JP2009028057A - 脈診システム、脈診装置、脈診方法及び脈診プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】患者の脈を測定して得られる波形である脈波に関する脈波データを取得する脈波測定部410、取得された脈波データを、測定時に患者の脈を押圧した圧力、測定された脈波の周波数、波形、波形の振幅及び振幅比、脈の測定範囲の少なくとも1つを含む脈パラメータと、脈波の種別と、を対応付けた脈波種別データと比較し、脈波データが示す脈波の種別を特定する押圧力判定部402、圧力範囲判定部403、心拍数判定部404、波形判定部405、脈波判定部406、特定された脈波の種別に基づく情報を出力するディスプレイ202を備える脈診装置を構成する。
【選択図】 図4
Description
しかしながら、医師による診断を受けることが困難な患者を対象にしている遠隔診断システムでは、熟練した医師に患者を脈診させることが必須の診断方法を採用することは現実的ではない。また、現在の医師法では、脈診は医師や看護士以外のものには認められていないため、脈診の技術者を養成して医療機関以外の施設に派遣することもできない。
さらに、脈波の特定を脈診装置の側で実施する脈診システムは、脈波を測定した患者や医師、薬剤師等が直ちに脈波の種別を特定することができる。このため、医師が自身の知識や脈波の種別と漢方薬に関する情報等を対照し、短時間のうちに漢方薬を処方することが可能となる。
このような発明によれば、脈波データの1周期分、または複数周期分のいずれを使って脈波の種別を特定することができる。このため、特定すべき脈波の特徴や検出精度等の条件によって適正な特定方法を選択することができる。
(システム構成)
図1は、実施形態1、実施形態2に共通の脈診システムの概念を説明するための図である。図示した脈診システムは、サーバ1と、サーバ1とネットワークNによって接続される脈診装置101とによって構成されている。脈診装置101は、脈波(患者の脈を測定して得られる波形)を測定して脈波データを取得する。
例えば、脈診装置101は脈診によって得られた脈波データをそのままサーバ1に送信するものであってもよい。このような構成では、サーバ1が、脈波データを受信し、受信された脈波データを脈波種別データと比較して脈波の種別を特定する。そして、特定された脈波の種別に基づく情報を外部に送信するものであってもよい。なお、サーバ1が脈波の特定を行う脈診システムにおいては、ネットワークNが脈診装置101の脈波データ送信手段及びサーバ1の受信手段及び診断データ送信手段として機能する。
図2は、脈診装置101の外観図である。図3は脈診装置101のセンサユニットを説明するための図であり、図4は脈診装置の実施形態1、実施形態2の構成に関する機能ブロック図である。
図2に示したように、脈診装置101は、患者の手首を固定するための固定台201、センサユニット204、本体205を有している。本体205は、脈波データを表示するディスプレイ202、脈診装置101を操作するための操作ボタン203を有している。脈診装置101としては、例えば、オムロン自動血圧計HEM−9000AI(製品名)を用い、このような装置に実施形態1の脈診プログラムを記憶させることによって実現することができる。なお、脈診装置101に適用される装置の多くは、脈波の他、血圧や心拍数をも測定することが可能である。図示したディスプレイ202には、脈波と共に、最高血圧、最小血圧、心拍数等の数値が表示されている。
押圧された撓骨動脈の脈動によって発生した振動波は、手首表面に伝達されて圧力センサ301aに検出される。圧力センサ301aに検出された信号は、アナログ信号からデジタル信号に変換され、必要に応じて増幅等の通常の電気的処理が施された後に制御部401に入力する。
また、脈波判定部406は、例えば、特定された脈波の種別に基づく情報を出力する。出力の方法としては、例えば、特定された種別の名称を脈診装置101のディスプレイ202に表示することが考えられる。また、通信制御部411によってサーバ1に送信して第三者に提示することも考えられる。
以上の構成において、センサユニット204及び脈波測定部410が脈波データ取得手段、押圧力判定部402、圧力測定範囲判定部403、心拍数判定部404、波形判定部405、脈波判定部406が脈波特定手段、脈波判定部406、通信制御部411、ディスプレイ202が情報出力手段として機能する。
次に、実施形態1の脈診システム、脈診装置、脈診方法、脈診プログラムについて説明する。実施形態1の脈診装置は、前記した制御部401が1回の脈動を測定して得られる脈波データを使って脈波の種別を特定する構成である。
図5は、実施形態1の脈波の種別特定に使用される脈波データを例示する図である。図示した脈波データは、脈波測定部10によって測定される脈波の波形であって、横軸に時間tを、縦軸に圧力Pを示している。
ここで、本発明の実施形態1の脈診システムに含まれる脈診装置による脈診について説明する。漢方医学では、脈波を心拍数や深さ、脈の太さに応じて多数の種別に分類している。種別には、体調に異常がないユーザの脈波である正常波の他、弦脈や疾脈等がある。測定される脈波は、多くの場合、弦脈や疾脈といった1種類の脈波に該当するのではなく、複数種類の脈波の特徴を併せ持っている。複数種類の脈波の特徴を併せ持った脈波を、本明細書では相兼脈と記すものとする。
さらに、脈波は、波形によって次のように分類される。すなわち、図5に示したa3とa4とが同程度の値を有する場合、この脈波は滑脈に該当する。a5が0〜1の範囲にあれば脈波は弦脈に該当する。弦脈は、さらにa1とa3との比(a1/a3)によって、弦脈、弦脈I、弦脈II、弦脈IIIに分類される。
次に、以上述べた実施形態1の脈診システム、脈診装置によってなされる脈診方法を説明する。図9は、実施形態1の脈診方法の全体的な処理を説明するためのフローチャートであって、脈診装置によって実行される。実施形態1の脈診装置は、先ず、脈波測定部410によって患者の脈波を測定する。そして、測定時の押圧力P、圧力センサ301aの個数S、心拍数r、波形を示す振幅や振幅比といった脈パラメータを入力する(S801)。
そして、ステップS802〜805の各サブルーチンによって判定された結果を脈波判定部406が収集し、総合的に脈波の種別を判定する(S806)。そして、結果をディスプレイ202、あるいは記録紙等に出力することによって出力する。
メインルーチンに戻った場合、押圧力がPl以上、Ph以下の範囲内であることを示す情報が脈波判定部406に入力される。脈波判定部406は、圧力検出センサ数S判定サブルーチン、心拍数r判定サブルーチンによる判定結果も収集する。そして、押圧力、圧力検出センサ数、心拍数の値の全てが所定の範囲にある場合には脈波が正常波であると判定する。
この判断の結果、圧力検出センサ数がSl以上、Sh以下の範囲内であれば(S1001:Yes)、圧力検出センサ数S判定サブルーチンはメインルーチンに戻る。
t1<t2<t3<t4
心拍数判定部404は、測定された心拍数が、予め設定されている心拍数r1以上、心拍数r2以下の範囲内にあるか否か判断する(S1101)。この判断の結果、測定された心拍数が心拍数r1以上、心拍数r2以下の範囲内にある場合(S1101:Yes)、心拍数判定部404は、脈波が緩脈であると判定する(S1102)。また、心拍数が心拍数r1以上、心拍数r2以下の範囲内にない場合(S1101:No)、心拍数が心拍数r1以上、心拍数r3以下の範囲内にあるか否か判断する(S1103)。心拍数が心拍数r1以上、心拍数r3以下の範囲内にあると判断された場合(S1103:Yes)、心拍数r判定サブルーチンはメインルーチンに戻る。
心拍数判定部404は、ステップS1104において、心拍数が心拍数r1より小さくないと判断された場合(S1104:No)、心拍数が心拍数r4より大きいか否か判断する(S1110)。心拍数が心拍数r4よりも大きかった場合には(S1110:Yes)、脈波が疾脈であると判定する(S1111)。
ステップS1112において心拍数がt3よりも小さいと判断された場合(S1114:No)、判定の結果が矛盾することから、心拍数の測定にエラーが生じたと判定する(S1114)。以上の処理の終了後、心拍数r判定サブルーチンは、メインルーチンに戻る。
a3とa4とが略等しいと認められない場合(S1201:No)、波形判定部405は、a5の値が0以上、1以下であるか否か判断する(S1203)。a5の値が0以上、1以下でないと判断された場合(S1203:No)、脈波は実施形態1が前提としている波形と大きく相違するとして脈波種別の特定不能と判定する(S1204)。
このようにすれば、医師は、特に漢方医学に基づく脈診に精通していなくても、脈波の種別を直ちに理解できる。そして、脈波の種別に基づいて患者を診断し、患者に適した漢方薬等の処方をすることができる。また、このとき、医師は、脈診と問診や舌診といった他の診断を併用し、複数の診断の結果を総合的に判断するようにしてもよい。
前記したように、多くの脈波は相兼脈である。漢方医学では、各相兼脈について弁償と漢方薬とを対応付けている。実施形態1では、脈波の種別と、この種別の脈波の特徴を含む相兼脈の弁証と漢方薬とを対応つけてデータベース化するものとした。データベースに含まれる脈波種別、弁証、漢方薬を対応つけたデータを以下に例示する。
脈波種別 弁証 漢方薬
浮脈 表証/虚証 荊芥・防風
表熱証 桑叶・菊花
沈脈 裏虚証 人参・白朮
裏証/寒証 炮附子・桂枝
弦脈 虚証/肝胆病 柴胡・人参
熱証/肝胆病 柴胡・黄か
次に、実施形態1の脈診システム、脈診装置、脈診方法、脈診プログラムについて説明する。実施形態2の脈診システムは、脈診装置による脈波の種別の分類のみが実施形態1と相違し、脈診システムにおけるデータの授受は実施形態1と同様に行われる。したがって、実施形態2では、脈パラメータによる脈波の分類についてのみ説明し、実施形態1で説明したシステムや装置構成については図示及び説明の一部を略すものとする。
実施形態2の脈診装置は、前記した心拍数判定部404が連続する複数回の脈動を測定して得られる脈波データを使って心拍数を判定し、脈波判定部406が該脈波の種別を特定する。このような実施形態2の脈診装置は、脈波測定部410が心拍数(脈拍数)を別途測定する機能を持たない場合に脈波の種別を特定することを可能にするものである。
なお、実施形態2は、実施形態1と同様に、相兼脈を脈波の種別のいずれかに分類するものである。本発明の発明者らは、多数の臨床データや漢方医学の医師による診断を総合的に考慮し、どの脈パラメータをどのように規定して脈波を分類するか決定した。
さらに、実施形態2の脈診装置では、心拍数の値は1以下は全て切り捨てられている。しかし、周期tの値は小数点以下まで計測されるので、心拍数が同じ60〜90の範囲であってもわずかながら周期の規定値が相違するためである。
脈診において、多くのユーザが正常波であると判断されると考えられる。このため、実施形態2では、測定された脈波の脈パラメータを最初に図14に示した正常波の条件と比較する。そして、測定された脈波に条件の全てが合致すれば(ステップS1401:Yes)、脈波判定部406が脈波は正常波であると判定する(ステップS1415)。正常波の条件全てに合致しない場合(ステップS1401:No)、脈波判定部406は、心拍数判定部404の判定結果に基づいて、心拍数が60以下であるか否か判断する(ステップS1402)。心拍数60以下である場合(ステップS1402:Yes)、脈波は遅脈であると判定する(ステップS1403)。
そして、凹圧力Pが100以下でない場合(ステップS1412:No)、制御部401は、判定サブルーチンを実行する(ステップS14141)。
ステップS1501において、心拍数が90以上でないと判断された場合(ステップS1501:No)、脈波判定部406は、再び脈波の心拍数が60以下であるか否か判定する(ステップS1503)。心拍数が60以下であれば(ステップS1503:Yes)、脈波判定部406は、さらに波形判定部405による判定の結果に基づいて、脈波の不整脈が規則的に発生するか否か判断する(ステップS1504)。不整脈が規則的に発生している場合(ステップS1504:Yes)、脈波は結脈であると判定する(ステップS1502)。不整脈が規則的に発生していない場合(ステップS1504:No)、脈波判定部406は、不整脈が不規則に発生するものとして脈波を代脈と判定する(ステップS1506)。
ステップS1511において、a3/a1の値が0.4以下でないと判断された場合(ステップS1511:No)、脈波判定部406は、波形判定部405の判定結果から、a1の値が15以下であるか否か判断する(ステップS1513)。この結果、a1の値が15以下であれば(ステップS1513:Yes)、脈波が濡脈であると判定する(ステップS1514)。
このように、実施形態2は、心拍数を計測する機能を別途持たない装置、あるいはセンサ等によって脈の太さを直接測定する構成を持たない脈診装置を使い、実施形態1と同様に漢方医学による脈診を実行することができる。
10 脈波測定部、101 脈診装置、201 固定台、202 ディスプレイ
204 センサユニット、301 圧力センサ群、301a 圧力センサ
302 自動圧力コントローラ、305 範囲、401 制御部
402 押圧力判定部、403 圧力測定範囲判定部、404 心拍数判定部
405 波形判定部、406 脈波判定部、407 脈波DB
410 脈波測定部、411 通信制御部、501,502,503 ピーク
Claims (8)
- 脈診サーバ装置と、当該脈診サーバ装置とネットワークによって接続される脈診装置と、を含む脈診システムであって、
前記脈診装置は、
患者の脈を測定して得られる波形である脈波に関する脈波データを取得する脈波データ取得手段と、
前記脈波データ取得手段によって取得された脈波データを、脈波の種別と、測定時に患者の脈を押圧した圧力、測定された脈波の周波数、波形、波形の振幅及び振幅比、脈の測定範囲の少なくとも1つを含む脈パラメータとを対応付けた脈波種別データと比較し、前記脈波データが示す脈波の種別を特定する脈波特定手段と、
前記脈波特定手段によって特定された脈波の種別に基づく情報を前記脈診サーバに送信する脈波データ送信手段を有することを特徴とする脈診システム。 - 脈診サーバ装置と、当該脈診サーバ装置とネットワークによって接続される脈診装置と、を含む脈診システムであって、
患者の脈を測定して得られる波形である脈波に関する脈波データを取得する脈波データ取得手段と、
前記脈波データ取得手段によって取得された脈波データを送信する脈波データ送信手段と、を備えた脈診装置と、
前記脈波データ送信手段によって送信された脈波データを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された脈波データを、脈波の種別と、測定時に患者の脈を押圧した圧力、測定された脈波の周波数、波形、波形の振幅及び振幅比、脈の測定範囲の少なくとも1つを含む脈パラメータとを対応付けた脈波種別データと比較し、前記脈波データが示す脈波の種別を特定する脈波特定手段と、
前記脈波特定手段によって特定された脈波の種別に基づく情報を外部に送信する診断データ送信手段と、を備えた脈診サーバ装置と、
を含むことを特徴とする脈診システム。 - 患者の脈を測定して得られる波形である脈波に関する脈波データを取得する脈波データ取得手段と、
前記脈波データ取得手段によって取得された脈波データを、脈波の種別と、測定時に患者の脈を押圧した圧力、測定された脈波の周波数、波形、波形の振幅及び振幅比、脈の測定範囲の少なくとも1つを含む脈パラメータとを対応付けた脈波種別データと比較し、前記脈波データが示す脈波の種別を特定する脈波特定手段と、
前記脈波特定手段によって特定された脈波の種別に基づく情報を出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とする脈診装置。 - 前記脈波特定手段は、
一回の脈動を測定して得られる脈波データ、または連続する複数回の脈動を測定して得られる脈波データを使って該脈波の種別を特定することを特徴とする請求項3に記載の脈診装置。 - 脈波データ取得手段が、脈動を圧力として測定する圧力測定手段を有し、
前記圧力測定手段は、
患者の手首の周方向に複数配列され、身体に接して脈を検出する圧力センサと、
前記複数の圧力センサのうち、所定の値以上の圧力を検出した圧力センサの数によって圧力の測定範囲を決定することを特徴とする請求項3または4に記載の脈診装置。 - 前記脈波種別データは、前記脈波データが複数のピークを含む波形を有する場合、脈波の種別と、複数のピーク同士の高さの比とを対応付けたデータを含むことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の脈診装置。
- 患者の脈を測定して得られる波形である脈波に関する脈波データを取得する脈波データ取得工程と、
前記脈波データ取得工程において取得された脈波データを、脈波の種別と、測定時に患者の脈を押圧した圧力、測定された脈波の周波数、波形、波形の振幅及び振幅比、脈の測定範囲の少なくとも1つを含む脈パラメータとを対応付けた脈波種別データと比較し、前記脈波データが示す脈波の種別を特定する脈波特定工程と、
前記脈波特定工程において特定された脈波の種別に基づく情報を出力する情報出力工程と、
を含むことを特徴とする脈診方法。 - コンピュータに、
患者の脈を測定して得られる波形である脈波に関する脈波データを取得する脈波データ取得機能と、
前記脈波データ取得機能によって取得された脈波データを、脈波の種別と、測定時に患者の脈を押圧した圧力、測定された脈波の周波数、波形、波形の振幅及び振幅比、脈の測定範囲の少なくとも1つを含む脈パラメータとを対応付けた脈波種別データと比較し、前記脈波データが示す脈波の種別を特定する脈波特定機能と、
前記脈波特定機能によって特定された脈波の種別に基づく情報を出力する情報出力機能と、
を実現させることを特徴とする脈診プログラム。
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JP5307365B2 (ja) | 2013-10-02 |
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