JP2009027307A - 弾性表面波デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電基板16の一方の主面14にすだれ状電極11が形成された弾性表面波素子片10と、弾性表面波素子片10を励振する発振回路が形成されたICチップ20と、ICチップ20の一方の面22または他方の面23から厚み方向に突出するようにICチップ20に形成された突出部30と、を備え、弾性表面波素子片10は、平面視において、弾性表面波素子片10がICチップ20の外形内に収まり、且つすだれ状電極11が形成された領域と突出部30とが重ならない位置で、圧電基板16の他方の主面15が突出部30に固定され、すだれ状電極11とICチップ20とが電気的に接続されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この弾性表面波デバイスを構成する弾性表面波素子片は、圧電基板の表面にすだれ状電極が形成されるとともに、このすだれ状電極の両端に反射器が形成された構成となっている。弾性表面波素子片は、このすだれ状電極に、発振回路から電気信号が印加されると圧電効果によってすだれ状電極の電極指間に表面波を励起し、すだれ状電極と反射器とが形成された圧電基板の表面において弾性表面波を伝播する。
この弾性表面波デバイスにおいて、配線の短縮化及びパッケージの小型化などを図るために、弾性表面波素子片の圧電基板のすだれ状電極が形成された面の反対面(以下、裏面という)に、発振回路が形成されたICチップ(以下、集積回路基板という)を直接実装する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この小型化された弾性表面波素子片とワンチップ化された集積回路基板とを比較すると、相対的にワンチップ化された集積回路基板の方が、外形サイズが大きい。
しかしながら、この実装を接着剤などで行う場合、弾性表面波素子片及び集積回路基板の接着面がともに平面であることから、両者を接着したときに接着剤などが広がり易い。 接着剤が弾性表面波素子片の圧電基板のすだれ状電極と重なる部分に広がると、接着剤の熱収縮などにより圧電基板のすだれ状電極と重なる部分に応力が発生し、共振周波数が変化することがある。
このことから、弾性表面波デバイスは、集積回路基板と集積回路基板の外形からはみ出た弾性表面波素子片とを収納できる大きさのパッケージが必要となる。したがって、弾性表面波デバイスは、集積回路基板と弾性表面波素子片との配置でパッケージにデッドスペースが生じ、効率的な小型化を図ることができないという問題がある。
このことから、弾性表面波デバイスは、弾性表面波素子片の圧電基板のすだれ状電極が形成された領域と集積回路基板との間に隙間があるので、突出部から圧電基板のすだれ状電極が形成された領域と重なる部分に固定用の接着剤などが広がりにくい。
これにより、弾性表面波デバイスは、固定用の接着剤の熱収縮に起因する弾性表面波素子片の共振周波数の変化を抑制しつつ、弾性表面波素子片を集積回路基板の外形内に収まるように配置することが可能となる。したがって、弾性表面波デバイスは、デッドスペースのない効率的な小型化を図ることができる。
(第1の実施形態)
図1は、弾性表面波デバイスの一例としての弾性表面波発振器の概略構成を示す構成図である。図1(a)は平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。なお、平面図では、理解を容易にするため構成部品の蓋部分(リッド)を省略してある。
突出部30の上面38は、ICチップ20の一方の面22と略平行になるように形成されている。なお、突出部30の厚みは、約25μm〜約100μmの範囲で適宜設定される。
突出部30のインダクタ素子31が形成される金属層には、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルなどの単一金属または、これらの合金が用いられる。
突出部30の上面38には接着剤50により弾性表面波素子片10が固定されている。
圧電基板16は、所定の厚みに研磨された圧電単結晶材料である水晶から、略矩形の板状に形成されている。圧電基板16の一方の主面14には、すだれ状電極11が形成され、すだれ状電極11は、一対の電極指を交互に噛み合わせて配置されている。すだれ状電極11の両端には、弾性表面波を反射する反射器12a,12bが形成されている。
これにより、接着剤50は、弾性表面波素子片10の圧電基板16の他方の主面15のすだれ状電極11が形成された領域と重なる部分に広がらない。
このことから、弾性表面波発振器1は、弾性表面波素子片10の圧電基板16の他方の主面15の、すだれ状電極11が形成された領域と重なる部分に、接着剤50が広がることを回避できる。
したがって、弾性表面波発振器1は、接着剤50の熱収縮に起因する弾性表面波素子片10の共振周波数の変化を抑制しつつ、弾性表面波素子片10をICチップ20の外形内に収められることから、デッドスペースのない効率的な小型化を図ることができる。
また、圧電基板16の一方の主面14上に形成されたボンディングパッド13a,13bに対し金属ワイヤ60を接続するワイヤボンディング工程においてワイヤボンディングツールにより弾性表面波素子片10のボンディングパッド13a,13bへ印加する圧力によるインダクタ素子31等の受動素子の特性変化も抑制できる。
図2は、弾性表面波デバイスの一例としての弾性表面波発振器の概略構成を示す構成図である。図2(a)は平面図、図2(b)は、図2(a)のB−B線での断面図である。なお、平面図では、理解を容易にするため構成部品の蓋部分(リッド)を省略してある。また、第1の実施形態との共通部分には同じ符号を附している。
突出部30の上面38は、ICチップ20の一方の面22と略平行になるように形成されている。なお、突出部30の厚みは、約25μm〜約100μmの範囲で適宜設定される。
突出部30のインダクタ素子31が形成される金属層には、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルなどの単一金属または、これらの合金が用いられる。
突出部30の上面38には接着剤50により弾性表面波素子片10が固定されている。
枕部70は、弾性を有する例えば、シリコーン系接着剤、ブタジエンゴム接着剤などにより形成される。
圧電基板16は、所定の厚みに研磨された圧電単結晶材料である水晶から、略矩形の板状に形成されている。圧電基板16の一方の主面14には、すだれ状電極11が形成され、すだれ状電極11は、一対の電極指を交互に噛み合わせて配置されている。すだれ状電極11の両端には、弾性表面波を反射する反射器12a,12bが形成されている。
これにより、接着剤50は、弾性表面波素子片10の圧電基板16の他方の主面15のすだれ状電極11が形成された領域と重なる部分に広がらない。
このことから、弾性表面波発振器101は、弾性表面波素子片10の圧電基板16の他方の主面15の、すだれ状電極11が形成された領域と重なる部分に、接着剤50が広がることを回避できる。
したがって、弾性表面波発振器101は、接着剤50の熱収縮に起因する弾性表面波素子片10の共振周波数の変化を抑制しつつ、弾性表面波素子片10をICチップ20の外形内に収められることから、デッドスペースのない効率的な小型化を図ることができる。
また、圧電基板16の一方の主面14上に形成されたボンディングパッド13a,13bに対し金属ワイヤ60を接続するワイヤボンディング工程においてワイヤボンディングツールにより弾性表面波素子片10のボンディングパッド13a,13bへ印加する圧力によるインダクタ素子31等の受動素子の特性変化も抑制できる。
これにより、弾性表面波発振器101は、外部から圧電基板16の厚み方向の衝撃が加わったときに、上記先端部を、枕部70の弾性により衝撃を緩和して支持することができ、弾性表面波素子片10の耐衝撃性を向上することができる。
(変形例)
図3は、弾性表面波デバイスの一例としての弾性表面波発振器の概略構成を示す構成図である。図3(a)は平面図、図3(b)は、図3(a)のC−C線での断面図である。なお、平面図では、理解を容易にするため構成部品の蓋部分(リッド)を省略してある。また、第2の実施形態との共通部分には同じ符号を附し、その説明を省略する。
弾性表面波発振器201は、第2の実施形態の弾性表面波発振器101と比較して枕部70,170の構成が異なる。以下、枕部170の構成を中心に説明する。
枕部170は、突出部30と同様にフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術などを用いて、突出部30と同一工程にて一括して形成されている。
したがって、枕部170は、ICチップ20の一方の面22に絶縁部材としての第1の絶縁層32が形成され、第1の絶縁層32の上に絶縁部材としての第2の絶縁層33が形成されている。これにより、枕部170は、突出部30と略同一の厚みに形成される。
上述したように、弾性表面波発振器201は、枕部170の厚みが突出部30と略同一に形成されることから、外部から圧電基板16の厚み方向の衝撃が加わったときに、圧電基板16の突出部30に固定されている側と反対の側(反射器12b側)の先端部を、枕部170で支持することができる。
これにより、弾性表面波発振器201は、衝撃による圧電基板16の厚み方向の変形量が抑制され、弾性表面波素子片10の耐衝撃性を向上することができる。
これにより、弾性表面波発振器201は、枕部170を単独で形成する場合と比較して、枕部170の形成工数を無視することができ、弾性表面波発振器201の製造工数を低減することができる。
また、突出部30は、板状の絶縁部材で形成されていてもよい。これによれば、突出部30は、板状の絶縁部材を所望の大きさにして、ICチップ20の一方の面22に固定すればよいので、上記の各実施形態、変形例のように形成された場合と比較して突出部30の形成が容易になる。
Claims (6)
- 圧電基板の一方の主面にすだれ状電極が形成された弾性表面波素子片と、
前記弾性表面波素子片を励振する回路が形成された集積回路基板と、
前記集積回路基板の一方の面または他方の面から厚み方向に突出するように前記集積回路基板に形成された突出部と、を備え、
前記弾性表面波素子片は、平面視において、前記弾性表面波素子片が前記集積回路基板の外形内に収まり、且つ前記すだれ状電極が形成された領域と前記突出部とが重ならない位置で、前記圧電基板の他方の主面が前記突出部に固定され、前記すだれ状電極と前記集積回路基板とが電気的に接続されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。 - 請求項1に記載の弾性表面波デバイスにおいて、前記集積回路基板に形成された前記突出部には受動素子が形成され、前記受動素子を覆う絶縁部材を介して前記弾性表面波素子片が固定され、前記弾性表面波素子片と前記受動素子とが電気的に接続されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。
- 請求項2に記載の弾性表面波デバイスにおいて、前記絶縁部材がポリイミド樹脂であることを特徴とする弾性表面波デバイス。
- 請求項2に記載の弾性表面波デバイスにおいて、前記受動素子がインダクタ素子であることを特徴とする弾性表面波デバイス。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の弾性表面波デバイスにおいて、平面視において、前記集積回路基板の前記一方の面または前記他方の面のうち前記突出部が形成された側の面上であって、前記圧電基板の前記突出部に前記弾性表面波素子片の先端部と重なる位置に、凸部が形成されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。
- 請求項5に記載の弾性表面波デバイスにおいて、前記集積回路基板に形成された前記凸部が、弾性を有することを特徴とする弾性表面波デバイス。
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