JP2009029766A - N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物、n−置換ベンズイミダゾール環含有重合体、薄膜及びその製造方法 - Google Patents

N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物、n−置換ベンズイミダゾール環含有重合体、薄膜及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009029766A
JP2009029766A JP2007208645A JP2007208645A JP2009029766A JP 2009029766 A JP2009029766 A JP 2009029766A JP 2007208645 A JP2007208645 A JP 2007208645A JP 2007208645 A JP2007208645 A JP 2007208645A JP 2009029766 A JP2009029766 A JP 2009029766A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
benzimidazole ring
bridged alicyclic
substituted benzimidazole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007208645A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5095300B2 (ja
Inventor
Akira Itaya
亮 板谷
Katsunori Funaki
克典 舩木
Akira Horai
晃 宝来
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP2007208645A priority Critical patent/JP5095300B2/ja
Priority to TW97119829A priority patent/TW200911758A/zh
Priority to US12/155,750 priority patent/US20090004508A1/en
Priority to EP08010623A priority patent/EP2003123A3/en
Priority to KR1020080056017A priority patent/KR20080110544A/ko
Publication of JP2009029766A publication Critical patent/JP2009029766A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5095300B2 publication Critical patent/JP5095300B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】高い耐熱性及び低い比誘電率を有するとともに、吸湿性の低い絶縁膜等の薄膜を形成しうるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)
Figure 2009029766

(式中、Zは有橋脂環骨格を示し、Y1は単結合又は2価の有機基を示し、Y2は単結合又は2〜3価の有機基を示し、Xは反応性官能基を示し、Raは水素原子又は炭化水素基を示す。Aは、N−置換ベンズイミダゾール基を示す)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体の製造などに用いられる絶縁膜等の薄膜、特に耐熱性、低吸湿性、低比誘電率の特性を有する絶縁膜等の薄膜とその製造方法、該薄膜を得るために有用なモノマー、該モノマーから得られるポリマー、これらを含む膜形成材料に関する。
近年、回路パターンの微細化が進む半導体プロセスにおいて、層間絶縁膜の低誘電率化が求められている。層間絶縁膜の低誘電率化には空孔構造の構築が効果的であるとされており、酸化ケイ素系の層間絶縁膜では、発泡剤等を用いた空孔構造の導入が提案されている。しかし、この方法では、空孔の形成は可能なものの、空孔の結合(空孔の連続化)が避けがたいため、機械的強度、熱的安定性に難点があり、半導体の製造における配線プロセスにおいて、膜破壊が生じるなどの重大な問題を抱えていた。
本発明者らは、多官能性の架橋性モノマーの重合により、分子レベルの空孔が形成された絶縁膜によれば、低誘電率化と高い機械的強度を両立しうることを見出した(例えば、特開2004−307804号公報参照)。しかし、前記の絶縁膜では、空気中に放置すると、薄膜の吸湿により、流れる電流の値が上昇するという問題があった。また、半導体の高集積化が進行する現状においては、より一層の低比誘電率化が求められている。
特開2004−307804号公報
本発明の目的は、半導体の製造に有用な高い耐熱性及び低い比誘電率を有するとともに、吸湿性の低い空孔構造を有する絶縁膜等の薄膜とその製造方法、これらを形成しうるモノマー、ポリマー、これらを含む膜形成材料を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、有橋脂環式骨格とN−置換ベンズイミダゾール環を有する化合物やポリマーから薄膜を形成すると、比誘電率が低くしかも吸湿性が極めて低い薄膜が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 2009029766
(式中、Zは有橋脂環骨格を示し、Y1は単結合又は2価の有機基を示し、Y2は単結合又は2〜3価の有機基を示し、Xは反応性官能基を示し、Raは水素原子又は炭化水素基を示す。Aは、下記式(a)又は(b)
Figure 2009029766
(式中、Rは1価の有機基を示す。何れの式も、左側がY1と結合する側、右側がY2と結合する側である)
で表される基を示す。nは2〜7の整数、mは0〜5の整数、kは0〜2の整数を示す。n+m=2〜7である。分子内の複数のY1、Y2、X、A、R及び複数存在する場合のX、Raは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい)
で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物
を提供する。
Zにおける有橋脂環骨格に係る有橋脂環には、下記式から選ばれる環、又はこれらが2以上結合した環が含まれる。
Figure 2009029766
Rにおける1価の有機基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらの2以上が、酸素原子若しくは硫黄原子を介して又は介することなく結合した基が含まれる。また、Rにおける1価の有機基として、下記式から選ばれる基が挙げられる。
Figure 2009029766
(式中、R1は単結合又は炭素数1〜50の2価の脂肪族炭化水素基を示す。jは0〜3の整数を示す)
1、Y2における2価の有機基には、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、2価の脂環式炭化水素基、アリレン基、2価の複素環式基、もしくはこれらの2価の有機基が2以上結合した基、又はこれらの2価の有機基の1又は2以上と、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)から選択された少なくとも1つの原子とが結合した基が含まれる。また、Y1、Y2における2価の有機基として、下記式から選ばれる2価の基、又はこれらが2以上結合した2価の基が挙げられる。
Figure 2009029766
(式中、R2は炭素数1〜50の2価の脂肪族炭化水素基を示す。R′は水素原子又は1価の有機基を示す。各式において、結合の左右の向きは問わない)
Xにおける反応性官能基には、置換基を有していてもよいエチニル基、置換基を有していてもよいビニル基、ハロゲン原子、無置換又はモノ置換アミノ基、ハロホルミル基、酸無水物基、酸アジド基、ヒドラジド基、シアノ基、アシル基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、イミン基及びアルコキシシリル基から選択された基が挙げられる。
本発明は、また、前記のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[但し、式(1)中のkは1又は2である]Aを重合して得られるN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体を提供する。
本発明は、さらに、前記のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[但し、式(1)中のkは1又は2である]Aと、前記N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物A中の反応性官能基Xに対して反応性を有する官能基又は官能基群を2以上有する多官能化合物Bとの反応により得られるN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体を提供する。
本発明は、さらに、下記式(5a)、(5b)又は(5c)
Figure 2009029766
[式中、Zは有橋脂環骨格を示し、Y1は単結合又は2価の有機基を示し、Y2は単結合又は2価の有機基を示し、Raは水素原子又は炭化水素基を示す。Aは、下記式(a)又は(b)
Figure 2009029766
(式中、Rは1価の有機基を示す。何れの式も、左側がY1と結合する側、右側がY2と結合する側である)
で表される基を示す]
で表される繰り返し単位を有するN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体を提供する。
前記のN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体の重量平均分子量は、例えば、200〜100000である。
本発明は、さらにまた、前記のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を溶媒に溶解させた膜形成材料を提供する。
本発明は、また、前記のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[但し、式(1)中のkは1又は2である]Aと、前記N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物A中の反応性官能基Xに対して反応性を有する官能基又は官能基群を2以上有する多官能化合物Bとを溶媒に溶解させた膜形成材料を提供する。
本発明は、さらに、前記のN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体を溶媒に溶解させた膜形成材料を提供する。
本発明は、さらにまた、前記の膜形成材料を基板上に塗布し、乾燥させるか、又は加熱により反応させて、薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方法を提供する。
本発明は、また、前記の薄膜の製造方法により形成された薄膜を提供する。
本発明のN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体は、有橋脂環骨格を中心骨格とし、且つN−置換ベンズイミダゾール環を有する構造単位を繰り返し単位として有するため、前記窒素原子に結合している置換基の極性抑制効果と立体排除効果により、吸湿性が極めて低く、しかも低比誘電率を持つ薄膜を形成できる。この薄膜は耐熱性、機械的強度にも優れる。
本発明のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物は、前記式(1)で表される。式中、Zは有橋脂環骨格を示し、Y1は単結合又は2価の有機基を示し、Y2は単結合又は2〜3価の有機基を示し、Xは反応性官能基を示し、Raは水素原子又は炭化水素基を示す。Aは前記式(a)又は(b)で表される基を示す。式(a)又は(b)において、Rは1価の有機基を示す。また、式(a)及び式(b)は、何れも、左側がY1と結合する側、右側がY2と結合する側である。
中心骨格Zとしての有橋脂環骨格の代表的な例として、前記式(2a)〜(2j)で表される環、又はこれらが2以上(例えば2〜3個)結合した環が挙げられる。
前記有橋脂環骨格の好ましい例としては、アダマンタン骨格(アダマンタン−1,3,5,7−テトライル基等)、ビアダマンタン骨格、テトラフェニルアダマンタン骨格、ノルボルナン骨格、テトラメチルノルボルナン骨格、ノルボルネン骨格、テトラメチルノルボルネン骨格などが挙げられる。中心骨格部分の分子量は、例えば40〜1460、好ましくは60〜500程度である。
1、Y2における2価の有機基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、2価の脂環式炭化水素基、アリレン基、2価の複素環式基、もしくはこれらの2価の有機基が2以上(例えば2〜5個)結合した基、又はこれらの2価の有機基の1又は2以上(例えば1〜5個)と、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)から選択された少なくとも1つの原子とが結合した基などが挙げられる。Y2における3価の有機基としては、上記2価の有機基に対応する3価の有機基が挙げられる。
アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、エチリデン、トリメチレン、イソプロピリデン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカメチレン基等の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状(好ましくは直鎖状)のアルキレン基が挙げられる。アルケニレン基としては、ビニレン、プロペニレン基等の炭素数2〜10の直鎖状又は分岐鎖状(好ましくは直鎖状)のアルケニレン基が挙げられる。アルキニレン基としては、例えば、エチニレン、プロピニレン基等の炭素数2〜10の直鎖状又は分岐鎖状(好ましくは直鎖状)のアルキニレン基が挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチレン、シクロへキシレン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン基等のシクロアルキレン基やシクロアルキリデン基;アダマンタン−1,3−ジイル基、1,3−ジメチルアダマンタン−5,7−ジイル基などの2価の有橋脂環式基等が挙げられる。アリレン基(arylene)としては、フェニレン、ベンジリデン、ナフチレン、アントラニレン基などが挙げられる。
2価の複素環式基に係る複素環としては、例えば、ベンズイミダゾール環(窒素原子に置換基を有していてもよい)、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、イミダゾール環(窒素原子に置換基を有していてもよい)、オキサゾール環、チアゾール環などが挙げられる。
これらの2価の有機基と酸素原子とが結合した2価の基としては、例えば、オキシエチレン基等の炭素数1〜10程度のオキシアルキレン基、炭素数2〜10程度のポリオキシアルキレン基、ジフェニルエーテルから水素原子を2個除いて誘導される2価の基などが挙げられる。
1、Y2における2価の有機基の代表的な例として、前記式(4a)〜(4n)から選ばれる2価の基、又はこれらが2以上(例えば2〜5個)結合した2価の基が挙げられる。式中の各環は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜50の炭化水素基等が挙げられる。
式中、R2は炭素数1〜50(好ましくは1〜20)の2価の脂肪族炭化水素基を示す。2価の脂肪族炭化水素基として、例えば、メチレン、エチレン、エチリデン、トリメチレン、プロピレン、イソプロピリデン、テトラメチレン、エチルエチレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、ドデカメチレン、ビニレン、プロペニレン、ヘキセニレン、オクテニレン、プロピニレン基などの直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基が挙げられる。
R′は水素原子又は1価の有機基を示す。前記1価の有機基としては、後述するRにおける1価の有機基と同様のものが挙げられる。Y2における3価の有機基の代表的な例としては、上記2価の有機基の代表的な例に対応する3価の有機基が挙げられる。
前記Xにおける反応性官能基としては、例えば、置換基を有していてもよいエチニル基、置換基を有していてもよいビニル基、ハロゲン原子、無置換又はモノ置換アミノ基、ハロホルミル基、酸無水物基、酸アジド基、ヒドラジド基、シアノ基、アシル基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、イミン基及びアルコキシシリル基などが挙げられる。
置換基を有していてもよいエチニル基における置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル基等のアルキル基(例えば、炭素数1〜10程度のアルキル基等);フェニル、ナフチル基等のアリール基(例えば、炭素数6〜20程度のアリール基等);トリメチルシリル、トリエチルシリル基等の置換シリル基(例えば、トリアルキルシリル基等)などが挙げられる。
置換基を有していてもよいビニル基における置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル基等のアルキル基(例えば、炭素数1〜10程度のアルキル基等);フェニル、ナフチル基等のアリール基(例えば、炭素数6〜20程度のアリール基等)などが挙げられる。
モノ置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基などのアルキルアミノ基;フェニルアリル基等のアリールアミノ基;ベンジルアミノ基等のアラルキルアミノ基等が挙げられる。
ハロホルミル基としては、−COCl、−COBr、−COIなどが挙げられる。アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等の炭素数1〜10程度のアシル基等が挙げられる。置換オキシカルボニル基には、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基(C1-4アルコキシ−カルボニル基等);フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基等が含まれる。イミン基には、前記アシル基にアンモニア又はアミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、アニリン等の炭素数1〜10程度のアミンなど)が反応して形成される基が含まれる。アルコキシシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のトリアルキルシリル基などが挙げられる。
Rにおける1価の有機基には、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらの2以上(例えば2〜4個)が酸素原子若しくは硫黄原子を介して、又は介することなく結合した基が含まれる。1価の有機基の総炭素数は、例えば1〜50、好ましくは2〜40である。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル、ドデシル基などの炭素数1〜40(好ましくは1〜30、さらに好ましくは1〜25)程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;ビニル、アリル、1−ブテニル、3−メチル−4−ペンテニル基などの炭素数2〜40(好ましくは2〜30、さらに好ましくは2〜25)程度の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基;エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル基などの炭素数2〜40(好ましくは2〜30、さらに好ましくは2〜25)程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などの3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは3〜12員)程度のシクロアルキル基、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル基などの3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは3〜10員)程度のシクロアルケニル基などの単環の脂環式炭化水素基;アダマンタン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環、パーヒドロアントラセン環、パーヒドロフェナントレン環、トリシクロデカン環、トリシクロウンデカン環、テトラシクロドデカン環、パーヒドロアセナフテン環、パーヒドロフェナレン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環など2〜4環程度の有橋脂環などを有する有橋脂環式炭化水素基(橋かけ環炭化水素基)などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナンスリル、ピレニル基などの炭素数6〜20(好ましくは6〜14)程度の芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した炭化水素基には、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル基などのシクロアルキル−アルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル−C1-4アルキル基など);アダマンチルメチル、アダマンチルエチル、ノルボルニルメチル、ノルボルニルエチル基等の有橋脂環式基−アルキル基等が挙げられる。また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した炭化水素基には、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、ビフェニルメチル基等のアラルキル基(例えば、C7-18アラルキル基など)、アルキル置換アリール基(例えば、1〜4個程度のC1-4アルキル基が置換したフェニル基又はナフチル基など)などが含まれる。
前記脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの結合した基は、置換基を有していてもよい。置換基としては反応や重合後の高分子量重合体の物性を損なわないものであれば特に限定されない。
Rにおける1価の有機基の代表的な例として、前記式(3a)〜(3i)から選ばれる基が挙げられる。式中、R1は単結合又は炭素数1〜50(好ましくは1〜39)の2価の脂肪族炭化水素基を示す。jは0〜3の整数を示す。R1における炭素数1〜50の2価の脂肪族炭化水素基としては、前記R2における炭素数1〜50の2価の脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。式中の各環は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜50の炭化水素基等が挙げられる。
aにおける炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの結合した基などが含まれる。脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの結合した基としては、前記Rにおいて例示した基等が挙げられる。
式(1)において、nは2〜7の整数(好ましくは3又は4、さらに好ましくは4)、mは0〜5の整数、kは0〜2の整数を示す。n+m=2〜7である。分子内の複数のY1、Y2、X、A、R及び複数存在する場合のX、Raは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
式(1)で表される化合物は、公知化合物又は公知化合物から誘導される誘導体を出発原料として、縮合反応、置換反応、付加反応、酸化反応、環化反応等の反応を利用して合成できる。例えば、式(1)で表される化合物は、式(a)又は式(b)におけるRが水素原子である対応する化合物に、塩基の存在下、ハロゲン化合物:RX1(X1はハロゲン原子を示す。Rは前記に同じ)を反応させることにより得ることができる。塩基としては、例えば、水素化ナトリウムなどを使用できる。反応は、溶媒[例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジメチルイミダゾリジン、ジメチルイミダゾリジノン(ジメチルイミダゾリジン−ジオン)等の環状アミノアセタール類など]中、−20℃〜120℃程度の温度で行うことができる。この反応で原料として用いる化合物におけるベンズイミダゾール骨格は、アルデヒド化合物と、ベンゼン環のオルト位にアミノ基が2つ結合したジアミン化合物とを、溶媒(例えば、前記例示の溶媒)中、酸素雰囲気下、−30℃〜150℃程度の温度で反応させることにより形成できる。
本発明のN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体には、(i)前記N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[但し、式(1)中のkは1又は2である]A(以下、単に「化合物A」と称することがある)を重合して得られる重合体、(ii)化合物Aと、化合物A中の反応性官能基Xに対して反応性を有する官能基又は官能基群を2以上有する多官能化合物B(以下、単に「化合物B」と称することがある)との反応により得られる重合体、及び(iii)前記式(5a)、(5b)又は(5c)で表される繰り返し単位を有するN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体が含まれる。本発明のN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体の重量平均分子量は、例えば200〜100000、好ましくは1000〜80000、さらに好ましくは5000〜60000である。
上記(i)の重合体は、化合物A中のXが自己反応性を有する官能基(X同士が反応する官能基;例えば、置換基を有していてもよいエチニル基等)の場合に得ることができる。重合に付す化合物Aは1種であってもよく2種以上であってもよい。
上記(ii)の重合体を製造する際、化合物Bにおいて、化合物A中の反応性官能基Xに対して反応性を有する官能基としては、公知のものを使用できる。例えば、化合物Aの反応性官能基Xが置換基を有していてもよいエチニル基の場合は、化合物Bの反応性官能基として、置換基を有していてもよいエチニル基などが挙げられる。化合物Aの反応性官能基Xがハロゲン原子、ハロホルミル基、酸無水物基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基の場合は、化合物Bの反応性官能基として、無置換又はモノ置換アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基などが挙げられる。化合物Aの反応性官能基Xが無置換又はモノ置換アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基の場合は、化合物Bの反応性官能基として、ハロゲン原子、ハロホルミル基、酸無水物基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基などが挙げられる。化合物Aの反応性官能基Xがアシル基の場合は、化合物Bの反応性官能基としてアミノ基等が挙げられる。また、化合物Aの反応性官能基Xがアルコキシシリル基の場合は、化合物Bの反応性官能基として、アルコキシシリル基などが挙げられる。
なお、化合物Aの反応性官能基Xと化合物Bの反応性官能基の組合せが次の場合には、反応により複素環が形成される。すなわち、化合物Aの反応性官能基と化合物Bの反応性官能基のうち、一方がカルボキシル基、置換オキシカルボニル基、ハロホルミル基又はホルミル基であり、他方が隣接する炭素原子に結合した2つのアミノ基の場合には、イミダゾール環等(他方がベンゼン環のオルト位の炭素原子に結合した2つのアミノ基の場合にはベンズイミダゾール環)が形成され、一方がカルボキシル基、置換オキシカルボニル基、ハロホルミル基又はホルミル基であり、他方が隣接する炭素原子に結合したアミノ基とヒドロキシル基の場合には、オキサゾール環等(他方がベンゼン環のオルト位の炭素原子に結合したアミノ基とヒドロキシル基の場合にはベンズオキサゾール環)が形成され、一方がカルボキシル基、置換オキシカルボニル基、ハロホルミル基又はホルミル基であり、他方が隣接する炭素原子に結合したアミノ基とメルカプト基の場合には、チアゾール環等(他方がベンゼン環のオルト位の炭素原子に結合したアミノ基とメルカプト基の場合にはベンズチアゾール環)が形成される。
化合物Bとしては2官能〜4官能の化合物であるのが好ましい。化合物Bの代表的な例として、例えば、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、1,5−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジメルカプトベンゼン、1,5−ジアミノ−2,4−ジメルカプトベンゼン3,3′−ジアミノベンジジンなどが挙げられる。これらの化合物は、化合物Aの反応性官能基Xが、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、ハロホルミル基又はホルミル基の場合などに用いることができ、反応により上記複素環が形成される。また、化合物Bは、主鎖又は側鎖に化合物A中の反応性官能基Xに対して反応性を有する官能基を有するポリマーであってもよい。この場合、化合物Aは架橋剤として作用する。
上記(iii)の重合体において、式(5a)、(5b)、(5c)中、Zは有橋脂環骨格を示し、Y1は単結合又は2価の有機基を示し、Y2は単結合又は2価の有機基を示し、Raは水素原子又は炭化水素基を示す。Aは、前記式(a)又は(b)で表される基を示す。式(a)、(b)において、Rは1価の有機基を示す。式(a)、式(b)の何れも、左側がY1と結合する側、右側がY2と結合する側である。式(5a)、(5b)又は(5c)で表される繰り返し単位の数は、例えば5〜25、好ましくは10〜20程度である。
Zにおける有橋脂環骨格、Y1、Y2における2価の有機基、Raにおける炭化水素基、Rにおける1価の有機基は前記と同様である。
式(5a)、(5b)、(5c)で表される繰り返し単位を有する重合体のうち、Aが式(a)で表される基である重合体は、下記式(7)
Figure 2009029766
(式中、Z、Y1、Raは前記に同じ。qは2〜4の整数を示し、pは0〜2の整数を示す。p+q=2〜4である。)
で表されるホルミル基含有有橋脂環式化合物と、下記式(8)
Figure 2009029766
(式中、Y2は前記に同じ)
で表される多官能アミン化合物とを反応(重合)させた後、通常、生成ポリマーの末端のジアミノフェニル基を、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド化合物と反応させてキャップをし、次いで、RX1(X1はハロゲン原子を示す。Rは前記に同じ)を反応させて、形成されたベンズイミダゾール環のNH基の窒素原子にRを導入することにより製造することができる。なお、p=2、q=2の場合は、式(5a)で表される化合物、p=1、q=3の場合は、式(5b)で表される化合物、p=0、q=4の場合には、式(5c)で表される化合物が得られる。
また、式(5a)、(5b)、(5c)で表される繰り返し単位を有する重合体のうち、Aが式(b)で表される基である重合体は、下記式(9)
Figure 2009029766
(式中、Z、Y1、Raは前記に同じ。qは2〜4の整数を示し、pは0〜2の整数を示す。p+q=2〜4である。)
で表されるアミノ基含有有橋脂環式化合物と、下記式(10)
Figure 2009029766
(式中、Y2は前記に同じ)
で表される多官能アルデヒド化合物とを反応(重合)させた後、通常、生成ポリマーの末端のホルミル基を、o−ジアミノベンゼンなどの隣接する炭素原子に2つのアミノ基が結合したジアミン化合物と反応させてキャップをし、次いで、RX1(X1はハロゲン原子を示す。Rは前記に同じ)を反応させて、形成されたベンズイミダゾール環のNH基の窒素原子にRを導入することにより製造することができる。なお、p=2、q=2の場合は、式(5a)で表される繰り返し単位を有する重合体、p=1、q=3の場合は、式(5b)で表される繰り返し単位を有する重合体、p=0、q=4の場合には、式(5c)で表される繰り返し単位を有する重合体が生成する。
式(7)で表されるホルミル基含有有橋脂環式化合物と式(8)で表される多官能アミン化合物との反応、式(9)で表されるアミノ基含有有橋脂環式化合物と式(10)で表される多官能アルデヒド化合物との反応、及び末端をキャップ化する反応は、溶媒[例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジメチルイミダゾリジン、ジメチルイミダゾリジノン(ジメチルイミダゾリジン−ジオン)等の環状アミノアセタール類など]中、酸素雰囲気下、−30℃〜150℃程度の温度で行うことができる。また、RX1を用いたいわゆるアルキル化反応は、例えば水素化ナトリウムなど塩基の存在下、溶媒(例えば、前記例示の溶媒)中、−20℃〜120℃程度の温度で行うことができる。なお、ポリマー末端のキャップ化を行うのは、ポリマーの末端を疎水化して吸湿性を下げるためである。
本発明の膜形成材料には、(i)式(1)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を溶媒に溶解させた膜形成材料、(ii)前記化合物A[式(1)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物のうち、kが1又は2であるもの]と前記化合物Bとを溶媒に溶解させた膜形成材料、及び(iii)前記N−置換ベンズイミダゾール環含有重合体を溶媒に溶解させた膜形成材料が含まれる。溶媒に溶解させる上記の各成分は1種であっても2種以上であってもよい。
なお、前記(ii)において、化合物A中の反応性官能基Xが置換基を有していてもよいエチニル基である場合、化合物Bとして、分子内に置換基を有していてもよいエチニル基(前記例示の置換基を有していてもよいエチニル基等)を2以上(例えば、2〜4個)有する化合物を使用できる。このような化合物として、例えば、1,3,5,7−テトラキス(4−フェニルアセチレン)アダマンタン、1,3,5−トリス(4−フェニルアセチレン)アダマンタン、1,3,5−トリス(4−フェニルアセチレン)ベンゼンなどの2以上のエチニル基(アセチレン基)を有する化合物などが挙げられる。また、化合物Bとして、主鎖又は側鎖に置換基を有していてもよいエチニル基を含むポリマーが挙げられる。前記エチニル基を含有する化合物Aとこのようなエチニル基含有ポリマーとを含む絶縁膜形成材料においては、前記エチニル基を含有する化合物Aは架橋剤として機能する。例えば、前記エチニル基を含有する化合物Aとエチニル基含有ポリマーとを含む絶縁膜形成材料(薬液)を基板に塗布した後、室温から600℃まで、好ましくは400℃まで加熱すると、架橋反応が進行し、架橋構造を有する高い耐熱性と機械的強度を示す膜を得ることができる。エチニル基を含有する化合物A及び他のエチニル基含有化合物は、それぞれ、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
溶媒としては、有機溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジメチルイミダゾリジン、ジメチルイミダゾリジノン(ジメチルイミダゾリジン−ジオン)等の環状アミノアセタール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;スルホン類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、安息香酸エステル、乳酸エチル、γ―ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などのエステル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)などのエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタンなどのニトロ化合物;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;これらの混合溶媒などが挙げられる。
本発明の膜形成材料は、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。このような成分として、前記各溶解成分の合成に用いた原料成分などが挙げられる。また、他の添加成分として、重合や環化反応等を促進するための触媒を用いることもできる。触媒の代表的な例として、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒、塩基触媒などが挙げられる。触媒の使用量は、式(1)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[(i)の場合]、化合物A及び化合物B[(ii)の場合]、又はN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体[(iii)の場合]に対して、例えば0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%程度である。
本発明の膜形成材料には、塗布性を改善するため、溶液の粘性を高める増粘剤を添加してもよい。増粘剤の代表的な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのアルキレングリコール類やポリアルキレングリコール類などが挙げられる。増粘剤の使用量は、膜形成材料全体に対して、例えば0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%程度である。
本発明の膜形成材料には、基板上に形成される被膜の基板密着性を高めるための密着促進剤を添加してもよい。密着促進剤の代表的な例としては、トリメトキシビニルシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレートなどが挙げられる。密着促進剤の使用量は、膜形成材料を構成する式(1)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[(i)の場合]、化合物A及び化合物B[(ii)の場合]、又はN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体[(iii)の場合]に対して、例えば0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%程度である。
各成分の有機溶媒への溶解は、各成分等が酸化されない程度において、例えば空気雰囲気下で行ってもよいが、好ましくは窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行われる。各成分等を溶解させる温度は、特に限定されず、各溶解成分等の溶解性や安定性、溶媒の沸点等に応じて加熱してもよく、例えば、0〜200℃、好ましくは10〜150℃程度である。
膜形成材料中の式(1)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[(i)の場合]、化合物A及び化合物B[(ii)の場合]、又はN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体[(iii)の場合]の濃度(総濃度)は、各溶解成分の溶解性、塗布性、作業性等を考慮して適宜選択でき、例えば5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%程度である。
本発明の薄膜(空孔構造を有する薄膜)は、例えば、上記の膜形成材料を塗布液として基材上に塗布した後、乾燥させるか、又は加熱することにより得られる。より具体的には、例えば加熱(焼成)等により、溶媒を揮発させたり、さらに重合や環化反応させることにより得られる。前記基材としては、例えば、シリコンウェハー、金属基板、セラミック基板などが挙げられる。塗布方法としては、特に限定されず、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法などの慣用の方法を用いることができる。
加熱温度は、溶媒が揮発する温度、又はさらにモノマー成分を重合体に転化できる温度であれば特に制限されないが、一般には25〜500℃(例えば100〜500℃)、好ましくは25〜450℃(例えば150〜450℃)程度である。加熱は一定温度で行ってもよく、段階的温度勾配を付けて行ってもよい。加熱操作は、形成される薄膜の性能に影響がない限り、例えば空気雰囲気下で行われてもよいが、好ましくは不活性ガス(窒素、アルゴンなど)雰囲気下、又は真空雰囲気下で行われる。
加熱により、溶媒が揮発し、さらには、モノマー成分(前記式(1)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物のうちXが自己反応性官能基である化合物[(i)の場合]、化合物A及び化合物B[(ii)の場合])が重合して重合体(ポリマー)が生成する。
本発明において、例えば、モノマー成分[前記式(7)や式(9)で表される化合物も含む]として4官能化合物[例えば、式(1)において、n=4、m=0である化合物、式(7)又は(9)において、q=4、p=0である化合物]を用いた場合には、中心骨格(例えば、アダマンタン骨格)を頂点(架橋点)として4方向に架橋した構造(3つの6角形が互いに2辺を共有してなるユニット)を持ち多数の空孔を有する網目状の高分子膜を形成することができる。モノマー成分として3官能化合物[例えば、式(1)において、n=3、m=1である化合物、式(7)又は(9)において、q=3、p=1である化合物]を用いた場合には、中心骨格(例えば、アダマンタン骨格)を頂点(架橋点)として3方向に架橋した構造(3つの6角形が互いに2頂点又は2辺を共有してなるユニット)を持ち多数の空孔を有する高架橋型高分子膜が形成される。モノマー成分として2官能化合物[例えば、式(1)において、n=2、m=2である化合物、式(7)又は(9)において、q=2、p=2である化合物]を用いた場合には、ポリマー分子鎖中のセグメント間の排除体積効果により、1ポリマー分子が存在する領域への他の分子鎖の貫通が制限されるため、モノマー混合物から直接高分子量重合体を得る場合と比べて疎な充填構造を有する空孔率の高い高分子膜を形成することができる。
また、モノマー成分として、4官能化合物又は3官能化合物と2官能化合物とを組み合わせて用いた場合には、隣接する架橋点(又は結節点)同士の距離(辺)が長く大きい空孔が形成され、結果として極めて低い誘電率を達成することができる。より詳細には、4官能化合物は4方向へ分岐した3次元構造を有する架橋点を、3官能化合物は3方向へ分岐した3次元構造を有する架橋点をそれぞれ形成することにより、4官能化合物及び/又は3官能化合物と2官能化合物とが結合して疎な空孔構造からなるポリマーを生成することができる。なお、4官能化合物(3官能化合物)単独では、重合時に架橋点が多く形成されるため高密度化し、また、分子の自由度が減少するため未架橋点を生じ、比誘電率を上昇させる場合がある。このため、4官能化合物と3官能化合物とを組み合わせて用いることにより、互いに立体的な障害を生じて、2官能化合物との結合による重合反応により形成される空隙が大きく、低密度の疎な空孔構造を有するポリマーとなる点で有利ある。
また、モノマー成分として互いに反応する官能基を有する2種の3又は4官能化合物を用いた場合には、モノマー成分同士の立体障害により重合反応時に密度の低下を防ぐことができるため、巨大分子レベルの空孔構造を有するポリマーを得ることができる。すなわち、モノマー成分に用いる3又は4官能化合物は、中心骨格(例えば、アダマンタン骨格)を中心とする四面体(ほぼ正四面体)であって、正四面体の中心部(例えば、アダマンタン骨格中心部分)から、末端官能基までの間に、ベンズイミダゾール環のN−アルキル化により導入された嵩高い部分を有するため、四面体構造の空間内部への他のモノマーの貫入を防ぎ、さらに、伸長中のオリゴマー、ポリマー等の侵入も制限される。このため、両モノマー成分が本来有する四面体構造が保持され、これらの四面体の容積に対応するサイズの空孔が規則正しく配置された密度の低い構造を有するポリマーを形成することができる。さらに、ベンズイミダゾール環のN−アルキル化によりモノマー分子に導入された部位は低極性であるため、固有の誘電率が低く(約2.0)、膜の誘電率を下げる効果を与える役割を果たしている。
このように形成されたポリマーからなる薄膜は内部に多数の分子レベルの空孔を均一に分散して有するため、空孔率が高く、それゆえ比誘電率が低い。また、架橋により十分な耐熱性及び機械的強度を有する上、配線からの銅の拡散が極めて少ないという利点を有する。また、特に、本発明のN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体は、有橋脂環骨格を中心骨格とし、且つN−置換ベンズイミダゾール環を有する構造単位を繰り返し単位として有するため、前述したように、前記窒素原子に結合している置換基によって、極性が小さくなるだけでなく、中心骨格に低分子化合物等が近づきにくくなるため、薄膜の吸湿性及び比誘電率を極めて低くできる。
加熱により形成される薄膜の膜厚は、用途に応じて適宜設定できるが、一般には50nm以上(50〜2000nm程度)、好ましくは100nm以上(100〜2000nm程度)、さらに好ましくは300nm以上(300〜2000nm程度)である。膜厚が50nm未満では、リーク電流が発生するなどの電気的特性に悪影響を及ぼしたり、半導体製造工程における化学的機械研磨(CMP)による膜の平坦化が困難となるなどの問題が生じやすいため、特に層間絶縁膜用途としては適さない。
本発明の薄膜は、低誘電率且つ高耐熱性を示すため、例えば、半導体装置等の電子材料部品における絶縁被膜として使用することができ、特に層間絶縁膜として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。高分子膜の膜厚はエリプソメーターを用いて測定した。高分子膜の比誘電率は膜の表面にAl電極を形成して測定した。赤外線吸収スペクトルの測定はうす膜による透過法を採用した。
製造例1
Figure 2009029766
反応容器(三ツ口フラスコ)に、上記式(B)で表される3,3’−ジアミノベンジジン77.68g(0.362mol)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)307gを加えて溶解させた後、氷浴で0℃以下に保った。この反応容器へ、上記式(A)で表されるアダマンタンテトラキスベンズアルデヒド10.1g(0.018mol)をDMAc501gに溶解させた溶液を、滴下ロートを用いて6ml/minの速度で滴下した。滴下中、反応溶液内の液温が0℃を超えないように注意した。滴下終了後、滴下ロートをDMAc105gで洗浄し、これも反応容器内に滴下した。反応液に、テフロン(登録商標)チューブを用いて酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを導入しながら、反応容器をオイルバスにより加熱して液温を90℃に保ち、9時間反応させた。反応終了後、反応液を、別の容器中の水9.13kgへ滴下し、沈殿と上澄みからなるスラリーを、滴下終了後から約1時間撹拌した。撹拌中、反応液は、アミンの酸化を防止するため窒素をバブリングさせた。生成した沈殿物を濾別し、反応容器に再度移し、水1.83kgを加えて窒素雰囲気下、加熱還流を30分施して熱水洗浄を施した。温度が下がらないうちに沈殿物を濾別した後、得られた濾過物を真空乾燥機で乾燥させた。
乾燥終了後、得られた沈殿を還流管を備えた反応容器へ移し、テトラヒドロフラン(THF)1.83kgを加え、窒素雰囲気下で加熱還流することによりTHF洗浄を施した。再度固形分を濾別し、真空乾燥機で乾燥した生成物のNMRスペクトル、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、図1に示されるNMRスペクトルデータ及び図2に示される赤外線吸収スペクトルデータにより、上記式(C)で表されるアミノ基含有アダマンタン誘導体が形成されていることを確認した。アミノ基含有アダマンタン誘導体の収量は24.5g、収率は90%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.32(12H<−CH2−>), 4.60(16H<−NH2>),6.62−6.97(12H<芳香環プロトン>), 7.53−7.78(12H<芳香環プロトン>),7.87(8H),8.24(8H),12.85(4H)
[赤外線吸収スペクトルデータ(cm-1)]
3419(N−H<伸縮振動>),2933(−CH2−のC−H<伸縮振動>),1623(−C=N−<伸縮振動>),1420−1520(芳香環<面内振動>),1280(芳香族−NH2<伸縮振動>)
製造例2
Figure 2009029766
100mL二口ナスフラスコに、式(C)で表されるアミノ基含有アダマンタン誘導体6g(4.5mmol)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)100gを加え、窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌した。この溶液に、式(D)で表されるベンズアルデヒド2.0g(19mmol)を滴下した。100℃に昇温し、溶液をエアバブリングさせながら、13時間撹拌した。反応混合液を水500mLに滴下し、濾過することにより、固体状の式(E)で表されるアダマンタン誘導体(末端キャップ化化合物)を6.5g得た。収率は86%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.1−2.4(12H),7.4−8.4(60H),13.0(8H)
実施例1
Figure 2009029766
50mL二口ナスフラスコに、水素化ナトリウム0.48g(20.0mmol)を入れ、窒素雰囲気下、0℃で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)10gを加えた。式(E)で表される固体1.5g(0.9mmol)をDMAc15gに溶解させてから滴下ロートに入れ、0℃でナスフラスコ内に滴下し、そのまま30分撹拌した。式(F)で表される4−フェニルブチルクロライド3.3g(20.0mmol)を滴下し、60℃で10時間撹拌した。反応混合液を、メタノール200mLに滴下し、その溶液を濾過し、固体状の式(G)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を2.2g得た。収率は90%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):1.2(16H),1.5(16H),1.7(16H),2.2−2.5(12H),4.4(16H),6.8−8.0(100H)
製造例3
Figure 2009029766
反応容器(三ツ口フラスコ)に、上記(H)で表される4−エチニルベンズアルデヒド2.08gをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)20gに溶解させた溶液を入れ、これに、室温で、上記式(C)で表されるアミノ基含有アダマンタン誘導体2.65gをDMAc25gに溶解させた溶液を、滴下ロートを用いて滴下した。滴下終了後、滴下ロートをDMAc10gで洗浄し、これも反応容器内に滴下した。反応液に、テフロン(登録商標)チューブを用いて酸素濃度5モル%の酸素窒素混合ガスを導入しながら、反応容器をオイルバスにより加熱して液温を80℃に保ち、7時間反応させた。反応終了後、反応液を、別の容器中の水800gへ滴下し、沈殿と上澄みからなるスラリーを、滴下終了後から約1時間撹拌した。生成した沈殿物を濾別し、反応容器に再度移し、メタノール400gを加え、1時間撹拌した。沈殿物を濾別した後、得られた濾過物を真空乾燥機で乾燥させた。乾燥終了後、得られた沈殿をDMAc50gに溶解させ、メタノール400gに滴下した。沈殿物を濾別した後、真空乾燥機で乾燥させた。生成物のNMRスペクトル、赤外線吸収スペクトルを測定し、上記式(I)で表されるエチニル基含有アダマンタン誘導体が形成されていることを確認した。エチニル基含有アダマンタン誘導体の収量は3.09g、収率は87%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.32(12H<アダマンタン −CH2−>),4.38(4H<エチニル C−H>),7.54−8.26(6H<芳香環 C−H>),13.05(4H<イミダゾール N−H)
[赤外線吸収スペクトルデータ(cm-1)]
3422(N−H<伸縮振動>),2930(−CH2−のC−H<伸縮振動>),2220(エチニル基の<伸縮振動>,1620(−C=N−<伸縮振動>),1420−1520(芳香環<面内振動>),1280(芳香族−N−H<伸縮振動>),809(C−H<面外変角振動>
実施例2
Figure 2009029766
50mL二口ナスフラスコに、水素化ナトリウム0.48g(20.0mmol)を入れ、窒素雰囲気下、0℃で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)10gを加えた。式(I)で表されるエチニル基含有アダマンタン誘導体1.6g(0.9mmol)をDMAc15gに溶解させてから滴下ロートに入れ、0℃でナスフラスコ内に滴下し、そのまま30分撹拌した。式(J)で表されるベンジルクロライド2.6g(20.2mmol)を滴下し、60℃で5時間撹拌した。反応混合液を、水200mLに滴下し、その溶液を濾過し、固体状の式(K)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を2.0g得た。収率は90%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):2.1−2.3(12H),3.2(4H),5.5(16H),7.1−8.1(96H)
実施例3
Figure 2009029766
50mL二口ナスフラスコに、水素化ナトリウム0.48g(20.0mmol)を入れ、窒素雰囲気下、0℃で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)10gを加えた。式(I)で表されるエチニル基含有アダマンタン誘導体1.5g(0.9mmol)をDMAc15gに溶解させてから滴下ロートに入れ、0℃でナスフラスコ内に滴下し、そのまま30分撹拌した。式(F)で表される4−フェニルブチルクロライド3.3g(20.2mmol)を滴下し、100℃で10時間撹拌した。反応混合液を、水200mLに滴下し、沈殿物を濾過して、固体状の式(L)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を2.5g得た。収率は85%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):1.6(16H),1.8(16H),2.2−2.5(12H),2.6(16H),3.2(4H),4.3(16H),6.8−8.0(96H)
製造例4
Figure 2009029766
反応容器(三ツ口フラスコ)に、上記式(B)で表される3,3’−ジアミノベンジジン3.54g(16.1mmol)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)32gを加えて溶解させた後、テフロン(登録商標)チューブを用いて溶液に空気を吹き込みながら氷浴で0℃以下に保った。この反応容器へ、上記式(A)で表されるアダマンタンテトラキスベンズアルデヒド10.1g(1.6mmol)をDMAc33gに溶解させた溶液を、滴下ロートを用いて,反応容器内の液温が0℃を超えないように1時間かけて滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を90℃にし、撹拌しながら6時間反応させた。反応終了後、反応液を500gの水に滴下し、沈殿と上澄みとからなるスラリーを、滴下終了後約1時間攪拌した。アミンの酸化を防止するために、撹拌液には窒素ガスをバブリングさせた。沈殿物を濾別し、反応容器に再度移し、水1.83kgを加えて、窒素雰囲気下、加熱還流を30分施し、熱水洗浄を施した。温度が下がらないうちに沈殿物を濾別した後、真空乾燥機で乾燥させ、重量平均分子量が22000の式(M)で表される重合体(前駆体ポリマー)2.1gを得た。なお、式中のn1は正の整数(繰り返し単位の数)を示す(以下、同じ)。
製造例5
Figure 2009029766
100mL二口ナスフラスコに、式(M)で表される重合体(前駆体ポリマー)2gを入れ、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)100gを加え、窒素雰囲気下、室温で10分間撹拌した。この溶液に、式(D)で表されるベンズアルデヒド2.0g(19mmol)を滴下した。100℃に昇温し、溶液にエアーをバブリングさせながら、13時間撹拌した。反応混合液を水500mLに滴下し、沈殿物を濾過し、真空乾燥したところ、式(N)で表される末端キャップ型ポリマーの固体1.9g(収率90%)が得られた。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.1−2.4(12H),7.4−8.4(60H),13.0(8H)
実施例4
Figure 2009029766
50mL二口ナスフラスコに、水素化ナトリウム0.48g(20.0mmol)を入れ、窒素雰囲気下、0℃で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)10gを加えた。式(N)で表される末端キャップ型ポリマー1.5g(0.9mmol)をDMAc15gに溶解させてから滴下ロートに入れ、0℃でナスフラスコ内に滴下し、そのまま30分撹拌した。式(J)で表されるベンジルクロライド2.6g(20.2mmol)を滴下し、60℃で10時間撹拌した。反応混合液を、メタノール200mLに滴下し、その溶液を濾過し、固体状の式(O)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を2.0g得た。収率は90%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):1.2(16H),1.5(16H),1.7(16H),2.2−2.5(12H),4.4(16H),6.8−8.0(100H)
製造例6
Figure 2009029766
1000mLの4つ口フラスコに、上記式(P)で表される4−エチニル−1,2−ジアミノベンゼン9.6g(72.0mmol)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)50gを加えて溶解させた後、テフロン(登録商標)チューブを用いて、溶液に空気を吹き込みながら25℃に保った。この混合液に、上記式(A)で表されるアダマンタンテトラキスベンズアルデヒド5.0g(9mmol)をDMAc100gに溶解させた溶液を、滴下ロートを用いて1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、25℃で1時間撹拌し、次いで反応液を80℃まで昇温し、撹拌しながら24時間反応させた。反応終了後、25℃まで冷却し、純水600gを滴下し、沈殿と上澄みからなるスラリーを、滴下終了後から約1時間撹拌した。生成した沈殿物を濾別し、反応容器に再度移し、メタノール600gを加えて1時間撹拌した。沈殿物を濾別した後、得られた濾過物を真空乾燥機で乾燥させた。乾燥終了後、得られた沈殿をDMAc150gに溶解させ、そこにメタノール600gを滴下した。沈殿物を濾別した後、得られた濾過物を真空乾燥機で乾燥させた。生成物の1H−NMRスペクトルを測定し(図3参照)、上記式(Q)で表されるエチニル基含有アダマンタン誘導体が形成されていることを確認した。エチニル基含有アダマンタン誘導体の収量は5.4g、収率は60%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.1(12H),4.0−4.1(4H),7.2−8.2(28H),13.1(4H)
実施例5
Figure 2009029766
100mLの4つ口フラスコに、水素化ナトリウム0.4g(16mmol)を入れ、窒素雰囲気下、25℃で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)10gを加えた。そこに、上記式(J)で表されるベンジルクロライド2.0g(16mmol)を加えた。上記式(Q)で表されるエチニル基含有アダマンタン誘導体2g(2mmol)をDMAc10gに溶解させてから滴下ロートに入れ、25℃で上記4つ口フラスコ内に滴下し、滴下終了後、80℃で6時間撹拌した。反応終了後、25℃まで冷却し、反応液にメタノール10gを加えた。その後、純水50gを加え、固体を析出させた。固形分を濾別し、真空乾燥機にて乾燥させた。生成物の1H−NMRスペクトルを測定し(図4参照)、上記式(R)で表されるN−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物が形成されていることを確認した。N−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物の収量は1.5g、収率は55%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):2.2(12H),3.00(4H),5.45(8H),7.0−8.1(60H)
実施例6
Figure 2009029766
100mLの4つ口フラスコに、水素化ナトリウム0.4g(16mmol)を入れ、窒素雰囲気下、25℃で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)10gを加えた。そこに、上記式(F)で表される4−フェニルブチルクロライド2.7g(16mmol)を加えた。上記式(Q)で表されるエチニル基含有アダマンタン誘導体2g(2mmol)をDMAc10gに溶解させてから滴下ロートに入れ、25℃で上記4つ口フラスコ内に滴下し、滴下終了後、80℃で6時間撹拌した。反応終了後、25℃まで冷却し、反応液にメタノール10gを加えた。その後、純水50gを加え、オイル分をデカンテーションにて分離した。その後、再度DMAc10gに溶解させ、メタノール10g、純水10gを加えることで固形分を析出させた。固形分を濾別し、真空乾燥機にて乾燥させた。生成物の1H−NMRスペクトルを測定し(図5参照)、上記式(S)で表されるN−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物が形成されていることを確認した。N−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物の収量は0.75g、収率は25%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):1.17(8H),1.60(8H),1.88(8H),2.1(12H)、2.94−3.1(4H),4.25(8H),7.2−8.2(60H)
実施例7
Figure 2009029766
100mLの4つ口フラスコに、水素化ナトリウム0.25g(10mmol)を入れ、窒素雰囲気下、25℃で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)20gを加えた。そこに、上記式(T)で表される1−ブロモドコサン3.2g(10mmol)を加えた。上記式(Q)で表されるエチニル基含有アダマンタン誘導体2g(2mmol)をDMAc10gに溶解させてから滴下ロートに入れ、40℃で上記4つ口フラスコ内に滴下し、滴下終了後、80℃で8時間撹拌した。反応終了後、25℃まで冷却し、反応液にメタノール80gを加えた。その後、ヘキサン160gを加え、撹拌した後、分液させ、ヘキサン層を取り出した。ヘキサン層に純水100gを加えて撹拌し、分液させて、再度ヘキサン層を取り出した。このヘキサン層を濃縮し、展開溶媒としてヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行った。得られたヘキサン溶液(溶出液)を24時間静置し、固形分を沈殿させた。沈殿した固形分をデカンテーションにて固液分離し、真空乾燥機にて乾燥させた。生成物の1H−NMRスペクトルを測定し(図6参照)、上記式(U)で表されるN−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物が形成されていることを確認した。N−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物の収量は1.0g、収率は22%であった。
[NMRスペクトルデータ]
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):0.8(12H),1.2(152H),1.8(8H),2.3(12H)、3.0−3.1(4H),4.2(8H),7.3−8.0(28H)
評価試験1
製造例2で得られた式(E)で表されるアダマンタン誘導体(末端キャップ化化合物)をDMAcと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)の混合液(重量比1:1)に溶解させ、10重量%の溶液を調製した。この溶液をスピンコータを用いてウエハ上に塗布した。塗布ウエハを電気炉中、窒素雰囲気下、250℃で1時間加熱することによって、溶媒を完全に揮発させた。こうして得られた薄膜(膜厚:250nm)の電気特性を調べたところ、比誘電率は3.4であった。また、薄膜を空気中に放置すると、薄膜の吸湿により流れる電流の値が上昇した。
一方、実施例1で得られた式(G)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を同様にして処理して得られた薄膜(膜厚:200nm)の電気特性を調べた結果、吸湿の影響による電流値の上昇は得られなかった。また、比誘電率は3.0であった。
評価試験2
製造例3で得られた式(I)で表されるエチニル基含有アダマンタン誘導体をDMAcと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)の混合液(重量比1:1)に溶解させ、10重量%の溶液を調製した。この溶液をスピンコータを用いてウエハ上に塗布した。塗布ウエハを電気炉中、窒素雰囲気下、400℃で30分加熱することによって、架橋反応を進行させた。こうして得られた薄膜(膜厚:300nm)の電気特性を調べたところ、比誘電率は3.0であった。また、薄膜を空気中に放置すると、薄膜の吸湿により流れる電流の値が上昇した。
一方、実施例2で得られた式(K)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を同様にして処理して得られた薄膜(膜厚:220nm)の電気特性を調べた結果、吸湿の影響による電流値の上昇は得られなかった。比誘電率は3.0であった。
また、実施例3で得られた式(L)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を同様にして処理して得られた薄膜(膜厚:210nm)の電気特性を調べた結果、吸湿の影響による電流値の上昇は得られなかった。比誘電率は3.0であった。
評価試験3
製造例5で得られた式(N)で表される末端キャップ型ポリマーをDMAcと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)の混合液(重量比1:1)に溶解させ、10重量%の溶液を調製した。この溶液をスピンコータを用いてウエハ上に塗布した。塗布ウエハを電気炉中、窒素雰囲気下、250℃で1時間加熱することによって、溶媒を完全に揮発させた。こうして得られた薄膜(膜厚:260nm)の電気特性を調べたところ、比誘電率は3.5であった。また、薄膜を空気中に放置すると、薄膜の吸湿により流れる電流の値が上昇した。
一方、実施例4で得られた式(O)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を同様にして処理して得られた薄膜(膜厚:280nm)の電気特性を調べた結果、吸湿の影響による電流値の上昇は得られなかった。また、比誘電率は3.0であった。
評価試験4
製造例6で得られた式(Q)で表されるエチニル基含有アダマンタン誘導体をDMAcと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)の混合液(重量比1:1)に溶解させ、10重量%の溶液を調製した。この溶液をスピンコータを用いてウエハ上に塗布した。塗布ウエハを電気炉中、窒素雰囲気下、350℃で1時間加熱することによって、架橋反応を進行させた。こうして得られた薄膜(膜厚:300nm)の電気特性を調べたところ、比誘電率は3.1であった。また、薄膜を空気中に放置しても、薄膜の吸湿による電流値の上昇は見られなかった。
実施例5で得られた式(R)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物をシクロヘキサノンに溶解させ、10重量%の溶液を調製した。この溶液をスピンコータを用いてウエハ上に塗布した。塗布ウエハを電気炉中、窒素雰囲気下、350℃で1時間加熱することによって、架橋反応を進行させた。こうして得られた薄膜(膜厚:460nm)の電気特性を調べたところ、比誘電率は3.0であった。また、薄膜を空気中に放置しても、薄膜の吸湿による電流値の上昇は見られなかった。
実施例6で得られた式(S)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物をシクロヘキサノンに溶解させ、10重量%の溶液を調製した。この溶液をスピンコータを用いてウエハ上に塗布した。塗布ウエハを電気炉中、窒素雰囲気下、350℃で1時間加熱することによって、架橋反応を進行させた。こうして得られた薄膜(膜厚:400nm)の電気特性を調べたところ、比誘電率は3.0であった。また、薄膜を空気中に放置しても、薄膜の吸湿による電流値の上昇は見られなかった。
実施例7で得られた式(U)で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物をシクロヘキサノンに溶解させ、7重量%の溶液を調製した。この溶液をスピンコータを用いてウエハ上に塗布した。塗布ウエハを電気炉中、窒素雰囲気下、300℃で1時間加熱することによって、架橋反応を進行させた。こうして得られた薄膜(膜厚:310nm)の電気特性を調べたところ、比誘電率は2.6であった。また、薄膜を空気中に放置しても、薄膜の吸湿による電流値の上昇は見られなかった。
製造例6で得られたエチニル基含有アダマンタン誘導体により形成された薄膜、及び実施例5〜7で得られたN−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物により形成された薄膜のリーク電流特性を図7に示す。図7の横軸は印加電界強度(V/cm)であり、縦軸はリーク電流密度(A/cm2)である。なお、リーク電流特性の測定は、プローブ法により行った。
製造例1で得られたアミノ基含有アダマンタン誘導体のNMRスペクトルである。 製造例1で得られたアミノ基含有アダマンタン誘導体の赤外線吸収スペクトルである。 製造例6で得られたエチニル基含有アダマンタン誘導体のNMRスペクトルである。 実施例5で得られたN−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物のNMRスペクトルである。 実施例6で得られたN−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物のNMRスペクトルである。 実施例7で得られたN−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物のNMRスペクトルである。 製造例6で得られたエチニル基含有アダマンタン誘導体により形成された薄膜、及び実施例5〜7で得られたN−置換エチニルベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物により形成された薄膜のリーク電流特性を示すグラフである。

Claims (16)

  1. 下記式(1)
    Figure 2009029766
    (式中、Zは有橋脂環骨格を示し、Y1は単結合又は2価の有機基を示し、Y2は単結合又は2〜3価の有機基を示し、Xは水素原子又は反応性官能基を示し、Raは水素原子又は炭化水素基を示す。Aは、下記式(a)又は(b)
    Figure 2009029766
    (式中、Rは1価の有機基を示す。何れの式も、左側がY1と結合する側、右側がY2と結合する側である)
    で表される基を示す。nは2〜7の整数、mは0〜5の整数、kは0〜2の整数を示す。n+m=2〜7である。分子内の複数のY1、Y2、X、A、R及び複数存在する場合のX、Raは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい)
    で表されるN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物。
  2. Zにおける有橋脂環骨格に係る有橋脂環が下記式から選ばれる環、又はこれらが2以上結合した環である請求項1記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物。
    Figure 2009029766
  3. Rにおける1価の有機基が、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらの2以上が、酸素原子若しくは硫黄原子を介して又は介することなく結合した基である請求項1又は2記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物。
  4. Rにおける1価の有機基が、下記式から選ばれる基である請求項1〜3の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物。
    Figure 2009029766
    (式中、R1は単結合又は炭素数1〜50の2価の脂肪族炭化水素基を示す。jは0〜3の整数を示す)
  5. 1、Y2における2価の有機基が、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、2価の脂環式炭化水素基、アリレン基、2価の複素環式基、もしくはこれらの2価の有機基が2以上結合した基、又はこれらの2価の有機基の1又は2以上と、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)から選択された少なくとも1つの原子とが結合した基である請求項1〜4の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物。
  6. 1、Y2における2価の有機基が、下記式から選ばれる2価の基、又はこれらが2以上結合した2価の基である請求項1〜5の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物。
    Figure 2009029766
    (式中、R2は炭素数1〜50の2価の脂肪族炭化水素基を示す。R′は水素原子又は1価の有機基を示す。各式において、結合の左右の向きは問わない)
  7. Xにおける反応性官能基が、置換基を有していてもよいエチニル基、置換基を有していてもよいビニル基、ハロゲン原子、無置換又はモノ置換アミノ基、ハロホルミル基、酸無水物基、酸アジド基、ヒドラジド基、シアノ基、アシル基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、イミン基及びアルコキシシリル基から選択された基である請求項1〜6の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物。
  8. 請求項1〜7の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[但し、式(1)中のkは1又は2である]Aを重合して得られるN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体。
  9. 請求項1〜7の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[但し、式(1)中のkは1又は2である]Aと、前記N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物A中の反応性官能基Xに対して反応性を有する官能基又は官能基群を2以上有する多官能化合物Bとの反応により得られるN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体。
  10. 下記式(5a)、(5b)又は(5c)
    Figure 2009029766
    [式中、Zは有橋脂環骨格を示し、Y1は単結合又は2価の有機基を示し、Y2は単結合又は2価の有機基を示し、Raは水素原子又は炭化水素基を示す。Aは、下記式(a)又は(b)
    Figure 2009029766
    (式中、Rは1価の有機基を示す。何れの式も、左側がY1と結合する側、右側がY2と結合する側である)
    で表される基を示す]
    で表される繰り返し単位を有するN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体。
  11. 重量平均分子量が200〜100000である請求項8〜10の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体。
  12. 請求項1〜7の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物を溶媒に溶解させた膜形成材料。
  13. 請求項1〜7の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物[但し、式(1)中のkは1又は2である]Aと、前記N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物A中の反応性官能基Xに対して反応性を有する官能基又は官能基群を2以上有する多官能化合物Bとを溶媒に溶解させた膜形成材料。
  14. 請求項8〜11の何れかの項に記載のN−置換ベンズイミダゾール環含有重合体を溶媒に溶解させた膜形成材料。
  15. 請求項12〜14の何れかの項に記載の膜形成材料を基板上に塗布し、乾燥させるか、又は加熱により反応させて、薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方法。
  16. 請求項15記載の薄膜の製造方法により形成された薄膜。
JP2007208645A 2007-06-14 2007-08-09 N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物、n−置換ベンズイミダゾール環含有重合体、薄膜及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5095300B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007208645A JP5095300B2 (ja) 2007-06-25 2007-08-09 N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物、n−置換ベンズイミダゾール環含有重合体、薄膜及びその製造方法
TW97119829A TW200911758A (en) 2007-06-14 2008-05-29 Thin-film materials, thin films and producing method thereof
US12/155,750 US20090004508A1 (en) 2007-06-14 2008-06-09 Thin-film materials, thin films and producing method thereof
EP08010623A EP2003123A3 (en) 2007-06-14 2008-06-11 Thin-film materials, thin films and producing method thereof
KR1020080056017A KR20080110544A (ko) 2007-06-14 2008-06-13 박막 형성 재료, 박막 및 그의 제조 방법

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007167012 2007-06-25
JP2007167012 2007-06-25
JP2007208645A JP5095300B2 (ja) 2007-06-25 2007-08-09 N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物、n−置換ベンズイミダゾール環含有重合体、薄膜及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009029766A true JP2009029766A (ja) 2009-02-12
JP5095300B2 JP5095300B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=40400678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007208645A Expired - Fee Related JP5095300B2 (ja) 2007-06-14 2007-08-09 N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物、n−置換ベンズイミダゾール環含有重合体、薄膜及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5095300B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62183881A (ja) * 1986-02-07 1987-08-12 Res Dev Corp Of Japan 複素芳香族高分子超薄膜の製造方法
JP2004307804A (ja) * 2003-03-26 2004-11-04 Daicel Chem Ind Ltd 絶縁膜形成材料及び絶縁膜
JP2005139271A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Daicel Chem Ind Ltd プレポリマー、プレポリマー組成物、空孔構造を有する高分子量重合体及び絶縁膜
JP2006008642A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd アミノフェノール化合物、熱硬化性化合物およびその製造法
WO2007034902A1 (ja) * 2005-09-21 2007-03-29 Sumitomo Bakelite Company, Ltd. 樹脂組成物、ワニス、樹脂膜および半導体装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62183881A (ja) * 1986-02-07 1987-08-12 Res Dev Corp Of Japan 複素芳香族高分子超薄膜の製造方法
JP2004307804A (ja) * 2003-03-26 2004-11-04 Daicel Chem Ind Ltd 絶縁膜形成材料及び絶縁膜
JP2005139271A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Daicel Chem Ind Ltd プレポリマー、プレポリマー組成物、空孔構造を有する高分子量重合体及び絶縁膜
JP2006008642A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd アミノフェノール化合物、熱硬化性化合物およびその製造法
WO2007034902A1 (ja) * 2005-09-21 2007-03-29 Sumitomo Bakelite Company, Ltd. 樹脂組成物、ワニス、樹脂膜および半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5095300B2 (ja) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060241275A1 (en) Dielectric films and materials therefor
JP4520724B2 (ja) プレポリマー組成物の製造法、及び絶縁膜の製造法
EP2003123A2 (en) Thin-film materials, thin films and producing method thereof
US7612155B2 (en) Film forming composition, insulating film formed by use of the composition, and electronic device
US20070073019A1 (en) Polymer and film forming composition
EP1772469A2 (en) Polymer and film forming composition
JP2007311732A (ja) 低誘電材料
JP5095300B2 (ja) N−置換ベンズイミダゾール環含有有橋脂環式化合物、n−置換ベンズイミダゾール環含有重合体、薄膜及びその製造方法
JP2007314778A (ja) 膜形成用組成物、該組成物を用いて形成した絶縁膜及び電子デバイス
JPWO2004083278A1 (ja) 芳香環系重合体及び低誘電材料
JP4659486B2 (ja) 電子デバイス用絶縁膜、電子デバイス及び電子デバイス用絶縁膜の製造方法
CN114249892A (zh) 一种聚酰亚胺前体树脂及其制备方法和应用
JP4916731B2 (ja) アミノ基含有アダマンタン誘導体とその製造方法、絶縁膜形成材料、ポリマー及び絶縁膜
JP2009019193A (ja) 絶縁膜形成材料、絶縁膜及びその製造方法
JP4807956B2 (ja) プレポリマー、プレポリマー組成物、空孔構造を有する高分子量重合体及び絶縁膜
JP5095299B2 (ja) エチニル基含有有橋脂環式化合物、絶縁膜形成材料、絶縁膜及びその製造方法
Wang et al. A new polymer with low dielectric constant based on trifluoromethyl-substituted arene: preparation and properties
JP4987317B2 (ja) 絶縁膜形成材料及び絶縁膜
JP5895602B2 (ja) 架橋性フラーレン組成物
JP2006241237A (ja) 膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス
JP2008222992A (ja) 膜形成用組成物、絶縁膜及び電子デバイス
JP2007217298A (ja) アミノ基含有アダマンタン誘導体とその製造方法
TW202146474A (zh) 相分離結構形成用樹脂組成物、含有相分離結構之結構體的製造方法,及嵌段共聚物
JP4495010B2 (ja) 絶縁膜形成材料及び絶縁膜
JP2007084746A (ja) 膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120918

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees