JP2009030519A - 可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置 - Google Patents

可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置に関し、筒内ガスの乱れが早期に縮流するのを効果的に抑制でき、これにより、燃焼の改善、ひいては燃費の改善を良好に実現させることを目的とする。
【解決手段】吸気弁30の作用角、リフト量、およびリフト速度を変更可能とする吸気可変動弁機構34を備える。内燃機関10の負荷に応じて吸気弁30の閉じ時期IVCを可変として吸入空気量を制御する。同一作用角条件下において最大リフト位置を基準に前後対称となるリフトカーブと比較して、吸気弁30の閉じ時期を終点とする所定期間におけるリフト量が低くなるように、吸気弁30を制御する。
【選択図】図7

Description

この発明は、可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、吸気弁を電磁力で開閉駆動する電磁駆動弁を備える内燃機関が開示されている。この従来の内燃機関では、吸気流速を高めるべく、吸気行程中に吸気弁の開閉動作を2回行うようにしている。
特開2001−234769号公報 特開2002−349302号公報
内燃機関の燃焼を良好に改善するためには、筒内ガスの乱れ(ガス流動)を増強することによって燃焼速度を向上させることが効果的である。また、筒内ガスの乱れを早期に縮流させないようにするためには、吸気弁の閉じ時期付近において、吸気流速が高められていることが望ましい。上記従来技術の手法は、吸気弁の閉じ時期付近での吸気流速を効果的に高めるという点において、未だ改善の余地を残すものであった。また、吸気行程中に吸気弁を2回開くようにすると、余剰な空気が筒内に流入する可能性がある。このため、上記従来技術の手法によれば、低負荷領域ではスロットルバルブによる絞りが必要になり、ポンプ損失の増大を招く可能性があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、筒内ガスの乱れが早期に縮流するのを効果的に抑制でき、これにより、燃焼の改善、ひいては燃費の改善を良好に実現させ得る可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、吸気弁の少なくともリフト速度を変更可能とする可変動弁機構と、
前記可変動弁機構を制御することにより吸気弁を制御する吸気弁制御手段とを備え、
前記吸気弁制御手段は、同一作用角条件下において最大リフト位置を基準に前後対称となるリフトカーブと比較して、吸気弁の閉じ時期を終点とする所定期間におけるリフト量が低くなるように、吸気弁を制御することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記可変動弁機構は、吸気弁のリフト量および作用角のうちの少なくとも作用角を連続的に変更可能な機構であって、
前記吸気弁制御手段は、内燃機関の負荷に応じて吸気弁の閉じ時期を決定する閉じ時期可変制御を実行し、
前記制御装置は、吸入空気量を制御するためのスロットルバルブを運転状態に応じた所定開度に固定した状態で、或いは、当該スロットルバルブを備えずに、前記閉じ時期可変制御によって吸入空気量の制御を行うことが可能となっていることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記吸気弁制御手段は、同一作用角条件下において最大リフト位置を基準に前後対称となるリフトカーブと比較して、吸気上死点後90°CA近傍でのリフト量が小さくなるように、吸気弁を制御することを特徴とする。
第1の発明によれば、吸気弁の閉じ時期付近において吸気流速を効果的に高めることが可能となる。このため、特に低負荷領域において、筒内ガスの乱れが早期に縮流してしまうのを効果的に抑制することができる。その結果、実際に燃焼が実行される圧縮上死点付近での筒内ガスの乱れを強化することが可能となり、燃焼速度の向上と筒内の混合気分布の改善を図ることが可能となる。
第2の発明によれば、吸気弁の閉じ時期の制御を主として吸入空気量の制御を行う方式の内燃機関において、筒内ガスの乱れが早期に縮流してしまうのを効果的に抑制することができ、実際に燃焼が実行される圧縮上死点付近での筒内ガスの乱れを強化することが可能となる。このため、ポンプ損失の低減という良好な効果を得ながら良好な燃焼を確保できるようになり、燃費改善を図ることができる。
第3の発明によれば、ピストン速度が最も高くなることでバルブ通過流速が最も高くなり易くなる吸気上死点後90°CA付近において、効果的に吸気流速を高めることができる。このため、吸気上死点後90°CA付近に吸気弁の閉じ時期が到来するような低負荷領域において特に、吸気弁の閉じ時期付近での吸気流速を効果的に高めることができるようになり、筒内ガスの乱れの早期縮流を効果的に抑制することができる。
実施の形態1.
[システム構成]
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関10の構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。ここでは、内燃機関10は、直列4気筒型のエンジンであるものとする。内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。内燃機関10の筒内には、ピストン12の頂部側に燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の入口近傍には、吸気通路16に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ20が設けられている。エアフローメータ20の下流には、スロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22は、アクセル開度と独立してスロットル開度を制御することのできる電子制御式スロットルバルブである。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ24が配置されている。
また、スロットルバルブ22の下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁26が配置されている。また、内燃機関10が備えるシリンダヘッドには、燃焼室14の頂部から燃焼室14内に突出するように点火プラグ28が取り付けられている。吸気ポート16aおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室14と吸気通路16、或いは燃焼室14と排気通路18を導通状態または遮断状態とするための吸気弁30および排気弁32が設けられている。
吸気弁30および排気弁32は、それぞれ吸気可変動弁機構34および排気可変動弁機構36により駆動される。これらの可変動弁機構34、36の詳細な構成については、図2乃至図4を参照して後述するものとする。また、排気通路18には、その位置で排気空燃比を検出するためのA/Fセンサ38が配置されている。
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、上述した各種のセンサとともに、エンジン回転数を検出するクランク角センサ42、アクセル開度PAを検出するためのアクセル開度センサ44等が接続されている。また、ECU40には、上述した各種のアクチュエータが接続されている。ECU40は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
[本実施形態の可変動弁機構の構成]
図2は、図1に示すシステムが備える吸気可変動弁機構34の構成を示す図である。以下、この図を参照して、吸気可変動弁機構34について更に説明する。尚、排気可変動弁機構36は、吸気可変動弁機構34とほぼ同様の構成であるので、その詳細な図示および説明を省略する。
図2に示すように、内燃機関10は、1気筒当たり2つの吸気弁30を備えている。そして、内燃機関10は、前述したように4つの気筒(#1〜#4)を備えており、#1→#3→#4→#2の順で爆発行程が行われる。吸気可変動弁機構34は、2つの装置、すなわち吸気可変動弁機構34Aと吸気可変動弁機構34Bとで構成されている。吸気可変動弁機構34Aは#2気筒および#3気筒が備える吸気弁30を駆動し、吸気可変動弁機構34Bは#1気筒および#4気筒が備える吸気弁30を駆動する。
吸気可変動弁機構34Aは、駆動源としての電動機(以下、モータと称する)50Aと、モータ50Aの回転運動を伝達する伝達機構としてのギヤ列52Aと、ギヤ列から伝達された回転運動を吸気弁30の直線的な開閉運動に変換するカムシャフト54Aとを備えている。同様に、吸気可変動弁機構34Bは、モータ50B、ギヤ列52B、およびカムシャフト54Bを備えている。
モータ50A,50Bは、回転速度および回転量の制御が可能なサーボモータである。このモータ50A,50Bとしては、例えばDCブラシレスモータ等が好ましく用いられる。モータ50A,50Bには、その回転位置(回転角度)を検出するためのレゾルバ、ロータリーエンコーダ等の回転角検出センサが内蔵されている。モータ50A,50Bの回転速度および回転量は、ECU40により制御される。
カムシャフト54A、54Bの外周部には、カムシャフト54A、54Bに対して一体回転するカム駆動ギヤ56と、やはりカムシャフト54A、54Bに対して一体回転するカム58とがそれぞれ設けられている。
ギヤ列52Aは、モータ50Aの出力軸60に取り付けられたモータギヤ62Aの回転を中間ギヤ64Aを介してカムシャフト54Aが互いに等しい速度で回転するように構成されても良いし、モータギヤ62Aに対してカム駆動ギヤ56を増速又は減速させるように構成されても良い。同様にして、ギヤ列52Bは、モータ50Bの出力軸に取り付けられたモータギヤ62Bの回転を中間ギヤ64B(図2において図示せず)を介してカムシャフト54Bのカム駆動ギヤ56に伝達する。
図2に示すように、カムシャフト54Aは#2,#3気筒の吸気弁30の上部に配置されており、カムシャフト54Aに設けられたカム58により#2,#3気筒の吸気弁30が開閉駆動される。また、カムシャフト54Bは2つに分割された状態で#1,#4気筒の吸気弁30の上部に配置されており、カムシャフト54Bに設けられたカム58により#1,#4気筒の吸気弁30が開閉駆動される。2つに分割されたカムシャフト54Bは、中空のカムシャフト54A内に挿通された連結部材を介して連結され、一体的に回転するように構成されている。
図3は、カム58によって吸気弁30が駆動される様子を示す模式図である。カム58はカムシャフト54A,54Bと同軸の円弧状のベース円58bの一部を半径方向外側に向かって膨らませてノーズ58aを形成した板カムの一種として形成されている。カム58のプロファイルはその全周に亘って負の曲率が生じないように、つまり半径方向外側に向かって凸曲面を描くように設定されている。
図2に示すように、吸気弁30はそれぞれ弁軸30aを備えている。各カム58は吸気弁30の弁軸30aの一端に設けられたバルブリフタ66と対向する。各吸気弁30はバルブスプリング(図示せず)の圧縮反力によってカム58側に付勢されている。カム58のベース円58bとバルブリフタ66が対向しているときには、そのバルブスプリングの付勢力により、吸気ポートのバルブシート(図示せず)に吸気弁30が密着して吸気ポートが閉じられる。
モータ50A、50Bの回転運動がギヤ列52A,52Bを介してカムシャフト54A,54Bに伝達されると、カムシャフト54A,54Bと一体にカム58が回転し、ノーズ58aがバルブリフタ66を乗り越える間にバルブリフタ66が押し下げられ、吸気弁30がバルブスプリングの付勢力に抗してリフト(開弁)する。
また、図3(A)及び図3(B)は、カム58の2つの駆動モードを示している。カム58の駆動モードには、モータ50A、50Bを一方向に連続回転させて図3(A)に示すようにカム58を最大リフト位置、すなわちカム58のノーズ58aが相手側の部品(この場合はバルブリフタ66)と接する位置を越えて正転方向(図3(A)中の矢印方向)に連続的に回転させる正転駆動モードと、正転駆動モードにおける最大リフト位置に達する前にモータ50A、50Bの回転方向を切り換えて図3(B)に示すようにカム58を往復運動させる揺動駆動モードとがある。
正転駆動モードでは、カム58の回転速度を制御することで吸気弁30の作用角が制御される。また、揺動駆動モードでは、カム58の回転速度とともに、カム58が揺動する角度範囲を制御することで、吸気弁30の作用角およびリフト量を制御することができる。このように、吸気可変動弁機構34によれば、運転状態に応じた最適な作用角、リフト量(開弁特性)で吸気弁30を駆動することが可能となる。
また、可変動弁機構34によれば、正転駆動モード時と揺動動作モード時の如何を問わず、吸気弁30のリフト動作中にカム58の回転速度を変化させることによって、リフト動作中の吸気弁30のリフト速度を調整することが可能となる。
図4は、カムシャフト54Aに設けられた2つのカム58を詳細に示す模式図である。図4に示すように、カムシャフト54Aには、#2気筒の吸気弁30を駆動するためのカム58と、#3気筒の吸気弁30を駆動するためのカム58とが180°の角度位置だけ離間して設けられている。4気筒の内燃機関ではクランク角720°の間に#1→#3→#4→#2の順で爆発行程が行われるため、#2気筒と#3気筒の吸気行程はクランク角の360°毎に行われる。吸気可変動弁機構34Aは、クランク角360°毎に#2気筒用のカム58と#3気筒用のカム58が、交互に#2気筒の吸気弁30と#3気筒の吸気弁30を駆動するようにカムシャフト54Aを回転または揺動させる。同様に、カムシャフト54Bには#1気筒、#4気筒の吸気弁30を駆動するためのカム58が設けられており、吸気可変動弁機構34Bは、カムシャフト54Bを回転または揺動させることで、#1気筒の吸気弁30と#4気筒の吸気弁30を駆動する。
[吸気弁の閉じ時期可変制御について]
本実施形態のシステムは、上述した吸気可変動弁機構34とスロットルバルブ22を吸入空気量の制御手段として利用することができる。本実施形態では、吸気可変動弁機構34による吸気弁30のリフト量および作用角の制御を主として用いて、吸入空気量の制御を行うようにしている。
より具体的には、本実施形態のシステムでは、ポンプ損失の低減による燃費向上を図る目的で、以下のような吸入空気量の制御を行うようにしている。すなわち、低負荷領域では、スロットル開度TAを運転状態に応じた十分な所定開度に大きく開いた状態で、吸気弁30の作用角を小さくして閉じ時期IVCを早めることでバルブ通過空気量を制限させることによって吸入空気量の制御を行うようにしている。
そのために、内燃機関10の要求負荷率およびエンジン回転数に応じて、吸気弁30の目標作用角が決定され、その目標作用角を適切な開弁位相で実現するために吸気弁30の開閉時期が決定される。このような制御によれば、内燃機関10の負荷(負荷率)およびエンジン回転数に応じて、作用角が可変とされ、吸気弁30の閉じ時期IVCが制御されることになる。
より具体的には、スロットル開度TAを運転状態に応じた所定開度に開いた状態で、負荷率やエンジン回転数が高くなるにつれ、作用角が徐々に大きくされ、吸気弁30の閉じ時期IVCが徐々に遅角される。尚、以下の本明細書中においては、このように負荷に応じて吸気弁30の閉じ時期IVCを可変として吸入空気量を調整する制御を、「吸気弁の閉じ時期可変制御」と称することとする。また、ここでは、スロットルバルブ22を併用する制御を例に挙げているが、このような制御に限らず、スロットルバルブ22を備えずに吸気弁30の閉じ時期IVCの制御のみによって吸入空気量を制御するものであってもよい。
図5は、上記吸気弁の閉じ時期可変制御で用いられる吸気弁30の開閉タイミングの例を示す図である。図5(A)は、小作用角が選択される低負荷域における吸気弁30の開閉タイミングを示している。図5(A)に示す一例では、吸気弁30は、吸気上死点TDC近傍で開弁された後、吸気下死点BDCよりも比較的早い段階で閉弁される。また、図5(B)は、大作用角が選択される高負荷領域における吸気弁30のバルブタイミングを示している。この場合には、吸気弁30は、所望のバルブオーバーラップ期間を得るために上記図5(A)に示すケースよりも吸気上死点TDCに対して進角したクランク位置で開弁された後、十分な空気量が筒内に取り込まれた状態となるように吸気下死点BDCよりも遅れたタイミングで閉弁される。
上述した吸気弁の閉じ時期可変制御によれば、例えば低負荷領域から高負荷領域に移行する際には、スロットル開度TAは基本的に比較的大きな所定開度に維持させつつ、内燃機関10に要求される負荷に応じて、徐々に作用角が大きくなるように吸気弁30の閉じ時期IVCを(例えば図5(A)から図5(B)に向けて)遅らせていくという手法によって、ポンプ損失の低減を好適に図りつつ吸入空気量を制御することが可能となる。
[吸気弁の閉じ時期可変制御の問題点]
以上説明したように、上記吸気弁の閉じ時期可変制御によれば、ポンプ損失を良好に低減しつつ吸入空気量を制御することが可能となる。しかしながら、その一方で、極低負荷領域(つまり、吸気弁30のリフト量が極低リフト量に制御される領域)において上記吸気弁の閉じ時期可変制御を行った場合には、混合気分布の悪化による未燃損失の増加や、燃焼速度の低下などの燃焼を悪化させる要因が発生することが懸念され、結果的には、狙いの値まで燃料消費を十分に低減することが困難な場合が生ずる可能性がある。
上記の問題点が発生する原因としては、以下のようなものが考えられる。すなわち、極低負荷領域においては、吸気弁30の閉じ時期IVCが吸気下死点よりも十分に早められ、かつ、吸気弁30のリフト量が極低リフト量に制御されているので、吸気弁30を通過する吸気の流速は高リフト量に制御された際に比して高くなる。しかし、吸気弁30の閉じ時期IVCが早期であるので、筒内ガスの乱れが早期に縮流してしまい、その乱れが実際に燃焼が実行される圧縮上死点付近まで残留しにくくなる。
図6は、筒内ガスの乱れ(Turbulence)の強さをクランク角度との関係で表した図である。図6においては、吸気弁30の閉じ時期IVCを吸気下死点よりも早くした極低負荷時のバルブタイミングと、吸気弁30の閉じ時期IVCを吸気下死点よりも遅らせた高負荷時のバルブタイミングとを比較している。
高負荷時のバルブタイミングが採用されている場合には、吸気下死点に至るまでの期間(図6中のクランク角度-200〜-180°CAATDCまでの期間)においても吸気弁30が未だ閉じられておらず、吸気が継続されている。このため、吸気下死点近傍において、比較的強い筒内ガスの乱れが存在している。これに対し、極低負荷時のバルブタイミングが採用されている場合には、吸気下死点近傍において既に吸気弁30が閉じられているので、吸気下死点近傍において筒内ガスの乱れが早期に縮流してしまう。その結果、図6から判るように、吸気下死点近傍での筒内ガスの乱れの差が圧縮上死点に至るまで残存することとなる。このため、極低負荷時のバルブタイミングが採用されている場合には、高負荷時のバルブタイミングが採用されている場合に比して、燃焼の悪化が懸念される。
[実施の形態1における特徴的な吸気弁30の制御]
図7は、本発明の実施の形態1における特徴的な吸気弁30の制御を説明するためのリフトカーブである。図7中に示す2つのリフトカーブは、それぞれ、吸気弁30の開き時期IVOが吸気上死点とされ、かつ、吸気弁30の閉じ時期IVCが吸気下死点前50°CAとされた例を示している。すなわち、図7に示すリフトカーブA、Bは、ともに吸気弁30が早閉じされた場合のリフトカーブを示している。
より具体的には、図7中に太い曲線で表されたリフトカーブAは、本実施形態で用いられるリフトカーブとの対比のために参照するリフトカーブであり、本実施形態のリフトカーブBと同一作用角条件下において最大リフト位置を基準に前後対称とされたカーブを有する通常のリフトカーブである。一方、図7中に細い曲線で表されたリフトカーブBが本実施形態で用いられるリフトカーブに対応している。
図7に示すように、本実施形態のリフトカーブBは、前後対称とされた通常のリフトカーブAよりも早く最大リフト位置に達するようなカーブとされている。より具体的には、本実施形態のリフトカーブBは、前後対称とされた通常のリフトカーブAと同一クランク角度で比較して、吸気弁30の閉じ時期IVCを終点とする所定期間(図7に示す例では、最大リフト位置から閉じ時期IVCまでの後半期間)におけるリフト量が低くされている。言い換えれば、リフトカーブBは、最大リフト位置から閉じ時期IVCまでの後半区間における吸気弁30のリフト速度の絶対値が、開き時期IVOから最大リフト位置までの前半区間における吸気弁30のリフト速度の絶対値よりも小さくされている。
更に付け加えると、ピストン12の速度は、吸気上死点後90°CA近傍において最も高くなる。そこで、本実施形態のリフトカーブBは、そのようにピストン12の速度が最も高まることでバルブ通過流速が最も高くなり易くなる吸気上死点後90°CA近傍において、吸気弁30のリフト量が上記通常のリフトカーブAに比して低くなるように設定されている。また、本実施形態のリフトカーブBは、以上のような配慮がなされつつ、前後対称のリフトカーブAが用いられた際と同量の吸入空気量が確保できるように設定されている。
図8は、図7に示すリフトカーブBを採用した効果を説明するための図であり、吸気弁30のバルブ通過流速とクランク角度との関係を表している。本実施形態のリフトカーブB(細線)が採用された場合には、最大リフト位置よりも後半側のリフト量が前後対称のリフトカーブAにおけるリフト量よりも低められていることによって、図8に示すように、吸気弁30のリフト期間の後半において、バルブ通過流速をリフトカーブAが採用された場合に比して高めることが可能となる。
このため、本実施形態のリフトカーブBによれば、吸気弁30が吸気下死点よりも十分に早く閉じられるような場合(極低負荷時)であっても、吸気弁30の閉じ時期IVC付近において吸気流速を十分に高めることができる。これにより、筒内ガスの乱れが早期に縮流してしまうのを効果的に抑制することができる。その結果、実際に燃焼が実行される圧縮上死点付近での筒内ガスの乱れを強化することが可能となり、燃焼速度の向上と筒内の混合気分布の改善を図ることが可能となる。
このため、上記吸気弁の閉じ時期可変制御の実行時に吸気弁30を早閉じさせた場合であっても、ポンプ損失の低減という良好な効果を得ながら良好な燃焼を確保できるようになり、燃費改善を図ることができる。また、従来技術のように、吸気流速を向上させるべく吸気行程の途中に吸気弁を2度開閉するという手法では、低負荷領域では吸入空気量の制御のためにスロットルバルブによる絞りが必要となり、ポンプ損失の増大によって燃費効果が悪化する可能性がある。これに対し、本実施形態の手法によれば、そのようなスロットルバルブによる吸入空気量の調整を伴わずに、筒内ガスの乱れを強化することが可能となる。
また、本実施形態のリフトカーブBでは、吸気上死点後90°CA近傍において、吸気弁30のリフト量が上記通常のリフトカーブAに比して低くなるようにリフトカーブを設定するという配慮もなされている。低負荷領域において上記吸気弁の閉じ時期可変制御を実行するようにすると、吸気弁30の閉じ時期IVCがピストン速度の最も高い吸気上死点後90°CA付近となることが多い。そのような吸気上死点後90°CA付近でリフト量を小さくしたことで、バルブ通過流速を効果的に高めることができる。つまり、吸気弁30の閉じ時期IVC付近での吸気流速を効果的に高めることができるので、筒内ガスの乱れの早期縮流を効果的に抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、吸気弁30の閉じ時期可変制御において吸気弁30が吸気下死点よりも十分に早閉じされた場合を例にとって説明を行っている。しかしながら、筒内ガスの乱れを増強すべく実行される本発明の吸気弁の制御は、そのような早閉じ制御時に限定されるものではなく、例えば、以下の図9および図10を参照して説明するバルブタイミングが採用される際に実行されるものであってもよい。
図9は、本発明における特徴的な吸気弁30の制御が適用された他のリフトカーブを示す図である。図9に示すリフトカーブは、吸気弁30の開き時期IVOが吸気上死点とされ、かつ、吸気弁30の閉じ時期IVOが吸気下死点とされた例を示している。図9に示す例においても、本発明が適用されたリフトカーブBは、前後対称とされた通常のリフトカーブAと比較して、吸気弁30の閉じ時期IVCを終点とする所定期間におけるリフト量が低くされている。
図10は、図9に示すリフトカーブBを採用した効果を説明するための図である。図10より、上記図9に示すバルブタイミングが用いられた場合においても、リフトカーブBが採用された場合には、通常のリフトカーブAが採用された場合に比して、吸気弁30のリフト期間の後半でのバルブ通過流速を十分に高めることが可能となっていることが判る。これにより、上記図7に示す吸気弁30の早閉じ制御時に限らず、筒内ガスの乱れを効果的に強化することができ、より燃焼を改善することができる。
また、上述した実施の形態1においては、吸気弁30を駆動するカム58をカムシャフト54回りにモータ50によって電動駆動する方式の吸気可変動弁機構34が用いられている。しかしながら、本発明に適用される可変動弁機構は、吸気弁のリフト速度を変更可能とする機構であれば、上記のような機構に限定されるものではなく、例えば、電磁力で吸気バルブを開閉駆動する電磁駆動弁などであってもよい。また、リフト速度の変更は、カムの回転速度の変更や電磁力の調整によるものに限らず、例えば、複数の吸気用カムを備えるようにし、使用するカムの切替えによるものであってもよい。また、本発明の対象となる内燃機関は、ポート噴射式の内燃機関に限られるものではなく、例えば、筒内直接噴射式の内燃機関であってもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU40が上記リフトカーブBが得られるように吸気可変動弁機構34を用いて吸気弁30を制御することにより前記第1の発明における「吸気弁制御手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1の内燃機関の構成を説明するための図である。 図1に示すシステムが備える吸気可変動弁機構の構成を示す図である。 カムによって吸気弁が駆動される様子を示す模式図である。 カムシャフトに設けられた2つのカムを詳細に示す模式図である。 吸気弁の閉じ時期可変制御で用いられる吸気弁の開閉タイミングの例を示す図である。 筒内ガスの乱れ(Turbulence)の強さをクランク角度との関係で表した図である。 本発明の実施の形態1における特徴的な吸気弁の制御を説明するためのリフトカーブである。 図7に示すリフトカーブBを採用した効果を説明するための図である。 本発明における特徴的な吸気弁の制御が適用された他のリフトカーブを示す図である。 図9に示すリフトカーブBを採用した効果を説明するための図である。
符号の説明
10 内燃機関
12 ピストン
14 燃焼室
16 吸気通路
16a 吸気ポート
18 排気通路
26 燃料噴射弁
28 点火プラグ
30 吸気弁
32 排気弁
34 吸気可変動弁機構
40 ECU(Electronic Control Unit)
42 クランク角センサ
44 アクセル開度センサ
50A、50B モータ
54A、54B カムシャフト
58 カム

Claims (3)

  1. 吸気弁の少なくともリフト速度を変更可能とする可変動弁機構と、
    前記可変動弁機構を制御することにより吸気弁を制御する吸気弁制御手段とを備え、
    前記吸気弁制御手段は、同一作用角条件下において最大リフト位置を基準に前後対称となるリフトカーブと比較して、吸気弁の閉じ時期を終点とする所定期間におけるリフト量が低くなるように、吸気弁を制御することを特徴とする可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置。
  2. 前記可変動弁機構は、吸気弁のリフト量および作用角のうちの少なくとも作用角を連続的に変更可能な機構であって、
    前記吸気弁制御手段は、内燃機関の負荷に応じて吸気弁の閉じ時期を決定する閉じ時期可変制御を実行し、
    前記制御装置は、吸入空気量を制御するためのスロットルバルブを運転状態に応じた所定開度に固定した状態で、或いは、当該スロットルバルブを備えずに、前記閉じ時期可変制御によって吸入空気量の制御を行うことが可能となっていることを特徴とする請求項1記載の可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置。
  3. 前記吸気弁制御手段は、同一作用角条件下において最大リフト位置を基準に前後対称となるリフトカーブと比較して、吸気上死点後90°CA近傍でのリフト量が小さくなるように、吸気弁を制御することを特徴とする請求項1または2記載の可変動弁機構を備える内燃機関の制御装置。
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