い比抵抗(例えば10Ωm以上)を得ることが困難であった。
そこで、Biなどの焼結助剤を添加し、低温(900℃程度)で焼成することにより、比抵抗を向上させることが提案されている(特許文献1)が、初透磁率が低くなってしまうという問題がある。
発明者らは先に、初透磁率が200以上と大きく、応力による初透磁率の変化が小さく、かつコアロスが小さいLi系フェライト材料を提案した(特許文献2)。しかし、このフェライト材料においても、例えば、ZnOの一部をCuOで置換することにより、低い焼成温度で緻密化させるなどの記載から明らかなように、低温焼成が前提となっており、初透磁率、飽和磁束密度の向上には限界があった。
特開2004−153197 WO2007/032338A1
このように、従来のLi系フェライトにおいては、高い比抵抗、高い初透磁率、高い飽和磁束密度の全てを満足するものは未だ提案されていない。
本発明は、高い比抵抗が要求されるボビンを必要としない直巻線タイプ、初透磁率及び高い飽和磁束密度が要求される直流バイアス磁界下で使用されるギャップ入りタイプ、高い耐応力性が要求される樹脂モールドタイプなどの各種タイプのインダクタやトランスに最適な、高い比抵抗、高い初透磁率、高い飽和磁束密度の全てを満足するLi系フェライトの提供を目的とする。
発明者らは、上記目的を達成すべく、Li系フェライトの組成について鋭意研究の結果、高い比抵抗、高い初透磁率、高い飽和磁束密度の全てを満足することができる組成を見出した。そして、当該組成において、LiとFeの一部をCuで置換することにより、初透磁率と飽和磁束密度を低下させずに、比抵抗を向上させることができ、しかも、Cuの添加によりBiの添加量を低減することが可能となり、Li系フェライトをより安価にして提供することが可能になることを知見し、本発明を完成した。
本発明の焼結フェライトは、組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを1.5質量%以上3質量%以下を含有し、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上を満足することを特徴とする。
また、本発明の焼結フェライトは、組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,z,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0.005≦z≦0.03、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを0.75質量%以上3質量%以下を含有し、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上を満足することを特徴とする。
さらに、本発明は、上記構成を有する焼結フェライトにおいて、圧力30MPaで加圧した時の初透磁率の変化率が±10%以下であることを特徴とする。
本発明の焼結フェライトの製造方法は、組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを1.5質量%以上3質量%以下を含有する材料を、1000℃から1150℃で焼成することを特徴とする。
また、本発明の焼結フェライトの製造方法は、組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,z,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0.005≦z≦0.03、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを0.75質量%以上3質量%以下を含有する材料を、1000℃から1150℃で焼成することを特徴とする。
本発明によれば、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上を満足する焼結フェライトを得ることができる。この焼結フェライトをインダクタやトランスのコア材に用いることにより、コアに直接巻線することが可能となってボビンが不要となるため、インダクタやトランスの製造コストを低減することが可能になる。また、この焼結フェライトをインダクタのコア材に用いることにより、直流重畳特性に優れた安価なインダクタを提供することが可能になる。
さらに、本発明によれば、上記特性を満足し、かつ外部応力に対する透磁率の変化率が小さいため、樹脂モールドタイプのインダクタやトランスのコア材として本発明の焼結フェライトを用いることにより、特性のバラツキを低減することが可能になる。
本発明における請求項1の焼結フェライトの組成限定理由を以下に詳述する。
xはZnOの含有率であり、0.18〜0.24(0.18以上、0.24以下、〜の意味は以下同様)の範囲が好ましい。0.18未満では初期透磁率が小さくなり300を下回り、0.24を超えると飽和磁束密度が小さくなり380mTを下回るため好ましくない。より好ましい範囲は0.21〜0.23であり、初透磁率400以上、飽和磁束密度400mT以上の特性が得られる。
yはFe相当の含有率であって、(Li0.5Fe0.5)OにおけるFeを除くものであり、0.475以上0.5未満の範囲が好ましい。0.475未満では飽和磁束密度が小さくなり380mTを下回り、0.5以上では比抵抗が10Ωmを下回るため好ましくない。より好ましい範囲は0.485〜0.495であり、初透磁率400以上、飽和磁束密度400mT以上の特性が得られ、優れた直流重畳特性が要求されるインダクタ用材料として最適である。なお、(Li0.5Fe0.5)Oは、上述したxとyの残部となる。
上記Feの一部をMnにて置換することにより、応力印加時の透磁率の変化をより小さくすることができる。但し、Mnの含有量が多いと比抵抗、初透磁率、飽和磁束密度が低下するため好ましくない。従って、a=Mn/(Mn+Fe)とした場合、aは0〜0.03が好ましい範囲である。
上述した組成を有する材料を100質量%として、外枠量でBiを1.5質量%〜3質量%含有させる。従来、Li系フェライトにおいては、例えば、1000℃以上での高温焼成を行うと、10Ωm以上の比抵抗を得ることが困難であったが、上述した組成式の材料にBiを1.5質量%〜3質量%含有させることにより、高温焼成においても高い比抵抗を得ることができる。Biが1.5質量%未満では比抵抗の向上効果が得られず、3質量%を超えると初透磁率が低下し300を下回るとともに、飽和磁束密度も低下し380mTを下回るため好ましくない。より好ましい範囲は1.5質量%〜2.5質量%である。
次に、本発明における請求項2の焼結フェライトの組成限定理由を以下に詳述する。請求項2の焼結フェライトは、請求項1の組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)からなる材料において、(Li0.5Fe0.5)Oの一部をCuOで置換する、言い換えると、(Li0.5Fe0.5)Oの含有率を減らしてその代わりにCuOを添加するものであり、組成式は(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuOとなる。このCuOの添加及びその添加効果が請求項2の焼結フェライトの特徴である。
組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuOにおいて、xはZnOの含有率、yはFe相当の含有率を示す。これらの組成限定理由は上述した請求項1にかかる焼結フェライトの限定理由と同様である。また、Feの一部を置換するMnの含有量、すなわち、a=Mn/(Mn+Fe)とした場合のaの範囲についても、請求項1にかかる焼結フェライトの限定理由と同様である。(Li0.5Fe0.5)Oは、x、y、zの残部となる。
上記組成式において、zはCuOの含有率であり、0.005〜0.03の範囲が好ましい。上記の通り、CuOは(Li0.5Fe0.5)Oの一部を置換するものであり、CuOの添加により、後述するBiの添加量を低減させても高い特性を維持することが可能になり、Bi量低減により、焼結フェライトを安価にして提供することができるという効果を奏する。zが0.005未満では比抵抗が10Ωmを下回り、0.03を超えると飽和磁束密度が小さくなり380mTを下回るため好ましくない。より好ましい範囲は0.01〜0.02である。
上述した組成を有する材料を100質量%として、外枠量でBiを0.75質量%〜3質量%含有させる。上述の通り、CuOを含有しない請求項1の焼結フェライトにおける含有量1.5質量%〜3質量%に比べ、含有量を0.75質量%にまで低減することができ、少ない含有量で高温焼成においても高い比抵抗を得ることができる。Biが0.75質量%未満では比抵抗の向上効果が得られず、3質量%を超えると初透磁率が低下し300を下回るとともに、飽和磁束密度も低下し380mTを下回るため好ましくない。より好ましい範囲は1質量%〜2質量%である。
上述した組成限定理由を満足することによって、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上を満足するフェライト材料を得ることができる。
この発明によるフェライト材料は、以下の製造によって得ることができる。
まず、請求項1に記載の組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを1.5質量%以上3質量%以下を含有する材料、または、請求項2に記載の組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,z,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0.005≦z≦0.03、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを0.75質量%以上3質量%以下を含有する材料を準備する。
上記材料を準備する工程は、後述する焼成工程までに行えばよい。すなわち、秤量、混合、仮焼、粉砕、成形までの各工程にて上記材料を準備すればよい。例えば、全ての元素の出発原料となる炭酸塩粉末や酸化物粉末を最初から秤量、混合して、仮焼してもよいし、BiやLiなどの原料粉末を除く他の原料粉末のみを先に秤量、混合して仮焼を行った後、BiやLiなどの原料粉末を当該仮焼粉に混合した後、粉砕、成形してもよい。あるいは粉砕後の粉砕粉に混合した後、焼成してもよい。
仮焼工程において、仮焼温度は800℃〜1000℃が好ましい。仮焼時間は2時間〜5時間が好ましい。また、仮焼雰囲気は大気中あるいは酸素中が好ましい。
粉砕工程において、粉砕は、純水またはエタノール中で行うことが好ましい。また、粉砕後の粉砕粉の平均粒径は0.5μm〜1.5μmが好ましい。
粉砕後の粉砕粉は、所望の成形手段によって成形する。成形前に、必要に応じて粉砕粉を造粒装置によって造粒してもよい。成形圧力は70MPa〜150MPaが好ましい。
上記にて得られた成形体を焼成して焼結フェライトを得る。この焼成工程が本製造方法の特徴である。すなわち、上記にて準備した材料は、1000℃〜1150℃の焼成温度で焼成することによって、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上を満足する焼結フェライトを得ることができる。焼成温度は、1000℃未満では初透磁率が小さくなり、1150℃を超えると成形体中のBiが昇華して炉内を汚染するなどの可能性があるため好ましくない。より好ましい範囲は1050℃〜1100℃である。焼成雰囲気は、大気中あるいは酸素雰囲気中が好ましく、焼成時間は2〜5時間が好ましい。
実施例1
本実施例は、請求項1の焼結フェライトにおいて、x(ZnO)の組成限定理由を実証するものである。なお、上記の通り、xの組成限定理由は請求項2の焼結フェライトも同様であるため、本実施例は請求項2のxの組成限定理由も兼ねている。
最終的な組成が表1に示す種々の組成((Li0.5Fe0.5)O、ZnO、(Mn,Fe)についてはmol%にて表記。組成式におけるx、y、aの0.01が1mol%に相当)となるように、出発原料となる炭酸塩粉末と酸化物粉末を秤量、混合し、大気中900℃で3時間仮焼した。なお、主成分の組成((Li0.5Fe0.5)O、ZnO、(Mn,Fe))については、mol%にて表記している。得られた仮焼粉に対して、外枠量として表1に示す量のBiを添加し、ボールミルで0.5μmから1.5μmの大きさになるように湿式粉砕した後、乾燥した。
得られた粉末にポリビニルアルコール7質量%溶液を14質量%添加し、造粒を行って造粒粉となし、該造粒粉を外径9mm×内径4mm×厚み3mmのリング状と、30mm×20mm×厚み5mmの板状と、外枠9.5mm×内枠4.7mm×厚み2.4mmの額縁形状とに、成形圧力150MPaで成形し、得られた成形体を大気中1100℃で3時間焼成し、焼結フェライトを得た。
得られたリング状焼結体に巻き線を施し、LCRメータ(HEWLETT PACKARD製 装置名4285A)でf=100kHzにて初透磁率を測定した。また、4000A/mのBHループを測定した。測定結果を表1に示す。
また、得られた板状焼結体より17mm×2mm×厚み2mmの試料を切り出し、両端に導電性ペーストを塗布し2端子法にて試料の抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。なお、以下の各表並びに各図においては、比抵抗ρ(Ωm)の値を、例えば1.8×10ならば1.8E+08と表記する。
また、得られた額縁形状焼結体に巻き線を施し、上記と同様のLCRメータで初透磁率を測定した。また、一軸で30MPaで加圧し、加圧前後の初透磁率の変化率を求めた。測定結果を表1に示す。
なお、表1において、試料番号横に*印を付したものは比較例である(*の意味は以下同様)。また、表1の結果をグラフにしたものを図1〜図3に示す。いずれも横軸はZnO量であり、図1は初透磁率の変化を示すグラフ、図2は飽和磁束密度の変化を示すグラフ、図3は比抵抗の変化を示すグラフである。
表1並びに図1〜図3から明らかなように、組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、a=Mn/(Mn+Fe)の焼結フェライトにおいて、ZnOの含有率が0.18〜0.24の範囲で、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上の高い特性が得られていることが分かる。
実施例2
本実施例は、請求項1の焼結フェライトにおいて、y((Mn,Fe))の組成限定理由を実証するものである。なお、上記の通り、yの組成限定理由は請求項2の焼結フェライトも同様であるため、本実施例は請求項2のyの組成限定理由も兼ねている。
最終的な組成が表2に示す種々の組成を用いる以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果を表2に示す。また、表2の結果をグラフにしたものを図4〜図6に示す。いずれも横軸はFe量であり、図4は初透磁率の変化を示すグラフ、図5は飽和磁束密度の変化を示すグラフ、図6は比抵抗の変化を示すグラフである。
表2並びに図4〜図6から明らかなように、組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、a=Mn/(Mn+Fe)の焼結フェライトにおいて、Feの含有率が0.475以上0.5未満の範囲で、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上の高い特性が得られていることが分かる。
実施例3
本実施例は、請求項1の焼結フェライトにおいて、a(Mn/(Mn+Fe))の組成限定理由を実証するものである。
最終的な組成が表3に示す種々の組成を用いる以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果を表3に示す。また、表3の結果をグラフにしたものを図7〜図9に示す。いずれも横軸はMn/(Fe+Mn)であり、図7は初透磁率の変化を示すグラフ、図8は飽和磁束密度の変化を示すグラフ、図9は比抵抗の変化を示すグラフである。
表3並びに図7〜図9から明らかなように、組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、a=Mn/(Mn+Fe)の焼結フェライトにおいて、Mn/(Mn+Fe)が0.03以下で、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上の高い特性が得られていることが分かる。
実施例4
本実施例は、請求項1の焼結フェライトにおけるBiの含有量の限定理由を実証するものである。
最終的な組成が表4に示す種々の組成を用いる以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果を表4に示す。
表4から明らかなように、組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、a=Mn/(Mn+Fe)の焼結フェライトにおけるBiの添加量が1.5質量%以上3質量%以下の範囲で、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上の高い特性が得られていることが分かる。
実施例5
本実施例は、請求項1の焼結フェライトにおいて、焼結温度の依存性を実証するものである。
最終的な組成が表5に示す組成を用い、焼成温度を900℃〜1200℃で行う以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果を表5に示す。
表5から明らかなように、組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、a=Mn/(Mn+Fe)の材料に所定量のBiを添加した焼結フェライトにおいて、焼成温度を1000℃〜1150℃にすることにより、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上の高い特性が得られていることが分かる。なお、1200℃で焼成した試料番号27は、高い特性は得られているものの、焼成時に成形体から少量のBiが昇華して、炉内を汚染していた。また、900℃で焼成した試料番号31は、焼成温度が低いために、初透磁率が若干低下した。
実施例6
本実施例は、請求項2の焼結フェライトにおいて、a(Mn/(Mn+Fe))の組成限定理由を実証するものである。
最終的な組成が表6に示す種々の組成を用いる以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果を表6に示す。また、表6の結果をグラフにしたものを図10〜図12に示す。いずれも横軸はMn/(Fe+Mn)であり、図10は初透磁率の変化を示すグラフ、図11は飽和磁束密度の変化を示すグラフ、図12は比抵抗の変化を示すグラフである
表6並びに図10〜図12から明らかなように、組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、a=Mn/(Mn+Fe)の焼結フェライトにおいて、Mn/(Mn+Fe)が0.03以下で、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上の高い特性が得られていることが分かる。
実施例7
本実施例は、請求項2の焼結フェライトにおいて、z(CuO)の組成限定理由を実証するものである。
最終的な組成が表7に示す種々の組成を用いる以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果を表7に示す。また、表7の結果をグラフにしたものを図13〜図15に示す。いずれも横軸はCuO量であり、図13は初透磁率の変化を示すグラフ、図14は飽和磁束密度の変化を示すグラフ、図15は比抵抗の変化を示すグラフである。
表7並びに図13〜図15から明らかなように、組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、a=Mn/(Mn+Fe)の焼結フェライトにおいて、CuOの含有率が0.005〜0.03の範囲で、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上の高い特性が得られていることが分かる。
実施例8
本実施例は、請求項2の焼結フェライトにおけるBiの添加量の限定理由を実証するものである。
最終的な組成が表8に示す種々の組成を用いる以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果を表8に示す。
表8から明らかなように、組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、a=Mn/(Mn+Fe)の焼結フェライトにおけるBiの添加量が0.75質量%以上3質量%以下の範囲で、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上の高い特性が得られていることが分かる。
実施例9
本実施例は、請求項2の焼結フェライトにおいて、焼結温度の依存性を実証するものである。
最終的な組成が表9に示す組成を用い、焼成温度を1000℃〜1150℃で行う以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果を表9に示す。
表9から明らかなように、組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、a=Mn/(Mn+Fe)の材料に所定量のBiを添加した焼結フェライトにおいて、焼成温度を1000℃〜1150℃にすることにより、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上の高い特性が得られていることが分かる。
また、いずれの実施例においても、本発明の焼結フェライトは、初透磁率の温度変化が小さいことがわかる。従って、樹脂モールドタイプのインダクタやトランスのコア材に用いることによって、特性のバラツキを低減することが可能になる。
本発明による焼結フェライトは、高い比抵抗が要求されるボビンを必要としない直巻線タイプ、初透磁率及び高い飽和磁束密度が要求される直流バイアス磁界下で使用されるギャップ入りタイプ、高い耐応力性が要求される樹脂モールドタイプなどの各種タイプのインダクタやトランスのコア材として最適である。
本発明のフェライト材料におけるZnO量と初透磁率の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるZnO量と飽和磁束密度の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるZnO量と比抵抗の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるFe量と初透磁率の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるFe量と飽和磁束密度の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるFe量と比抵抗の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるMn/(Fe+Mn)と初透磁率の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるMn/(Fe+Mn)と飽和磁束密度初透磁率の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるMn/(Fe+Mn)と比抵抗の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるMn/(Fe+Mn)と初透磁率の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるMn/(Fe+Mn)と飽和磁束密度初透磁率の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるMn/(Fe+Mn)と比抵抗の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるCuO量と初透磁率の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるCuO量と飽和磁束密度の関係を示すグラフである。 本発明のフェライト材料におけるCuO量と比抵抗の関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを1.5質量%以上3質量%以下を含有し、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上を満足する焼結フェライト。
  2. 組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,z,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0.005≦z≦0.03、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを0.75質量%以上3質量%以下を含有し、比抵抗10Ωm以上、初透磁率300以上、飽和磁束密度380mT以上を満足する焼結フェライト。
  3. 圧力30MPaで加圧した時の初透磁率の変化率が±10%以下である請求項1または2に記載の焼結フェライト。
  4. 組成式(1−x−y)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを1.5質量%以上3質量%以下を含有する材料を、1000℃から1150℃で焼成することを特徴とする焼結フェライトの製造方法。
  5. 組成式(1−x−y−z)(Li0.5Fe0.5)O・xZnO・y(Mn,Fe)・zCuO、かつa=Mn/(Mn+Fe)であり、x,y,z,aが、0.18≦x≦0.24、0.475≦y<0.5、0.005≦z≦0.03、0≦a≦0.03を満足する材料を100質量%として、外枠量でBiを0.75質量%以上3質量%以下を含有する材料を、1000℃から1150℃で焼成することを特徴とする焼結フェライトの製造方法。
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