JP2009033505A - セラミックスレドームおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐環境性、電波透過性能および製造の容易性に関してより過酷な条件を満足できるセラミックスレドームおよびその製造方法を得る。
【解決手段】セラミックス中空粒子の焼結体のコア材をセラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドーム。サンドイッチ構造は、セラミックスの中実粒子と中空粒子のスラリーの固化時の分離傾向を利用し、あるいは中実粒子スラリー層と中空粒子スラリー層を重ねて生成することにより得る。
【効果】電気的および機械的性能が改善される。
【選択図】図1
【解決手段】セラミックス中空粒子の焼結体のコア材をセラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドーム。サンドイッチ構造は、セラミックスの中実粒子と中空粒子のスラリーの固化時の分離傾向を利用し、あるいは中実粒子スラリー層と中空粒子スラリー層を重ねて生成することにより得る。
【効果】電気的および機械的性能が改善される。
【選択図】図1
Description
この発明はセラミックスレドームおよびその製造方法に関するものである。
高速で飛行する物体に搭載されるレドームは、耐熱性が要求されるため、低誘電率で低誘電損失のセラミックス又は耐熱性プラスチックからなる内層と、内層の両表面を被覆した低誘電率で、低誘電損失の高強度セラミックスからなる外層とを備え、広帯域の電波の透過性に優れた広帯域用レドームが提案されている(例えば特許文献1参照)。
この提案によれば、内層材料としては、ヒューズドシリカ焼結体(比重1.95g/cm2、曲げ強度4kg/mm2)あるいはヒューズドシリカ多孔質処理焼結体(比重0.9〜1.1g/cm2、曲げ強度2.5kg/mm2)が例示されており、外層材料としては、アルミナ(比重3.7g/cm2、曲げ強度20kg/mm2)、ムライト(比重3.1g/cm2、曲げ強度20kg/mm2)あるいはコージェライト(比重2.6g/cm2、曲げ強度10kg/mm2)が例示されている。
このようなセラミックスレドームにおける内層と外層との結合は、互いに接着剤で接着することにより、あるいは内層表面に塗布したペースト状外層材料を焼成することにより行われる。
上述の従来提案されていたセラミックスレドームは、サンドイッチ構造を実現しているために、単層構造のレドームあるいはプラスチック材料のレドームに比較して、レドームとしての必要な機械的強度を確保しながら軽量で耐環境性が強く、電波透過性能も良いという点で一応の満足ができるものである。しかしながら、近年の様々な分野での技術開発の進展に鑑み、例えば電波透過性能をより高くすること、劣化の可能性のある接着剤を用いないこと、より安定した製造ができることなどの電気的および機械的性能が優れたレドームを開発する要請があることを考慮すれば、従来提案されているセラミックスレドームも必ずしも満足できるものではなかった。
このため、近年の様々な分野での技術開発の進展に鑑み、機械的強度、耐熱性能などの耐環境性、電波透過性能および製造の容易性などに関してより過酷な条件を満足できるような新規なセラミックスレドームの開発が望まれている。
従ってこの発明の目的は、過酷な条件下で使用できるセラミックスレドームおよびその製造方法を提供することである。
この発明によれば、セラミックスのコア材をセラミックスの第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドームにおいて、上記コア材は焼結セラミックス中空粒子であり、上記第1および第2の表皮材は焼結セラミックス中実粒子であることを特徴とするセラミックスレドームが得られる。
またこの発明によれば、焼結セラミックス中空粒子のコア材を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドームを製造するために、レドーム形状に対応する形状の成型空洞を持つ石膏型を用意し、セラミックス中空粒子、このセラミックス中空粒子よりも粒径の小さなセラミックス中実粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の混合物を用意し、上記混合物を上記石膏型の上記成型空洞内に供給し、粒径の小さなセラミックス中実粒子が上記石膏型の上記成型空洞の表面に集まる性質を利用して、上記成型空洞内の上記混合物に、上記セラミックス中実粒子が集まった表皮部分と上記セラミックス中空粒子が集まったコア部分とを形成させて上記成型空洞内で固化させて成型体を形成し、固化した上記成型体を上記石膏型から取り出し、乾燥、焼成して上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中実粒子を焼結させることを特徴とするセラミックスレドームの製造方法が得られる。
またこの発明によれば、焼結セラミックス中空粒子のコア材を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドームを製造するために、レドーム形状に対応する形状で、上記セラミックスレドームの上記第1および第2の表皮材に対応する内表面を持つ成型空洞を持つ石膏型を用意し、上記焼結セラミックス中空粒子のセラミックス中空粒子よりも粒径の小さなセラミックス中実粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第1の混合物を用意し、セラミックス中空粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第2の混合物を用意し、上記第1の混合物を上記石膏型の上記成型空洞内に供給し、上記成型空洞内で上記第1の混合物を部分的に固化させて、上記成型空洞の内表面に接触して固化して上記セラミックスレドームの上記第1および第2の表皮材となる固化した部分と、上記内表面から離間して固化してない部分とを形成し、上記第1の混合物の上記固化してない部分を上記成型空洞から取り除き、上記第1の混合物の上記固化してない部分を取り除いた上記成型空洞内に上記第2の混合物を供給し、上記第2の混合物を固化させて上記第1の混合物と一体にして上記セラミックスレドームの上記コア材となる部分を形成して成型体を形成し、一体に固化した上記成型体を上記石膏型から取り出し、乾燥、焼成して上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中実粒子を焼結させることを特徴とするセラミックスレドームの製造方法が得られる。
更に、この発明によれば、焼結セラミックス中空粒子のコア材を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドームを製造するために、レドーム形状に対応する形状で、上記セラミックスレドームの上記第1の表皮材だけに対応する内表面を持つ成型空洞を持つ石膏型を用意し、上記焼結セラミックス中空粒子のセラミックス中空粒子よりも粒径の小さなセラミックス中実粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第1の混合物を用意し、セラミックス中空粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第2の混合物を用意し、上記第1の混合物を上記石膏型の上記成型空洞内に供給し、上記第1の混合物を部分的に固化させて、上記成型空洞の内表面に接触して上記セラミックスレドームの上記第1の表皮材となる固化した部分と、上記内表面から離間して固化してない部分とを形成し、上記第1の混合物の上記固化してない部分を上記成型空洞から取り除き、上記第1の混合物の上記固化してない部分を取り除いた上記成型空洞内に上記第2の混合物を供給し、上記第2の混合物を部分的に固化させて、上記第1の混合物の上記第1の表皮材となる固化した部分に接触して上記セラミックスレドームの上記コア材となる固化した部分と、上記第1の表皮材となる固化した部分から離間して固化してない部分とを形成し、上記第2の混合物の上記固化してない部分を上記成型空洞から取り除き、上記第2の混合物の上記固化してない部分を取り除いた上記成型空洞内に上記第1の混合物を供給し、上記第1の混合物を部分的に固化させて、上記第2の混合物の上記コア材となる固化した部分に接触して上記セラミックスレドームの上記第2の表皮材となる固化した部分と、上記コア材となる固化した部分から離間して固化してない部分とを形成し、上記第1の混合物の上記固化してない部分を上記成型空洞から取り除き、もって上記第1の混合物の上記第1の表皮材となる固化した部分と、上記第2の混合物の上記コア材となる固化した部分と、上記第1の混合物の上記第2の表皮材となる固化した部分とが互いに一体化した成型体を形成し、上記固化した成型体を上記石膏型から取り出し、乾燥、焼成して上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中実粒子を焼結させることを特徴とするセラミックスレドームの製造方法が得られる。
この発明のセラミックスレドームは、耐環境性、電波透過性能などの過酷な条件を満足でき、この発明のセラミックスレドームの製造方法は、性能の優れたセラミックスレドームを容易に製造することができる。
実施の形態1.
図1は例えば中空のコーン型あるいはドーム形などの本発明のセラミックスレドーム1のA部分の拡大断面図である。セラミックスレドーム1は、セラミックスのコア材2をセラミックスの第1の表皮材3および第2の表皮材4によって挟んでサンドイッチ構造とした積層電波透過材料で形成されている。
図1は例えば中空のコーン型あるいはドーム形などの本発明のセラミックスレドーム1のA部分の拡大断面図である。セラミックスレドーム1は、セラミックスのコア材2をセラミックスの第1の表皮材3および第2の表皮材4によって挟んでサンドイッチ構造とした積層電波透過材料で形成されている。
セラミックスレドーム1のコア材2は、ガラス中空粒子、シリカ中空粒子あるいはアルミナ中空粒子を焼成して焼結させた焼結セラミックス中空粒子即ちセラミックス中空粒子の焼結体である。このようなセラミックス中空粒子材料としては、例えばグラスバブルズ(商品名)あるいはセノライト(商品名)を用いることができる。
第1および第2の表皮材3および4は、シリカ中実粒子あるいはアルミナ中実粒子を焼成して焼結させた焼結セラミックス中実粒子、即ちセラミックス中実粒子の焼結体である。これらのセラミックス中実粒子は、セラミックス中空粒子よりも粒径が小さなものである。
第1および第2の表皮材3および4である焼結した微細粒子層は、粒子が中実であることから、比誘電率が高く、コア材2である粗い粒子層は、粒子が中空であることから、比誘電率低くなり、両者で電気的にもサンドイッチ構造を構成している。このため、セラミックスレドームが収容して保護するアンテナの使用周波数に合わせて第1および第2の表皮材3および4とコア材2の厚さを適切に選ぶことにより、反射波を抑えて低損失のレドームを実現することができる。
また、第1および第2の表皮材3および4を構成する焼結セラミックス中実粒子相互間の界面も、コア材2を構成する焼結セラミックス中空粒子相互間の界面も、焼結セラミックス中実粒子と焼結セラミックス中空粒子との間の界面も、いずれも焼成により焼結されており、FRPのような耐熱性の低い高分子材料や接着剤を使用していないことから使用可能温度が高くなり、例えば高速で飛翔する飛翔体用のレドームとしての使用に十分耐えることができる。
このように、この発明のセラミックスレドーム1は、焼結セラミックス中空粒子のコア材2を、焼結セラミックス中実粒子である第1の表皮材3および第2の表皮材4によって挟んでサンドイッチ構造とした積層電波透過材料で形成されているので、機械的強度、耐熱性能などの耐環境性、電波透過性能および製造の容易性などに関してより過酷な条件を満足できるものである。
図2には、図1に示すように焼結セラミックス中空粒子のコア材を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドーム1の製造方法の工程を示す。
図2(a)に示すように、石膏でできたオス型5およびメス型6を組み合わせて、製造すべきレドーム形状に対応する形状の成型空洞7を持つ石膏型8を用意する。成型空洞7は、セラミックスレドーム1の第1および第2の表皮材3および4に対応する内表面9および10を持っている。
図2(b)に示すように、別途用意しておいたセラミックス中空粒子、このセラミックス中空粒子よりも粒径の小さなセラミックス中実粒子、分散材、結合材および水を所定の比率で混合したスラリー状の混合物11を石膏型8の成型空洞7内に供給し、セラミックスレドーム1の厚さなどの形状に応じて所定時間(例えば1〜3時間)放置する。スラリー状混合物1の成分および割合ならびに固化時間はセラミックスレドームの形状および電波透過性能によって適宜決定するが、一般的なセラミックスの焼結条件の範囲内である。
すると、図2(c)に示すように、混合物11内の中実粒子は中空粒子よりも微細であるため優先的に石膏型表面に集まる性質があるため、粒径の小さなセラミックス中実粒子が石膏型8の成型空洞7の表面に集まり、成型空洞7内の混合物11に、セラミックス中実粒子が集まった表皮部分12および13とセラミックス中空粒子が集まったコア部分14とが分離して形成され、混合物11の水分が石膏型8によって吸収され、そのまま固化されてサンドイッチ構造の成型体15が形成される。
このように成型空洞7内で成型体15が固化した後、オス型5およびメス型6を分解して、成型体15を石膏型8から取り出し、十分乾燥させた後、焼成炉で焼成してセラミックス中空粒子およびセラミックス中実粒子を焼結させれば、図1に示すような、焼結セラミックス中空粒子のコア材2を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材3および4によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドーム1を製造できる。この場合の焼結条件も一般的なセラミックスの焼結条件と同様でよい。
成型体15の焼成工程は、熱源をセラミックスレドーム1の第1および第2の表皮材に対応する両面側に配置して行うと良い結果が得られる。例えばドーム形のセラミックスレドーム1の場合には、焼成炉内においてセラミックスレドーム1の外側だけでなく、内側空間内にも配置し、内外両面側から加熱することで、焼成中のレドームの温度をより均一化でき、サンドイッチ構造をした成型体15の内部の焼成による寸法変化を各部において均一にできるため、収縮が不均一になって発生する割れを低減することができる。
実施の形態2.
図3には、図1に示す焼結セラミックス中空粒子のコア材2を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材3および4によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドーム1の別の製造方法の工程を示す。
図3には、図1に示す焼結セラミックス中空粒子のコア材2を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材3および4によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドーム1の別の製造方法の工程を示す。
図3(a)に示すように、石膏でできたオス型5およびメス型6を組み合わせて、製造すべきレドーム形状に対応する形状で、の成型空洞7を持つ石膏型8を用意する。成型空洞7は、セラミックスレドーム1の第1および第2の表皮材3および4に対応する内表面9および10を持っている。
図3(b)に示すように、別途用意しておいたセラミックス中実粒子、分散材、結合材および水を所定の比率で混合したスラリー状の第1の混合物16を、石膏型8の成型空洞7内に供給し、所定時間放置する。セラミックス中実粒子の粒径は、コア材2となるセラミックス中空粒子の粒径よりも小さいものである。
スラリー状混合物16の成分および割合はセラミックスレドームの形状および電波透過性能によって適宜決定するが、一般的なセラミックスの焼結条件の範囲内である。放置時間もセラミックスレドームの形状および電波透過性能によって変わるものでるが、後に説明する部分的固化を起こすのに充分なだけの時間であり、一般にスラリー状混合物16の全部が固化する時間に比べて短い時間である。
このような所定時間放置すると、図3(c)に示すように成型空洞内で第1の混合物16が部分的に固化して、成型空洞7の内表面9および10に接触した部分は水分を石膏に吸収されて、セラミックスレドーム1の第1および第2の表皮材3および4となる固化した部分17および18が形成される。また、内表面9および10から離間した部分には、この部分からは水分が吸収されずにスラリー状のままであるので、固化してない部分19が形成される。
この状態で、石膏型8を傾けるなどして成型空洞7から第1の混合物16の固化してない部分19を取り除くと、図3(d)に示すように、成型空洞7には固化した部分17および18だけが残り、成型空洞7内に固化した部分17および18に囲まれた空洞20が形成される。
図3(e)に示すように、別途用意して置いた、セラミックス中空粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第2の混合物21を、第1の混合物の固化してない部分19を取り除いた空洞20内に供給して固化させる。第2の混合物21が固化すると、第1の混合物16の固化した部分17および18と一体となってセラミックスレドーム1のコア材2となる部分22が形成されて成型体23が形成される。
一体に固化した成型体23は、石膏型8から取り出し、乾燥、焼成してセラミックス中空粒子およびセラミックス中実粒子を焼結させれば、セラミックス中空粒子焼結体のコア材をセラミックス中実粒子焼結体の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドームを製造することができる。
実施の形態3.
図4に示すセラミックスレドームの製造方法においては、先ずレドーム形状に対応する形状ではあるが、セラミックスレドーム1の第1の表皮材3だけに対応する内表面25を持つ成型空洞26を持つ石膏型27を用意する。即ち石膏型27は、セラミックスレドーム1の外周面を画定する内表面25だけを持つメス型の石膏型である。
図4に示すセラミックスレドームの製造方法においては、先ずレドーム形状に対応する形状ではあるが、セラミックスレドーム1の第1の表皮材3だけに対応する内表面25を持つ成型空洞26を持つ石膏型27を用意する。即ち石膏型27は、セラミックスレドーム1の外周面を画定する内表面25だけを持つメス型の石膏型である。
図4(b)に示すように、別途用意しておいたセラミックス中実粒子、分散材、結合材および水を所定の比率で混合したスラリー状の第1の混合物28を、石膏型27の成型空洞26内に供給し、所定時間放置する。セラミックス中実粒子の粒径は、コア材2となるセラミックス中空粒子の粒径よりも小さいものである。
スラリー状混合物28の成分および割合はセラミックスレドームの形状および電波透過性能によって適宜決定するが、一般的なセラミックスの焼結条件の範囲内である。放置時間もセラミックスレドームの形状および電波透過性能によって変わるものでるが、後に説明する部分的固化を起こすのに充分なだけの時間であり、一般にスラリー状混合物28の全部が固化する時間に比べて短い時間である。
このような所定時間放置すると、図4(b)に示すように成型空洞内で第1の混合物28が部分的に固化して、成型空洞26の内表面25に接触した部分は水分を石膏に吸収されて、セラミックスレドーム1の第1の表皮材3となる固化した部分29が形成される。また、混合物28の内表面25から離間した部分には、この部分からは水分が吸収されずにスラリー状のままであるので、固化してない部分が残る。
この状態で、石膏型27を傾けるなどして成型空洞26から第1の混合物28の固化してない部分を取り除くと、図4(c)に示すように、成型空洞26には固化した部分29が残り、成型空洞26内に固化した部分29に囲まれた空洞30が形成される。
図4(d)に示すように、別途用意して置いた、セラミックス中空粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第2の混合物31を、第1の混合物28の固化してない部分を取り除いた空洞30内に供給して部分的に固化させる。第2の混合物31が部分的に固化すると、第1の混合物28の固化した部分29と一体となってセラミックスレドーム1のコア材2となる部分32が形成され、また第1の表皮材3となる固化した部分29から離間して固化してない部分とが形成される。
この状態で、石膏型27を傾けるなどして成型空洞26から第2の混合物31の固化してない部分を取り除くと、図4(e)に示すように、成型空洞26には固化した部分29と32とだけが残り、成型空洞26内に固化した部分32によって囲まれた空洞33が形成される。
つぎに、このようにして第2の混合物31の固化してない部分を取り除いて形成した成型空洞33内に第1の混合物28を再度供給すると、図4(f)に示すように、第1の混合物28が部分的に固化させて、第2の混合物31のコア材2となる固化した部分32に接触してセラミックスレドーム1の内側の第2の表皮材4となる固化した部分34と、コア材2となる固化した部分32から離間して固化してない部分35とを形成する。
この状態で、再び石膏型27を傾けるなどして成型空洞26から第1の混合物28の固化してない部分35を取り除くと、図4(g)に示すように、成型空洞26内には、第1の混合物の第1の表皮材3となる固化した部分29と、第2の混合物28のコア材2となる固化した部分32と、第1の混合物28の第2の表皮材4となる固化した部分34とが互いに一体化した成型体36が形成される。
このような固化した成型体36を石膏型27から取り出し、焼結炉内で乾燥、焼成してセラミックス中空粒子およびセラミックス中実粒子を焼結させてセラミックスレドーム1を製造することができる。
1 セラミックスレドーム、2 コア材、3 表皮材、4 表皮材、5 オス型、6 メス型、7 成型空洞、8 石膏型、9 内表面、10 内表面、11 混合物、12 表皮部分、13 表皮部分、14 コア部分、15 成型体、16 混合物、17 固化した部分、18 固化した部分、19 固化してない部分、20 空洞、21 混合物、22 コア材となる部分、23 成型体、25 内表面、26 成型空洞、27 石膏型、28 混合物、29 固化した部分、30 空洞、31、混合物、32 固化した部分、33 空洞、34 固化した部分、35 固化してない部分、36 成型体。
Claims (7)
- セラミックスのコア材をセラミックスの第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドームにおいて、
上記コア材は焼結セラミックス中空粒子であり、
上記第1および第2の表皮材は焼結セラミックス中実粒子であることを特徴とするセラミックスレドーム。 - 上記焼結セラミックス中空粒子は、ガラス中空粒子、シリカ中空粒子あるいはアルミナ中空粒子を互いに焼結したものであることを特徴とする請求項1記載のセラミックスレドーム。
- 上記第1および第2の表皮材は、シリカ中実粒子あるいはアルミナ中実粒子を互いに焼結したものであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のセラミックスレドーム。
- 焼結セラミックス中空粒子のコア材を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドームを製造するために、
レドーム形状に対応する形状の成型空洞を持つ石膏型を用意し、
セラミックス中空粒子、このセラミックス中空粒子よりも粒径の小さなセラミックス中実粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の混合物を用意し、
上記混合物を上記石膏型の上記成型空洞内に供給し、
粒径の小さなセラミックス中実粒子が上記石膏型の上記成型空洞の表面に集まる性質を利用して、上記成型空洞内の上記混合物に、上記セラミックス中実粒子が集まった表皮部分と上記セラミックス中空粒子が集まったコア部分とを形成させて上記成型空洞内で固化させて成型体を形成し、
固化した上記成型体を上記石膏型から取り出し、乾燥、焼成して上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中実粒子を焼結させることを特徴とするセラミックスレドームの製造方法。 - 焼結セラミックス中空粒子のコア材を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドームを製造するために、
レドーム形状に対応する形状で、上記セラミックスレドームの上記第1および第2の表皮材に対応する内表面を持つ成型空洞を持つ石膏型を用意し、
上記焼結セラミックス中空粒子のセラミックス中空粒子よりも粒径の小さなセラミックス中実粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第1の混合物を用意し、
セラミックス中空粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第2の混合物を用意し、
上記第1の混合物を上記石膏型の上記成型空洞内に供給し、
上記成型空洞内で上記第1の混合物を部分的に固化させて、上記成型空洞の内表面に接触して固化して上記セラミックスレドームの上記第1および第2の表皮材となる固化した部分と、上記内表面から離間して固化してない部分とを形成し、
上記第1の混合物の上記固化してない部分を上記成型空洞から取り除き、
上記第1の混合物の上記固化してない部分を取り除いた上記成型空洞内に上記第2の混合物を供給し、
上記第2の混合物を固化させて上記第1の混合物と一体にして上記セラミックスレドームの上記コア材となる部分を形成して成型体を形成し、
一体に固化した上記成型体を上記石膏型から取り出し、乾燥、焼成して上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中実粒子を焼結させることを特徴とするセラミックスレドームの製造方法。 - 焼結セラミックス中空粒子のコア材を焼結セラミックス中実粒子の第1および第2の表皮材によって挟んでサンドイッチ構造としたセラミックスレドームを製造するために、
レドーム形状に対応する形状で、上記セラミックスレドームの上記第1の表皮材だけに対応する内表面を持つ成型空洞を持つ石膏型を用意し、
上記焼結セラミックス中空粒子のセラミックス中空粒子よりも粒径の小さなセラミックス中実粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第1の混合物を用意し、
セラミックス中空粒子、分散材、結合材および水を含むスラリー状の第2の混合物を用意し、
上記第1の混合物を上記石膏型の上記成型空洞内に供給し、
上記第1の混合物を部分的に固化させて、上記成型空洞の内表面に接触して上記セラミックスレドームの上記第1の表皮材となる固化した部分と、上記内表面から離間して固化してない部分とを形成し、
上記第1の混合物の上記固化してない部分を上記成型空洞から取り除き、
上記第1の混合物の上記固化してない部分を取り除いた上記成型空洞内に上記第2の混合物を供給し、
上記第2の混合物を部分的に固化させて、上記第1の混合物の上記第1の表皮材となる固化した部分に接触して上記セラミックスレドームの上記コア材となる固化した部分と、上記第1の表皮材となる固化した部分から離間して固化してない部分とを形成し、
上記第2の混合物の上記固化してない部分を上記成型空洞から取り除き、
上記第2の混合物の上記固化してない部分を取り除いた上記成型空洞内に上記第1の混合物を供給し、
上記第1の混合物を部分的に固化させて、上記第2の混合物の上記コア材となる固化した部分に接触して上記セラミックスレドームの上記第2の表皮材となる固化した部分と、上記コア材となる固化した部分から離間して固化してない部分とを形成し、
上記第1の混合物の上記固化してない部分を上記成型空洞から取り除き、もって上記第1の混合物の上記第1の表皮材となる固化した部分と、上記第2の混合物の上記コア材となる固化した部分と、上記第1の混合物の上記第2の表皮材となる固化した部分とが互いに一体化した成型体を形成し、
上記固化した成型体を上記石膏型から取り出し、乾燥、焼成して上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中空粒子および上記セラミックス中実粒子を焼結させることを特徴とするセラミックスレドームの製造方法。 - 上記成型体を焼成する工程が、この成型体の上記セラミックスレドームの上記第1および第2の表皮材に対応する両面側に熱源を配置して行われることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のセラミックスレドームの製造方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007195665A Pending JP2009033505A (ja) | 2007-07-27 | 2007-07-27 | セラミックスレドームおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009033505A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106564229A (zh) * | 2016-10-28 | 2017-04-19 | 北京航天长征飞行器研究所 | 一种适应厚度变化的Ku波段宽频带多层透波结构 |
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2007
- 2007-07-27 JP JP2007195665A patent/JP2009033505A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106564229A (zh) * | 2016-10-28 | 2017-04-19 | 北京航天长征飞行器研究所 | 一种适应厚度变化的Ku波段宽频带多层透波结构 |
CN106564229B (zh) * | 2016-10-28 | 2019-07-12 | 北京航天长征飞行器研究所 | 一种适应厚度变化的Ku波段宽频带多层透波结构 |
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