JP2009032621A - 光電陰極 - Google Patents

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Abstract

【課題】光の検出感度に優れた光電陰極を提供すること。
【解決手段】光電陰極E1の支持基板2側から被検出光が入射すると、光吸収層3がこの検出光を吸収して光電子を発生する。しかしながら、光吸収層3の厚さ等に因っては、被検出光は光吸収層3で十分に吸収されることなく、かかる光吸収層3を透過してしまうことがある。光吸収層3を透過した被検出光は、電子放出層4に達する。電子放出層4に達した検出光の一部は、コンタクト層5の貫通孔5aに向かって進む。貫通孔5aの対角線の長さd1は被検出光の波長よりも短くなっているので、被検出光が貫通孔5aを通り抜けて外部に放出されてしまうことを抑制できる。外部放出が抑制された被検出光は、電子放出層4の露出表面で反射し、光吸収層3に再び入射して吸収される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電陰極に関するものである。
従来の光電陰極として、例えば特許文献1に記載されているように、基板と、基板上に形成されたフォトン吸収層(光吸収層)と、フォトン吸収層上に形成された電子放出層と、電子放出層上に形成された網目状のグリッドと、を備えるものが知られている。電子放出層表面のうち、グリッドで覆われているのはごく僅かな部分となっている。
特許第2668285号公報
特許文献1記載の光電陰極に基板側から被検出光を入射させると、被検出光は基板を透過してフォトン吸収層に到達し、当該フォトン吸収層で吸収される。しかしながら、時間分解能を向上すべくフォトン吸収層の厚さを薄くした場合には、被検出光は、フォトン吸収層にて十分に吸収されず、フォトン吸収層を透過してしまうことがある。十分に吸収されることなくフォトン吸収層を透過した被検出光は、電子放出層に到達する。特許文献1記載の光電陰極においては、電子放出層表面の殆どがグリッド間から露出している。そのため、電子放出層に到達した被検出光の多くは、グリッド間から外部に放出されてしまう。
このように、特許文献1記載の光電陰極では、被検出光がフォトン吸収層にて十分に吸収されることなく外部に放出されてしまうおそれがあり、光の検出感度が低下してしまうという問題があった。
そこで本発明は、光の検出感度に優れた光電陰極を提供することを目的とする。
本発明に係る光電陰極は、被検出光の入射に応じて光電子を放出する光電陰極であって、第1導電型の支持基板と、支持基板上に形成された第1導電型の光吸収層と、光吸収層上に形成された第1導電型の電子放出層と、電子放出層上に形成され、複数の貫通孔を有する第2導電型のコンタクト層と、コンタクト層上に形成された表面電極と、コンタクト層の貫通孔から露出した電子放出層の表面を覆うように形成され、電子放出層の仕事関数を低下させる活性層と、支持基板に設けられた裏面電極と、を備え、被検出光の偏光方向における貫通孔の幅が、被検出光の波長よりも短いことを特徴とする。
本発明の光電陰極では、電子放出層とコンタクト層とで導電型が異なっている。そのため、p/n接合型の光電陰極を得ることができる。貫通孔から露出した電子放出層の表面には、活性層が形成されている。そのため、被検出光の吸収により光吸収層にて発生した光電子を、貫通孔から容易に外部放出することができる。
光吸収層で吸収されなかった被検出光は、光吸収層を透過し電子放出層に到達する。電子放出層上に形成されたコンタクト層は複数の貫通孔を有しているが、かかる貫通孔の幅は被検出光の偏光方向において被検出光の波長よりも短くなっている。そのため、被検出光が貫通孔を通り抜けて外部に放出されてしまうことを抑制できる。外部放出が抑制された被検出光は、露出した電子放射層の表面で反射され、光吸収層に再び入射して吸収される。
このように、本発明によれば、貫通孔からの被検出光の外部放出を抑制できるうえに、光吸収層における被検出光の吸収効率を向上させることができる。更に、発生した光電子を貫通孔から外部に放出することもできる。これらの結果、光電陰極を光の検出感度に優れたものとすることができる。
本発明に係る光電陰極は、被検出光の入射に応じて光電子を放出する光電陰極であって、支持基板と、支持基板上に形成された光吸収層と、光吸収層上に形成された電子放出層と、電子放出層とショットキー接合するように形成され、複数の貫通孔を有する表面電極と、表面電極の貫通孔から露出した電子放出層の表面を覆うように形成され、電子放出層の仕事関数を低下させる活性層と、支持基板に設けられた裏面電極と、を備え、被検出光の偏光方向における貫通孔の幅が、被検出光の波長よりも短いことを特徴とする。
本発明の光電陰極はショットキー接合型の光電陰極であり、表面電極の貫通孔から露出した電子放出層の表面には、活性層が形成されている。そのため、被検出光の吸収により光吸収層にて発生した光電子を、貫通孔から容易に外部放出することができる。
光吸収層で吸収されなかった被検出光は、光吸収層を透過し電子放出層に到達する。表面電極は複数の貫通孔を有しているが、各貫通孔の幅は被検出光の偏光方向において被検出光の波長よりも短くなっている。そのため、被検出光が貫通孔を通り抜けて外部に放出されてしまうことを抑制できる。外部放出が抑制された被検出光は、露出した電子放射層の表面で反射され、光吸収層に再び入射して吸収される。このように、本発明によれば、貫通孔からの被検出光の外部放出を抑制できるうえに、光吸収層における被検出光の吸収効率を向上させることができる。更に、発生した光電子を貫通孔から外部に放出することもできる。よって、光電陰極を光の検出感度に優れたものとすることができる。
また、本発明に係る光電陰極では、貫通孔の最長幅が、被検出光の波長よりも短いことが好ましい。この場合、被検出光の偏光方向に因らず、被検出光が貫通孔を通り抜けてしまうことを確実に抑制できる。そのため、光の検出感度に優れた光電陰極をより確実に得ることができる。
本発明によれば、光の検出感度に優れた光電陰極を提供することができる。
以下、本発明に係る光電陰極の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光電陰極を示す図である。図1(a)は本実施形態に係る光電陰極の斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示される光電陰極のI−I線断面図である。
本実施形態に係る光電陰極E1は電界援助型の光電陰極であって、図1に示されるように、支持基板2と、光吸収層3と、電子放出層4と、コンタクト層5と、表面電極6と、活性層7と、裏面電極8とを備えている。
支持基板2は、III−V族化合物半導体から構成される第1導電型の基板であって、より具体的にはp型InP半導体基板である。この支持基板2の吸収端波長は、光電陰極E1に入射される被照射光の波長よりも短くなっている。支持基板2の一方の主面上には、第1導電型の光吸収層3が形成されている。光吸収層3は、光を吸収して光電子を発生する層である。光吸収層3はp型InGaAs半導体からなっており、光吸収層3の吸収端波長は被照射光の波長よりも長くなっている。この光吸収層3の上には、第1導電型の電子放出層4が形成されている。電子放出層4は、光吸収層3にて発生した光電子を加速する層である。電子放出層4はp型InP半導体からなっており、光吸収層3の吸収端波長は被照射光の波長よりも短くなっている。
電子放出層4の上には、第2導電型のコンタクト層5が設けられている。コンタクト層5は、マトリクス状(本実施形態では3行3列)に並んだ複数の貫通孔5aを有しており、格子状に形成されている。各貫通孔5aは略矩形状を呈しており、その対角線の長さd1(最長幅)は、被検出光の波長よりも短くなっている。コンタクト層5はn型InP半導体から構成されており、p型InP半導体からなる電子放出層4とは異なる導電型となっている。したがって、コンタクト層5と電子放出層4との間には、p/n接合が形成されることとなる。コンタクト層5の吸収端波長は、被照射光の波長よりも短くなっている。
コンタクト層5上には、Tiからなる表面電極6が設けられている。表面電極6は、マトリクス状(本実施形態では3行3列)に並んだ複数の貫通孔6aを有しており、コンタクト層5と略同一の形状を呈している。すなわち、表面電極6の各貫通孔6aは、コンタクト層5の各貫通孔5aに対応した位置に形成されており、コンタクト層5の各貫通孔5aと同一の形状および大きさとなっている。なお、100nm程度の貫通孔5a,6aであれば、縮小投影法や電子ビーム露光法によるパターニングによって形成することが可能である。
各貫通孔5a,6aからは、電子放出層4の表面が露出している。この電子放出層4の露出表面を覆うように、酸化セシウム(CsO)からなる活性層7が形成されている。活性層7は、電子放出層4の仕事関数を低下させる層である。活性層7を設けることにより、電子放出層4で加速された光電子を、複数の貫通孔5aを介して外部へ放出することが容易となる。
支持基板2の裏面、すなわち光吸収層3とは反対側の面には、裏面電極8が形成されている。裏面電極8は、AuZnからなっている。表面電極6および裏面電極8は、それぞれコンタクト用のワイヤからなる配線9を介して電源10に接続されている。この電源10によって、表面電極6と裏面電極8との間には例えば5Vのバイアス電圧が印加されている。
上述した構成を有する光電陰極E1では、支持基板2の裏面側から被検出光が入射される。支持基板2の吸収端波長は被検出光の波長よりも短いため、被検出光は支持基板2を透過する。支持基板2を透過した被検出光は、光吸収層3に到達する。光吸収層3の吸収端波長は被検出光の波長よりも長いため、被検出光は光吸収層3にて吸収されることとなる。被検出光を吸収した光吸収層3は、光電子を発生する。電子放出層4とコンタクト層5との間には、p/n接合が形成されているため、表面電極6と裏面電極8との間に印加されたバイアス電圧により発生した電界の作用で、光吸収層3にて発生した光電子は電子放出層4内にて加速され、活性層7によって仕事関数が低下した電子放出層4の表面から真空中に放出される。
ところで、光吸収層3の厚さ等に因っては、被検出光は光吸収層3で十分に吸収されることなく、光吸収層3を透過してしまうことがある。この場合、光吸収層3を透過した被検出光は電子放出層4に達するが、電子放出層4の吸収端波長は被検出光の波長よりも短く設定されているため、かかる被検出光は電子放出層4を透過することとなる。
電子放出層4を透過する被検出光のうち、コンタクト層5で覆われた領域、すなわち貫通孔5aが形成されていない領域に向かって進む被検出光は、コンタクト層5に入射する。コンタクト層5の吸収端波長は、被検出光の波長よりも短く設定されている。そのため、コンタクト層5に入射した被検出光は、コンタクト層5を透過することとなる。コンタクト層5を透過した被検出光は、コンタクト層5上に形成された表面電極6で反射され、コンタクト層5および電子放出層4を介して光吸収層3に再び入射し、吸収される。
電子放出層4を透過する被検出光の一部は、貫通孔5aに向かって進む。従来、貫通孔の長さをdとし、光の波長をλとすると、貫通孔における光の透過率Tは以下の式(1)で表せることが知られている。
Figure 2009032621

各貫通孔5aの対角線の長さd1は上述した式(1)のdに相当し、被検出光の波長は上述した式(1)のλに相当する。本実施形態に係る光電陰極E1では、各貫通孔5aの対角線の長さd1は被検出光の波長よりも短くなっている。したがって、式(1)によれば、貫通孔5aにおける被検出光の透過率が1未満となるため、貫通孔5aからの被検出光の放出を確実に抑制することができる。例えば、被検出光の波長が約1000nmであるとき、各貫通孔5aの対角線の長さd1を500nmとすれば、貫通孔5aにおける被検出光の透過率は10%未満となり、貫通孔5aから放出される被検出光の量を極めて少ないものとすることができる。
貫通孔5aからの放出が抑制された被検出光は、電子放射層4の露出表面で反射される。反射された被検出光は、電子放出層4を介して光吸収層3に再び入射し、吸収される。
以上説明したように、貫通孔5aの対角線の長さd1を被検出光の波長よりも短くすることで、貫通孔5aから被検出光が漏れ出すことを抑制できるうえに、被検出光を表面電極6で反射させて光吸収層3にもう一度入射させることが可能となる。よって、光電子の外部放出を妨げることなく、光吸収層3における被検出光の吸収効率を向上させることができる。その結果、光電陰極E1を光の検出感度に優れたものとすることができる。
ここで、貫通孔5aの対角線の長さd1を被検出光の波長よりも短くする理由について、より詳細に説明する。
式(1)のdは、より正確にいうと、被検出光の電場ベクトルの方向における貫通孔の長さを示している。そのため、貫通孔における被検出光の透過率Tを低くするためには、被検出光の電場ベクトルの方向における貫通孔の長さを、被検出光の波長よりも短くする必要がある。
例えば、貫通孔5aの短辺の長さが被検出光の波長よりも短く、長辺の長さが被検出光の波長よりも長い場合を考える。この場合、被検出光の偏光方向(電場ベクトルの方向)が貫通孔5aの短辺方向と一致するのであれば、式(1)のdは貫通孔5aの短辺の長さを表すことになる。貫通孔5aの短辺は被検出光の波長よりも短いため、(d/λ)は1未満となり、貫通孔5aにおける被検出光の透過率を低く抑えることができる。しかしながら、被検出光の偏光方向が貫通孔5aの長辺方向と一致するのであれば、式(1)のdは貫通孔5aの長辺の長さを表すことになる。貫通孔5aの長辺は被検出光の波長よりも長いため、(d/λ)が1以上となってしまい、貫通孔5aにおける被検出光の透過率が高くなってしまう。
被検出光は、直線偏光の光であるとは限らず、円偏光の光の場合もある。また、直線偏光の光であっても、偏光方向の制御が困難な場合がある。貫通孔5aの最も長い寸法を被検出光の波長よりも短くすれば、被検出光の電場ベクトルがどの方向を向いていようとも、被検出光の偏光方向における貫通孔5aの長さを常に被検出光の波長よりも短いものとすることができる。貫通孔5aの最も長い寸法とは、対角線の長さd1である。このような理由から、本実施形態では、貫通孔5aの対角線の長さd1を被検出光の波長よりも短く設定している。
ただし、被検出光の偏光方向が不変である場合には、貫通孔5aの対角線の長さd1を被検出光の波長よりも短く設定する必要はなく、被検出光の偏光方向における貫通孔5aの幅が被検出光の波長よりも短くなっていればよい。例えば、被検出光の偏光方向が貫通孔5aの短辺方向と常に一致するのであれば、貫通孔5aの短辺の長さが被検出光の波長よりも短くなっていればよく、長辺や対角線の長さは任意とすることができる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る光電陰極を示す図である。図2(a)は本実施形態に係る光電陰極の斜視図であり、図2(b)は図2(a)に示される光電陰極のII−II線断面図である。
本実施形態に係る光電陰極E2では、コンタクト層15および表面電極16の貫通孔15a,16aの形状が、先の実施形態に係る光電陰極E1のコンタクト層5および表面電極6の貫通孔5a,6aの形状と異なっている。支持基板12、光吸収層13、電子放出層14、活性層17、および裏面電極18については、光電陰極E1における支持基板2、光吸収層3、電子放出層4、コンタクト層5、活性層7、および裏面電極8と同様である。
電子放出層14上に形成されたコンタクト層15は、マトリクス状(本実施形態では3行3列)に並んだ複数の貫通孔15aを有している。貫通孔15aは円形状をなしており、その直径(最長幅)d2は、光電陰極E2に入射される被検出光の波長よりも短くなっている。コンタクト層15上に形成された表面電極16は、複数の貫通孔16aを有している。各貫通孔16aは、コンタクト層15の各貫通孔15aに対応した位置に形成されており、コンタクト層15の各貫通孔15aと同一の形状および大きさとなっている。なお、貫通孔15aは、隣接する列同士が千鳥配列となるように配されていてもよい。
このような構成を有する光電陰極E2に対して、支持基板12の裏面側から被検出光を入射した場合、光電陰極E1と同様の効果を得ることができる。
すなわち、光吸収層13において十分に吸収されなかった被検出光は、光吸収層13を透過して、電子放出層14に達する。電子放出層14に達した被検出光のうち、コンタクト層15で覆われた領域、すなわち貫通孔15aが形成されていない領域に向かって進む被検出光は、コンタクト層15に入射して、コンタクト層15上に形成された表面電極16で反射される。表面電極16で反射された被検出光は、光吸収層13に再び入射して吸収される。電子放出層14に達した被検出光の一部は貫通孔15aに向かって進むが、各貫通孔15aの直径d2は被検出光の波長よりも短いため、かかる貫通孔15aを介しての被検出光の放出は抑制されることとなる。貫通孔15aからの放出が抑制された被検出光は、電子放射層14の露出表面で反射され、光吸収層13に再び入射して吸収される。
以上説明したように、貫通孔15aを円形とした場合であっても、各貫通孔15aの直径d2を被検出光の波長よりも短くすることにより、貫通孔15aから被検出光が漏れ出すことを抑制できるうえ、被検出光を電子放射層14の露出表面で反射させて、光吸収層13にもう一度入射させることが可能となる。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る光電陰極を示す図である。図3(a)は本実施形態に係る光電陰極の斜視図であり、図3(b)は図3(a)に示される光電陰極のIII−III線断面図である。
本実施形態の光電陰極E3は、コンタクト層を備えずに表面電極26を電子放出層24に接触させている点、および表面電極26がAlからなる点で、先の実施形態の光電陰極E1と異なっている。光電陰極E3は、表面電極26を電子放出層24にショットキー接合させてなる光電陰極である。支持基板22、光吸収層23、電子放出層24、活性層27、および裏面電極28については、光電陰極E1における支持基板2、光吸収層3、電子放出層4、コンタクト層5、活性層7、および裏面電極8と同様である。
このような構成を有する光電陰極E3に対して、支持基板22の裏面側から被検出光を入射した場合にも、光電陰極E1に被検出光を入射したときと同様の効果を得ることができる。つまり、表面電極26の貫通孔26aについて、その対角線の長さd3を被検出光の波長よりも短くすることにより、貫通孔26aから被検出光が放出されることを抑制できるうえ、被検出光を電子放出層24の露出表面で反射させ、光吸収層23にもう一度入射させることが可能となる。また、電子放出層24と表面電極26との間にショットキー接合が形成されているため、表面電極26と裏面電極28との間に印加されたバイアス電圧により発生した電界の作用で、光吸収層23にて発生した光電子を電子放出層24にて加速させることができる。その結果、活性層27によって仕事関数が低下した電子放出層24の表面から、光電子を真空中に放出することが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態では、支持基板2,12,22および電子放出層4,14,24はp型InP半導体からなっており、光吸収層3,13,23はp型InGaAs半導体からなっており、コンタクト層5,15はn型InP半導体からなっているとしたが、それぞれ他の半導体材料からなっていてもよい。ただし、光吸収層の吸収端波長は被検出光の波長よりも長く、支持基板、電子放出層、およびコンタクト層の吸収端波長は被検出光の波長よりも短くなければならない。
上述の実施形態において、p/n接合型の光電陰極E1,E2の表面電極6,16はTiからなっており、ショットキー接合型の光電陰極E3の表面電極26はAlからなっているとしたが、材料はこれに限られず、他の半導体材料からなっていてもよい。p/n接合型の光電陰極の場合には、コンタクト層と良好な電気的接続が得られる材料であればよいし、ショットキー接合型の光電陰極の場合には、電子放出層と良好な電気的接続が得られる材料であればよい。また、上述の実施形態では、裏面電極8,18,28はAuZnからなっているとしたが、材料はこれに限られず、支持基板と良好な電気的接続が得られる材料であればよい。また、活性層7,17,27は、CsOからなっているとしたが、仕事関数を下げるといわれている電子材料からなっていればよく、例えばKCsO等の他のアルカリ酸化物からなっていてもよい。
また、表面電極6,16の貫通孔6a,16aは、コンタクト層5,15の貫通孔5a,15aと同一の大きさを有するとしたが、異なっていてもよい。また、コンタクト層5,15や表面電極26の貫通孔の形状や配列は、上述した実施形態のものに限られず、各貫通孔の最大幅が被検出光の波長よりも短ければよい。図4に、その変形例を示す。図4に示される光電陰極E4の層36は、3種類の大きさの貫通孔36a,36b,36cをそれぞれ複数有している。層36は、光電陰極E4がp/n接合型である場合にはコンタクト層に相当し、光電陰極E4がショットキー接合型である場合には表面電極に相当する。層36では、最も大きな直径を有する貫通孔36a同士の間には、次に大きな直径を有する貫通孔36bが配置され、貫通孔36b同士の間には、最も小さな直径を有する貫通孔36cが配置されている。このようにより多くの貫通孔を形成することによって、光電子を放射する領域を増加させることができるので、光電子放射を効率よく放射することが可能となる。その結果、より検出感度の高い光電陰極を得ることができる。なお、貫通孔36a,36b,36cの直径が、それぞれ被検出光の波長よりも短くなっていることはいうまでもない。
本発明の第1の実施形態に係る光電陰極を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る光電陰極を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る光電陰極を示す図である。 本実施形態に係る光電陰極の表面電極が有する貫通孔の変形例を示す図である。
符号の説明
E1,E2,E3,E4…光電陰極、2,12,22…支持基板、3,13,23…光吸収層、4,14,24…電子放出層、5,15,…コンタクト層、5a,6a,15a,16a,26a,36a,36b,36c…貫通孔、6,16,26…表面電極、7,17,27…活性層、8,18,28…裏面電極。

Claims (3)

  1. 被検出光の入射に応じて光電子を放出する光電陰極であって、
    第1導電型の支持基板と、
    前記支持基板上に形成された第1導電型の光吸収層と、
    前記光吸収層上に形成された第1導電型の電子放出層と、
    前記電子放出層上に形成され、複数の貫通孔を有する第2導電型のコンタクト層と、
    前記コンタクト層上に形成された表面電極と、
    前記コンタクト層の貫通孔から露出した前記電子放出層の表面を覆うように形成され、前記電子放出層の仕事関数を低下させる活性層と、
    前記支持基板に設けられた裏面電極と、
    を備え、
    前記被検出光の偏光方向における前記貫通孔の幅が、前記被検出光の波長よりも短いことを特徴とする光電陰極。
  2. 被検出光の入射に応じて光電子を放出する光電陰極であって、
    支持基板と、
    前記支持基板上に形成された光吸収層と、
    前記光吸収層上に形成された電子放出層と、
    前記電子放出層とショットキー接合するように形成され、複数の貫通孔を有する表面電極と、
    前記表面電極の貫通孔から露出した前記電子放出層の表面を覆うように形成され、前記電子放出層の仕事関数を低下させる活性層と、
    前記支持基板に設けられた裏面電極と、
    を備え、
    前記被検出光の偏光方向における前記貫通孔の幅が、前記被検出光の波長よりも短いことを特徴とする光電陰極。
  3. 前記貫通孔の最長幅が、前記被検出光の波長よりも短いことを特徴とする請求項1又は2に記載の光電陰極。
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