JP2009035097A - 側面衝突用乗員拘束装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の側面衝突時に、乗員肩部側方にウインドガラスが位置していなくても、乗員を、少なくとも肩部で、側方から拘束できる側面衝突用乗員拘束装置の提供。
【解決手段】(1)側面衝突用乗員拘束装置1が、通常時には車両40に設けられた格納部41に格納されており車両の側面衝突時に格納部41から乗員50の少なくとも肩部51のドア側側方に繰り出される、横方向に剛性のある肩部拘束部材11を含む肩部拘束装置10と、車両の側突時に乗員50の少なくとも肩部51と肩部拘束装置10との間のエリアに展開膨張されるサイドエアバッグ20と、を備える。ウインドガラス43が位置していなくても、肩部拘束部材11があるため、乗員肩部51を支持できる。(2)肩部拘束部材11の繰り出しタイミングが車両の側面衝突より前に設定されている。サイドドア42の変形の影響を受けずに肩部拘束部材11を繰り出すことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の側面衝突時(側面衝突予知時を含む)に乗員を少なくとも肩部にて側方から拘束する側面衝突用乗員拘束装置に関する。
車両の側面衝突時、乗員側面に加わる荷重を低減するために、荷重分散および乗員拘束性の向上の観点からサイドエアバッグが多くの車両において採用され始めている。
サイドエアバッグを介して乗員を側方から支持する場合、乗員の耐性を考慮すると、乗員を胸部(肋骨)で支持するより少なくとも肩部(肩甲骨)で支持することが望ましい。
たとえば、特許文献1は、車両の側面衝突時に乗員の肩部を含み、胸部から頭部にかけての側方で展開膨張するTHエアバッグ(トルソアンドヘッドエアバッグ)を備えたサイドエアバッグ装置を開示している。
特開平10−244894号公報
上記の従来サイドエアバッグ装置には、つぎの課題がある。
従来のサイドエアバッグ装置を、オープンカーや、乗員脇高さ以下にドアトリムの上端が位置する車両に適用した場合、ウインドガラスが下げられた状態や側面衝突によるウインドガラス破損時には、肩部側方にサイドエアバッグを介して乗員肩部を側方から支持する車両側乗員支持部材がないので(後述する図5の(ハ)に示す)、せっかく肩部側方で展開するTHエアバッグを備えているにもかかわらず、乗員の肩部を側方からTHエアバッグを介して支持し拘束することができないという課題が生じる。
その結果、乗員腰部がシートと共に反衝突側に移動した時に、頭部、肩部が慣性で元の位置に残ろうとして乗員の上体部がサイドドアに近接する側に傾き、乗員の胸部とサイドドア(たとえば、ドアトリム上端部)との隙間が小さくなり、サイドエアバッグが存在しても、サイドドア(たとえば、ドアトリムの上端部)から乗員の胸部に大きな荷重がかかる、という課題を伴う。
側面衝突時に乗員をサイドエアバッグを介して肩部で支持する乗員肩部支持部材を、サイドドアの乗員肩部高さに対応する部位(たとえば、窓部)に常設すると、通常時の乗降性が悪化し、居住性が低下し(狭い)、視界エリアが減少する、などの商品性の低下の課題が生じる。
本発明の目的は、車両の側面衝突時に、乗員肩部側方にウインドガラスが位置していなくても、乗員を、少なくとも肩部で、サイドエアバッグを介して側方から支持し拘束することができる側面衝突用乗員拘束装置を提供することにある。
上記課題を解決する、または上記目的を達成する本発明はつぎのとおりである。
(1) 通常時には車両に設けられた格納部に格納されており車両の側面衝突時に格納部から乗員の少なくとも肩部のドア側側方に繰り出される、横方向に剛性のある肩部拘束部材を含む肩部拘束装置と、
車両の側突時に乗員の少なくとも肩部と肩部拘束装置との間のエリアに展開膨張されるサイドエアバッグと、
を備えた側面衝突用乗員拘束装置。
(2) 肩部拘束部材の繰り出しタイミングが車両の側面衝突より前に設定されている(1)記載の側面衝突用乗員拘束装置。
上記(1)の側面衝突用乗員拘束装置によれば、格納部から乗員の少なくとも肩部のドア側側方に繰り出される、横方向に剛性のある肩部拘束部材を含むので、側面衝突時に肩部拘束部材が肩部のドア側側方に繰り出され、乗員肩部側方にウインドガラスが位置していなくても、サイドエアバッグを介して乗員を少なくとも肩部で側方向から支持することができる。そして、オープンカーや、乗員脇高さ以下にドアトリムの上端が位置する車両に適用しても、乗員を肩部で側方向から支持することができる。また、肩部拘束部材は通常時には車両に設けられた格納部に格納されているので、通常時の、乗降性の悪化、居住性の低下、視界エリアの減少など、商品性の低下の問題は生じない。
上記(2)の側面衝突用乗員拘束装置によれば、肩部拘束部材の繰り出しタイミングが車両の側面衝突より前に設定されているので、側面衝突時のサイドドア変形の影響を受けずに肩部拘束装置を繰り出すことができる。
以下に、本発明の側面衝突用乗員拘束装置を、図1〜図22を参照して説明する。
図1〜図5は本発明の実施例1(本発明の他の実施例にも適用可能)を示し、図6〜図10は本発明の実施例2を示し、図11〜図14は本発明の実施例3を示し、図15〜図18は本発明の実施例4を示し、図19〜図22は本発明の実施例5を示す。本発明の何れの実施例にも適用できる部分には、本発明の全実施例にわたって同じ符号を付してある。
〔実施例1〕
本発明の実施例1の側面衝突用乗員拘束装置を、図1〜図5を参照して説明する。
まず、構成を説明する。
本発明の側面衝突用乗員拘束装置1は、乗員50の肩部51の側方にウインドガラス43が位置していなくても、乗員50を少なくとも肩部51で側方から支持し、拘束することができる側面衝突用乗員拘束装置である。
したがって、本発明の側面衝突用乗員拘束装置1は、オープンカーや、乗員脇高さ以下にドアトリムの上端が位置する車両に適用され、ウインドガラス43が下ろされている状態であっても、側面衝突時(衝突予知時を含む)に、乗員50を少なくとも肩部51で側方から拘束することができる装置である。ただし、本発明の側面衝突用乗員拘束装置1は、その適用先が、オープンカーや、乗員脇高さ以下にドアトリムの上端が位置する車両に限られるものではない。
図1に示すように、本発明の側面衝突用乗員拘束装置1は、肩部拘束装置10と、サイドエアバッグ20とを備える。
図1に示すように、肩部拘束装置10は、乗員50を少なくとも肩部51にて側方から支持することができる、横方向に剛性のある(展開面内では屈曲はしてもよく、展開面内と直交する方向、すなわち横方向に剛性があればよい)肩部拘束部材11を含む。肩部拘束装置10は、さらに、肩部拘束部材11を乗員50の少なくとも肩部51のドア側側方に繰り出す繰り出し装置12を含む。
肩部拘束部材11は、通常時(側面衝突を検出した時または予知した時以外の時)には車両40に設けられた格納部41に格納されており、車両40の側面衝突時(衝突予知時を含む)に格納部41から乗員50の少なくとも肩部51のドア側側方(肩部51をできる領域のドア側側方)に繰り出される。図1、図5(ハ)は、肩部拘束部材11が繰り出された後の状態を示している。
肩部拘束部材11の繰り出し部位を肩部51の側方とするのは、肩部51が、肩甲骨があるため胸部や頭部に比べて耐性があり、肩部を支持することで胸部や頭部への直接の荷重の入力を抑制できる部分であるからであり、かつ、胸部や頭部に比べて側方に突出しているので、側方から拘束しやすい部分であるからである。
格納部41は、サイドドア42のドアトリム上端部内部、またはシートバックのサイドドア側端部、または車室の天井部の窓縁部分に、設けられる。
格納部41がサイドドア42に設けられる場合に、ドアトリム上端部内部に設ける理由は、加害車が側面衝突した時に変形するであろうサイドドア部分より上側にドアトリム上端部が位置するからである。これによって、サイドドア42が変形しても肩部拘束部材11の繰り出しに支障をきたすことを防止できる。なお、格納部41がサイドドア42に設けられる場合は、格納部41はウインドガラス43の昇降部位より車室側に設けられる。
肩部拘束部材11は、格納部41に格納されている時の形状と、格納部41から繰り出された時の形状とは、通常、異なる。ただし、格納されている時の形状のまま繰り出されてもよい。格納部41に格納されている時は、格納しやすい形状(たとえば、直線状)となっており、繰り出された時は、乗員肩部51の側方領域をカバーできる形状(たとえば、三角形状、多角形状、台形状、矩形状、アーチ形状、など)となる。
肩部拘束部材11は、格納状態から繰り出し状態になる時に、形状を変えることができるように、複数片の部材(たとえば、後述するフロントアームとリアアーム、または複数の駒)を屈曲可能に連結した構造をとってもよい。
繰り出し装置12は、たとえば、モータタイプまたはインフレータタイプのアクチュエータ(後述する実施例2)、またはモータ駆動の巻取り装置とワイヤとの組み合わせ(後述する実施例3)、または発熱装置と形状記憶合金との組み合わせ(後述する実施例4)、または通電装置と電磁石との組み合わせ(後述する実施例5)、などである。ただし、繰り出し装置12は、実施例2〜5に示す装置に限るものではない。
実際の側面衝突を検知して肩部拘束部材11を繰り出す場合のアクチュエータ12は、エアバッグ20の展開膨張以前に肩部拘束部材11を瞬時に繰り出す必要があるので、インフレータが適するが、側面衝突を予知して肩部拘束部材11を繰り出す場合のアクチュエータ12は、実際の衝突よりも先立って肩部拘束部材11を繰り出すことができ、時間に余裕があるので、モータ駆動や、形状記憶合金による変形などを使用できる。
肩部拘束部材11を繰り出しがモータ駆動の場合は、リバーシブル(可逆回転)モータを使用することが望ましい。リバーシブルモータの使用により、肩部拘束部材11を繰り出し後、モータを逆回転させて、肩部拘束部材11を格納部内の元の位置にもどすことができ、再使用できる点で、インフレータに比べて有利となる。
サイドエアバッグ20は、車両の側突時(衝突予知時である場合を含む)に、図5(ハ)に示すように、乗員50の少なくとも肩部51と肩部拘束装置10との間のエリアに展開膨張される。
サイドエアバッグ20は、可撓性のある(布製の)袋体からなり、通常時には、サイドエアバッグ格納部に折り畳んで格納されており、側面衝突時(側面衝突予知時を含む)には、インフレータから膨張用ガスを供給されて、乗員50のドア側側方に展開膨張する。
サイドエアバッグ20の格納部位は、シートバック44のドア側端部内(ガイドシート部内)などである。側面衝突時(側面衝突予知時を含む)に、インフレータから膨張用ガスを供給されて、シートの縫い目を破ってシート外に展開膨張する。サイドエアバッグ20の格納部位は、シートバック44以外の部位でもよく、サイドドア42のドアトリムに格納されて上方に向かって展開膨張されてもよいし、あるいはカーテンエアバッグのようにサイドドア開口上縁に沿って天井部に格納され下方に向かって展開膨張するものであってもよい。
サイドエアバッグ20は、図2に示すように、車両上下方向で、標準成人男性(AM50)体型での、肩部51高さ上端かそれより上方位置J1(乗員頭部54を含んでもよい)から、肋骨下部(胸部52の下端)かそれより下方位置J2(乗員腰部53を含んでもよい)までと、車両前後方向で、標準成人男性(AM50)体型での、腹部52の前端J3かそれより前から背中より後ろ位置J4まで、のドア側側方をカバーするエリアSに展開膨張する。
サイドエアバッグ20の展開膨張エリアSは、肩部拘束部材11の繰り出しエリアをカバーしており、肩部拘束部材11の繰り出しエリアより広い。これによって、肩部拘束部材11はサイドエアバッグ20を介して乗員50を側方から支持する。サイドエアバッグ20の展開状態において、乗員50がサイドエアバッグ20を介さないで、直接、肩部拘束部材11に接触することはない。
肩部拘束部材11の繰り出しタイミングとサイドエアバッグ20の展開タイミングの関係は、図3に示すように設定されることが望ましい。
すなわち、肩部拘束装置展開開始時期をT1、側面衝突時期をT2、肩部拘束装置完全展開時期をT3、サイドエアバッグ(袋体)展開開始時期をT4、サイドエアバッグ(袋体)完全展開時期をT5とすると、T1≦T2、T3≦T4となるように展開タイミングを設定されることが望ましい。ただし、≦は、T2の方がT1より後、T4の方がT3より後を表す。
側面衝突に先立って肩部拘束装置10を展開開始させるために、衝突検知センサを衝突予知センサとし、衝突を予知した時に肩部拘束装置10の展開を開始するようにすることが望ましい。その場合は、肩部拘束装置10の展開開始から展開完了までの間に時間余裕があるので、繰り出し装置(たとえば、アクチュエータ)12にモータを用いることができる。
ただし、衝突センサで実際の衝突を検知してから肩部拘束装置10の展開を開始してもよい。その場合は繰り出し装置12にインフレータや電磁石を用いることが望ましい。
図4は、肩部拘束装置10の展開制御ルーチンを示す。この制御ルーチンにおいて、ステップ101で衝突を事前に衝突予知センサで予知するか、ステップ102で実際の衝突を衝突センサで検知する。衝突予知センサや衝突センサには、従来のセンサを用いることができる。ステップ101、102の何れかのステップで衝突が予知されるかまたは検知されると、ステップ103に進んで、繰り出し装置(たとえば、アクチュエータ)12がオンされ、肩部拘束部材11の展開が開始される。ついで、ステップ104に進み、肩部拘束部材11が展開されていく。ステップ104は、肩部拘束部材11が、後述する実施例2のフロントアームとリアアームを含む場合で示してあるが、それに限るものではなく、実施例3〜5であってもよい。肩部拘束部材11の展開が完了するか、あるいは展開の途中で、ステップ105に進み、サイドエアバッグ20が展開される。その結果、ステップ106に示すように、乗員50が肩部拘束部材11によって、サイドエアバッグ20を介して、側方向から拘束される。
本発明の実施例1の以上の構成は、本発明の他の実施例にも適用される。
つぎに、本発明の実施例1の作用、効果を説明する。
側面衝突センサ(側面衝突予知センサである場合を含む)が側面衝突を検知または予知すると、肩部拘束装置10が作動開始し、肩部拘束部材11が繰り出し装置12により格納部41から(図8、図9の格納部41の蓋13aをあけて、あるいは蓋13aをはねとばして)乗員肩部51の側方に繰り出される。肩部拘束装置10の作動開始から所定時間遅れて、サイドエアバッグ展開用インフレータが起爆しサイドエアバッグ20が肩部拘束部材11と乗員50との間に展開膨張する。これによって、乗員肩部51の側方にウインドガラス43が位置していなくても、図5(ハ)に示すように、肩部拘束部材11が乗員肩部51を側方からサイドエアバッグ20を介して支持し拘束することが可能となる。
サイドエアバッグ20が展開膨張した時には、すでに肩部拘束装置10は展開しているので、衝突の初期から、肩部拘束装置10はサイドエアバッグ20を介して乗員50を側方から支持し拘束できる。
また、肩部51は人体耐性上比較的硬く(肋骨のある胸部52より硬い)部分であるので、耐性の高い部分で乗員50を支持することができる。また、肩部51は、側方へ突き出た(胸部52より側方へつき出た)部分であるので、肩部51を支持することにより、胸部52にドアトリムから大きな荷重が入ることを抑制することができる。
これを、図5(ロ)に示す比較例(従来)と比較してみる。
図5(イ)に示すように、車両が側面衝突すると、加害車40Dが被衝突車両40のサイドドア42を変形させ、シート45を反衝突側に押して移動させる。乗員50の腰部53はラップベルト47によってシート45に固定されているため、シート45とともに反衝突側に移動するが、乗員50の肩部51を含む上体部は慣性によって元の位置に残ろうとするので、上体部は腰部53に対して相対的に、サイドドア42に接近する側に傾こうとする。
従来は、肩部拘束装置10が設けられていないので、ウインドガラスが下げられた状態や、オープンカーでは、図5(ロ)に示すように、サイドドア42側から人体上部を支持する部材がない。そのため、サイドエアバッグ20が展開膨張しても、サイドエアバッグ20は人体上部によって押されて車外に放出され、上体部(肩部51、頭部54、胸部52など)は人体下部(腰部53)に対してサイドドア42側に大きく変位し、胸部52とドアトリム上端部46との隙間Gが小さくなり、胸部52に大きな荷重がサイドドアのドアトリム上端部46から入力される可能性がある。
これに対し、本発明では、肩部拘束装置10が設けられているので、ウインドガラスが下げられた状態や、オープンカーにおいても、図5(ハ)に示すように、サイドドア42側から乗員肩部51を支持することができる。これによって、人体上部(肩部51、頭部54、胸部52など)の人体下部(腰部53)に対するサイドドア42側への傾きが少なくなり、胸部52とサイドドアドアトリム上端部46との隙間Gが(図5(ロ)に比べて)大きくなり、胸部52に大きな荷重がサイドドアドアトリム上端部46から入力されることが抑制される。
また、肩部拘束部材11の繰り出しタイミングが、衝突予知センサの使用などにより、車両の実際の側面衝突より前に設定されている場合は、側面衝突時のサイドドア42の変形の影響を受けずに肩部拘束部材11を繰り出すことができる。サイドドア42が衝突で変形した後では、肩部拘束部材11の繰り出しが困難になる可能性があるが、肩部拘束部材11の繰り出しタイミングを、車両の側面衝突より前に設定することにより、肩部拘束部材11の繰り出しが困難となる可能性が排除される。
肩部拘束部材11の繰り出しタイミングを、サイドエアバッグ20の展開タイミングより早くした場合は、サイドエアバッグ20が展開膨張した時には、肩部拘束部材11はすでに肩部51の側方に繰り出されており、人体をサイドエアバッグ20を介して肩部拘束部材11で支持できる。また、肩部拘束部材11の繰り出しタイミングを実際の衝突より早くしても、サイドエアバッグ20を従来どおりに展開させれば、人体が肩部拘束部材11に直接当たって問題となることはない。
また、通常時(側面衝突時以外または側面衝突予知時以外)は、肩部拘束部材11を格納部41に格納してあるので、車両の商品性を低下させない。すなわち、肩部拘束装置10が設けられていても、通常時は格納部41に格納されているので、通常時の乗降性が悪化したり、居住性が低下したり(狭い)、視界エリアが減少したりすることはない。
本発明の実施例1の以上の作用、効果は、本発明の他の実施例にも適用される。
つぎに、本発明の他の実施例(主に、実施例1と異なる部分)を説明する。
〔実施例2〕
本発明の実施例2は、図6〜図10に示すように、側面衝突時(側面衝突予知時を含む)に、肩部拘束装置10の肩部拘束部材11が三角形状に乗員肩部51側方に展開される例である。通常時は、肩部拘束装置10は格納部41(たとえば、サイドドア42のドアトリム上端部46に設けられた格納部41)に格納されている。サイドエアバッグ20は車両40に(たとえば、シートバック44に)折り畳まれて格納されバッグ膨張用インフレータとともに車両40に(たとえば、シートフレームに)支持されている。
肩部拘束装置10は、肩部拘束部材11と、繰り出し装置12と、フレーム13と、補助部材14を有する。
肩部拘束部材11は、互いに屈曲可能に連結されたフロントアーム11aとリアアーム11bを有する。
繰り出し装置12は、たとえば、リバーシブルモータからなるアクチュエータ12Aである。アクチュエータ12Aは側突検知センサまたは側突予知センサが側突を検知または予知した時に駆動し始め、それまで直線状をなしていたフロントアーム11aとリアアーム11bの連結体を、上方に屈曲させて三角形状にし、フロントアーム11aとリアアーム11bの連結点を乗員肩部51のドア側側方にもちあげる。
フレーム13はドアトリム上端に配置され、上方に向かって開いた断面を有する。13aはフレーム13を覆う蓋である。肩部拘束部材11は、通常時はフレーム13内にあり、蓋13aをあけてアーチ状に変形した後はフロントアーム11aとリアアーム11bの連結点を含む中央部がフレーム13から上方に突出する。
補助部材14は、フロントアーム11aとリアアーム11bを回動可能に連結するアームジョイント14aと、リアアーム11bの端部をフレーム13に回動可能に連結するジョイント14bと、フレーム13内で前後方向にかつ若干傾斜して延びるスライドガイド14cと、スライドガイド14c上をスライドし、自身は長手軸芯まわりに回転しないスライドナット14dと、アクチュエータ12Aによって回転され、スライドナット14dにボールスクリュウにて螺合しスライドナット14dを挿通して延びるねじ棒14eと、フロントアーム11aの端部をスライドナット14dに回転可能に連結するナットジョイント14fと、を含む。
スライドガイド14cは、フロントアーム11aとリアアーム11bが直線状態にある時にその直線状態から傾いており、スライドナット14dをスライドガイド14cの傾きに沿ってガイドする。これによって、スライドナット14dはフロントアーム11aを傾斜をもって押し、フロントアーム11aとリアアーム11bを円滑にアームジョイント14a部位にモーメントをかけて上方に屈曲させる。もしも、スライドガイド14cが、直線状態にあるフロントアーム11aとリアアーム11bを軸方向に押すと、フロントアーム11aとリアアーム11bを円滑にアームジョイント14a部位で屈曲させることが困難で、屈曲しても上方に屈曲するか否かはわからないが、スライドガイド14cを傾けて配置することにより、確実に上方に屈曲させることができる。
本発明の実施例2の作用、効果はつぎのとおりである。
側面衝突センサ(側面衝突予知センサ)が側面衝突を検知または予知すると、その信号を受けたECUはアクチュエータ12Aを作動させ、ねじ棒14eを回転させてスライドナット14dをスライドガイド14cに沿ってアクチュエータ12Aから遠ざかる方向に移動させる。スライドナット14dは、フロントアーム11aを押して、フロントアーム11aとリアアーム11bを、アームジョイント14aまわりに、上方に屈曲させて三角形状にし、フロントアーム11aとリアアーム11bの連結点(アームジョイント14a部位)を乗員肩部51のドア側側方にもちあげる。これによって、肩部拘束部材11が乗員肩部51を側方からサイドエアバッグ20を介して支持可能となる。
スライドガイド14cが傾けられて配置されているので、アームジョイント14aにモーメントがかかり、フロントアーム11aとリアアーム11bの三角形状への展開は、円滑である。肩部拘束部材11(フロントアーム11aとリアアーム11b)の上方への展開部品の数が多駒からなる場合(実施例2〜5)に比べて少ないので、横方向剛性が大きく、乗員50を十分に側方向から支持することができる。
肩部拘束部材11を元の格納状態に戻す時には、アクチュエータ12Aを逆回転させ、フロントアーム11aとリアアーム11bを直線状態にするとともにフレーム13内に格納する。アクチュエータ12Aにリバーシブルモータを用いることによって、肩部拘束部材11を衝突前の状態に容易に戻すことができる。
〔実施例3〕
本発明の実施例3は、図11〜図14に示すように、側面衝突時(側面衝突予知時を含む)に、肩部拘束装置10の肩部拘束部材11がアーチ状に乗員肩部51の側方に展開される例である。通常時は、肩部拘束装置10は格納部41(たとえば、サイドドア42のドアトリム上端部46に設けられた格納部41)に格納されている。サイドエアバッグ20は車両40に(たとえば、シートバック44に)折り畳まれて格納されバッグ膨張用インフレータとともに車両40に(たとえば、シートフレームに)支持されている。
肩部拘束装置10は、肩部拘束部材11と、繰り出し装置12と、フレーム13と、補助部材14を有する。
繰り出し装置12は、巻取装置(巻取モータ)12Bと、ワイヤ12Cとを含む。
図14に示すように、肩部拘束部材11は、互いに屈曲可能に連結された複数の駒11cを有する。駒11cは互いに同じ形状を有し、側面視で上辺が長辺で下辺が短辺で両側辺が傾斜辺の台形状をなしている。駒11cの直列連結体の横方向剛性をあげるために、隣接する2つの駒11cのうち一方の駒11cの側辺に凸部11dを設け、他方の駒11cに凸部11dを受け入れる凹部11eを設け、凸部11dを凹部11cの摺動可能に嵌合させてある。駒11cにはワイヤ12Cを通すガイド孔11fが形成されている。
巻取装置12Bは、サイドドア42の後方下端部に配置される。巻取装置12Bは、たとえば、リバーシブルモータを含む。巻取装置12Bは側突検知センサまたは側突予知センサが側突を検知または予知した時に駆動し始め、ワイヤ12Cを引っ張ることにより、それまで直線状をなしていた駒11cの直列連結体を、上方に屈曲させてアーチ状にし、駒11cの直列連結体の頂点を乗員肩部51のドア側側方にもちあげる。
フレーム13はドアトリム上端部46に配置され、上方に向かって開いた断面を有する。肩部拘束部材11は、通常時は、少なくとも一部がフレーム13内にあり、アーチ状に変形後は、中央部がフレーム13から上方に突出する。
補助部材14は、複数の駒11c同士を回動可能に連結するピンジョイント14gと、駒11cの直列連結体の端部をフレーム13に回動可能に連結するジョイント14hと、フレーム13内で前後方向にフレーム13と平行に延びるスライドガイド14iと、スライドガイド14i内をスライドし、フレーム長手方向と直交する軸芯まわりに回動可能なスライドジョイント14jと、を有する。
ワイヤ12Cの一端は巻取装置12Bに連結されており、巻取装置12Bが回転した時に巻取装置12Bのドラムに巻き取られ、ワイヤ12Cの他端はスライドジョイント14jに固定され、ワイヤ12Cが巻取装置12Bによって引っ張られた時に、駒連結体を上方に凸のアーチ状に変形させる。
本発明の実施例3の作用、効果はつぎのとおりである。
側面衝突センサ(側面衝突予知センサ)が側面衝突を検知または予知すると、その信号を受けたECUは巻取装置12Bを作動させ、ワイヤ12Cを巻取装置12Bのドラム上に巻取って引っ張り、スライドジョイント14jをスライドガイド14iに沿って移動させる。駒連結体が上方に屈曲されてアーチ状になり、アーチ状駒連結体の頂点は乗員肩部51のドア側側方にもちあがる。これによって、肩部拘束部材11が乗員肩部51を側方からサイドエアバッグ20を介して支持可能となる。駒連結体がアーチ状になった時には、隣接する駒11c同士は、駒11cの側辺で面密着してアーチ形状を安定させ、それ以上は上方に変形しない。
隣接する2つの駒11cのうち一方の駒11cの側辺に凸部11dが設けられ、他方の駒11cに凸部11dを受け入れる凹部11eが設けられ、凸部11dが凹部11cに摺動可能に嵌合されているので、駒連結体がアーチ状に持ち上げられた時には、駒連結体の横方向剛性が十分に大きく、乗員50を側方から十分に支持することができる。
肩部拘束部材11を元の位置に戻す時には、巻取装置12Bのモータを逆回転させ、駒連結体を直線状態にするとともにフレーム13内に格納する。巻取装置12Bにリバーシブルモータを用いることによって、肩部拘束部材11を衝突前の状態に容易に戻すことができる。
その他、つぎの効果を有する。
巻取装置12Bを駒11cの直列連結体と別体化したので、窓開口部周辺の小スペース部位への駒11cの直列連結体の配置が容易となる。また、別体化により、巻取装置12Bを衝突時の変形が少ない場所に配置することが可能になり、展開安定性を向上できる。
ワイヤ12Cを駒11c内に通すことで、ワイヤ12Cの剛性分、駒連結体の横剛性をあげることができる。
また、駒形状としたので、サイドドアのドアトリム上端縁が曲面形状の場合も配置が可能となる。
〔実施例4〕
本発明の実施例4は、図15〜図18に示すように、側面衝突時(側面衝突予知時を含む)に、肩部拘束装置10がアーチ状に乗員肩部側方に展開される、もうひとつの例である。通常時は、肩部拘束装置10は格納部41(たとえば、サイドドア42のドアトリム上端部46に設けられた格納部41)に格納されている。サイドエアバッグ20は車両40に(たとえば、シートバック44に)折り畳まれて格納されバッグ膨張用インフレータとともに車両40に(たとえば、シートフレームに)支持されている。
肩部拘束装置10は、肩部拘束部材11と、肩部拘束部材11をアーチ状に形状変化させる形状記憶合金部材12Dと該部材12Dの温度を形状変化温度以上にあげる熱発生装置12Eと、フレーム13と、補助部材14を有する。
図18に示すように、肩部拘束部材11は、互いに屈曲可能に連結された複数の駒11cを有する。駒11cは互いに同じ形状を有し、側面視で上辺が長辺で下辺が短辺で両側辺が傾斜辺の台形状をなしている。駒11cの直列連結体の横方向剛性をあげるために、隣接する2つの駒11cのうち一方の駒11cの側辺に凸部11dを設け、他方の駒11cに凸部11dを受け入れる凹部11eを設け、凸部11dを凹部11cの摺動可能に嵌合させてある。駒11cには形状記憶合金部材12Dを挿通させる孔11gが形成されている。孔11gは、駒11cの連結方向に、駒11cを挿通している。
形状記憶合金部材12Dは棒状部材で、全駒11cの孔11gを挿通している。形状記憶合金部材12Dは、部材温度が大気温度より高い形状変化温度より低い時はほぼ直線状で、形状変化温度以上になると、上方に凸のアーチ状(この形状が形状記憶合金部材12Dの記憶形状)になる。熱発生装置12Eは、車両の側面衝突検知時または衝突予知時に形状記憶合金部材12Dに通電して形状記憶合金部材12Dの抵抗発熱により形状記憶合金部材12Dを形状変化温度以上にする装置(バッテリに接続された電線装置)である。熱発生装置12Eが通電を止めて、形状記憶合金部材12Dの温度が形状変化温度より下がると、形状記憶合金部材12Dは元のほぼ直線状の形状に戻る。
形状記憶合金部材12Dが上方に凸のアーチ状になった時には、アーチ状の形状記憶合金部材12Dの頂点は乗員肩部51のドア側側方にもちあがる。
フレーム13はドアトリム上端に配置され、上方に向かって開いた断面を有する。肩部拘束部材11は、通常時はフレーム13内にあり、アーチ状に変形後は中央部がフレーム13から上方に突出する。
その他の部材14は、複数の駒11c同士を回動可能に連結するピンジョイント14gと、駒11cの直列連結体の端部をフレーム13に回動可能に連結するジョイント14hと、フレーム13内で前後方向にフレーム13と平行に延びるスライドガイド14iと、スライドガイド14i内をスライドし、フレーム長手方向と直交する軸芯まわりに回動可能なスライドジョイント14jと、を有する。
本発明の実施例4の作用、効果はつぎのとおりである。
側面衝突センサ(側面衝突予知センサ)が側面衝突を検知または予知すると、その信号を受けたECUは熱発生装置12Eを作動させて形状記憶合金部材12Dの温度を形状変化温度以上にあげて形状記憶合金部材12Dを記憶のアーチ形状に変化させ、アーチ状駒連結体の頂点を乗員肩部51のドア側側方にもちあげる。これによって、肩部拘束部材11が乗員肩部51を側方からサイドエアバッグ20を介して支持可能となる。駒連結体がアーチ状になった時には、隣接する駒11c同士は、駒11cの側辺で面密着してアーチ形状を安定させ、それ以上は上方に変形しない。
隣接する2つの駒11cのうち一方の駒11cの側辺に凸部11dが設けられ、他方の駒11cに凸部11dを受け入れる凹部11eが設けられ、凸部11dが凹部11cに摺動可能に嵌合されているので、駒11cの直列連結体がアーチ状に持ち上げられた時には、駒11cの直列連結体の横方向剛性が十分に大きく、乗員50を側方から十分に支持することができる。
肩部拘束部材11を元の格納位置に戻す時には、熱発生装置12Eをオフにし、形状記憶合金部材12Dへの通電を止めて、形状記憶合金部材12Dの温度を形状変化温度より下げる。形状記憶合金部材12Dは直線形状に戻り、直列連結体も直線状態になり、フレーム13内の格納位置の戻る。
本実施例は、アクチュエータ12Aや巻取装置12Bを必要とする実施例2、3に比べて、アクチュエータや巻取装置を設けなくて済むので、繰り出し装置の設置スペースの低減上、また、軽量化上、利点がある。
また、形状記憶合金部材12Dを全駒11cに通すことで、形状記憶合金部材12Dの剛性分、駒連結体の剛性が向上される。
また、駒形状としたので、サイドドアのドアトリム上端縁が曲面形状の場合も配置が可能となる。
〔実施例5〕
本発明の実施例5は、図19〜図22に示すように、側面衝突時(側面衝突予知時を含む)に、肩部拘束装置10がアーチ状に乗員肩部側方に展開される、もうひとつの例である。通常時は、肩部拘束装置10は格納部41(たとえば、サイドドア42のドアトリム上端部46に設けられた格納部41)に格納されている。サイドエアバッグ20は車両40に(たとえば、シートバック44に)折り畳まれて格納されバッグ膨張用インフレータとともに車両40に(たとえば、シートフレームに)支持されている。
肩部拘束装置10は、肩部拘束部材11と、肩部拘束部材11をアーチ状に形状変化させる電磁石12Fと該電磁石12Fへの通電装置(電線、なおバッテリは車両搭載バッテリを使用)12Gと、フレーム13と、補助部材14を有する。
図22に示すように、肩部拘束部材11は、互いに屈曲可能に連結された複数の駒11cを有する。駒11cは互いに同じ形状を有し、側面視で上辺が長辺で下辺が短辺で両側辺が傾斜辺の台形状をなしている。駒11cの直列連結体の横方向剛性をあげるために、隣接する2つの駒11cのうち一方の駒11cの側辺に凸部11dを設け、他方の駒11cに凸部11dを受け入れる凹部11eを設け、凸部11dを凹部11cの摺動可能に嵌合させてある。
電磁石12Fは駒11cの側辺に設けられている。隣接する駒11cのうち、一方の駒11cの側辺に設けられた電磁石12Fの極性と、他方の駒11cの側辺(一方の駒11cの側辺に対向する側辺)に設けられた電磁石12Fの極性との極性とは、互いに反対極性としてある。すなわち、一方がN極の場合、他方がS極となり、互いに吸引しあうようにしてある。
通電装置12Gは、車両の側面衝突検知時または衝突予知時に電磁石12Fへ通電する。電磁石12Fへ通電すると、隣接する駒11cの側辺同士が吸着し、駒連結体はアーチ状に上方に変形する。通電装置12Gが電磁石12Fへの通電を止めると、隣接する駒11cの側辺同士の吸着が消失して駒連結体は元のほぼ直線状の形状に戻る。
駒連結体が上方に凸のアーチ状になった時には、アーチ状の駒連結体の頂点は乗員肩部51のドア側側方にもちあがる。
フレーム13はドアトリム上端に配置され、上方に向かって開いた断面を有する。肩部拘束部材11は、通常時はフレーム13内にあり、アーチ状に変形後は中央部がフレーム13から上方に突出する。
その他の部材14は、複数の駒11c同士を回動可能に連結するピンジョイント14gと、駒11cの直列連結体の端部をフレーム13に回動可能に連結するジョイント14hと、フレーム13内で前後方向にフレーム13と平行に延びるスライドガイド14iと、スライドガイド14i内をスライドし、フレーム長手方向と直交する軸芯まわりに回動可能なスライドジョイント14jと、を有する。
本発明の実施例5の作用、効果はつぎのとおりである。
側面衝突センサ(側面衝突予知センサ)が側面衝突を検知または予知すると、その信号を受けたECUは通電装置12Gを作動させて電磁石12Fに通電し電磁石12Fを励磁する。隣接駒11cの側辺の電磁石12F同士が吸着しあい、駒連結体をアーチ状に変形させる。アーチ状駒連結体の頂点は、乗員肩部51の窓側側方に位置する。駒連結体がアーチ状になった時には、隣接する駒11c同士は、駒11cの側辺で面密着してアーチ形状を安定させ、それ以上は上方に変形しない。
隣接する2つの駒11cのうち一方の駒11cの側辺に凸部11dが設けられ、他方の駒11cに凸部11dを受け入れる凹部11eが設けられ、凸部11dが凹部11cに摺動可能に嵌合されているので、駒11cの直列連結体がアーチ状に持ち上げられた時には、駒11cの直列連結体の横方向剛性が十分に大きく、乗員50を側方から十分に支持することができる。
肩部拘束部材11を元の格納状態に戻す時には、通電装置12Gを介しての電磁石12Fへの通電を停止する。隣接駒11cの側辺の電磁石12F同士の吸着が解除され、直列連結体が直線状態に戻り、フレーム13内の元の位置に戻る。
電磁石11Fによる駒11cの結合によって、繰り出しの時間が短縮される。また、巻取装置11Bやアクチュエータ11A等を設置する必要がなく、スペース削減上、軽量化上、利点がある。また、駒形状としたので、サイドドアのドアトリム上端縁が曲面形状の場合も配置が可能となる。
本発明の実施例1の側面衝突用乗員拘束装置と、それを搭載した車両の一部の、側面透視図である(実施例1以外の本発明の実施例にも適用可)。 本発明の実施例1の側面衝突用乗員拘束装置の、サイドエアバッグのカバー領域要件を示す側面透視図である(実施例1以外の本発明の実施例にも適用可)。 本発明の実施例1の側面衝突用乗員拘束装置における肩部拘束装置とサイドエアバッグの展開の時間条件を示すグラフである(実施例1以外の本発明の実施例にも適用可)。 本発明の実施例1の側面衝突用乗員拘束装置の作動工程を示す制御ルーチンで示したフローチャートである(実施例1以外の本発明の実施例にも適用可)。 (イ)一般の側面衝突時の車両、乗員の背面から見た断面透視図であり、(ロ)は肩拘束装置が肩部側方にない比較例(従来)の乗員の背面から見た一部断面透視図であり、(ハ)は本発明の実施例1の乗員の背面から見た一部断面透視図である(実施例1以外の本発明の実施例にも適用可)。 本発明の実施例2の側面衝突用乗員拘束装置、それを搭載した車両の一部の、側面透視図である。 本発明の実施例2の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、肩部拘束部材格納時の、側面透視図である。 図7のA−A線断面図である。 図7のB−B線断面図である。 本発明の実施例2の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、肩部拘束部材展開時の、側面透視図である。 本発明の実施例3の側面衝突用乗員拘束装置、それを搭載した車両の一部の、側面透視図である。 本発明の実施例3の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、肩部拘束部材格納時の、側面透視図である。 本発明の実施例3の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、肩部拘束部材展開時の、側面透視図である。 本発明の実施例3の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、一部の駒の、透視斜視図である。 本発明の実施例4の側面衝突用乗員拘束装置、それを搭載した車両の一部の、側面透視図である。 本発明の実施例4の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、肩部拘束部材格納時の、側面透視図である。 本発明の実施例4の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、肩部拘束部材展開時の、側面透視図である。 本発明の実施例4の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、一部の駒の、透視斜視図である。 本発明の実施例5の側面衝突用乗員拘束装置、それを搭載した車両の一部の、側面透視図である。 本発明の実施例5の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、肩部拘束部材格納時の、側面透視図である。 本発明の実施例5の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、肩部拘束部材展開時の、側面透視図である。 本発明の実施例5の側面衝突用乗員拘束装置のうち肩部拘束装置の、一部の駒の、透視斜視図である。
符号の説明
1 側面衝突用乗員拘束装置
10 肩部拘束装置
11 肩部拘束部材
11a フロントアーム
11b リアアーム
11c 駒
11d 凸部
11e 凹部
11f ガイド孔
11g 孔
12 繰り出し装置
12A アクチュエータ(たとえば、リバーシブルモータ)
12B 巻取装置(巻取モータ)
12C ワイヤ
12D 形状記憶合金部材
12E 熱発生装置
12F 電磁石
12G 通電装置
13 フレーム
13a 蓋
14 補助部材
14a アームジョイント
14b ジョイント
14c スライドガイド
14d スライドナット
14e ねじ棒
14f ナットジョイント
14g ピンジョイント
14h ジョイント
14i スライドガイド
14j スライドジョイント
20 サイドエアバッグ
40 車両
41 格納部
42 サイドドア
43 ウインドガラス
44 シートバック
45 シート
46 ドアトリム上端部
47 ラップベルト
50 乗員
51 肩部
52 胸部
53 腰部
54 頭部

Claims (2)

  1. 通常時には車両に設けられた格納部に格納されており車両の側面衝突時に格納部から乗員の少なくとも肩部のドア側側方に繰り出される、横方向に剛性のある肩部拘束部材を含む肩部拘束装置と、
    車両の側突時に乗員の少なくとも肩部と肩部拘束装置との間のエリアに展開膨張されるエアバッグと、
    を備えた側面衝突用乗員拘束装置。
  2. 前記肩部拘束部材の繰り出しタイミングが車両の側面衝突より前に設定されている請求項1記載の側面衝突用乗員拘束装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011005978A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Nissan Motor Co Ltd シート補強構造
JP2013244788A (ja) * 2012-05-24 2013-12-09 Mitsubishi Motors Corp 車両用ドア

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