JP2009030095A - フェライト系ステンレス鋼溶接管のスピニング加工方法 - Google Patents
フェライト系ステンレス鋼溶接管のスピニング加工方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009030095A JP2009030095A JP2007194310A JP2007194310A JP2009030095A JP 2009030095 A JP2009030095 A JP 2009030095A JP 2007194310 A JP2007194310 A JP 2007194310A JP 2007194310 A JP2007194310 A JP 2007194310A JP 2009030095 A JP2009030095 A JP 2009030095A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- welded
- pipe
- welded pipe
- processed
- stainless steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
【解決手段】フェライト系ステンレス鋼を素材とした溶接管の外周に配置されてその周りを相対的に公転する加工ローラを用い、当該加工ローラを前記被加工溶接管の半径方向へ移動させつつ軸方向に往復動させることにより被加工溶接管の端部に向けて次第に縮径する縮径部を形成する際、被加工溶接管を固定し、前記被加工溶接管の溶接部に冷媒を吹き付けて冷却しながら加工ローラを被加工溶接管の周りで公転させる。
【選択図】図7
Description
図1は、このようなケース1が、素材である大径の管の部分(1a)、前後の部材と接続するために設けられるテーパ部(1b)及びテーパ部に連続した小径の平行部(1c)から構成されている例を示す。そして、テーパ部(1b)は素管部(1a)にショルダー部(2)を介して、また、テーパ部(1b)はネック部(3)を介して小径の平行部(1c)と接続されている。
スピニング加工方法は、例えば特許文献1で紹介されているように、成形工具である加工ローラを被加工管の表面に接触させ、加工ローラを被加工管の周りで相対的に公転させながら、加工ローラを被加工管の半径方向及び軸方向に駆動させて、被加工管の端部に向けて次第に縮径するテーパ部と、必要に応じてそれに連続する小径の平行部を形成する方法である。
しかしながら、プレス成形方法と比較して、スピニング加工法では加工ローラを被加工管の軸方向へ繰返し往復動させて成形を進めるため、塑性変形により材料が管端方向に移動しやすく、特にテーパ部の板厚が被加工管の素材板厚よりも局所的に減少する傾向がある。また、縮径された母材部の加工端、あるいは被加工管が溶接管の場合には管端の溶接部の加工端を起点とする破断が起こりやすい。
そして、例えば特許文献2,3では、素材がフェライト系ステンレス鋼板である場合に、鋼の成分組成を調整することや、突合せ溶接部の形状を規定することにより、スピニング加工時の母材部の加工端、あるいは被加工管が溶接管である場合には溶接部の加工端を起点とする割れを起こり難くする技術が提案されている。
ところで、成形効率を高くするためには、成形工具である加工ローラと被加工管との間の相対的な回転速度や加工ローラの送り速度を速くしたり1パス当たりの加工量を増加させる必要がある。
本発明は、このような問題を解消するために案出されたものであり、フェライト系ステンレス鋼の溶接管の端部に加工ローラを当接して縮径部を形成する際に、管端溶接部の割れを抑制できる加工方法を提供することを目的とする。
被加工溶接管の溶接部のみを冷却するために、被加工溶接管を固定し、加工ローラを、被加工溶接管の周りで公転させることが好ましい。
また、縮径部を形成する前に、被加工溶接管の溶接部を加熱することが好ましい。
その結果、割れが、スピニング加工に伴う加工熱を受けて歪み時効が進行したために溶接部の高度が高くなったことに起因していると予測した。そして、歪み時効の進行を抑制して高度上昇を防ぎ、溶接部の割れの発生を抑えるには、溶接部を冷却しつつスピニング加工を行うことが有効であることを見出した。
以下に、本発明に至った経緯から説明する。
まず、C:0.013質量%,Si:0.41質量%,Mn:0.23質量%,P:0.027質量%,S:0.002質量%,Ni:0.11質量%,Cr:17.16質量%,Mo:0.02質量%,Cu:0.03質量%,Ti:0.22質量%,Al:0.041質量%及びN:0.012質量%を含み、残部がFeからなるステンレス鋼板を用いて、図2に示すような試験片を作製した。なお、図2で示す溶接部は、板材上にプラズマ照射でビードを形成したものである。
そこで、上記試験片を、各種温度を変えた状態で15%の歪みを付与したものについて溶接部の断面硬度を測定した。その結果、図4に見られるように、歪み付与温度が高いほど歪み時効により硬度が上昇していることがわかる。図3,4の結果から、歪み時効の進行により硬度が上昇したことが理解される。
製鋼時にC,N等の成分は上限下限値が設定されており、目標値としてC,Nを低くするようにしているが、全てを目標値以内にすることは困難であり、設定値内でばらつきがある。設定値範囲での上限付近(高C、高N等)の材料のスピニング加工に対応すべく、歪み時効抑制検討を行った。
そこで、歪み時効による溶接部の硬度上昇により割れが生じやすいC及びN含有量の高いフェライト系ステンレス鋼を素材としたものであっても、溶接管の管端にスピニング加工を施しても歪み時効が進行しないように、スピニング加工を施す溶接部の温度上昇抑制策を検討した。
スピニング加工を施す溶接部を冷却する態様としては、当該部分の温度上昇を防げば良いので冷媒を吹き付けることで足りる。液化ガスを吹き付けても良いが、工場エアー等、比較的流速の早いものを吹き付けることが好ましい。単にファンで空気を吹き付けるだけでも良い。
もちろん、この態様で行われるスピニング加工時にも本発明方法を適用することができる。冷却媒体を吹き付けて全体を冷却すればよい。被加工管の内側を冷却媒体の通路として活用することにより、全体を冷却することもできる。
そこで、図7に示すように、被加工管21の他端を固定し、固定金具22及び被加工管21を回転させることなく、被加工管21の外周に配置された加工ローラ23を被加工管21の周りで公転させることが好ましい。この態様を採用すれば、溶接線に沿って冷却媒体25,26の吹き付けることにより、溶接部24の温度上昇を効果的に抑制することが可能となる。
詳細は実施例に示すが、加工領域の溶接部を100〜250℃の温度範囲内に保持しながらスピニング加工を実施することが好ましい。
先に示した組成の鋼板をTIG溶接したφ150×1.2tの鋼管を被加工鋼管とした。
図7に示すように、被加工鋼管を固定するとともに、鋼管外側に先端径φ10のノズルを固定配置し、鋼管内側に溶接部幅と同程度の4mmの幅でスピニング加工範囲の長手方向長さに相当する長さ有するスリット加工した管を固定配置した。そして、ノズル及びスリット加工した管には、常温で圧力5kg/cm2までのエアーを供給できるようにした。
鋼管の内側と外側から溶接部をエアーで冷却しながら溶接部温度が200〜300℃となるようにエアー供給量を調整しつつ、公転するローラを押し当ててスピニング加工を行い、図1に示す端部形状に成形した。
比較例として、溶接部の冷却は行わないこと以外は同じ条件でスピニング加工を行い、溶接部及びその周辺部の硬度状況と溶接部の割れの発生状況を調査した。冷却を行わないと、溶接部は350℃にまで上昇していた。
その結果を図8と表1示す。
先に示した組成に鋼板をTIG溶接したφ150×1.2tの鋼管について、加工領域の溶接部をヒータで温めることにより、加工を始める時点の溶接部の温度を種々変更し、実施例1と同様の形態及び条件でスピニング加工を行った。
なお、溶接部の冷却は実施例1と同様のノズルを使用し、スピニング加工時の溶接部温度を200℃となるようにした。
そして、管端での割れの発生状況を観察した。本実施例2で、管端での割れの発生状況を観察した理由は、スピニング加工時の溶接部温度を200℃としているため、図1に示す形状の加工品にあって、テーパ部(1b)やネック部(3)を介して連続する平行部(1c)には割れが生じることはないが、平行部(1c)の先端溶接部のみに割れが発生する傾向にあったので、この先端溶接部のみに発生する割れが脆性破壊に起因したものであると想定したためである。
その結果を表2に示す。
歪み時効による溶接部の割れ防止、及び低温領域における脆性割れの防止の両方を図るためには、予め予熱し、加工中は冷却媒体を吹き付けて、図7に示すように、加工領域の溶接部を100〜250℃の温度の保持しながらスピニング加工を実施することが好ましい。
なお、加工領域溶接部の予熱がなく、加工後に先端に割れが生じていても、割れ部を研削・削除すれば、問題なく使用できる。
Claims (3)
- フェライト系ステンレス鋼を素材とした溶接管の外周に配置されてその周りを相対的に公転する加工ローラを用い、当該加工ローラを前記被加工溶接管の半径方向へ移動させつつ軸方向に往復動させることにより被加工溶接管の端部に向けて次第に縮径する縮径部を形成する際、前記被加工溶接管の溶接部を冷却しながら縮径部を形成することを特徴とするフェライト系ステンレス鋼溶接管のスピニング加工方法。
- 被加工溶接管を固定し、加工ローラを被加工溶接管の周りで公転させる請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接管のスピニング加工方法。
- 縮径部を形成する前に、被加工溶接管の溶接部を加熱する請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼溶接管のスピニング加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007194310A JP5111000B2 (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | フェライト系ステンレス鋼溶接管のスピニング加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007194310A JP5111000B2 (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | フェライト系ステンレス鋼溶接管のスピニング加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009030095A true JP2009030095A (ja) | 2009-02-12 |
JP5111000B2 JP5111000B2 (ja) | 2012-12-26 |
Family
ID=40400916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007194310A Expired - Fee Related JP5111000B2 (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | フェライト系ステンレス鋼溶接管のスピニング加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5111000B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015200325A1 (en) * | 2014-06-27 | 2015-12-30 | Ati Properties, Inc. | Flowforming corrosion resistant alloy tubes and tube manufactured thereby |
US9662740B2 (en) | 2004-08-02 | 2017-05-30 | Ati Properties Llc | Method for making corrosion resistant fluid conducting parts |
US10118259B1 (en) | 2012-12-11 | 2018-11-06 | Ati Properties Llc | Corrosion resistant bimetallic tube manufactured by a two-step process |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003334626A (ja) * | 2002-05-17 | 2003-11-25 | Jfe Steel Kk | 金属管の回転成形方法およびその回転成形装置 |
JP2004243354A (ja) * | 2003-02-13 | 2004-09-02 | Jfe Steel Kk | スピニング加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接管 |
JP2006291294A (ja) * | 2005-04-11 | 2006-10-26 | Nisshin Steel Co Ltd | スピニング加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びスピニング加工方法 |
-
2007
- 2007-07-26 JP JP2007194310A patent/JP5111000B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003334626A (ja) * | 2002-05-17 | 2003-11-25 | Jfe Steel Kk | 金属管の回転成形方法およびその回転成形装置 |
JP2004243354A (ja) * | 2003-02-13 | 2004-09-02 | Jfe Steel Kk | スピニング加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接管 |
JP2006291294A (ja) * | 2005-04-11 | 2006-10-26 | Nisshin Steel Co Ltd | スピニング加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びスピニング加工方法 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9662740B2 (en) | 2004-08-02 | 2017-05-30 | Ati Properties Llc | Method for making corrosion resistant fluid conducting parts |
US10118259B1 (en) | 2012-12-11 | 2018-11-06 | Ati Properties Llc | Corrosion resistant bimetallic tube manufactured by a two-step process |
WO2015200325A1 (en) * | 2014-06-27 | 2015-12-30 | Ati Properties, Inc. | Flowforming corrosion resistant alloy tubes and tube manufactured thereby |
CN106536078A (zh) * | 2014-06-27 | 2017-03-22 | 冶联科技地产有限责任公司 | 使耐腐蚀合金管流动成型和由此制得的管件 |
EA034923B1 (ru) * | 2014-06-27 | 2020-04-07 | ЭйТиАй ПРОПЕРТИЗ ЭлЭлСи | Ротационное выдавливание труб из коррозионностойких сплавов и трубы, изготовленные с его использованием |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5111000B2 (ja) | 2012-12-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN109803784B (zh) | 摩擦搅拌接合方法及装置 | |
US10092975B2 (en) | Solid state additive manufacturing system | |
Shao et al. | Effect of joining parameters on microstructure of dissimilar metal joints between aluminum and galvanized steel | |
JP4400058B2 (ja) | スピニング加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接管 | |
CN109070261B (zh) | 结构用钢的摩擦搅拌接合方法和装置 | |
JP2007083304A (ja) | 金属材の曲げ加工方法、曲げ加工装置および曲げ加工設備列、並びにそれらを用いた曲げ加工製品 | |
CN103433636A (zh) | 压焊复合法制造双金属冶金复合管的方法 | |
JP2012508651A5 (ja) | ||
JP5812293B2 (ja) | ベンド鋼管の製造方法 | |
JP5111000B2 (ja) | フェライト系ステンレス鋼溶接管のスピニング加工方法 | |
CN109070262B (zh) | 结构用钢的摩擦搅拌接合方法和装置 | |
Faes et al. | New friction welding process for pipeline girth welds—welding time optimisation | |
JP2003334626A (ja) | 金属管の回転成形方法およびその回転成形装置 | |
JP4544468B2 (ja) | スピニング加工方法 | |
JP5428129B2 (ja) | 溶込み形状および加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接金属 | |
Esmaeili et al. | Characteristics of intermetallic compounds in dissimilar friction stir welding: a review | |
JP2003342694A (ja) | スピニング加工性に優れた排気系膨径部材用のフェライト系ステンレス鋼 | |
CN116275507A (zh) | 一种不锈钢和碳钢棒材异种金属材料的激光焊接方法 | |
JP2006247664A (ja) | 鋼管の冷間曲げ加工方法 | |
CN101602131A (zh) | 超薄不锈钢工件的气焊方法 | |
CN104439649A (zh) | 一种6mm厚钢板材的钨极惰性气体保护焊焊接工艺 | |
CN101543873A (zh) | 热成形不锈钢复合钢板制对焊管帽的制造方法 | |
US8683843B2 (en) | Spinning method for forming pipe end | |
KR102173603B1 (ko) | 마찰 교반 접합 방법 및 장치 | |
JP4171433B2 (ja) | 溶接部品質の優れた電縫鋼管の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100721 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120829 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120921 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121009 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121009 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5111000 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |