JP2009035272A - 放散容器 - Google Patents

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Hirotsugu Kohara
裕嗣 古原
Takayuki Goto
孝之 後藤
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Abstract

【課題】 容器体の内容液に浸漬している吸上げ部材を、容器体外から見難くすることにより、内容液に浸漬している吸上げ部材が見えることによる、容器の美観低下を防止することを目的とする。
【解決手段】 透明内容液5を収納した透明容器体1に組付けられた放散機能体3の、容器体1底面間近まで垂下した吸上げ部材2を、内容液5の屈折率に対して、差が0.005以内の屈折率を持つものとし、これにより内容液5に浸漬した吸上げ部材2部分を見え難くして、内容液5中に吸上げ部材2が異物として見えることによる美観の低下を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、香水等の高級な液体芳香剤を放散可能に収納する放散容器に関するもので、特に、好ましい外観体裁を必要とする、高級な液体芳香剤を収納する放散容器に関するものである。
香水、化粧水、オーデコロン等の高級な液体芳香剤の放散容器として、高級な液体芳香剤である透明な内容液を、透明なボトル状の容器体に収納し、この内容液を、容器体の口部に組付けられた噴霧ポンプ等の放散機能体で、噴霧放散する放散容器が知られている。
この高級な液体芳香剤の放散容器は、高級品として好ましい外観体裁を有しているだけではなく、置物としても好ましい美観を求められているが、内容液を吸上げるために、放散機能体から垂下して内容液に浸漬している吸上げ部材の全体が、透明な容器体および内容液を透して見えてしまい、放散容器の美観を大きく損なうものとなっていた。
この不都合を解消する従来技術として、曲面を有する透明容器の特定された曲面近傍に、吸い上げ部材を配設することにより、容器の正面または背面から見たときに、吸い上げ部材が目視されないようにしたものが、知られている。
特開2001−322643号公報
上記した従来技術は、容器の曲面および内容の液体によってレンズ効果が発現され、この効果により、容器曲面近傍の或る範囲内に配置されて、内容液に浸漬している吸い上げ部材を、容器曲面を透して視覚することができないようにし、もって吸い上げ部材が視覚されることによる、容器の美観の劣化を防止するものである。
しかしながら、上記した従来技術にあっては、容器全体が透明であると、曲面部分以外の部分からは、内容液に浸漬している吸い上げ部材が視覚され、吸い上げ部材を見えなくすることによる、容器の美観低下の防止効果を、充分に発揮することができない、と云う問題があった。
また、吸い上げ部材を、容器内の、或る特定された領域範囲内に位置させる必要があるため、使用される吸い上げ部材の形状が特殊となり、このため吸い上げ部材の製造が面倒となり、また吸い上げ部材を、容器内の特定された箇所に固定するために、何らかの手段を講じる必要があり、全体構成が複雑となり易い、と云う問題があった。
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、容器体の内容液に浸漬している吸上げ部材を、容器体外から見難くすることを技術的課題とし、もって内容液に浸漬している吸上げ部材が見えることによる、容器の美観低下を防止することを目的とする。
本発明による放散容器は、透明な内容液を収納した、ボトル状の透明な容器体と、この容器体の口部に密に組付けられ、垂下した吸上げ部材を内容液に浸漬させる放散機能体とから構成され、吸上げ部材で吸上げた内容液を、放散機能体から放散するものである。
吸上げ部材は、内容液と同色もしくは無色で透明となっており、内容液と吸上げ部材の屈折率の差は0.05以内となっている。
なお、上記した説明において、「透明」とは「半透明」をも含んでおり、また「放散機能体」とは、噴射ポンプ等の、内容液を飛散させるものだけではなく、不織布等の、毛細管現象を利用して吸上げた内容液を、表面から揮散させるものを含んでいる。
このように、内容液と吸上げ部材の屈折率の差が、0.05以内となっているので、内容液に浸漬している吸上げ部材を透過する光は、この内容液と吸上げ部材の境界面で、僅かに屈折するだとなり、このため内容液中に位置している吸上げ部材を視認することが困難となる。
それゆえ、内容液に浸漬している吸上げ部材部分が、内容液中の異物として観察されることがなく、これにより吸上げ部材が内容液中の異物として見えることによる、容器の美観の低下を効果的に防止することができる。
また、内容液中の吸上げ部材部分は、殆ど見えない状態となるので、吸上げ部材は、内容液の液面から立ち上がった状態で観察されることになり、その状態は目新しく興味を引くものとなる。
そして、内容液中の吸上げ部材部分が、殆ど見えない状態となるのは、どの方向から見ても起きる現象であるので、容器全体の美観低下防止効果を、確実に安定して得ることができる。
さらに、容器体の背面側に貼着したラベル裏面に、容器体の正面側から内容液を通して観察できる装飾模様を施し、装飾模様が、透明な内容液の光学的影響により立体的に見えるようにした場合には、吸上げ部材が、この装飾模様の観察の邪魔となることがなく、装飾模様は適正に現出される。
本発明の別の構成は、内容液を、香水等のアルコールを主材料とするものとし、吸上げ部材を、フッ素樹脂製のパイプとし、放散機能体を、押下げ噴射ポンプとした、ことにある。
内容液を、アルコールを主材料とするものとし、吸上げ部材を、フッ素樹脂製のパイプとし、放散機能体を、押下げ噴射ポンプとしたものにあっては、内容液であるアルコールの屈折率1.36に対して、吸上げ部材であるフッ素樹脂製のパイプの屈折率を、アルコールの屈折率1.36にきわめて近接した値とすることが容易であり、このパイプは、押下げ噴射ポンプである放散機能体の吸上げ部材として、有効に機能する。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明にあっては、内容液に浸漬している吸上げ部材を透過する光は、この内容液と吸上げ部材の境界面で、僅かに屈折するだけなので、内容液中に位置している吸上げ部材を視認することが困難となり、これにより内容液に浸漬している吸上げ部材が、放散容器の外観体裁を劣化させることを、大幅に低減させることができる。
また、容器体に施された、内容液を透過して観察される装飾模様を、吸上げ部材が邪魔することがないので、容器体に対するこの種の装飾模様の実施を、良好に安定して現出させることができる。
内容液を、アルコールを主材料とするものとし、吸上げ部材を、フッ素樹脂製のパイプとし、放散機能体を、押下げ噴射ポンプとしたものにあっては、内容液と吸上げ部材の屈折率をきわめて近接させることが容易であり、パイプは、押下げ噴射ポンプである放散機能体の吸上げ部材として、有効に機能するので、特に香水容器として、効果的に使用することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、放散機能体3として押下げ噴射ポンプを使用した実施形態例の、拡大した全体正面図で、小型なボトル状に成形された無色もしくは有色透明な容器体1の口部に、押下げ噴射ポンプである放散機能体3を、キャップ4により、密に組付けて構成されている。
容器体1内には、無色もしくは有色透明な、香水等の高級な液体芳香剤である内容液5が収納されており、この容器体1に組付けられた放散機能体3から、容器体1の底面間近まで垂下設された吸上げ部材2は、無色もしくは内容液5と同色の有色透明となっている。
この吸上げ部材2は、内容液5の主体材料であるアルコールに対して、屈折率の差が0.05以内である材料で、細長なパイプ状に製作されている。
内容液5の主体材料であるアルコール(エタノール)の屈折率は、1.36であるが、これに近い屈折率を持つ吸上げ部材2の成形材料としては、フッ素系樹脂が適しており、このフッ素系樹脂で屈折率1.35の吸上げ部材2を製作したところ、内容液5に浸漬した吸上げ部材2部分を、容器体1外から視認することは殆どできず、あたかも内容液5の液面から、吸上げ部材2が立ち上がっているかのように見えた。
また、フッソ系樹脂で屈折率1.40の吸上げ部材2を製作して取付けたところ、内容液5に浸漬した吸上げ部材2部分が位置している箇所に、透過光の僅かな歪みが認められるものの、吸上げ部材2として観察されることはなく、内容液5中の吸上げ部材2部分は、目視し難く視認された。
なお、吸上げ部材2の成形材料としては、フッ素系樹脂に限定されることはなく、例えば同じ合成樹脂材料のシリコーン樹脂を利用しても良い。
本発明の一実施形態例を示す、全体正面図である。
符号の説明
1 ;容器体
2 ;吸上げ部材
3 ;放散機能体
4 ;キャップ
5 ;内容液

Claims (2)

  1. ボトル状の透明な容器体の口部に、放散機能体を密に組付け、前記容器体に収納された透明な内容液を、前記放散機能体から垂下されて浸漬している、前記内容液と同色もしくは無色で透明な吸上げ部材で吸上げて放散する放散容器において、前記内容液と吸上げ部材の屈折率の差を、0.05以内とした放散容器。
  2. 内容液を、香水等のアルコールを主材料とするものとし、吸上げ部材を、フッ素樹脂製のパイプとし、放散機能体を、押下げ噴射ポンプとした請求項1記載の放散容器。
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